JP3618732B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御局と、制御局に有線で接続された複数のリモート基地局で構成される無線通信システムに係わり、特に、妨害波や断線などの障害に対しても、高い信頼性が得られる無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話などの無線通信システムにおいて、屋内、ビル影、地下街など、電波の不感地帯が多く、ビルやマンションの屋上等の高い位置に配置した大電力の基地局のみでは、無線通信エリアを広く提供することが困難である。したがって、通常、小電力を含む基地局(ピコBSとも呼ばれる)や中継器などから、複数のリモート基地局を有線で接続して、電波不感地帯に配置する構成が併用される。
【0003】
このような基地局構成とすることにより、無線通信エリアを飛躍的に拡大して、無線通信としての自由度を高く維持することが可能となる。
【0004】
なお、ピコBS及び中継器とリモート基地局を接続する通信線には同軸ケーブルや光ファイバが用いられる。通信線に光ファイバを用いる場合、基本的にDC成分の光信号が常に伝送されており、このDC成分に送受信する無線信号を重畳して光伝送する。同軸ケーブルにおいては、無線信号のみを伝送する形態と、電源供給用のDC成分とともに無線信号を伝送させる形態がある。
【0005】
ピコBSや無線中継装置で構成されるセンター局の無線信号の入出力インターフェースは、通常、一つであるので、リモート基地局との接続は、有線部分においてカプラを用い、伝送路の形態として多分岐、合成構成がとられる。このような有線接続形態は、CATV (Cable TV) 等のHFCやアクセス系FTTHでも採用されている。但し、無線通信システムで、CATVやFTTHと大きく異なる点は、CATVの上りリンクやFTTHで用いているTDMAアクセス方式に加えて、FDMAやCDMA方式も用いられることである。さらに、デジタル伝送と異なり、無線通信システムにおいては、光ファイバ及び同軸ケーブル、いずれの伝送媒体においても、ピコBS、無線中継装置と複数のリモート基地局の間は、単純に分岐・合成の形態がとられているだけであり、送受信信号が遮られることなく、伝送される状態となっている。
【0006】
しかし、上述のように、ピコBSあるいは無線中継装置で構成されるセンター局と複数のリモート基地局が分岐・合成により接続されている場合、以下で述べるような問題が発生することがしばしばある。
【0007】
例えば、複数のリモート基地局からセンター局への上りリンクにおいて、他事業者の無線信号である干渉波が、自事業者の無線信号である所望波より強度が十分大きい場合、リモート基地局のダイナミックレンジは、所望波ではなく干渉波に制限されてしまう。また無線通信とは無関係な妨害となる不要波に対しても、所望波より強度が十分大きいと、所望波の伝送特性を著しく制限されることになる。
【0008】
不要波と干渉波の周波数帯域が所望波に対して離れていれば、リモート基地局内でフィルタの挿入等により不要波の影響は回避できるが、近接の帯域の場合は、RF成分におけるフィルタで遮断することは困難である。複数のリモート基地局からの上り信号の合成がセンター局に入力されるが、どこか一つのリモート基地局で、そのような不要波が受信された場合、全てのリモート基地局に影響が及び、全てのリモート基地局のダイナミックレンジが制限されることになる。この影響は不要波に限らず、一つのリモート基地局が不具合を起こし、例えばPAやLNAが発振して、その発振信号が上りリンクに漏洩した場合においても、上述のような不具合が生じることになる。
【0009】
また、センター局から複数のリモート基地局への下りリンクにおいては、例えば、有線のいずれかの箇所で断線が発生した場合、光ファイバにおいては、損失増加、反射の増加などが生じ、同軸ケーブルにおいては、短絡、反射、損失増加などが起こる。反射が増加すると、光ファイバ伝送においては、戻り光がレーザに再結合して雑音レベルの増加が生じ、同軸ケーブルにおいては、SWRの劣化により損失が増える等の影響が発生する。また同軸ケーブルでDC成分として電源を供給する場合などでは、断線により短絡されると、過剰電流が流れ、電源部分がシャットダウンしてしまうなど、無線通信サービスの提供が不可能になる事態も考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、上述のように、センター局と複数のリモート基地局が分岐・合成により接続されるシステムにおける従来の問題点に鑑みてなされたもので、このようなシステムにおいて、干渉波、不要波など妨害波の悪影響が少ないうえに、断線に対しても強く、信頼性の高い無線通信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる無線通信装置は、複数のリモート基地局を有線で制御基地局に収容する無線通信装置において、前記リモート基地局の無線信号を監視する監視手段と、前記各無線信号を多重する手段と、前記各無線信号の中の特定の信号を他の信号から分離する手段を具備し、前記監視手段において、所定の強度以上の無線信号を検知したとき、該所定の強度以上の無線信号を出力している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局から分離することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係わる無線通信装置は、請求項1記載の無線通信装置において、前記有線は光ファイバであり、前記制御局は、前記リモート基地局から前記光ファイバを介して光伝送されてくる信号を受信し、前記受信信号のAC成分およびDC成分を監視する手段と、前記受信信号を合成多重する手段と、前記受信信号の中の特定の信号を他の信号から分離する手段を具備し、前記AC成分が所定の強度以上を検知したとき、前記受信信号を送信している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局から分離し、前記DC成分が所定の強度以下であることを検知したとき、有線系に障害が発生したと判断し、警報信号を発生することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係わる無線通信装置は、1つ以上のリモート基地局を光ファイバで制御基地局に収容する無線通信装置において、前記制御基地局には無線信号を光信号に変換する光送信器を備え、該光送信器は、前記光ファイバに光信号を送出し、前記光ファイバからの反射光を検出する手段を具備し、反射光が所定の強度以上であることを検知した際に、光送信を遮断することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係わる無線通信装置は、請求項1記載の無線通信装置において、前記有線は光ファイバであり、前記制御局は、前記リモート基地局から前記光ファイバを介して光伝送されてくる信号を受信し、前記受信信号のDC成分のみを監視する手段と、前記受信信号を合成多重する手段とを具備し、前記DC成分が所定の強度以上の受信信号を検知したとき、前記受信信号を送信している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局と合成多重せずに分離する手段と、前記DC成分が所定の強度以下であることを検知したとき、有線系の障害が発生したことを判断する手段と、第1のリモート基地局と制御局間の接続が遮断する手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、複数のリモート基地局を制御基地局に収容する無線通信装置において、各リモート基地局からの無線信号を監視することで、妨害波や干渉波が無線信号に混入してきた場合においても、システム全体の伝送品質の劣化を未然に防ぐことが可能となる。これは、無線中継装置と複数のリモート基地局収容を組み合わせたシステムにおいては、他エリアに対して干渉波や妨害波を再送信することを防止し、広いエリアにわたり高い伝送品質を維持することを可能とする。また下りリンクにおいても、有線部分に障害が発生し、反射などで妨害波が発生した場合に対しても、それらをアンテナから送信することがなく、高い信頼性をもつ無線通信装置の提供が可能である。
【0016】
また、各リモート基地局、あるいは中継器から伝送されてくる信号の監視を行うことで、妨害、装置障害、有線障害が発生した際に、それらの個所を特定することが可能であり、迅速な修復対応を促すことが可能であり、保守・管理の面においても高い信頼性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す図である。制御局1において、下りリンクの有線線路2は、図示されていないピコBS5内の無線信号変調器、もしくは、無線中継装置の受信アンテナ等の無線信号処理装置に接続されている。
【0018】
下り方向の無線信号は必要があればアンプ30で増幅し、分配器3により信号を分配し、有線線路4によりリモート基地局6,7に伝送する。本実施形態での有線線路は、同軸ケーブルを想定している。リモート基地局6,7には送信アンテナ8と受信アンテナ10が備えられ、図示していない移動局との無線通信を可能とする。
【0019】
送信アンテナ8と受信アンテナ10は、サーキュレータと組み合わせて、一つのアンテナで構成してもよい。上り信号はリモート基地局の受信アンテナ10により受信し、有線線路12により制御局1に伝送される。制御局1内には各リモート基地局からの信号を必要があれば、アンプ30で増幅し、スイッチ16,17を通して多重器18により1つの信号にまとめて、上りリンクの有線線路19に出力する。
【0020】
有線線路19は、図示されていないピコBS5内の無線信号復調器、あるいは、無線中継装置の送信アンテナ等の無線信号処理装置に接続されている。各有線経路12に対して、強度の大きい不要波や干渉波がリモート基地局に入射したかどうかを調べるために、分配器29において上り信号の一部を分岐し、監視装置14に入力する。監視装置14では上りリンクに含まれる無線信号等の強度を監視し、所定の強度以上が検出された場合はスイッチ16もしくは17を遮断する。監視は、例えば、無線通信サービスの帯域及び帯域外の強度を測定する。上りリンクにおいては、挿入されるアンプ31が飽和レベルに突入するような強度の信号が挿入されると、歪を発生させて伝送品質を著しく劣化させてしまう。
【0021】
符号分割多重アクセス(CDMA)の無線通信は、パワー制御が行われており、正常な無線通信が行われている場合には、強度が著しく大きい信号は混入しない。そのため、強度が著しく大きい信号は、他事業者の干渉波や、装置の故障などによる妨害波である可能性が高い。それらの影響を回避して、無線通信システム全体における伝送品質を確保することは重要である。また、監視装置14において、強度が所定以下にまで小さくなった場合は、再びスイッチ16、17を接続して、復旧させても良い。
【0022】
ここでの図1は、スイッチ16のみが遮断されている様子を示している。また、リモート基地局の数は2以上であれば良く、監視装置14やスイッチ16,17の数はリモート基地局6,7の数と合わせる。このように各リモート基地局からの上り信号を監視し、所定の強度以上であればそのリモート基地局を切り離すことにより、受信した無線信号に、大きい強度の不要波や妨害波が混入した場合においても、無線通信システムの大部分は正常な動作を行う事が可能となる。本実施形態においては、スイッチ16、17を用いて特定の有線の無線信号を切り離しているが、スイッチの替わりにアンプの電源を停止するなどの方法でも良い。
(実施形態2)
図1ではリモート基地局6、7がパッシブな構成であるが、リモート基地局をアクティブにして、高性能化することもある。このような場合には、監視装置14やスイッチ16、17をリモート基地局6,7に分散配置させる事も可能であり、図2にこのような第2の実施形態を示す。図2の基本構成と信号の流れ方は図1と同じであり、図1と同一のものは同一符号を用いて示した。
【0023】
図1と異なる点は監視装置14とスイッチ16、17がそれぞれリモート基地局6,7に内蔵されている事と、リモート基地局にパワーアンプ(PA)32やローノイズアンプ(LNA)33を備え、送信出力や受信感度を高めている点である。監視装置14とスイッチ16,17をリモート基地局6,7に置く事により多重器18をリモート基地局6,7の近傍に設置し、上りリンクの有線線路12の全長を節約する事が可能となる。図2では下りの有線線路4も、分配器3をリモート基地局6、7の近傍に配置する同様の形態を取っているが、下りの有線線路の形態は、監視装置14とスイッチ16,17の場所に依存するものではない。(実施形態3)
図3に有線線路5及び12が光ファイバ26、27である第3の実施形態を示す。この実施形態において、1は制御局であり、下りリンクの有線線路2から入力された信号は光送信器20により光信号に変換される。光信号は光分配器21により分配され、光ファイバ26によりリモート基地局6,7に伝送する。リモート基地局6,7では光受信器22により光電変換し、送信アンテナ8から電波を放射する。
【0024】
上り信号はリモート基地局6,7の受信アンテナ10により受信し、光送信器23により光信号に変換される。光信号は光ファイバ27により制御局1に伝送される。制御局1では各リモート基地局6,7からの光信号を光受信器24により光電変換し、スイッチ16,17を通して多重器18により1つの信号にまとめて、上りリンクの有線線路19に出力する。制御局1内の光受信器24は入射した光信号のDC成分とAC成分をそれぞれ抽出する機能を有し、監視装置14において、これらのDC成分とAC成分の信号の強度を監視する。
【0025】
監視装置14の構成例を図4に示す。光信号のDC成分は、例えば、光受信器24内のフォトダイオード28に印加するバイアス電圧34から抵抗35を経由して流れる電流のDC成分を、パワーモニタ37で抽出すれば良い。また、AC成分はPD28の出力そのもの或はその一部である。従って、PD出力の一部を分配器21で分岐し、分岐したAC成分を、DCカットして抽出して、パワーモニタ36でレベル監視すれば良い。AC成分の大きさの監視はAC成分を包絡線検波することにより容易に行える。強い不要波や干渉波がリモート基地局6,7に入射した場合はAC成分が異常に増加するので、監視装置14はAC成分が所定値を超えた場合にスイッチ16もしくは17を遮断する。
【0026】
図3はスイッチ16のみが遮断されている様子を示している。このように各リモート基地局6,7からの上り信号のAC成分を監視し、所定の強度以上であればそのリモート基地局6,7を切り離すことにより、無線通信システムの大部分は正常な動作を行う事が可能となる。
【0027】
本実施形態では、スイッチ16、17を用いて特定の信号を切り離しているが、スイッチの替わりに光受信器24の電源を停止するなどの方法でも良い。また、監視装置15はDC成分が所定値以下であった場合に障害が発生したと判断する機能もあわせ持つものである。この場合の障害とは光ファイバ27の断線、リモート基地局6,7の光送信器23の故障、制御局1の光受信器24の故障などである。監視装置14は、警報送信装置38により、DC成分が所定値以下になった場合に警報信号を発し、必要があれば、管理センターに通知する等して、対応を促す。
【0028】
このような構成をとることにより、上りリンクの無線信号の伝送品質を劣化させる妨害波に対してシステム全体としての伝送品質を確保する、光ファイバ27の障害などに対して早急な対応を促すなどで、高い信頼性を提供することが可能となる。
(実施形態4)
ところで、光ファイバを用いて無線信号を伝送する場合、光コネクタの劣化などにより反射光が増大する場合がある。光伝送路中に反射点が複数存在するとファブリペロ共振器を形成し、半導体レーザの波長チャープとの相互作用により歪が増大する。歪はいろいろな帯域に発生するため、歪が大きく発生すると、下りリンクとして許容されている無線周波数以外の周波数帯で、スプリアス電波を放射してしまう可能性が生じる。このようなことになると他の無線システムに悪影響を与えることとなるので、極めて重大な障害となる。
【0029】
そこで、本実施形態では、下りリンクである光ファイバ26において、制御局1内に反射光を検出し監視する装置40を備え、上述のような光ファイバにおける反射などによる障害の発生を検知する構成を説明する。図5にこの実施形態の構成例を示す。
【0030】
図3と同一のものは同一符号を用いて示した。制御局1の光送信器20の出力は2×1の光分配器25を通し光分配器21に接続する。光分配器21は1×Nのタイプであるが、2×Nのタイプを用いて光分配器25と光分配器21を一緒にすることも可能である。光分配器25の残りの一端はE/O変換器39に接続し、光ファイバ26からの反射光を検出する。反射光の強度レベルは監視装置40で監視し、反射光強度が所定の値以上であれば、光送信器20を停止させる。
【0031】
このようにして、他の無線システムに悪影響を与えることが避けられる。反射光を簡易に検出するには、戻り光のDC成分を見ていても良いが、光ファイバのレーリ散乱のために、反射の有無を検知するほどの高感度化は困難である。したがって、下り信号には、図示していない移動端末局を制御するための制御信号が常に存在するので、フィルタにより制御信号部分を抽出し、AC成分を検出すれば精度を高めることが可能である。
【0032】
AC成分を検出する方法はレーリ散乱の影響が少ないので、光ファイバ26の長さに依存することなく反射光のレベルを定めることが可能となる。AC成分を検出する方法であれば反射光の所定のレベルとして−30dB程度に定めることができる。
(実施形態5)
図6に第5の実施形態を示す。第1〜第4の実施形態においては、全てのリモート基地局6,7について監視を行ったが、図6に示すように光ファイバ26,27と同軸ケーブル4、12のハイブリッドの伝送形態も考えられる。図6においては、幾つかのリモート基地局6,7をグループに統合して、各グループに対して、妨害波及び干渉波の有無、断線の有無を監視する。
【0033】
制御局1からの各リモート基地局6,7への下り無線信号は光送信器20により光信号に変換される。光信号は光分配器21により分配され、光ファイバ26により中継局41,42に伝送する。中継局41,42では光受信器22により光電変換し、中継局41、42に同軸ケーブル12で接続されている複数のアンテナ素子8に、カプラ43で、受信した無線信号を分配し、各アンテナ8より電波を放射する。
【0034】
同様に複数のアンテナ10で受信した無線信号を、中継局41、42に同軸ケーブル12、カプラ43を介して伝送する。アンテナ8とアンテナ10は、サーキュレータやデゥプレクサと併用して同一としてもよく、同軸ケーブル4と同軸ケーブル12においても、同一として双方向伝送としてもよい。
【0035】
中継局41,42においては、各アンテナ素子10の上り信号を、光送信器23により光信号に変換し、光信号は光ファイバ27により制御局1に伝送される。制御局1では各中継局41,42からの光信号を光受信器24により光電変換し、スイッチ16,17を通して多重器18により1つの信号にまとめて、上りリンクの有線線路19に出力する。制御局1内の光受信器24は、第1〜第4の実施形態と同様に、入射した光信号のDC成分とAC成分をそれぞれ抽出する機能を有し、監視装置14を備える。強い不要波や干渉波が中継局41、42に入射した場合はAC成分が異常に増加するので、監視装置14はAC成分が所定値を超えた場合にスイッチ16もしくは17を遮断する。監視装置14は、第4の実施形態と同様に、DC成分が所定値以下であった場合に障害が発生したと判断する機能もあわせ持つものである。
【0036】
屋内に配置するリモート基地局は、建物の大きさによっては40〜50局、配置する場合がある。そのような場合に一つ一つを監視しても勿論よいが、リモート基地局を幾つかのグループに分割して、監視効率を高めることも、無線通信装置全体の構成規模を小さくする上では重要である。また多数のリモート基地局を配置する場合は、近接のリモート基地局は、同じような伝搬環境にあることが多く、共通の干渉波,妨害波を受信することがある。したがって、屋内の建物の構成によっては、第5の実施形態のような複数リモート基地局のグループ化でもよい。
(実施形態6)
図7に第6の実施形態の原理を説明する図を示す。この実施形態の構成は、第3の実施形態で示した図3と、監視装置14の動作内容以外、構成は同じである。第3の実施形態と大きく異なる点は、第3の実施形態においては、監視装置14は、光信号を受信した際の受信信号のDC成分とAC成分を監視していたが、この実施形態では、監視装置14は、受信信号のDC成分のみを監視していることである。光アナログ伝送においては、妨害波の有無、及び断線の有無を、DC成分のみの監視で可能であることを説明する。
【0037】
雑音レベルにが受信感度劣化に結びつくような、移動通信の無線信号を収容する光アナログ伝送においては、レーザ44は、信号と電流源46からのバイアス電流Ibをバイアスティで加算した変調信号で変調され、通常、レーザ44の光変調度は1.0を超えないように設定する。光変調度が1.0を超えると、レーザ44のもつ相対強度雑音特性が劣化したり、歪特性が急激に劣化するなど、無線信号の伝送品質を著しく劣化させる。図7に示すように、光変調度が1.0を超えた場合、つまり信号振幅がレーザ44のしきい電流値Ithを超えた場合、信号がクリッピングされることになる。このような変調を過変調と呼ぶが、過変調が起こると、前述したように、レーザ44の雑音及び歪特性が急激に劣化する。
【0038】
したがって、光ファイバ45を経由して、PD28で受信した信号の雑音及び歪特性も劣化する。一つのリモート基地局6,7において、このような過変調が定常的に発生すると、制御局1側においては、各リモート基地局6,7から光伝送されてきた受信信号を合成するため、合成信号としての雑音特性までもが劣化することになる。つまり、良好な伝送品質を保つためには、光変調度1.0以下に常にあることが重要である。
【0039】
ここで、リモート基地局6,7において、妨害波である不要波が混入したとする。この不要波の強度がそれほど大きくなく、過変調を起こさないレベルであれば、無線通信システム全体に対して、大きな伝送品質の劣化は与えない。しかし、この不要波が過変調を引き起こす強度レベルの場合は、その発生を検知して、他リモート基地局6,7の伝送特性に対して影響を回避することが重要である。本実施形態においては、この過変調が発生するような不要波の存在に対して監視を行い、そのような不要波が存在した場合は、該当するリモート基地局6,7を他リモート基地局から分離する手段を説明する。
【0040】
過変調が引き起こされると、無線信号の下波形がクリッピングされることになる。その際、図7に示されるように、光信号の平均レベル、つまりDCレベルは、ΔPave分、増加することになる。従って、制御局1側において、光信号の受信信号におけるDC成分を監視していれば、過変調を引き起こすような強度が大きい不要波の存在が検知できることになる。
【0041】
また、第3の実施形態と同様に、光信号の受信信号のDCレベルを監視していて、DC成分が減少した場合は光ファイバ45のどこかで損失が増えていることであり、つまりΔPaveが減少すれば、光ファイバ27に障害48が発生した事態と考えられる。つまり、本実施形態においては、光信号の受信信号においてDC成分のみを監視することで、伝送品質を劣化させるほどの大きい強度の不要波の有無、光ファイバ27における障害及び断線を検知できることになり、簡単な監視機能で様々な劣化要因を検知できることになる。
【0042】
勿論、第3の実施形態で述べたように、AC成分を監視することで確実に不要波の存在がわかるが、AC成分の監視は、あらゆる帯域に対して行う必要があり、広帯域に対しては構成がやや複雑になることがある。但し、本実施形態の特徴として、過変調はどの帯域の不要波においても、DC成分の増加として現れるので、どのような帯域の不要波に対しても、過変調を起こすような大きい強度であれば、簡易に発見することが可能であり、監視装置14の構成規模も小さくすることが可能となる。
【0043】
以上の第1〜第6の実施形態において、制御局1に有線線路2、19を介して、他基地局の無線信号を受信し再送信する、あるいは、受信した信号を基地局あてに再送信する無線中継装置9の場合を想定する。特に、複数のアンテナ10で受信し、その合成波を基地局に再送信する上りリンクにおいて、不要波や妨害波を受信して、そのまま空間に再送信すると、他のエリアの移動端末に対して、干渉を増加させることになり、広いエリアにわたり、無線通信の伝送品質を劣化させることになる。
【0044】
しかしながら、本発明によれば、各リモート基地局6,7、あるいは各中継器41,42から伝送されてくる信号の監視を行うことで、不要波、妨害波が存在した場合は、空間に再送信することなく遮断し、無線通信システム全体の伝送品質を維持することが可能となる。また、妨害波や不要波が存在するリモート基地局6,7あるいは中継局41,42は特定することが可能であり、保守・管理の面においても、障害のある線路個所を特定できる利点は大きい。
【0045】
また、上りリンクにおいて、複数のリモート基地局からの無線信号を合成する場合、特に、信号のアクセス方式が符号分割多重(CDM)の場合、単純に合成するよりも、各リモート基地局において、1チップ以上の遅延差があったほうが、伝送品質的に良好となる。特に近接しているリモート基地局では、同一の移動端末からの無線信号を受信している可能性がある。そのような場合、遅延差なく合成されると、フェージングによる伝送品質劣化が大きい。しかしながら、1チップ以上の遅延で合成されると、復調する際に、RAKE受信によりそれぞれの無線信号を分離して、合成することが可能となり、フェージングの影響を緩和できる。つまり、本発明の無線通信システム構成をCDMの無線信号に適用し、1チップ以上の遅延差を設けて合成することは、無線信号自体の伝送品質改善とともに、障害、妨害波などによる伝送品質劣化を回避できるため、高品質および高信頼な無線通信システムが提供可能となる。
【0046】
本発明を各実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更し得ることは勿論である。
【0047】
屋内や地下街に配置する複数のリモート基地局を制御局に収容し、各リモート基地局からの受信信号を合成する際、リモート基地局のなかの1つでも強度の強い妨害波等を受信した場合や、リモート基地局内に具備した増幅器が発振して同一帯域に不要波が発生した場合、他のリモート基地局で受信した無線信号の伝送品質まで劣化させることになる。しかしながら、本発明における無線通信装置は、各リモート基地局の信号を制御局側において、各リモート基地局から送信されてきた信号を、合成する前に、それら信号のAC成分やDC成分を監視して、妨害波などの存在や断線等を検知した際、該当するリモート基地局を、他リモート基地局と分離する。したがって、任意のリモート基地局における、故意な妨害や装置の故障などによる影響から、他リモート基地局の伝送品質の劣化を回避し、信頼性の高い無線通信インフラを提供することを可能とする。
【0048】
特に、制御局から無線変復調部を含む基地局に無線で中継するリピータにおいては、妨害波等の存在は、空間に送出する信号成分を劣化され、基地局でカバーする全てのエリアの伝送品質を劣化させることにつながる。従って、本発明による各リモート基地局の状態を把握することは、広いエリアに渡り、無線通信の伝送品質を保つことが可能となる。複数のリモート基地局と制御局間の有線に多芯の光ファイバを用いて、1本の有線ケーブルの敷設でありながら、複数のリモート基地局を制御局まで分離した状態で伝送することが可能であり、本発明を適用することで、高い信頼性の複数のリモート基地局を提供することを可能とする。
【0049】
【発明の効果】
結局、本発明によれば、制御基地局と複数のリモート基地局が分岐・合成により接続されるシステムにおいて、干渉波、不要波など妨害波の悪影響が少ないうえに、断線に対しての監視も可能とし、信頼性の高い無線通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態における監視装置の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施形態の構成を示す図。
【図6】本発明の第5の実施形態の構成を示す図。
【図7】本発明の第6の実施形態の原理を示す図。
【符号の説明】
1・・・制御局、2・・・下りリンク有線線路、3・・・分配器、4・・・下りリンク同軸ケーブル、5・・・ピコBS、6,7・・・リモート基地局、8・・・送信アンテナ、10・・・受信アンテナ、11・・・有線線路、12・・・上りリンク同軸ケーブル、13・・・無線送受信信号、14・・・監視装置、15・・・カプラ、16,17・・・スイッチ、18・・・合成器、19・・・上りリンク有線線路、20・・・E/O変換器、21・・・光カプラ、22,24・・・O/E変換器、23・・・E/O変換器、25・・・光カプラ、26,27・・・光ファイバ、28・・・フォトデテクター、29・・・分配器、30,31・・・アンプ、32・・・PA、33・・・LNA、34・・・バイアス電圧源、35・・・抵抗、36・・・AC成分パワーモニタ、37・・・DC成分パワーモニタ、38・・・警報送信装置、39・・・O/E変換器、40・・・戻り光監視装置、41、42・・・中継局、43・・・カプラ、44・・・レーザ、45・・・光ファイバ、46・・・電流源、47・・・バイアスティ。
Claims (4)
- 複数のリモート基地局を有線で制御基地局に収容する無線通信装置において、
前記リモート基地局の無線信号を監視する監視手段と、
前記各無線信号を多重する手段と、
前記各無線信号の中の特定の信号を他の信号から分離する手段を具備し、
前記監視手段において、所定の強度以上の無線信号を検知したとき、該所定の強度以上の無線信号を出力している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局から分離することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1記載の無線通信装置において、
前記有線は光ファイバであり、
前記制御局は、前記リモート基地局から前記光ファイバを介して光伝送されてくる信号を受信し、前記受信信号のAC成分およびDC成分を監視する手段と、
前記受信信号を合成多重する手段と、
前記受信信号の中の特定の信号を他の信号から分離する手段を具備し、
前記AC成分が所定の強度以上を検知したとき、前記受信信号を送信している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局と合成多重せずに分離し、
前記DC成分が所定の強度以下であることを検知したとき、有線系に障害が発生したと判断し、警報信号を発生することを特徴とする無線通信装置。 - 1つ以上のリモート基地局を光ファイバで制御基地局に収容する無線通信装置において、
前記制御基地局には無線信号を光信号に変換する光送信器を備え、
該光送信器は、前記光ファイバに光信号を送出し、前記光ファイバからの反射光を検出する手段を具備し、反射光が所定の強度以上であることを検知した際に、光送信を遮断することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1記載の無線通信装置において、
前記有線は光ファイバであり、
前記制御局は、前記リモート基地局から前記光ファイバを介して光伝送されてくる信号を受信し、前記受信信号のDC成分のみを監視する手段と、前記受信信号を合成多重する手段とを具備し、
前記DC成分が所定の強度以上の受信信号を検知したとき、前記受信信号を送信している第1のリモート基地局を、他のリモート基地局と合成多重せずに分離する手段と、
前記DC成分が所定の強度以下であることを検知したとき、有線系の障害が発生したことを判断する手段と、
第1のリモート基地局と制御局間の接続が遮断する手段とを具備することを特徴とする無線通信装置。
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