JP3621940B2 - 地盤試料採取装置 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の沈下を判断する地盤調査において、地盤試料を採取するために使用する地盤試料採取装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建築物の設計においては、まず建設地の地盤調査を行い、この調査結果を受けて建築物に有害な沈下の発生を防止するための基礎形式を選択決定することが行われている。この地盤調査の一つに、スウェーデン式サウンディング試験(非特許文献1参照)がある。このスウェーデン式サウンディング試験は、図7に示すように、先端にスクリューポイント20を取り付けたロッド21を地面に垂直に突き刺し、このロッド21に積荷したおもり22の重量、あるいはおもり22を積荷した状態でロッド21を回転させ、ロッド21を地中に貫入させたときの貫入抵抗を測定して地盤の硬さを判断するといったものである。この方法による地盤調査は、簡便で安価に行えることから戸建住宅の地盤調査として多く採用されている。しかしながら、このスウェーデン式サウンディング試験では、貫入抵抗によって建物の沈下を推定することはできても、地盤の充実の程度と含水量とから建物の沈下を判断することはできないため、この試験だけでは精度の良い地盤調査は行うことはできないものである。上記地盤の充実の程度と含水量とを測定するには、地中の地盤試料の採取を行うボーリング調査が必要となる。
【0003】
ボーリング調査には、従来から、一般的に、ビルなどの大型建造物を建築する際に行われていた標準貫入試験を伴うボーリング調査や、図8に示す各種オーガー23,24を用いたハンドオーガーボーリングがある。また、最近では、スウェーデン式サウンディング試験の後で該試験に用いた装置のロッド21にスクリューポイント20を取り外して替わりに地盤試料採取用の筒状の収容体25を取付け、スウェーデン式サウンディング試験にて地中に穿設された縦孔27を利用し、上記収容体25を所定箇所に埋設位置させて地盤試料の採取を行う地盤試料採取装置も提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−220129号公報
【非特許文献1】
日本工業規格 JIS A 1221
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、戸建住宅などの小規模の建築物における地盤調査に用いるボーリング調査としては、装置が小規模で簡便な方法が好ましいのであるが、一般的に、上述した標準貫入試験を伴うボーリング調査にあっては、装置が大掛かりになることから、迅速かつ容易に、すなわち安価な地盤試料の採取は行えず、戸建住宅の地盤調査には不向きである。これに比べ、ハンドオーガーボーリングは安価に地盤試料の採取が行えるので戸建住宅の地盤調査に向くものであるが、図8(a)に示すポストホールオーガー23を用いたハンドオーガーボーリングにあっては、地盤試料の採取可能深さが地表から2m程度の深さまでであり、戸建住宅の沈下に影響を及ぼす地表からの5m程度までの地盤試料の採取は困難であり、また連続的に地盤試料を採取できなくて地盤試料の量も少ないことから、充分な精度の地盤調査を確保することは難しい。また、図8(b)に示すスクリューオーガー24を用いたハンドオーガーボーリングにあっては、先端の掘削刃24aによって掘削された地盤が採取溝24bに採取されるので連続的な地盤試料が採取できるのであるが、スクリューオーガー24が掘削した縦孔5は経時的にその孔径が狭まるように収縮することから、地盤試料採取時のスクリューオーガー24の引き抜き作業が困難になったり、より深い地盤の掘削及び試料採取を行うために既存の縦孔5に再度スクリューオーガーを位置させる際にも貫入抵抗が生じてしまい、結果、スクリューオーガー24の駆動装置に高トルクのものが必要となって装置の大型化を招いてしまうのであった。また、特許文献1の地盤試料採取装置は、図9に示すように、スウェーデン式サウンディング試験の縦孔27を利用することから、収容体25を所定箇所に埋設位置させるのに掘削を伴わずに済んで装置の低トルク化、すなわち装置の小型化が図られていて戸建住宅の地盤調査に向くようにされているが、収容体25の内部に地盤試料の取り込みを行う回転羽根26が設置されたりして該装置が複数の構成部品から成ることから装置の堅牢性やメンテナンス性に劣り、また連続的で多量の地盤試料の採取はできないことから精度の良い地盤調査の確保は依然難しく、また縦孔が収縮した際には収容体25の引き抜きが困難になって装置の大型化を招くといった問題も依然として解決されないものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、戸建住宅の地盤調査向きで、安価で充分な精度の地盤調査を確保できる地盤試料採取装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る地盤試料採取装置は、地盤試料を採取するために地中に貫入されるサンプリングロッド1の先端部に地盤を掘削する掘削刃2が先端を尖らせて設けられ、該掘削刃2で掘削された地盤試料を採取する採取溝3が掘削刃2から連続してサンプリングロッド1の上下に亘ってスパイラル状に刻設され、掘削刃2の外径より大きい縦孔5を掘削する拡径ブレード4が上記掘削刃2の外縁部に一体に設られて成ることを特徴とする。これによると、サンプリングロッド1を地面に貫入する際には、掘削刃2に先行して拡径ブレード4が地面を掘削することから、サンプリングロッド1の地面への貫入にかかる力を小さくできる。また、サンプリングロッド1を地面に貫入したときには拡径ブレード4にてサンプリングロッド1の外径よりも大きい径の縦孔5が穿設されることから、この縦孔5からサンプリングロッド1を引き抜く際には、サンプリングロッド1の縦孔5の孔壁5aへの接触抵抗を小さくでき、つまり、サンプリングロッド1の引き抜きにかかる力を小さくできる。したがって、サンプリングロッド1の駆動装置の低トルク化、すなわち、地盤試料採取装置の小型化を図ることができる。
【0008】
また、拡径ブレード4の先端に、地盤を掘削するために下方程尖る形状に形成した下刃部6が設けられたことも好ましい。これによると、下刃部6によって拡径ブレード4の地盤への掘削を効率よく行わせることができる。
【0009】
また、拡径ブレード4の外側面10に、縦孔5の孔壁5aを押し固めるために面状に形成した押圧部7が設けられたことも好ましい。これによると、サンプリングロッド1が穿設する縦孔5は押圧部7によって孔壁5aを固められるから、縦孔5の崩壊や収縮を抑制することができ、サンプリングロッド1の引き抜きにかかる力を小さくできると共に、更に深い地盤の採取を行うためにサンプリングロッド1を縦孔5に再貫入するときにもスムーズに行わせることもできる。
【0010】
また、拡径ブレード4の上端に、サンプリングロッド1を引き抜く際に縦孔5の孔壁5aを削るために上方程尖る形状に形成した上刃部8が設けられたことも好ましい。これによると、サンプリングロッド1が穿設した縦孔5に収縮が生じた場合に、サンプリングロッド1を引き抜くにあたっても、上刃部8で縦孔5の孔壁5aを削りながら行うことができる。つまり、サンプリングロッド1の縦孔5の孔壁5aへの接触抵抗を小さくできてサンプリングロッド1の引き抜きにかかる力を小さくできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ボーリング調査に用いる地盤試料を採取する地盤試料採取装置であって、地盤に貫入して地盤試料を採取するサンプリングロッド1の地盤からの引き抜きを容易にし、サンプリングロッド1の駆動装置の低トルク化、つまり装置の小型化を促し、戸建住宅などの小規模な建築物を建設する場合に適用できるようにしたものである。以下、詳述する。
【0012】
サンプリングロッド1は、図1,2に示すように、上下に長い丸棒状の部材であり、その下端部には掘削刃2が先端を尖らせて設けられ、サンプリングロッド1の上下に亘って採取溝3が掘削刃2から連続してスパイラル状に刻設され、上端部には駆動装置の回転軸に連結される連結部16が設けられて構成されている。そして、このサンプリングロッド1の上記掘削刃2の外縁部には、掘削刃2の外径より大きい孔径の縦孔5を掘削する拡径ブレード4が下方向に向けて一体に突設されている。本例では、1対の縦板状の拡径ブレード4が、掘削刃2の外縁部における周方向の対称位置に突設されている。
【0013】
拡径ブレード4は、図3,4に示すように、上下長さが長く左右幅が短くそして内外方向に厚みがある縦板状部材である。具体的に、この拡径ブレード4は、サンプリングロッド1に突設された状態で、内方に面する内側面9と、外方に面する外側面10と、サンプリングロッド1の掘削時の回転方向且つ外方に面する横傾斜面11と、サンプリングロッド1の掘削時の回転方向と反対方向に面する垂直面12と、斜め上外方且つ上記回転方向に面する上傾斜面13と、斜め下外方且つ回転方向に面する下傾斜面14とを有しており、外側面10が内側面9よりも一回り小さく形成され、この外側面10が内側面9に平行に対面し、垂直面12が内側面9及び外側面10の回転方向と反対方向の端部同士を直交させて連結し、横傾斜面11が内側面9及び外側面10の回転方向の端部同士を連結し、上傾斜面13が内側面9及び外側面10の上端部同士を連結し、下傾斜面14が内側面9及び外側面10の下端部同士を連結して形成されたものである。すなわち、この拡径ブレード4は、回転方向と反対側ほど厚みを有すると共に、上下方向の中央部位ほど厚みを有する縦板状部材である。なお、上記サンプリングロッド1の掘削時の回転方向とは、サンプリングロッド1に刻設された採取溝3に沿って上方から下方に指を沿わせた際にこの指が描く回転方向と同じ方向、つまり採取溝3をサンプリングロッド1の上方から見たときの螺旋方向と同じ方向である。
【0014】
そして、この拡径ブレード4には、その下端部に、下傾斜面14と内側面9とで下方及び回転方向程尖る形状に形成された下刃部6が備えられており、その回転方向に、横傾斜面11と内側面9とで回転方向程尖る形状に形成された横刃部15が備えられており、その上端部に、上傾斜面13と内側面9とで上方及び回転方向程尖る形状に形成された上刃部8が備えられている。なお、下刃部6は下方に行く程に、上刃部8は上方に行く程に、また横刃部15は回転方向に行く程に、それぞれ刃渡りが小さくなるように形成されている。また、拡径ブレード4の外側面10は後述する縦孔5の孔壁5aを押し固めるために面状に形成された押圧部7を構成している。そして、上記構成の拡径ブレード4をサンプリングロッド1の下端部の掘削刃2の外縁部に突設させたときには、掘削刃2の外縁部に拡径ブレード4の内側面9が固着されることから、拡径ブレード4の外側面10が拡径ブレード4の厚み分サンプリングロッド1の外径方向に突出して位置されている。
【0015】
上述した構成のサンプリングロッド1は、その下端を地表に突き刺し、下方に押圧荷重をかけながら採取溝3の螺旋方向に回転させることで、下端に設けた掘削刃2が地盤を掘削しながらサンプリングロッド1自身を地面に貫入させていくものであるが、本例ではこのサンプリングロッド1の下端部に拡径ブレード4が備えられているので、図5(a)に示すように、サンプリングロッド1の地面への貫入に先行して拡径ブレード4が地盤を掘削して地面に貫入される。しかして、サンプリングロッド1を地面に貫入するには、まず拡径ブレード4によって地盤の掘削を行い、次いで掘削刃2によって地盤の掘削を行うことで縦孔5を形成し、サンプリングロッド1を地面に貫入させるものである。なお、図5中Bは地盤試料を示す。
【0016】
この拡径ブレード4の地盤の掘削は、まず拡径ブレード4の下刃部6及び横刃部15が地盤を円弧状に切断し、次いで拡径ブレード4の外側面10が上記円弧状の切断面の径を広げるようにして行われる。詳しくは、まず、拡径ブレード4の下刃部6及び横刃部15で、その刃先径である拡径ブレード4の内径に等しい円形状の地盤を周囲の地盤から切り離すように地盤を切断するのであり、そして、拡径ブレード4の横傾斜面11で、上記周囲の地盤の切断面を徐々に押し広げてゆき、続けて、拡径ブレード4の外側面10である押圧部7で、上記周囲の地盤の切断面を拡径ブレード4の外径と同様径の円弧状に押し広げるようにする。ここで、拡径ブレード4の下刃部6は下方に尖る形状に、横刃部15は回転方向に尖る形状にそれぞれ形成されているので、拡径ブレード4による地盤の切断の効率が高められている。また、横刃部15が回転方向に行く程に刃渡りが小さく形成されていることも、拡径ブレード4の回転トルクを地盤に集中的に負荷させることができて拡径ブレード4での地盤の切断効率の向上に資するものである。拡径ブレード4が地盤を掘削しながら地面に徐々に貫入されると、地盤にはサンプリングロッド1の貫入孔である縦孔5の孔壁5aが形成されるのであるが、この孔壁5aは、拡径ブレード4の押圧部7で押圧されて固められるものである。
【0017】
上記拡径ブレード4の地面への貫入後には続けてサンプリングロッド1の地面への貫入が為される。このサンプリングロッド1の地面への貫入は、掘削刃2により地盤を掘削することで行われるが、掘削刃2の地盤の掘削以前に、拡径ブレード4が地盤を掘削してサンプリングロッド1の貫入付近の地盤を柔らかくしているので、掘削刃2での地盤の掘削抵抗を小さくできて、サンプリングロッド1の地面への貫入を容易ならしめている。なお、サンプリングロッド1の掘削刃2で掘削された地盤は採取溝3に連続して挿入されるようになっている[図5(b)]。この掘削刃2で掘削して採取溝3に連続して挿入された地盤は、地盤の深さ方向に連続した地盤試料となるのであって、地面に貫入したサンプリングロッド1を地表に引き抜くことで、採取溝3に連続して付着した状態で地盤試料が採取できるようになっているのである[図5(c)]。
【0018】
ここで、拡径ブレード4及び掘削刃2にて形成される縦孔5の孔径は、拡径ブレード4の外径と同様径に形成されることから、この縦孔5の孔径はサンプリングロッド1の外径よりも大きい径になっているものであり、地面に貫入したサンプリングロッド1の地表への引き抜きが容易に行われ得るようになっている。なお、この縦孔5の孔壁5aは拡径ブレード4の押圧部7で固められているので、縦孔5がその孔径を小さくさせるように収縮するのも防止されている。それでも地質的に縦孔5はその孔径を小さくさせるように収縮することもあるが、このような場合でもサンプリングロッド1の引き抜きは、拡径ブレード4の上部に上刃部8が設けられていることから、この上刃部8で縦孔5の孔壁5aを削りながら行うことができ、サンプリングロッド1の縦孔5の孔壁5aへの接触抵抗を小さくしてサンプリングロッド1の引き抜きを容易ならしめている。
【0019】
このように、縦孔5の孔径をサンプリングロッド1の外径以上に形成させたことで、サンプリングロッド1の外周縁部と縦孔5の孔壁5aとの接触が無いようにされ、また、上刃部8によって拡径ブレード4の縦孔5の孔壁5aへの引っ掛かりも極力ないようにされていることから、サンプリングロッド1の引き抜きに要する力が小さくて済むようにされている。また、上述したように掘削刃2に先行して拡径ブレード4が地面を掘削することで、サンプリングロッド1の貫入にかかる掘削も効率よく行われるようにされているので、サンプリングロッド1の貫入に要する力も小さくされている。したがって、サンプリングロッド1の駆動装置の低トルク化、つまり地盤試料採取装置の小型化を図ることができるのであり、戸建住宅用のボーリング調査に適した小規模の地盤試料採取装置の提供が可能にされているのである。
【0020】
なお、本例の地盤試料採取装置にあって更に深い部位の地盤試料を採取する場合には、図6に示すように、地盤に形成された縦孔5に再びサンプリングロッド1を位置させ、サンプリングロッド1の連結部16と駆動装置との間に所定長さの延長ロッド17などを連結させて上記箇所からサンプリングロッド1を地盤に貫入させるようにして行うものであるが、この深い部位の地盤試料の採取にあっても本例の地盤試料採取装置では容易に行い得るようにされている。つまり、地面に穿設された縦孔5は、その孔径がサンプリングロッド1の外径部よりも大きく形成されていると共に、その孔壁5aが押圧部7によって固められて縦孔5の崩壊や収縮が抑制されていることから、サンプリングロッド1を縦孔5に再貫入するのに、サンプリングロッド1の外径部や拡径ブレード4が縦孔5の孔壁5aにきつく接触するようなこともなく、スムーズに貫入、位置させることができるようにされているのである。
【0021】
また、上述した本例の地盤試料採取装置にあっては、サンプリングロッド1と一体に拡径ブレード4を突設して構造の簡略化が図られているから、装置の堅牢性や良好なメンテナンス性も確保されているといった利点も有しており、また、サンプリングロッド1が連続的に地盤試料を採取できる採取溝3を備えていて、深い部分の地盤採取も容易に行い得るようにされていることから、戸建住宅のボーリング調査で必要な深さ5m位の地盤試料も連続的に容易に採取でき、充分な精度の地盤調査も確保されるといった利点も有しているのである。
【0022】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の地盤試料装置にあっては、地盤試料を採取するために地中に貫入されるサンプリングロッドの先端部に地盤を掘削する掘削刃が先端を尖らせて設けられ、該掘削刃で掘削された地盤試料を採取する採取溝が掘削刃から連続してサンプリングロッドの上下に亘ってスパイラル状に刻設され、掘削刃の外径より大きい縦孔を掘削する拡径ブレードが上記掘削刃の外縁部に一体に設けられて成るので、サンプリングロッドを地面に貫入する際には、掘削刃に先行して拡径ブレードが地面を掘削することから、サンプリングロッドの地面への貫入にかかる力を小さくでき、また、サンプリングロッドを地面に貫入したときには、拡径ブレードにてサンプリングロッドの外径よりも大きい径の縦孔が穿設され、地面からサンプリングロッドを引き抜く際には、サンプリングロッドの縦孔の孔壁への接触抵抗を小さくでき、サンプリングロッドの引き抜きにかかる力を小さくできる。したがって、サンプリングロッドの駆動装置の低トルク化、すなわち地盤試料採取装置の小型化を図ることができ、ひいては、戸建住宅建設時のボーリング調査に適した小型の地盤試料採取装置を得ることができるのである。
【0023】
また、請求項2記載の地盤試料装置にあっては、請求項1の効果に加えて、拡径ブレードの先端に、地盤を掘削するために下方程尖る形状に形成した下刃部が設けられたので、この下刃部によって拡径ブレードの地盤への掘削を効率よく行わせるようにできるのである。
【0024】
また、請求項3記載の地盤試料装置にあっては、請求項1の効果に加えて、拡径ブレードの外側面に、縦孔の孔壁を押し固めるために面状に形成した押圧部が設けられたので、サンプリングロッドが穿設する縦孔の孔壁を押圧部によって固めて縦孔の崩壊や収縮を抑制させることができ、サンプリングロッドの引き抜きにかかる力を小さくできて地盤試料採取装置の小型化に資することができると共に、サンプリングロッドの縦孔への再貫入もスムーズに行わせ得ることから更に深い部分の地盤の採取も容易に行わせることができるのである。
【0025】
また、請求項4記載の地盤試料装置にあっては、請求項1の効果に加えて、拡径ブレードの上端に、サンプリングロッドを引き抜く際に縦孔の孔壁を削るために上方程尖る形状に形成された上刃部を設けたので、サンプリングロッドが穿設した縦孔に収縮が生じた場合でも、サンプリングロッドの引き抜き時には上刃部で縦孔の孔壁を削らせながら行うことができ、つまり、サンプリングロッドの縦孔の孔壁への接触抵抗を小さくできてサンプリングロッドの引き抜きにかかる力を小さくできるから、地盤試料採取装置の小型化に資することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示すものであり、(a)は全体側面図であり、(b)は(a)のA部分の拡大図である。
【図2】(a)は図1(a)のA部分の下面図であり、(b)は図1(a)のA部分の側面図である。
【図3】同上の拡径ブレードの斜視図である。
【図4】同上の拡径ブレードの展開図であって、(a)は正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は右側面図であり、(d)は上面図であり、(e)は下面図である。
【図5】(a)(b)(c)は同上の地盤採取を順に説明する説明図である。
【図6】同上の深い部位の地盤採取を説明する説明図である。
【図7】従来技術の例を説明する側面図である。
【図8】従来技術の他例を示すものであり、(a)(b)は各種ハンドオーガを示す側面図である。
【図9】従来技術の更に他例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 サンプリングロッド
2 掘削刃
3 採取溝
4 拡径ブレード
5 縦孔
5a 孔壁
6 下刃部
7 押圧部
8 上刃部
15 横刃部

Claims (4)

  1. 地盤試料を採取するために地中に貫入されるサンプリングロッドの先端部に地盤を掘削する掘削刃が先端を尖らせて設けられ、該掘削刃で掘削された地盤試料を採取する採取溝が掘削刃から連続してサンプリングロッドの上下に亘ってスパイラル状に刻設され、掘削刃の外径より大きい縦孔を掘削する拡径ブレードが上記掘削刃の外縁部に一体に設けられて成ることを特徴とする地盤試料採取装置。
  2. 拡径ブレードの先端に、地盤を掘削するために下方程尖る形状に形成した下刃部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の地盤試料採取装置。
  3. 拡径ブレードの外側面に、縦孔の孔壁を押し固めるために面状に形成した押圧部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の地盤試料採取装置。
  4. 拡径ブレードの上端に、サンプリングロッドを引き抜く際に縦孔の孔壁を削るために上方程尖る形状に形成した上刃部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の地盤試料採取装置。
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