JPH10124005A - 画像補正装置 - Google Patents

画像補正装置

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JPH10124005A
JPH10124005A JP27196396A JP27196396A JPH10124005A JP H10124005 A JPH10124005 A JP H10124005A JP 27196396 A JP27196396 A JP 27196396A JP 27196396 A JP27196396 A JP 27196396A JP H10124005 A JPH10124005 A JP H10124005A
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uniformity
correcting
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泰明 武藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶をはじめ種々の映像表示デバイスを用い
たシステムにおいて、原理的にあるいは製造過程で発生
する均一性のムラを精度よく補正することを目的とす
る。 【解決手段】 11aは空間依存データ発生手段であ
り、表示画面に平行な面内での2次元的空間位置に依存
するムラを取り除くための均一性補正波を発生する。1
2aは走査時間依存データ発生手段であり、表示画面の
垂直走査期間に依存するムラを取り除くための均一性補
正波を発生する。13aは加算手段であり、空間依存デ
ータと走査時間依存データを加算する。14aは補正手
段であり、加算手段13により加算された均一性補正波
に従って、映像信号を変調する。これにより表示デバイ
ス等に起因する空間依存のムラだけでなく、システムと
して原理的に発生する走査時間依存のムラを同時に補正
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶等を用いた映像
表示システムに関して、原理的にあるいはその製造過程
等で発生する均一性を補正する画像補正装置(G09G
3/36)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルを用いた映像表示装置の出力
画像において、パネルの空間的な反射率および透過率の
ばらつきのため、単色の場合は輝度ムラとして、RGB
で三つのパネルを用いた場合は色ムラとして認識される
場合がある。これを一般的に均一性のムラと呼ぶが、こ
れを補正する均一性補正技術に関しては数々の技術が報
告されている。その代表的なものとして、例えば特開昭
61−243495号公報がある。上記特許によらず、
一般的に均一性補正をアナログ的に映像信号を変調する
方式で行う場合、均一性補正装置はハード的には図19
に示す構成により補正される。
【0003】図19において、201aおよび201b
は、それぞれ乗算用均一性補正波発生手段、加算用補正
波発生手段、202は乗算手段であり、映像信号と乗算
用均一性補正波とをかけ合わせる。また、203は加算
手段であり、加算用均一性補正波と乗算手段202から
出力された映像信号とを加算する。この加算手段203
の出力が液晶ドライバへ出力される。つまり、映像信号
を乗加算回路により変調することにより、空間的なムラ
に対応している。
【0004】次に、CRTのRGB間の幾何学的色ずれ
をミスコンバージェンスと言うが、このミスコンバージ
ェンスをデジタル的に補正する装置には、例えば特公平
1−26234号公報に開示されるようなものがある。
上記特許によらず、デジタルコンバージェンス補正装置
は、簡潔に図20のような構成図で表せる。
【0005】211は水平同期信号、垂直同期信号をも
とに表示画面上に空間的に分布したアドレス信号を発生
させるアドレス発生手段、212はアドレス発生手段2
11から発生されるアドレス信号をもとに、そのアドレ
スに対応するコンバージェンス補正データを記憶し、読
み出してくる記憶手段、213は上記記憶手段に記憶さ
れている不連続なデータをもとに、ある決められた関数
で補間演算し、連続的なコンバージェンス補正波に変換
する演算手段であり、この出力がコンバージェンスコイ
ル(CY)へ送られる。ここで、機能的にみたブロック
図は図20で示したものであるが、ハード構成的には、
記憶手段212はEEPROMで、アドレス発生手段は
マイクロコンピュータで、また演算手段213は上記マ
イクロコンピュータの命令によりVRAMで行われるの
が一般的である。
【0006】ここで、機能的には図19中の均一性補正
波発生手段201a、201bは、図20で示したデジ
タルコンバージェンス補正装置で置き換えることが可能
であるので、置き換えた時を考える。コンバージェンス
補正の場合、様々な水平および垂直周波数で異なる面を
持ち、そのそれぞれのデータを記憶手段212に記憶し
ておく。しかし、均一性補正の場合、補正を行うのは液
晶パネルの反射率あるいは透過率の空間分布であり、ア
ドレス発生手段211からのアドレス信号が常に空間的
に同じ位置にあるなら、記憶手段212に記憶しておく
データは、マルチスキャンを行う場合でも1つでよいこ
とになる。このただ1つの均一性補正データを、入力さ
れる水平および垂直周期にあうように時間軸で変換し、
補正波として出力すればよいことになる。
【0007】上記アドレス信号は、空間的な位置を示す
が、実際は水平および垂直同期信号から作られたもので
ある。よって、もし表示画面サイズが変化したとき、ア
ドレス信号の位置は、空間的には変化してしまう。しか
し、水平および垂直同期信号に対する時間的な位置で考
えれば、アドレス信号の位置は変化しない。つまり、画
面サイズが変化したとき、アドレス信号を表示画面の2
次元的空間位置で一定にしようとすると、映像信号に対
して座標の変換をしなければならない。デジタルコンバ
ージェンスのアスペクト変換に関して、同様の技術が特
開昭62−11388号公報に述べられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の発明では、2次元的空間位置に依存するムラのみが考
慮されており、映像表示システム特有の原因により原理
的に発生する走査時間に依存するムラが存在した場合に
は、対応することができない。
【0009】また、入力される映像の垂直同期信号の周
波数が変化したとき、上記のような走査時間に依存する
ムラがあると、均一性補正データが一つしかないと広範
囲な垂直周波数領域で補正が困難となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、表示画面上の2次元的空間位置に依存す
る補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表
示画面の走査時間に依存する補正データを発生させる第
2のデータ発生手段と、上記第1と第2のデータ発生手
段から発生するデータを加算するデータ加算手段とを備
えたことを特徴とするものである。本発明によれば、走
査時間に依存する補正データが必要な場合を考慮し、空
間的位置に依存する補正データと区別して扱うことが可
能となる。
【0011】また、本発明は、表示画面上の2次元的空
間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ
発生手段と、表示画面の走査時間に依存する補正データ
を発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1の補正
データにより映像の均一性を補正する第1の補正手段
と、上記第2の補正データにより映像の均一性を補正す
る補正手段とを備えたことを特徴とするものである。本
発明によれば、均一性補正だけでなく、諧調性補正を同
時に行わなければならないシステムにおいても、空間的
位置に依存する補正データと走査時間に依存する補正デ
ータを区別して扱うことが可能となる。
【0012】また、本発明は、水平及び垂直走査期間を
一定の周期で区切った複数のアドレス信号を発生させる
アドレス発生手段と、入力される同期信号の周波数範囲
を複数の領域に分割し、その領域毎の判別信号を発生さ
せる周波数判別手段と、上記周波数領域毎のそれぞれに
対応し、かつ上記複数のアドレス信号に対応する複数の
各調整点での補正データを記憶する記憶手段と、上記記
憶手段に記憶された補正データに基づき上記映像表示装
置の均一性補正波を発生させる演算手段とを備えたこと
を特徴とするものである。本発明によれば、映像表示シ
ステムがマルチスキャン対応の時、複数の垂直周波数領
域で異なる均一性補正データを持たせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、映像表示装置の表示画
面の色ムラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であ
って、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正デ
ータを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の
走査時間に依存する補正データを発生させる第2のデー
タ発生手段と、上記第1と第2のデータ発生手段からの
データを加算するデータ加算手段と、上記加算データに
より画面上の映像の均一性を補正する補正手段とを有す
ることを特徴とする画像補正装置に関するものであり、
液晶等を用いた映像表示システムにおいて原理的にある
いはその製造過程等で発生する均一性のムラを精度良く
補正することができる。
【0014】本発明は、上記発明において、第1のデー
タ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正
データの座標変換を行って補正データを発生することを
特徴とするものであり、表示画面上、2次元的に分布し
た任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0015】本発明は、上記発明において、第2のデー
タ発生手段は、表示画面上の垂直走査時間に対応して補
正データを発生することを特徴とするものであり、垂直
走査時間に対応した任意の均一性補正波形を出力するこ
とができる。
【0016】本発明は、映像表示装置の表示画面の色ム
ラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、表
示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発
生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間
に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手
段と、上記第1の補正データにより映像の均一性を補正
する第1の補正手段と、上記第2の補正データにより映
像の均一性を補正する第2の補正手段とを有することを
特徴とする画像補正装置に関するものであり、液晶等を
用いた映像表示システムにおいて原理的にあるいはその
製造過程等で発生する均一性のムラを、諧調性補正手段
と回路的な順番が重要になってくる場合にも、精度良く
補正することができる。
【0017】本発明は、上記発明において、第1のデー
タ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正
データの座標変換を行って補正データを発生することを
特徴とするものであり、表示画面上、2次元的に分布し
た任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0018】本発明は、上記発明において、第2のデー
タ発生手段は、表示画面上の垂直走査時間に対応して補
正データを発生することを特徴とするものであり、垂直
走査時間に対応した任意の均一性補正波形を出力するこ
とができる。
【0019】本発明は、映像表示装置の表示画面の色ム
ラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、水
平及び垂直走査期間を一定の周期で区切った複数のアド
レス信号を発生させるアドレス発生手段と、入力される
同期信号の周波数範囲を複数の領域に分割し、その領域
毎の判別信号を発生させる周波数判別手段と、上記周波
数領域毎のそれぞれに対応し、かつ上記複数のアドレス
信号に対応する複数の各調整点での補正データを記憶す
る記憶手段と、上記記憶手段に記憶された補正データに
基づき上記映像表示装置の均一性補正波を発生させる演
算手段と、上記均一性補正波により映像の均一性を補正
する補正手段とを有することを特徴とする画像補正装置
に関するものであり、液晶等を用いた映像表示システム
において、垂直同期信号の周波数が変化した場合に原理
的に発生する均一性のムラを精度よく補正することがで
きる。
【0020】本発明は、上記発明において、記憶手段
は、表示画面上の2次元的空間位置に依存する第1の補
正データと、表示画面の走査時間に依存する第2の補正
データを保持し、この第2の補正データは周波数領域毎
に別々に保持することを特徴とするものであり、垂直周
波数領域毎に記憶される均一性補正データの量を必要最
小限に少なくすることができる。
【0021】(実施の形態1)はじめに、本発明の基礎
となる空間光変調素子を用いたプロジェクタシステムに
ついて説明する。
【0022】図8に空間光変調素子1の構造図を示す。
50は書き込み光側のガラス基板、51は書き込み光側
のITO電極、52はa−Siにより形成されたpin
構造のフォトダイオードであり、書き込み側からp型5
3、絶縁層(i型層)54、n型55の半導体層となっ
ている。また、56はAlの書き込み光の反射膜であ
り、57はカーボンで形成されたマトリックス構造の絶
縁層であり、Alの横方向の導通を遮断している。58
は階調表現を司る液晶層であり、強誘電性の液晶材料を
用いている。また、59は読みだし光側のITO電極、
60は読みだし光側のガラス基板である。61は書き込
み光、一方62は読みだし光であり、2は空間光変調素
子を駆動するため、二つのITOガラス間に印加するリ
セットパルスを発生させるリセットパルス発生回路であ
る。
【0023】次に、図8に示す空間光変調素子1の動作
について説明する。まず、液晶層58は電圧が印加され
ていないとき、反射層58で反射された読みだし光62
はその偏光状態を完全に保持して出力され、印加電圧が
増加して行くにつれ、偏光状態は徐々に変化し、ある一
定以上の電圧が印加されると入射光は完全に遷移した偏
光状態で出力されるように配向されている。図8のよう
な構成をとる空間光変調素子1の動作は書き込み光61
の強度に対応した電荷を蓄える書き込み期間と、上記の
電荷を引き抜くリセット期間とに分けて考えることがで
きる。
【0024】書き込み期間では、読みだし側が接地され
ていると仮定すると、書き込み側電圧にはマイナスの電
圧が印加されている。つまり、フォトダイオード52は
逆バイアスされている。まず、書き込み光61が無い場
合、電極間に印加されている電圧は、ほとんどがa−S
iダイオード52にかかり、液晶層には電圧はかかって
いない状態となる。つまり、入射された読みだし光62
はその偏光状態を変化せずにそのまま反射され、出力さ
れる。書き込み光61の強度が増加してゆくと、a−S
i52のp型53層とi型層54の界面付近で光により
励起された電子が多数生成され、それらの電子はプラス
の電位に引っ張られ、液晶層58の方向に移動して行
く。その結果、液晶層の両端に互いに反対の電荷がたま
り、書き込み光61の強度が増加して行くにつれ徐々に
液晶層58にかかる電圧は増加して行き、反射された読
みだし光62の偏光状態は変化されて出力されるように
なる。
【0025】一方、リセット期間では、読みだし側から
見て書き込み側電極にプラスの電圧を印加する。つま
り、フォトダイオード52は順方向にバイアスされてお
り、書き込み期間に蓄えられた電荷を一気に引き抜くよ
うに動作する。このリセット期間内に完全に電荷を抜き
取ろうとして書き込み側にプラスの電圧を印加すると、
液晶層58には通常動作状態とは異なる極性の電圧が印
加されることになる。よって、リセット期間内の読みだ
し側の出力光は入射したときの偏光状態を保持したまま
出力される。
【0026】ここで、カーボンで形成されたマトリック
ス状の絶縁層57は、書き込み期間内に蓄えられた電荷
がAlの反射層56を通して横方向に逃げないようにし
ており、その絶縁層56により区切られた一つ一つが画
素を形成している。
【0027】図9に上記空間光変調素子1を用いたシス
テムの構成例を示す。1は空間光変調素子、2は空間光
変調素子1を駆動するリセットパルス発生回路、3は書
き込み映像光発生装置であり、一般的にはCRTが用い
られる。4はCRTからの映像を空間光変調素子1上に
結像させる役割を行う書き込みレンズ、5はビームスプ
リッタであり、光の偏光状態の差により、P波を反射さ
せ、S波を透過させる。また、6は読みだし光の光源で
あり、一般的にはキセノンランプやメタルハライドラン
プが用いられる。7はスクリーン8上に映像信号を結像
させる投射レンズ、9はCRT3へ所望の映像信号を供
給する映像信号処理回路である。
【0028】次に、上記システムの動作について述べ
る。CRT3で発生した映像の光信号70は、その空間
的な強度分布に対応した電荷を空間光変調素子1内に蓄
えさせ、反射された読みだし光73の偏光状態を決定す
る。光源6からは任意の偏光状態の光71が照射される
が、ビームスプリッタ5は先にも述べたように、P波7
2を反射させ、S波75を透過させる。つまり、空間光
変調素子1へ読みだし光72として入射される光はビー
ムスプリッタ5を反射したP波だけとなる。ここで、上
記の空間光変調素子1の動作と重ね合わせて考えると、
書き込み光70の光強度が強い場合、液晶層58に読み
だし側を基準にしてマイナスの電圧が強くかかった状態
となり、反射された読みだし光73は入射されたときの
P波の状態からS波に変化するため、ビームスプリッタ
5を透過し投射レンズ7を通してスクリーン8上に映し
出された映像74は明るいものとなる。逆に、書き込み
光70が弱く、ほとんどP波のまま反射された読みだし
光73はビームスプリッタ5により再び反射されるた
め、スクリーン上の映像74は暗いものとなる。
【0029】同様の理由により、リセット期間内の映像
も読みだし光の偏光状態がほとんど変化せずに出力され
るため、スクリーン上の映像は暗い状態となる。本発明
の実施の形態では、空間光変調素子1の書き込み期間内
に蓄えられた電荷を抜きとるリセットパルスはCRT3
の垂直同期信号と同期させ、リセットパルス期間内の暗
く見える部分をCRT3の帰線期間内に入れ込んでい
る。本発明で用いたリセットパルスの典型的な例として
書き込み期間の電圧が−3.5V、リセット期間の電圧
が15V、それぞれの期間の比率が60:1となるよう
に設定している。
【0030】また、映像信号処理回路9はその必要性に
応じて、システム全体の階調性補正及び均一性補正を行
う。
【0031】以上に述べたようなプロジェクタシステム
を用いた場合、階調性補正及び均一性補正が必要となる
原因については、 1.液晶のγ特性及びそのムラ 2.時間開口率のムラ 3.書き込みレンズ、CRT(書き込み系)の周辺光量
比 4.投射系の周辺光量比及び投射角度のあおり等による
シェーディング といったものが考えられる。以下そのそれぞれについて
説明する。
【0032】1.液晶のγ特性及びそのムラ 液晶のγ特性に関して図10を用いて説明する。図10
は横軸が図9に示したシステムに入力される映像信号の
レベル、縦軸が階調性補正及び均一性補正を全く行わな
かった場合のシステムの出力、つまりこの場合はスクリ
ーン8上の照度であり、80は正常画素のγ特性を示し
ている。一般的に液晶については、その材料に関わらず
同様の傾向があるが、ここでは図9の説明でも述べたよ
うに強誘電性液晶につい述べる。液晶の配向ムラやその
他の要因によっておこる反射率(透過率)の分布に関し
ては結果的に輝度ムラや色ムラとして認識されるが、γ
特性が空間分布を持っていると解釈することができる。
【0033】この空間分布の起こる原因としては、液晶
分子の配向ムラや書き込み及びリセット電圧が十分にか
からないこと等があげられるが、ムラとして認識される
画素のγ特性は、大きく分けて図10の81及び82の
ようになる。81は図から明らかなように入力信号方向
(横方向)の平行移動及び拡大縮小によって得られ、逆
に82はスクリーン照度方向(縦方向)の平行移動及び
拡大縮小によって得られる。液晶のムラに関しては上記
81や82のような特性を持つ画素が任意に分布してい
ると解釈できる。
【0034】また、液晶のムラの場合は、液晶パネル平
面の2次元的空間位置によって一義的に決定されるた
め、空間的位置に依存するムラであるといえる。
【0035】2.時間開口率のムラ 図9に示したシステムでは、一般的な直視型の液晶ディ
スプレイなどとは異なり時間開口率という概念が必要と
なる。この時間開口率について図11により説明を行
う。
【0036】本発明の実施の形態で用いた強誘電液晶の
場合、光によって書き込まれたと同時に液晶が回転し、
白表示を行うが、その液晶の状態は書き込み光が無くな
ってもリセットがかかるまで維持してしまう。この特性
を一般的に強誘電液晶のメモリー効果と呼んでいるが、
この特性のためリセットと書き込みのタイミングの差に
よって時間開口率が空間的に異なり、輝度のムラとなっ
て見えてしまう。また、CRTの光強度の大きさによっ
て液晶の回転角及び回転のスピードが変化し、階調表現
が可能となる。図11は、その階調表現のシステムにつ
いて説明されたものである。85は1フィールド期間に
1回印加されるリセットパルス、86はCRTの発光特
性であり、横軸は時間、縦方向は光強度を示し、時間と
ともに指数関数的に減少している。87から89はスク
リーン上での光強度であり、それぞれCRTの光強度が
弱いとき、中間の時、強いときに対応している。
【0037】図12(a)、(b)及び(c)は、それ
ぞれスクリーン上で上部(リセットパルスの直後に書き
込まれるとき)、中部(リセットパルスから書き込まれ
るまでほぼ1垂直期間の半分であるとき)及び下部(書
き込まれてからすぐにリセットされるとき)に対しての
ものである。画面上部(a)について、90はリセット
パルス、91はCRTの発光特性であり、縦方向は光強
度を示し、時間とともに指数関数的に減少している。9
2はスクリーン上での光強度であり、リセットパルスの
後すぐにCRTからの光により書き込まれているため、
ほとんど1フィールド期間光り続けることになる。この
場合、時間開口率はほぼ100%となる。実際に人間の
目に明るさとしてとらえられるのは、光強度のピーク値
ではなく、時間平均であり、図12の斜線部分の面積で
ある。この面積比率を時間開口率と呼ぶこともできる。
【0038】画面中部(b)に関して説明する。93は
リセットパルス、94はCRTの発光特性、95はスク
リーン上の光強度であり、1フィールドのほぼ真ん中で
書き込まれている。この場合、液晶は(a)の時と同様
書き込まれたと同時に白表示をするが、リセットパルス
までの期間は上記(a)の時と比較して約半分程度にな
る。つまり、時間開口率が減少し、暗くなる訳である。
【0039】次に画面下部(c)の状態は、CRTによ
り光書き込みされてからすぐにリセットパルスが印加さ
れている。このような場合、液晶がリセットされてもC
RTの残光特性により次のフィールドで書き込まれた状
態になり、液晶が若干回転してしまう。もちろん、CR
Tの光強度によって次フィールドの残光の強度が異なる
ため、スクリーン上の光強度は変化する。
【0040】上記のような理由により垂直周波数の周期
で時間開口率のムラができ、γ特性が変化する。図13
はその結果生ずるγ特性であり、横軸は入力信号のレベ
ル、縦軸は時間開口率である。。画面の上部から上部9
9、上部から中部にかけての領域100、中部101、
下部102に対してのγ特性である。その結果を見る
と、99、101、102のγ特性はスクリーン照度方
向(縦方向)の平行移動及び拡大縮小によりそれぞれを
近似できる。一方、画面上部から中部にかけてのγ特性
は、入力信号方向(横方向)の平行移動及び拡大縮小に
よりそれぞれを近似できる。
【0041】また、時間開口率によるムラは、CRTか
らの書き込み光とリセットパルスのタイミングによって
決定されるものであるから、空間的位置ではなく、垂直
走査時間に依存するムラであるといえる。
【0042】3.書き込みレンズ、CRT(書き込み
系)の周辺光量比 一般にレンズやCRTは画面中央と比較して周辺は暗く
なるが、ここで、書き込み系の周辺光量比に起因するγ
特性について考える。図14は画面の中心110と周辺
111に対するγ特性曲線であり、書き込み系にのみム
ラがあり、その他の液晶デバイスや投射光学系にはムラ
がないと仮定した場合のものである。図14の見方は図
10と同様であるが、書き込み光の強度自体にムラがあ
るため、結果的にスクリーン上の光強度は入力信号方向
(横方向)の拡大縮小によって近似できる。
【0043】また、書き込み系のは、CRTや書き込み
レンズの2次元的空間位置によって一義的に決定される
ため、空間的位置に依存するムラである。
【0044】4.投射系の周辺光量比及び投射角度のあ
おり等によるシェーディング 次に、投射光学系のムラやシェーディングに関して考え
る。図15は画面の中心112と周辺113に対するγ
特性曲線であり、投射系にのみムラがあり、その他の液
晶デバイスや書き込み系にはムラがないと仮定した場合
のものである。この場合は、先ほどのィとは逆に書き込
み光の光強度にはムラがなく、デバイス以降の投射系の
ムラであるため、スクリーン照度方向(縦方向)の拡大
縮小によって近似できる。
【0045】また、投射系ののムラの場合は、投射レン
ズの2次元的空間位置やスクリーンとの角度によって一
義的に決定されるため、空間的位置に依存するムラであ
る。
【0046】ここで、補足すると、スクリーン上のγ特
性は、これまでに述べてきた液晶自身のγ特性と時間開
口率に起因するγ特性との合成となり、さらには書き込
み系及び投射系の影響を受けたものとなる。
【0047】上記1〜4のムラに対する特徴を表1にま
とめる。なお、補正の順番は諧調性補正との順番を示
し、例えば、後段とは諧調性補正の後段で均一性補正を
するべきムラであるという意味である。補正の順番に関
しては後述するが、まず、2次元的空間位置に依存する
均一性のムラを補正するための空間依存データと、走査
時間に依存する均一性のムラを補正するための走査時間
依存データについて述べる。
【0048】
【表1】
【0049】図16(a)は空間依存データについて、
(b)は走査時間依存データに対しての説明である。表
示画面121のある縦方向のA点からB点の1ラインに
着目し、その部分の均一性補正波が122のようであっ
たと仮定する。さらに、表示画面121が縦方向に小さ
くなって123のようになり、A点およびB点がそれぞ
れA’点、B’点に移動したとする。空間依存データの
場合、A’点からB’点の補正データは、もともとのA
点からB点の補正データのうちの対応する一部を用いて
表現することが可能であり、その補正波は124のよう
になる。
【0050】一方、走査時間依存データの場合、同様に
表示画面125が小さくなって127のようになったと
すると、もとのA点からB点の補正波126はその形状
は保存したままA’点からB’点の補正データ128と
ならなければならない。
【0051】ここで、何らかの要因により画像を表示し
ている表示画面と空間光変調素子やレンズ、CRTとい
ったものとの表示画面と平行な面内で2次元的な空間位
置がずれてしまった場合に、自動的に均一性補正データ
を変換し、破綻のないようにするシステムを構築しよう
としたときを考える。この場合、空間的位置に依存する
データは変換されなければならないが、時間的位置に依
存するデータ、つまり時間開口率に起因するムラを取り
除くためのデータは変換されてはならず、出画される映
像信号に対して一義的に決定されなければならない。こ
れは、後で詳しく述べる。
【0052】以上に述べてきた複数のムラに対する補正
システムの例を図1から図3を用いて説明する。なお、
構成要素を表す数字の後につけた小文字のアルファベッ
トがことなっても数字が同じであれば、同じ機能を持つ
構成要素である。
【0053】図1は本発明の第1の実施の形態を示す構
造図であり、図9中の映像信号処理ブロック9に関して
のものである。11aは空間依存データ発生手段であ
り、2次元的空間位置に依存するムラを取り除くための
均一性補正波を発生する。12aは走査時間依存データ
発生手段であり、垂直走査時間に依存するムラを取り除
くための均一性補正波を発生する。13aは加算手段で
あり、空間依存データと走査時間依存データを加算す
る。14aは補正手段であり、加算手段13aにより加
算された均一性補正波に従って、映像信号を変調する。
また、15は補正波発生手段であり、空間依存データ発
生手段11a、走査時間依存データ発生手段12aおよ
び加算手段13aを含む。
【0054】図1に示す構成の映像表示装置により、空
間依存データ発生手段11aで空間光変調素子と書き込
みレンズおよびCRTと投射系のムラを補正し、走査時
間依存データ発生手段で時間開口率に起因するムラを補
正することができる。これは請求項1で述べた内容であ
る。
【0055】図2に空間依存データ発生手段11aの構
成例を示す。16aは水平同期信号、垂直同期信号をも
とに表示画面上に空間的に分布したアドレス信号を発生
させるアドレス発生手段、17aはアドレス発生手段1
6aから発生されるアドレス信号をもとに、そのアドレ
スに対応する均一性補正データを記憶し、読み出してく
る記憶手段、18aは上記記憶手段に記憶されている不
連続なデータをもとに、ある決められた関数で補間演算
し、連続的な均一性補正波に変換する演算手段である。
ここで、機能的にみたブロック図は図2で示したもので
あるが、ハード構成的には本発明の実施の形態の場合、
記憶手段17aはEEPROMで、アドレス発生手段は
マイクロコンピュータで、また演算手段18aは上記マ
イクロコンピュータの命令によりVRAMで行われてい
る。なお、空間依存データ発生手段11aは、RGBの
幾何学的色ズレ補正に用いられるデジタルコンバージェ
ンス補正回路を応用して用いたものである。これは、請
求項2に対応する。
【0056】次に、空間依存データ発生手段11aから
発生される均一性補正波の発生のしくみについて図3を
用いて説明する。
【0057】図3において、21は1垂直期間の映像信
号の例を示しており、a、b、c、dは、垂直期間の始
まりからt1経過した後、時間軸上△tおきに配置した
点である。図3(a)は表示画面サイズが大きいときに
関して、(b)は表示画面が小さいときに関しての図で
あるが、まず(a)について説明する。クロスハッチの
格子点は均一性補正の補正点を表しており、縦(垂直方
向)にn個、横(水平方向)にm個の補正点を持ってい
る。この補正点に対応したアドレスがアドレス発生手段
16aから出され、データが記憶手段17aに記憶され
ている訳である。22はクロスハッチ信号のある垂直方
向の1ラインであり、格子点A,B,C,Dは垂直ライ
ン22上の連続した4点を表す。なお、このA、B、
C、Dは、映像信号波形a、b、c、dに対応してい
る。23は実際に出力される均一性補正波であり、格子
点A,B,C,Dのデータからある重み付け関数のもと
演算される。
【0058】次に、垂直方向に表示画面サイズが小さく
なった場合を考える。この場合、映像信号上のa,b,
c,d点は、その時間軸上の位置はそのままであるが、
(b)に示すように、空間的にはA’,B’,C’,
D’点に移動する。ここで、B点が画面の中心であり、
B=B’であるとすると、補正データの空間的分布は変
化してはいけないため、補正波は25の実線のようにな
る。つまり、時間軸上の位置から空間的なアドレス信号
をアドレス発生手段16aは発生するが、画面サイズに
対応して、このアドレス信号を変換しなければならな
い。具体的には、a点のアドレス信号は、常に垂直期間
の始まりからt1後に発生するが、2次元空間的にはA
点からA’点に座標を変換してやらなければならず、結
果的に均一性の補正データは、A点の補正データから
A’点の補正データに変更し、時間軸上a点の補正デー
タとして読み出してやらなければならない。これが請求
項2に対応する。
【0059】なお、上記のような技術は、行列の座標変
換の手法を用いて解析が可能であるが、一般には画面サ
イズだけでなく、台形補正歪み等にも対応しなければな
らないため、実際の変換式は、非常に複雑なものとな
る。
【0060】一方、走査時間依存データ発生手段12a
について説明する。時間開口率の概念は図11から図1
3を用いて説明した通りであるが、リセットパルスが垂
直周波数の周期であるため、時間開口率の差により引き
起こされるムラは、垂直周期で変化する。よって、空間
依存データのように2次元的に補正点が分布している必
要はなく、垂直方向にのみデータを記憶し、水平方向は
すべて同じデータで対応すればよいことがわかる。よっ
て、回路構成的には図2のブロック図で全く同じように
表現することが可能となる。ただし、アドレス発生手段
16aは、水平同期信号が不必要となり、垂直同期信号
から垂直方向のみのアドレスを発生させれば良い。
【0061】また、図3を用いて空間依存データとの差
について述べる。走査時間に依存するデータとは、垂直
走査期間の始まりからの時間により一義的に決定される
データであるから、映像信号波形21でa,b,c,d
点に対する補正データは、表示画面サイズが変わって
も、変化してはならない。つまり、A点でもA’点でも
同じデータを読み出してこなければならない。この場合
が請求項3に対応する。
【0062】次に、加算手段13aは、一つの方法とし
てオペアンプやトランジスタ回路によりハード的に構成
される。
【0063】また、加算手段13aのもう一つの方法
は、ソフト的の演算処理により行われるものであり、 U(x,y)=S(x,y)+TA(y) といった簡単な加算処理により行われる。ただし、Uは
合成された均一性補正波、Sは空間依存の補正波、TA
は走査時間依存の補正波であり、xは水平方向、yは垂
直方向に対応する。この場合、アドレス発生手段16
a、記憶手段17aおよび演算手段18aはハード的に
は全て共用することができ、ソフト的に分割して処理す
ればよいことになるため、コストの面では非常に経済的
となる。
【0064】次に、補正手段14aについて図4に説明
する。なお、補正手段を表す数字についている小文字の
アルファベットは、異なる場合でも構成は同じであるた
め、図4では省いている。31は乗算回路であり、一つ
目の補正波発生手段15aからの均一性補正波と映像信
号をアナログ的に掛け合わせる。また、32は加算回路
であり、乗算回路31を通った映像信号と二つ目の補正
波発生手段15bからの均一性補正波とをたし合わせ
る。このように実際の均一性補正システムは、乗算回路
31および加算回路32にそれぞれ別の均一性補正波を
入力し、映像信号を変調するものである。また、変調さ
れた映像信号は、CRTドライブ回路をへてCRTへ出
力される。
【0065】(実施の形態2)均一性補正と諧調性補正
を同時に行うようなシステムを考える。ここで、諧調性
補正手段は直線的な折れ点近似によりアナログ的に補正
するような回路を仮定する。
【0066】前記1〜4にγ特性の空間分布及び輝度ム
ラがおこる要因について述べてきたが、結果的にスクリ
ーン上に現れてくるγ特性は、入力信号方向(横方向)
の近似とスクリーン照度方向(縦方向)の近似と大きく
二つに分けられることがわかる。これは液晶によるムラ
について示した図10と結果的に同じものであるが、以
下この図10を用いてγ特性の空間分布を補正する概念
について述べる。
【0067】先にも述べたが、図10は補正を全く行わ
なかった場合、出力される光強度である。図10の
(b)及び(c)に示したようなγ特性の分布があり、
このようなγ特性を直線的な折れ点近似によりアナログ
回路で階調性補正を行う場合、(b)と(c)では補正
方法が異なってくる。
【0068】これを数式で簡単に説明すると、映像信号
波形xに対して、階調性補正回路がg(x)、均一性補
正がax+bという関数で表される場合を考える。均一
性補正を先に行い、階調性補正をその後に行うときは、
その出力は、g(ax+b)で表現され、逆に階調性補
正を先に行い、その後に均一性補正を行うときは、その
出力は、ag(x)+bで表される。ここで、関数g
(x)が非線形であった場合、二つの出力は、 g(ax+b)≠ag(x)+b となる。つまり、上記二つの補正の順番で、その出力は
異なってしまうことが分かる。
【0069】具体的には、図10(c)の場合は、直線
近似による折れ点の位置は入力信号に対して一定であ
り、補正回路の順番としては均一性補正を行ってから階
調性補正を行い、CRTへ出力する必要がある。この回
路構成によって補正されるムラは、液晶自身のムラの一
部、図13に示した時間開口率ムラの中の画面上部から
中部にかけての領域100に対するγ特性、及び上述し
た投射光学系のムラである。一方、図10(b)の場合
は、スクリーン照度に対して折れ点の位置を一定にする
必要があるため、補正回路の順番としては階調性補正を
行ってから均一性補正を行い、CRTへ出力する必要が
ある。この回路構成によって補正されるのは、液晶自身
のムラの一部と、時間開口率ムラの中の上部99、中部
101、下部102の領域のγ特性、及び書き込み系の
ムラである。結果を表1にまとめる。
【0070】ここで、2次元的空間位置に依存するムラ
は、そのほとんどが空間光変調素子に起因するものであ
り、図10(c)のようにスクリーン照度方向の平行移
動および拡大縮小で表される場合を考える。この場合、
走査時間に依存する時間開口率に起因するγ特性の空間
分布は、そのほとんどが入力信号方向の平行移動および
拡大縮小で表現されるため、ハード構成的には図5のよ
うな構成で均一性を補正することが可能となる。以下、
図5について説明する。
【0071】11bは空間依存データ発生手段、12b
は走査時間依存データ発生手段、14bは空間依存デー
タ発生手段11bからの補正波により映像信号を変調す
る第1の補正手段、14cは走査時間依存データ発生手
段12bからの補正波により映像信号を変調する第2の
補正手段、36はγ特性の補正を行う諧調性補正手段で
ある。映像信号は第1の補正手段14bに入力された
後、諧調性補正手段36を通り、第2の補正手段に入力
される。この構成が請求項4に対応する。
【0072】なお、空間依存データ発生手段11bおよ
び走査時間依存データ発生手段12bは図2に示した構
成図と同様のものであり、また、補正手段14bおよび
14cは、図4で示した構成図と同様のものであるた
め、ここでは、詳細は説明しない。空間依存データ発生
手段11bに関しては請求項5に、走査時間依存データ
発生手段12bに関しては請求項6に規定しており、内
容は本発明の第1の実施の形態の場合と同じである。
【0073】(実施の形態3)ここで、時間開口率と垂
直同期周波数の関係について説明する。時間開口率によ
る画面垂直方向のγ特性の分布は、図13に示した通り
であるが、垂直同期周波数が変化すると、表示画面上全
く同じであっても、CRTからの書き込みと空間光変調
素子に印加されるリセットパルスとのタイミングが変化
するため、γ特性の分布は異なってくる。具体的に説明
すると、垂直同期信号が低いときは図17(a)のよう
に画面垂直方向のγ特性の分布は非常に大きくなり、垂
直周波数が高くなるに従って、図17(b)に示すよう
に、またさらに垂直周波数が高くなると(c)に示すよ
うに、段々と時間開口率の空間分布は小さくなってゆ
く。これは、垂直同期信号の周波数が高いということ
は、空間光変調素子のリセットの周期が長いことを意味
しているため、画面上の時間開口率に起因するγ特性の
空間分布が大きくなることは明かである。なお、図17
は本発明の実施の形態で用いた映像表示システムについ
てのものであり、(a)垂直周波数が低いときは、おお
よそ40Hz程度、(b)垂直周波数が中間レベルのと
きは、60Hz程度、(c)垂直周波数の高いときは、
90Hz以上の周波数に対する代表的な分布特性を示し
ている。
【0074】上記のようなγ特性の空間分布、つまり結
果的にスクリーン上では均一性を補正するために、実際
にどのような補正波が必要か考える。実際の均一性補正
は、図4に示すような乗算器26と加算器27にそれぞ
れ乗算用の補正波と加算用の補正波を加えることにより
行われる。当然のことながら乗算は映像信号のゲイン
を、加算はDCレベルを制御するため、図18(a)の
垂直周波数が低いときが最も補正波は大きくなり、周波
数が高くなるに従って、補正波は小さくなってくること
がわかる。図18に、表示画面131のある垂直方向の
A点からB点の1ラインに対しての乗算および加算に対
する補正波形を各周波数領域毎に示す。図18に示すよ
うに、垂直周波数が高くなるにつれて乗算補正波形は、
132から134、136というように小さくなってゆ
き、加算補正波系は、133から135、137という
ように同様に小さくなってゆく。つまり、マルチスキャ
ン対応の映像表示システムで、本発明の実施の形態よう
な時間依存の補正データが存在する場合、垂直同期信号
の周波数によって補正データを切り換えなければならな
い。なお、図18の(a)、(b)、(c)は図17の
(a)、(b)、(c)に対応する。
【0075】図6に本発明の第3の実施の形態を示す。
41aは周波数判別手段であり、垂直同期信号の周波数
を判別し、各周波数領域毎の判別信号を出力する。記憶
手段17bは各周波数領域毎のデータを記憶しており、
上記判別信号に従った補正データを読み出し、演算手段
18bへ出力する。なお、アドレス発生手段16b、記
憶手段17b、演算手段18bおよび補正手段14dの
働きは、これまでに述べた通りである。本発明の実施の
形態の場合、具体的に垂直同期信号が38〜150Hz
の範囲で7つの周波数領域に分割している。ここまで述
べてきた構成例が請求項7に対応する。
【0076】これまでに述べてきた通り、均一性の補正
データは、空間依存データと走査時間依存データとから
なるため、それら二つを最終的に合成して補正波としな
ければならない。空間依存データは空間光変調素子等の
位置に依存するため、垂直周波数でデータを切り換えて
はならないが、前述したように、走査時間依存データ
は、垂直周波数によりデータを切り換えなければならな
い。よって、空間依存データと時間依存データの両方を
たし合わせたものを記憶手段に蓄えておくよりも、空間
依存データは1面だけ持ち、時間依存データのみ各周波
数毎に蓄え、判別信号により切り換えて最終的に空間依
存データとたし合わせるのがメモリー容量等の関係で有
利である。
【0077】図7に図6に示す実施の形態の応用例を示
す。41bは周波数判別手段、16cはアドレス発生手
段、17cおよび18cはそれぞれ走査時間依存データ
に関する記憶手段および演算手段、17dおよび18d
はそれぞれ空間依存データに関する記憶手段および演算
手段、13bは空間依存データをもとに作られる空間依
存補正波と走査時間依存データをもとに作られる走査時
間依存補正波とをたし合わせる加算手段、14eは映像
信号を変調する補正手段である。個々の構成要素は、こ
れまでに述べてきたように動作するが、図6に示す実施
の形態と異なり、記憶手段には一つの空間依存データと
複数の時間依存データが蓄えられる。なお、記憶手段1
7c、17dや演算手段18c、18d等はハード構成
的には分ける必要はなく、また、加算手段13bはソフ
ト的なプログラムの中で行うこともできる。この構成例
が請求項8に対応する。
【0078】なお、補正手段14は本発明の場合、三つ
の例とも映像信号を変調するものであるが、映像の均一
性を補正するという意味では、必ずしも映像信号を変調
する方法しか考えられないわけではない。例えば、CR
Tのランディング等の調整も映像の均一性を補正するも
のである。
【0079】また、本発明は実施の形態は、三つとも単
色の場合について述べたが、カラー表示を行う映像表示
システムの場合、それぞれの例で述べた構成図をRGB
の三原色で三つ用いなければならないことは明かであ
る。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の実施の形態
によれば、液晶等を用いた映像表示システムにおいて、
表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データ
と、表示画面の走査時間に依存する補正データとを合成
し、合成した補正波形により映像信号を変調することに
より、様々な要因の均一性のムラを精度良く補正するこ
とが可能となり、その実用的効果は大きい。
【0081】また、本発明の第2の実施の形態によれ
ば、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正デー
タと、表示画面の走査時間に依存する補正データとを別
々の補正手段で映像信号を変調することにより、諧調性
補正を同時に行うシステムにおいても均一性ムラを精度
よく補正することができ、その実用的効果は大きい。
【0082】さらに、本発明の第3の実施の形態によれ
ば、映像表示システムが走査時間依存の補正データを持
つ場合、垂直同期信号の周波数を判別し、各周波数領域
毎に別々の補正データを蓄えることにより、マルチスキ
ャン対応する映像表示システムにおいても、広い周波数
範囲で精度良く均一性のムラを補正することができ、そ
の実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す構成図
【図2】空間依存データおよび走査時間依存データ発生
手段の一例を示す構成図
【図3】空間依存均一性補正波発生のしくみを示す図
【図4】補正手段の一例を示す構成図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す構成図
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す構成図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る応用例を示す
構成図
【図8】本発明の一実施の形態における空間光変調素子
の構造図
【図9】本発明の一実施の形態プロジェクタシステムの
構成図
【図10】γ特性の空間分布の説明図
【図11】時間開口率の説明図
【図12】γ特性の空間分布の説明図
【図13】時間開口率の差によるγ特性の空間分布を示
す図
【図14】書き込み系によるγ特性の空間分布を示す図
【図15】投射系によるγ特性の空間分布を示す図
【図16】空間依存データと時間依存データの説明図
【図17】垂直周波数が変化したときの時間開口率に起
因するγ特性の空間分布を示す図
【図18】垂直周波数が変化したときの均一性補正波を
示す図
【図19】従来の均一性補正装置の一例を示す構成図
【図20】従来のデジタルコンバージェンス補正装置の
一例を示す構成図
【符号の説明】
11a 空間依存データ発生手段 12a 走査時間依存データ発生手段 13a 加算手段 14a 補正手段 15a 補正波発生手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度
    ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上
    の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる
    第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存す
    る補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上
    記第1と第2のデータ発生手段から発生するデータを加
    算するデータ加算手段と、上記加算データにより画面上
    の映像の均一性を補正する補正手段とを備えたことを特
    徴とする画像補正装置。
  2. 【請求項2】 第1のデータ発生手段は、表示画面上の
    画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補
    正データを発生することを特徴とする請求項1記載の画
    像補正装置。
  3. 【請求項3】 第2のデータ発生手段は、表示画面上の
    垂直走査時間に対応して補正データを発生することを特
    徴とする請求項1記載の画像補正装置。
  4. 【請求項4】 映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度
    ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上
    の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる
    第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存す
    る補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上
    記第1の補正データにより映像の均一性を補正する第1
    の補正手段と、上記第2の補正データにより映像の均一
    性を補正する第2の補正手段とを備えたことを特徴とす
    る画像補正装置。
  5. 【請求項5】 第1のデータ発生手段は、表示画面上の
    画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補
    正データを発生することを特徴とする請求項4記載の画
    像補正装置。
  6. 【請求項6】 第2のデータ発生手段は、表示画面上の
    垂直走査時間に対応して補正データを発生することを特
    徴とする請求項4記載の画像補正装置。
  7. 【請求項7】 映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度
    ムラなどの均一性を補正する装置であって、水平及び垂
    直走査期間を一定の周期で区切った複数のアドレス信号
    を発生させるアドレス発生手段と、入力される同期信号
    の周波数範囲を複数の領域に分割し、その領域毎の判別
    信号を発生させる周波数判別手段と、上記周波数領域毎
    のそれぞれに対応し、かつ上記複数のアドレス信号に対
    応する複数の各調整点での補正データを記憶する記憶手
    段と、上記記憶手段に記憶された補正データに基づき上
    記映像表示装置の均一性補正波を発生させる演算手段
    と、上記均一性補正波により映像の均一性を補正する補
    正手段とを備えたことを特徴とする画像補正装置。
  8. 【請求項8】 記憶手段は、表示画面上の2次元的空間
    位置に依存する第1の補正データと、表示画面の走査時
    間に依存する第2の補正データを保持し、この第2の補
    正データは周波数領域毎に別々に保持することを特徴と
    する請求項7記載の画像補正装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100440311C (zh) * 2004-01-21 2008-12-03 索尼株式会社 显示控制装置及方法
US10531712B2 (en) 2016-10-03 2020-01-14 Ykk Corporation Sealing for open-end slide fasteners
JP2020086051A (ja) * 2018-11-21 2020-06-04 セイコーエプソン株式会社 表示ドライバー、電気光学装置、電子機器及び移動体

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