JP3621219B2 - Mrヘッドのオフセツト補正方法および磁気ディスクサーテファイア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、MRヘッドのオフセット補正方法および磁気ディスクサーテファイアに関し、詳しくは、MR型磁気ヘッド(MRヘッド)による磁気ディスクサーテファイにおいて、書込み用のインダクティブヘッドと読取用のMRヘッドのオフセットに対する補正が簡単にできるようなMRヘッドのオフセット補正方法および磁気ディスクサーテファイアに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクドライブを構成するハード磁気ディスクは、製作後、単体の状態でサーテファイアにより磁気媒体がサーテファイされて、その品質がランク別に保証される。
図7は、サーテファイアの概略構成を示し、ハード磁気ディスク(以下単にディスク)1は、回転機構のスピンドル2に装着されて回転し、これに対して、磁気ヘッド3(A),3(B)は、それぞれの支持アーム31がキャリッジ機構4の支持棒41に取り付けられて、ディスク1の半径Rの方向にステップ移動して、その表裏の両面の複数のトラックTR1〜TRnに対して順次位置決めされる。
【0003】
一方、データ処理部5は、そのMPU51の指令により、書込み制御回路52を動作させてテストデータを発生させる。このテストデータが磁気ヘッド3(インダクティブヘッド)に与えられて位置決めされたトラックTRに書込まれ、ついでこれが磁気ヘッド3(MRヘッド)により読取られる。MRヘッドによって読出された読出データは、読出制御回路53を経てMPU51に入力し、その正否がサーテファイされて磁気媒体の品質がランク付けされる。その結果は、メモリ53に記憶され、全トラックのサーテファイが終了すると、結果のデータがプリンタ55によりプリントされる。
【0004】
以前における磁気ヘッド3は、インダクティブヘッドのみで構成され、書込みと読出がともに同一のインダクティブヘッドによりなされていたが、最近では性能がより良好なMR型のものが読出ヘッドとして使用されている。
図8は、MRヘッド3の構成を示し、書込み用のインダクティブヘッド(IND・H)3aと読出用のMRヘッド(MR・H)3bよりなる。両ヘッド3a,3bの両者の中心にはそれぞれギャップga,gbがあって、理想的には、これらのギャップの中心Cが一致した状態にある。そして、インダクティブヘッド3aは、そのギャップga の幅に応じてトラックTRに対して幅waの範囲でデータを書込み、MRヘッド3bは、そのギャップgb の幅に応じて幅wbの範囲でデータを読取る。
【0005】
図8においては、両ギャップga,gbの中心は、同一線C上にあって、両ヘッド3a,3bにはオフセットが無い。しかし、現実にはいくらかのオフセットがあって、サーテファイにおいてはこれが問題になる。このオフセットを図6により説明する。
【0006】
図9(a)において、インダクティブヘッド3aのギャップgaの中心線は、Caであり、また、MRヘッド3bのギャップgbの中心線は、Cbであって、両中心線Ca,Cbの間隔Δxがオフセットである。(b)はオフセットΔxに対する、MRヘッド3bの読出電圧の変化を示す。ヘッド3aによりトラックTRには幅waの範囲に一様にデータが書込まれたとし(実際は一様でなく、中心部に対して周辺部が漸次低下している)、書込まれたテストデータをMRヘッド3bがそのギャップgbにより読取る。このとき読取ることができる感度幅を感度幅wbとする。
【0007】
ここで、読取り状態において、磁気ヘッド3が左側から右方向に移動すると、そのMRヘッド3bも同時に移動し、図(b)の(イ)の位置でMRヘッド3bの感度幅wbの右端がデータ幅waの左端に対応し、MRヘッド3bのギャップgb(Cb はその中心線)がインダクティブヘッド3aのテストデータの書込み領域の端を読取る状態なる。このときの読出電圧は0(ゼロ)であって、ここから読取りがはじまるとする。
ここでは、読出電圧を[V]単位ではなく、数値“0”から“1”の範囲で説明する。これは、説明の都合上で、最大読出電圧値に対する比としての説明である。また、それぞれ幅wa ,wbは、それぞれのギャップga,gbの幅により決定される。なお、感度幅wb は、現在のところは数μm程度である。
【0008】
さて、(ロ)の位置では感度幅wbがwb/2だけ書込幅wa側に入り込み、右側の感度幅wbのうちのwb/2、分がwaに対応するので、読出電圧は、0.5となり、さらに移動して(ハ)の位置では、wbの全体がwaに対応して読出電圧は最大の1.0となる。なお、wa>wbのときは、幅(wa−wb)の範囲では電圧が1.0のままになって平坦となる。例えば、(ニ)の位置で電圧は1.0である。
(c)は、オフセットΔx(μm)に対する、MRヘッド3bの読出電圧の実測値の一例を示している。例えば、Δx=±0.5μmの読出電圧は、最大値0.2mVに対して約0.18mV(約90%)に低下しており、このように低下するとサーテファイの信頼性も低下する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際にハードディスクが組込まれる磁気ディスク駆動装置では、MRヘッド3bは、サーボ情報で位置決めされ、書込みデータを読出す。一方、インダクティブヘッド3aは、サーボ情報で位置決めされてデータを書込む。そこで、実際には、図8に示す状態のヘッドと等価になるが、ディスクを検査するサーティファイアの場合には、検査ディスクにサーボ情報が書込まれていない。したがって、MRヘッド3bとインダクティブヘッド3aとのオフセットが検査結果に直接影響を与えて、歩留まりの低下を招く。そのため、前記のオフセットは、できるかぎり実質的にゼロになるように補正することが必要である。
【0010】
そこで、読出状態のとき、MRヘッド3bを移動させてオフセットを解消する方法が考えられている。この移動機構の1つとしてピエゾアクチュエータによりMRヘッドをオフセットに対応する距離分だけ微小移動することが考えられる。この場合には、通常は、オフセットΔxの数値の測定が行われる。しかし、ピエゾアクチュエータには印加電圧に対するヒステリシス特性がある上に、その特性における移動距離と電圧との関係が非直線特性であってかつ一様なものではない。そのために、これによる補正方法は、実際上は難しい。
このような問題を解決するために、出願人は、ヒステリシス特性のループの非直線性の欠点を解消するために、ヒステリシス特性の非直線性特性上における任意の点pにおいてオフセットを検出し、この検出点と同じ位置の特性点Pをサーティファイにおいて利用することでオフセット補正をし、非直線性を克服し、さらに、ピエゾアクチュエータが往路と復路とでは逆方向に動くという相違を利用して、それぞれに逆方向のオフセット補正を割り当ててオフセット補正量を検出するようにした発明を出願している。
【0011】
しかし、この先願の発明にあっては、サーティファイの検査トラックごとにオフセット補正をする際に、大きなヒステリシスループを回る必要がある関係からMRヘッドのオフセット補正処理に数msecと時間がかかる欠点がある。これにより検査処理のスループットが低下する問題が生じる。また、大きなヒステリシスループを回ればそれだけピエゾアクチュエータが大きく駆動されるので、ピエゾアクチュエータの寿命が短くなる。
この発明は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、簡易な制御によりMRヘッドのオフセットを実質的にゼロになるように補正することができ、かつ、検査処理のスループットを向上させることができるMRヘッドのオフセツト補正方法および磁気ディスクサーティファイアを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のMRヘッドのオフセツト補正方法および磁気ディスクサーティファイアの特徴は、書込み用の磁気ヘッドと読取用のMRヘッドを使用する磁気ディスクサーテファイにおいて、印加電圧Vによりヒステリシス特性のループに沿って伸長または縮小して、MRヘッドを進退させるピエゾアクチュエータを設け、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のメジャーループの任意の点からマイナーループに入り、この任意の点の印加電圧をスタート点の電圧Vpとし、到達点の印加電圧をVQとし、電圧Vpを変えずに、電圧VQを順次増加あるいは減少させて電圧Vpと電圧VQとを往復することにより決定される複数のマイナーループに順次に入り、複数のマイナーループのスタート点および到達点の一方で更新したトラックに磁気ヘッドによりテストデータを書込み、更新したトラックにおいてスタート点および到達点の他方でMRヘッドによりテストデータを読出すことにより最大読出電圧を得るマイナーループをオフセット補正の最適マイナーループとして選択し、磁気ディスクをサーティファイするときに、最適なマイナーループに磁気ヘッドを設定して最適なマイナーループの到達点あるいはスタート点の一方において磁気ヘッドによりテストデータを書込み、到達点あるいはスタート点の他方にMRヘッドを位置付けて書込んだテストデータを読出すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
このように、この発明では、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のマイナループを利用してオフセット補正量に対応するスタート点と到達点とを持つ最適マイナーループを探し出して、このマイナーループにおいて検査することで非直線性の欠点を解消し、オフセット補正をする。特に、マイナーループでは、ループが小さくなり、スタート点と到達点の間の駆動で済むので、MRヘッドのオフセット補正処理に時間がかからず、かつ、ピエゾアクチュエータが大きく駆動されないので、寿命が長くなる。
【0014】
ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のループはよく知られているが、これについて、まず簡単に説明する。
ヒステリシス特性のループにはメジャーループとマイナーループがあり、ピエゾアクチュエータに対する最大の印加可能電圧をVmとすると、印加電圧原点(通常0V)と最大印加電圧Vmによるループがメジャーループであり、その下側は伸長する往路で、上側は縮小する復路であって、これらが原点と印加可能電圧Vmとの間の2点で循環する。
一方、マイナーループは、最大印加電圧Vmより小さい任意の印加電圧で、メジャーループの往路または復路の途中より派生されて小さい範囲で循環する。両ループは通常重なり合わない。これは、任意のスタート時の印加電圧VP に所定の増加(往路)あるいは減少(復路)させたある印加電圧Vとの間の往復ルートでは、同じマイナループを描き、循環するが、印加電圧Vを途中で増加させ、あるいは減少さて伸張量を変化させると、前の履歴の影響で元の位置には戻らない。これは欠点であるが、同じ印加電圧の履歴を辿れば同じマイナーループに入ることはできる。さらに、同じマイナーループであるかぎりは、そのスタート点と到達点の2点での伸張あるいは縮小する距離は変わらない。
【0015】
そこで、スタート点の印加電圧を固定して何度も再スタートさせて到達点側の印加電圧を大きくしていけば、スタート点から到達点までの伸張あるいは縮小する距離は徐々に拡大していく。この距離の拡大をMRヘッドのオフセット補正のための移動量に割り当てる。そして、オフセット補正量に対応する距離のスタート点と到達点とを持つマイナーループを最適なマイナーループとして探し出せば、そのループのスタート点と到達点の伸び量(あるいは縮み量)においてオフセット補正をすることが可能になる。
ところで、書込み用磁気ヘッドに対して読出用のMRヘッドのオフセットの方向は、+側と−側とがあるが、これは、ループの往路と復路では、伸びと縮みで逆方向の動作となるので、それぞれを割り当てればよい。
【0016】
なお、オフセットの+,−は、通常、ディスクの半径に対して外側を+,中心側を−方向に採る。また、通常のピエゾアクチュエータは、そのヒステリシス特性は、往路と復路とで、後述するように伸び率が異なり、また、一方は、伸び方向となり、他方は縮み方向となって、その方向が逆になる。メジャーループの往路にあるか復路にあるかは、ヒステリシス特性の原点、通常“0”Vからの印加電圧を最大印加電圧Vmまで増加させたときには、往路になり、そこから減少させていくと復路に入る。これによりメジャーループの往路と復路の区別ができる。また、マイナーループでは、印加電圧をある点まで増加させると往路であり、ある点から減少させると復路に入る。
一方、ディスクの検査をするサーテファイ側にあっては、被検査磁気ディスクの各トラックの位置にMRヘッドを順次に設定し、メモリから読出した情報によりオフセット補正に対応する最適なマイナーループに設定する。そして、このマイナーループのスタート点および到達点のいずれか一方において書込み用の磁気ヘッドによりテストデータを書込み、最適マイナーループのスタート点および到達点のいずれか他方においてMRヘッドによりテストデータを読出すことによりオフセット補正された状態でテストデータを読出して磁気ディスクの検査をすることが可能になる。
【0017】
なお、ヒステリシス特性においてマイナーループへの移行は、メジャーループの任意の点Pからその印加電圧VP を基準としてこの点に戻り、再度印加電圧を増加あるいは減少させることで、それぞれ別個のループ入ることができる。
これについて、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のマイナーループ選択について図4に従って説明する。
印加電圧Vを前記ヒステリシス特性の原点から所定の印加電圧Vp(ただし原点の電圧も含む)に増加して、磁気ヘッドをヒステリシス特性のメジャーループの往路あるいは復路の任意の点P1(原点および最大点を含む)に設定する。
【0018】
次に、このP1点の印加電圧VP を増加させて印加電圧VQ1に設定してMRヘッドを点q1 に微小移動させて点q1 においてテストデータを読出してこのときの読出電圧値と印加電圧VQ1とをメモリに記憶しておく。なお、テストデータの書込みは、印加電圧VPの点において行うがこれについては後述する。
そして、印加電圧を元の印加電圧VP に戻す。これにより点P1に磁気ヘッドは戻る。今度は、印加電圧VP をVQ1よりも増加させて印加電圧VQ2(VQ2>VQ1)に設定してMRヘッドを点q2 に微小移動させて点q2 においてテストデータを読出してこのときの読出電圧値と印加電圧VQ2とをメモリに記憶しておく。そして、前の点q1 の読出した電圧と比較して比較結果をメモリに記憶する。
【0019】
次に、再び印加電圧を元の印加電圧VP に戻す。このときには、履歴現象によりP点の位置には戻らずに、その上の点P2の位置になる。次に、印加電圧VP をVQ2よりも増加させて印加電圧VQ3(VQ3>VQ2)に設定してMRヘッドを点q3 に微小移動させて点q3 においてテストデータを読出してこのときの読出電圧値と印加電圧VQ2とをメモリに記憶しておく。そして、前の点q2 の読出した電圧と比較して比較結果をメモリに記憶する。
このようにして、印加電圧VPを起点として印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…というように順次印加電圧を増加させて異なるマイナーループに入っていく。このとき、それぞれのマイナーループのスタート点pは、履歴現象により点P1 ,点P2 ,点P3 ,点P4,点P5 …と順次変化していく。また、点q側の位置もq1 ,点q2 ,点q3 ,点q4,点q5 …と履歴現象により順次変化していく。
ここで、テストデータは、スタート点pの印加電圧の点VPの点で書込むが、この場合に前のスタート点で書いたテストデータが次のスタート点で重なることがあるので、点P1 ,点P2 ,点P3 ,点P4,点P5 …の各点ごとに別のトラックにトラック位置を移動させて重ならないようにする。
【0020】
さて、このような履歴現象を踏まえて、そのスタート点p型とその到達点q側の間の距離を順次大きくしていくことで、MRヘッドの移動量を順次増加させる。そして増加させながら読出電圧値が最大になるマイナループを探していく。
なお、各点における読出電圧は、図9(b)に示す状態で読出電圧が増加していくので、前記の各比較において、図9(b)における読出電圧1.0の領域を得るループのうち、その中央値に当たるようなマイナループを最適なマイナーループとしてメモリに記録すればよい。このメモリのマイナーループの記憶は、前記の印加電圧VP とこの電圧VP を起点としての印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…の記録による。また、前記の場合には、書込磁気ヘッドによるテストデータ書込みは、印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…点側で行って、テストデータの読出は、スタート点側である点P1 ,点P2 ,点P3 ,点P4,点P5 …において行う。
【0021】
以上によりMRヘッドのオフセット距離に対応する最適なマイナーループを求めることができる。1つのマイナーループでは、スタート点と到達点の間の伸び量あるいは縮み量は同じであるので、いずれをテストデータ記録側とし、いずれをテストデータ読出側としてもよい。そして、伸び量側を+側オフセット補正に、縮み側を−側オフセット補正に割り当てることができる。
その結果、オフセット補正に対応する小さなマイナーループのヒステリシスにおいてMRヘッドを移動するだけの簡易な制御により、オフセットを高精度に補正することができる。この場合には、オフセットΔxの数値の測定を必要とせずに、かつ、ピエゾアクチュエータに最大印加電圧をテストトラックごとに加えることも必要はなく、ピエゾアクチュエータの長寿命化を計ることができる。
【0022】
【実施例】
図1はこの発明のオフセット補正方法を実行するサーテファイアの一実施例の構成図、図2はMRヘッドのオフセットを求める方法の説明図、図3はサーテファイの手順を説明するフローチャートである。
図1に示すように、この発明によるサーテファイアの構成は、まず、前記した図7のサーテファイアにおける両支持アーム31,31の端部に、ピエゾアクチュエータ6(A),6(B)をそれぞれ取り付けて、両MRヘッド3(A),3(B)を移動可能とするものである。
これは、ピエゾアクチュエータ6(A),6(B)の先端側をアルミニュウム製のL字型スライダガイド41Aを介して支持アーム31の後端部に結合してこの後端部をL字型スライダガイド41Aにより支承する。これにより支持棒41の面との間で支持アーム31の後端部をスライド可能に支持することで磁気ヘッド3(そのMRヘッド3(A),3(B))を微小移動可能に取付けることによる。
これによりピエゾアクチュエータ6(A),6(B)の伸び量、あるいは縮み量に応じて後端部が前後移動することで支持アーム31が前後移動してMRヘッド3(A),3(B)をピエゾアクチュエータ6(A),6(B)の伸び量に応じて微小移動させることができる。
【0023】
そこで、ピエゾアクチュエータ制御部7を設けて、その印加電圧発生回路71をピエゾアクチュエータ6(A),6(B)に接続してピエゾアクチュエータの駆動電圧を発生させ、印加電圧制御回路72をデータ処理部5のMPU51にそれぞれ接続して、MPU51によりプログラム制御で印加電圧制御回路72を介して、発生する駆動電圧値を制御する。
まず、MRヘッド3(A),3(B)についてオフセットを補正するための、オフセット補正データとして、経路フラグ“0”(往路)とテストデータ書込む点の印加電圧Vp、そして電圧印加電圧Vsか、あるいはまたメジャーループの復路のデータとして経路フラグ“1”(復路)とテストデータ書込む点の印加電圧Vp’、そして電圧印加電圧Vs’かを、あらかじめメモリに記憶しておくか、予め入力してメモリに設定する。
なお、この発明においては、オフセット量Δxは不必要であるので、これは測定しない。また、前記の印加電圧Vp (あるいはVp’)は、あらかじめメモリ54に記憶したておいたものであり、ヒステリシス特性の往路,復路の任意の点に対応する電圧値であって、Vp =Vp’であってよい。
【0024】
さらに、メモリ54にはメジャーループの起点としての印加電圧VP(Vp’)と各マイナーループの到達点の印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…に記憶しておく。なお、印加電圧Vp’は、図5に示すように、メジャーループの往路における電圧であり、これについては後述する。
そして、図4において説明したように、ここでは、メジャーループからマイナーループに入っていく。このとき、最初は、マイナーループの往路(伸張)によるオフセット補正量を検出する。したがって、このときの検出するMRヘッドのオフセットは、+側オフセットになり、その補正は−側になる。往路でオフセットの検出ができないときには、マイナーループの復路を選択してオフセット検出を行う。このときには、テストデータ書込み側を印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…とし、メジャーループの起点に対応するスタート点側をテストデータ読出側に設定する。このことで、マイナーループの復路(縮小)によるオフセット補正量を検出することができる。このときのMRヘッドのオフセットは、−側オフセットになり、その補正は+側になる。
【0025】
図2に従って、オフセット補正量のマイナーループ検出処理について説明する。なお、この処理は、メモリ54に記憶されたオフセット補正ループ検出処理プログラムをMPU51が実行することにより実現される。
図4で説明したように、メモリ54からの読出データに従って、まず、図2において、初期値として、経路フラグを“0”にセットし、印加電圧をVn =VQ1とし、トラックTn=T1とし、比較基準電圧VREF=0に設定する(ステップ101)。そして、テストデータ書込みトラックTn(=T1)へヘッドを移動する(ステップ102)。次に、印加電圧Vを、0V(原点)から印加電圧VPに増加し、印加電圧VP をメジャーループのスタート点P1にヘッドを設定する(ステップ103,図4参照)。次に印加電圧を増加させて印加電圧Vn(=VQ1)に設定してマイナーループ(最初だけは往路がメジャーループの往路の一部なる)の到達点q1に至り、印加電圧Vを印加電圧VPに減少させてスタート点に戻す。スタート点と到達点との間を複数回往復させて特定の1つのマイナーループに入る(ステップ104)。そして、経路フラグを参照してそれが“0”か否かの判定をし(ステップ105)、フラグが“0”のときにはスタート点においてテストデータを書込む(ステップ106)、印加電圧を増加させて印加電圧Vnに設定して(ステップ107)、テストデータを読出してそのレベル値Lを現在の印加電圧Vn(最初はVn=VQ1)に対応させてメモリに記憶する(ステップ108)。次に、読出電圧Lと比較基準電圧VREFとを比較してVREF>Lかの判定に入る(ステップ109)。VREF<=LのときにはVREF=Lとして読出電圧Lを次の比較電圧にする(ステップ110)。
【0026】
次に、印加電圧Vを印加電圧VPに減少させてスタート点に戻す(ステップ111)。トラック番号n=n+1としてトラックTnを次のトラックに更新して(ステップ112)、次の印加電圧VQnを読出して(ステップ113)、印加電圧Vn =VQnとして(ただし、2回目はVn =VQ2)、ステップ104に戻り、次のマイナーループに入る。そして、そのスタート点においてテストデータを書込み(ステップ106)、同様にして読出電圧値Lを現在の印加電圧Vnに対応させてメモリに記憶し(ステップ108)。VREF>Lかの判定を行う(ステップ109)。
このようにしてステップ104とステップ113を循環して到達点の印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…と順次選択していき、一方、スタート点の電圧は、最初の印加電圧VPに戻し、スタート点と到達点とを往復することで決定される各マイナーループに対応してそれぞれの読出電圧LがVREFより低下するまで処理を繰り返す。そして、ステップ109の判定において、VREF>Lの判定結果を得たときには、メモリに記憶された読出電圧から最大電圧値を読出して、あらかじめ設定されている所定の最大読出値LMとの読出電圧比が算出される(ステップ114)。さらに、この読出電圧比が所定値、例えば、図8(b)における読出電圧で0.7を越える電圧レベルであるか否かが判定される(ステップ115)。
【0027】
ステップ114の判定で最大読出電圧比が0.7を越えるときには、オフセット補正ができる最適なピークを持つマイナーループが存在することになる。そこで、読出電圧比が最大となるマイナーループを決定してそれのデータをメモリに記憶する(ステップ115)。そして、この処理を終了する。なお、最適マイナーループのメモリへの記録は、読出電圧比が最大となるマイナーループまでの履歴電圧として往路,復路の区別のフラグと、マイナーループに至るまでの印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…の履歴を起点の印加電圧VPとともにオフセット補正データとしてメモリ54に記録することによる。
前記のステップ115の判定で最大読出電圧比が0.7以下である場合には、MRヘッドのオフセットが往路により補正できるものではないことを意味する。そこで、経路フラグ“0”か否かの判定を行い(ステップ117)、経路フラグ“0”のときには、経路フラグを“1”にセットして(ステップ118)、ステップ101へと戻る。なお、ステップ101に戻ったときには、ステップ101の経路フラグは“0”にセットしない。
【0028】
そして、ステップ105におけるフラグ判定において、経路フラグが“1”になっているので、ステップ105aへと移り、印加電圧を増加して印加電圧Vn(最初はVn=VQ1)に設定し、特定のマイナーループの到達点に至り、テストデータを書込む(ステップ106a)。次に、印加電圧を減少させて印加電圧VPに設定して(ステップ107a)、テストデータを読出してその読出電圧値Lを現在の到達点の印加電圧Vnに対応させてメモリに記憶する(ステップ108a)。そして、ステップ109のVREF>Lかの判定に入る。
先のステップ117の判定で経路フラグが“1”のときには、オフセット補正ができないものとしてこの処理を終了する。
このようにしてMRヘッドのオフセットに対応する最適なマイナーループを選定する。
【0029】
次に、図3のフローチャートによりMRヘッドのオフセットの補正を含むサーテファイ検査の手順を説明する。なお、この処理は、メモリ54に記憶されたオフセット補正検査処理プログラムをMPU51が実行することにより実現される。
被検査ディスク1はスピンドル2に装着され回転しているとする。
図3において、まず、被検査ディスク1の最初のトラックTR1の位置に、MRヘッド3を含むヘッド3を位置決め設定する(ステップ201)。ここで、メモリ54に記憶されたオフセット補正データ(経路フラグと、起点の印加電圧値Vp,マイナーループまでの履歴印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…)を読出して、図5に示すように、オフセット補正のマイナーループに入るメジャーループの点pの位置からオフセット補正の最適マイナーループMのスタート点Pに設定する(ステップ202)。次に経路フラグが“0”か否かの判定を行い(ステップ203)、“0”のときには、往路に対応するオフセット補正であるので、そのスタート点Pにインダクティブヘッド3aを位置決めしてテストデータを書込む(ステップ204)。ついで、印加電圧Vpをメモリ54に記憶された印加電圧VQn(ただしVQnはこのマイナーループの到達点に対応する印加電圧)まで増加し、MRヘッド3bをΔx分−側に移動して到達点Qに設定して+側オフセットを実質的にゼロになるように補正する(ステップ205)。
【0030】
そして、テストデータが読取られてMPU51によりサーテファイされ(ステップ206)、そのデータの異常の有無が判定される(ステップ207)。異常が無いときは、磁気ヘッド3を次位のトラックTRにステップ移動し(ステップ208)、位置決めされたトラック位置により検査トラック終了か否かの判定を行い(ステップ209)、それが検査トラックを越えていないときには、経路フラグが“0”か否かの判定により(ステップ210)、経路フラグ“0”のときにはステップ204へと戻り、以下同様な処理を繰り返す。
なお、先のステップ207の判定で異常と判定されたときには、ステップ214において異常の回数がカウントされてステップ203へと移る。そして、異常の回数が所定異常になったときにそのトラックの検査を終了して次の検査トラックに移る。
【0031】
一方、先のステップ203の判定で経路フラグが“1”のときには、復路に対応するオフセット補正であるので、印加電圧Vpをメモリ54に記憶された印加電圧VQn(最適マイナーループMの到達点Q)まで増加させてインダクティブヘッド3aを到達点Qに位置決めして(ステップ211)、テストデータを書込む(ステップ212)。ついで、印加電圧Vpまで電圧を低減してMRヘッド3bをスタート点Pの位置に位置決めしてΔx分+側に移動して−側オフセットを実質的にゼロになるように補正する(ステップ213)。そして、ステップ206へと移行して前記と同様にサーテファイを行い、ステップ210の判定で経路フラグが“1”と判定されてステップ211へと戻り、以下同様な処理を繰り返す。
最終のトラックTRnが終了すると、この磁気ディスクサーテファイが完了する。
【0032】
さて、図5において、曲線(a−b−c−d−−a) はメジャーループを示し、その下端aは印加電圧Vの0V(原点)に、上端cは最大印加電圧Vm に対応する。メジャーループの下側の曲線(a−b−c)は前記した往路、上側の曲線(c−d−a)は復路で、(P−Q)は往路の任意の点pより派生した最適マイナーループ、(P′−Q′)は復路の点p′より派生した最適マイナーループを示す。
なお、q(あるいはq’)は、マイナーループの往路であり、復路r(あるいはr’)は、マイナーループの復路である。そして、q’側の往路は、−側オフセットの補正になり、r’側の復路は、+側オフセットの補正になって、メジャーループの往路側のマイナーループの補正とは逆の関係になる。
前記までの説明は、メジャーループの往路側から最適マイナーループに入る場合を例としているが、図5に示すように、オフセット補正の最適マイナーループをメジャーループの復路で求めてもよい。このような場合には、メジャーループの復路側の点p’から最適マイナーループM’に入ることになる。この場合には、最適マイナーループのスタート点Pと到達点Qとの関係がスタート点P’,到達点Q’で示すように逆の位置関係になる。そのため、印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…については、復路では印加電圧VQ1’,VQ2’,VQ3’,VQ4’,VQ5’,…と順次低下する電圧値になる。
また、スタート点P’での書込みから到達点Q’での読出しが−側オフセットに対する補正(縮み補正)となり、逆の到達点Q’での書込みからスタート点P’での読出しが+側オフセットに対する補正(伸び補正)側となる。
【0033】
なお、最大印加電圧Vm、往路と復路の点p,p′、の印加電圧VP,VP’,両マイナーループの下端Pと上端P′を求めるための履歴電圧が往路では印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…であり、復路では印加電圧VQ1’,VQ2’,VQ3’,VQ4’,VQ5’,…がメモリには記憶されているものとする。
さらに、履歴印加電圧VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,…(印加電圧VQ1’,VQ2’,VQ3’,VQ4’,VQ5’,…)については、順次大きくなるマイナーループの距離の増加量が相互間で所定の細かなピッチdになるような電圧値として選択することができる。このような読出電圧を選択すると、図6に示すようなΔxについては距離ピッチdで検出することが可能になる。
このような場合には、最大読出電圧が複数個発生するので、そのうちの中心位置のマイナーループを最適マイナーループとして選択することになる。なお、この場合に発生する複数個の最大読出電圧は、多少の誤差を含めた許容値の範囲内で選択するものとする。
【0034】
図5において、メジャーループの往路のある点pからマイナーループの往路のみ使用して−側のオフセット補正量を求め、このときオフセット補正量が求められないときには、ある点pからのマイナーループの往路を使用することなく、印加電圧Vを最大電圧Vmまで印加電圧をもっていき、復路に入って、メジャーループの往路のある点p’からのマイナーループの復路に入り、+側のオフセット補正量に最適なマイナーループを求めてもよい。
このようにメジャーループの往路と復路をそれぞれのオフセットに対応させてそれぞれの任意の点からそれぞれのマイナーループに入り、一方は、往路のみ、他方は復路と切り分けて使用することができる。
【0035】
ところで、前記実施例では往路と復路のフラグを記録しているが、往路と復路とではオフセットの方向が逆方向になるので、往路と復路のフラグに換えて、例えば、オフセットが+側か(往路)、−側(復路)か、あるいは、オフセット補正量が−側か(往路)、+側か(復路)というように、オフセット方向あるいはオフセットの補正方向をメモリに記憶するようにしてもよい。
また、メジャーループの往路の任意の点にはその原点が含まれ、復路の任意の点にはその最大電圧点が含まれることはもちろんである。
さらに、現在のところ書込み用のヘッドは、インダクティブヘッドが主流となっているが、将来は、他の形態の磁気ヘッドが使用されることが考えられるので、この発明は、書込みができる磁気ヘッドであれば、インダクティブヘッドに限定されないことはもちろんである。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、この発明にあっては、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のマイナループを利用してオフセット補正量に対応するスタート点と到達点とを持つ最適マイナーループを探し出して、このマイナーループにおいて検査することで非直線性の欠点を解消し、オフセット補正をする。特に、マイナーループでは、ループが小さくなり、スタート点と到達点の間の駆動で済むので、MRヘッドのオフセット補正処理に時間がかからず、かつ、ピエゾアクチュエータが大きく駆動されないので、寿命が長くなる。
その結果、オフセット補正に対応する小さなマイナーループのヒステリシスにおいてMRヘッドを移動するだけの簡易な制御により、オフセットを高精度に補正することができる。この場合には、オフセットΔxの数値の測定を必要とせずに、かつ、ピエゾアクチュエータに最大印加電圧をテストトラックごとに加えることも必要はなく、ピエゾアクチュエータの長寿命化を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のオフセット補正方法を実行するサーテファイアの一実施例の構成図である。
【図2】図2は、MRヘッドのオフセットを求める処理のフローチャートである。
【図3】図3は、サーテファイの手順を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性のマイナーループ選択の説明図である。
【図5】図5は、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性の最適マイナーループ選択の説明図である。
【図6】図6は、MRヘッドの読出電圧の波形曲線とマイナーループのピッチとの関係を示す説明図である。
【図7】図7は、従来のサーテファイアの概略構成図である。
【図8】図8は、MRヘッドの構成図である。
【図9】図9は、MRヘッドのオフセットの説明図で、(a)は、インダクティブヘッドとMRヘッドのオフセットΔxを示す図、(b)はオフセットΔxに対する、MRヘッドの読出電圧(比)の変化を示す図、(c)は読出電圧の実測データの一例を示す曲線図である。
【符号の説明】
1…磁気ディスク、テストディスク、被検査ディスク、2…スピンドル、
3…MRヘッド、3a…インダクティブヘッド、3b…MRヘッド、
4…キャリッジ機構、5…データ処理部、
51…MPU、52…書込み制御回路、
53…読出制御回路、54…メモリ、55…プリンタ、
6,6(A),6(B)…ピエゾアクチュエータ、
7…ピエゾアクチュエータ制御部、71…印加電圧発生回路、
72…印加電圧制御回路、
+Δx…−側のオフセット、−Δx…+側のオフセット、
曲線(a−b−c−d−a)…ヒステリシス特性のメジャーループ、
曲線(a−b−c)…メジャーループの往路、曲線(c−d−a)…復路、
p,p’…往路と復路の書込み点、s,s’…往路と復路のピーク検出点、
V…印加電圧、Vp…書込み印加電圧、Vs,Vs’…ピーク検出印加電圧。
Claims (3)
- 書込み用の磁気ヘッドと読取用のMRヘッドを使用する磁気ディスクサーテファイにおいて、印加電圧Vによりヒステリシス特性のループに沿って伸長または縮小して、前記MRヘッドを進退させるピエゾアクチュエータを設け、
前記ピエゾアクチュエータの前記ヒステリシス特性のメジャーループの任意の点からマイナーループに入り、この任意の点の印加電圧をスタート点の電圧Vpとし、到達点の印加電圧をVQとし、前記電圧Vpを変えずに、電圧VQを順次増加あるいは減少させて前記電圧Vpと前記電圧VQとを往復することにより決定される複数のマイナーループに順次に入り、複数のマイナーループのスタート点および到達点の一方で更新したトラックに前記磁気ヘッドによりテストデータを書込み、前記更新したトラックにおいて前記スタート点あるいは前記到達点の他方で前記MRヘッドによりテストデータを読出すことにより最大読出電圧を得るマイナーループをオフセット補正の最適マイナーループとして選択し、前記磁気ディスクをサーティファイするときに、前記最適なマイナーループに前記磁気ヘッドを設定して前記最適なマイナーループの到達点あるいはスタート点の一方において前記磁気ヘッドによりテストデータを書込み、前記到達点あるいはスタート点の他方に前記MRヘッドを位置付けて前記書込んだテストデータを読出すMRヘッドのオフセツト補正方法。 - 書込み用の磁気ヘッドと読取用のMRヘッドを使用する磁気ディスクサーテファイにおいて、印加電圧Vによりヒステリシス特性のループに沿って伸長または縮小して、前記MRヘッドを進退させるピエゾアクチュエータを設け、
予め、前記印加電圧Vを前記ヒステリシス特性のメジャーループの原点から所定の印加電圧Vp(ただし原点の電圧も含む)に増加して、前記磁気ヘッドを前記ヒステリシス特性のループの往路あるいは復路の任意の点p(原点および最大点を含む)に設定して前記印加電圧Vpの点をヒステリシスループのスタート点とし、前記往路においては前記印加電圧Vpを所定量増加し、前記復路においては前記印加電圧Vpを所定量低減して決定される印加電圧の点を前記ヒステリシスループの到達点とし、前記スタート点および前記到達点のいずれか一方においてテスト磁気ディスクの適当なトラックの位置に前記磁気ヘッドによりテストデータを書込んだ後、前記スタート点および前記到達点のいずれか他方において前記テストデータを読出し、この読出した電圧値を比較電圧値としてメモリに記録し、前記テストデータを書込んだときの前記印加電圧に戻し、前記磁気ヘッドを別のトラック位置に移動させて前記テストデータを書込み、前記微小移動より大きな微小移動をさせることでマイナーループに入り、前記書込んだテストデータを読出して前記比較電圧値と比較し、かつ、今回読出した電圧値を前記比較電圧値として新しく前記メモリに記憶し、前記磁気ヘッドを別のトラック位置に移動させて前記テストデータの書込みと前記前回よりも大きな微小移動と前記読出した電圧値の前記手前電圧との比較、そして前記読出した電圧値を前記手前電圧値としてのメモリへの記録とを繰り返し行うことにより順次別のマイナーループに入り、前記比較を繰り返すことにより前記読出電圧の最大値の領域を検出することで、前記MRヘッドの前記磁気ヘッドに対するオフセット補正量に対応する前記任意の点pからの最適なマイナーループを検出し、前記磁気ディスクをサーティファイするときに検出された前記最適なマイナーループに前記磁気ヘッドを設定して前記最適なマイナーループのスタート点および到達点の一方において前記磁気ヘッドによりテストデータを書込み、前記最適なマイナーループの前記スタート点および到達点の他方に前記MRヘッドを位置付けて前記書込んだテストデータを読出すMRヘッドのオフセツト補正方法。 - 書込み用の磁気ヘッドと読取用のMRヘッドを使用する磁気ディスクサーテファイにおいて、印加電圧Vによりヒステリシス特性のループに沿って伸長または縮小して、前記MRヘッドを進退させるピエゾアクチュエータと、このピエゾアクチュエータに制御信号に応じた前記印加電圧Vを加える印加発生回路と、この印加電圧発生回路を制御して前記ピエゾアクチュエータの前記ヒステリシス特性のメジャーループの任意の点からマイナーループに入り、この任意の点の印加電圧をスタート点の電圧Vpとし、到達点の印加電圧をVQとし、前記電圧Vpを変えずに、電圧VQを順次増加あるいは減少させて前記電圧Vpと前記電圧VQとを往復することにより決定される複数のマイナーループに順次に入り、複数のマイナーループのスタート点および到達点の一方で更新したトラックに前記磁気ヘッドによりテストデータを書込み、前記更新したトラックにおいて前記スタート点あるいは前記到達点の他方で前記MRヘッドによりテストデータを読出すことにより最大読出電圧を得るマイナーループをオフセット補正の最適マイナーループを検出するオフセット補正ループ検出手段と、
前記磁気ディスクをサーティファイするときに、前記最適なマイナーループに前記磁気ヘッドを設定して前記最適なマイナーループの到達点あるいはスタート点の一方において前記磁気ヘッドによりテストデータを書込み、前記到達点あるいはスタート点の他方に前記MRヘッドを位置付けて前記書込んだテストデータを読出して検査を行うオフセツト補正検査手段とを備える磁気ディスクサーテファイア。
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