JP3618663B2 - 情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置 - Google Patents
情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置に関し、特に、光ディスク等の情報記録再生媒体に生じた欠陥を管理する方法を利用して不正コピーを防止することが可能な情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オーディオやビデオなどのデジタルコンテンツを記録再生するための情報記録再生媒体と、この情報記録再生媒体にデジタルコンテンツを記録するとともに、記録されたデジタルコンテンツを再生するための情報記録再生装置に関する技術が急速に発展してきた。
これに伴い、著作物としてのデジタルデータの複製が問題とされるようになり、不正コピーを防止するためのコピープロテクション技術が用いられるようになってきた。
特に、最近の高度なコピープロテクション技術を用いた例としては、DVDビデオディスクがあり、このDVDビデオディスクには、複雑な暗号化技術が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、DVDビデオディスクの複雑な暗号化システムは、不正コピーに対して有効に機能している。
しかしながら、高度な暗号化を実現するためには、システムが複雑化して起動に長時間を要するという問題があった。また、コピープロテクト処理のためのハードウェアやソフトウェアが必要となり、コストアップにつながるという問題もあった。
【0004】
本発明は、前述した事情に鑑み提案されたもので、情報記録再生媒体に対して、複雑な暗号化システムを用いることなく、簡単かつ強力に不正コピーを防止することが可能な情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置は、前述した目的を達成するため、以下の特徴点を備えている。
【0006】
すなわち、本発明の情報記録再生装置は、予め定められた記録領域であるデータ領域、スペア領域および欠陥リストを有する情報記録再生媒体に対して情報を記録再生するための情報記録再生装置において、
発生した欠陥を記録再生の単位であるセクタ単位で管理する手段を有し、正常なセクタを意図的に欠陥登録することにより、不正コピーされた情報記録再生媒体であるか否かを判断することを特徴とするものである。
【0007】
この情報記録再生装置において、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上のセクタの位置を、欠陥登録数に基づいて求めることが好ましい。
【0008】
また、欠陥登録数に基づいて求めた、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上の位置が、欠陥が連続する部分であった場合に、欠陥が不連続となる部分まで意図的に欠陥登録するセクタの位置を移動させることが好ましい。
【0009】
本発明の情報記録再生媒体は、予め定められた記録領域であるデータ領域、スペア領域および欠陥リストを有する情報記録再生媒体において、
発生した欠陥を記録再生の単位であるセクタ単位で管理する手段により、正常なセクタを意図的に欠陥登録したことを特徴とするものである。
【0010】
この情報記録再生媒体において、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上のセクタの位置を、欠陥登録数に基づいて求めることが好ましい。
【0011】
また、欠陥登録数に基づいて求めた、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上の位置が、欠陥が連続する部分であった場合に、欠陥が不連続となる部分まで意図的に欠陥登録するセクタの位置を移動させることが好ましい。
【0012】
本発明の情報記録再生装置のホスト装置は、前記情報記録再生装置内に装入された情報記録再生媒体に対して、コピーが禁止されているか否かを判断し、コピーが禁止されていると判断した場合に、意図的に欠陥登録されたセクタを検査するためのコマンドを発行することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係る情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報記録再生装置およびそのホスト装置を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る情報記録再生装置およびそのホスト装置は、図1に示すように、情報記録再生媒体として着脱可能な光ディスク1を用いるものであり、ホスト装置10からのリード/ライト等の命令、コマンド実行結果を示すステータス、およびその他のデータの送受信を行うためのホストI/F制御部9と、この光ディスク記録再生装置の動作を制御するためのシステムコントロールマイコン8と、誤り訂正符合を付加したり、誤り訂正を検出するためのECC回路7と、このECC回路7のワーク領域であるECC用メモリ6と、記録再生データを格納するための記録再生バッファ5と、光ディスク1に対してデータの記録再生を行うための記録再生ヘッド2と、光ディスク1のサーボ制御を行うためのサーボ制御部3と、サーボ制御部3と連携しながら、光ディスク1に対してデータを記録再生するためのデータ変復調部4とを備えて構成されている。
【0015】
本実施形態では、光ディスク1の誤り訂正の最小単位を1ECCブロックと呼ぶ。ホスト装置10が管理しているデータの最小単位は、図2に示すように、誤り訂正の最小単位である1ECCブロックよりも小さく、1ECCブロックの1/16のサイズである。これを1セクタと呼ぶ。セクタには、光ディスク1上で一意に識別されるアドレスが割り振られている。
【0016】
ホスト装置10からのリード/ライトコマンドにより、光ディスク1上においてリード/ライトを行いたい開始位置と、リード/ライトを行いたいデータのサイズが指定される。
ホスト装置10が管理しているデータの最小単位は1セクタであるため、光ディスク1に対して記録再生を行うことができるのは、1ECCブロック単位であるにもかかわらず、ホスト装置10からのリード/ライト等のコマンドは、開始位置もデータのサイズもECCブロックと無関係にセクタ単位で指定されることになる。
【0017】
記録再生バッファ5は、データを一時的に格納するためのRAMであり、光ディスク1の記録再生速度とホスト装置10のデータ転送速度との差を吸収する。
記録再生バッファ5の一部は、管理情報の格納にも利用され、光ディスク1上のDMAを一時的に格納する。
また、システムコントロールマイコン8は、光ディスク1上に存在するDMA等の管理情報を読み出して、記録再生バッファ5に格納し、新たに欠陥セクタを検出した場合などに、光ディスク1上の管理情報であるDMAの内容を更新して、欠陥管理を行っている。
【0018】
次に、本実施形態で用いる光ディスク1の構造を説明する。
図3は、光ディスク1の構造を示す模式図である。
光ディスク1は、図3に示すように、その内周より外周に向かって、バンド0からバンド19という20個の領域に区切られている。最内周のバンド0と最外周のバンド19には、この光ディスク1に記録するために最適なレーザーパワーの出力を求めるための基準値等、記録再生に必要な情報が格納されているControl Trackと、このControl Trackに格納された基準レーザーパワーを用いて実際に光ディスク1に記録再生を試みることにより、レーザーパワーの出力値を微調整するためのBuffer Trackが設けられている。
【0019】
バンド1とバンド18には、欠陥管理を行うためのDMA領域が合計4箇所に設けられている。これらのDMA領域では、DMA領域自身に欠陥が発生した場合に備え、4箇所とも同一のデータが複製して記録されている。DMA領域中には、光ディスク1の定義構造を示したDDS、1次欠陥リスト(PDL)および2次欠陥リスト(SDL)の領域が含まれている。
【0020】
PDLの先頭には、PDL領域であることを示すIDと、登録されているPDLエントリの数と、欠陥セクタアドレスを示すPDLエントリが登録されている。このPDLエントリは、セクタアドレスの昇順で登録されている。
SDLの先頭には、SDL領域であることを示すIDと、登録されているSDLエントリの数と、欠陥アドレスと代替アドレスの関係を示すSDLエントリが登録されている。このSDLエントリは、欠陥アドレスの昇順で登録されている。
【0021】
バンド2からバンド17は、データを記録再生するための書き換え可能な領域で、各バンド毎に発生した欠陥を代替するためのスペア領域が用意されている。
光ディスク1を情報記録再生装置に装入すると、情報記録再生装置内のRAM(記録再生バッファ5の一部)にDMA構造がロードされる。この瞬間に、システムコントロールマイコン8は、欠陥数を知ることができる。
【0022】
次に、本実施形態で使用する欠陥管理方法について簡単に説明する。
従来の磁気光ディスク等では、光ディスク1上の特定の場所に予め代替領域を設けておき、欠陥などによってデータの書き込みエラーが発生した場合に、その代替領域にデータを記録することにより欠陥を管理していた。
最近の大容量の光ディスク1等でもこの欠陥管理方法が用いられており、リニアリプレースメントアルゴリズムと呼ばれている。この欠陥管理方法を実現するために、光ディスク1の特定の位置に、欠陥のあるセクタ位置と代替先のセクタ位置の関係を示す欠陥管理テーブル(SDL)が設けられている。
【0023】
また、この欠陥管理方法とは別に、セクタスリッピングアルゴリズムという欠陥管理方法もある。
この欠陥管理方法では、光ディスク1のフォーマット時に、光ディスク1全体を再生してみて、どのセクタに欠陥があるかを検査し、欠陥セクタの位置を欠陥管理テーブル(PDL)に登録しておくサーティファイと呼ばれる作業を行う。
【0024】
データの記録再生時には、図4に示すように、この欠陥セクタをずらした形でECCブロックが構成される。また、一度データを記録してしまうと、このECCブロックの区切りは変更できなくなるため、フォーマット後の光ディスク1において、記録再生時に新たに発生した欠陥は、この欠陥管理方法では登録することができない。この場合には、前述したリニアリプレースメントアルゴリズムを用いて欠陥を登録することになる。
しかしながら、このリニアリプレースメントアルゴリズムは、記録エラーが発生した際や、SDLに登録されたセクタを再生する際に、代替領域まで記録再生ヘッドを往復移動させなければならない。
【0025】
ビデオや音楽などのようにリアルタイム性が要求されるストリームデータの場合は、高い実効転送レートを維持するために、ヘッドの移動は極力避けなければならない。
したがって、動画などのストリーム系のデータを記録再生する場合は、リニアリプレースメントアルゴリズムは使用せずに、セクタスリッピングアルゴリズムのみに頼ることが多い。前述したように、リニアリプレースメントアルゴリズムは、フォーマット後に発生した欠陥に対して対応できないため、ストリーム系データに対しては、欠陥によるある程度のデータの欠損は許容することになる。しかしながら、ある程度のデータの欠損を許容したとしても、画面や音声が瞬間的に乱れるだけに留まるので、さほど問題とはならない。
【0026】
一方、光ディスク1上の管理情報の記録再生においては、データが正確に記録再生可能とされることが絶対条件である。この場合は、リアルタイム性を要求されるわけではないので、セクタスリッピングアルゴリズムに加えて、リニアリプレースメントアルゴリズムも用いている。
【0027】
本実施形態では、上記2種類の欠陥管理方法のうち、セクタスリッピングアルゴリズムを利用して、コピープロテクションを行っている。
前述したように、セクタスリッピングアルゴリズムにおいては、欠陥セクタの管理はPDLを用いて行う。すなわち、図4に示すように、PDLに登録されたセクタは、飛ばされてECCブロックを構成することになる。
本実施形態では、このPDLに対して、欠陥ではない正常なセクタを意図的に登録することにより、通常の方法では読み出すことのできないセクタを埋め込む。このように、意図的に登録され、通常の方法では読み出すことができないセクタを隠しセクタと呼ぶ。
【0028】
図5は、複製が禁止された光ディスクを再生する様子を示す説明図である。図5に示す光ディスクでは、正常なセクタを意図的にPDLに登録している。
本実施形態で用いるコピープロテクションにおいて、隠しセクタの内容は、直後の正常なセクタと同一の内容が記録されている。図5に示す例では、隠しセクタの内容は、直後に位置するセクタ4と同一である。
【0029】
通常、この隠しセクタを含むECCブロック部分を再生すると、セクタスリッピングアルゴリズムによりPDLに登録されたセクタが飛ばされて、正常にECCブロックが再生できる。
ホスト装置10より、隠しセクタの存在を検査するように要求があると、情報記録再生装置は、PDLのエントリの一つとして登録してある隠しセクタの代わりにその次のセクタを欠陥として飛ばして再生してみる。
【0030】
不正コピーでないオリジナルの光ディスク1では、この隠しセクタは、直後の正常なセクタと同一の内容が記録されているので、直後の正常なセクタを欠陥セクタとして飛ばして再生したとしても、正常なECCブロックとして再生することができる(図5参照)。
ところが、不正コピーした光ディスク1では、図6に示すように、隠しセクタが存在しないので、直後のセクタの代わりに隠しセクタを再生してもECCエラーとなってしまう。
これを利用し、不正コピーした光ディスク1と、オリジナルの光ディスク1とを峻別することができる。
【0031】
なお、図5に示す光ディスク1の構成と、図6に示す光ディスク1の構成とでは、PDLエントリNおよびN+1のセクタ位置が異なっている。これは、欠陥セクタの発生位置が、光ディスク1毎に異なっているためである。
【0032】
次に、隠しセクタの位置の計算方法について説明する。
隠しセクタの位置を固定してしまうと、第三者によってコピープロテクトを破られる可能性が高くなるため、本実施形態では、下記の式に基づいて求めたエントリ番号を基準として、光ディスク1毎に隠しセクタの位置を変更している。
【0033】
PDLエントリ番号=(PDLエントリ数×k)を整数化した値・・・(1)
ただし、(0<k<1:本実施形態では、k=0.2を用いる)
隠しセクタの位置を決定するには、上記式(1)に基づいて求めたPDLエントリ番号よりも後方に存在し、そのアドレスの前後1セクタが正常であるセクタを探し、そのエントリ番号に登録されたアドレスを隠しセクタとする。
【0034】
ところで、全ての通常のPDLエントリの後方に隠しセクタを置くようにすれば、単純に隠しセクタの位置を決めることができる。しかしながら、隠しセクタを通常の欠陥セクタの中に紛れ込ませた方が、セクタ位置を求める方法が複雑となり、より不正コピー防止の効果を高めることができる。
【0035】
情報記録再生装置が起動されると、システムコントロールマイコン8は、光ディスク1が装着されているか否かを確認し、光ディスク1が装着されていれば、光ディスク1上のDMA領域を読み込み、その中のDDSの内容を調べる。
DDSから光ディスク1がフォーマットされていることが確認されたら、次にPDLに登録された欠陥セクタの数を取得する。
【0036】
ここで、PDLに登録された欠陥セクタの登録数が「32」であるとし、隠しセクタ位置を決定する係数kの値を「0.2」とする。
上記式(1)にこれらの値を代入すると、式(1)の値が「6」となるので、隠しセクタの位置は、PDLに登録された7番目のエントリ6に登録されたアドレスとなる。このアドレスを(A)とする。
【0037】
情報記録再生装置は、ホストインターフェースコマンドの一つとして、隠しセクタ検査コマンドを有しており、情報記録再生装置がホスト装置10から当該コマンドを受け取ると、隠しセクタ位置を含むECCブロックを前述した方法を用いて検査して、結果をホスト装置10に返す。
【0038】
次に、不正コピーのチェック方法を説明する。
情報記録再生装置が、単独で、隠しセクタが存在しない光ディスク1を不正コピーされた光ディスク1とみなしてアクセスを禁止してしまうと、ユーザーが通常に記録したコピーフリーの光ディスク1まで再生できなくなってしまう。
したがって、不正コピーされた光ディスク1をチェックする必要があるか否かは、ホスト装置10が判断しなければならない。
このため、光ディスク1内のファイルの種類や内容を管理するテーブル(これをアプリケーション管理情報と呼ぶ)の一部に、光ディスク1のコピーを許可しているか否かを示す部分を設けておく。
【0039】
ホスト装置10は、情報記録再生装置の起動が完了すると、アプリケーション管理情報を読み込み、この中のコピー許可フラグを調べる。
ここで、コピーが許可されていれば、そのまま、データの記録再生を続けることができる。しかし、コピーが禁止されている内容であると判断した場合には、ホスト装置10から情報記録再生装置に対して、隠しセクタ検査コマンドを発行して、隠しセクタの存在を確認するよう要求する。
【0040】
情報記録再生装置は、上述した式(1)に基づいて求めた位置に隠しセクタが存在しているか否かを確認し、結果をホスト装置10に返す。これにより、ホスト装置10は、装着されている光ディスク1が不正コピーしたものか否かを判別することができる。
不正コピーした光ディスク1であることが判明した場合には、それ以上のその光ディスク1に対するアクセスはできなくなる。この場合、ホスト装置10に液晶表示装置等からなる表示部を設けておき、当該表示部に不正コピーされた光ディスク1であるためアクセスが禁止された旨の警告を表示することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、ホスト装置10において、光ディスク1がコピーを許可されたものであるか否かを認識する手段は特に規定しておらず、どのような手段を用いてもよい。
【0042】
情報記録再生装置は、ホスト装置10からの指示により、要求された光ディスク1上の位置にデータを読み書きするだけであり、データの内容には関知しない。
データの内容を認識するのは、情報記録再生装置からデータを受け取ったホスト装置10であるため、コピー可否の情報は必ずしもアプリケーション管理情報の中に存在させる必要はない。
コピー可否の情報をアプリケーション管理情報の一部に埋め込んだ場合には、第三者にその場所が特定されてしまうと、意図的にコピー許可された光ディスク1を装う改変がなされるおそれがある。このような不都合を防止するために、データ本体の一部にコピー可否の情報を埋め込む等の方法を採用してもよい。
【0043】
コピーを禁止されている光ディスク1の複製をファイル単位で試みた場合、コピーして出来上がった光ディスク1にはコピー禁止情報も複製されてしまうので、その光ディスク1の内容に対応したホスト装置10で、不正コピーした光ディスク1にアクセスしようとしても、上述したように隠しセクタ検査コマンドがホスト装置10から発行されてしまうので、使用することはできない。
【0044】
次に、コピーを禁止した光ディスク1の作成手順について説明する。
コピーを禁止した光ディスク1は、通常の情報記録再生装置では作成することができず、通常の情報記録再生装置に隠しセクタを埋め込むことができる機能を付加した装置を用いて作成する。これは、光ディスク1の製造業者用の装置であり、一般のユーザーは入手できないようになっている。
隠しセクタは、光ディスク1のフォーマット時にしか埋め込むことができないため、不正コピーした光ディスク1に対して後から隠しセクタを付加することは、製造業者用の装置でも行うことはできない。
【0045】
図7に基づいて、コピーを禁止した光ディスク1の作成手順を説明する。
コピーを禁止した光ディスク1を作成するには、図7に示すように、まず、通常の場合と同様に光ディスク1全体のサーティファイを行う(S1)。
次に、PDLに登録されたエントリ総数を取得し(S2)、上述した計算式(1)に基づいて隠しセクタ位置の基準となるエントリ番号Nを求める(S3)。
次に、エントリ番号Nに登録された欠陥アドレスとN+1に登録された欠陥アドレスとの間に、3セクタ以上の隙間が存在するか否かを判断する(S4)。
ここで、3セクタ以上の隙間が存在する場合には、エントリ番号Nに登録されたセクタアドレスに「2」を加えたアドレスを隠しセクタとする(S5)。
【0046】
ところで、図8に示すように、エントリNに登録されたセクタアドレス付近に欠陥が集中している場合に、エントリNより後ろに発見された最初の3セクタ以上の隙間を隠しセクタにしてしまうと、図9に示す位置が隠しセクタになってしまう。
情報記録再生装置は、エントリNの登録アドレスより後方に存在し、前後1クラスタが正常である最初のアドレスが登録されているエントリを、隠しセクタのアドレスと判断する。したがって、図9に示すように隠しセクタを登録すると、実際には、(A)で示すセクタ位置を隠しセクタであると判断してしまう。
【0047】
このような不都合を防ぐために、図8に示すように、エントリNに登録されたセクタから、最初の3セクタ以上の隙間までの間の1セクタと2セクタの隙間は、正常なセクタであっても欠陥セクタとして登録すればよい。
すなわち、図7において破線で囲んだように、エントリ番号Nに登録された欠陥アドレスとN+1に登録された欠陥アドレスとの間に、3セクタ以上の隙間が存在しない場合には、PDLエントリNの欠陥とN+1の欠陥との間に1セクタ以上の隙間が存在するか否かを判断し(S10)、1セクタ以上の隙間が存在する場合には、エントリNに登録された欠陥の直後の正常セクタをエントリN+1として欠陥登録する(S11)。
【0048】
こうして、Nに「1」を加算しながら(S12)、3セクタ以上正常なセクタが連続する部分を発見できたら、そのエントリ番号Nに登録されたセクタアドレスに「2」を加えたアドレスを隠しセクタとして(S5)、エントリN十1に登録する(S6)。
その後、この光ディスク1に本来記録すべき内容を記録する(S7)。
内容の記録が完了したら、隠しセクタを含むECCブロックを読み出し(S8)、隠しセクタを欠陥とする代わりに直後のセクタを欠陥として、ECCブロックを記録する(S9)。
以上の手順により、隠しセクタを埋め込んでコピーを禁止した光ディスク1を作成することができる。
【0049】
なお、本実施形態において、隠しセクタアドレスは、エントリNに登録されたアドレスに「2」を加えたアドレスとしたが、エントリNに登録されたアドレスとエントリN+2に登録されたアドレスに4セクタ以上の隙間がある場合には、前後を正常なセクタで挟むという条件を満たせば、隠しセクタアドレスをランダムなものとしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の情報記録再生装置、これに使用する情報記録再生媒体、および情報記録再生装置のホスト装置によれば、欠陥管理手段を利用していながら、欠陥管理手段の作用を何ら妨げていないため、情報記録再生媒体および情報記録再生装置の規格に対して、不正コピーの防止に関する規定がなされていない場合であっても、不正コピーを防止するための手段として利用することができる。
【0051】
また、既に規格化されている情報記録再生媒体に対しても、本発明を応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録再生装置およびホスト装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ECCブロックとセクタとの関係を示す説明図である。
【図3】光ディスクの構成を示す模式図である。
【図4】スリッピングとECCブロックの関係を示す説明図である。
【図5】複製が禁止された光ディスクを再生する様子を示す説明図である。
【図6】不正コピーされた光ディスクを再生する様子を示す説明図である。
【図7】コピーを禁止した光ディスクの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】エントリNに登録された欠陥の直後に3セクタ以上隙間がない場合を示す説明図である。
【図9】隠しセクタ位置誤検出の対策をしない場合を示す説明図である。
【図10】隠しセクタ位置誤検出の対策をした場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
2 記録再生ヘッド
3 サーボ制御部
4 データ変復調部
5 記録再生バッファ
6 ECC用メモリ
7 ECC回路
8 システムコントロールマイコン
9 ホストI/F制御部
10 ホスト装置
Claims (5)
- 予め定められた記録領域であるデータ領域、スペア領域および欠陥リストを有する情報記録再生媒体に対して情報を記録再生するための情報記録再生装置において、
発生した欠陥を記録再生の単位であるセクタ単位で管理する手段を有し、
正常なセクタを意図的に欠陥登録することにより、不正コピーされた情報記録再生媒体であるか否かを判断し、前記欠陥登録する情報記録再生媒体上のセクタの位置を、欠陥登録数に基づいて求めることを特徴とする情報記録再生装置。 - 欠陥登録数に基づいて求めた、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上の位置が、欠陥が連続する部分であった場合に、欠陥が不連続となる部分まで意図的に欠陥登録するセクタの位置を移動させることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
- 予め定められた記録領域であるデータ領域、スペア領域および欠陥リストを有する情報記録再生媒体において、
発生した欠陥を記録再生の単位であるセクタ単位で管理する手段により、正常なセクタを意図的に欠陥登録する媒体上のセクタの位置を、欠陥登録数に基づいて求めることを特徴とする情報記録再生媒体。 - 欠陥登録数に基づいて求めた、正常なセクタを意図的に欠陥登録する情報記録再生媒体上の位置が、欠陥が連続する部分であった場合に、欠陥が不連続となる部分まで意図的に欠陥登録するセクタの位置を移動させたことを特徴とする請求項3記載の情報記録再生媒体。
- 請求項1又は2記載の情報記録再生装置内に装入された情報記録再生媒体に対して、コピーが禁止されているか否かを判断し、コピーが禁止されていると判断した場合に、意図的に欠陥登録されたセクタを検査するためのコマンドを発行することを特徴とする情報記録再生装置のホスト装置。
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