JP3617974B2 - 連続鋳造機のマーキング装置およびそのマーキング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金などの鋳造品を連続して、しかも同時に多数の鋳型により鋳造(多ストランド)する連続鋳造機のマーキング装置およびそのマーキング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多数の鋳型を有し、その鋳型に注入された溶湯から長尺材の素材を成形した後、その長尺材の素材を所定の大きさに切断して短尺材の製品に製造する連続鋳造機が知られている。
図6は、従来の連続鋳造機を備える鋳造設備の構成を示す概略の平面図である。図6に示すように、従来の鋳造設備20は、地金やスクラップ材を溶解する溶解炉11と、溶湯が注ぎ込まれ、合金の成分元素を微調整する保持炉12aと、水素ガスを除去する脱ガス処理装置12bと、各鋳型からの溶湯を冷却することによって、鋳片を連続に鋳造される連続鋳造機13と、鋳片から所定長さの長尺材Lに切断する走行切断機14と、長尺材Lを短尺材Sに切断する短尺切断機15と、短尺材Sの両端面の稜線を面取りする面取り用加工機16と、鋳肌除去のためのピーリング加工装置17と、探傷検査を行う探傷装置18とを備えて構成されている。以下、図6を参照しながら、製品を成形する過程を工程順に説明する。
【0003】
溶解炉11は、アルミニウム地金やスクラップ材等の原材料と合金成分元素等が投入され、これらを溶解させてアルミニウム合金の溶湯を生成する。
【0004】
次に、保持炉12aは、最初に溶湯が導入され、非金属介在物の除去や、溶湯の温度調整も行われる。脱ガス処理装置12bでは、溶湯が脱ガス処理装置12bに導入され、溶湯中に溶解している水素ガスが除去される。そして、所定の合金成分組成となるように必要な成分元素を添加して、所定のアルミニウム合金に微調整する。
【0005】
続いて、連続鋳造機13では、アルミニウム合金の溶湯が連続鋳造機13において凝固したビレット(鋳片)Bとして引き出される。所定長さに鋳造されたビレットBは、鋳造コンベア15aで案内されて、その鋳造コンベア15aの後段に配置された走行切断機14により切断される。
【0006】
この走行切断機14は、Z軸用摺動ガイド14aとX軸用摺動ガイド14bと、カッターヘッドに装着されたカッター14cから構成されており、ビレットBを切断して長尺材Lを得る。長尺材Lは、その長さを、例えば3〜5mとし、コンベア15aへ搬送され、そこからクロスコンベア15bに送られる。このクロスコンベア15bは、長尺材Lを直交方向に搬送するためのものであり、クロスコンベア15bにより搬送された長尺材Lが、一旦ストックされる。そして、長尺材Lは、短尺切断機15に向けてストッカーから一本ずつ払い出される。
【0007】
短尺切断機15は、長尺材Lのストッカーから払い出しを受けた長尺材Lを短尺に切断する。切断方法は、電動カッターによるが、短尺材Sの長さは、例えば、長さ20〜70cmである。
【0008】
次に、面取り用加工機16では、短尺に切断した短尺材Sがコンベア61により搬送され、短尺材Sの両端面の面取り加工が施される。
【0009】
ピーリング加工装置17では、図示しない切削バイトにより短尺材Sの表面の偏析層を旋削して除去するピーリング加工が行われる。
【0010】
そして、探傷装置18では、ピーリング加工された短尺材Sは、前工程で表面に付着した微粉切屑や切削油等の付着物を洗浄水で洗浄された後、探傷検査が行われる。そして、所定の基準を満たした良品の短尺材Sはロボット91により図示しない収容容器に積載されて、次工程に搬送される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示すような従来の鋳造設備では、成形された短尺材に不良品が発見された場合、その短尺材がどの鋳型で成形されたか特定ができないという問題があった。したがって、その短尺材がどの鋳型で成形されたかを特定するためには、全数検査をしなければならない。また、多数の鋳型を有する連続鋳造機であり、鋳型が特定できるまでは停止できないため、その間、不良品が生産され、生産性を向上させることができないという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み創案されたもので、成形された短尺材製品の良否について、どの鋳型であるかを特定することができる連続鋳造機のマーキング装置およびそのマーキング方法を提供することを課題とする。
【0013】
【発明が解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る連続鋳造機のマーキング装置は、連続鋳造機にて鋳型から鋳造された鋳片を走行切断機にて長尺材に切断する切断エリアに設置され、前記鋳型毎に対応する第1識別記号を前記長尺材にそれぞれ付する第1マーキング装置と、この第1マーキング装置により前記長尺材に付した第1識別記号を、長尺材から短尺材に切断する短尺切断機の切断エリアにて視認できる位置に設置されると共に、読み取るための識別記号読取装置と、この識別記号読取装置により読み取った前記第1識別記号に対応する第2識別記号を長尺材から短尺材に切断した後に付する第2マーキング装置とを備えた構成とした。
【0014】
このように構成されることにより、マーキング装置は、はじめに走行切断機の切断エリアに設置された第1マーキング装置により、鋳型から鋳造された鋳片または切断した長尺材にその鋳型毎に対応する第1識別記号が付される。なお、この第1識別記号は、各鋳型のそれぞれに対応して複数種類が予め定められている。そして、短尺切断機の切断エリアにある長尺材あるいは短尺材に付された第1識別記号が識別記号読取装置により読み取られ、短尺切断機により短尺材に切断した後に、その切断エリアに設置された第2マーキング装置により、それぞれの第1識別記号に対応する第2識別記号が、その短尺材に付される。
なお、切断エリアとは、切断作業を行う前に投入される投入位置、切断作業を行っている切断位置、あるいは、切断されて排出される排出位置のいずれかあるいはその全てをいう。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載された連続鋳造機のマーキング装置において、前記第1マーキング装置は、各鋳型から成形され走行切断機により切断されて長尺材になる鋳片の端面に、前記第1識別記号を付する第1マーキング部と、前記第1マーキング部を、前記第1識別記号を付すマーキング位置および退避位置に移動させる第1移動手段とを備え、前記識別記号読取装置は、長尺材の端面に付した前記第1識別記号のそれぞれを認識する認識手段と、前記認識手段により認識した前記第1識別記号のそれぞれを判別する判別手段とを備え、前記第2マーキング装置は、前記判別手段からの信号に基づいて、前記長尺材から切断された短尺材の端面に前記第2識別記号を付する第2マーキング部と、前記第2マーキング部をマーキング位置および退避位置に移動させる第2移動手段とを備えた構成とした。
【0016】
このように構成されることにより、マーキング装置は、鋳型から鋳片が所定位置に送り出されて来ると、第1マーキング装置の第1マーキング部を退避位置から鋳片あるいは長尺材の端面に向かって、第1移動手段により移動し、第1識別記号を付し、その後に再び、第1移動手段により第1マーキング部を退避位置に移動させる。
第1識別記号が付された長尺材は、短尺材切断装置側に搬送され、短尺材に切断される。さらに、最初、長尺材に付された第1識別記号は、識別記号読取装置の認識手段により認識されると共に、判別手段により判別される。そして、その判別された情報が、第2マーキング装置に送られる。
さらに、第2マーキング装置の第2マーキング部にて、送られてきた短尺材の端面に向かって、第2移動手段により退避位置から移動するので、判別された情報に基づいてそれぞれの第1識別記号に対応する第2識別記号が付される。
【0017】
さらに、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載された連続鋳造機のマーキング装置において、前記第1識別記号のそれぞれと対応する第2識別記号は、同じ記号または識別の対応が確認できる記号であることを特徴とする。つまり、第1識別記号と第2識別記号との対応関係が確認できる記号であればよい。
【0018】
請求項4に記載の本発明に係る鋳片に対し識別記号を付するマーキング方法は、(1)各鋳型で鋳造された鋳片が長尺材に切断される走行切断機の位置で、各鋳型に対応したそれぞれの第1識別記号を長尺材の端面に付する第1ステップと、(2)前記第1識別記号が付された各長尺材から前記第1識別記号を読み取る第2ステップと、(3)読み取った第1識別記号のそれぞれと対応する第2識別記号を、前記長尺材から切り出された短尺材毎に、その端面に付す第3ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
このように構成されることにより、連続鋳造機のマーキング方法では、各鋳型から鋳造される長尺材の端面に第1識別記号を付すことで、どの鋳型からどの長尺材が鋳造されたかを特定することができる。そして、このマーキング方法では、長尺材から短尺材に切断する際に、その長尺材に付されている第1識別記号を読み取り、その第1識別記号に対応する第2識別記号を各短尺材の端面に付すことで、それぞれの短尺材がどの鋳型から鋳造されたかが特定できる。
【0020】
【発明の実施に形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、前記した図6での説明と同一の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。
まず、図1は、アルミニウム合金の連続鋳造設備にマーキング装置を設けた構成を模式的に示す平面図である。連続鋳造機のマーキング装置Aは、第1マーキング装置1と、識別記号読取装置3と、第2マーキング装置4とを備えており、連続鋳造設備10の所定位置に配置されている。
【0021】
連続鋳造設備10は、図1に示すように、地金やスクラップ材を溶解する溶解炉11と、合金の成分元素を微調整する保持炉12aと、水素ガスを除去する脱ガス処理装置12bと、溶湯が連続に鋳造される連続鋳造機13と、長尺材Lを切断する走行切断機14と、長尺材Lを短尺材Sに切断する短尺切断機2と、短尺材Sの両端面の稜線を面取りする面取り用加工機16と、ピーリング加工装置17と、探傷検査を行う探傷装置18とを備えている。
【0022】
そして、第1マーキング装置1は、切断エリアである走行切断機14の後部に配置されている。さらに、識別記号読取装置3は、短尺切断装置2の切断エリアに位置する長尺材Lあるいは短尺材Sの第1識別記号を視認できる位置に配置されている。さらに、第2マーキング装置4は、短尺切断機2の後部に配置されている。
【0023】
なお、ここでは、図1に示すように、ビレットBが所定の長さに引き出されると、走行切断機14により、所定の長さの長尺材Lに切断され、切断された長尺材Lの端面に第1識別記号を付すが、ビレットBのそれぞれの端面にマーキングした後、走行切断機14により長尺材Lに切断してもよい。
【0024】
第1マーキング装置1は、連続鋳造機13の鋳型の数と同数の第1マーキング部を有し、搬送ラインの間隔に合わせて同間隔に配置されている。
図4は、第1マーキング装置1を示し、図4(a)は正面図であり、図4(b)は右側面図である。図4(a)に示すように、第1マーキング装置1の第1マーキング部1aは、3個のスタンプがセットになり、3色カラーの組み合わせにより、それぞれが別々に各鋳型に対応した第1識別記号が決められている。
【0025】
第1マーキング部1aは、識別されたペイントを充填した3個のスタンプを同一面上に形成して一つの第1識別記号とするもので、レバー1bの先端に固定されている。レバー1bの後端1dは、回動自在にピンにて支持されている。この第1マーキング部1aの第1移動手段であるシリンダ1cは、シリンダの後端1eが回動自在にできるようにクレビス取り付け型が使用されており、シリンダ1cは伸縮自在の1本のリンクを形成している。
【0026】
このシリンダ1cの一端に、空圧装置(図示せず)により圧縮空気が供給されると、シリンダ1cが短縮して実線の位置から退避位置である仮想線の位置(1c′で示す)に移動すると共に、第1マーキング部1aをマーキング位置から退避位置である仮想線の位置(1a´で示す)へ移動させる。
【0027】
また、シリンダ1cの他端に圧縮空気が供給されると、シリンダ1cは伸張して、第1マーキング部1aを退避位置から実線で示すマーキング位置へ移動させる。なお、第1マーキング装置1の設置場所は、図1に示す位置に限定されるものではなく、長尺材Lがコンベア15aにより次工程に搬送された1′の位置であっても構わない。
【0028】
さらに、図2は、ワークの端面のマーキング位置を示した模式図である。第1マーキング装置1は、図2に示すように、例えば、鋳片、長尺材Lあるいは短尺材S(以下、ワークWともいう)の端面に3箇所のマーキングを行う。各マーキングa,b,cは、外径寸法φ12程度の円形を形成し、マーキングa、b,cにより3角形を形成しており、対象ワークW(長尺材L、短尺材S、鋳片)の適用範囲である例えば、外径寸法φ50〜90mmの範囲のいずれにもマーキングが可能になっている。
【0029】
外径寸法φ50mmのワークWは、Wminを示し、外径寸法φ90mmのワークはWmaxで示す。なお、第1識別記号であるマーキングの種類は、この他に、例えば、A、B、C…とか1、2、3、…のような文字や♯、♭、#、Δ…等の記号であってもよく、どの鋳型で鋳造されたストランド(鋳片)であるかが識別できれば、特に限定されるものではない。
【0030】
図3(a)は、第1識別記号をマーキングのカラーを1色で構成した場合の組み合わせを示した構成図であり、図3(b)は、マーキングのカラーを2色で構成した場合、図3(c)は、3色で構成した場合の組み合わせを示す構成図である。図3(a)に示すように、例えば、カラーの色が赤色、青色、黄色とも、1色の場合では1通りが可能であり、計3通りの識別が可能である。
【0031】
また、図3(b)では、2色のマーキングのカラーを組み合わせることにより、各々6通りの計18通りの識別が可能である。さらに、図3(c)に示すように、3色のマーキングのカラーを組み合わせにした場合では、各2通りの計6通りの識別が可能でありこれらの組み合わせにより、どの鋳型から鋳造されたワークWであるか判断することができる。
【0032】
図1に示すように、第1識別記号としてマーキングされた長尺材Lは、コンベア15bによって短尺切断機2のテーブル2aに搬送される。テーブル2aの手前スペースは、長尺材Lのストッカーも兼ねており、鋳型の順番ごとにストックされるが、このストッカーから短尺切断機2に供給される順番が崩れる場合があるため、長尺材Lに付された第1識別記号の識別が必要になる。
【0033】
図5は、識別記号読取装置3および第2マーキング装置4を示し、図5(a)は
左側面図であり、図5(b)は、正面図である。識別記号読取装置3は、第1マ
ーキング装置1で各長尺材あるいは短尺材の先端面にマーキングされた第1識別
記号を読み取る装置である。
【0034】
図1および図5(a)に示すように、識別記号読取装置3は、監視カメラ3aとパネル内に設けられた認識手段および判別手段を有する画像処理装置3bにより、長尺材Lあるいは短尺材Sの先端部に付された第1識別記号を識別する。また、監視カメラ3aは、CCDカメラであり、切断エリアにて視認できる位置であるワークWの搬送経路に干渉しない上部近傍にステー3cにより固定されている。CCDカメラで撮影された第1識別記号は、画像情報として画像処理装置3bにおいて画像認識され、第1識別記号として判別される。
【0035】
なお、切断エリアにて視認できる位置とは、短尺切断機2のテーブル2aに配置された長尺材Lの端面が認識できる位置3′や、切断中に第1識別記号を認識できる位置、あるいは、切断後の短尺材Sの端面が認識できる位置であればよい。
【0036】
ここでは、監視カメラ3aは、長尺材Lを切断して短尺材Sとなった位置で第1識別記号を認識できる位置に設置されている。識別記号読取装置3は、第1識別記号を読み取る撮像手段としてのCCD映像素子内蔵の監視カメラ3aにより読み取った第1識別記号を、デジタルデータに変換して認識し、認識したデジタルデータを画像処理装置3bにより判別している。
【0037】
また、識別記号読取装置3により読み取った第1識別記号の色種の配置や形状等により第1識別記号の種類を判別手段により判定して、その第1識別記号に対応する第2識別記号が短尺材Sに付されるように、第2マーキング装置4の処理装置4bに信号が送られる。そのため、第2マーキング装置4に対して短尺材Sに付された異種の第1識別記号が読み取られるまで、短尺材Sに対して同様の第2識別記号をマーキングするように第2マーキング装置4は作動する。
【0038】
第2マーキング装置4は、図5(a)、(b)に示すように、第2識別記号を付すマーキング位置および左右の退避位置に移動させる第2移動手段として、短尺材Sが搬送される経路の上部に1軸(水平軸)のガイドを有するスライダ7にステー8が固定され、そのステー8の先端に第2マーキング部である噴射ノズル4aが固定されている。スライダ7は、エアーシリンダにより移動するが、モータとボールネジによる電動駆動式であっても構わない。噴射ノズル4aは、非接触式でありインクジェットスプレー式となっているため、高速にマーキングすることができる。
【0039】
なお、ここで付される第2識別記号は、第1識別記号と同じ記号としてもよく、また、1,2,3のような数字であってもよく、第1識別記号ですでに説明した構成であってもよく、第1識別記号ごとに識別することができるものであれば、特に限定されるものではない。また、識別した第1識別記号が付されている短尺材Sについては、改めて第2識別記号を付さなくても構わない。もちろんすべての短尺材Sに付しても構わない。
【0040】
さらに、画像処理装置3bおよび処理装置4bは、一つのパーソナルコンピュータにインストールされるソフトウエアであっても構わない。もちろん、第1マーキング装置1、識別記号読取装置3および第2マーキング装置4を一つのパーソナルコンピュータにより制御して駆動させる構成であっても構わない。
【0041】
次に、前記した連続鋳造機のマーキング装置Aの動作について説明する。
図1に示すように、ビレットBが所定長さに達すると、走行切断機14により、所定の長さの長尺材Lに切断され、各長尺材Lが搬送されて、切断エリアである走行切断機14の後方に設置された第1マーキング装置1のそれぞれの第1マーキング部1aは、長尺材Lのそれぞれの端面に、どの鋳型で鋳造されたかが一目で分かるように各鋳型に対応した第1識別記号を一斉にマーキングする。
【0042】
第1マーキング部1aの動作は、図4(b)に示すように、空圧装置(図示せ)より圧搾空気(圧縮空気)がシリンダ1cに供給されると、シリンダ1cのロッドが伸張することで、退避位置にて待機している第1マーキング部1aが、レバー1bの後端1dを回動の支点として回動し、ワークW(長尺材L)の端面に衝突してカラーペイントのマーキングをする。
【0043】
図1に示すように、各第1識別記号がマーキングされた長尺材Lは、コンベア15bによって短尺切断機2のテーブル2aに搬送され、短尺切断機2によって所定の短尺材Sに切断される。
短尺材Sに切断されたワークWは、識別記号読取装置3の認識手段と判別手段である監視カメラ3a及び画像処理装置3bにより識別記号を認識、判別されて、次ステップの第2マーキング装置4の処理装置4bに信号が送信される(図1参照)。
【0044】
この第2マーキング装置4によるマーキング方法は、長尺材Lに付した第1識別記号を、P1,P2,…Pnのn種(鋳型の数はn個)の識別記号とし、例えば、長尺材Lから10個の短尺材Sが切り出されるとすると、最初に、短尺材Sの端面に第1識別記号のP1を認識した後、第1識別記号のない短尺材Sが9個搬送される。すなわち、10番目まで搬送される。そして、11個目には、P2の第1識別記号を識別すると、また、識別記号のない短尺材Sが9個搬送されることになる。
【0045】
そこで、識別記号読取装置3の画像処理装置3b(図1参照)からデジタルデータに基づいた信号により処理装置4bへ指令され、その指令により第2マーキング装置4は、異種の第1識別記号を読み取るまで、その第1識別記号に対応する第2識別記号をマーキングしている。
なお、この他に長尺材Lの切断個数を入力し、その切断個数に達した時点で次の第2識別記号に切り替える方法であってもよく、その他の方法であってもよい。
【0046】
図5(b)に示すように、第2マーキング装置4での噴射ノズル4aは、信号を受けると、退避位置右(左からでもよい)から、噴射位置に素早く移動して、3本の噴射ノズル4aからペイントを噴射して、左右どちらかの退避位置に移動する。これを、同じ長尺材Lから切りだされた短尺材Sでマーキングが繰り返される。つまり、異種の第1識別記号が識別記号読取装置3により識別されるまで、同様の第2識別記号が付される。
【0047】
つぎに、次工程に搬送され、面取り用加工機16で面取り処理が施され、ピーリング装置17にてピーリング加工が行われ、探傷装置18では、全工程で表面に付着した微粉切屑や切削油等の付着物を洗浄水で洗浄された後、探傷検査が行われる。鋳片の不良品が発生する要因の一つは、鋳型に起因する欠陥、例えば、潤滑油量の調整不良による鋳片の表面欠陥(鋳肌荒れ)等がある。一度、不良品の短尺材Sが見つかると、直ちに識別記号が確認され、同じ長尺材Lから切断された短尺材Sが回収されるとともに、連続鋳造機の鋳型が特定され、特定された鋳型での連続鋳造が停止される。
【0048】
このように、長尺材Lに切断する切断エリア、短尺材Sに切断する切断エリアの中に、第1マーキング装置1と、識別記号読取装置3と、第2マーキング装置4とを設けたことにより、探傷装置18の検査工程で短尺材Sに不良品が見つかったとしても、元の長尺材Lと同じ識別記号がマーキングされているため、どの鋳型から得られたものかが一目で特定することができる。したがって、全数検査をしなければならないという問題が解消し、生産効率の向上ができる。
【0049】
本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に変更することが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように構成しているため、請求項1に記載の本発明では、第1識別記号を付する第1マーキング装置と、第1識別記号を付した長尺材の識別記号を読み取る識別記号読取装置と、前記第1識別記号に対応する第2識別記号を長尺材から短尺材に切断した後に付する第2マーキング装置を備えることによって、どの鋳型で鋳造されたかが分かるように各鋳型に対応した識別記号を、長尺材と短尺材に対してマーキングすることができる。また、探傷装置での検査により短尺材の不良品が発見された場合、どの鋳型から得られたものかが一目で特定することができるため、全数検査をしなければならないという問題が解消し、生産性の向上ができる。
【0051】
請求項2に記載の本発明では、第1マーキング部が第1移動手段により動作して長尺材になる鋳片の端面に第1識別記号を付し、その第1識別記号に対応する第2識別記号を、第2マーキング部が第2移動手段により短尺材の端面に付すため、ピーリング加工、探傷検査等、各工程のどの位置においても、どの鋳型から製造された長尺材、あるいは短尺材であるかを判断することができる。
【0052】
請求項3に記載の本発明では、第1マーキング装置で行う第1識別記号と、第2マーキング装置で行う第2識別記号を同じ記号または識別の対応が確認できる記号にすることにより、元の長尺材と同じ識別記号がマーキングされているため、どの鋳型から得られたものかが特定することができる。
【0053】
請求項4に記載の本発明では、長尺材から短尺材に切断して探傷装置により検査するまでの工程の中に、第1識別記号を付する第1ステップと、第1識別記号を読み取る第2ステップと、長尺材の第1識別記号に対応した識別記号を短尺材に付する第3ステップからなるマーキング方法により、探傷装置での検査で短尺材が不良品になったとしても、その短尺材の識別記号は切り出された長尺材に対応した第2識別記号がマーキングされているため、どの鋳型から得られたものかが容易に特定することができる。したがって、全数検査をしなければならないという問題が解消し、生産性の向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続鋳造設備にマーキング装置を設けた構成を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明のワーク端面のマーキング位置を示した模式図である。
【図3】(a)は、本発明に係るマーキングのカラーを1色にした場合の組み合わせを示した構成図であり、(b)は、マーキングのカラーを2色にした場合の構成図であり、(c)は、マーキングのカラーを組み合わせにした場合の構成図である。
【図4】本発明の第1マーキング装置を示し、(a)は正面図であり、(b)は右側面図である。
【図5】本発明に係る識別記号読取装置および第2マーキング装置を示し、(a)は左側面図であり、(b)は、正面図である。
【図6】従来の連続鋳造機を備える鋳造設備の構成を示す概略の平面図である。
【符号の説明】
1 第1マーキング装置
1a 第1マーキング部
1b レバー(第1移動手段)
1c シリンダ(第1移動手段)
1d、1e 後端
2 短尺切断機
2a テーブル
3 識別記号読取装置
3a 監視カメラ
3b 画像処理装置
3c ステー
4 第2マーキング装置
4a 噴射ノズル
5 センサ
7 スライダ(第2移動手段)
8 ステー(第2移動手段)
10 連続鋳造設備
13 連続鋳造機
A 連続鋳造機のマーキング装置
L 長尺材
S 短尺材
W ワーク
a,b,c マーキング位置
Claims (4)
- 連続鋳造機にて鋳型から鋳造された鋳片を走行切断機にて長尺材に切断する切断エリアに設置され、前記鋳型毎に対応する第1識別記号を前記長尺材にそれぞれ付する第1マーキング装置と、
この第1マーキング装置により前記長尺材に付した第1識別記号を、長尺材から短尺材に切断する短尺切断機の切断エリアにて視認できる位置に設置されると共に、読み取るための識別記号読取装置と、
この識別記号読取装置により読み取った前記第1識別記号に対応する第2識別記号を長尺材から短尺材に切断した後に付する第2マーキング装置と、
を備えたことを特徴とする連続鋳造機のマーキング装置。 - 前記第1マーキング装置は、各鋳型から成形され走行切断機により切断されて長尺材になる鋳片の端面に、前記第1識別記号を付する第1マーキング部と、前記第1マーキング部を、前記第1識別記号を付すマーキング位置および退避位置に移動させる第1移動手段とを備え、
前記識別記号読取装置は、長尺材の端面に付した前記第1識別記号のそれぞれを認識する認識手段と、前記認識手段により認識した前記第1識別記号のそれぞれを判別する判別手段とを備え、
前記第2マーキング装置は、前記判別手段からの信号に基づいて、前記長尺材から切断された短尺材の端面に前記第2識別記号を付する第2マーキング部と、前記第2マーキング部をマーキング位置および退避位置に移動させる第2移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載された連続鋳造機のマーキング装置。 - 前記第1識別記号のそれぞれと対応する第2識別記号は、同じ記号または識別の対応が確認できる記号であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載された連続鋳造機のマーキング装置。
- 連続鋳造機の鋳型により鋳造された鋳片に対し識別記号を付するマーキング方法であって、
(1)各鋳型で鋳造された鋳片が長尺材に切断される走行切断機の位置で、各鋳型に対応したそれぞれの第1識別記号を長尺材の端面に付する第1ステップと、
(2)前記第1識別記号が付された各長尺材から前記第1識別記号を読み取る第2ステップと、
(3)読み取った第1識別記号のそれぞれと対応する第2識別記号を、前記長尺材から切り出された短尺材毎に、その端面に付する第3ステップと、
を含むことを特徴とする連続鋳造機のマーキング方法。
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