JP3620602B2 - 固型化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は使用性が良く、耐衝撃性が強く、防カビ性が優れた固型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレス状粉末化粧料において油分として炭化水素、トリグリセライド、エステル油、シリコーン油、フッ素系油分などが使われていた。特に肌上でのすべりをよくする目的で、シリコーン油が多く使われるようになってきた。粉末としては、未処理粉末のほか、シリコーン、フッ素系化合物、界面活性剤などによって、処理された粉末が最近多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プレス状粉末化粧料においては、化粧料ののびをよくするためにシリコーン油を多量配合したり、球状の粉末を配合すると耐衝撃性が悪くなると言う欠点があった。また、油分が約6%以上配合された粉末化粧料においては、防腐剤の添加が不可欠で防腐剤としてパラベン類が多用されている。ところが、パラベン類は化粧品の表示指定成分になっており、安全性上、配合しないことが望まれている。
【0004】
本発明者らは、のびなどの使用性が良く、耐衝撃性が強く、さらに防カビ性が良好なプレス状粉末化粧料を得るために鋭意検討した結果、油分の種類、さらに粉末の性質を工夫することで上記目的が達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は一般式化2により示されるメチルフェニルポリシロキサンを全油分中の40〜100重量%と、疎水性粉末とを含有し、防腐剤としてパラベン類を配合しないことを特徴とする固型粉末化粧料に関する。
【0006】
【化2】
(式中平均n=12〜16である。Rはメチル基であり、R 1 はフェニル基である。)
【0007】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明において用いるメチルフェニルポリシロキサンは上記一般式化2に示す構造式で示される。
メチルフェニルポリシロキサンは従来から化粧料に使用されており、例えば特開昭61−180707号にはメチルフェニルポリシロキサン(500cs)を配合した実施例が記載されている。しかしながらこのものは、厳密にはジメチルの単位とジフェニルの単位から構成されているものである。
【0008】
これに対し、本発明で用いるメチルフェニルポリシロキサンは1つのケイ素にメチル基とフェニル基が結合しており、従って粘度挙動も従来のものとは異なる。すなわち、本発明に用いるメチルフェニルポリシロキサンにおいては平均n=3で粘度が約20cs(30℃、以下同じ),平均n=7で粘度が約100cs,平均n=12で約300cs,平均n=14で約500cs,平均n=17で約1000csである。
【0009】
本発明において上記一般式化2の式中、平均n=10〜17であり、好ましくは13〜15である。平均n=10未満では、耐衝撃性が良好でなく、防カビ性も弱い。平均n=17を超えるとのびが重く、好ましい使用性が得られない。配合量は全油分中40重量%以上である。40重量%未満では好ましい使用性、耐衝撃性が得られない。
【0010】
メチルフェニルポリシロキサンを含む油分全体の配合量は、特に限定されないが、3〜45重量%のとき、耐衝撃性向上の効果が最もよく発揮される。3重量%未満では使用性と耐衝撃性が好ましくない。45重量%を超えた油性固型化粧料では密着感に優れたものが得られる。油分量が70重量%を超えると剤型が成り立たない。
【0011】
本発明に配合されるメチルフェニルポリシロキサン以外の油分としては、一般的に化粧品に配合されるものならいずれでも良く、たとえば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、流動パラフィン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリルアルコール、イソプロピルミリステート、2−オクチルドデシルオレエート、ジメチルポリシロキサン、フッ素変性油などが挙げられる。
【0012】
粉末部としては、一般的に化粧品に使用されているものであればいずれでも良く、たとえば、タルク、カリオン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、シリコ−ン樹脂粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄黄酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン マンゴバイオレット、コバルトバイオレット 酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青等の無機顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号 赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロリン等の天然色素などが挙げられる。
【0013】
これらの中で、防カビ性の点から酸化亜鉛を併用することが好ましい。その場合、酸化亜鉛の配合量が増加すると化粧料全体の親水性が高まるので、防カビ性にとって好ましくない。従って本発明の化粧料全量中1〜8重量%程度が好ましい。1重量%未満では 防カビ性の点から不十分である。
【0014】
粉末は疎水性粉末のほうが、防カビ性の点で好ましい。その場合、もともと疎水性の粉末を使用する他に、親水性粉末を疎水化処理して使用する方法がある。疎水化処理の方法としては、いずれの方法でも良く、一般的にはシリコーン処理、金属石鹸処理、カチオン活性剤処理、ラウロウルリジン処理、テフロン処理、ワックス処理、フッソ系油分処理などが挙げられる。
これらの中で、粉体と金属水酸化物を混合摩砕せしめ、粉末表面に均一に接合させた後、メチル水素ポリシロキサン油をメカノケミカル反応により粉末表面上に均一に架橋重合させる方法(特公昭56−43264号);粉体と酸性物質を混合し、粉末表面でオルガノ水素ポリシロキサンを反応させ架橋重合させる方法(特開昭60−163973号)等があるが、特に、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉体表面上で重合させる方法(特公平1−54380号);前記方法ののち表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)が好ましい。
防カビ性の点から、疎水性粉末はなるべく多く配合することが望ましく、特に粉末部のうちの70重量%以上配合することが好ましい。
【0015】
本発明のプレス状粉末化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料、医薬部外品等に用いられる成分を配合することができる。上述した油分、粉末の他、例えば、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、収斂剤、pH調整剤、金属封鎖剤、生薬、ビタミン類、防腐剤、殺菌剤、樹脂、皮膜剤、ゲル化剤、等である。
なお、防カビ性を考えた場合は、親水性の成分は配合しないことが好ましいが、効果を損ねない範囲で配合できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の固型化粧料は、肌上でのすべりやのびが良好であり、かつ耐衝撃性も強く、防カビ性に優れる。更に、粉末として疎水性粉末を使用すると、防カビ性を向上させることが出来、従来用いている防腐防黴剤を配合しなくとも十分化粧料としての品質が保証できる。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は全て重量%である。
実施例に先立ち、試験法を説明する。
【0018】
<耐衝撃性>
粉末を中皿にオルゼン硬度計で硬度が35になるようにプレス成型し、化粧品容器に入れ、逆位置で30cmの高さから鉄板上に繰り返し落としたときの中味が割れるまでの回数を測定する。
10回以上 ◎
8〜9回 ○
5〜7回 △
4回以下 ×
【0019】
<防カビ性>
粉末を中皿に成型し、濡れた脱脂綿を敷きつめたシャーレに入れ、カビを噴霧し、ふたをして25℃恒温槽に1ケ月放置し、目視でカビの発生の状態を判定する。
目視でカビが生えていず、顕微鏡で菌糸を確認できない ◎
目視でカビが生えていず、顕微鏡で菌糸を確認できる ○
目視でカビを一部に認める △
目視でカビを広範囲に認める ×
【0020】
<使用性(のび)>
専門パネル20名による5段階評価を行った。
のびが非常に悪い 1点
のびが悪い 2点
のびが普通 3点
のびが良い 4点
のびが非常によい 5点
評価結果は20名の平均値に基づいて、下記の記号によって示した。
4.5以上5.0まで ◎
3.5以上4.5未満 ○
2.5以上3.5未満 △
1.5以上2.5未満 ×
1.0以上1.5未満 ××
【0021】
実施例1〜4、比較例1〜3
表1の処方でパウダリーファンデーションを得た。
【0022】
【表1】
【0023】
*1:マイカ100部とテトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン10部とを別々の容器に入れ80℃でデシケーターの中に放置した。72時間後にマイカを取り出し、重量を測定したところ104部の処理マイカが得られ、さらに50℃の乾燥機に24時間放置したところ101.5部の処理マイカが得られた。
同様に上記マイカの代わりにタルク、酸化鉄、酸化チタンに置き換えて、103部の処理タルク、104部の処理酸化鉄、101部の処理酸化チタンを得た。
【0024】
比較例4〜5、実施例5
表2の処方でパウダリーファンデーションを得た。
表2中のシリコーン処理とは表1と同じである。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例6〜10
表3の処方でパウダリーファンデーションを得た。
*1;表1と同じものを用いた。
*2;マイカ97重量部にメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を10部のトルエンに溶解したものを室温で添加し、100℃でトルエンを留去した後、200℃で2時間焼き付け処理をすることによりシリコーン処理マイカを得た。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例11〜15
表4の処方でパウダリーファンデーションを得た。
*1、*2;表1と同じものを用いた。
【0029】
【表4】
Claims (3)
Priority Applications (1)
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JP04512394A JP3620602B2 (ja) | 1994-02-18 | 1994-02-18 | 固型化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04512394A JP3620602B2 (ja) | 1994-02-18 | 1994-02-18 | 固型化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233029A JPH07233029A (ja) | 1995-09-05 |
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Family
ID=12710497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04512394A Expired - Fee Related JP3620602B2 (ja) | 1994-02-18 | 1994-02-18 | 固型化粧料 |
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Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-02-18 JP JP04512394A patent/JP3620602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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