JP3617139B2 - 車両の障害物検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、該物体検出手段によって検出された物体に基づき障害物判断を行う車両の障害物検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、障害物検知装置としては、自車両の操舵角、車速等の車両状態量から自車両が今後走行すると予測される進行路を推定する進行路推定手段を備え、レーダ手段の広範囲の走査で得られる情報の中から、上記進行路推定手段で予測される進行路に沿った領域内の物体を障害物として検出し、その検出された物体(障害物)に自車両が接触する可能性を判断する障害物判断を行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、そのようなものでは、一般に、レーダ手段によって例えば前方車両等の前方物体を検出する場合に、例えば前方車両のリフレクタ、ボディ等から反射されて点(小さい領域)が物体として認識され、それらの物体を障害物と判断して障害物判断をするようにしているので、そのように検出された物体に基づいて単に障害物判断を行うだけでは、十分な検出精度を確保するのが困難である。また、検出された物体の数が多くなると、判断のための計算量が多くなり、障害物判断を効率よくかつ迅速に行うことができない。
【0004】
ところで、例えば特開平3−111785号公報に記載されるように、自車両の前方の所定の角度範囲にわたり送信波を掃引照射し、反射波を検出することにより、前方に存在する物体を検出する掃引型のレーダ手段と、このレーダ手段の結果より物体の横方向の大きさを認識する幅認識手段と、レーダ手段の検出結果から物体の自車両に対する角度を認識する角度認識手段と、幅認識手段及び角度認識手段の認識結果より、自車両の進行方向にほぼ直角で所定範囲内の幅を有する物体を車両と認識する車両認識手段と、を有する先行車両認識装置が知られているが、この装置は、先行車両を認識するものであるので、障害物検知装置の障害物検出手段にそのまま適用することができない。また、レーダ手段によって検出された物体の横方向の大きさ、物体の自車両に対する角度により、自車両の進行方向に略直角で所定範囲内の幅を有する物体を車両と認識するようにしているので、レーダ手段による物体の横方向の大きさ、物体の自車両に対する角度のバラツキが大きくなると、精度よく認識することが困難である。また、例えば同一速度で走行している2つの車両がある場合、それらを1つの物体と誤認識してしまうおそれもある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、検出精度を低下させることなく、障害物判断を効率よくかつ迅速に行うことができる障害物検知装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、該物体検出手段によって検出された物体に基づき障害物判断を行う車両の障害物検知装置を前提とするものである。
【0007】
請求項1に係る発明は、上記物体検出手段の出力を受け、障害物判断の必要度に応じて、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数以下に制限する物体登録手段を備え、該物体登録手段は、自車両前方の所定距離までの範囲と、それを越える範囲とで、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するものであり、具体的には、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準とする所定幅の範囲に存在する物体を、それを越える範囲では、進行路の中心線を基準とする所定角度範囲に存在する物体をそれぞれ障害物として選択して登録する構成とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記物体検出手段の出力を受け、障害物判断の必要度に応じて、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数以下に制限する物体登録手段を備え、該物体登録手段は、自車両前方の所定距離までの範囲と、それを越える範囲とで、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するものであり、具体的には、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を障害物として選択して登録し、それを越える範囲では、相対速度ベクトルに基づいて物体を障害物として選択して登録するものである。
【0009】
請求項3に係る発明においては、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するための自車両前方の距離に関するしきい値を自車両の速度に基づいて該速度が高いときの方が低いときよりも大きくなるようにするものである。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、物体登録手段によって、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数以下に制限され、障害物判断が効率よく行われる。そして、障害物が所定数を越えて認定された場合に、障害物判断の必要度の小さい物体から順に除かれて、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数以下に制限される。しかも、この物体登録手段によって、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体が、それを越える範囲では、進行路の中心線を基準に所定角度の範囲に存在する物体がそれぞれ障害物として選択され登録される。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、物体登録手段によって、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数以下に制限され、障害物判断が効率よく行われる。そして、障害物が所定数を越えて認定された場合に、障害物判断の必要度の小さい物体から順に除かれて、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数以下に制限される。しかも、この物体登録手段によって、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体が選択されて登録され、それを越える範囲では、物体データの相対速度ベクトルに基づいて物体が障害物として選択され登録される。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するための自車両前方の距離に関するしきい値が、自車両の速度に基づいて該速度が高いときの方が低いときよりも大きくなるように変更される。
【0013】
好ましいのは、上記物体検出手段は、自車両前方に存在する物体を検出するレーダヘッドユニットを有することであり、これにより、自車両前方に存在する物体が精度よく検出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に沿って詳細に説明する。
【0015】
自動車の全体構成を示す図1において、1は自車両である自動車で、その車体2の前部に、自車両前方に存在する物体(具体的には物体の全部又は一部)を検出するレーダヘッドユニット3が設けられている。このレーダヘッドユニット3は、レーダ波としてのパルスレーザ光を発信部から自車両の前方に向けて発信すると共に、前方に存在する先行車両等の障害物となり得る物体に当たって反射してくる反射波を受信部で受信するように構成されており、自車両から進行路上の物体(障害物)までの距離を計測するものである。また、物体検出手段3は、その発信部から発信する、縦に細く垂直方向に扇状に拡がったパルスレーザ光(ビーム)を水平方向に比較的広角度で走査させるスキャン式のものである。
【0016】
また、4はコントロールユニットで、図2に示すように、レーダヘッドユニット3からの信号と共に、自車両の車速を検出する車速センサ5、ステアリングハンドル6の操舵角を検出する舵角センサ7及び自車両が発生するヨーレートを検出するヨーレートセンサ8からの信号も入力され、それらの信号に基づいて、進行路状態がヘッドアップディスプレイ9に表示され、自車両前方に障害物(物体)を検知すると、警報装置10が作動すると共に、車両制御装置11がブレーキ11aを作動させて各車輪に制動力を自動的に付与するようになっている。
【0017】
上記コントロールユニット4は、図3に示すように、上記レーダヘッドユニット3と、該レーダヘッドユニット3の出力を受け、自車両前方に物体が存在するか否かを決定する物体決定手段21とからなる物体検出手段22を備える。また、物体検出手段22の出力を受け、検出された物体の属性(例えば距離、方位、大きさ、相対速度等)に基づき該物体が一定時間経過後に移動すると予想される予想領域を設定する予想領域設定手段23と、物体検出手段22の出力を受け予想領域の周囲又はその一部に検索領域を設定する検索領域設定手段24と、上記物体検出手段22及び予想領域設定手段23、検索領域設定手段24の出力を受け、一定時間経過後に物体検出手段22によって検出された物体と予想領域及び検索領域との比較により物体の移動を判定し、その移動に基づき物体を認定する物体認定手段25と、該物体認定手段25の出力を受け、認定された物体のうち、自車両の障害物となり得る物体を選択して登録する物体登録手段26と、該物体登録手段26の出力を受け、登録された物体同士の属性を比較して、それらが同一の物体に属するか否かを判定する同一判定手段27とを備える。そして、このようにして、選択され同一判定手段27による処理を経た物体(障害物)に基づき、進行路推定手段28によって推定される進行路について、障害物判定手段29によって障害物判断が行われる。
【0018】
上記物体決定手段21は、一定時間内にレーダヘッドユニット3によって検出された同一物体についての複数のデータに基づき、平均処理により、物体の大きさを精度よく検出(決定)するようになっている。また、一定時間内に検出された同一物体についての複数のデータうち、障害物判断に最も適する最適値(例えば自車両から最短距離のもの)を物体として検出(決定)し、障害物判断の精度を高めるように構成されている。さらに、上記物体決定手段21は、自車両からの距離に応じて、物体を検出する範囲を変更するように構成されている。即ち、自車両から所定距離前方までは自車両中心線を基準に所定幅の範囲で、それを越えると、自車両中心線を基準に所定角度範囲内に存在する物体を検出するようにし、検出する範囲を、障害物となる物体が存在すると考えられる範囲に限定し、物体検出の効率化を図るようになっている。
【0019】
上記予想領域設定手段23は、自車両前方の所定距離までの範囲と、それを越える範囲とで、予想領域の前後方向の大きさ及び左右方向の大きさを変更するように構成されている。即ち、自車両前方の所定距離までの範囲では、それを越える範囲よりも、予想領域の前後方向の大きさ及び左右方向の大きさを大きく設定し、自車両前方の所定距離までの範囲におけるノイズによる影響を低減できるようにしている。
【0020】
上記物体認定手段25は、物体認定の効率化のために、物体が予想領域内に存在すると認められるときは、無条件に物体が予想領域内に移動したと認定し、物体が予想領域及び検索領域外にあると認められるときは、新規な物体であると認定するように構成されている。また。物体認定手段25は、物体が2つの予想領域又は検索領域のいずれにも属すると認められるときには、物体の大きさの小さい側の予想領域又は検索領域に物体が移動したものと認定し、同一判定手段27による判定を精度よく行うために、物体の大きさが無限に大きくなっていくのを防止している。
【0021】
また、上記物体登録手段26は、処理の迅速化のため、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数(例えば本実施例では40個)以下となるように制限するようになっており、例えば、障害物となり得るとして選択された物体が所定数を越えて認定された場合には、障害物判断の必要度の小さい障害物から順に除いて、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数以下となるように制限されるように構成されている。また、物体登録手段26によって障害物として登録されている物体が、物体検出手段22によって連続して所定回数検知できなかったときには、もはや検知エリアに物体が存在しなくなったと考えられるので、登録を抹消するようになっている。また、上記物体登録手段26は、自車両前方の所定距離までの範囲と、それを越える範囲とで、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するように構成されている。例えば自車両前方の所定距離までの範囲では、側方からの飛出し等を考慮して進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を、それを越える範囲では、自車両がそこに達するまでに一定の時間を要すること、現在進行路上になくても進行路の方に向かって来る車両等があること等を考慮して進行路の中心線を基準に所定角度の範囲に存在する物体をそれぞれ障害物として選択し登録する。また、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を障害物として選択して登録し、それを越える範囲では、物体の相対速度ベクトルに基づいて、自車両の方に向かって来る物体のみを障害物として選択して登録するようにしてもよい。尚、物体登録手段26において登録されている物体の属性は、物体認定手段25により認定された結果に基づき、一定周期で変更(更新)され、常に現実の状態に近づけられ、無駄な障害物判断の処理を行わなくてもよいように構成されている。
【0022】
上記同一判定手段27は、進行路上に存在する物体が移動物体である場合には、あまり大きいものが存在するとは考えられないので、登録されている物体が静止物体か移動物体かによって判定条件を変更するように構成されている。
【0023】
上記進行路推定手段28は、車速センサ5及び舵角センサ7によって検出される自車両の車速Vと舵角φに基づいて自車両の進行路を推測するもので、具体的には進行路の曲率半径R1 を、次の式によって算出することによって行う。
【0024】
R1 =(1+A・V2 )・LB ・N/φ
但し、A :スタビリティファクタ
N :ステアリングギヤ比
LB :ホイールベース
また、ヨーレートセンサ8によって検出される自車両のヨーレートγと車速Vに基づいて、自車両の進行路を予想することもでき、その場合の進行路の曲率半径R2 は次の式で算出される。
【0025】
R2 =V/γ
ところで、高速道路等の曲線部にカントがあるときには、舵角φは実際の自車両の旋回角度と一致せず、この場合、舵角φに基づいて予想される自車両の進行路の曲率半径は、実際の曲率半径より大きくなる。また、自車両が直進走行しているときでも、ステアリングハンドルは左右に微妙に操舵されるのが普通であるから、舵角φに追従して車両の進行路を予想すると、その予想された進行路が実際の進行路と一致しなくなる場合がある。そこで、舵角φが所定値よりも小さいときは、ヨーレートγ及び車速Vから算出される進行路の曲率半径R2 を選択し、舵角φが所定値以上のときには、進行路の曲率半径R1 ,R2 のうち小さい方を選択するのが好ましい。即ち、自車両がカントを有する曲線道路上を旋回するときには、ステアリングハンドルを大きく操舵しなくても、自車両はカントにより旋回運動をすることから、自車両に発生するヨーレートに基づいて、曲率半径R2 を求めることにより自車両の進行路が的確に予想され、また、自車両が急激な旋回走行をするときには、大きな値となる舵角φに対応した曲率半径R1 が選択される一方、自車両が直線走行するときには、ステアリングハンドルはわずかに操作されるが、ヨーレートγは生じないので、このヨーレートγに基づき、直線道路であると予想された曲率半径R2 が選択される。
【0026】
続いて、コントロールユニット4による処理の流れについて説明する。
【0027】
<基本制御>
図4に示すように、スタートすると、まず、レーダヘッドユニット3によって検出された物体についてのデータの前処理が物体決定手段21によって行われる(ステップS1 )。即ち、レーダヘッドユニット3のスキャン角度範囲30°を300の部分に等角度分割し、各角度毎の物体(具体的には物体の全部とは限らず、一部である場合もある)、具体的には距離データ(自車両から、自車両前方に位置する物体までの距離についてのデータ)のうち、自車両から最短距離の物体を、障害物検知に最も適する最適値としてピックアップする。
【0028】
それから、ピックアップされた各物体の属性(大きさ、方位、距離、相対速度等)に基づき、予想領域設定手段23が、一定時間経過後に各物体が移動するであろうと予想される予想領域を設定すると共に、その予想領域の周囲にも物体が移動する可能性があるため、その周囲についても物体の移動がないか否かの検索を行う検索領域を、検索領域設定手段24によって設定する(ステップS2)。
【0029】
予想領域及び検索領域の設定後、物体の属性の判定を行う(ステップS3 )。即ち、物体認定手段25により、一定時間経過後に物体検出手段22によって検出された物体と予想領域及び検索領域との比較により、物体の移動を判定し、その移動に基づき物体を認定し、今回認定(検出)された物体が、物体登録手段によってすでに登録されている物体のいずれかに属するか否かを判定する。
【0030】
その結果に基づいて、不必要な物体(例えば登録はされているが今回検出されなかった物体)の登録が抹消され(ステップS4 )、すでに登録されている、いずれの物体にも属さなかった物体は、新規な物体として新たに登録されることになる(ステップS5 )。
【0031】
そして、登録されている物体の抹消、新規な物体の登録がなされ、確定(登録)された物体に基づいて、一定条件下、障害物検知に用いる物体を選択することで、障害物として登録される物体の総数が所定数以下となるように制限し(ステップS6 )、それに続いて、所定数以下に制限された各物体について、その物体の属性に基づき、障害物となり得る可能性がある物体の属性(大きさ、方位、距離、相対速度等)を変更する(ステップS7 )。
【0032】
このようにして、検出された物体についての一連の処理が終了し、障害物となり得る可能性がある物体が選択され登録されると、選択され登録された物体について、物体同士の属性を順に比較して、それらの物体が同一の物体に属するものであるか否かを判定する同一判定処理を行い(ステップS8 )、所定数以下に制限された物体をグループ化していくつかの物体の塊として把握して、リターンする。
【0033】
このようにすれば、グループ化された物体は1つの物体の塊に属するものであるから、それらの物体の間では相対速度差がないことになり、各物体ごとに判断する場合に比して、誤識別が少なくなり、正確に衝突判定等の障害物判断を行うことができる。
【0034】
<物体までの距離の検出>
図5に示すように、スタートすると、まず、レーダヘッドユニット3のスキャン回数i(i=1,2,3)をリセットして0にする(ステップS11)。即ち、i=0とする。
【0035】
そして、1回スキャンを行うことから、スキャン回数iをインクリメントしてi+1とし(ステップS12)、その後、i=4であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0036】
i=4でなければ、レーダヘッドユニット3のスキャン角度範囲30°を300の部分に等角度分割してなる各角度部分ごとの番号j(j=1,…,300)をリセットして0とする(ステップS14)。即ち、j=0とする。
【0037】
それから、角度部分ごとの番号jをイクリメントしてj+1とし(ステップS15)、j=300であるか否かを判定し(ステップS16)、j=300である場合には、すべての角度部分について終了しているので、ステップS12にリターンする一方、j=300でない場合にはステップS17に移行して、i=1であるか否かを判定する。
【0038】
i=1であれば、第1回目のスキャンであるから、第1回目のスキャンの各角度部分に対応する角度データdt(1,j) を、今回入力された、物体についての距離データinp-data(j) とし(ステップS18)、ステップS15にリターンする一方、i=1でなければ、ステップS19に移行して、i=2であるか否かを判定する。i=2であれば、第2回目のスキャンであるから、第2回目のスキャンの各角度部分に対応する角度データdt(2,j) を、今回入力された、物体についての距離データinp-data(j) とし(ステップS20)、ステップS15にリターンする一方、i=2でなければ、第3回目のスキャンであるから、第3回目のスキャンの各角度部分に対応する角度データdt(3,j) を、今回入力された、物体についての距離データinp-data(j) とし(ステップS21)、ステップS15にリターンする。
一方、ステップS13の判定において、i=4であれば、リセットによりj=0とし(ステップS22)、それから、各角度部分ごとの番号jをインクリメントしてj+1とし(ステップS23)、j=300であるか否かを判定し(ステップS24)、j=300である場合には、リセットによりi=0とし(ステップS25)、ステップS12にリターンする一方、j=300でない場合にはステップS26に移行して、まず、第2回目のスキャンの角度部分(番号j)の物体についての距離データdt(2,j) が第1回目のスキャンの角度部分(番号j)の物体についての距離データdt(1,j) より小さいか否かを判定し、距離データdt(2,j) が距離データdt(1,j) より小さい場合には、さらに距離データdt(2,j) が第2回目のスキャンの角度部分(番号j)の物体についての距離データdt(3,j) より小さいか否かを判定する(ステップS27)。
【0039】
距離データdt(2,j) が距離データdt(3,j) より小さい場合には、距離データdt(2,j) が最短値であるから、角度部分ごとの距離データdata(j) として距離データdt(2,j) を採用し(ステップS28)、ステップS23にリターンする一方、距離データdt(2,j) が距離データdt(3,j) より小さくない場合には、距離データdt(3,j) が最短値であるから、角度部分ごとの距離データdata(j) として距離データdt(3,j) を採用し(ステップS29)、ステップS23にリターンする。
【0040】
一方、ステップS26の判定において、距離データdt(2,j) が距離データdt(1,j) より小さくない場合にはさらに距離データdt(1,j) が距離データdt(3,j) より小さいか否かを判定する(ステップS30)。距離データdt(1,j) が距離データdt(3,j) より小さい場合には、距離データdt(1,j) が最短値であるから、角度部分ごとの距離データdata(j) として距離データdt(1,j) を採用し(ステップS31)、ステップS23にリターンする一方、距離データdt(1,j) が距離データdt(3,j) より小さくない場合には、距離データdt(3,j) が最短値であるから、角度部分ごとの距離データdata(j) として距離データdt(3,j) を採用し(ステップS32)、ステップS23にリターンする。
【0041】
従って、レーダヘッドユニット3のスキャン角度範囲30°を等角度分割してなる300の角度部分について、それぞれ3回づつ距離データが得られるが、各角度部分ごとに最短値が確定データとして採用されることとなる。
【0042】
<物体の大きさの検出>
図6に示すように、スタートすると、レーダヘッドユニット3のスキャン回数iが5回以下であるか否かを判定し(ステップS36)、5回以下であれば、ステップS37に移行し、次の式により、各角度部分(番号j)についての物体の大きさOB-size(j)を演算し、その後、スキャン回数iをインクリメントしてi+1とし(ステップS38)、リターンする。
【0043】
それから、検出回数が5回を越えると、今回検知された物体の大きさOB-N-size(j)が、すでに登録されている物体の大きさOB-size(j)についての所定の範囲内に属するか否かが判定される(ステップS39)。
【0044】
そして、所定の範囲内に属すれば、物体の大きさOB-size(j)を、今回検知された物体の大きさOB-N-size(j)として(ステップS40)、ステップS38を経て、リターンする。一方、所定範囲内に属さなければ、今回検知された物体の大きさOB-N-size(j)が、同一の角度部分(番号j)において平均処理された物体の大きさOB-size(j)よりも大きいか否かが判定され(ステップS41)、大きければ、今回検出された物体の角度データの最小値ang-N-min(j)が、登録されている物体の角度データの最小値ang-min(j)に等しいか否かを判定する(ステップS42)一方、大きくなければ、予想される物体予想位置を修正し(ステップS43)、ステップS40及びステップS38を経て、リターンする。
【0045】
ステップS42の判定で、等しければ、予想される物体予想位置を登録されている角度データの最小値ang-min(j)に合せて修正し(ステップS44)、ステップS40及びステップS38を経て、リターンする。一方、等しくなければ、さらに、今回検出された物体の角度データの最大値ang-N-max(j)が、登録されている物体の角度データの最大値ang-max(j)に等しいか否かを判定する(ステップS45)。そして、今回検出された物体の角度データの最大値ang-N-max(j)が、登録されている物体の角度データの最大値ang-max(j)に等しければ、予想される物体予想位置を登録されている物体の角度データの最大値ang-max(j)に合せて修正する(ステップS46)一方、等しくなければ、予想される物体予想位置に修正し(ステップS47) 、ステップS40及びステップS38を経て、リターンする。
【0046】
尚、図6に示す制御では、検出回数が5回以上になると、物体の大きさが確定し変化しないように取扱っているが、検出回数が所定回数経過するごとに物体の大きさを計算し直して更新することもできる。
【0047】
<物体の予想領域設定>
図7において、スタートすると、先ず、検出された物体の属性に基づき該物体が一定時間経過後に移動すると予想される、物体予想位置を含む物体予想領域を設定する(ステップS51〜S55)。ここで、図8に示すように、登録(確定)されている物体について、自車両から物体基準位置までの距離をOB-dist 、自車両に対する物体基準位置の方位(角度)をOB-ang、物体の左右方向の大きさをOB-size 、物体の前後方向の大きさをOB-div、領域端(角度データ)をOB-min(左側)、OB-max(右側)でそれぞれ表わす。今回検出されると予想される物体の予想位置について、距離はOB-dist-N 、方位はOB-ang-N、前後方向の大きさOB-div-N、予想位置の領域端OB-min-N(左側)、OB-max-N(右側)でそれぞれ表わす。尚、自車両に対する物体の相対速度はr-vel 、自車両に対する物体の相対角速度はa-velでそれぞれ表わす。
【0048】
具体的には、まず、物体予想位置が次の式に基づいて設定される(ステップS51)。
【0049】
OB-dist-N =OB-dist −r-vel×t
OB-ang-N =OB-ang−a-vel ×t
OB-min-N =OB-ang-N−OB-size /2
OB-max-N =OB-ang-N+OB-size /2
OB-div-N =OB-div
それから、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離α1 (しきい値)を越えるか否かを判定し(ステップS52)、その結果に応じて、物体予想位置の周囲に物体予想領域を設定する(図8破線参照)。即ち、距離OB-dist-N が所定距離α1 を越えれば、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div をa1 とする(ステップS53)一方、越えなければ、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div をa2 (>a1)とする(ステップS54)。これによって、自車両前方の所定距離α1 を越えない場合は、越える合よりも、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div が大きくなるように変更されることとなり、検出される物体についてのデータのばらつき、ノイズの影響を受けないようにして検出精度を高めている。
【0050】
その後、物体予想領域の領域端(左側)OB-SC-min をOB-ang-N−β1 /2に,領域端(右側)OB-SC-max をOB-ang-N+β1 /2に設定して(ステップS55)、物体予想位置の基準位置OB-ang-Nを中心にして角度β1 の拡がりを有するようにされる。
【0051】
それから、今回検出された物体についてのデータの属性の判定を行う(ステップS56)。即ち、今回検出された物体の属性に基づき、各物体がそれぞれすでに登録されているどの物体に属するかの判定を行う(図14及び図15参照)。
【0052】
そして、今回検出された物体についてのデータに基づき、物体予想位置の修正を行う。即ち、各物体に対応する物体番号iを0とし(ステップS57)、それから物体番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS58)、物体番号iが最大物体個数Max-numberに等しいか否かを判定し(ステップS59)、等しければ、そのままリターンする。等しくなければ、物体検索領域の最小角度データMin(dt(i))(物体検索領域の領域端の角度データ)が物体予想位置の最小角度データOB-min-Nよりも小さいか否かを判定する(ステップS60)。
【0053】
物体検索領域の最小角度データMin(dt(i))が物体予想位置の最小角度データOB-min-Nよりも小さければ、Min(dt(i))をOB-min-Nとし(ステップS61)、物体検索領域の最大角度データMax(dt(i))(物体検索領域の領域端の角度データ)よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さいか否かを判定する(ステップS62)一方、小さくなければ、直ちにステップS62に移行する。
【0054】
ステップS62の判定において、物体検索領域の最大角度データMax(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さければ、Max(dt(i))をOB-max-Nとし(ステップS63)、ステップS64に移行する一方、小さくなければ、直ちにステップS64に移行する。
【0055】
ステップS64の判定において、物体検索領域の最大前後方向長さMax-div よりも物体予想位置の前後方向長さOB-div-Nが小さければ、Max-div をOB-div-Nとし(ステップS65)、ステップS58に移行する一方、小さくなければ、ステップS65を経ることなく、ステップS58に移行する。
【0056】
ところで、上述した制御において、ステップS52〜ステップS55の処理に代えて、図9に示すように構成することもできる。即ち、ステップS51において物体予想位置を設定した後、自車両と物体との相対速度Vi が所定速度C1 (しきい値)未満であるか否かを判定し(ステップS71)、所定速度C1 未満であれば、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離α1 (しきい値)を越えるか否かを判定し(ステップS72)、越えれば、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div を所定値a1 とする(ステップS73)一方、越えなければ、所定値a2 とする(ステップS74)。
【0057】
一方、相対速度Vi が所定速度C1 未満でなければ、ステップS72の処理と同様に、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離α1 (しきい値)を越えるか否かを判定し(ステップS75)、越えれば、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div を所定値a3 とする(ステップS76)一方、越えなければ、所定値a4 とする(ステップS77)。このように、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N だけでなく、相対速度Vi も考慮して、物体予想領域の前後方向の長さOB-SC-div を変更している。なお、a1 <a2 <a3 <a4 である。
【0058】
ステップS71〜S77の処理の後、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離C2 (しきい値)未満であるか否かを判定し(ステップS78)、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離C2 (しきい値)未満であれば、
OB-SC-min =OB-ang-N−β1 /2
OB-SC-max =OB-ang-N+β1 /2
とする(ステップS79)一方、物体予想位置の基準位置までの距離OB-dist-N が所定距離C2 未満でなけば、
OB-SC-min =OB-ang-N−β2 /2
OB-SC-max =OB-ang-N+β2 /2
とし(ステップS80)、ステップ56に移行する。ここで、β1 <β2 である。
【0059】
よって、自車両前方の所定距離までの範囲と、それを越える範囲とで、物体予想領域の左右方向の大きさが変更されていることになる。
【0060】
尚、予想領域の初期値は、次のように設定される(図10参照)。
【0061】
図10において、スタートすると、サンプル回数smp が3回以下であるか否かが判定される(ステップS91)。5回以下であれば、物体予想位置を次の式によって、
OB-dist-N =OB-dist −v0 ・t
OB-ang-N =OB-ang
と設定する(ステップS92)一方、5回を越えれば、物体予想位置を次の式によって、
OB-dist-N =OB-dist −r-vel ・t
OB-ang-N =OB-ang−a-vel ・t
と設定する(ステップS93)。ここで、v0 は自車速である。
【0062】
それから、物体予想位置の領域端OB-min-N,OB-max-N、前後方向長さOB-div-Nを、
OB-min-N=OB-ang-N−(OB-size /2)・α
OB-max-N=OB-ang-N+(OB-size /2)・α
OB-div-N=OB-div
とする(ステップS94)。
【0063】
<物体の検索領域設定>
図11において、スタートすると、まず、次の式により、物体検索領域を設定する(ステップS101 )。なお、物体検索領域は、(物体検索領域)≧(物体予想領域)となるように設定される。ここで、自車両から物体検索領域までの最大距離をOB-K-dist-max 、自車両から物体検索領域までの最小距離をOB-K-dist-min 、物体検索領域の領域端(左側)をOB-K-min、物体検索領域の領域端(右側)をOB-K-maxで表わす。尚、b1 ,b2 ,b3 は定数である。
【0064】
OB-K-dist-max =OB-dist-N +OB-div-N+b1
OB-K-dist-min =OB-dist-N −b3
OB-K-max =OB-ang-N+b2 /2
OB-K-min =OB-ang-N−b2 /2
それから、検出された物体についての検知データに基づき、物体の属性を判定する(ステップS102 )。即ち、今回検出された物体が物体検索領域に入るか否かを判定する(図14及び図15参照)。
【0065】
続いて、物体検索領域との関係で物体予想位置を修正する。即ち、物体識別番号iをリセットして0とし(ステップS103 )、それから物体識別番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS104 )、物体識別番号iがmax-number(物体の最大数)に等しいか否かを判定する(ステップS105)。等しければ、リターンする一方、等しくなければ、検索領域の最小角度データMin(dt(i))よりも物体予想位置に最小角度データOB-min-Nが大きいか否かを判定する(ステップS106 )。
【0066】
検索領域の最小角度データMin(dt(i))よりも物体予想位置の最小角度データOB-min-Nが大きければ、Min(dt(j))をOB-min-Nとし(ステップS107 )、それから、検索領域の最大角度データMax(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さいか否かを判定する(ステップS108 )一方、検索領域の最大角度データMin(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-min-Nが大きくなければ、直ちにステップS108 に移行し、物体検索領域の最大角度データMax(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さいか否かを判定する。
【0067】
物体検索領域の最大角度データMax(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さいと、Max(dt(i))をOB-max-Nとし(ステップS109 )、それから、物体検索領域までの最大距離Min(dd(i))よりも物体予想位置までの距離OB-dist-N が大きいか否かを判定する(ステップS110 )一方、物体検索領域の最大角度データMax(dt(i))よりも物体予想位置の最大角度データOB-max-Nが小さくなければ、直ちにステップS110 に移行し、物体検索領域までの最大距離Max(dd(i))よりも物体予想位置までの距離OB-dist-N が大きいか否かを判定する。
【0068】
物体検索領域までの最小距離Min(dd(i))よりも物体予想位置までの距離OB-dist-N が大きければ、Min(dd(i))をOB-dist-N とし(ステップS111 )、それから、物体検索領域までの最大距離Max(dd(i))よりも物体予想位置の前後方向の大きさOB-div-Nが大きいか否かを判定する(ステップS112 )一方、物体検索領域までの最小距離Min(dd(i))よりも物体予想位置までの距離OB-dist-N が大きくなければ、直ちにステップS112 に移行し、物体検索領域までの最大距離Max(dd(i))よりも物体予想位置の前後方向の大きさOB-div-Nが大きいか否かを判定する。
【0069】
物体検索領域までの最大距離Max(dd(i))よりもOB-div-Nが小さければ、Max(dd(i))をOB-div-Nとし(ステップS113 )、ステップS104 にリターンする一方、物体検索領域までの最大距離Max(dd(i))よりも物体予想位置の前後方向の大きさOB-div-Nが小さくなければ、直ちにステップS104 にリターンする。
【0070】
<物体個数の制限>
図12において、スタートすると、検出された物体の個数が40個以下である否かを判定し(ステップS121 )、40個以下である場合は、物体個数の制限の条件は満たされているので、そのままリターンする一方、物体の個数が40個以下でない場合は、障害物として仮登録される物体の個数を40個以下に制限する必要があるので、ステップS122 に移行し、まず、物体を識別するために付与する物体番号i,kをそれぞれ0とする。よって、i=0,k=0となる(ステップS122 )。
【0071】
それから、物体番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS123 )、物体番号iがn(物体の最大個数)+1に等しいか否かを判定し(ステップS
124 )、等しくなければ、距離に関するしきい値L0 を自車速V0 に基づいて設定する(ステップS125 )。すなわち、このしきい値L0 は、例えば自車両前方50mというような固定値を用いてもよいが、この例ではそれを自車速V0 に基づいて図13に示すマップに従って決定している。
【0072】
次に、自車両から物体(物体番号i)までの距離L(i) がL0 以下であるか否かが判定される(ステップS126 )一方、物体番号iがn+1に等しければ、すべての物体についての判断が終了しているので、物体番号iをリセットして0とする(ステップS127 )。
【0073】
そして、自車両から物体(物体番号i)までの距離L(i) がL0 以下であれば、ステップS128 に移行して、距離L(i) での進行路幅(角度で表現)2Δi を
(進行路幅+α)/L(i)
とする。ここで、αは定数である。
【0074】
それから、進行路幅2Δi を設定した後、自車両からの、物体(物体番号i)の方位θi がφ(進行路の中心位置の方位)−Δi より大きいか否かを判定し(ステップS129 )、大きければ、さらに、物体の方位θi がφ+Δi より小さいか否かを判定し(ステップS130 )、小さければ、進行路幅Δi を左右に有する進行路上に物体(物体番号i)が存在するので、INSIDEフラグを1にして(ステップS131 )、ステップS123 にリ−タンする。一方、ステップS129 ,S130 の判定でNOの場合には、ステップS132 に移行して、進行路上に物体は存在しないので、INSIDEフラグを0として、ステップS123 にリターンする。
【0075】
一方、距離L(i) がL0 以下でなければ、相対速度Vi が自車速V0 に等しいか否かを判定し(ステップS132 )、相対速度Vi が自車速V0 に等しければ、INSIDEフラグを0とし(ステップS146 )、相対速度Vi が自車側V0 に等しくなければ、ステップS131 に移行して、INSIDEフラグを1とし、ステップS123 にリターンする。
【0076】
これによって、登録されたすべての物体に対して、距離L(i) =L0 までの進行路上に存在するか否かの判断の結果であるINSIDEフラグが付与されることとなる。
【0077】
また、ステップS127 では物体番号iをリセットしてi=0ととした後、物体番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS133 )、物体番号iがn+1に等しいか否かを判定する(ステップS134 )。
【0078】
そして、i=n+1であれば、すべての物体についての判断が終了しているので、別の物体番号kをインクリメントしてk+1とする(ステップS135 )一方、i=n+1でなければ、INSIDEフラグが0であるか否か判定し(ステップS136 )、INSIDEフラグが0であれば、障害物判断を行う必要のない物体でありそれを除くことができるので、物体総個数nをデクリメントしてn−1とする(ステップS137 )、それから、物体総個数nが40個以下であるか否かを判定し(ステップS138 )、40個以下であれば、物体個数の制限の条件は満たされるので、そのままリターンする。一方、ステップS136 の判定でINSIDEフラグが0でない場合は、ステップS138 の判定で物体総個数nが40個以下でない場合は、ステップS127 にリターンする。
【0079】
ステップS135 で物体番号kをインクリメントしてk+1とした後、物体番号kがn+1に等しいか否かを判定し(ステップS139 )、k=n+1であれば、物体個数の制限の条件を満たすために物体個数を減らす必要があるので、最も遠くに位置する物体1個だけをキャンセルし(ステップS140 )、それから、物体総個数nをデクリメントしてn−1とし(ステップS141 )、物体個数が40個以下であるか否かを判定し(ステップS142 )、40個以下であれば、物体個数の制限の条件を満たすので、そのままリターンする一方、40個以下でなければ、物体個数の制限の条件を満たすまで、最も遠くに位置する物体1個だけをキャンセルする処理を繰返し、ステップS140 にリターンする。
【0080】
一方、物体番号kがn+1でなければ、物体(物体番号k)の中心位置が進行路中心線を基準に所定角度の範囲内にあるか否か、即ち物体の中心位置が所定角度の範囲のTmin (左側)とTmax (右側)との間にあるか否かを判定し(ステップS143 )、それらの間にあればnをデクリメントしてn−1とし(ステップS144 )、物体個数が40個以下であるか否かを判定し(ステップS145 )、40個以下であれば、リターンする。一方、40個以下でなければ、ステップS135 にリターンする。物体の中心位置が、Tmin (左側)とTmax (右側)との間にない場合も、ステップS135 にリターンする。
【0081】
このようにして、自車両前方の距離L0 までは、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を障害物として選択し、距離L0 を越える範囲では、進行路の中心線を基準に所定角度の範囲に存在する物体を障害物として選択し、障害物検知の対象となる物体の個数が40個以下に制限されることとなる。
【0082】
ここで、ステップS125 における距離しきい値L0 の設定において、図13に示すように自車速V0 が高くなるに従ってしきい値L0 が大きく(従って距離が長く)なっているのは次の理由による。
【0083】
まず、物体の障害物としての選択登録が、L0 よりも近距離では進行路の中心線を基準とする所定幅内の狭い範囲(L0 よりも遠距離の場合に比べて狭い範囲)で行なわれるのは、自車両が現在の進行路からその側方へ逸れる可能性は自車両に近い位置では少なく、従って、進行路の側方に存在する物体は自車両に近いものほど障害物となる可能性が少ないからである。そして、自車速V0 が高くなると、自車両から比較的遠い位置でも進行路から側方へ逸れる可能性が少なくなり、該側方に存在する物体は障害物になり難くなるため、上記しきい値L0 を大きくして、より障害物となり易い物体を多く選択登録できるようにしているものである。
【0084】
なお、図13のマップに代えて、自車速V0 と距離しきい値L0 との関係が一次関数(正比例の関係)になっているものや、自車速のV0 の増加に従ってしきい値L0 がステップ状に高くなっていくものを採用してもよい。
【0085】
また、上記例では、ステップ140 において、遠くの物体からキャンセルするようにしているが、自車両との相対速度が小さい物体からキャンセルを実行していくようにしてもよい。相対速度が小さくなるほど当該物体が自車両の障害物となる可能性は少なくなる、と考えられる。
【0086】
また、他のキャンセル基準としては次のものがある。それは、L0 よりも近距離では、物体iのデータ(OB-dist,OB-ang)に基づいて自車両が当該物体iに到達するための旋回半径Rt =OB-dist/{2sin (OB-ang)}を求め、これと自車両の旋回半径Rとの差による必要横加速度a=V0 2 ×|Rt −R|を求め、該横加速度aが基準値a0 以上であるときに、該物体iが障害物となる可能性が少ないとしてキャンセルし、L0 よりも遠距離では、物体iの点と、自車両の進行路上の自車両から距離OB-dist (物体iの距離)離れた点との角度差Δθiを求め、これに物体iの角速度γiを乗じたキャンセル評価量Ci=Δθi×γiを求め、該評価量Ciが基準値C0 よりも大きいときに当該物体iを自車両の障害物になる可能性が少ないとしてキャンセルする、というものである。
【0087】
<検知データの属性の判定>
図14において、スタートすると、判定されていない物体についての検知データがあるか否かが判定され(ステップS151 )、検知データがあれば、その検知データについての距離dist及び方位ang を読み込む(ステップS152 )一方、検知データがなければ、そのままリターンする。
【0088】
検知データの距離dist及び方位ang を読み込んだ後、現在登録されているすべての物体に対して、物体予想位置を含む物体予想領域に入るか否かの判定を行い(ステップS153 )、1つの物体予想領域のみに入る場合には、その物体に属する物体であると判定し(ステップS154 )、複数の物体予想領域に入る場合には、その中で一番小さい物体に属する物体であると判定し(ステップS155 )、リターンする一方、どの物体予想領域にも入らない場合には、現在登録されているすべての物体に対してそれらの物体検索領域に入るか否かの判定を行う(ステップS156 )。尚、ステップS155 において、その中で一番小さい物体に属する物体と判定するとは、例えば、検知データが2つの物体(物体N0.a,b)に仮に属するとされたとすると、それらの横方向の大きさOB-size(a),OB-size(b)を比較し、それらのうちの小さい方の物体に属する、と処理することを意味する。これは、物体の大きさが徐々に大きくなって行くのを防止するためである。
【0089】
1若しくは複数の物体検索領域に入る場合には、入ったすべての物体検索領域の、物体予想領域から検知データまでの距離を算出し(ステップS157 )、続いて、入った物体検索領域が1つであるか否かを判定する(ステップS158 )。1つであれば、さらに、算出された物体予想領域までの距離が設定値以下であるか否かを判定し(ステップS159 )、設定値以下であれば、その物体に属するデータであると判定し(ステップS160 )、リターンする一方、設定値以下でなければ、新規物体のデータであると判定する(ステップS161 )。
【0090】
また、ステップS158 の判定で入った物体検索領域がひとつでなければ、各物体予想領域から検知データまでの距離の一番小さい物体を選択して(ステップS162 )、ステップS159 に移行する。
【0091】
ここで、物体予想領域から検知データまでの距離の一番小さい物体を選択しているのは、距離の一番小さい物体に属するのが最も確からしいと考えられるからである。
【0092】
また、ステップS156 の判定で、どの物体検索領域にも入らない場合には、新規物体のデータであると判定し(ステップS163 )、リターンする。
【0093】
ステップS153 における判定は、具体的には、次のように行われる。
【0094】
図15に示すように、ステップS152 で、あるデータの距離dist、方位ang を読み込んだ後、まず、物体番号iを1とし(ステップS171 )、それから、それの方位ang が物体予想領域の左右方向の領域端OB-min(i) ,OB-max(i) の間にあるか否かを判定する(ステップS172 )。
【0095】
方位ang が物体予想領域の左右方向の領域端OB-min(i) ,OB-max(i) の間にあれば、さらに、距離distが物体予想領域の前後方向の範囲内に入るか否か、即ち物体基準距離OB-dist(i)とそれに前後方向の拡がりOB-divを加えた範囲内に入るか否かの判定を行い(ステップS173 )、入っていれば、この検知データは物体iに仮に属するとし(ステップS174 )、ステップS175 に移行する一方、ステップS172 ,S173 での判定がNOの場合は、直ちにステップS175 に移行する。
【0096】
ステップS175 においては、物体番号iが登録物体個数Iに等しいか否かを判定し、等しければ、ステップS176 に移行し、この検知データの仮に属する物体の個数がいくつ出るか判定する(ステップS177 )一方、等しくなければ、物体番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS178 )、ステップS172 にリターンし、i=Iとなるまでこれを繰り返すことになる。
【0097】
そして、物体の個数が0のときはステップS157 に移行し、物体の個数が1のときはステップS155 に移行し、さらに物体の個数が複数である場合には、ステップS156 に移行する(図14参照)。
【0098】
<物体の属性変更>
図16において、スタートすると、まず、物体番号iをリセットして0とし(ステップS181 )、それから、物体番号iをインクリメントしてi+1とし(ステップS182 )、それから、物体番号iがMax-number(物体最大個数)に等しいか否かを判定する(ステップS183 )。等しければ、そのままリターンする一方、等しくなければ、今回検出された物体(物体番号i)の大きさOB-size-N がOB-size(i)−off-sizeより大きく、かつOB-size(i)+off-sizeより小さいか否かを判定する(ステップS184 )。YESの場合は、物体の領域端(右側)OB-maxを今回検出された物体の領域端(右側)OB-max-N、物体の領域端(左側)OB-minを今回検出された物体の領域端(右側)OB-min-Nとし(ステップS185 )、それから、それらの平均(OB-max+OB-min)/2を物体の方位OB-angとし(ステップS186 )、ステップS183 にリターンする。一方、NOの場合には、物体の大きさOB-size(i)が今回検出された物体の大きさOB-size-N(i)よりも小さいか否かを判定する(ステップS187 )。
【0099】
ステップS187 の判定で、YESの場合には、物体の領域端(左側)OB−min(i)と今回検出された物体の領域端(左側)OB−min-N(i)とが等しいか否かを判定する(ステップS188 )一方、NOの場合には、物体の領域端(右側)OB−max 、物体の領域端(左側)OB-minをそれぞれ、OB-ang-N+OB-size/2 ×α,OB-ang-N−OB-size/2 ×α2 とし(ステップS189 )、ステップS186 に移行する。ここで、α2 は長さを角度に変更するための係数である。
【0100】
ステップS188 の判定で、YESの場合には、OB-max、OB-minをそれぞれ、OB-min-N+OB-size ,OB-min-Nとし(ステップS190 )、ステップS186 に移行する一方、NOの場合には、OB-max(i) とOB-max-N(i) とが等しいか否かを判定する(ステップS191 )。
【0101】
ステップS191 の判定で、YESの場合には、OB-max、OB-minをそれぞれ、OB-max-N,OB-max-N+OB-size とし(ステップS192 )、ステップS186 に移行する一方、NOの場合には、OB-min(i) よりもOB-min-N(i) が小さいか否かを判定する(ステップS193 )。
【0102】
ステップS193 の判定で、YESの場合には、さらに、OB-max(i) よりもOB-max-N(i) が大きいか否かを判定する(ステップS194 )一方、NOの場合には、OB−max 、OB-minをそれぞれ、OB-min-N−OB-size ×α2 ,OB-min-Nとし(ステップS195 )、ステップS186 に移行する。
【0103】
ステップS194 の判定で、YESの場合には、OB-max,OB-minをそれぞれOB-ang-N+OB-size/2 ×α2 ,OB-ang-N−OB-size/2 ×α2 とする(ステップS195 )一方、NOの場合には、OB-max、OB-minをそれぞれ、OB-max-N,OB-max-N+OB-size ×αとし(ステップS196 )、ステップS186 に移行する。
【0104】
<新規物体の登録>
図17において、スタートすると、どこにも属さなかった物体(検知データ、番号i)の距離dist(i) ,角度ang(i)を読み込み(ステップS221 )、次の式に基づき、最小角度データang-min(i)、最大角度データang-max(i)、最短距離データdist-min(i) 、最遠距離データdist-max(i) を演算する(ステップS222 )。
【0105】
ang-min(i) =ang(i)−ang-offset
ang-max(i) =ang(i)+ang-offset
dist-min(i) =dist(i) −dist-offset
dist-max(i) =dist(i) +dist-offset
それから、変数jを最小角度データang-min(i)とし(ステップS223 )、それから変数jをインクリメントしてj+1とし(ステップS224 )、物体(検知データ、番号j)についての距離dist(j) が、dist-min(i) とdist-max(i) との間にあるか否かを判定し(ステップS225 )、dist-min(i) とdist-max(i) との間にあれば、この検知データ(番号j)は物体iに属するとし(ステップS226 )、jがang-max(i)+1であるか否かを判定する(ステップS227 )。一方、それらの間になければ、直ちにステップS227 に移行し、変数jがang-max(i)+1であるか否かを判定する。
【0106】
変数jがang-max(i)+1であれば、ang-min(i)からang-max(i)までのすべてのang(i)についての判定が終了したので、次の式に基づき、OB-min,OB-max,OB-ang,OB-dist を設定し(ステップS228 )、リターンする一方、変数がang-max(i)+1でなければ、ステップS224 に戻る。
【0107】
OB-min =Min(ang(i))
OB-max =Max(ang(i))
OB-ang =(OB-min+OB-max)/2
OB-dist =Min(dist(i) )
<物体の同一判定>
図18において、スタートすると、2つの物体(物体番号j,i)について同一であるか否かを判定するために、それぞれの物体の属性、具体的には相対速度V(j) ,V(i) 、前後方向の大きさOB-div(j) ,OB-div(i) 、横方向の大きさOB-size(j),OB-size(i)、物体の方位OB-ang(j) ,OB-ang(i) を読み込み(ステップS231 ,S232 )、それから、変数K=1、I=1とする(ステップS233 ,S234 )。
【0108】
それに続いて、同一物体については判断する必要がないので、変数Kと変数Iとが不等であるか否かが判定され(ステップS235 )、それらが不等であれば、重複判断を回避するために、物体(物体番号i)の左右方向の大きさOB-size(i)が物体(物体番号j)の左右方向の大きさOB-size(j)より小さいか否かを判定する(ステップS236 )。
【0109】
物体(物体番号i)の左右方向の大きさOB-size(i)が物体(物体番号j)の左右方向の大きさOB-size(j)より小さければ、ばらつきを制限するために、物体(物体番号i)の前後方向の大きさOB-div(i) と物体(物体番号j)の前後方向の大きさOB-div(j)との差の絶対値が所定値α以下であるか否かを判定する(ステップS237 )。所定値α以下であれば、物体(物体番号i)の方位OB-ang(i) と物体(物体番号j)の方位OB-ang(j) の差の絶対値が所定値β以下であるか否かを判定する(ステップS238 )。所定値β以下であれば、物体(物体番号i)との相対速度V(i) と、物体(物体番号j )との相対速度V(j) との差の絶対値が所定値γ以下であるか否かを判定する(ステップS239 )。所定値γ以下であれば、それらの相対速度V(i) 及びV(j) が共に自車両の車速V0 に不等であるか否か即ち静止物体であるか移動物体であるかを判定する(ステップS240 )。
【0110】
共に車速V0 に不等であれば、移動物体であり、同一物体としての大きさが所定値δ以下であるか否かを判定する(ステップS241 )一方、共に車速V0 に不等でなければ、静止物体であり、同一物体としての大きさが所定値ε(>δ)以下であるか否かを判定する(ステップS242 )。所定値εを所定値δより大きくしているのは、移動物体の場合は車両等で大きさがある程度制限されるが、静止物体の場合はそのような制限がなく、ある程度大きいものも考えられるからである。
【0111】
所定値δ,ε以下であれば、物体(物体番号j)は物体(物体番号i)に属するものとし(ステップS243 )、改めて物体(物体番号i)の属性を登録し、そして物体(物体番号j)の属性を削除する(ステップS244 )。一方、所定値δ,ε以下でなければ、変数IをインクリメントしてI+1とし(ステップS245 )、変数Iがobject-max(物体最大個数)になったか否かを判定する(ステップS246 )。変数Iがobject-maxに等しければ、変数Kに1を加算してK+1とし(ステップS247 )、変数Kがobject-maxになったか否かを判定する(ステップS248 )一方、等しくなければ、ステップS235 にリターンする。そして、変数Kがobject-maxに等しければ、そのままリターンする一方、等しくなければ、ステップS234 にリターンする。
【0112】
尚、ステップS235 〜S242 の判定において、NOである場合には、ステップS245 に移行する。
【0113】
ここで、物体の属性の登録は、例えば図19に示すように行われる。
【0114】
図19において、スタートすると、物体(物体番号i)の領域端(右側)OB-max(i) が物体(物体番号j)の領域端(右側)OB-max(j) よりも大きいか否かを判定し(ステップS201 )、大きくなければ、物体(物体番号i)の領域端(右側)OB-max(i) を物体(物体番号j)の領域端(右側)OB-max(j) とし(ステップS202 )、それから、物体(物体番号i)の領域端(左側)OB-min(i) が物体(物体番号j)の領域端(左側)OB-min(j) より小さいか否かを判定する(ステップS203 )一方、大きければ、直ちにステップS203 に移行して、物体(物体番号i)の領域端(左側)OB-min(i) が物体(物体番号j)の領域端(左側)OB-min(j) より小さいか否かを判定する。
【0115】
物体(物体番号i)の領域端(左側)OB-min(i) が物体(物体番号j)の領域端(左側)OB-min(j) より小さくなければ、物体(物体番号i)の領域端(左側)OB-min(i) を物体(物体番号j)の領域端(左側)OB-min(j) とし(ステップS204 )、今回検出された物体(物体番号i)までの距離OB-dist-N(i)が今回検出された物体(物体番号j)までの距離OB-dist-N(j)より小さいか否かを判定する(ステップS205 )一方、小さければ、直ちにステップS205 に移行し、今回検出された物体(物体番号i)までの距離OB-dist-N(i)を今回検出された物体(物体番号j)までの距離OB-dist-N(j)より小さいか否かを判定する。
【0116】
今回検出された物体(物体番号i)までの距離OB-dist-N(i)が今回検出された物体(物体番号j)までの距離OB-dist-N(j)より小さければ、今回検出された物体(物体番号i)までの距離OB-dist-N(i)を物体(物体番号i)までの距離OB-dist(i)とする(ステップS206 )一方、小さくなければ、今回検出された物体(物体番号j)までの距離OB-dist-N(j)を物体(物体番号i )までの距離OB-dist(i)とし(ステップS207 )、その後、今回検出された物体(物体番号i)の前後方向長さOB-div-N(i) が今回検出された物体(物体番号j)の前後方向長さOB-div-N(j) より小さいか否かを判定する(ステップS208 )。
【0117】
今回検出された物体(物体番号i)の前後方向長さOB-div-N(i) が今回検出された物体(物体番号j)の前後方向長さOB-div-N(j) より小さければ、今回検出された物体(物体番号i)の前後方向長さOB-div-N(i) を物体(物体番号i)の前後方向長さOB-div(i) とする(ステップS209 )一方、今回検出された物体(物体番号i)の前後方向長さOB-div-N(i) が今回検出された物体(物体番号j)の前後方向長さOB-div-N(j) より小さくなければ、今回検出された物体(物体番号j)の前後方向長さOB-div-N(j) を物体(物体番号i)の前後方向長さOB−div(i)とし(ステップS210 )、物体(物体番号i)の左右方向の大きさOB-size(i)を(OB-max(i) −OB-min(j) )×OB-dist(i)×αとする(ステップS211 )。αは定数である。
【0118】
ところで、車両が高速道路を走行している場合には、上記制御を簡略化して、次のように行うこともできる。尚、高速道路を走行しているか否かの判定は、例えば車速が80km/h以上であるか否かにより判定することができる。
【0119】
図20において、スタートすると、2つの物体(物体番号j,i)について物体の属性を読み込み(ステップS251 ,S252 )、それから、変数K=1、I=1とする(ステップS253 ,S254 )。
【0120】
それに続いて、物体(物体番号i)の左右方向の大きさOB-size(i)が物体(物体番号j)の左右方向の大きさOB-size(j)より小さいか否かを判定する(ステップS255 )。
【0121】
物体(物体番号i)の左右方向の大きさOB-size(i)が物体(物体番号j)の左右方向の大きさOB-size(j)より小さければ、OB-ang(i) とOB-ang(j)との差の絶対値が所定値α以下であるか否かを判定する(ステップS256 )。所定値α以下であれば、相対速度V(i) とV(j) との差の絶対値が所定値βγ以下であるか否かを判定する(ステップS257 )。
【0122】
所定値β以下であれば、物体(物体番号j)は物体(物体番号i)に属するものとし、改めて物体(物体番号i)の属性についてのデータを更新すると共に、物体(物体番号j)の属性についてのデータを抹消する(ステップS258 )。そして、変数IをインクリメントしてI+1とし(ステップS259 )、変数Iがobject-max(物体の最大個数)になったか否かを判定する(ステップS260 )。変数Iがobject-maxに等しければ、変数KをインクリメントしてK+1とし(ステップS261 )、変数Kがobject-maxになったか否かを判定する(ステップS262 )一方、等しくなければ、ステップS255 にリターンする。そして、ステップS262 の判定において、変数Kがobject-maxに等しければ、そのままリターンする一方、等しくなければ、ステップS253 にリターンする。
【0123】
尚、ステップS255 〜S257 の判定において、NOである場合には、ステップS259 に移行する。
【0124】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2に係る発明は、上記のように、物体登録手段によって、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数以下に制限するようにしているので、障害物判断を行う必要がある物体の総数が所定数以下となり、障害物判断の処理の効率化、迅速化を図ることができる。そして、物体登録手段によって、障害物として選択され登録される物体の総数が所定数を越える場合には、障害物判断の必要度の小さい障害物から順に除き、障害物として選択され登録される物体の総数を常に所定数以下に制限するようにしているので、障害物判断の必要度の高い障害物については確実に障害物判断がなされ、障害物判断の精度を損なうこともない。
【0125】
しかも、請求項1に係る発明によれば、物体登録手段によって、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を、それを越える範囲では、進行路の中心線を基準に所定角度の範囲に存在する物体をそれぞれ障害物として選択し登録するようにしているので、自車両がそこに進行するまでに時間を要する、自車両前方の所定距離を越える範囲が、自車両前方の所定距離までの範囲よりも大きくなり、障害物となる可能性のある物体を確実に障害物として選択し登録することができる。
【0126】
また、請求項2に係る発明によれば、物体登録手段によって、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を認定し、それを越える範囲では、物体の相対速度ベクトルに基づいて物体を認定するようにしているので、物体の相対ベクトルによって障害物となる可能性のないものを除くことができ、障害物判断の効率化を図ることができる。
【0127】
請求項3に係る発明は、物体を障害物として選択し登録する基準を変更するための自車両前方の距離に関するしきい値を自車両の速度に基づいて該速度が高いときの方が低いときよりも大きくなるようにするので、自車両の障害物となり易い物体をより多く選択し登録する上で有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の斜視図である。
【図2】コントロールユニットの説明図である。
【図3】コントロールユニットについてのブロック図である。
【図4】コントロールユニットの基本的処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】物体として最短値を選択するフローチャト図である。
【図6】物体の大きさを検出する処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】物体の予想領域設定のフローチャート図である。
【図8】物体及びそれの一定時間経過後の予想領域の説明図である。
【図9】物体の予想領域設定の実施例についてのフローチャート図である。
【図10】物体の属性データの初期値の決定のフローチャート図である。
【図11】物体の検索領域の設定のフローチャート図である。
【図12】障害物の個数の制限のフローチャート図である。
【図13】自車速V0 と距離しきい値L0 との関係を示すマップ図
【図14】障害物の属性判定のフローチャート図である。
【図15】予想領域に入るか否かの判定のフローチャート図である。
【図16】物体の属性データ(角度)の変更のフローチャート図である。
【図17】新規物体の登録のフローチャート図である。
【図18】障害物の同一判定のフローチャート図である。
【図19】物体の属性データ(距離、角度、大きさ、ばらつき)の変更のフローチャート図である。
【図20】障害物の同一判定の変形例のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 自動車
3 レーダヘッドユニット
4 コントロールユニット
21 物体検出手段
22 予想領域設定手段
23 検索領域設定手段
24 物体認定手段
25 物体登録手段
26 同一判定手段
Claims (3)
- 自車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、該物体検出手段によって検出された物体に基づき障害物判断を行う車両の障害物検知装置であって、
上記物体検出手段の出力を受け、障害物判断の必要度に応じて、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数以下に制限する物体登録手段を備え、
上記物体登録手段は、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準とする所定幅の範囲に存在する物体を、それを越える範囲では、進行路の中心線を基準とする所定角度範囲に存在する物体をそれぞれ障害物として選択して登録することを特徴とする車両の障害物検知装置。 - 自車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、該物体検出手段によって検出された物体に基づき障害物判断を行う車両の障害物検知装置であって、
上記物体検出手段の出力を受け、障害物判断の必要度に応じて、障害物として選択され登録される物体の総数を所定数以下に制限する物体登録手段を備え、
上記物体登録手段は、自車両前方の所定距離までの範囲では、進行路の中心線を基準に所定幅の範囲に存在する物体を障害物として選択して登録し、それを越える範囲では、相対速度ベクトルに基づいて物体を障害物として選択して登録することを特徴とする車両の障害物検知装置。 - 物体を障害物として選択し登録する基準を変更するための自車両前方の距離に関するしきい値を自車両の速度に基づいて該速度が高いときの方が低いときよりも大きくなるようにするところ請求項1又は請求項2に記載の車両の障害物検知装置。
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