JP3618925B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に係り、特に、レンズ系の歪曲収差による歪みを補正した高精度画像を必要とする目的に好適な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ等の撮像機器のレンズ系は、ズーム機能や自動焦点機能を備えることが一般的になっているが、機能の増加にともない画像の品質、特に歪曲収差にしわ寄せが出ている。一般に、歪みが少なく、かつ焦点深度の深いレンズは暗くなる。しかし、撮像素子は高密度化、コンパクト化の要求から、その受光センサー面積がますます小さくなり、その結果、感度低下やSN比の低下を招いていおり、明るいレンズ系、歪みの大きなレンズ系を使わざるを得ない状態に陥っている。
【0003】
一方、複数の画像を貼り合わせて大きな画像を合成する場合、異なった解像度の複数の画像を重ね合わせて合成する場合、異なった方位から撮影した複数枚の画像から立体画像を合成する場合などには、幾何学的歪みの少ない高精度画像が必要となる。このような高精度画像のニーズは今後ますます増えることが予想されるため、カメラ等のレンズ系の歪曲収差による画像の歪みは大きな問題である。
【0004】
従来、歪曲収差はレンズの設計技術で回避努力がなされてきたが、前述のようにレンズ系の高機能化に伴って回避が困難になっている。そのため、画像処理によって歪曲収差による歪みを除去する努力が続けられている。例えば、高い精度を要求される宇宙観測、医学応用等の個別分野では、テーブルルックアップ方式により画素位置毎に歪曲収差を高精度に補正する技術が利用されている。しかし、この歪みは非線形歪みであり、それに関与するパラメータは焦点距離、ピント位置、絞りがあり、補正テーブルを作るにはこれら3つのパラメータを高い精度で検出する必要があるが、これが容易でない。そのため、テーブルルックアップ方式は、固定焦点レンズ系の応用に限られていた。
【0005】
例えば特開平3−242526号の「カメラの歪曲収差更正方法」では、レンズ系が固定された状態で白黒縞パターン(テストチャート)を撮影して理想値との誤差を測定し、歪曲収差パラメータを推定するので、ピントずらし、ズーム等で条件が変わると、それぞれの条件で白黒縞パターンを撮影し直してパラメータの推定を行う必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、そのような制約を解消し、より汎用性の高い画像歪み補正方法として、一地点から撮影された共通パターンを含む複数枚の画像より、複数組の対応した観測点を検出し、それら観測点の撮像系の光軸との角度を計算し、求められた角度の情報に基づいて当該画像に対する歪み補正パラメータを決定することを特徴とする方法を特許出願している(特願平8−39514号)。この方法のために必要な2枚(又は3枚以上)の画像を従来のカメラで得ることも可能である。例えば、同じ地点で、カメラにより対象物を撮影し、次にカメラを適当な角度だけ左又は右に振って、同じ対象物を撮影することによっても、必要な画像を得られる。しかし、少なくとも2度の撮影操作が必要であるほか、カメラ方位を適切に調整する必要があるため、カメラの一般的な利用者にとっては操作が煩わしく、また必ずしも適当な画像を得られないこともある。
【0007】
本発明の目的は、そのような歪み補正パラメータの推定に必要な画像を簡単に得られるデジタルカメラやスキャナー等の撮像装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、歪み補正パラメータを推定して歪曲収差を補正した高精度画像を得られるデジタルカメラやスキャナー等の撮影装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、デジタルカメラ等の撮像装置の撮像系は、レンズ系に被写体からの光を異なった入射角で同時又は順次に入射させることにより、同じ被写体の異なった2つの画像を同時又は順次に撮像素子に結像させるような構成とされる。すなわち、レンズ系の前方に反射鏡を配し、被写体からの光を直接的にレンズ系に入射するとともに反射鏡で反射させてからレンズ系に入射させることにより、被写体の2つの画像を、レンズ系の後方に位置する撮像素子に同時に結像させる(請求項1)
【0009】
このような撮像系を持つ本発明のデジタルカメラ等の撮像装置は、撮像素子に結像された2つの画像のデータを保存するメモリと、このメモリに保存された2つの画像のデータに基づき画像の歪みを補正するためのパラメータを推定する手段を有し(請求項2)、さらに推定されたパラメータを利用してメモリに保存された一方の画像データに対し歪み補正を施す手段をさらに有する(請求項3)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明によるデジタルカメラの撮像系の一例を簡略化して示している。図1において、撮像系100はカメラ本体に付属するホルダー101内にレンズ系102、反射鏡103、撮像素子としてのCCD104等を組み込んだ構造である。レンズ系102は、ホルダー101に沿って光軸方向に進退可能である。レンズ系102の位置を検出するために、位置センサー105も設けられている。この位置センサー105の検出出力から、レンズ系102の光学中心(仮想中心)とCCD104の画像面との距離を計測できる。なお、レンズ系102の駆動機構がある場合で、その駆動機構がそれ自体でレンズ系102の位置つまりその光学中心と画像面との距離を認識できるか、もしくは決定付けることができるときは、位置センサー105がなくてもよい。また、後述の歪曲収差補正パラメータの推定処理にレンズ系と画像面との距離も推定するアルゴリズムを採用する場合は、レンズ系と画像面の距離そのものを測定する必要がないため位置センサー105は不要である。
【0011】
被写体からの光の一部は、実線の光路Aに示すように、レンズ系102に直接入射し、CCD104の画像面上に結像する。同じ被写体からの光の一部は、破線の光路Bに示すように、反射鏡103によって反射されてからレンズ系102に斜め方向から入射し、CCD104の画像面上に結像する。このように、同一の被写体からの光が、異なった方向からレンズ系102に入射するため、同じ被写体は2つの異なった像として撮影される。光路Bにより撮影される像は、光路Aにより撮影される像に対し上下が反転した像である。
【0012】
CCD104の画像面は、機能的に図2に示すように2つの部分領域IMGa,IMGbに分割される。部分領域IMGaは光路Aによる通常の像が形成される領域であり、他方の部分領域IMGb(斜線部)は光路Bによる上下反転像が形成される領域である。遠方の被写体からの光はレンズ系102の光軸とほぼ平行に入射するため、反射鏡103の角度が固定であっても、レンズ系102の光軸と部分領域IMGbとの距離yはほぼ一定に保たれる。なお、部分領域IMGa,IMGbをそれぞれ独立した撮像素子に置き換えることも可能である。
【0013】
図3は、本発明によるデジタルカメラの撮像系の他の例を簡略化して示している。図3において、撮像系200はカメラ本体に付属するホルダー201内にズームレンズ系202、反射鏡203、撮像素子としてのCCD204等を組み込んだ構造である。ズームレンズ系202は、ホルダー201に沿って光軸方向に進退可能であり、ズーム駆動機構206により駆動される。ズームレンズ系202の位置を検出するために、位置センサー205も設けられている。この位置センサー205の検出出力から、ズームレンズ系202の光学中心(仮想中心)とCCD204の画像面の距離を計測できる。
【0014】
なお、最近のカメラは、小型化を指向するまり、焦点距離が短くなってきているため、通常の撮影条件ではレンズと画像面の距離が殆ど変化しない場合が増えている。このような条件では、レンズと画像面の距離を測定するセンサーの精度が不十分であると、レンズと画像面との実際の距離と、測定した距離との誤差が大きくなることがある。したがって、この場合は位置センサー205に代えて焦点距離のセンサーを設けてもよい。あるいは、ズーム駆動機構206がそれ自体でズームレンズ系202の位置つまりその光学中心と画像面との距離又は焦点距離を認識できるか、もしくは決定付けることができるときは、位置センサー206もしくは焦点距離センサーがなくてもよい。さらに、後述の歪曲収差補正パラメータの推定処理に、ズームレンズ系202と画像面の距離も推定するアルゴリズムを採用する場合には、レンズ系と画像面の距離そのものを測定する必要がないため位置センサー205もしくは焦点距離センサーは不要である。
【0015】
CCD204の画像面は、前述のCCD104と同様、機能的に図2に示すように2つの部分領域IMGa,IMGbに分割して利用される(ただし、各部分領域をそれぞれ独立した撮像素子としてもよい)。被写体からの光の一部は、ズームレンズ系202に直接入射し、CCD204の画像面の部分領域IMGa上に結像するが、同じ被写体からの光の一部は反射鏡203によって反射されてからズームレンズ系202に斜め方向から入射し、CCD204の画像面の他方の部分領域IMGb上に結像する。このように、同一の被写体からの光が、異なった方向からズームレンズ系202に入射するため、同じ被写体が2つの異なった像として撮影される。反射鏡203を経由して撮影される像は、反射鏡203を経由しないで撮影される像に対し上下が反転した像である。
【0016】
ズーム駆動機構206によりズームレンズ系202が符号202’で表した位置まで移動させられたとき(通常、近接被写体の撮影時)、CCD画像面の部分領域IMGbに同じ被写体付近の像が結像するのが望ましい。そこで、この時に、ズームレンズ系202の光軸付近の被写体を部分領域IMGbに結像させるように、反射鏡駆動機構207が反射鏡203を前方へ移動させるとともに反射鏡203の角度を調整する(破線209はこの時の光路)。ただし、通常はズームレンズ系202の移動による入射角の変化は小さく無視しても影響は少ないので、反射鏡203を一定角度に保ってもよい。ズームレンズ系202の移動量をSとすると、反射鏡203の移動量は2Sである。
【0017】
図4は、本発明によるデジタルカメラの処理制御系の一例を示す簡略化されたブロック図である。図4において、画信号回路部300は図1又は図3に示した撮像系100又は200のCCD104又は204からの画信号の読み出し、画信号のレベル制御、アナログ−デジタル変換等を行って、撮影された画像のデータを入力する。CCD104又は204の画像面の一方の部分領域IMGaに結像した画像のデータは一方のメモリ302に格納され、他方の部分領域IMGbに結像した画像のデータは他方のメモリ303に格納される。ただし、部分領域IMGbに結像した画像は上下反転画像であるので、その画像データは上下反転回路301によって再度上下反転されるようアドレス変換されてメモリ303に格納される。このようにして、メモリ302,303に同じ向きの2つの画像のデータが格納される。
【0018】
処理制御部304は、撮影した画像の歪曲収差補正パラメータの推定処理、歪曲収差補正処理等の画像処理と、撮像系の制御(例えば図3のズーム駆動機構205、反射鏡駆動機構207の制御等)を行う部分であり、具体的には例えばマイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路等から構成される。撮像系の位置センサー105又は205の検出出力、カメラ利用者により操作される各種操作キー305からの指示情報も処理制御部304に入力する。メモリ302内の画像データの歪み補正結果は、そのままの形で、あるいは画像圧縮処理を施された後に画像メモリ306に格納される。次に、歪曲収差補正パラメータの推定の基礎となる関係式を説明する。
【0019】
図5は、ある対象物をカメラで撮影した時の光軸と入射光のなす角度Φi,Φjと、レンズ系を通過した後の光軸に対する角度Φi’,Φj’、同じ対象物をカメラを傾けて撮影した時の像の光軸となす角度Φi”,Φj”(図中の破線)の関係を示している。Fはレンズ系の光学中心から画像面までの距離である。このときに、次に示す(1)から(5)の関係式が成り立つ。ただし、Φは真の値、Φio’,Φjo’,Φio”,Φjo”は観測値Φi’,Φj’,Φi”,Φj”から算出した真値の予測値である。
【0020】
【数1】
Figure 0003618925
【0021】
【数2】
Figure 0003618925
【0022】
【数3】
Figure 0003618925
【0023】
【数4】
Figure 0003618925
【0024】
【数5】
Figure 0003618925
【0025】
上記(3)式が歪み補正式である。同じ対象物を同一地点から異なったカメラ方位で撮影した2枚(又はそれ以上)の画像の情報から、この歪み補正パラメータA,Bを推定して歪み補正式を決定することができる。普通のデジタルカメラを利用して、そのような2枚の画像を得るには、ある方位で被写体を1度撮影し、同じ地点でカメラを所要角度だけ振って同一被写体をもう1度撮影する必要がある。これに対し、前述のような撮像系を持つ本発明のデジタルカメラによれば、1回の撮影操作で、そのような2枚の画像を撮影し、その画像データをメモリ302,303に得ることができるわけである。
【0026】
図6は、異なったカメラ方位で撮影された2枚の画像上の対応した点と、それらの歪み補正後の真の位置を模式的に示している。図6において、pi’とpi”、pj’とpj”はそれぞれ異なったカメラ方位で撮影した2つの画像上の同一パターンの位置であり、pio’とpio”は歪みが補正されたpi’とpi”の真の位置、同じくpjo’とpjo”は歪みが補正されたpj’とpj”の真の位置である。なお、pi’とpio’、pi”とpio”、pj’とpjo’、pj”とpjo”は本来同一方位であるが、意図的にずらして表されている。Cはレンズ系の光学中心、Oは2枚の画像の中心である。誤差の評価値Eは複数の共通パターンについて加算する。
【0027】
撮影される物体間の角度は、カメラ方位の変化には依存しないから(光軸回りの回転があっても)、2枚の画像を撮影した視点が移動しない限り
∠pjo’ C pio’ = ∠pio” C pio”
の関係が常に成り立つ。よって、前記(4)式と等価な次式が得られる。
【0028】
【数6】
Figure 0003618925
【0029】
この式は角度で誤差を評価する式であるが、撮影された画像の中心を原点としたxy座標で次のように表すこともできる。
【0030】
【数7】
Figure 0003618925
【0031】
この誤差評価式はパラメータAを陽に含む形式に表すことができるから、本式より∂E/∂Aを求めることができる。
【0032】
以下、処理制御部304における補正パラメータ推定処理について説明する。まず、レンズ系と撮像素子の画像面との距離を予め特定できる場合の処理について説明する。図7に、この場合の処理フローを示す。
【0033】
最初のステップS1において、A=Ao、B=0に初期設定する。また、位置センサー105又は205の検出出力より求まる距離、あるいはズーム駆動機構206で認識もしくは決定付けされた距離を、Fの値に設定する。
【0034】
次のステップS2において、メモリ302,303上の2枚の画像より、それらに共通する評価用パターンを抽出する。そして、観測点として、一方の画像における評価用パターン上の特定点と、それに対応した他方の画像の評価用パターン上の特定点とのペアを2組検出する。図6と対照させると、一方のペアの観測点Pi’,Pi”を検出し、それぞれの座標系における座標値(Xi’,Yi’),
(Xi”,Yi”)を前記(5)式を変形した次の(8)式により角度変数で表現し、また、もう一方のペアの観測点Pj’,Pj”を検出し、それぞれの座標系における座標値(Xj’,Yj’),(Xj”,Yj”)を、(8)式に従って角度変数で表現する。
【0035】
【数8】
Figure 0003618925
【0036】
ステップS3において、前ステップで得られたΦi’,Φi”とΦj’,Φj”を次式のΦ’に代入し解を求める。その解をΦio’,Φio”,Φjo’,Φjo”とする。
【0037】
【数9】
Figure 0003618925
【0038】
この式は、前記(1)式に前記(3)式を代入して得られる方程式である。
ステップS4において、前記(4)式により誤差評価値Eを算出し、誤差評価値Eの収束判定をする。誤差評価値Eが収束していないと判断したときは、次のステップS5において、Aの現在値にΔAの値を加えた値をAの値とし、ステップS3に戻る。なお、Aの増分ΔAは、任意の小さな一定値に選んでもよいが、(4)式、(9)式、ΔE=(∂E/∂A)ΔAの関係式からΔAを求めてもよい(ただし、ΔE=Eとおく)。ステップS4で誤差評価値Eが収束したと判断されるまでステップS3からステップS5の処理ループが繰り返えされる。
【0039】
ステップS4で誤差評価値Eが収束したと判断されたときは、Aの値が決まったので、今度はBを決めるためにステップS6に進み、メモリ302,303上の2枚の画像よりBの決定のための別の共通パターンがあるか調べる。別の共通パターンが見つからなければ処理は終わる(Bの値は0に決まる)。
【0040】
別の共通パターンが見つかったならば、次のステップS7においてBを初期値Boに設定する。次のステップS8において、ステップS6で新たに見つかった共通パターンを評価用パターンとして、それぞの評価用パターン上の対応した観測点のペアを2組検出し、前記(8)式により各観測点の座標を角度変数で表現する。
【0041】
次のステップS9において、前ステップで求められたΦi’,Φi”,Φj’,Φj”を前記(9)式に代入し、解を求める。その解をΦio’,Φio”,Φjo’,Φjo”とする。そして、次のステップS10において、前記(4)式により誤差評価値Eを算出し、その収束判定を行う。誤差評価値Eが収束していないと判断されたならば、次のステップS11において、Bの現在値に増分ΔBを加えた値をBの値とし、ステップS9に戻る。ΔBは、任意の小さな一定値を選んでもよいが、(4)式、(9)式、ΔE=(∂E/∂B)ΔBの関係式からΔBを求めてもよい(ただし、ΔE=Eとおく)。
【0042】
ステップS10で誤差評価値Eが収束したと判断されるまで、ステップS9からステップS11までの処理ループが繰り返される。ステップS10でEが収束したと判断されたならば、A,B共に値が決まったということであり、パラメータ推定処理は終了する。このようにしてA,Bが決まれば、歪み補正式が確定する。なお、補正パラメータは必ずしも1回で決定する必要はなく、誤差の評価を画像の中心部から周辺へと行って、複数回のサイクルで決定してもよい。
【0043】
次に、レンズ系と撮像素子の画像面との距離を予め特定できない場合、あるいは距離の測定精度が不十分な場合に、距離Fを推定もしくは調整しながら補正パラメータA,Bを推定する処理について説明する。図8に、この場合の処理フローを示す。
【0044】
最初のステップS21において、A=Ao、F=Fo、B=0の初期設定が行われ、また、Fの増分ΔFとして適当な小さな値が設定される。
次のステップS22において、メモリ302,303上の2枚の画像より、それらに共通するパターンを評価用パターンとして抽出する。そして、観測点として、一方の画像における評価用パターン上の特定点と、それに対応した他方の画像の評価用パターン上の特定点とのペアを2組検出する。すなわち、図6と対照させると、一方のペアの観測点Pi’,Pi”を検出し、それぞれの座標系における座標値(Xi’,Yi’),(Xi”,Yi”)を前記(8)式により角度変数で表現し、また、もう一方のペアの観測点Pj’,Pj”を検出し、それぞれの座標系における座標値(Xj’,Yj’),(Xj”,Yj”)を前記(8)式により角度変数で表現する。
【0045】
ステップS23において、前ステップで得られたΦi’,Φi”,Φj’,Φj”を(9)式のΦ’に代入し解を求める。その解をΦio’,Φio”,Φjo’,Φjo”とする。次のステップS24において、前記(4)式により誤差評価値Eを算出し、誤差評価値Eの収束判定をする。収束したと判断されたときにはステップS26へ進む。そうでなければステップS25へ進み、Aの現在値に増分ΔAを加算した値をAの値とし、ステップS23へ戻る。なお、増分ΔAは、図7のステップS5で説明したようにΔE=(∂E/∂A)ΔAの関係式から求めてもよい。誤差評価値Eが収束したと判断されるまで、ステップS23からステップS25までの処理ループが繰り返される。
【0046】
ステップS24において、Eが収束したと判断されたときには、ステップS26に進む。ステップS26において、2枚の画像に共通する別のパターンが見つかるか調べる。見つからなければ、処理は終了する。見つかったならば、その共通パターンを新しい評価パターンとして用い、ステップS27以降の処理により改めてAの値(これをA’と置く)を求める。
【0047】
まず、ステップS27においてA’を初期値A’oに設定する。次のステップS28において、ステップS22と同様に、2枚の画像の新しい評価用パターン上の対応した観測点のペアを2組検出し、その観測点の座標値を角度変数に変換する。次のステップS29において、前ステップで得られたΦi’,Φi”,Φj’,Φj”を(9)式のΦ’に代入し解を求める。その解をΦio’,Φio”,Φjo’,Φjo”とする。次のステップS30において、前記(4)式による誤差評価値Eを算出し、そして、誤差評価値Eの収束判定をする。収束したと判断されたときにはステップS32へ進むが、そうでなければステップS31へ進み、A’の現在値に増分ΔAを加えた値をA’の値としてステップS29に戻る。
【0048】
ステップS29からステップS31までの処理ループにより誤差評価値Eが収束すると、同ループを抜けてステップS32に進み、|A−A’|の収束判定を行う。収束していないと判断された場合には、ステップ33においてFの現在値に増分ΔFの値を加えた値をFの新しい値とし、また、Aに初期値Aoを設定してから、ステップS22以下の処理を再び実行する。すなわち、Fを変更して、Aの値を改めて求めることになる。2回目以降のステップS22において用いる評価用パターンと観測点は1回目のステップ22で用いたものと同じでよく、必要な処理は、新しいF値を用いて1回目と同じ観測点の座標値を角度変数で表現し直す処理だけである。この後にステップS28に進んだ時にも同様であって、1回目のステップ28で検出したもとの同じ観測点の座標値を新しいF値を用いて角度変数で表現し直すだけでよい。
【0049】
さて、ステップS32において|A−A’|が収束したと判断された場合、現在のA又はA’の値がAの値として決まり、またFの値も決定されたということであり、次にBの値を決めるためにステップS34に進む。ステップS34において、Bに初期値Boが設定される。
【0050】
次のステップS35において、ステップS22又はステップS28で最後に得られたΦi’,Φi”,Φj’,Φj”を(9)式のΦ’に代入して解を求める(Aは決定済み)。次のステップS36において前記(4)式により誤差評価値Eを算出し、そして誤差評価値Eの収束判定をする。収束したと判断されたときにはA,B,Fの値が全て決まり、よって歪み補正式が確定したので処理は終了する。収束していないと判断されたときには、ステップS37へ進み、Bの現在値にΔBの値を加算した値をBの値としてステップS35に戻る。なお、増分ΔBは、任意の小さな値を選んでもよいが、図7のステップS11で説明したような方法で求めることもできる。ステップS35からステップと37までの処理ループがステップS36で誤差評価値Eが収束したと判断されるまで繰り返される。なお、補正パラメータは必ずしも1回で決定する必要はなく、誤差の評価を画像の中心部から周辺へと行って、複数回のサイクルで決定してもよい。
【0051】
以上のような処理によって補正パラメータA,Bが推定され、また距離Fが測定又は推定されたならば、処理制御部304において、メモリ302上の画像データの歪曲収差補正を行うことができる。例えば、メモリ302上の画像の各画素の座標を(8)式により角度変数に変換し、その角度を(9)式のΦ’に代入して真の角度Φを求め、この真の角度Φを(5)式により補正画像上の座標に変換し、この座標に補正前の画素値を与えるという処理を繰り返すことにより、歪曲収差歪みが高精度に補正された補正画像データを画像メモリ306上に生成する。
【0052】
以上説明した本発明によるデジタルカメラの撮像系の例は、レンズ系の前方に反射鏡を配置し、反射鏡で反射され斜め方向からレンズ系に入射した像も正面からレンズ系に入射した像も同時に撮影することよって、カメラを振って異なった方位から同一被写体を2度撮影した場合と等価な2枚の画像を1回の撮影操作で得る構成であったが、反射鏡を使わない構成も可能である。そのような撮像系の一例を簡略化して図9に示す。
【0053】
図9に示した撮像系400は、ホルダー401内にレンズ系402が駆動素子403a,403bにより支持されており、駆動素子403a,403bがホルダー401の内面に沿って高速に滑りながらレンズ系402を駆動することにより、レンズ系402の方位角を高速に変化させる構成である。このような撮像系400と組み合わされる処理制御系は図4に示したものと同様の構成でよいが、上下反転回路301は不要である。
【0054】
カメラ利用者の1回の撮影操作によって、処理制御部304の制御に従い、駆動素子403a,403bがレンズ系402を垂直姿勢402’にし、この状態でCCD404に結像した被写体の画像を読み取ってメモリ302に格納すると、直ちに駆動素子403a,403bが所定量だけ前後に移動してレンズ系402を図示のように所定の角度だけ傾けた状態にし、この状態で結像された同じ被写体の画像を読み取ってメモリ303に格納する。このようにして、異なったカメラ方位で同じ被写体を2回撮影した場合と等価な2枚の画像を得ることができる。撮影した画像の補正パラメータ推定は前述の例と同様である。なお、レンズ系402の方位角を異ならせて3枚以上の画像を撮影することも可能である。前述のように、レンズ系402の位置センサーは設けても設けなくともよい。
【0055】
以上、本発明によるデジタルカメラの例を説明したが、本発明は、レンズ系を用いて画像を撮影するスキャナー等の他の撮像装置に対しても同様に適用できることは明らかである。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、面倒な操作を行わずに歪曲収差の補正パラメータの推定に必要な2枚(または3枚以上)の画像を撮影可能なデジタルカメラ等を実現できる。面倒な操作を行わずに、撮影した画像の歪曲収差の補正パラメータを推定できるデジタルカメラ等を実現できる。歪曲収差による歪みが補正された高精度画像を簡単に得ることが可能なデジタルカメラ等を実現できる、等の効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデジタルカメラの撮像系の一例を示す概略構成図である。
【図2】CCDの画像面の領域分割を示す図である。
【図3】本発明によるデジタルカメラの撮像系の他の例を示す概略構成図である。
【図4】本発明によるデジタルカメラの処理制御系の一例を示す概略ブロック図である。
【図5】歪曲収差歪み補正の基礎関係式を説明するための図である。
【図6】異なったカメラ方位で撮影された同一パターンの画像平面上の位置と、その歪み補正後の位置を示す図である。
【図7】補正パラメータ推定処理の一例を表したフローチャートである。
【図8】補正パラメータ推定処理の他の例を表したフローチャートである。
【図9】本発明によるデジタルカメラの撮像系の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
100 撮像系
101 ホルダー
102 レンズ系
103 反射鏡
104 CCD(撮像素子)
105 位置センサー
200 撮像系
201 ホルダー
202 ズームレンズ系
203 反射鏡
204 CCD(撮像素子)
205 位置センサー
206 ズーム駆動機構
207 反射鏡駆動機構
300 画信号回路部
301 上下反転回路
302,303 メモリ
304 処理制御部
305 操作キー
306 画像メモリ
400 撮像系
401 ホルダー
402 レンズ系
403a,403b 駆動素子
404 CCD(撮像素子)

Claims (3)

  1. レンズ系と、該レンズ系の前方に位置する反射鏡と、レンズ系の後方に位置する撮像素子とを具備し、被写体からの光が直接的に該レンズ系に入射するとともに該反射鏡で反射された後に該レンズ系に入射することにより、該被写体の異なった2つの画像が該撮像素子に同時に結像する撮像系を有することを特徴とするデジタルカメラ等の撮像装置。
  2. 撮像素子に結像された2つの画像のデータを保存するメモリと、該メモリに保存された2つの画像のデータに基づき画像の歪みを補正するためのパラメータを推定する手段とをさらに有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 推定されたパラメータを利用してメモリに保存された一方の画像データに対し歪み補正を施す手段をさらに有することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
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