JP3619258B2 - 傾斜機能金属基複合材料製造用複合強化材の製造法 - Google Patents

傾斜機能金属基複合材料製造用複合強化材の製造法

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属を基材とする傾斜機能複合材料の製造に使われる複合強化材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼やアルミニウム合金に炭素繊維、セラミック繊維等の耐熱性無機質繊維を埋設して補強すると、その素材金属が通常示す物性をはるかに上回る強度を示す高物性材料になる。このようにして得られる繊維強化金属は、航空機や自動車など軽量で高物性の素材を求める分野で注目され、実用化されつつある。
【0003】
繊維質材料以外のもの、たとえば炭化ケイ素ウィスカ、窒化ケイ素ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ等のウィスカやアルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の耐熱性無機質微粒子を金属中に埋設してその金属の物性や化学的性質を改良する試みも多数実施されており、これら補強もしくは改質に有効な配合材料を2種以上組合せて使用すれば、一層高性能の複合材料が得られることが多い。
【0004】
さらに、上述のような複合材料の製造技術を基盤として近年開発された材料に、傾斜機能金属基複合材料がある。これは、金属を基材とする複合材料を製造するに当たり、繊維、ウィスカ、無機質微粒子等を、それらの体積分率を一定の規則性の下に連続的に変化させながら複合材料中に不均一に配合したものであって、複数の材料の長所を活用できるという異種材料積層物の特長を有し、しかも組成が急変する界面が存在しないことにより積層物のように熱応力破壊を起こす恐れがない。
【0005】
上述のような傾斜機能金属基複合材料を製造する方法は、既に多数提案されている。しかしながら、無機質微粒子や事実上粉体であるウィスカを金属製品の特定の領域から別の領域へ(たとえば板材であれば一方の表面から他方の表面へ)、体積分率を連続的に変化させながら配合することは、きわめて困難であった。すなわち、従来、均一配合を行う場合においては無機質微粒子やウィスカからまず多孔質成形物を製造し、その気孔部分に溶融金属を圧入することにより強化された金属基複合材料を得る方法が一般的であったが、この方法を傾斜機能複合材料の製造に採用するためには、該複合材料の設計に応じて無機質微粒子やウィスカの体積分率を連続的に変化させた多孔質成形物(以下、体積分率傾斜性複合強化材という)を製造しなければならないという解決困難な課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、無機質微粒子やウィスカ等、実質的に粉体である強化材料(以下、粉体強化材ということがある)を用いて傾斜機能金属基複合材料を製造するための、体積分率傾斜性複合強化材を容易に製造する方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することに成功した本発明は、無機質結合剤を含有する水中に粉体強化材としてのウィスカまたは(および)無機質微粒子を分散させてスラリー状にし、別に無機質結合剤を含有する水中に耐熱性無機繊維を分散させてスラリー状にし、得られた2種類のスラリーを混合しながら水平な濾過面を有する脱水成形用型に供給して脱水成形するに当たり、耐熱性無機繊維スラリーに対する粉体強化材のスラリーの供給比率を経時的に減少させて耐熱性無機繊維の体積分率が5〜30%、粉体強化材の体積分率が最も高い領域で30〜50%の脱水成形物を得、次いで該脱水成形物を乾燥後焼成することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の製造法においては、粉体強化材としてのウィスカとして炭化ケイ素ウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ(組成:9Al・2B)、窒化ケイ素ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ等、金属材料の補強もしくは改質に有効なものをいずれも用いることができる。
【0009】
また、粉体強化材としての無機質微粒子としては、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等、やはり金属材料の補強もしくは改質に有効なものを、いずれも用いることができる。ウィスカと耐熱性無機質微粒子は、それらを単独で用いるだけでなく、併用してもよい。
【0010】
粉体強化材と併用する耐熱性無機繊維としては、各種セラミック繊維、たとえばアルミナ繊維、ジルコニア繊維、アルミノシリケート繊維等を使用することができる。中でも好ましいのは、アルミナ含有率が約85重量%以上、特に好ましくは約95重量%以上の、いわゆる高アルミナ多結晶質繊維である。アルミナ含有率が85重量%未満のアルミナ繊維、たとえばシリカ成分の多いアルミノシリケート質繊維は、金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合、溶融金属と反応して好ましくない結果を生じる場合がある。
【0011】
セラミック繊維はまた、その長さが好ましくは約1mm以下の、微細化された短繊維であることが望ましい。断熱材等に使用される通常の短繊維状セラミック繊維は繊維長が数mm〜50mm程度のものであるから、本発明の繊維質成形体にはこれを成形用原料スラリー調製工程において強撹拌するなどの手段により微細化することが望ましい。ただし、繊維長があまりに小さいものが多いと成形性が悪化するので、約10μm以下のものは約30重量%を超えないことが望ましい。
【0012】
粉体強化材は、適量の無機質結合剤(たとえばシリカゾル)を添加した水中に分散させ、スラリー状にする。耐熱性無機繊維は、別に用意した無機質結合剤含有水中に分散させて、これもスラリー状にする。得られた2種類のスラリーは、供給管路の途中で混合を生じさせながら、脱水成形用の型に供給する。混合を生じさせるには、供給管路の途中で二つのスラリーを合流させるだけでもよいが、各スラリーの貯槽と成形用型との間に簡単な混合槽を設置して混合することが望ましい。
【0013】
成形用型は底部に水平な濾過面を有するもので、濾過面下側を常時減圧状態にしておくことにより、供給されたスラリーの水分を逐次吸引除去して固形分を濾過面上に堆積させ、一定の形状を付与するものである。
【0014】
この脱水成形工程においては、耐熱性無機繊維スラリーに対する粉体強化材スラリーの供給比率を経時的に減少させ、最終的にはゼロにする(成形開始段階における上記供給比率は特に限定されるものではないが、耐熱性無機繊維が粉体強化材の少なくとも5体積%程度になるように選定することが望ましい。)。たとえば、耐熱性無機繊維スラリーの単位時間当たり供給量を一定にしておいて粉体強化材スラリーの供給量を徐々に減らす。供給比率の経時的変更は連続的に行うことが望ましいが、多数回に分けて段階的に行なってもよい。
【0015】
得られた脱水成形物を、粉体強化材のマイグレーションを生じさせないように注意して乾燥し、さらに焼成して結合剤を硬化させることにより構造を安定化する。
【0016】
上述のようにして得られる複合強化材においては、全体にわたって分布する耐熱性無機繊維が全体形状を維持する骨格の役割をし、その耐熱性無機繊維に付着するようにして(あるいは繊維間間隙を埋めるようにして)、粉体強化材が分布している。粉体強化材の分布は一様ではなく、濾過面に近かった領域から反対側端面に向かって分布密度が低くなっている。耐熱性無機繊維の分布密度は、脱水成形工程における原料スラリー供給比率の変え方その他の成形条件によって異なり、製品全体にわたりほぼ均一に分布する場合や粉体強化材と同様の傾斜性分布をする場合がある。
【0017】
製品における耐熱性無機繊維と粉体強化材の体積分率は、脱水成形の条件を選ぶことにより一定の範囲で任意に調節することができる。傾斜機能金属基複合材料の製造に有用な複合強化材であるためには、単に粉体強化材が傾斜性分布をしているだけでなく、耐熱性無機繊維の体積分率が約5〜30%、粉体強化材の体積分率が最も高い領域で約30〜50%になるように、且つ最も高密度の領域においても鋳造時に溶融金属が圧入される気孔が少なくとも約50容積%存在するように、脱水成形条件を選ぶことが望ましい。
【0018】
製品における耐熱性無機繊維および粉体強化材の好ましい分布態様は、成形形状と共に、その複合強化材を用いて製造しようとする傾斜機能金属基複合材料の設計に基づき決まるので、成形条件もそれに応じて選定する。
【0019】
本発明の製造法により得られた複合強化材を鋳造用金型内に配置し、高圧を加えて鋳造を行うと、複合強化材中の気孔部分に溶湯が圧入されて、金属中に複合強化材構成材料が埋設された状態の複合材料が形成される。この複合材料においては、埋設された複合強化材の上記構造上の特徴に基づき、粉体強化材の体積分率が特定領域から別の領域に向かって連続的に変化しており、それにより傾斜機能が示される。
【0020】
【実施例】
アルミナ短繊維(Al含有率95重量%)とアルミナ粒子をそれぞれ別個に、それらの重量に対して2重量%のシリカゾルを加えた水と混合槽中で高速撹拌して均一に分散させる。得られたアルミナ短繊維スラリーとアルミナ粒子スラリーを、供給経路において均一に混合しながら、底部が脱水濾過面である円筒状型に供給し、底部濾板の下面から吸引、脱水して、円板状成形物を得る。
【0021】
上記成形工程において、アルミナ短繊維スラリーの単位時間当たり供給量は最後まで一定にし、一方アルミナ粒子スラリーの供給量は、アルミナ粒子/アルミナ短繊維の体積比が最初は30/7、最後は0/7になるように、成型中徐々に減少させた。脱水成形終了後、成形物を型から外し、熱風で乾燥してから1200℃で1時間焼成した。得られた厚さ30mmの複合強化材は、密度が0.850g/cm3、強化材体積分率(全体の平均値)が23%であった。
【0022】
この複合強化材を上記成形工程における吸引濾過面に平行な面に沿って切断して5等分し、各切断片について、アルミナ繊維の体積分率およびアルミナ粒子の体積分率を測定した。その結果は下記のとおりであって、アルミナ粒子が製品中で傾斜性分布をしていることが確認された(分割片1が吸引濾過面側端部、分割片5がその反対側端部。)。
【0023】
分割片 アルミナ繊維 容積% アルミナ粒子 容積%
1 5 31
2 6 24
3 6 17
4 7 9
5 7 3
【0024】
次に、上記複合強化材を用いて、傾斜機能アルミニウム合金基複合材料を製造した。まず複合強化材を800℃に予熱し、アルミナ粒子の体積分率が高い面を下にして300℃の金型内に配置、固定した。次いでアルミニウム合金AC8Aの溶湯(750℃)を注入し、プランジャーにより溶湯を1000kgf/cmに加圧して複合強化材の気孔部分に溶湯を圧入した。冷却して溶湯を凝固させたのち、形成された鋳造物を金型から取り出し、熱処理(T6)を行なった。
【0025】
得られた傾斜機能アルミニウム合金基複合材料を中心軸線に沿って切断し、中心軸線上の8点においてビッカース硬度を測定した。結果は下記のとおりであって、アルミナ粒子の体積分率が高い領域ほど、高い硬度を示した(注:測定点1から測定点6の方向に、アルミナ粒子の体積分率が減少する。測定点7および8は、複合強化材で補強されていないアルミニウム合金だけの領域である。)。
【0026】
測定点 ビッカース硬度
1 340
2 300
3 260
4 220
5 180
6 150
7 130
8 130
【0027】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、粉体強化材を用いて傾斜機能金属基複合材料を製造するための、粉体強化材が傾斜配置された複合強化材を容易に製造することが可能になる。

Claims (2)

  1. 無機質結合剤を含有する水中に粉体強化材としてのウィスカまたは(および)無機質微粒子を分散させてスラリー状にし、別に無機質結合剤を含有する水中に耐熱性無機繊維を分散させてスラリー状にし、得られた2種類のスラリーを混合しながら水平な濾過面を有する脱水成形用型に供給して脱水成形するに当たり、耐熱性無機繊維スラリーに対する粉体強化材のスラリーの供給比率を経時的に減少させて耐熱性無機繊維の体積分率が5〜30%、粉体強化材の体積分率が最も高い領域で30〜50%の脱水成形体を得、次いで、該脱水成形物を乾燥後焼成することを特徴とする傾斜機能金属基複合材料製造用複合強化材の製造法。
  2. 前記脱水成形物には気孔が少なくとも50容積%存在することを特徴とする請求項1記載の複合強化材の製造法。
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