JP3619884B6 - 蓋易分離型一体成形容器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】納豆を食べる際に、容器本体と蓋体とを容易に分離できる蓋易分離型一体成形容器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、容器本体と、ヒンジ部を介して容器本体と一体となった蓋体とを備えた合成樹脂製の容器であって、蓋体を閉じた状態で、ヒンジ部に薄肉切断部を形成してなる、前記容器、該薄肉切断部の厚さが0.05〜0.8mmである、前記容器、または該薄肉切断部の引張力が50〜200gである、前記容器、およびそれらの製造方法に関する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、容器およびその製造方法に関し、とくに蓋体が容器本体と容易に分離することができる蓋易分離型一体成形容器およびその製造方法に関する。
従来から、一体成形容器は、その加工容易性、低コスト、軽量で運搬性に優れていることから、汎用されている。とくに、発泡樹脂製のものは、軽量性、弾力性、保温性、加工容易性などの理由から、仕出し弁当の容器や持ち帰り用容器など、食品用の容器として用いられることが多い。このような食品用の中でも、蓋を密閉せずに用いることによって、適度な通気性が必要となる納豆容器としての利用性にとくに優れている。
納豆は、原料となる大豆を選別する選別工程、選別された大豆を洗浄する洗浄工程、洗浄された大豆を水に浸漬する浸漬工程、浸漬した大豆を蒸し煮する蒸し煮工程、蒸し煮された大豆に納豆菌を接種する接種工程、納豆菌が接種された大豆を納豆容器に充填する充填工程、容器に充填された大豆を発酵させ、納豆を形成する発酵工程、形成された納豆を熟成させる熟成工程、たれ、からし等の添付品を添付して包装する包装工程を経て製造され出荷される。
前記容器は、大豆の充填から消費まで一貫して使用されるため、納豆収納容器として要求される機能は、充填工程における操作性や、保温性、保湿性、通気性など大豆の発酵に適する機能のほか、衛生性、販売促進適正などの機能も要求される。
従来、納豆収納容器としては、藁、経木、紙カップ、発泡ポリスチレン樹脂製のトレイなどが用いられているが、その機能、コスト、生産性などの利点から、容器本体と蓋体とがヒンジ部を介して一体成形された発泡ポリスチレン樹脂製の納豆容器が主流になっている。
従来、納豆収納容器としては、藁、経木、紙カップ、発泡ポリスチレン樹脂製のトレイなどが用いられているが、その機能、コスト、生産性などの利点から、容器本体と蓋体とがヒンジ部を介して一体成形された発泡ポリスチレン樹脂製の納豆容器が主流になっている。
この一体成形納豆容器で、納豆を食べる場合、蓋を開け、納豆をかき混ぜ、たれ、からし等の調味料を加え、さらにかき混ぜるといった一連の作業を行なってから食べるのが一般的であり、この際に、蓋部がヒンジ部の弾力により閉じる方向に動くなど、かき混ぜや食べる際の邪魔になるなどの問題があった。そこで、近年、容器本体と蓋部とを容易に分離することができる納豆容器が多数開発されてきた。
これまで開発されてきた蓋易分離型納豆容器の代表的なものとして、一体成形納豆容器のヒンジ部にミシン目を設けた納豆容器(特許文献1〜7)や、ヒンジ部近傍のフランジ部にミシン目を設けた納豆容器(特許文献8〜10)が挙げられる。
これらのミシン目を設けた納豆容器は、ミシン目を設けない一体成形納豆容器と比較して、容器本体から蓋を分離することの困難性が緩和されたものの、なお切断部の強度が大きいため、切断がミシン目に沿うようには十分に誘導できず、また、強い力での切断によりヒンジ部由来の破片が生じ、これが納豆に混入したり、さらには、容器本体が割れてしまうなどの問題があった。
したがって、本発明の課題は、従来の上記問題点を解消し、容器本体と蓋とを容易に分離できる蓋易分離型一体成形容器およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らが、鋭意研究を重ねる中で、驚くべきことに、容器の蓋を閉じた状態で、ヒンジ部に薄肉切断部を形成することによって、上記課題が解消されることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、容器本体と、ヒンジ部を介して容器本体と一体となった蓋体とを備え、蓋体を開けた後にヒンジ部に設けた薄肉切断部を切断することによって蓋体と容器本体とを分離することができる発泡ポリスチレン製の納豆容器であって、前記薄肉切断部が、蓋体と容器本体との少なくとも一部を溶着または嵌合して閉じた状態で、ヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側を、全幅に亘って、厚さが0.05〜0.8mmになるように熱加工することにより形成されてなる、前記納豆容器に関する。
さらに本発明は、薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、前記の納豆容器に関する。
また本願発明は、薄肉切断部の引張力が50〜200gである、前記の納豆容器に関する。
さらに本発明は、容器本体に、納豆が収納されている、前記の容器に関する。
さらに本発明は、薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、前記の納豆容器に関する。
また本願発明は、薄肉切断部の引張力が50〜200gである、前記の納豆容器に関する。
さらに本発明は、容器本体に、納豆が収納されている、前記の容器に関する。
また本発明は、容器本体と、ヒンジ部を介して容器本体と一体となった蓋体とを備え、蓋体を開けた後にヒンジ部に設けた薄肉切断部を切断することによって蓋体と容器本体とを分離することができる発泡ポリスチレン製の納豆容器を製造する方法であって、容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して一体成形する工程、蓋体と容器本体との少なくとも一部を溶着または嵌合して閉じる工程、閉じた容器のヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側を、全幅に亘って、厚さが0.05〜0.8mmの薄肉切断部を熱加工により形成する工程、を含む前記方法に関する。
さらに本発明は、薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、前記の方法に関する。
また本発明は、熱加工がヒータを接触することによる、前記の方法に関する。
さらに本発明は、蓋体を閉じる工程の前に、容器本体に納豆を充填する工程を含む、前記の方法に関する。
さらに本発明は、薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、前記の方法に関する。
また本発明は、熱加工がヒータを接触することによる、前記の方法に関する。
さらに本発明は、蓋体を閉じる工程の前に、容器本体に納豆を充填する工程を含む、前記の方法に関する。
本発明にかかる容器は、上記の構成を採用することにより、容易に蓋と容器本体とを分離することができ、納豆容器として用いた場合、納豆を食べる際に、蓋が邪魔にならないで、快適にかき混ぜ、摂食することができる。
また本発明にかかる容器の製造方法は、上記の構成を採用することにより、簡便に薄肉切断部を形成することができ、蓋易分離型容器を製造することができる。
また本発明にかかる容器の製造方法は、上記の構成を採用することにより、簡便に薄肉切断部を形成することができ、蓋易分離型容器を製造することができる。
本発明の効果についての理解に資するため、まず例として、一般的な納豆容器の製造工程を説明するが、本発明がこれに何ら限定されるものでないことはいうまでもない。
通常、納豆容器(納豆製品)は、図1および図2に示すように、概ね以下の工程1〜10によって製造することができる。
工程1:原料となる合成樹脂シート1を加熱装置2で加熱する工程(図1A)
工程2:加熱したシート1を金型3で真空成形する工程(図1B)
工程3:真空成形されたシート1から蓋−容器一体成形物10をカッター4で、容器一つ一つに切り分ける工程(図1C)
工程4:切り分けた一体成形物10を積み重ねる工程(図1D)
工程5:容器供給機5を用いて、積み重ねた一体成形物10を、容器11として1つずつコンベア6に載せる工程(図2A)
工程6:コンベア6上の容器に、煮豆盛込み機7を用いて、納豆菌を播種した蒸煮大豆8を充填する工程(図2B)
工程7:被膜押しカッター9を用い、容器に充填された蒸煮大豆8上に、適当な大きさに切断した被膜12を覆う工程(図2C)
工程8:被膜12上に、たれ、からし等の入った調味料袋13を、調味料袋投入機14を用いて投入する工程(図2D)
工程9:容器の容器本体20と蓋体21とが重なるようにヒンジ部22を折り曲げ、蓋を閉じる工程(図2E、図3A〜C)
工程10:折り曲げたヒンジ部22の対辺のフランジ部23を蓋シール機15によって接合する工程(図2E)
通常、納豆容器(納豆製品)は、図1および図2に示すように、概ね以下の工程1〜10によって製造することができる。
工程1:原料となる合成樹脂シート1を加熱装置2で加熱する工程(図1A)
工程2:加熱したシート1を金型3で真空成形する工程(図1B)
工程3:真空成形されたシート1から蓋−容器一体成形物10をカッター4で、容器一つ一つに切り分ける工程(図1C)
工程4:切り分けた一体成形物10を積み重ねる工程(図1D)
工程5:容器供給機5を用いて、積み重ねた一体成形物10を、容器11として1つずつコンベア6に載せる工程(図2A)
工程6:コンベア6上の容器に、煮豆盛込み機7を用いて、納豆菌を播種した蒸煮大豆8を充填する工程(図2B)
工程7:被膜押しカッター9を用い、容器に充填された蒸煮大豆8上に、適当な大きさに切断した被膜12を覆う工程(図2C)
工程8:被膜12上に、たれ、からし等の入った調味料袋13を、調味料袋投入機14を用いて投入する工程(図2D)
工程9:容器の容器本体20と蓋体21とが重なるようにヒンジ部22を折り曲げ、蓋を閉じる工程(図2E、図3A〜C)
工程10:折り曲げたヒンジ部22の対辺のフランジ部23を蓋シール機15によって接合する工程(図2E)
なお、上記工程は、一般的な製品の製造工程の概略をまとめたものであって、適宜、任意に工程の順序を変更したり、省略したり、他の工程を加えることができる。例えば、納豆の発酵工程など、納豆製品を製造するのに必須の工程であっても、本発明の説明において省略可能な工程は、適宜省略している。
納豆容器は、上記工程1〜10によって製造され得るが、円滑に各製造工程を進むためには、工程1〜8に至るまで、一体成形された蓋体21が、容器本体20とともに地面に略水平に保たれている必要がある。工程1〜8のうち、とくに容器本体20に各種内容物を投入する工程(工程6〜8)においては、その衝撃から、ヒンジ部22に相応の強度がなくては、蓋体21を水平に保てない状況にあり、衝撃が強いと、製造ライン上で蓋体と容器本体とが分離してしまう場合もあった。
納豆容器は、上記工程1〜10によって製造され得るが、円滑に各製造工程を進むためには、工程1〜8に至るまで、一体成形された蓋体21が、容器本体20とともに地面に略水平に保たれている必要がある。工程1〜8のうち、とくに容器本体20に各種内容物を投入する工程(工程6〜8)においては、その衝撃から、ヒンジ部22に相応の強度がなくては、蓋体21を水平に保てない状況にあり、衝撃が強いと、製造ライン上で蓋体と容器本体とが分離してしまう場合もあった。
従来の蓋と容器本体とが分離可能である容器は、金型で一体成形するとき(工程2)または一体成形物を個々に切り分けるとき(工程3)において、ヒンジ部にミシン目を設けるなどの工夫がされていた。しかしながら、このミシン目は蓋と容器本体とが展開状態にあるときでないと設けることができないため、いきおいその工程は初期の段階でなされなければならないところ、ミシン目といえども、後の工程において、ヒンジ部への衝撃に耐え得る程度の強度を確保しておかなくてはならないことになる。そのため、従来の容器では、ヒンジ部のミシン目を設けた薄肉部の厚さは1mm程度以上に維持しておくか、ヒンジ部における引張力として、250g程度以上に維持しておく必要があり、ミシン目による切断部の形成には製造工程上の避けられない制約があった。
さらにまた、容器ヒンジ部の薄肉部に単にミシン目を設けただけでは、依然として、切断部とそれ以外の部分との物性的境界が明確でないため、いわゆる「切れ味」のよい切断部の形成には限界があった。
さらにまた、容器ヒンジ部の薄肉部に単にミシン目を設けただけでは、依然として、切断部とそれ以外の部分との物性的境界が明確でないため、いわゆる「切れ味」のよい切断部の形成には限界があった。
このような事情から、いわゆる「切れ味」のよい薄肉切断部の形成や、薄肉切断部の厚さが0.8mm以下、またはヒンジ部における引張力が200g以下といった性状を具備する容器は、従来存在していなかった。
これに対し、本発明の容器は、蓋体を閉じた状態で、ヒンジ部に薄肉切断部を形成するため、従来の容器では到底得られない前記の性状を具備できたものであり、さらにまた、蓋体を閉じた状態でヒンジ部に加熱により溶融された薄肉切断部を形成する場合、薄肉切断部とそれ以外の部分との物性的境界が明確に形成され、いわゆる「切れ味」のよい薄肉切断部が実現できる。このことは、容器全体が発泡合成樹脂製である場合に、とくに顕著である。
これに対し、本発明の容器は、蓋体を閉じた状態で、ヒンジ部に薄肉切断部を形成するため、従来の容器では到底得られない前記の性状を具備できたものであり、さらにまた、蓋体を閉じた状態でヒンジ部に加熱により溶融された薄肉切断部を形成する場合、薄肉切断部とそれ以外の部分との物性的境界が明確に形成され、いわゆる「切れ味」のよい薄肉切断部が実現できる。このことは、容器全体が発泡合成樹脂製である場合に、とくに顕著である。
このように本発明の容器は、ヒンジ部に破損の危険を伴なう程の大きな力を加える必要なく、比較的小さな力で、容器本体と蓋体とを容易に、しかも正確に分離することができる。
以上、本発明の効果を納豆容器を中心に説明したが、ユーザーが、適宜蓋体を切り離して用いる容器であれば、納豆容器に限らず、如何なる内容物を対象とする容器であっても適用でき、同様の効果を奏することはいうまでもない。
以上、本発明の効果を納豆容器を中心に説明したが、ユーザーが、適宜蓋体を切り離して用いる容器であれば、納豆容器に限らず、如何なる内容物を対象とする容器であっても適用でき、同様の効果を奏することはいうまでもない。
本発明の容器は、上記工程9または10の後(蓋を閉じた後)にヒンジ部22を加工することによって、製造することができる。次に、蓋体21と容器本体20とを閉じたままにしておく手段としては、蓋体と容器本体を嵌合させてもよく、蓋体と容器本体との一部同士(好ましくは、双方に設けたフランジ部、とくに好ましくは、ヒンジ部の対辺のフランジ部)を溶着、接着などによって接合させてもよい。
本発明の容器は、例えば、図4に示すように、ヒンジ部22に2条の薄肉部25を成形した場合、該ヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側(以下、加工部という)を加工し、薄肉切断部を形成する(工程11)。この加工は、典型的には、ヒーター等を用いて直接的または間接的に加熱する熱加工によって行なうことができる。また、熱加工以外に、カッター等を用いて、加工部を削ることによっても行なうことができる。操作性、簡便さ、コスト等の観点から、熱加工が好ましく、とくに、ヒーターを直接接触させることよる熱加工が好ましい(図5)。
また2条の薄肉部を有するヒンジ部において、蓋体側と容器本体側の2つの薄肉部のうち、熱溶融させる加工部は、蓋体側であっても、容器本体側であってもよいが、ヒーターの設置の簡便さから、通常、蓋体側の加工部を加工して薄肉切断部を形成する。
熱加工による薄肉切断部の形成においては、容器の材質が熱変性により硬化し、その硬化部分に沿って蓋体と容器本体とが切断されることから、切断部以外の部分の破損を生じない。とくに容器の材質が発泡樹脂の場合、加熱した部分のみが、熱溶融により、発泡体中の気泡がなくなり、薄く硬化した充実体になるので、一層効果的である。
本発明の容器は、例えば、図4に示すように、ヒンジ部22に2条の薄肉部25を成形した場合、該ヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側(以下、加工部という)を加工し、薄肉切断部を形成する(工程11)。この加工は、典型的には、ヒーター等を用いて直接的または間接的に加熱する熱加工によって行なうことができる。また、熱加工以外に、カッター等を用いて、加工部を削ることによっても行なうことができる。操作性、簡便さ、コスト等の観点から、熱加工が好ましく、とくに、ヒーターを直接接触させることよる熱加工が好ましい(図5)。
また2条の薄肉部を有するヒンジ部において、蓋体側と容器本体側の2つの薄肉部のうち、熱溶融させる加工部は、蓋体側であっても、容器本体側であってもよいが、ヒーターの設置の簡便さから、通常、蓋体側の加工部を加工して薄肉切断部を形成する。
熱加工による薄肉切断部の形成においては、容器の材質が熱変性により硬化し、その硬化部分に沿って蓋体と容器本体とが切断されることから、切断部以外の部分の破損を生じない。とくに容器の材質が発泡樹脂の場合、加熱した部分のみが、熱溶融により、発泡体中の気泡がなくなり、薄く硬化した充実体になるので、一層効果的である。
本発明の容器の材質は、容器本体と蓋体とがヒンジ部を介して一体となるように成形でき、折り曲げたヒンジ部において加工できるものであれば限定されないが、合成樹脂が好ましく、とくに軽量性、加工性に優れた発泡性合成樹脂、例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリオレフィン等が好適に用いられる。
本発明の容器を大量に製造することは、製造ライン上でヒーター24を固定し、該ヒーター24に容器の加工部が適当な圧で接触するようにコンベア上に容器を位置決めし、コンベアを動かすことによって、複数の容器が連続的に順次、熱加工されるようにヒーター24と接触することによって、行なうことができる。
本発明の容器を大量に製造することは、製造ライン上でヒーター24を固定し、該ヒーター24に容器の加工部が適当な圧で接触するようにコンベア上に容器を位置決めし、コンベアを動かすことによって、複数の容器が連続的に順次、熱加工されるようにヒーター24と接触することによって、行なうことができる。
このように容器をコンベア上に載せて移動し、固定されたヒーター24に接触させる場合、ヒーター24の熱が容器の加工部に適切に伝わることが必要であり、熱が伝わりすぎると、薄肉部を完全に切断してしまい、また熱が不十分にしか伝わらないと、薄肉切断部が容易に切断できない強度を有してしまう。
加熱条件は、容器の大きさ、厚さ、材質などに応じて、適宜、変更することができ、ヒーターの温度が低い場合は接触時間を長くし、温度が高い場合は短くすることによって、適切な熱加工を行うことができる。このような観点からヒーターの温度は、典型的には、120〜800℃である。また、ヒーターの接触角度は、ヒーターが加工部に接触するのであれば、とくに限定されないが、典型的には、水平から20〜70度、好ましくは45度で行なう。これらの加熱条件を適宜調節することにより、所望の任意の厚さの薄肉切断部を形成することができる。
本発明の容器において、薄肉切断部の厚さは、容器本体と蓋体との分離が容易にできる程度の厚さであって、かつ蓋体を容器本体に係止した状態を維持できる程度の厚さであれば、とくに限定されないが、容器が納豆用の場合、容器本体と蓋体との分離の容易さから、0.8mm以下が好ましく、また容器本体と蓋体を係止した状態を維持するために0.05以上が好ましい。したがって好ましくは、0.05〜0.8mmであり、とくに好ましくは0.05〜0.6mm、さらに好ましくは、0.05〜0.3mmである。また、薄肉切断部の引張力は、容器が納豆用の場合、200g以下、好ましくは、50〜200g、とくに好ましくは、150〜200gである。
(実施例)
本発明の容器の蓋易分離性を確認するため、以下の容器1〜3の夫々について、ヒンジ部における引張力を測定し、比較した。
本発明の容器の蓋易分離性を確認するため、以下の容器1〜3の夫々について、ヒンジ部における引張力を測定し、比較した。
容器1:本発明の容器(納豆用)
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条(うち蓋側を熱加工)、厚さ約1mm
ヒーターの温度:500℃
ヒーターの接触時間:長さ100mmに対し、0.5秒
ヒーターの接触角度:水平から45度
薄肉切断部:ヒンジ部蓋側、厚さ約0.3mm
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条(うち蓋側を熱加工)、厚さ約1mm
ヒーターの温度:500℃
ヒーターの接触時間:長さ100mmに対し、0.5秒
ヒーターの接触角度:水平から45度
薄肉切断部:ヒンジ部蓋側、厚さ約0.3mm
容器2:ミシン目付納豆容器
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条、厚さ約1mm
ミシン目:容器本体側の薄肉部、穴長:3mm、間隔:1mm
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条、厚さ約1mm
ミシン目:容器本体側の薄肉部、穴長:3mm、間隔:1mm
容器3:切断部を設けていない納豆容器
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条、厚さ約1mm
容器の材質:発泡ポリスチレン
容器のヒンジ部の長さ:100mm
容器の厚さ:約2mm
薄肉部:ヒンジ部に2条、厚さ約1mm
各納豆容器(容器1〜3)のヒンジ部における引張力は、容器の本体側を固定し、ヒンジ部が地面と水平になって、蓋体が容器本体の鉛直上になるようにして、蓋体の上端に、ばねばかり(測定範囲2kg以下)を取り付け、容器本体と蓋体とが分離するときの力を測定した。測定は、各5回以上行なった。結果を表1に示す。
表1のとおり、容器1は、分離に200gを超える力を要したものはなく、200g以下の軽い力(150〜200g程度)で良好に分離した。容器2は、平均して250g程度の力が必要だった。また、容器3は、上述の方法では、蓋体と容器本体とを分離することができず、その引張力は測定不能であった。
容器1および2を夫々実際の使用状態に近い状態で蓋体と容器本体とを分離すると、以下のような差異が観察された。
容器1では、蓋を開けた状態で、両端にある容器本体のフランジ部と蓋体のフランジ部を把持して引張ると、パキっと割れる様に良好に分離した。薄肉切断部以外の箇所で切断するものは観られなかった。
容器2では、十分に慎重に分離すれば、ミシン目以外の箇所での分離はなかったが、すばやく分離すると、ミシン目以外のヒンジ部や容器本体などに破損が観られた。また、蓋を開けた状態で両端のフランジ部を把持して分離した場合、ヒンジ部の破損が生じ、良好な分離は行なえなかった。
容器3では、十分に慎重に分離した場合であっても、切断部以外の部分に亀裂が生じたり、容器本体に破損を生ずることがあった。
容器1および2を夫々実際の使用状態に近い状態で蓋体と容器本体とを分離すると、以下のような差異が観察された。
容器1では、蓋を開けた状態で、両端にある容器本体のフランジ部と蓋体のフランジ部を把持して引張ると、パキっと割れる様に良好に分離した。薄肉切断部以外の箇所で切断するものは観られなかった。
容器2では、十分に慎重に分離すれば、ミシン目以外の箇所での分離はなかったが、すばやく分離すると、ミシン目以外のヒンジ部や容器本体などに破損が観られた。また、蓋を開けた状態で両端のフランジ部を把持して分離した場合、ヒンジ部の破損が生じ、良好な分離は行なえなかった。
容器3では、十分に慎重に分離した場合であっても、切断部以外の部分に亀裂が生じたり、容器本体に破損を生ずることがあった。
1 合成樹脂シート
2 加熱装置
3 金型
4 カッター
5 容器供給機
6 コンベア
7 煮豆盛込み機
8 蒸煮大豆
9 被覆押しカッター
10 一体成形物
11 容器
12 被膜
13 調味料袋
14 調味料袋投入機
15 蓋シール機
20 容器本体
21 蓋体
22 ヒンジ部
23 フランジ部
24 ヒーター
25 薄肉部
26 薄肉切断部
2 加熱装置
3 金型
4 カッター
5 容器供給機
6 コンベア
7 煮豆盛込み機
8 蒸煮大豆
9 被覆押しカッター
10 一体成形物
11 容器
12 被膜
13 調味料袋
14 調味料袋投入機
15 蓋シール機
20 容器本体
21 蓋体
22 ヒンジ部
23 フランジ部
24 ヒーター
25 薄肉部
26 薄肉切断部
Claims (8)
- 容器本体と、ヒンジ部を介して容器本体と一体となった蓋体とを備え、蓋体を開けた後にヒンジ部に設けた薄肉切断部を切断することによって蓋体と容器本体とを分離することができる発泡ポリスチレン製の納豆容器であって、前記薄肉切断部が、蓋体と容器本体との少なくとも一部を溶着または嵌合して閉じた状態で、ヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側を、全幅に亘って、厚さが0.05〜0.8mmになるように熱加工することにより形成されてなる、前記納豆容器。
- 薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、請求項1に記載の納豆容器。
- 薄肉切断部の引張力が50〜200gである、請求項1または2に記載の納豆容器。
- 容器本体に、納豆が収納されている、請求項1〜3のいずれかに記載の納豆容器。
- 容器本体と、ヒンジ部を介して容器本体と一体となった蓋体とを備え、蓋体を開けた後にヒンジ部に設けた薄肉切断部を切断することによって蓋体と容器本体とを分離することができる発泡ポリスチレン製の納豆容器を製造する方法であって、容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して一体成形する工程、蓋体と容器本体との少なくとも一部を溶着または嵌合して閉じる工程、閉じた容器のヒンジ部を折り曲げてできる薄肉部の外側を、全幅に亘って、厚さが0.05〜0.8mmの薄肉切断部を熱加工により形成する工程、を含む前記方法。
- 薄肉切断部の厚さが0.05〜0.3mmである、請求項5に記載の方法。
- 熱加工がヒータを接触することによる、請求項5または6に記載の方法。
- 蓋体を閉じる工程の前に、容器本体に納豆を充填する工程を含む、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
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