JP3618594B2 - 直腸測温プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直腸内に挿入され、直腸壁の温度を測定する直腸測温プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、経尿道的前立腺肥大症の加温治療においては、RF波、マイクロ波、レーザーなどを用いた方法が提案されている。これらの治療法はいずれも前立腺組織を45℃以上に30分から1時間程度加温するもので、一般に高温度治療(サーモセラピー)と呼ばれる方法である。
【0003】
ここで、それぞれのエネルギによる加温では、加温温度を45℃以上の温度域で何度を目標とするかの違いや、周波数によるエネルギの生体組織への深達度(組織吸収特性)などの違いから、前立腺以外の生体組織への過熱の影響を考慮しなければならない場合がある。
【0004】
例えばRF波や、マイクロ波を用いた電磁波による加温では、加温目標温度が45℃以上での比較的低い温度、例えば50〜60℃程度であっても、電磁波の周波数が比較的低い場合には前立腺以外の生体組織への過熱の影響は無視できないものとなる。すなわち、例えば、正常組織である直腸壁組織が45℃の温度に1時間程度さらされた場合には、術後に潰瘍の形成や、組織の壊死脱落による直腸壁穿孔が発生するおそれがある。そのため、この種のサーモセラピーと呼ばれる治療法では、代表的な近接組織である直腸壁の過熱防護手段が必須となる。
【0005】
そこで、この直腸壁の過熱防護手段の1つとして、例えば特表平4−506621号公報に示されるような、棒形状の直腸プローブを使用して直腸壁の温度を測定する直腸壁温度の測定手段が提案されている。
【0006】
また、例えばUSP5,792,070や、特許2,795,540号公報にはハンドルが連接された柔軟なバルーン体上に温度測定手段が設置された構成の直腸プローブが示されている。さらに、USP5,792,070には軸無しのバルーン体が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特表平4−506621号公報に示される直腸プローブでは直腸内に挿入された直腸プローブの棒状軸体の位置を固定する固定手段が無いため、直腸プローブの位置が直腸内で不安定となる。そのため、温度測定手段を前立腺側直腸壁に密着させることが不確実となるので、前立腺側直腸壁の確実な温度測定が困難となる。
【0009】
さらに、USP5,792,070に示されている軸無しのバルーン体では、剛性が低いので、実際の使用においては挿入抵抗が比較的大きい肛門通過時のバルーン体の挿入操作性に改善の余地がある。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、挿入抵抗が大きい肛門通過時の挿入操作性を損なうことなく、温度測定手段を前立腺側直腸壁に確実に密着することができる直腸測温プローブを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、被検体に挿入可能に設けられたプローブ本体と、前記被検体に接触可能となるように前記プローブ本体の外周面に設けられ、前記被検体の温度を測定する温度測定手段と、前記外周面における前記温度測定手段とは反対側で開口する開口部と、前記開口部の開口幅を保つ間隔で設けられ、前記開口部の内壁を形成する壁面と、前記壁面により規定され、前記プローブ本体内に形成された空間と、前記空間に嵌め込み可能な所定の大きさを備え、前記開口部内に格納されたバルーンと、前記バルーンが前記壁面に沿って膨張して前記開口部から膨出可能となるように、前記バルーンに流体を注入する注入手段と、を具備したことを特徴とする直腸測温プローブである。
そして、本請求項1の発明では、直腸測温プローブを直腸内に挿入する挿入時にはバルーンが収縮した状態で、直腸測温プローブを肛門から直腸内に挿入し、プローブ本体の外周面の温度測定手段が前立腺の高さに相当する位置に到達した時点で、注入手段からバルーンに流体を注入してバルーンを膨張させる。このとき、膨張したバルーンは直腸の後壁に当接し、このバルーンからの押圧圧力によって結果として温度測定手段を直腸前壁に密着させる。また、プローブ本体の外周面の開口部は、バルーン径と略同一の幅を備えた壁面を備えている。そのため、流体を注入することによって膨張するバルーンは、前記開口部の底部と前記壁面に規制され、壁面に沿って膨張する。つまり、プローブ内にバルーンを前記開口部の開口幅よりも大きく膨張をさせる無駄なスペースがないことでバルーンを効率よく膨張できるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図5を参照して説明する。図1(A)は本実施の形態の直腸測温プローブ1を示すものである。この直腸測温プローブ1には硬性の樹脂からなる略筒状のプローブ本体2が設けられている。このプローブ本体2の基端部には硬性の樹脂からなるハンドル3が連接されている。
【0014】
また、プローブ本体2の外周面にはバルーンを装着するバルーン装着窓(バルーン用開口部)4が設けられている。このバルーン装着窓4は図2(A)に示すようにプローブ本体2の中心軸方向に延設された長穴形状の開口部によって形成されている。さらに、プローブ本体2の先端面にはバルーン固定部材挿入用のガイド穴(固定部材挿入部)5が形成されている。このガイド穴5はバルーン装着窓4と連通されている。
【0015】
また、プローブ本体2の外周面上にはバルーン装着窓4と反対側に温度測定部(温度測定手段)6が設置されている。この温度測定部6には図2(B)に示すように略平面状のベース7上に複数、本実施の形態では5つの温度測定素子8a〜8eが縦列に並設されている。これらの各温度測定素子8a〜8eとしては例えば熱電対、サーミスタ、白金測温抵抗体、または光ファイバなどが使用されている。
【0016】
また、各温度測定素子8a〜8e間のピッチは5〜20mm好適には約10mm程度で配置される。さらに、各温度測定素子8a〜8eは図4に示すようにそれぞれ素子ベース9a〜9e上に実装され、それぞれ絶縁被覆部材10a〜10eによって絶縁被覆されている。
【0017】
また、絶縁被覆部材10a〜10eは各温度測定素子8a〜8eが絶縁構造で無い場合に必要であり、断熱効果の少ない薄膜の樹脂被覆、たとえばフッ素樹脂などを用いれば良い。なお、各温度測定素子8a〜8eと素子ベース9a〜9e及び絶縁被覆部材10a〜10eの間の空間には適切な接着剤または充填剤などが充填されている。
【0018】
さらに、各温度測定素子8a〜8eにはリード線21の一端部が接続されている。ここで、図3(A)に示すようにプローブ本体2の後端部およびハンドル3の軸心部にはこれらのリード線21の挿通孔22が形成されている。
【0019】
また、プローブ本体2のハンドル3の基端部には信号ケーブル11の一端部がオレドメ部材12を介して連結されている。この信号ケーブル11の内部にはリード線21が挿通されている。さらに、信号ケーブル11の他端部には信号コネクタ13が取付けられている。そして、各温度測定素子8a〜8eのリード線21の他端部はこの信号コネクタ13の各接続端子に接続されている。なお、ハンドル3上には患者Hの体内への挿入を規制する侵入防止部材14が温度測定部6と同一方向に突設されている。この侵入防止部材14は患者Hの直腸H2内への直腸測温プローブ1の没入を防止すると同時に、直腸測温プローブ1の温度検出部6の方向指示のための指標である。
【0020】
また、プローブ本体2のバルーン装着窓4には略円筒状のバルーン体15が着脱可能に装着されている。このバルーン体15は例えばシリコンまたはラテックスなどの柔軟な材料で形成された二重の筒状チューブで構成されている。
【0021】
さらに、バルーン体15には流体が注入されるチューブ(注入管路)16の一端部が連結されている。このチューブ16の他端部には開閉操作用の活栓(流体注入部)17が連結されている。
【0022】
また、プローブ本体2及びハンドル3の外周面には図2(A)に示すようにプローブ本体2の軸心方向に沿ってチューブ挿入溝18が延設されている。このチューブ挿入溝18の前端部はプローブ本体2のバルーン装着窓4に連通されている。そして、このチューブ挿入溝18内にバルーン体15のチューブ16が挿入されている。
【0023】
また、プローブ本体2のガイド穴5にはバルーン固定軸体(バルーン固定部材)19が着脱可能に連結されている。このバルーン固定軸体19にはガイド穴5に挿入され、かつバルーン装着窓4内のバルーン体15の内腔15aに挿入される小径な挿入部19aと、この挿入部19aの基端部に配置された大径部19bとが設けられている。
【0024】
さらに、この大径部19bと挿入部19aとの間には大径部19bよりも小径で、挿入部19aよりも大径な雄ねじ部19cが形成されている。ここで、プローブ本体2にはガイド穴5の入口部にバルーン固定軸体19の雄ねじ部19cと螺合するねじ穴部20が形成されている。そして、バルーン体15をプローブ本体2のバルーン装着窓4に装着した状態で、バルーン固定軸体19の挿入部19aがプローブ本体2のガイド穴5に挿入され、このとき同時にバルーン固定軸体19の挿入部19aがバルーン体15の内腔15aに挿入されるようになっている。この状態で、バルーン固定軸体19の雄ねじ部19cがプローブ本体2のガイド穴5のねじ穴部20に螺着されることにより、バルーン固定軸体19がプローブ本体2側に固定され、このとき同時にバルーン体15がバルーン固定軸体19を介してプローブ本体2に固定されるようになっている。
【0025】
なお、プローブ本体2のバルーン体15は必ずしも単数ではなく、直腸壁への直腸測温プローブ1の固定状態を安定させるために、プローブ本体2の外周面に縦列、並列またはその他の相互配置状態にて複数配置される構成にしても良い。
【0026】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の直腸測温プローブ1は図1(B)に示すように、プローブ本体2と、バルーン固定軸体19と、バルーン体15とがそれぞれ分離可能である。そして、本実施の形態の直腸測温プローブ1の使用時にはバルーン体15をバルーン装着窓4からプローブ本体12の内部にはめ入れる。
【0027】
続いて、プローブ本体12の先端面のガイド穴5にバルーン固定軸体19の挿入部19aを挿通させる。このとき、ガイド穴5に挿通させたバルーン固定軸体19の挿入部19aをさらにバルーン体15の内腔15aに挿通させる。この状態で、バルーン固定軸体19の雄ねじ部19cをプローブ本体2のガイド穴5のねじ穴部20に螺着させる。これにより、バルーン固定軸体19がプローブ本体2側に固定され、このとき同時にバルーン体15がバルーン固定軸体19を介してプローブ本体2に固定される。
【0028】
また、バルーン体15のチューブ16はプローブ本体2及びハンドル3の外周面のチューブ挿入溝18に収められ、必要に応じてハンドル3上でテープなどによって適切に保持される。さらに、直腸測温プローブ1の信号コネクタ13は、図示しない加温治療装置に接続される。そして、温度測定部6の各温度測定素子8a〜8eで検出された温度信号が図示しない加温治療装置に供給されるようにセットされている。
【0029】
その後、直腸測温プローブ1が患者Hの体内、すなわち患者Hの肛門H1から直腸H2内に挿入される。このとき、図5に示すように侵入防止部材14を回転方向の指標としてプローブ本体2のバルーン装着窓4の回転方向の位置を正しく位置決めした状態で、直腸測温プローブ1が患者Hの体内に挿入される。なお、この直腸測温プローブ1の挿入時にはバルーン体15は膨張されていない図4に示す収縮状態で保持される。
【0030】
さらに、直腸測温プローブ1の挿入作業中、温度測定部6が直腸H2内における所定の挿入位置、例えば前立腺H3と対応する位置に相当する高さまで挿入されたとき、活栓17より図示しないシリンジなどで液体または気体を適切な容量を注入し、バルーン体15を膨張させる。このとき、バルーン体15はプローブ本体上のバルーン装着窓4の外部に突出する状態に偏心して膨張し、直腸後壁H4に当接する。その結果、温度測定部6は直腸前壁H5に圧接された状態で密着するようになる。
【0031】
一方、患者Hの尿道H6内には加温用のアプリケータ23が挿入されている。このアプリケータ23の先端部にはアンカーバルーン24が配置されている。さらに、このアプリケータ23の先端部にはマイクロ波アンテナなどのエネルギ放出手段25が配設されている。そして、尿道H6内に挿入されたアプリケータ23の先端部が膀胱H7内に導びかれ、この膀胱H7内でアンカーバルーン24が拡張される。これにより、アプリケータ23のマイクロ波アンテナなどのエネルギ放出手段25から放出されるエネルギが治療対象である前立腺H3に投入できる位置関係となるように位置決めされた状態で、アプリケータ23がアンカーバルーン24によって固定されている。なお、一般的には加温時の尿道H6の保護のためにアプリケータ23内には冷却水の還流手段を設けていることが望ましい。
【0032】
また、アプリケータ23による加温治療が開始されると、このアプリケータ23のエネルギ放出手段25からのエネルギ放射によって、前立腺H3は45℃以上の温度に30分から1時間程度加熱される。この間、直腸測温プローブ1は直腸前壁H5の温度を監視しつづける。
【0033】
ここで、直腸測温プローブ1の温度測定部6の各温度測定素子8a〜8eによって検出した直腸温度が40〜45℃、好適には42〜43℃に達した際には、加温装置本体であるアプリケータ23のエネルギ放出手段25からの加温エネルギ出力を低下、または停止してよい。
【0034】
また、バルーン体15のチューブ16は直腸測温プローブ1に設けられたチューブ挿入溝18の内部に収められているため、肛門H1の収縮によってバルーン体15のチューブ16が潰されることが無い。そのため、治療後にバルーン体15を収縮させる際にも問題無く操作できる。
【0035】
また、治療中に直腸H2内に発生するガスを直腸測温プローブ1のチューブ挿入溝18を通して外部に抜くことができるため、患者Hの圧迫感を低減できる効果がある。
【0036】
さらに、治療終了後、直腸測温プローブ1を患者Hの体外に抜去した際には、直腸測温プローブ1のプローブ本体2と、バルーン固定軸体19と、バルーン体15とは図1(B)に示すようにそれぞれ分離される。このとき、消耗の大きいバルーン体15は必要に応じて廃棄して良い。また、バルーン固定軸体19と、プローブ本体2及び連接する部分は洗浄、滅菌処理が容易に実施でき、再使用が可能となる。
【0037】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では図1(B)に示すように、直腸測温プローブ1をプローブ本体2と、バルーン固定軸体19と、バルーン体15とにそれぞれ分離可能に構成したので、治療終了後に患者Hの体外に抜去された直腸測温プローブ1から、消耗の大きいバルーン体15を、プローブ本体2及びバルーン固定軸体19から分離し、廃棄することができる。また、次回の治療の際には、予めプローブ本体15及びバルーン固定軸体19は洗浄、滅菌処理されるとともに、滅菌済みの新品のバルーン体15が供給されて、再び組み合わせて使用することができる。そのため、必要最小限の構成のバルーン体15のみを容易に交換できるため、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0038】
さらに、消耗部分であるバルーン体15を再利用する部分であるプローブ本体15及びバルーン固定軸体19から分離できるため、再利用するプローブ本体15及びバルーン固定軸体19の部分の洗浄、滅菌処理を容易に行うことができる効果もある。
【0039】
また、図6(A)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図5参照)の直腸測温プローブ1における温度測定部6の構成を次の通り変更したものである。なお、温度測定部6以外の部分は第1の実施の形態の直腸測温プローブ1と同一構成になっており、第1の実施の形態の直腸測温プローブ1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0040】
すなわち、本実施の形態の温度測定部6には略平面状のベース7上に3つの温度測定素子31a〜31cが縦列に並設されている。なお、温度測定部6の各温度測定素子31a〜31cは直腸前壁H5の温度を検出するものであるが、少なくとも前立腺H3の縦軸方向において3cm程度にわたって測温することが望ましい。この場合、各温度測定素子31a〜31cの実装ピッチは15mm程度とするのが好適である。
【0041】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では直腸測温プローブ1の温度測定部6に実装された温度測定素子31a〜31cの点数が第1の実施の形態の直腸測温プローブ1と比べて少ない分、プローブ本体2をコンパクトに作製することができる。さらに、プローブ本体2を小型化できるために、患者への圧迫感を低減できる効果がある。また、温度測定素子31a〜31cの実装数を低減することができるため、直腸測温プローブ1をより安価に構成することができる。
【0042】
また、図6(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図5参照)の直腸測温プローブ1における温度測定部6の構成を次の通り変更したものである。
【0043】
すなわち、本実施の形態の温度測定部6には略平面状のベース7上の中央に1つの温度測定素子41aが配置され、この温度測定素子41aの周囲に4点の温度測定素子41b〜41eが配置されている。
【0044】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態によれば直腸測温プローブ1のプローブ本体2の軸方向に温度測定素子が並設されているとともに、これに加えてプローブ本体2の周方向においても温度測定素子が並設されているため、直腸前壁H5上の2次元(縦横)の温度測定が可能である。そのため、治療の安全性を向上させることが可能である。また、プローブ本体2をコンパクトに構成したままで、温度測定素子の実装数を増加させることが可能である。
【0045】
また、図7(A)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図5参照)の直腸測温プローブ1における温度測定部6の構成を次の通り変更したものである。
【0046】
すなわち、本実施の形態の温度測定部6には略平面状のベース7上の中央部に2列の温度測定素子51a1〜51c1、51a2〜51c2が並設されるとともに、ベース7上の前端部に1つの温度測定素子51d、ベース7上の後端部に1つの温度測定素子51eがそれぞれ配置されている。
【0047】
そこで、上記構成のものにあっては温度測定部6のベース7上の中央部に2列に配置された温度測定素子51a1〜51c1、51a2〜51c2の部分で集中的に温度情報を収集することができる。そのため、温度測定部6の中央部分でより情報量の多い直腸温度の測定ができるため、治療の安全性を向上することができる効果がある。
【0048】
また、図7(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図5参照)の直腸測温プローブ1における温度測定部6の構成を次の通り変更したものである。
【0049】
すなわち、本実施の形態の温度測定部6には略平面状のベース7上に全長にわたり縦列に並設されている5つの温度測定素子61a〜61eが2組、横方向に並設されている。
【0050】
そこで、上記構成の本実施の形態によれば第1〜4の各実施の形態に比べてより情報量の多い直腸温度の測定ができ、より広範囲で温度情報を収集することができるので、治療の安全性を更に向上することができる効果がある。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、直腸測温プローブ1上の温度測定素子の配置は上記各実施の形態の範囲に限られるものではなく、直腸測温プローブ1上のいかなる位置にも配置することが可能である。さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0052】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 硬性のプローブ本体と、
プローブ本体上の第一の側面に配置される複数の温度測定手段と、
プローブ本体に着脱可能な軸体と、
軸体に外挿されるバルーン体で、前記プローブ本体に装着した際には前記第一の側面と反対側の第二側面方向に偏心して膨張し、前記プローブ本体の外形を超えることができるものと、
からなる直腸プローブ。
【0053】
(付記項2) バルーン体が柔軟な2重の筒状体からなる、付記項1のプローブ。
【0054】
(付記項3) 複数の温度測定手段が縦列に配置された、付記項1または2のプローブ。
【0055】
(付記項4) 複数の温度測定手段が、複数列に配置された、付記項1または2のプローブ。
【0056】
(付記項5) 硬性のプローブ本体と、
前記プローブ本体の第1の側面に配置された複数の温度測定手段と、
前記プローブ本体に着脱可能に挿入される軸体と、
前記軸体を挿入する内腔を有し、前記プローブ本体に装着自在でかつ流体を注入する管路を有するバルーン体と、
前記バルーン体を前記プローブ本体に装着した後、前記軸体を前記バルーン体の内腔に挿入して前記管路より前記流体を注入したとき、前記バルーン体が前記プローブ本体より突出して膨張可能な前記プローブ本体の前記第1の面の略反対側の面に設けられた少なくとも1つの開口部と、
を有することを特徴とする直腸測温プローブ。
【0057】
(付記項6) 前記バルーン体は、柔軟な2重の筒状体からなることを特徴とする付記項5に記載の直腸測温プローブ。
【0058】
(付記項1〜6の従来技術) 経尿道的前立腺肥大症の加温治療においては、RF波、マイクロ波、レーザーなどを用いた方法が提案されている。これらの治療法はいずれも前立腺組織を45℃以上に30分から1時間程度加温するもので、一般に高温度治療(サーモセラピー)と呼ばれる方法である。
それぞれのエネルギによる加温では、加温温度を45℃以上の温度域で何度を目標とするかの違いや、周波数によるエネルギの組織深達度(組織吸収特性)などの違いから、前立腺以外の組織への過熱の影響を考慮しなければならない場合がある。
たとえばRF波やマイクロ波を用いた電磁波による加温では、加温目標温度が45℃以上で比較的低い温度(50〜60℃)程度であっても、電磁波の周波数が比較的低い場合には前立腺以外の組織への過熱の影響は無視できないものとなり、代表的な近接組織である直腸壁の過熱防護手段が必須となる。これは正常組織である直腸壁組織が45℃の温度に1時間程度さらされた場合には、術後に潰瘍の形成や組織の壊死脱落による直腸壁穿孔が発生するおそれがあることによる。
【0059】
そのため、過熱防護手段としての直腸壁温度の測定手段として、たとえば特表平4−506621に示されるような、棒形状の直腸プローブが提案されている。
【0060】
(付記項1〜6が解決しようとする課題) しかしながらこのプローブは直腸内での固定手段が無いため、棒状軸体の位置が直腸内で不定となり、温度測定手段が前立腺側直腸壁に密着することが不確実である。そのため確実な温度測定が困難となる。
【0061】
また、たとえばUSP5,792,070や特許2,795,540号公報に示されるプローブは柔軟なバルーン体上に設置された温度測定手段とハンドルとから構成されているが、バルーンとハンドル又は温度検出手段を取り外すことが不可能な構成となっており、消耗の大きいバルーン体の劣化とともにプローブ全体を廃棄しなければならず、ランニングコストの観点において難点がある。
【0062】
さらにUSP5,792,070には軸無しのバルーン体が示されており、実際の使用においては肛門通過時の挿入操作性に改善の余地がある。
【0063】
(付記項1〜6の目的) 付記項1〜6の目的は上記の問題点を解決するためのものであり、消耗部分と非消耗部分を容易に着脱できる構成とし、さらには消耗部分を必要最小限の構成とすることによりランニングコストを低く抑えることである。加えて挿入操作性を損なうことなく、温度測定手段を前立腺側直腸壁に確実に密着することができる直腸プローブを提供することである。
【0064】
(付記項1〜6の課題を解決するための手段) 前記の目的を達成するために、付記項1〜6の直腸プローブは、硬性のプローブ本体と、プローブ本体上の第一の側面に配置される複数の温度測定手段と、プローブ本体に着脱可能な軸体と、軸体に外挿されるバルーン体で、前記プローブ本体に装着した際には前記第一の側面と反対側の第二側面方向に偏心して膨張し、前記プローブ本体の外形を超えることができるものと、から構成される。
【0065】
(付記項1〜6の作用) 直腸プローブは、プローブ本体、軸体、及びバルーン体を組み合わせた形で使用される。挿入時にはバルーン体は収縮した状態であり、直腸プローブを肛門から直腸内に挿入し、温度検出手段が前立腺高さ相当に到達した位置でバルーン体を膨張させる。膨張したバルーン体は直腸後壁に当接し、結果として前記温度検出手段が直腸前壁に密着するようになる。この後、経尿道的な前立腺加温治療を実行し、直腸壁の温度を監視する。治療終了後には直腸プローブは抜去され、消耗の大きいバルーン体を、プローブ本体及び軸体から分離し、廃棄する。次回の治療の際には、予めプローブ本体及び軸体は洗浄、滅菌処理され、一方、滅菌済みの新品のバルーン体が供給されて、再び組み合わせて使用することができる。
【0066】
(付記項1〜6の効果) 付記項1〜6によれば、必要最小限の構成からなるバルーン体のみを直腸プローブ本体と容易に着脱することができる。そのため消耗の激しいバルーン体のみ交換することができ、ランニングコストの低減を図ることが可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入抵抗が大きい肛門通過時の挿入操作性を損なうことなく、温度測定手段を前立腺側直腸壁に確実に密着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、(A)は直腸測温プローブ全体の組立て状態を示す側面図、(B)は直腸測温プローブの分解状態を示す側面図。
【図2】(A)は第1の実施の形態の直腸測温プローブのプローブ本体のバルーン用開口部側の平面図、(B)はプローブ本体の温度測定部側の平面図。
【図3】(A)は第1の実施の形態の直腸測温プローブの縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図。
【図4】第1の実施の形態の直腸測温プローブのプローブ本体の温度測定部を示す縦断面図。
【図5】第1の実施の形態の直腸測温プローブの使用状態を示す要部の縦断面図。
【図6】(A)は本発明の第2の実施の形態の直腸測温プローブにおけるプローブ本体の温度測定部を示す平面図、(B)は本発明の第3の実施の形態の直腸測温プローブにおけるプローブ本体の温度測定部を示す平面図。
【図7】(A)は本発明の第4の実施の形態の直腸測温プローブにおけるプローブ本体の温度測定部を示す平面図、(B)は本発明の第5の実施の形態の直腸測温プローブにおけるプローブ本体の温度測定部を示す平面図。
【符号の説明】
2 プローブ本体
4 バルーン装着窓(バルーン用開口部)
5 ガイド穴(固定部材挿入部)
6 温度測定部(温度測定手段)
15 バルーン体
16 チューブ(注入管路)
17 活栓(流体注入部)
19 バルーン固定軸体(バルーン固定部材)
Claims (1)
- 被検体に挿入可能に設けられたプローブ本体と、
前記被検体に接触可能となるように前記プローブ本体の外周面に設けられ、前記被検体の温度を測定する温度測定手段と、
前記外周面における前記温度測定手段とは反対側で開口する開口部と、
前記開口部の開口幅を保つ間隔で設けられ、前記開口部の内壁を形成する壁面と、
前記壁面により規定され、前記プローブ本体内に形成された空間と、
前記空間に嵌め込み可能な所定の大きさを備え、前記開口部内に格納されたバルーンと、
前記バルーンが前記壁面に沿って膨張して前記開口部から膨出可能となるように、前記バルーンに流体を注入する注入手段と、
を具備したことを特徴とする直腸測温プローブ。
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