JP3615930B2 - 浮体構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮体構造物に関し、浮プラットフォ−ム、海上空港、浮体工場、浮倉庫等に用いられる、超大型の浮体式海洋構造物の構造型式に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶や浮防波堤等の鋼製の海洋構造物に波浪外力が作用した時の応答や荷重を考える場合は、一般的に構造物を剛体として取り扱うことが可能である。
近年このような浮体構造物として、長さが数キロにも及ぶ超大型浮体が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような超大型の浮体構造物においては、弾性応答が大きくなることから、もはや剛体とみなすことが困難となる。そのため、超大型の浮体構造物に対して波浪外力が作用した際には、図7(a)に示すような平面形状の浮体構造物F1が、例えば、図7(b)に示すように弾性変形して、波浪外力に対する応答が薄い膜のような挙動を示す。
その結果、超大型の浮体構造物では、今まで考慮されていなかった弾性変形の可能性を考慮に入れる必要性が生じ、かつ、この弾性変形が構造強度に与える影響が大きいために、弾性変形した場合でも充分な構造強度を有するという必要性を生じていた。しかし、この弾性変形可能性と充分な構造強度という要求は、相反するものであり、実現するには困難を生じていた。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、外力による弾性変形の減少を図りつつ、構造強度を確保する浮体構造物の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の鋼製浮体ユニットと、
該鋼製浮体ユニットを収容する複数の浮体収容部を有する枠体と、
前記鋼製浮体ユニットの前記枠体に対する変位を吸収して前記鋼製浮体ユニットと該枠体とを接続する可撓性の係留手段として積層ゴムとを有し、前記枠体が、平面形状が三角形の前記浮体収容部を複数組み合わせて三角格子状に形成されてなることにより上記を課題を解決した。
そのため、本発明の浮体構造においては、枠体の浮体収容部に係留手段によって浮体(鋼製浮体ユニット)を収容したので、波浪外力等が作用した際に、枠体に対して浮体が可動となり、外力による枠体の弾性変形の減少を図り、浮体構造物の構造強度を確保することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る浮体構造物の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態における浮体構造物を示す平面図、図2は図1の部分拡大平断面図、図3は図1の部分拡大側面図である。これらの図において、符号10は浮体構造物、11は枠体(鉄筋コンクリート枠)、12は浮体(鋼製浮体ユニット)、13は係留手段、14は上甲板、Wは海面である。
【0007】
浮体構造物10は、図1ないし図3に示すように、複数の浮体(鋼製浮体ユニット)12と、該浮体12を収容する複数の浮体収容部11aを有する枠体(鉄筋コンクリート枠)11と、前記浮体12と該枠体11とを複数箇所で接続する可撓性の係留手段13とを有する。
【0008】
鉄筋コンクリート製の枠体11は、図1ないし図3に示すように、平断面長方形の浮体収容部11aを複数有する格子状に形成される。該浮体収容部11aは鉄筋コンクリート枠11内部に設けられ上下が開口した空間とされ、この浮体収容部11aの内部には、浮体12がそれぞれ収納される。鉄筋コンクリート枠11の上部には、図3に示す鋼製あるいは鉄筋コンクリート製の上甲板14が設けられて、該上甲板14には、浮体構造物10の設置目的に添ってさらに上部構造物が設けられる。
浮体収容部11aは、図1に示すような鉄筋コンクリート枠11に対する規則的な配置でなくてもよい。
また、鉄筋コンクリート枠11と上甲板14とを、一体として形成することも可能である。
【0009】
中空の鋼製の浮体12は、図1ないし図3に示すように、その長辺において3箇所、短辺において1箇所づつ前記浮体収容部11aの内側に対して係留手段13により接続される。
【0010】
図4は、鉄筋コンクリート枠11と鋼製浮体ユニット12との係留部分の拡大図であり、係留手段13は、例えばゴムシート13cと鉄板13dとを積層した積層ゴム13aとされて、該積層ゴム13aの両端に、フランジ13b,13bが設けられ、該フランジ13b,13bが、鉄筋コンクリート枠11と、鋼製浮体ユニット12とに固定される。
【0011】
このような浮体構造物10においては、鋼製浮体ユニット12の浮力により、該鋼製浮体ユニット12に係留手段13を介して接続された鉄筋コンクリート枠11,および上甲板14等が海面W上に浮設される。
【0012】
浮設された浮体構造物10において、波浪等によって鋼製浮体ユニット12に外力が作用し、該鋼製浮体ユニット12が水平方向に変位しようとする場合には、積層ゴム13aに対して圧縮引張力が作用し、ゴムシート13cが伸縮することによって、鋼製浮体ユニット12の鉄筋コンクリート枠11に対する変位を吸収し、鉄筋コンクリート枠11に作用する外力を削減することができる。
【0013】
また、浮設された浮体構造物10において、波浪等によって鋼製浮体ユニット12に外力が作用し、該鋼製浮体ユニット12が上下方向に変位しようとする場合には、積層ゴム13aに剪断力が作用し、ゴムシート13cが撓むことによって、鋼製浮体ユニット12の鉄筋コンクリート枠11に対する変位を吸収し、鉄筋コンクリート枠11に作用する外力を削減することができる。
【0014】
このように、係留手段13により鉄筋コンクリ−ト枠11に対して各浮体ユニット12を、上下方向及び水平方向にある程度の運動を許すように固定しているので、係留手段13の弾性変形により、波浪外力を吸収し、浮体構造物10全体の運動量を減少させて弾性変形を低減することができる。
【0015】
また、浮体構造物10においては、鉄筋コンクリ−ト枠11を、浮体収容部11aを形成して波浪の影響を受ける平面面積の小さい格子状としたので、浮体構造物10が部分変形した場合に、該浮体構造物10全体における弾性変形量を小さくすることが可能となるとともに、波浪等が作用した際に、浮体収容部11aから波浪を通過させて、鉄筋コンクリート枠11に作用する外力を低減することができる。
【0016】
次に、本発明に係る浮体構造物の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。図5は本実施形態における浮体構造物を示す平面図、図6は図5の部分拡大平断面図である。これらの図において、符号20は浮体構造物、21は枠体(鉄筋コンクリート枠)、22は浮体(鋼製浮体ユニット)、23は係留手段である。
【0017】
本実施形態において、浮体構造物20は、図5,図6に示すように、複数の浮体(鋼製浮体ユニット)22と、該浮体22を収容する複数の浮体収容部21aを有する枠体(鉄筋コンクリート枠)21と、前記浮体22と該枠体21とを複数箇所で接続する可撓性の係留手段23とを有する。
【0018】
鉄筋コンクリート製の枠体21は、図5,図6に示すように、平面形状が三角形の浮体収容部21aを複数組み合わせて三角格子状に形成される。該浮体収容部21aは鉄筋コンクリート枠21内部に設けられ上下が開口した空間とされ、この浮体収容部21aの内部には、浮体22がそれぞれ収容され、鉄筋コンクリート枠21の上部には、鋼製あるいは鉄筋コンクリート製の上甲板が設けられて、該上甲板には、浮体構造物20の設置目的に添ってさらに上部構造物が設けられる。
浮体収容部21aは、図5に示すような鉄筋コンクリート枠21に対する規則的な配置でなくてもよい。
また、鉄筋コンクリート枠21と上甲板とは、一体として形成することも可能である。
【0019】
中空円筒状の鋼製の浮体22は、図6に示すように、その円周面において3箇所、それぞれ前記浮体収容部21aの各辺に対して係留手段23により接続される。
係留手段23は、図4に示した第1実施形態の係留手段13と同様な積層ゴムの両端にフランジが設けられ、鉄筋コンクリート枠21と、鋼製浮体ユニット22とに固定される。
【0020】
本実施形態においては、鋼製浮体ユニット22,係留手段23,鉄筋コンクリート枠21および上甲板等からなる浮体構造物20が、鋼製浮体ユニット22の浮力により、海面上に浮設される。
【0021】
浮設された浮体構造物20において、波浪等によって鋼製浮体ユニット22に外力が作用し、該鋼製浮体ユニット22が変位しようとする場合には、積層ゴムに対して圧縮引張力または剪断力が作用しゴムが伸縮または撓むことにより、鋼製浮体ユニット22の鉄筋コンクリート枠21に対する変位が吸収されて、鉄筋コンクリート枠21に作用する外力を削減することができる。
【0022】
このように、係留手段23により鉄筋コンクリ−ト枠21に対して各浮体ユニット22を、ある程度の運動を許すように固定しているので、係留手段23の弾性変形により、波浪外力を吸収し、浮体構造物20全体の運動量を減少させて弾性変形を低減することができる。
【0023】
また、浮体構造物20においては、鉄筋コンクリ−ト枠21を、浮体収容部21aを組み合わせた三角格子状としたので、浮体構造物20が部分変形した場合に、該浮体構造物20全体における弾性変形量を小さくすることが可能となるとともに、波浪等が作用した際に、浮体収容部21aから波浪を通過させて、鉄筋コンクリート枠21に作用する外力を低減することができる。
さらに、浮体収容部21aを三角形状として鉄筋コンクリート枠21を三角格子状としたので、該鉄筋コンクリート枠21における外力による曲げやねじりに対する強度を向上することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の浮体構造物によれば、複数の浮体と、該浮体を収容する複数の浮体収容部を有する枠体と、前記浮体と該枠体とを接続する可撓性の係留手段とを有するため、超大型の浮体構造物であっても、浮体収容部を波浪が通過可能なことにより枠体へ作用する波浪外力を低減し、かつ、係留手段が弾性変形することにより浮体が枠体に対して移動可能なため、浮体構造物全体の強度確保と、外力による枠体の弾性変形の減少とを同時に図ることができ、その結果、大きい外力が作用した場合にも、損傷を免れることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浮体構造物の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の浮体収容部付近を示す拡大平断面図である。
【図3】図1の浮体収容部付近を示す拡大側面図である。
【図4】図1の係留手段付近を示す側面図である。
【図5】本発明に係る浮体構造物の第2実施形態を示す平面図である。
【図6】図5の浮体収容部付近の拡大平断面図である。
【図7】浮体構造物における非変形状態(a)および波浪等による変形状態(b)を示す図である。
【符号の説明】
10,20…浮体構造物
11,21…枠体(鉄筋コンクリート枠)
11a,21a…浮体収容部
12,22…浮体(鋼製浮体ユニット)
13,23…係留手段
13a…積層ゴム
13b…フランジ
13c…ゴムシート
13d…鉄板
14…上甲板
W…海面
Claims (1)
- 複数の鋼製浮体ユニットと、
該鋼製浮体ユニットを収容する複数の浮体収容部を有する枠体と、
前記鋼製浮体ユニットの前記枠体に対する変位を吸収して前記鋼製浮体ユニットと該枠体とを接続する可撓性の係留手段として積層ゴムとを有し、前記枠体が、平面形状が三角形の前記浮体収容部を複数組み合わせて三角格子状に形成されてなることを特徴とする浮体構造物。
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JP09639598A JP3615930B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 浮体構造物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09639598A JP3615930B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 浮体構造物 |
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JPH11291977A JPH11291977A (ja) | 1999-10-26 |
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1998
- 1998-04-08 JP JP09639598A patent/JP3615930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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