JP3620647B2 - 描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、描画装置に関し、より特定的には、撮像装置が取り込む車両の周囲画像を処理して、表示装置で表示される画像を作成する描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の描画装置が組み込まれている運転支援装置の一つとして、特開2000−67395号公報に開示されたものが知られている。運転支援装置は、車両に設置され、2つの車輪速センサと、演算装置と、従来の描画装置に相当するグラフィックコントローラと、ディスプレイとを備えている。車輪速センサの一方および他方は、左側および右側の車輪の移動量を検出する。演算装置は、各車輪速センサからの移動量を積算し、かかる積算値から車両の回転半径を推定する。グラフィックコントローラは、推定された回転半径を基礎に、各車輪がこれから路面上を動く軌跡を表す表示画像を作成する。ディスプレイには、グラフィックコントローラで作成された表示画像が表示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
まず、第1の課題を説明する。ドライバは、車両の駐車時、バンパーの両隅、ミラーまたはフェンダのように、車両において路面から高さを有する部分が、他の物(例えば、他の車両や壁)に接触しないかどうかを注意する必要がある。しかしながら、以上のグラフィックコントローラは、路面上での車輪の軌跡を表す表示画像しか作成できない。したがって、ディスプレイの表示画像を参照して、バンパー等が他の物に接触するかどうかを、ドライバは判断しづらい。
【0004】
次に、第2の課題について説明する。縦列駐車時には、車両の初期位置が悪いと、ドライバは、駐車スペースに当該車両をうまく入れることができない。一度、縦列駐車に失敗すると、ドライバは、車両を新しい初期位置まで持っていき、再度、縦列駐車を試みる。もし、各車輪がこれまで辿ってきた軌跡を提供できれば、ドライバは同じ失敗を繰り返し難いと想定できる。しかしながら、従来の運転支援装置のディスプレイには、各車輪がこれから路面上を動く軌跡しか表示されないので、ドライバは、縦列駐車に失敗した場合の初期位置が分からない。
以上の第1および第2の課題で述べたように、従来の運転支援装置は、ドライバにとって使い勝手が良い表示画像を提供できないという問題点があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、ドライバにとって使い勝手の良い表示画像を作成することができる描画装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画装置であって、車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画装置であって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得部と、第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成部と、車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得部と、第2の取得部が受け取った操舵角に基づいて、車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出部と、第1の算出部により導出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出部と、少なくとも第2の算出部で算出された第1の上方予測軌跡を路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影部と、視点変換画像作成部で作成された視点変換画像に、第1の算出部で算出された路面予測軌跡及び軌跡投影部で導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成部とを備える。
【0007】
第1の発明において、したがって、以上の表示画像が表示された時、ドライバは、バンパー等が他の物に接触するかどうかを判断しやすくなる。以上のように第1の発明によれば、従来よりも使い勝手の良い表示画像を作成できる描画装置を提供することができる。
【0008】
第2の発明は第1の発明に従属しており、3次元予測軌跡は、車両が有する車輪の位置を基準とする
第2の発明によれば、車輪の位置を基準として3次元予測軌跡が算出されるので、例えば、車両のフェンダが他の物に接触するかどうかを判断しやすくなる。
【0009】
第3の発明は第1の発明に従属しており、3次元予測軌跡は、車両の表面において当該車両の縦中心面から最も離れた位置を基準とする
第3の発明によれば、車輪の位置を基準として3次元予測軌跡が算出されるので、例えば、車両のミラーが他の物に接触するかどうかを判断しやすくなる。
【0010】
第4の発明は第1の発明に従属しており、車両が後退している場合には、当該後退方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡が描画される。
第5の発明は第1の発明に従属しており、車両が前進している場合には、当該前進方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡が描画される。
【0011】
第4および第5の発明によれば、車両の進行方向に合った3次元予測軌跡を算出するので、ドライバにとってより使い勝手の良い表示画像を作成する描画装置を提供することができる。
【0012】
第6の発明は第1の発明に従属しており、算出部は、操舵角センサから受け取った操舵角に基づいて、操舵方向の逆側であって、かつ車両の進行方向に対して後方にある車両のコーナーの位置を基準とする3次元予測軌跡が描画される。
第6の発明によれば、車両のコーナーの3次元予測軌跡が算出されるので、例えば、当該コーナーが他の物に接触するかどうかを判断しやすくなる。
【0013】
第7の発明は第1の発明に従属しており、車両には、当該車両の現在のシフト位置を検出するシフト位置センサが設置されている。描画装置は、シフト位置センサからのシフト位置に基づいて、車両が前進しているか、後退しているかを判断する判断部をさらに備える。表示画像作成部は、判断部により車両が前進していると判断された場合、当該前進方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡を描画し、判断部により車両が後退していると判断された場合、当該後退方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡を描画する。
【0014】
第7の発明によれば、車両の進行方向に合った3次元予測軌跡が自動的に描画されるので、ドライバは描画装置に対して車両の進行方向を指定する必要が無くなる。これによって、ドライバにとってより使い勝手の良い描画装置を提供することができる。
【0015】
第8の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画装置であって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得部と、車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得部と、車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得部と、第2の取得部が受け取った操舵角と、第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出部と、第1の取得部で得られた周囲画像に、算出部で算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成部とを備える。
【0016】
8の発明によれば、作成部が作成する表示画像には、移動軌跡が描画される。したがって、以上の表示画像が表示された時、ドライバは、縦列駐車時における車両の初期位置を理解しやすくなる。以上のように第8の発明によれば、従来よりも使い勝手の良い表示画像を作成できる描画装置を提供することができる。
【0017】
の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画方法であって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、
車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、少なくとも第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える。
【0018】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画方法であって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、第2の取得部が受け取った操舵角と、第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、第1の取得ステップで得られた周囲画像に、算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える。
【0019】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムが記録された記録媒体であって、プログラムは、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、少なくとも第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える。
【0020】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムが記録された記録媒体であって、プログラムは、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、第2の取得部が受け取った操舵角と、第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、第1の取得ステップで得られた周囲画像に、算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える。
【0021】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムであって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、少なくとも第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える。
【0022】
第1の発明は、車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムであって、車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、第2の取得部が受け取った操舵角と、第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、第1の取得ステップで得られた周囲画像に、算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る描画装置Urnd1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1において、描画装置Urnd1は、プロセッサ1、プログラムメモリ2およびワーキングエリア3から構成される。プログラムメモリ2は、典型的には、ROM(Read Only Memory)である。プログラムメモリ2には、プロセッサ1の処理手順を規定するプログラムPGa が格納される。さらに、プログラムメモリ2には、以下に説明する車両モデルデータDmdが格納される。
【0024】
図2(a)および(b)は、車両モデルデータDmdを説明するための図である。図2(a)は、路面Frd上に静止する実車両Vusr の斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)に示す実車両Vusr を上方(仮想視点Pvtl )から見た図である。本実施形態では、直進姿勢にある実車両Vusr における2つの前輪の回転中心を結ぶ線の中点、および2つの後輪間の中点を通る鉛直面を縦中心面Fwcと称する。また、車両Vusr の中心を通る鉛直方向の線を中心として、縦中心面Fwcを90度回転した面を横中心面Flcと称する。以上の縦中心面Fwcおよび横中心面Flcは、図示の都合上、図2(a)には描かれておらず、一点鎖線および二点鎖線を使って図2(b)に描かれている。
【0025】
また、図2(a)および(b)には、X軸、Y軸およびZ軸を有する第1の3次元座標系CSa が描かれている。第1の3次元座標系CSa のX軸、Y軸およびZ軸は、図示の都合上、実車両Vusr から離れた位置に描かれているが、説明を簡素化するため、Z軸は、縦中心面Fwcと横中心面Flcの交線に等しいとする。X軸は、横中心面Flcと、路面Frdとの交線に等しいとする。Y軸は、縦中心面Fwcと、路面Frdとの交線に等しいとする。また、第1の3次元座標系CSa の原点Oa は、路面Frdと、縦中心面Fwcと、横中心面Flcとの交点となる。さらに、図2(a)および(b)には、仮想視点Pvtl が描かれている。本実施形態では、仮想視点Pvtl は、実車両Vusr の上方に予め設定されており、より具体的には、3次元座標値(0,0,zv )を有する。
【0026】
車両モデルデータDmdは、図3に示すように、上述の仮想視点Pvtl から見て路面Frdに投影された実車両Vusr を、予め定められた縮小率Fscl で縮小した車両の画像Smdを表す。以下、本実施形態では、車両モデルデータDmdにより表されるものを、車両モデル画像Smdと称する。
【0027】
図1において、ワーキングエリア3は、典型的には、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ1がプログラムPGa を実行する際に使用される。以上の描画装置Urnd1は、典型的には、運転支援装置Uast1に組み込まれる。運転支援装置Uast1は、実車両Vusr に設置され、描画装置Urnd1の他にも、入力装置4と、8台の撮像装置5〜12と、操舵角センサ13と、表示装置14とを備えている。
【0028】
入力装置4は、典型的には、実車両Vusr の駐車時に、ドライバにより操作される。この操作に応答して、入力装置4は、開始指示信号Istr を生成して、当該プロセッサ1に送信する。第1の実施形態において、開始指示信号Istr は、プログラムPGa の実行開始をプロセッサ1に指示するための信号である。
【0029】
撮像装置5〜12は実車両Vusr に設置される。ここで、図4(a)および(b)は、撮像装置5〜12の設置例を説明するための図である。まず、図4(a)には、路面Frd(ドットを付した部分全域)に静止する実車両Vusr を直上から見たときの姿が描かれている。また、上述の縦中心面Fwcおよび横中心面Flcの他、双方の交線を中心として、それぞれを同じ方向に45度回転させた第1の基準面Frf1 および第2の基準面Frf2 も描かれている。以上の4つの面により、実車両Vusr の周囲は第1の領域R1 〜第8の領域R8 に区切られる。
【0030】
第1の領域R1 は、縦中心面Fwcおよび第1の基準面Frf1 で区切られる2領域の内、実車両Vusr のフロント側のものである。ここで、フロント側とは、横中心面Flcを境として、矢印A1 で示す実車両Vusr の前進方向側を意味する。第5の領域R5 は、縦中心面Fwcおよび第1の基準面Frf1 で区切られる2領域の内、実車両Vusr のリア側のものである。また、第1の基準面Frf1 および横中心面Flcで区切られる、実車両Vusr のフロント側およびリア側の領域が、第2の領域R2 および第6の領域R6 である。横中心面Flcおよび第2の基準面Frf2 で区切られる、リア側およびフロント側の領域が、第3の領域R3 および第7の領域R7 である。第2の面Frf2 および縦中心面Fwcで区切られる、リア側およびフロント側の領域が、第4の領域R4 および第8の領域R8 である。
【0031】
図4(b)に示すように、撮像装置5および6の双方は実車両Vusr の先頭部分に固定される。特に、撮像装置5は、図4(a)に示す第1の領域R1 に含まれる光景を表す画像を、第1の周囲画像S1 (点線部分参照)として取り込む。より詳細には、第1の周囲画像S1 は、路面Frdを含みかつ実車両Vusr の前方右側に広がる光景を表す。それに対して、撮像装置6が取り込むのは、図4(a)に示す第8の領域R8 に含まれる光景、つまり、路面Frdを含んでおり、実車両Vusr の前方左側に広がる光景を表す第2の周囲画像S2 (一点鎖線部分参照)である。
【0032】
また、撮像装置7および8は、矢印A1 で示す実車両Vusr の前進方向を基準として右側にそれぞれ固定され、図4(a)の第3の領域R3 および第2の領域R2 に含まれる光景を表す第3の周囲画像S3 および第4の周囲画像S4 を取り込む。より具体的には、第3の周囲画像S3 および第4の周囲画像S4 は、路面Frdを含んでおり、実車両Vusr の右側後方および右側前方に広がる光景を表す。
また、撮像装置9および10は、実車両Vusr の後端にそれぞれ固定され、第5の領域R5 および第4の領域R4 に含まれる光景を表す第5の周囲画像S5 および第6の周囲画像S6 を取り込む。より具体的には、第5の周囲画像S5 および第6の周囲画像S6 は、路面Frdを含んでおり、実車両Vusr の後方左側および後方右側に広がる光景を表す。
【0033】
さらに、撮像装置11および12は、実車両Vusr の左側にそれぞれ固定され、第7の領域R7 および第6の領域R6 に含まれる光景を表す第7の周囲画像S7 および第8の周囲画像S8 を取り込む。より具体的には、第7の周囲画像S7 および第8の周囲画像S8 は、路面Frdを含んでおり、実車両Vusr の左側前方および左側後方に広がる光景を表す。
なお、以上の第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 は、好ましくは、第1の領域R1 〜第8の領域R8 の光景だけでなく、それぞれの隣の領域の一部の光景を含む。例えば、第1の周囲画像S1 は、第1の領域R1 の光景を主として表すが、第8の領域R8 および第2の領域R2 における当該第1の領域R1 との境界近傍の光景も表す。
【0034】
図1において、操舵角センサ13は、実車両Vusr の操舵角θを検出して、プロセッサ1に送信する。操舵角θとは、初期位置を基準として、ステアリングが回転した角度を意味する。初期位置は、一般的に、ステアリングが切られていない状態、つまり、実車両Vusr が直進姿勢にある状態におけるステアリングの位置を意味する。また、表示装置14は、典型的には液晶ディスプレイである。
【0035】
次に、以上の運転支援装置Uast1の動作について説明する。実車両Vusr の駐車時に、入力装置4がドライバにより操作される。その結果、入力装置4からプロセッサ1へと開始指示信号Istr が送信される。プロセッサ1は、受信開始指示信号Istr に応答して、プログラムPGa の実行を開始する。ここで、図5は、プログラムPGa に記述されているプロセッサ1の処理手順を示すフローチャートである。図5において、まず、プロセッサ1は、車両モデルデータDmdをプログラムメモリ2からワーキングエリア3に読み出す(ステップS1)。
【0036】
次に、プロセッサ1は、撮像指示信号Icpt を生成し、全ての撮像装置5〜12に送信する(ステップS2)。撮像指示信号Icpt は、各撮像装置5〜12に撮像を指示するための信号である。各撮像装置5〜12は、受信指示信号Icpt に応答して、図4(a)および(b)を参照して説明した第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 を取り込み、ワーキングエリア3に格納する(ステップS3)。
【0037】
次に、プロセッサ1は、ステップS3で格納された第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 に画像処理を行って、ワーキングエリア3に予め設けられているフレームメモリ上で視点変換画像Scvt を作成する(ステップS4)。視点変換画像Scvt は、実車両Vusr の周囲の光景を表す点では、第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 と同じである。しかし、第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 が撮像装置5〜12の設置位置から見た光景を表すのに対して、視点変換画像Scvt は、図2に示す仮想視点Pvtl から見た実車両Vusr の周囲の光景が路面Frd上に投影された画像である点で大きく相違する。また、以上の画像処理により、視点変換画像Scvt が表す光景は、図2を参照して説明した縮小率Fscl で、実際の光景を縮小したものに変換される。以上のステップS4の処理は、周知技術であるため、ここではその詳細な説明を控える。
【0038】
ところで、撮像装置5〜12の設置位置の関係上、第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 には実車両Vusr はほとんど写らない。ゆえに、図6(a)に示すように、視点変換画像Scvt において、実車両Vusr がなければならない領域Rvhc に、プロセッサ1は、当該実車両Vusr を描くことができない。しかし、視点変換画像Scvt は、車両モデル画像Smd(図3参照)と同じ仮想視点Pvtl および縮小率Fscl を持っている。従って、領域Rvhc の形状は、車両モデル画像Smdの外形と一致する。プロセッサ1は、ステップS4の次に、ワーキングエリア3上の車両モデルデータDmdを処理して、車両モデル画像Smdを視点変換画像Scvt の領域Rvhc に合成、つまり貼り付ける。これによって、図6(b)に示すような車両合成画像Svhc が作成される(ステップS5)。
【0039】
次に、プロセッサ1は、検出指示信号Idtc を生成して、操舵角センサ13に送信する(ステップS6)。検出指示信号Idtc は、操舵角θの検出を操舵角センサ13に指示するための信号である。操舵角センサ13は、受信検出指示信号Idct に応答して、操舵角θを検出する。検出された操舵角θは、ワーキングエリア3に格納される(ステップS7)。次に、プロセッサ1は、今回受け取った操舵角θに基づいて、路面予測軌跡Tr1およびTr2を算出する(ステップS8)。本実施形態において、路面予測軌跡Tr1およびTr2は、実車両Vusr の右側および左側の後輪がこれから、2次元平面上、つまり路面Frd上をどのように動くかを示す軌跡である。
【0040】
駐車時の車速は相対的に低いので、実車両Vusr のタイヤは路面Frd上で横滑りしないとみなせる。かかる横滑りがないという仮定下では、2次元予測軌跡(つまり、路面予測軌跡)の導出方法として、アッカーマンモデル(二輪モデル)がよく使われる。以下、図7を参照して、アッカーマンモデルによる路面予測軌跡の導出方法を具体的に説明する。
【0041】
図7には、実車両Vusr (図示せず)の右側の前輪Wf1および左側の前輪Wf2と、右側の後輪Wr1および左側の後輪Wr2とが描かれている。前輪Wf1の回転中心点Pf1と後輪Wr1の回転中心点Pr1との間の距離(つまり、実車両Vusr のホイールベース)は、Dwbとする。距離Dwbは、実車両Vusr にとって固有の値であり、既知量である。また、図7には、線分Lf12 と、線分Lr12 と、上述の縦中心面Fwcおよび横中心面Flcとが描かれている。線分Lf12 は、上述の回転中心点Pf1と、前輪Wf2の回転中心点Pf2とを結ぶ。また、線分Lr12 は、上述の回転中心点Pr1と、後輪Wr2の回転中心点Pr2とを結ぶ。線分Lf12 およびLr12 の長さも実車両Vusr の固有値(つまり、既知量)である。本実施形態では、説明の便宜上、線分Lf12 およびLr12 の長さは互いに等しく、Dr12 とする。
【0042】
図7には、さらに、説明の便宜のため、X軸、Y軸およびZ軸からなる第2の3次元座標系CSb が描かれている。タイヤの横滑りが無い場合にステアリングを切ると、実車両Vusr は線分Lr12 の延長線上の点Ob を中心として旋回する。本実施形態では、旋回中心点Ob が第2の3次元座標系CSb の原点に選ばれる。また、X軸は、原点Ob を通り、線分Lr12 を含む軸である。また、Y軸は、原点Ob を通り、縦中心面Lwcに平行な軸である。さらに、Z軸は、原点Ob を通り、鉛直方向に平行な軸である。
【0043】
実車両Vusr の旋回時、線分Lr12 の中点Prcの回転半径Rs は次式(1)で求めることができる。
Rs =Dwb/tanβ…(1)
Dwbは、上述したように既知量である。また、βは、前輪Wf1およびWf2の切れ角である。切れ角βは、図7に示すように、旋回中心点Ob および上述の線分Lf12 の中点Pfcを結ぶ線分と、当該中点Pfcおよび回転中心点Pf2を結ぶ半直線とがなす角である。
【0044】
ここで、アッカーマンモデルでは、切れ角βは操舵角θに比例すると仮定される。従って、比例定数(既知量)をκとすると、切れ角βは次式(2)のように表される。
β=κθ…(2)
上式(2)を用いて上式(1)は次式(3)のように変形することができる。
Rs =Dwb/tanκθ…(3)
【0045】
また、第2の3次元座標系CSb において、後輪Wr1の回転中心点Pr1のX座標値はRs +Dr12 /2であり、Y座標値は0である。従って、原点Ob を中心とし、回転中心点Pr1を通る円の式は、次式(4)で表される。
【0046】
【数1】
Figure 0003620647
上式(4)で表される円において、後輪Wr1の路面予測軌跡Tr1は、回転中心点Pr1を一方の端点とし、かつ予め定められた長さLprd を有する円弧である。また、Rs はDwb/tanκθに等しいから、上式(4)において、未知量は操舵角θだけである。従って、プロセッサ1は、ステップS7で受け取った操舵角θを上式(4)に代入すれば、後輪Wr1の路面予測軌跡Tr1を求めることができる。同様の要領で、原点Ob を中心とし、後輪Wr2の回転中心点Pr2を通る円の式も求めることができ、さらには、その路面予測軌跡Tr2を求めることができる。
【0047】
ステップS8の次に、プロセッサ1は、算出した路面予測軌跡Tr1およびTr2に高さhprd を与えて、上方予測軌跡Tur1 およびTur2 を求める(ステップS9)。ここで、高さhprd は、実車両Vusr の車高以下の正数に選ばれることが好ましい。上方予測軌跡Tur1 を代表的に数式で表すと次式(5)のようになる。
【0048】
【数2】
Figure 0003620647
【0049】
以上のステップS9までの処理により、プロセッサ1は、実車両Vusr の3次元予測軌跡T3dを導出したことになる。3次元予測軌跡T3dは、本実施形態では、路面予測軌跡Tr1およびTr2と、上方予測軌跡Tur1 およびTur2 とで囲まれる領域であって、実車両Vusr がこれから路面Frd上をどのように動くかを3次元的に示す軌跡である。
【0050】
次に、プロセッサ1は、ステップS9までの処理により算出した3次元予測軌跡T3dを、フレームメモリ上の車両合成画像Svhc に合成して、表示画像Sdsp を作成する(ステップS10)。ステップS10をより詳しく説明する。上式(4)および(5)は第2の3次元座標系CSb 上で表されているので、プロセッサ1は、双方を第1の3次元座標系CSa で表す。第1の3次元座標系CSa の原点Oa は、図2を参照して説明したように、路面Frd、縦中心面Fwcおよび横中心面Flcの交点である。したがって、原点Oa は、図7に示すように、第2の3次元座標系CSb の原点Ob から、X軸方向にRs 、Y軸方向にΔyだけ移動している点である。ここで、Δyは、中点Prcから横中心面Flcまでの距離であり、実車両Vusr の固有値(つまり、既知量)である。
【0051】
以上のことから、プロセッサ1は、路面予測軌跡Tr1および上方予測軌跡Tur1 をX軸方向にRs 、Y軸方向にΔyだけ平行移動させ、これによって、第1の3次元座標系CSa 上のものに変換する。以下の説明において、第1の3次元座標系CSa で表された路面予測軌跡Tr1および上方予測軌跡Tur1 を、移動後の路面予測軌跡Tmr1 および移動後の上方予測軌跡Tmur1と称する。以上の移動後の路面予測軌跡Tmr1 は、次式(6)のように表され、図8に示すように実車両Vusr (図示せず)の後輪Wr1と路面Frdとの接触位置から、矢印A2 で示す当該実車両Vusr の後方へと延びる。また、移動後の上方予測軌跡Tmur1は、次式(7)のように表され、上記接触位置から高さhprd だけ鉛直方向に離れた位置から、実車両Vusr の後方へと延びる。
【0052】
【数3】
Figure 0003620647
【0053】
同じ要領で、プロセッサ1は、路面予測軌跡Tr2および上方予測軌跡Tur2 から、図8に示すような移動後の路面予測軌跡Tmr2 および移動後の上方予測軌跡Tmur2を導出する。
【0054】
次に、プロセッサ1は、図9に示すように、移動後の上方予測軌跡Tmur1上のn点(nは2以上の自然数)をサンプル点Ps11 〜Ps1n (図示はPs11 のみ)としてサンプリングする。好ましくは、互いに隣り合う2個のサンプル点Ps1i とPs1(i+1) との間の距離は等しい。ここで、iは1から(n−1)の自然数である。次に、プロセッサ1は、前述の仮想視点Pvtl を視点として、各サンプル点Ps11 〜Ps1n を路面Frd上(つまりXY平面上)に投影し、投影後のサンプル点Ps11'〜Ps1n'の3次元座標値を算出する。以下、図9を参照して、投影後のサンプル点Ps11'〜Ps1n'の3次元座標値の導出方法を詳しく説明する。
【0055】
図9に示すように、投影サンプル点Ps11'は、仮想視点Pvtl とサンプル点Ps11 とを結ぶ直線Lpsと、XY平面(Z=0)との交点である。直線Lpsの方向ベクトルN(n1 ,n2 ,n3 )は、次式(8)で表される。
【0056】
【数4】
Figure 0003620647
ここで、Xs11 、Ys11 およびhprd は、第1の3次元座標系CSa におけるサンプル点Ps11 のX座標値、Y座標値およびZ座標値であり、既知の値である。zv は、仮想視点Pvtl のZ座標値である。また、Δnは、次式(9)で表される。
Δn=√{Xs112 +Ys112 +(hprd −Zv )2 }…(9)
【0057】
仮想視点Pvtl の3次元座標値が(0,0,zv )で表されることから、直線Lpsは、次式(10)のように表される。
(x,y,z)=(0 ,0,zv )+t・(n1 ,n2 ,n3 ) …(10)
ここで、tは変数である。
また、投影サンプル点Ps11' のZ座標は0であることから、上式(10)においては、次式(11)が成り立つ。
z=0…(11)
【0058】
上式(10)および(11)より、tは、次式(12)のように表される。
t=−zv /n3 …(12)
上式(12)で表されるtを上式(10)に代入することにより、投影後のサンプル点Ps11'の3次元座標値は(−zv ・n1 /n3 ,−zv ・n2 /n3 ,0)と算出される。ここで、n1 〜n3 は既知の値であるから、投影後のサンプル点Ps11'の3次元座標値は一意に求まる。以降、プロセッサ1は、同じ要領で、投影後のサンプル点Ps12'〜Ps1n'の3次元座標値を算出する。さらに、プロセッサ1は、移動後の上方予測軌跡Tmur2上のn点をサンプル点Ps21 〜Ps2n としてサンプリングした後、投影後のサンプル点Ps21'〜Ps2n'の3次元座標値を算出する。
【0059】
次に、プロセッサ1は、路面予測軌跡Tr1およびTr2からn個のサンプル点Psr11〜Psr1nおよびPsr21〜Psr2nをサンプルする。しかし、路面予測軌跡Tr1およびTr2は元々路面Frd上にあるから、上述のような投影後の3次元座標値を求める必要はない。以上の処理により、プロセッサ1は、3次元予測軌跡T3dが路面Frd上に投影された描画3次元予測軌跡Tr3d を導出する。より具体的には、描画3次元予測軌跡Tr3d は、投影後のサンプル点Ps11'〜Ps1n'と、投影後のサンプル点Ps21' 〜Ps2n' と、サンプル点Psr11 〜Psr1n と、サンプル点Psr21 〜Psr2n とで囲まれる領域である。
【0060】
次に、プロセッサ1は、フレームメモリ上の車両合成画像Svhc 上に、描画3次元予測軌跡Tr3d を描画して、図10に示すような表示画像Sdsp を作成する(ステップS10)。より具体的には、プロセッサ1は、描画3次元予測軌跡Tr3d を構成する全てのサンプル点の中から、投影後のサンプル点Ps1i' およびPs1(i+1)' と、投影後のサンプル点Ps2i' およびPs2(i+1)' と、サンプル点Psr1iおよびPsr1(i+1)と、サンプル点Psr2i〜Psr2(i+1)とを選択する。次に、プロセッサ1は、前述の縮小率Fscl で、選択した8つのサンプル点で路面Frdに投影された直方体を描く。以上の処理をiが1から(n−1)になるまで、プロセッサ1は同様の処理を繰り返す。これによって、車両合成画像Svhc に描画3次元予測軌跡Tr3d が描画される。ここで、注意を要するのは、図10には、説明の都合上、描画3次元予測軌跡Tr3d が車両モデル画像Smdのタイヤの位置から延びるように描かれている。しかし、実際には、陰面消去処理により、表示画像Sdsp においては、描画3次元予測軌跡Tr3d は車両モデル画像Smdの後端から延びるように描画される。
【0061】
次に、プロセッサ1は、フレームメモリ上の表示画像Sdsp を表示装置14に転送する(ステップS11)。表示装置14は、受信表示画像Sdsp を自身の画面上に表示する。以上の表示画像Sdsp を見ることにより、ドライバは、現在のステアリング操作で、実車両Vusr が脱輪したり、実車両Vusr の車輪が他の物に接触したりすることなく、駐車スペースに納まるかどうかを確認することができる。しかも、表示画像Sdsp には、車両Vusr の予測軌跡が3次元描画される。これによって、車両Vusr において路面Frdから離れている部分(例えば、フェンダ)が、他の物に接触することなく、駐車スペースに納まるかどうかをドライバは確認することができる。
【0062】
次に、プロセッサ1は、図5の処理を終了するか否かを判断する(ステップS12)。終了判断の方法はいろいろあるが、その一例として、プロセッサ1は、実車両Vusr のエンジンが停止したか否かをチェックする。エンジンが停止していれば、プロセッサ1は、実車両Vusr が駐車し終わったとみなして、図5の処理を終了する。逆にエンジンが動いていれば、新しい表示画像Sdsp を作成するために、ステップS2に戻る。
【0063】
なお、以上の実施形態において、プロセッサ1は、実車両Vusr の後輪Wr1の路面予測軌跡Tr1と、後輪Wr2の路面予測軌跡Tr2とから、描画3次元予測軌跡Tr3d を算出していた。しかし、これに限らず、プロセッサ1は、実車両Vusr の前輪Wf1およびWf2の路面予測軌跡から、実車両Vusr の進行方向に延びる描画3次元予測軌跡を算出してもよい。
【0064】
また、以上の実施形態において、プロセッサ1は、後輪Wr1の路面予測軌跡Tr1および上方予測軌跡Tur1 と、後輪Wr2の路面予測軌跡Tr2および上方予測軌跡Tur2 とから描画3次元予測軌跡Tr3d を算出していた。これに限らず、プロセッサ1は、ステアリングが現在左に切られている場合、描画3次元予測軌跡Tr3d に加えて、図11に示すように、実車両Vusr の前端右隅部分Pc1の路面予測軌跡および上方予測軌跡から導出可能な描画3次元予測軌跡Tr3d' を描画してもよい。ここで、ステアリングが切られている方向は、操舵角θの極性により判断することができる。包括的に述べると、プロセッサ1は、操舵角θの極性に基づいて、ステアリングの操舵方向を検出し、当該操舵方向の逆側であって、かつ車両の進行方向に対して後方にある実車両Vusr のコーナーの位置を基準とする描画3次元予測軌跡Tr3d'を算出してもよい。
【0065】
また、以上の実施形態では、プロセッサ1は、後輪Wr1の路面予測軌跡Tr1および後輪Wr2の路面予測軌跡Tr2を算出していた。しかし、これに限らず、実車両Vusr の車体の表面において、縦中心面Fwcから最も距離がある点の予測軌跡と、その予測軌跡を路面に正投影した予測軌跡とから、描画3次元予測軌跡を導出してもよい。他にも、実車両Vusr のフロントバンパ(またはリアバンパ)の両端の予測軌跡と、その予測軌跡を路面に正投影した予測軌跡とから、描画3次元予測軌跡を導出してもよい。つまり、プロセッサ1は、実車両Vusr の表面で囲まれる空間内の任意の位置を基礎として、描画3次元予測軌跡を算出することができる。
【0066】
また、以上の実施形態では、プロセッサ1は、第1の周囲画像S1 〜第8の周囲画像S8 から視点変換画像Scvt を作成し、当該視点変換画像Scvt に車両モデル画像Smdおよび描画3次元予測軌跡Tr3d を合成していた。しかし、これに限らず、プロセッサ1は、第4の周囲画像S4 および第5の周囲画像S5 上に車両モデル画像Smdおよび描画3次元予測軌跡Tr3d を合成して、上述のような表示画像Sdsp を作成しても良い。
【0067】
また、以上の実施形態では、8台の撮像装置5〜12が実車両Vusr に固定されていた。しかし、少なくとも1台の撮像装置が実車両Vusr の後方に広がる光景を撮像できるように当該車両Vusr に設置されればよい。
【0068】
また、以上の実施形態では、実車両Vusr が後退しながら駐車スペースに入れられる場合を想定していた。しかし、以上の実施形態の概念は、実車両Vusr が前進しながら駐車する際にも同様に適用できる。
【0069】
また、以上の実施形態では、路面予測軌跡Tr1およびTr2は、操舵角θを基礎として導出されていたが、特開2000−67395号公報に開示されているように、車輪速を考慮して導出されてもよい。
【0070】
次に、図12を参照して、上述の描画装置Urnd1の第1の変形例である描画装置Urnd2が組み込まれた運転支援装置Uast2について説明する。図12において、描画装置Urnd2は、描画装置Urnd1と比較すると、プログラムメモリ2に代えて、プログラムメモリ21を備えている点で相違する。それ以外に双方の描画装置の間に相違する構成は無いので、図12の描画装置Urnd2において、描画装置Urnd1の構成に相当するものには、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
プログラムメモリ21は、典型的には、ROMであり、プロセッサ1の処理手順を規定するプログラムPGb と、図3を参照して説明した車両モデルデータDmdが格納される。
【0072】
また、図12において、運転支援装置Uast2は、運転支援装置Uast1と同様に、実車両に設置される。また、運転支援装置Uast2は、運転支援装置Uast1と比較すると、描画装置Urnd1の代わりに描画装置Urnd2が組み込まれている点と、シフト位置センサ22をさらに備える点とで相違する。それ以外に双方の運転支援装置の間に相違する構成は無いので、図12の運転支援装置Uast2において、運転支援装置Uast1の構成に相当するものには、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
ドライバは、運転支援装置Uast2が設置された実車両を運転中、シフトチェンジレバーを操作してシフト位置を変更し、実車両の変速ギアをシフトアップまたはシフトダウンする。シフト位置センサ22は、現在選択されているシフト位置γを検出して、プロセッサ1に送信する。
【0074】
次に、以上の運転支援装置Uast2の動作について説明する。実車両Vusr の駐車時に、入力装置4がドライバにより操作される。その結果、入力装置4からプロセッサ1へと開始指示信号Istr が送信される。プロセッサ1は、受信開始指示信号Istr に応答して、プログラムPGb の実行を開始する。ここで、図13は、プログラムPGb に記述されているプロセッサ1の処理手順を示すフローチャートである。図13において、まず、プロセッサ1は、車両モデルデータDmdをプログラムメモリ21からワーキングエリア3に読み出す(ステップS21)。
【0075】
次に、プロセッサ1は、シフト検出指示信号Isdtcを生成し、シフト位置センサ22に送信する(ステップS22)。シフト検出指示信号Isdtcは、シフト位置センサ22にシフト位置γの検出を指示するための信号である。シフト位置センサ22は、受信シフト検出信号Isdtcに応答して、シフト位置γを検出して、、プロセッサ1に送信する(ステップS23)。プロセッサ1は、受け取ったシフト位置γに基づいて、実車両がこれから前進するのか、後退するのかを判断する(ステップS24)。具体的には、プロセッサ1は、受け取ったシフト位置γがリバースおよびニュートラル以外の場合、実車両が前進すると判断する。また、プロセッサ1は、受け取ったシフト位置γがリバースの場合、実車両が後退すると判断する。なお、発明の本質とは関係無いので、図13のフローチャートには図示していないが、受け取ったシフト位置γがニュートラルの場合には、プロセッサ1は、再度、ステップS22を実行する。
【0076】
プロセッサ1は、ステップS24で実車両が後退すると判断した場合、後退モードを実行する(ステップS25)。後退モードにおいて、プロセッサ1は、第1の実施形態で説明したように、実車両の右側および左側の後輪が路面上をどのように動くかを示す路面予測軌跡と、当該路面予測軌跡のそれぞれに対して高さが与えられた上方予測軌跡とを導出する。さらに、プロセッサ1は、以上の路面予測軌跡および上方予測軌跡に基づいて、図10に示すような表示画像Sdsp を作成する。表示画像Sdsp は、表示装置14に転送され、その画面上に表示される。
【0077】
一方、プロセッサ1は、ステップS24で実車両が前進すると判断した場合、前進モードを実行する(ステップS26)。前進モードは、後退モードと比較すると、実車両の右側および左側の前輪が路面上をどのように動くかを示す路面予測軌跡が基礎とされる点で大きく相違する。プロセッサ1は、前輪の路面予測軌跡と、当該路面予測軌跡のそれぞれに対して高さが与えられた前輪の上方予測軌跡とを導出する。さらに、プロセッサ1は、以上の路面予測軌跡および上方予測軌跡に基づいて、図14に示すような描画3次元予測軌跡Tr3dfを導出して、表示画像Sdspfを作成する。図14の表示画像Sdspfにおいて、描画3次元予測軌跡Tr3dfは、車両モデル画像Smdの前端から、矢印A3 で示す車両の進行方向に延びるように、路面Frd上に描画される。以上の表示画像Sdspfは、表示装置14に転送され、その画面上に表示される。
【0078】
以上のステップS25またはS26の次に、プロセッサ1は、図5のステップS12で説明したような手法に従って、図13の処理を終了するか否かを判断する(ステップS27)。プロセッサ1は、実車両が駐車し終わったと判断した場合には、図13の処理を終了する。実車両がまだ駐車し終わっていないと判断した場合には、ステップS22に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0079】
以上のように、第1の変形例に係る描画装置Urnd2によれば、プロセッサ1は、シフト位置センサ22から受け取ったシフト位置γに基づいて、実車両が前進するのか、後退するのかを自動的に判断して、ドライバが現在必要としている表示画像を作成する。これによって、よりドライバにとって使い勝手の良い運転支援装置Uast2を提供することができる。
【0080】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る描画装置Urnd3のハードウェア構成を示すブロック図である。図15において、描画装置Urnd3は、図1の描画装置Urnd1と比較すると、プログラムメモリ2に代えて、プログラムメモリ31を備えている点で相違する。それ以外に双方の描画装置の間に相違する構成は無いので、図15の描画装置Urnd3において、描画装置Urnd1の構成に相当するものには、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
プログラムメモリ31は、典型的には、ROMであり、プロセッサ1の処理手順を規定するプログラムPGc と、図3を参照して説明した車両モデルデータDmdが格納される。
【0082】
また、図15において、運転支援装置Uast3は、図2に示す実車両Vusr に設置される点で運転支援装置Uast1と同様であるが、描画装置Urnd1の代わりに描画装置Urnd2が組み込まれている点と、少なくとも2つの車輪速センサ32および33をさらに備える点とで相違する。それ以外に双方の運転支援装置の間に相違する構成は無いので、図15の運転支援装置Uast3において、運転支援装置Uast1の構成に相当するものには、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。なお、図15には、紙面の都合上、4台の撮像装置5、6、11および12しか描かれていないが、運転支援装置Uast3は、運転支援装置Uast1と同様に8台の撮像装置5〜12を備える。
車輪速センサ32および33は、実車両Vusr が有する右側後輪の車輪速Vr 、および左側後輪の車輪速Vl を検出して、プロセッサ1に送信する。
【0083】
次に、以上の運転支援装置Uast3の動作について説明する。第1の実施形態と同様、プロセッサ1は、受信開始指示信号Istr に応答して、プログラムPGc の実行を開始する。ここで、図16は、プログラムPGc に記述されているプロセッサ1の処理手順を示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図5のそれと比較すると、ステップS8〜S11に代えて、ステップS31〜S36を備える点で相違する。それ以外に双方のフローチャートに相違点はないので、図16において、図5のステップに相当するものには、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0084】
ステップS7までが終了した時点で、フレームメモリには、図6(b)に示すような車両合成画像Svhc が格納されており、さらに、ワーキングエリア3には、操舵角θが格納されている。ステップS7の次に、プロセッサ1は、車輪速検出指示信号Iwdtcを生成し、車輪速センサ32および33の双方に送信する(ステップS31)。車輪速検出指示信号Iwdtcは、車輪速センサ32および33に、上述の車輪速Vr およびVl の検出を指示するための信号である。車輪速センサ32および33は、受信車輪速検出指示信号Iwdtcに応答して、車輪速Vr およびVl を検出して、ワーキングエリア3に格納する(ステップS32)。
【0085】
次に、プロセッサ1は、今回受け取った操舵角θ、ならびに車輪速Vr およびVl に基づいて、実車両Vusr が持つ全車輪の現在位置を特定する(ステップS33)。以下、図17を参照して、ステップS33の処理を具体的に説明する。図17には、路面Frdに接する実車両Vusr (図示せず)の前輪Wf1および前輪Wf2と、後輪Wr1および後輪Wr2とが描かれている。また、後輪Wr1の回転中心点Pr1と、後輪Wr2の回転中心点Pr2とを結ぶ線分をLr12 とする。また、線分Lr12 の中点をPrcとする。
【0086】
今、車両Vusr の後退により、中点Prcは点Ct から移動し始めると仮定する。ここで、中点Prcが点Ct にある時における回転中心点Pr1およびPr2の位置を、後輪Wr1の初期位置Pr1t および後輪Wr2の初期位置Pr2t と称する。中点Prcが点Ct にある時における前輪Wf1の回転中心点Pf1および前輪Wf2の回転中心点Pf2の位置を、前輪Wf1の初期位置Pf1t および前輪Wf2の初期位置Pf2t と称する。中点Prcが点Ct+1 まで動いた場合、中点Prcの移動量(つまり、点Ct から点Ct+1 への距離)Drcは、次式(13)で表される。
【0087】
【数5】
Figure 0003620647
上式(13)において、Vr およびVl は、後輪Wr1およびWr2の車輪速である。また、Rs は、図7を参照して説明したように、中点Prcの回転半径である。また、αは中点Prcの回転角であり、線分Ct Ob と、線分Ob Ct+1 とがなす角度である。ここで、Ob は、図7を参照して説明したように、中点Prcの旋回中心である。
【0088】
また、図7を参照して説明したように、アッカーマンモデルでは、実車両Vusr の旋回時に、次式(1)および次式(2)が成り立つ。
Rs =Dwb/tanβ…(1)
β=κθ…(2)
上式(1)および(2)を使って、αは、次式(14)のように表される。
【0089】
【数6】
Figure 0003620647
【0090】
ここで、X軸およびY軸を有する2次元座標系CSc を定義する。X軸は、中点Prcが点Ct に位置する時における、上述の回転中心点Pr1から、前輪Wf1の回転中心点Pf1への方向に設定される。Y軸は、その時の回転中心点Pr1から、上述の回転中心点Pr2への方向に設定される。なお、以上の2次元座標系CSc は、図17においては、その原点Oc が回転中心点Pr1から離れた位置に描かれている。以上の2次元座標系CSc において、点Ct から点Ct+1 への移動ベクトルTrcは、次式(15)のように表される。
【0091】
【数7】
Figure 0003620647
【0092】
上式(2)、(14)および(15)から、回転角αならびに移動ベクトルTrcは、次式(16)ならびに(17)のように表される。
【数8】
Figure 0003620647
【0093】
上式(16)および(17)において、未知量は車輪速Vr 、車輪速Vl および操舵角θだけである。従って、プロセッサ1は、ステップS7で受け取った操舵角θと、ステップS32で受け取った車輪速Vr およびVl を上式(16)および(17)に代入すれば、回転角αならびに移動ベクトルTrcを求めることができる。以上の移動ベクトルTrcを、上述の初期位置Pr1t および初期位置Pr2t に加算すると、中点Prcが点Ct+1 に到達したときの後輪Wr1の位置Pr1(t+1) および後輪Wr2の位置Pr2(t+1) を導出することができる。また、初期位置Pf1t およびPf2t は、中点Prcに対して固定的な値だけ離れた位置にあるから、中点Prcが点Ct+1 に到達したときの前輪Wf1の位置Pf1(t+1) および前輪Wf2の位置Pf2(t+1) も簡単に導出することができる。
【0094】
プロセッサ1は、以上の処理により導出した後輪Wr1の位置Pr1(t+1) 、後輪の位置Wr2のPr2(t+1) 、前輪Wf1の位置Pf1(t+1) および前輪Wf2の位置Pf2(t+1) を、ワーキングエリア3に格納する(ステップS34)。ここで、注意を要するのは、図16には、ステップS12からS2に戻る場合があり、実車両Vusr の駐車開始からその終了までにステップS34は何回も実行される。ステップS34では、導出された位置Pr1(t+1) 、Pr2(t+1) 、Pf1(t+1) およびPf2(t+1) が格納される度に、過去に導出されたものがワーキングエリア3から消去されるのではなく、最新のm個(mは1以上の自然数)の位置Pr1(t+1) 、Pr2(t+1) 、Pf1(t+1) およびPf2(t+1) が格納される。
【0095】
次に、プロセッサ1は、フレームメモリ上の車両合成画像Svhc 上に、後輪Wr1の移動軌跡MTr1、後輪Wr2の移動軌跡MTr2、前輪Wf1の移動軌跡MTf1および前輪Wf2の移動軌跡MTf2を描画して、図18に示すような表示画像Sdspmを作成する(ステップS35)。より具体的には、プロセッサ1は、ワーキングエリア3内のm個の位置Pr1(t+1) を線で結んで移動軌跡MTr1を作成する。移動軌跡MTr1は、実車両Vusr の後輪Wr1がこれまでに路面Frd上をどのように動いてきたかを示す軌跡である。プロセッサ1は、作成した移動軌跡MTr1を、縮小率Fscl で、車両モデル画像Smdの右側の後輪部分から、車両Vusr の進行方向の逆方向に向けて描画する。プロセッサ1は、同じ要領で、移動軌跡MTr2、MTf1およびMTf2も描画する。図18には、説明の都合上、移動軌跡MTr1、MTr2、MTf1およびMTf2が車両モデル画像Smdのタイヤの位置から延びるように描かれている。しかし、実際には、陰線消去処理により、表示画像Sdspmにおいては、移動軌跡MTr1、MTr2、MTf1およびMTf2は車両モデル画像Smdの前端から延びるように描画される。
【0096】
次に、プロセッサ1は、フレームメモリ上の表示画像Sdspmを表示装置14に転送する(ステップS36)。表示装置14は、受信表示画像Sdspmを自身の画面上に表示する。駐車時、特に、縦列駐車時、実車両Vusr の初期位置が悪ければ、当該実車両Vusr を駐車スペースに入れることが難しくなる。本実施形態では、以上の表示画像Sdspmを見ることにより、ドライバは、実車両Vusr が辿った軌跡が分かるので、縦列駐車に失敗した時の初期位置を視認することができる。これにより、ドライバは、縦列駐車を再度行う場合に、先に失敗した時よりも良い初期位置に実車両Vusr を持っていくことが可能となる。
【0097】
次に、プロセッサ1は、図16の処理を終了するか否かを判断する(ステップS12)。プロセッサ1は、実車両Vusr が駐車し終わったとみなした場合には、図16の処理を終了する。そうでなければ、新しい表示画像Sdspmを作成するために、ステップS2に戻る。
【0098】
なお、以上の実施形態では、移動軌跡MTr1、MTr2、MTf1およびMTf2を導出するために、車輪速センサ32および33が運転支援装置Uast3に組み込まれていた。しかし、これに限らず、実車両Vusr の速度を検出できるセンサであれば、どのようなセンサでも運転支援装置Uast3に組み込むことができる。
【0099】
なお、以上の各実施形態では、プログラムPGa 〜PGc は、描画装置Urnd1〜Urnd3に格納されていた。しかし、これに限らず、プログラムPGa 〜PGc は、CD−ROMに代表される記録媒体に記録された状態で頒布されてもよいし、インターネットに代表される通信ネットワークを通じて頒布されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る描画装置Urnd1を組み込んだ運転支援装置Uast1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す車両モデルデータDmdを説明するための図である。
【図3】図1に示す車両モデルデータDmdが表す車両モデル画像Smdを示す図である。
【図4】図1に示す撮像装置5〜12の設置例を示す図である。
【図5】図1のプログラムPGa による処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS5で作成される車両合成画像Svhc を説明するための図である。
【図7】図5のステップS8での路面予測軌跡の導出方法を説明するための図である。
【図8】図5のステップS10で求められる移動後の上方予測軌跡Tmur1およびTmur2を示す図である。
【図9】図5のステップS10における描画3次元予測軌跡Tr3d の導出方法を説明するための図である。
【図10】図5のステップS10で作成される表示画像Sdsp を示す図である。
【図11】描画3次元予測軌跡Tr3d’ を説明するための図である。
【図12】図1の描画装置Urnd1の変形例である描画装置Urnd2を組み込んだ運転支援装置Uast2の構成を示すブロック図である。
【図13】図12のプログラムPGb による処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS26で作成される表示画像Sdspfを示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る描画装置Urnd3を組み込んだ運転支援装置Uast3の構成を示すブロック図である。
【図16】図15のプログラムPGc による処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図16のステップS33の処理を説明するための図である。
【図18】図16のステップS35で作成される表示画像Sdspmを示す図である。
【符号の説明】
Uast1〜Uast3…運転支援装置
Urnd1〜Urnd3…描画装置
1…プロセッサ
2,21,31…プログラムメモリ
3…ワーキングエリア
4…入力装置
5〜12…撮像装置
13…操舵角センサ
14…表示装置
22…シフト位置センサ
32,33…車輪速センサ

Claims (14)

  1. 車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画装置であって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得部と、
    前記第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から前記車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成部と、
    前記車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得部と、
    前記第2の取得部が受け取った操舵角に基づいて、前記車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出部と、
    前記第1の算出部により導出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出部と、
    少なくとも前記第2の算出部で算出された第1の上方予測軌跡を前記路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影部と、
    前記視点変換画像作成部で作成された視点変換画像に、前記第1の算出部で算出された路面予測軌跡及び前記軌跡投影部で導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成部とを備える、描画装置。
  2. 前記3次元予測軌跡は、前記車両が有する車輪の位置を基準とする、請求項1に記載の描画装置。
  3. 前記3次元予測軌跡は、前記車両の表面において当該車両の縦中心面から最も離れた位置を基準とする、請求項1に記載の描画装置。
  4. 記車両が後退している場合には、当該車両がこれから動く当該後退方向への前記3次元予測軌跡が描画される、請求項1に記載の描画装置。
  5. 記車両が前進している場合には、当該前進方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡が描画される、請求項1に記載の描画装置。
  6. 記操舵角センサから受け取った操舵角に基づいて、操舵方向の逆側であって、かつ前記車両の進行方向に対して後方にある車両のコーナーの位置を基準とする3次元予測軌跡が描画される、請求項1に記載の描画装置。
  7. 前記車両には、当該車両の現在のシフト位置を検出するシフト位置センサが設置されており、
    前記シフト位置センサからのシフト位置に基づいて、前記車両が前進しているか、後退しているかを判断する判断部をさらに備え、
    前記表示画像作成部は、
    前記判断部により前記車両が前進していると判断された場合、当該前進方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡を描画し、
    前記判断部により前記車両が後退していると判断された場合、当該後退方向に当該車両がこれから動く3次元予測軌跡を描画する、請求項1に記載の描画装置。
  8. 車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画装置であって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得部と、
    前記車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得部と、
    前記車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得部と、
    前記第2の取得部が受け取った操舵角と、前記第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、前記車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出部と、
    前記第1の取得部で得られた周囲画像に、前記算出部で算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成部とを備える、描画装置。
  9. 車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画方法であって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から前記車両 の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、前記車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、
    少なくとも前記第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を前記路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、
    前記視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び前記軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える、描画方法。
  10. 車両の運転支援用の表示画像を作成するための描画方法であって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、
    前記第2の取得部が受け取った操舵角と、前記第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、前記車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、
    前記第1の取得ステップで得られた周囲画像に、前記算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える、描画方法。
  11. 車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムが記録された記録媒体であって、
    前記プログラムは、
    記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から前記車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、前記車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、
    少なくとも前記第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を前記路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、
    前記視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び前記軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える、プログラムが記録された記録媒体。
  12. 車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムが記録された記録媒体であって、
    前記プログラムは、
    記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、
    前記第2の取得部が受け取った操舵角と、前記第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、前記車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、
    前記第1の取得ステップで得られた周囲画像に、前記算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える、プログラムが記録された記録媒体。
  13. 車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムであって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記第1の取得部で取得された周囲画像に基づいて、予め定められた視点から前記車両の周囲の光景が路面上に投影された視点変換画像を作成する視点変換画像作成ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、ステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記第2の取得ステップで受け取られた操舵角に基づいて、前記車両がこれから動く路面上の軌跡を表す路面予測軌跡を算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡に対して予め定められた高さを与えて、第1の上方予測軌跡を算出する第2の算出ステップと、
    少なくとも前記第2の算出ステップで算出された第1の上方予測軌跡を前記路面上に投影して、第2の上方予測軌跡を導出する軌跡投影ステップと、
    前記視点変換画像作成ステップで作成された視点変換画像に、前記第1の算出ステップで算出された路面予測軌跡及び前記軌跡投影ステップで導出された第2の上方予測軌跡から構成される3次元予測軌跡が描画された表示画像を作成する表示画像作成ステップとを備える、プログラム。
  14. 車両の運転支援用の表示画像を作成するためのプログラムであって、
    前記車両に設置された撮像装置から、当該車両の周囲画像を受け取る第1の取得ステップと、
    前記車両に設置された操舵角センサから、当該車両のステアリングの現在の操舵角を受け取る第2の取得ステップと、
    前記車両に設置された車輪速センサから、当該車両の各車輪速を受け取る第3の取得ステップと、
    前記第2の取得部が受け取った操舵角と、前記第3の取得部が受け取った各車輪速とに基づいて、前記車両が現在までに動いた移動軌跡を算出する算出ステップと、
    前記第1の取得ステップで得られた周囲画像に、前記算出ステップで算出された移動軌跡が描画された表示画像を作成する作成ステップとを備える、プログラム。
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