JP3621592B2 - 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 - Google Patents
回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3621592B2 JP3621592B2 JP36096198A JP36096198A JP3621592B2 JP 3621592 B2 JP3621592 B2 JP 3621592B2 JP 36096198 A JP36096198 A JP 36096198A JP 36096198 A JP36096198 A JP 36096198A JP 3621592 B2 JP3621592 B2 JP 3621592B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paint
- cartridge
- atomizing head
- rotary atomizing
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Nozzles (AREA)
- Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のボディ等の被塗物を色替しつつ塗装するのに用いて好適な回転霧化頭型塗装装置の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のボディ等の被塗物を塗装する塗装装置としては、例えば回転霧化頭を備えた回転霧化頭型塗装装置が用いられている。また、昨今では、塗装装置に、色替作業時に廃棄される塗料と溶剤の量を削減すること、多くの塗色に対応できること等が望まれている。
【0003】
そこで、第1の従来技術は、廃棄塗料、溶剤の削減、塗色の増大に対応した回転霧化頭型塗装装置で、例えば特開平8−229446号公報に記載されたものが知られている。この回転霧化頭型塗装装置は、各色毎の塗料が充填されたカートリッジを、被塗物となる自動車のボディ等を塗装する度に交換して取付ける構成となっている。しかし、この塗装装置には、前色塗料を洗浄するための装置がなく、塗装装置としての機能を満たしていない。
【0004】
また、塗装装置には、予め定められたプログラムに従ってボディ等を自動で塗装する所謂自動塗装装置がある(例えば特開昭63−175662号公報)。この第2の従来技術となる自動塗装装置は、各色毎のカートリッジを塗装用ロボット等の塗装作業機の作業範囲内に配置し、該塗装作業機を作動させることにより塗装装置に所望のカートリッジを交換して取付ける構成となっている。また、第2の従来技術による自動塗装装置では、カートリッジの交換(色替)を行なうために、塗装装置に洗浄流体を供給するためのホースが接続され、塗装装置内には、該ホースに連通し回転霧化頭に向けて伸びた洗浄流体通路等が設けられている。そして、前色塗料を洗浄する場合には、ホースから供給された洗浄流体を洗浄流体通路から回転霧化頭に向け噴出し、該回転霧化頭等を洗浄する。
【0005】
さらに、第3の従来技術として、例えば国際公開WO97/34707号公報に示す自動塗装装置がある。この第3の従来技術による自動塗装装置は、塗装エリアに設けられた塗装作業機と、該塗装作業機に取付けられ、塗料を噴霧する塗装機を有する塗装装置と、内部に塗料が充填され、該塗装装置に交換可能に取付けられる各色毎に別個のカートリッジと、該カートリッジを支持し、前記塗装装置との間でカートリッジを交換するカートリッジ交換装置とを備えている。
【0006】
このように構成された第3の従来技術による自動塗装装置にも、前記第2の従来技術による自動塗装装置と同様に、塗装装置に洗浄流体を供給するためのホースが接続され、塗装装置内には、該ホースに連通し回転霧化頭に向けて伸びた洗浄流体通路、洗浄流体通路を開,閉する洗浄流体弁等が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した第2、第3の従来技術による自動塗装装置では、回転霧化頭を洗浄するための装置を塗装装置に設けているから、塗装装置には、洗浄流体を供給するためのホースを接続し、洗浄流体通路等を設けている。このため、ホースの取り回しが面倒な上に、塗装装置が大型化し、重量も増大してしまうという問題がある。
【0008】
また、塗着効率を高めるための高電圧を塗料に印加する構成とした場合には、この高電圧が洗浄流体通路、ホース内の洗浄流体を通って外部にリークしてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、塗料を排出することなく、多数色の塗料を色替して塗装することができるようにした回転霧化頭型塗装装置の塗装方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する回転霧化頭型塗装装置の塗装方法は、前側が塗装機を取付ける塗装機取付部となり後側がカートリッジを取付けるカートリッジ取付部となったハウジングと、回転軸を有するエアモータと該エアモータの前側に位置して回転軸に設けられた回転霧化頭とからなり、該ハウジングの塗装機取付部に取付けられた塗装機と、該塗装機を構成するエアモータの回転軸内を軸方向に設けられ、前端が回転霧化頭に開口し後端が前記ハウジングのカートリッジ取付部に開口するフィードチューブ挿通孔と、内部に塗料が充填されるボンベと該ボンベの先端から軸方向に延びるフィードチューブとからなる各色毎に別個の塗料用カートリッジとを備えた回転霧化頭型塗装装置の塗装方法であって、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベを前記ハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブを前記フィードチューブ挿通孔に挿入する塗料用カートリッジ取付け工程と、前記エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給する塗装工程と、塗装の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジを前記ハウジングから取外す塗料用カートリッジ取外し工程と、前記回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、前記回転霧化頭に付着した前色塗料を洗浄する洗浄工程とからなる。
【0011】
このように構成したことにより、塗料用カートリッジ取付け工程では、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベをハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブをフィードチューブ挿通孔に挿入する。次に、塗装工程では、エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給することにより、被塗物に塗装する。そして、塗料用カートリッジ取外し工程では、塗装終作業が終了したら、使用済みの塗料用カートリッジをハウジングから取外す。さらに、洗浄工程では、回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、該回転霧化頭に付着した前色塗料を洗浄することにより、次色の塗装準備がなされる。
【0012】
また、請求項2の発明が採用する回転霧化頭型塗装装置の塗装方法は、前側が塗装機を取付ける塗装機取付部となり後側がカートリッジを取付けるカートリッジ取付部となったハウジングと、回転軸を有するエアモータと該エアモータの前側に位置して回転軸に設けられた回転霧化頭とからなり、該ハウジングの塗装機取付部に取付けられた塗装機と、該塗装機を構成するエアモータの回転軸内を軸方向に設けられ、前端が回転霧化頭に開口し後端が前記ハウジングのカートリッジ取付部に開口するフィードチューブ挿通孔と、内部に塗料が充填されるボンベと該ボンベの先端から軸方向に延びるフィードチューブとからなる各色毎に別個の塗料用カートリッジとを備えた回転霧化頭型塗装装置の塗装方法であって、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベを前記ハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブを前記フィードチューブ挿通孔に挿入する塗料用カートリッジ取付け工程と、前記エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給する塗装工程と、塗装の終了後に、前記回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、前記回転霧化頭とフィードチューブ先端とに付着した前色塗料を洗浄する洗浄工程と、洗浄の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジを前記ハウジングから取外す塗料用カートリッジ取外し工程とからなる。
【0013】
このように構成したことにより、塗料用カートリッジ取付け工程では、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベをハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブをフィードチューブ挿通孔に挿入する。次に、塗装工程では、エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、ハウジングに取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給することにより、被塗物に塗装する。そして、洗浄工程では、塗装作業が終了したら、回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、該回転霧化頭とフィードチューブ先端とに付着した前色塗料を洗浄する。さらに、洗浄作業が終了したら、塗料用カートリッジ取外し工程では、使用済みの塗料用カートリッジをハウジングから取外すことにより、次色の塗装準備がなされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を塗装用ロボットに取付けた場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0015】
まず、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示すに、1は塗装作業機となる塗装用ロボットで、該塗装用ロボット1は、基台2と、該基台2上に回転可能かつ揺動可能に設けられた垂直アーム3と、該垂直アーム3の先端に揺動可能に設けられた水平アーム4と、該水平アーム4の先端に設けられた手首5とにより大略構成されている。
【0016】
また、塗装用ロボット1には、電源線6Aを介して電源装置6が接続され、エアホース7Aを介して制御エア源7が接続され、負圧ホース8Aを介して真空ポンプ、エゼクタ等の負圧発生源8が接続され、エアホース9Aを介して取外し用エア源9が接続され、エアホース10Aを介して塗料弁用パイロットエア源10が接続され、エアホース11Aを介してシンナ弁用パイロットエア源11が接続され、シンナホース12Aを介してシンナ供給装置12が接続されている。そして、電源線6A、ホース7A,8A,9A,10A,11A,12Aは、垂直アーム3、水平アーム4を通って手首5まで達し、後述の回転霧化頭型塗装装置21に接続されている。
【0017】
21は塗装用ロボット1に設けられた回転霧化頭型塗装装置(以下、塗装装置21という)で、該塗装装置21は、図2、図3に示す如く、後述のハウジング22、塗装機28、フィードチューブ挿通孔27,34、塗料用カートリッジ35等から大略構成されている。
【0018】
22は例えばPTFE、PEEK、PEI、POM、PI、PET等の高機能樹脂材料(エンジニアリングプラスチック)によって形成されたハウジングで、該ハウジング22は、手首5の先端に取付けられている。そして、ハウジング22は、筒状に形成された締付部23Aを介して塗装用ロボット1の手首5先端に着脱可能に取付けられるネック部23と、該ネック部23の先端に一体形成されたヘッド部24とにより構成されている。
【0019】
ここで、ヘッド部24の前側には塗装機取付部25が凹円筒状に形成され、また、ヘッド部24の後側にはカートリッジ取付部26が凹円筒状に形成されている。さらに、カートリッジ取付部26の底部26Aには、雌接続部26Bと雄接続部26Cが別個に形成され、該雌接続部26Bには後述するボンベ36の雄接続部36Aが嵌合し、雄接続部26Cにはボンベ36の雌接続部36Bが嵌合する。そして、カートリッジ取付部26の雌接続部26B、雄接続部26Cは、ボンベ36を該カートリッジ取付部26に取付けるときに、該ボンベ36を周方向に位置決めするものである。
【0020】
27はヘッド部24の塗装機取付部25とカートリッジ取付部26との間に連通して設けられたハウジング側フィードチューブ挿通孔で、該ハウジング側フィードチューブ挿通孔27の前側は小径なフィードチューブ挿通部27Aとなり、後側が円錐状に縮径した円錐状縮径部27Bとなっている。ここで、フィードチューブ挿通部27Aは、後述する塗装機側フィードチューブ挿通孔34と同軸に形成されている。また、円錐状縮径部27Bは、後述するカートリッジ35の円錐状凸部38が当接して嵌合し、これを軸方向、径方向に位置決めするものである。
【0021】
28はヘッド部24の塗装機取付部25内に取付けられた塗装機で、該塗装機28は、エアモータ29と、該エアモータ29によって回転せしめられる回転霧化頭30と、前記エアモータ29の前端側に設けられたシェーピングエアリング31とにより大略構成されている。
【0022】
ここで、エアモータ29は、塗装機取付部25内に挿嵌されるモータケース29Aと、該モータケース29A内に軸方向に貫通して設けられ、後端側が小径となり前側が大径となった段付状の軸穴29Bと、該軸穴29Bの大径部に軸方向に伸長して設けられ、先端側が前記モータケース29Aから突出した回転軸29Cと、該回転軸29Cの基端側に位置して該回転軸29Cに固着して設けられたエアタービン29Dと、前記回転軸29Cと微小な間隙をもって軸穴29Bの大径部周囲に位置し、前記モータケース29Aに設けられた静圧エア軸受29Eとにより構成されている。
【0023】
30は回転軸29Cの先端側に位置してエアモータ29に取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭30は、図4に示す如く、ベル状に形成されたベルカップ30Aと、該ベルカップ30Aの前面中央に嵌着された円板状のハブ部材30Bと、該ハブ部材30Bよりも外周側で前記ベルカップ30Aの前面に形成され、塗料を薄膜化する塗料薄膜化面30Cと、前記ハブ部材30Bの後面側に画成された塗料溜り30Dと、前記ハブ部材30Bの中央側に設けられ、ハブ部材30Bの前面側から供給される洗浄流体を前記塗料溜り30Dに流入させる複数個の洗浄流体流入孔30E,30E,…と、前記ハブ部材30Bの外周側に設けられ、フィードチューブ39から吐出された塗料を前記塗料薄膜化面30Cに導く多数個の塗料流出孔30F,30F,…とによって構成されている。
【0024】
そして、回転霧化頭30は、エアモータ29によって高速回転されることにより、フィードチューブ39から塗料溜り30Dに供給される塗料を、各塗料流出孔30Fから塗料薄膜化面30Cに導く。そして、塗料薄膜化面30Cに流出した塗料を、該塗料薄膜化面30Cで薄膜化し、遠心力により霧化する。これにより、霧化塗料は、後述するように高電圧に帯電した帯電塗料粒子をなし、この帯電塗料粒子は後述する被塗物61との間に形成される静電界に沿って飛行し、塗着する。
【0025】
31はシェーピングエアリングで、該シェーピングエアリング31は、エアモータ29を前側から固定するようにヘッド部24の塗装機取付部25に取付けられている。そして、このシェーピングエアリング31には、その外周側に多数のシェーピングエア噴出孔31A,31Aが環状に穿設され、このシェーピングエア噴出孔31Aは、回転霧化頭30の放出端縁に向けてシェーピングエアを噴出し、回転霧化頭30から放出された帯電塗料粒子のパターン成形を行うものである。
【0026】
32はハウジング22のネック部23に設けられた高電圧発生器で、該高電圧発生器32は例えばコッククロフト回路によって構成され、電源装置6から電源線6Aを介して供給される電圧を−60ないし−120kVに昇圧するものである。そして、高電圧発生器32の出力側は高電圧ケーブル32Aを介して例えばエアモータ29に電気的に接続され、これにより高電圧発生器32はエアモータ29の回転軸29Cを介して回転霧化頭30に高電圧を印加し、塗料に直接帯電させる。なお、噴霧塗料粒子に高電圧を間接的に帯電させる外部帯電方式の場合には、シェーピングエアリング31等に外部電極を設け、高電圧発生器32から出力される高電圧をこの外部電極に直接供給している。
【0027】
33はハウジング22のネック部23に設けられ、エアホース7Aを介して制御エア源7に接続された複数本のエア通路で、該各エア通路33はタービンエア、軸受エア、ブレーキエア、シェーピングエア等を供給するものであるが、本実施の形態では、代表的に1本のエア通路のみを図示している。
【0028】
ここで、タービンエアを供給するエア通路は、エアモータ29のエアタービン29Dに向けてエアを供給するものである。軸受エアを供給するエア通路は、エアモータ29の静圧エア軸受29Eに向けてエアを供給するものである。ブレーキエアを供給するエア通路は、エアタービン29Dに向けて回転を停止させるためのブレーキエアを供給するものである。さらに、シェーピングエアを供給するエア通路は、シェーピングエアリング31のシェーピングエア噴出孔31Aに向けてエアを供給するものである。
【0029】
34はエアモータ29を構成する回転軸29Cとモータケース29Aを軸方向に貫通して設けられた塗装機側フィードチューブ挿通孔で、該塗装機側フィードチューブ挿通孔34の基端側は、ハウジング側フィードチューブ挿通孔27のフィードチューブ挿通部27Aに開口し、先端側は回転霧化頭30の塗料溜り30D内に開口している。また、塗装機側フィードチューブ挿通孔34は、ハウジング側フィードチューブ挿通孔27のフィードチューブ挿通部27Aと同軸に形成されている。そして、フィードチューブ挿通孔27,34には、塗料用カートリッジ35のフィードチューブ39が挿脱可能に挿嵌される。
【0030】
35a,35b,…35nはa色,b色,…n色の塗料を個別に貯え、回転霧化頭30に向け供給するための塗料用カートリッジ(以下、全体として塗料用カートリッジ35という)で、該各塗料用カートリッジ35は、フィードチューブ挿通孔27,34に挿通して取付けられ、回転霧化頭30に各色毎に独立して塗料を供給するものである。そして、塗料用カートリッジ35は、図5に示す如く、ボンベ36と、該ボンベ36の前端面に設けられた円錐状凸部38と、該円錐状凸部38から軸方向に伸び、内部が塗料供給路39Aとなったフィードチューブ39と、前記ボンベ36内に設けられたピストン40と、押出し液体をなすシンナを供給するカートリッジ側シンナ通路43とにより大略構成されている。
【0031】
36は塗料用カートリッジ35の本体をなすボンベで、該ボンベ36は、ハウジング22と同様の高機能樹脂材料等によってカートリッジ取付部26に挿脱可能に挿嵌される径寸法をもった筒状体(シリンダ)として形成されている。また、ボンベ36の外周側には先端側に位置してカートリッジ取付部26との間を気密状態に保持するOリング37が設けられている。また、ボンベ36の前端側には、カートリッジ取付部26の雌接続部26Bに対応した位置に雄接続部36Aが設けられ、カートリッジ取付部26の雄接続部26Cに対応した位置に雌接続部36Bが設けられている。さらに、ボンベ36の後端部には、カートリッジ35を交換するときに把持される把持突起36Cが設けられている。そして、雄接続部36A、雌接続部36Bは、ボンベ36をカートリッジ取付部26に取付けるときに、該ボンベ36を周方向に位置決めするものである。
【0032】
38はボンベ36と一体的に形成された円錐状凸部で、該円錐状凸部38は、塗料用カートリッジ35をハウジング22のカートリッジ取付部26に取付けた状態で、円錐状縮径部27Bに当接して嵌合し、塗料用カートリッジ35を軸方向、径方向に位置決めするものである。
【0033】
また、39は円錐状凸部38の先端側に設けられたフィードチューブで、該フィードチューブ39内には、同軸に延びる塗料供給路39Aが形成されている。そして、塗料供給路39Aの基端側は後述の塗料収容室41に接続され、先端側は回転霧化頭30に向けて開口している。また、フィードチューブ39には、塗料供給路39Aの先端側を縮径して弁座部39Bが設けられ、該弁座部39Bには後述する塗料弁46の弁体46Bが離,着座する。なお、フィードチューブ39の長さ寸法は、塗料用カートリッジ35をハウジング22のカートリッジ取付部26に取付けた状態で、その先端が回転霧化頭30の塗料溜り30D内に延在する程度に設定されている。
【0034】
一方、40はボンベ36内に軸方向に摺動可能に挿嵌されたピストンで、該ピストン40は、ボンベ36内を、フィードチューブ39の塗料供給路39Aに連通路41Aを介して連通する塗料収容室41と、シンナを収容するシンナ収容室42とに画成している。
【0035】
43はカートリッジ側シンナ通路で、該カートリッジ側シンナ通路43は、ボンベ36の外周側を軸方向に伸長して設けられ、その一端はボンベ36の雄接続部36Aに開口し、他端はシンナ収容室42に連通している。そして、カートリッジ側シンナ通路43は、シンナ収容室42内にシンナを供給することによりピストン40をフィードチューブ39側に押動し、これにより、ピストン40は、塗料収容室41内に充填された塗料を回転霧化頭30に向け押出す。
【0036】
なお、押出し液体としてのシンナは、高電圧発生器32による高電圧が当該シンナを通ってリークするのを防止するため、絶縁性または電気抵抗の高いものが用いられている。また、押出し液体としてシンナを用いることにより、このシンナは、ピストン40が変位するときに、ボンベ36の内壁に塗料が乾燥して固着するのを防止し、ボンベ36の内壁を常にウエット状態に保持する。これにより、ピストン40とボンベ36の内壁との間の摩擦抵抗が安定し、ピストン40を円滑に押動することができる。また、ピストン40とボンベ36の内壁との間のシール性も向上することができる。
【0037】
44はボンベ36の雄接続部36A内に位置してカートリッジ側シンナ通路43の開口端に設けられた急速継手で、該急速継手44は、図3に示すようにカートリッジ取付部26に塗料用カートリッジ35を取付け、雌接続部26Bに雄接続部36Aを嵌合させたときに開弁し、カートリッジ側シンナ通路43を後述のハウジング側シンナ通路48に連通させ、シンナの流通を許す。一方、図5に示すようにカートリッジ取付部26からボンベ36を取外し、雌接続部26Bから雄接続部36Aを離脱させたときには、ばね力によってカートリッジ側シンナ通路43を遮断し、該シンナ通路43からシンナが流出するのを防止する。
【0038】
45はボンベ36の先端側に設けられた塗料弁収容部で、該塗料弁収容部45は、フィードチューブ39と同軸に配置された円形穴をなしている。そして、塗料弁収容部45内には、後述の塗料弁46が収容される。
【0039】
46は塗料用カートリッジ35に設けられた塗料弁で、該塗料弁46は、塗料収容室41内の塗料を回転霧化頭30に供給するときに開弁するものである。また、塗料弁46は、塗料弁収容部45内に摺動可能に挿嵌されたピストン部46Aと、基端側が該ピストン部46Aに取付けられ、先端側がフィードチューブ39の塗料供給路39A内を延び、その先端部が弁座部39Bに離,着座する長尺な弁体46Bと、前記ピストン部46Aを介して該弁体46Bを弁座部39Bに着座するように付勢する弁ばね46Cとによって構成されている。さらに、前記ピストン部46Aは、塗料弁収容部45を前記弁ばね46Cを収容するばね室46Dとパイロットエアが流入する受圧室46Eとに画成している。このように、塗料弁46は、エアパイロット式切換弁として構成されている。
【0040】
そして、塗料弁46は、常時は弁ばね46Cの付勢力によって弁体46Bがフィードチューブ39の弁座部39Bに着座して塗料供給路39Aを遮断し、回転霧化頭30に対し塗料の供給を停止している。一方、塗料弁46は、塗料弁用パイロットエア源10からエアホース10A、ハウジング側パイロットエア通路49、カートリッジ側パイロットエア通路47を経由して受圧室46Eにパイロットエアが供給されたときには、弁ばね46Cに抗して弁体46Bが弁座部39Bから離座し、回転霧化頭30に対し塗料収容室41内の塗料を供給する。ここで、パイロットエア通路47は、一端がボンベ36の雌接続部36B内周面に開口し、他端が塗料弁46の受圧室46Eに連通している。
【0041】
48はハウジング22に設けられたハウジング側シンナ通路で、該シンナ通路48は、ネック部23内を軸方向に延びてシンナ弁収容部53の位置で後側に屈曲したL字状に形成されている。そして、ハウジング側シンナ通路48は、一端が塗料用カートリッジ35の塗料収容室41内の塗料を押出す押出し液体をなすシンナを定量供給するシンナ供給装置12に接続され、他端がカートリッジ取付部26の雌接続部26B底部に開口している。また、ハウジング側シンナ通路48の屈曲部は、シンナ弁54の弁体54Bが離,着座する弁座部48Aとなっている。
【0042】
49はハウジング22に設けられたハウジング側パイロットエア通路で、該パイロットエア通路49の一端はエアホース10Aを介して塗料弁用パイロットエア源10に接続されている。また、パイロットエア通路49の他端は、カートリッジ側パイロットエア通路47に対応するようにカートリッジ取付部26の底部26Aに設けられた雄接続部26Cの周面に開口している。
【0043】
50はハウジング22に設けられ、カートリッジ取付部26の底部26Aに開口したエア吸引通路で、該エア吸引通路50は、負圧ホース8Aを介して負圧発生源8に接続されている。そして、エア吸引通路50は、カートリッジ取付部26の奥部に位置して塗料用カートリッジ35のボンベ36との間に画成された負圧空間51のエアを吸引することにより、塗料用カートリッジ35を引き付けてカートリッジ取付部26に対して固定する。
【0044】
また、52はハウジング22に設けられ、カートリッジ取付部26の底部26Aに開口した取外しエア供給通路で、該取外しエア供給通路52は、エアホース9Aを介して取外し用エア源9に接続されている。そして、取外しエア供給通路52は、負圧空間51にエアを供給することにより、カートリッジ取付部26に対する塗料用カートリッジ35の固定状態を解除し、塗料用カートリッジ35の取外しを許すものである。
【0045】
53はハウジング22のヘッド部24に設けられたシンナ弁収容部で、該シンナ弁収容部53は、雌接続部26Bから軸方向に離間した奥部に位置して円形穴をなしている。そして、シンナ弁収容部53内には後述のシンナ弁54が収容される。
【0046】
54はハウジング側シンナ通路48の途中に位置してハウジング22に設けられたシンナ弁で、該シンナ弁54は、塗料収容室41内の塗料を回転霧化頭30に供給するために、シンナ収容室42にシンナを供給するときに開弁するものである。
【0047】
また、シンナ弁54は、塗料弁46とほぼ同様に、シンナ弁収容部53内に摺動可能に挿嵌されたピストン部54Aと、基端側が該ピストン部54Aに取付けられ、先端側がハウジング側シンナ通路48内に突出し、その先端部が弁座部48Aに離,着座する弁体54Bと、前記ピストン部54Aを介して該弁体54Bを着座するように付勢する弁ばね54Cとによって構成されている。さらに、前記ピストン部54Aは、シンナ弁収容部53を前記弁ばね54Cを収容するばね室54Dとパイロットエアが流入する受圧室54Eとに画成している。このように、シンナ弁54は、エアパイロット式切換弁として構成されている。
【0048】
そして、シンナ弁54は、常時は弁ばね54Cの付勢力によって弁体54Bがハウジング側シンナ通路48の弁座部48Aに着座して該シンナ通路48を遮断し、シンナ収容室42に対するシンナの供給を停止させている。一方、シンナ弁用パイロットエア源11からエアホース11A、パイロットエア通路55を経由して受圧室54Eにパイロットエアが供給されたときには、弁ばね54Cに抗して弁体54Bが弁座部48Aから離座し、シンナ収容室42に対しシンナの供給を行なうものである。ここで、パイロットエア通路55の一端はエアホース11Aを介してシンナ弁用パイロットエア源11に接続され、他端はシンナ弁54の受圧室54Eに連通している。
【0049】
一方、56は塗装用ロボット1の近傍に位置して塗装ブース内等に設けられたカートリッジ保持台で、該カートリッジ保持台56には、各色毎の塗料用カートリッジ35a,35b,…35nが保持されている。また、カートリッジ保持台56には、塗装後に塗料用カートリッジ35の塗料収容室41に塗料を充填する塗料充填装置、塗料を充填するときにシンナ収容室42から排出されるシンナを回収するシンナ回収装置(いずれも図示せず)等が設置されている。
【0050】
また、57は塗装用ロボット1の周囲でカートリッジ保持台56の近傍に固定的に設けられた霧化頭洗浄装置で、該霧化頭洗浄装置57には、上部側に位置して上向きに開口した廃液回収容器58が設けられ、該廃液回収容器58には、中央に位置して洗浄用シンナを噴出する洗浄ノズル59と、洗浄に用いたシンナを回収する廃液パイプ60とが設けられている。ここで、前記洗浄ノズル59はポンプを介してシンナ源に接続され、前記廃液パイプ60は廃液タンク(いずれも図示せず)に開口している。
【0051】
そして、霧化頭洗浄装置57は、その廃液回収容器58内に塗装機28の回転霧化頭30が配置されると、この回転霧化頭30の前面側となる洗浄ノズル59から洗浄流体としてのシンナを噴出し、該回転霧化頭30に付着した塗料を洗浄するものである。また、回転霧化頭30を洗浄した洗浄廃液は廃液パイプ60を通して廃液タンク内に回収する。
【0052】
本実施の形態による塗装装置21は、上述の如き構成を有するもので、次に、塗装装置21の塗装方法について図6ないし図10に従って説明する。
【0053】
まず、a色の塗料用カートリッジ35aを用いてa色の塗料を被塗物61に塗装する場合について説明する。最初に、図7に示すように、塗料用カートリッジ取付け工程では、カートリッジ保持台56からa色の塗料が充填された塗料用カートリッジ35aを取出し、この塗料用カートリッジ35aをハウジング22に取付ける。そして、塗料用カートリッジ35aをハウジング22に取付けるときには、フィードチューブ39をハウジング側フィードチューブ挿通孔27の円錐状縮径部27B、フィードチューブ挿通部27A、塗装機側フィードチューブ挿通孔34に挿通しながら、ボンベ36をヘッド部24のカートリッジ取付部26内に挿嵌する。
【0054】
また、塗料用カートリッジ35aの取付け時には、エア吸引通路50によってボンベ36との間に画成された負圧空間51内のエアを吸引することにより、ハウジング22に対して塗料用カートリッジ35aを固定して抜け止め状態に保持する。
【0055】
次に、塗装工程について説明する。この塗装工程では、エアモータ29を駆動して回転霧化頭30を高速回転し、シェーピングエアをシェーピングエアリング31の各シェーピングエア噴出孔31Aから噴出すると共に、高電圧発生器32によってa色塗料に高電圧を印加する。この状態で、シンナ供給装置12からシンナ通路48,43を経由して、押出し用のシンナをボンベ36のシンナ収容室42内に定量供給する。これにより、図8に示すように押出し用のシンナによってピストン40を変位させ、塗料収容室41内のa色塗料をフィードチューブ39を通して回転霧化頭30に供給し、回転霧化頭30から被塗物61に向け噴霧する。
【0056】
この塗料の噴霧時には、a色塗料が回転霧化頭30により遠心霧化されて微粒化し、高電圧に帯電した帯電塗料粒子をなす。そして、この帯電塗料粒子は、各シェーピングエア噴出孔31Aから噴出されるシェーピングエアによって所望の噴霧パターンに成形されつつ、被塗物61との間に形成される静電界に沿って飛行し、被塗物61に塗着する。
【0057】
次に、塗料用カートリッジ取外し工程について説明する。この場合には、まず、塗装用ロボット1の垂直アーム3、水平アーム4等を作動することにより、塗装装置21を図7に示すカートリッジ交換位置に配置する。即ち、塗装機28の前部側を霧化頭洗浄装置57の廃液回収容器58内に挿入し、回転霧化頭30の前面側に洗浄ノズル59を配置する。この状態で、取外しエア供給通路52から負圧空間51にエアを供給することにより、カートリッジ取付部26に対する塗料用カートリッジ35aの固定を解除する。そして、図9中の矢示の如く、該塗料用カートリッジ35aを把持具62で把持し、ハウジング22から軸方向に引き抜いてカートリッジ保持台56に戻す。
【0058】
次に、回転霧化頭30の洗浄工程について説明する。この場合には、塗装用ロボット1を作動し、図9に示すように塗装機28の前部側を霧化頭洗浄装置57に挿入した状態にしておく。また、エアモータ29によって回転霧化頭30を、高速回転させておく。この状態で、図10に示す如く、洗浄ノズル59から洗浄用のシンナを噴出し、回転霧化頭30の前面側からシンナを供給する。
【0059】
これにより、ハブ部材30Bの表面を流れるシンナは、遠心力によって中央からベルカップ30Aの塗料薄膜化面30Cに向けて流れ、該塗料薄膜化面30C等に付着した塗料P1 を洗浄する。また、ハブ部材30Bの洗浄流体流入孔30Eから塗料溜り30Dに流入したシンナは、該塗料溜り30Dの内壁、ハブ部材30Bの後面に付着した塗料P2 を洗浄し、塗料流出孔30Fから流出する。そして、洗浄に使われたシンナは、廃液回収容器58内に流出し、廃液パイプを介して廃液タンクに回収される。
【0060】
このようにしてa色の塗料用カートリッジ35aを用いた塗装作業が完了したら、例えば、b色の塗料用カートリッジ35bをカートリッジ保持台56から取出してハウジング22に取付けることにより、a色塗料と同様にb色塗料の塗装を行なうことができる。
【0061】
かくして、本実施の形態では、塗装用ロボット1の手首5にハウジング22を取付け、該ハウジング22に対してa色,b色,…n色の塗料が充填された塗料用カートリッジ35a,35b,…35nを用意しておく。この上で、塗料用カートリッジ取付け工程ではハウジング22に塗料用カートリッジ35を取付け、塗装工程では塗料用カートリッジ35から回転霧化頭30に向け塗料を供給して被塗物61を塗装し、塗料用カートリッジ取外し工程ではハウジング22から塗料用カートリッジ35を取外し、さらに洗浄工程では回転霧化頭30に付着した前色塗料を洗浄することにより、被塗物61の塗装作業を行なうものである。
【0062】
従って、本実施の形態によれば、多種類の塗色塗料が充填された塗料用カートリッジ35を予め用意することにより、1台の塗装装置21で多数色の色替動作に対応することができ、信頼性を高め、利用範囲を広めることができる。また、他色の塗料を増設する場合でも、塗装装置21を改造することなく、カートリッジ保持台56に他色の塗料が充填された塗料用カートリッジ35を新たに配設するだけで容易に対応することができる。
【0063】
しかも、各色毎の塗料用カートリッジ35を交換して用いることにより、色替時の塗料の排出をなくすことができるから、洗浄時間を短縮できる上に、塗料、シンナの無駄をなくして環境に優しい塗装装置21とすることができる。
【0064】
また、塗料を供給するための塗料ホースを省略することができるから、塗料としてメタリック塗料、水性塗料等の電気抵抗の低い塗料を塗装する場合でも、高電圧がリークするのを防止することができ、多種類の塗料の塗装を可能にして塗装装置21の利用範囲を広めることができる。
【0065】
また、回転霧化頭30等を洗浄するための霧化頭洗浄装置57は、塗装装置21と別個に設けているから、シンナ等の洗浄流体を介して高電圧がリークするのを防止でき、高電圧を遮断するための構造(ボルテージブロック)を簡略化することができる。
【0066】
さらに、塗装装置21には、塗料の供給,停止を行なう塗料弁46と、押出し用のシンナの供給,停止を行なうシンナ弁54とを設けている。これにより、塗料の噴霧指令,停止指令によって塗料弁46、シンナ弁54を開,閉弁動作させることにより、この噴霧指令,停止指令後に直ちに塗料を噴霧,停止させることができる。
【0067】
従って、塗装プログラムに沿って正確に制御できるから、塗膜の厚さを一定にして塗装品質を高めることができ、信頼性を向上することができる。また、塗料用カートリッジ35をハウジング22から引き抜いて交換するときに、フィードチューブ39から塗料が垂れ落ちるような事態をなくすことができる。
【0068】
次に、図11ないし図14は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、洗浄工程は塗料用カートリッジ取外し工程の前に行なう構成としたことにある。なお、本実施の形態は、構成要素が前述した第1の実施の形態と同一のため、塗装方法についてのみ説明する。
【0069】
塗料用カートリッジ35aを用いてa色の塗料を被塗物61に塗装する場合について説明する。塗料用カートリッジ取付け工程では、前述した第1の実施の形態と同様に、a色の塗料が充填された塗料用カートリッジ35aをカートリッジ保持台56から取出してハウジング22に取付ける。このときに、エア吸引通路50によって負圧空間51内のエアを吸引することにより、ハウジング22に対して塗料用カートリッジ35aを固定する。
【0070】
次に、塗装工程では、エアモータ29で回転霧化頭30を高速回転し、各シェーピングエア噴出孔31Aからシェーピングエアを噴出し、高電圧発生器32によってa色塗料に高電圧を印加する。そして、この状態でシンナ収容室42内に押出し用のシンナを定量供給することにより、ピストン40を押動して塗料収容室41内のa色塗料を回転霧化頭30に向け供給し、被塗物61にa色塗料を噴霧する。
【0071】
そして、塗装工程が終了したら洗浄工程を行なう。このため、塗装用ロボット1の垂直アーム3、水平アーム4等を作動することにより、塗装装置21を、図12に示すカートリッジ交換位置に配置する。この状態で、図13に示す如く、エアモータ29によって回転霧化頭30を高速回転させ、洗浄ノズル59から洗浄用のシンナを噴出し、回転霧化頭30の前面側からシンナを供給する。
【0072】
これにより、洗浄工程では、ハブ部材30Bの表面を流れるシンナは、遠心力によって中央からベルカップ30Aの塗料薄膜化面30Cに向けて流れ、該塗料薄膜化面30C等に付着した塗料P1 を洗浄する。また、ハブ部材30Bの洗浄流体流入孔30Eから塗料溜り30Dに流入したシンナは、該塗料溜り30Dの内壁、ハブ部材30Bの後面に付着した塗料P2 を洗浄する。さらに、塗料溜り30Dに流入したシンナの一部は、フィードチューブ39の先端に付着した塗料P3 を洗浄する。そして、各部を洗浄したシンナは、塗料流出孔30Fから廃液回収容器58内に流出し、回収される。
【0073】
次に、塗料用カートリッジ取外し工程では、カートリッジ取付部26に対する塗料用カートリッジ35aの固定を解除し、図14中の矢示の如く、該塗料用カートリッジ35aを把持具62で把持し、ハウジング22から軸方向に引き抜いてカートリッジ保持台56に戻す。
【0074】
かくして、このように構成された本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を有している。しかし、本実施の形態では、塗装工程の終了後に直ちに洗浄工程を実施し、その後にカートリッジ取外し工程を行なう構成としている。このため、回転霧化頭30の洗浄時には、カートリッジ35のフィードチューブ39先端も同時に洗浄することができる。これにより、回転霧化頭30からカートリッジ35を取外す前にフィードチューブ39の先端に付着している前色塗料を洗浄することができるでき、フィードチューブ39の詰りを防止することができる。
【0075】
なお、各実施の形態では、塗装作業機としての塗装用ロボット1の手首5に塗装装置21を取付けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、レシプロケータ等の他の塗装作業機に塗装装置21を取付ける構成としてもよい。この場合、レシプロケータは動作範囲が狭いため、霧化頭洗浄装置57、廃液回収容器72を移動可能に構成するのが望ましい。
【0076】
また、各実施の形態では、カートリッジ35内にピストン40を設け、該ピストン40によって塗料、シンナを押出した場合を例示したが、これに替えて、例えばベローズ等を用い、該ベローズ内に充填された塗料等を押出す構成としてもよい。
【0077】
また、各実施の形態では、エアモータ29の軸穴29Bを後端側が小径になり前側が大径となった段付状に形成し、回転軸29Cを該軸穴29Bの大径部内に設けた場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば、図15に示す変形例の如く、エアモータ81の軸穴81Bを軸方向にほぼ同径寸法で貫通させ、該軸穴81Bを貫通するように回転軸81Cを設ける構成としてもよい。
【0078】
また、各実施の形態では、エア吸引通路50を経由して負圧空間51のエアを吸引することにより、ハウジング22に対してカートリッジ35を固定するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えばハウジング22側に設けたロック部材をカートリッジ35側に設けたロック穴に係合させることにより、カートリッジ35を固定する構成としてもよい。
【0079】
また、各実施の形態では、押出し用の液体としてシンナを用いた場合を例に挙げて説明したが、塗料の種類、高電圧の印加方式等に応じ水等の他の液体を用いて塗料等を押出す構成としてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、塗料用カートリッジ取付け工程では、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベをハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブをフィードチューブ挿通孔に挿入し、塗装工程では、エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給することにより、被塗物に塗装することができる。そして、塗料用カートリッジ取外し工程では、塗装の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジをハウジングから取外し、さらに洗浄工程では、回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、該回転霧化頭に付着した前色塗料を洗浄することにより、次色の塗装準備をすることができる。
【0081】
従って、多種類の塗色塗料が充填された塗料用カートリッジを予め用意することにより、1台の回転霧化頭型塗装装置で多数色の色替動作に対応することができ、信頼性を高め、利用範囲を広めることができる。しかも、塗料用カートリッジには塗料ホース等が接続されていないから、メタリック塗料、水性塗料等の電気抵抗の低い塗料を塗装する場合でも、塗料に印加した高電圧が塗料を介してリークするのを防止でき、多種類の塗料の塗装を可能にして塗装装置の信頼性を高めることができる。
【0082】
請求項2の発明によれば、塗料用カートリッジ取付け工程では、塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベをハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブをフィードチューブ挿通孔に挿入し、塗装工程では、エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給することにより、被塗物に塗装することができる。次の洗浄工程では、塗装の終了後に、回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、該回転霧化頭とフィードチューブ先端とに付着した前色塗料を洗浄する。さらに塗料用カートリッジ取外し工程では、洗浄の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジをハウジングから取外すことにより、次色の塗装準備をすることができる。
【0083】
従って、多種類の塗色塗料が充填された塗料用カートリッジを予め用意することにより、1台の回転霧化頭型塗装装置で多数色の色替動作に対応することができ、信頼性を高め、利用範囲を広めることができる。しかも、塗料用カートリッジには塗料ホース等が接続されていないから、メタリック塗料、水性塗料等の電気抵抗の低い塗料を塗装する場合でも、塗料に印加した高電圧が塗料を介してリークするのを防止でき、多種類の塗料の塗装を可能にして塗装装置の信頼性を高めることができる。さらに、ハウジングにカートリッジを取付けたままの状態で洗浄を行なっているから、回転霧化頭と一緒にカートリッジのフィードチューブ先端に付着した塗料を洗浄することができ、フィードチューブの詰りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を塗装用ロボット等と共に示す正面図である。
【図2】第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す縦断面図である。
【図3】図2に示す回転霧化頭型塗装装置の拡大縦断面図である。
【図4】回転霧化頭を回転軸、フィードチューブの先端と一緒に示す要部拡大縦断面図である。
【図5】カートリッジを示す縦断面図である。
【図6】第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の動作を示すタイムチャートである。
【図7】ハウジングに塗料用カートリッジを取付けた状態を示す動作説明図である。
【図8】回転霧化頭型塗装装置によって被塗物を塗装している状態を示す動作説明図である。
【図9】霧化頭洗浄装置の位置でハウジングから塗料用カートリッジを取外した状態を示す動作説明図である。
【図10】霧化頭洗浄装置によって回転霧化頭を洗浄している状態を拡大して示す動作説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の動作を示すタイムチャートである。
【図12】回転霧化頭型塗装装置をカートリッジの交換位置に配置した状態を示す動作説明図である。
【図13】霧化頭洗浄装置によって回転霧化頭、フィードチューブの先端を洗浄している状態を拡大して示す動作説明図である。
【図14】ハウジングから塗料用カートリッジを取外した状態を示す動作説明図である。
【図15】本発明の変形例による塗装機本体を示す縦断面図である。
【符号の説明】
21 回転霧化頭型塗装装置
22 ハウジング
25 塗装機取付部
26 カートリッジ取付部
27 ハウジング側フィードチューブ挿通孔
28 塗装機
29,81 エアモータ
29A,81A モータケース
29B 81B 軸穴
29C 81C 回転軸
29D 81D エアタービン
29E 81E 静圧エア軸受
30 回転霧化頭
34 塗装機側フィードチューブ挿通孔
35a,35b,…35n 塗料用カートリッジ
36 ボンベ
39 フィードチューブ
57 霧化頭洗浄装置(洗浄手段)
61 被塗物
Claims (2)
- 前側が塗装機を取付ける塗装機取付部となり後側がカートリッジを取付けるカートリッジ取付部となったハウジングと、
回転軸を有するエアモータと該エアモータの前側に位置して回転軸に設けられた回転霧化頭とからなり、該ハウジングの塗装機取付部に取付けられた塗装機と、
該塗装機を構成するエアモータの回転軸内を軸方向に設けられ、前端が回転霧化頭に開口し後端が前記ハウジングのカートリッジ取付部に開口するフィードチューブ挿通孔と、
内部に塗料が充填されるボンベと該ボンベの先端から軸方向に延びるフィードチューブとからなる各色毎に別個の塗料用カートリッジとを備えた回転霧化頭型塗装装置の塗装方法であって、
塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベを前記ハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブを前記フィードチューブ挿通孔に挿入する塗料用カートリッジ取付け工程と、
前記エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給する塗装工程と、
塗装の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジを前記ハウジングから取外す塗料用カートリッジ取外し工程と、
前記回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、前記回転霧化頭に付着した前色塗料を洗浄する洗浄工程とからなる回転霧化頭型塗装装置の塗装方法。 - 前側が塗装機を取付ける塗装機取付部となり後側がカートリッジを取付けるカートリッジ取付部となったハウジングと、
回転軸を有するエアモータと該エアモータの前側に位置して回転軸に設けられた回転霧化頭とからなり、該ハウジングの塗装機取付部に取付けられた塗装機と、
該塗装機を構成するエアモータの回転軸内を軸方向に設けられ、前端が回転霧化頭に開口し後端が前記ハウジングのカートリッジ取付部に開口するフィードチューブ挿通孔と、
内部に塗料が充填されるボンベと該ボンベの先端から軸方向に延びるフィードチューブとからなる各色毎に別個の塗料用カートリッジとを備えた回転霧化頭型塗装装置の塗装方法であって、
塗装に使用する塗料用カートリッジのボンベを前記ハウジングのカートリッジ取付部に取付け、フィードチューブを前記フィードチューブ挿通孔に挿入する塗料用カートリッジ取付け工程と、
前記エアモータによって回転霧化頭を回転させた状態で、取付けられた塗料用カートリッジ内の塗料をフィードチューブを通して回転霧化頭に向け供給する塗装工程と、
塗装の終了後に、前記回転霧化頭の前面側から洗浄流体を供給し、前記回転霧化頭とフィードチューブ先端とに付着した前色塗料を洗浄する洗浄工程と、
洗浄の終了後に、使用済みの塗料用カートリッジを前記ハウジングから取外す塗料用カートリッジ取外し工程とからなる回転霧化頭型塗装装置の塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36096198A JP3621592B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-12-18 | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1822798 | 1998-01-13 | ||
JP10-18227 | 1998-01-13 | ||
JP36096198A JP3621592B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-12-18 | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004249667A Division JP2004344889A (ja) | 1998-01-13 | 2004-08-30 | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11262726A JPH11262726A (ja) | 1999-09-28 |
JP3621592B2 true JP3621592B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=26354876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36096198A Expired - Fee Related JP3621592B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-12-18 | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3621592B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6150044B2 (ja) * | 2013-04-03 | 2017-06-21 | 日立化成株式会社 | ベルカップ型塗装機の洗浄方法 |
JP6835805B2 (ja) | 2018-12-13 | 2021-02-24 | アーベーベー・シュバイツ・アーゲーABB Schweiz AG | カートリッジ用塗料充填装置 |
EP4166240A4 (en) | 2020-06-11 | 2024-04-10 | Abb Schweiz Ag | ELECTROSTATIC COATING DEVICE PROVIDED WITH A PAINT TANK |
-
1998
- 1998-12-18 JP JP36096198A patent/JP3621592B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11262726A (ja) | 1999-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100321331B1 (ko) | 회전무화헤드형 도장장치의 도장방법 | |
JP3306024B2 (ja) | カートリッジ用塗料充填方法およびその装置 | |
KR100320343B1 (ko) | 회전무화헤드형 도장장치 | |
JP3299205B2 (ja) | 自動塗装方法及びその装置 | |
JP3648134B2 (ja) | 自動塗装装置 | |
JP4955709B2 (ja) | エア霧化型塗装装置 | |
JP3453078B2 (ja) | 回転霧化頭型塗装装置 | |
WO2001081005A1 (fr) | Systeme de peinture du type cartouche | |
KR100355332B1 (ko) | 카트리지용 도료 충전장치 | |
WO1999036184A1 (fr) | Dispositif de revetement de type tete de pulverisation rotative | |
WO1999024172A1 (fr) | Appareil et procede d'application de revetement automatique | |
CN111318398B (zh) | 盒用涂料填充装置 | |
JP3621592B2 (ja) | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 | |
JP2004344889A (ja) | 回転霧化頭型塗装装置の塗装方法 | |
JP3415458B2 (ja) | 回転霧化頭型塗装装置 | |
JP2002186883A (ja) | 回転霧化頭 | |
JP2004042036A (ja) | 塗装用カートリッジ | |
JP3673098B2 (ja) | 自動塗装方法および自動塗装装置 | |
JP4365958B2 (ja) | 塗装装置 | |
WO2003099455A1 (fr) | Cartouche d'application de peinture | |
JP4709197B2 (ja) | カートリッジ式塗装装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040830 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121126 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |