JP3615716B2 - データ管理装置及び地図データ記憶システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、データ管理装置及び地図データ記憶システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、CAD(Computer−Aided Design)データや地図データ等を管理するデータ管理装置では、ベクトルデータやビットイメージデータ等の図形データを大量に記憶し管理している。地図や製品の全体を構成するデータの総量は膨大なものである。
【0003】
しかし、地図の一部や製品の一部に限って見れば、それほどのデータは必要としない。その部分的な表示に係わるデータのみで足りるからである。従って、ある限られた範囲の表示に必要な図形データを特定することができれば、この必要なデータのみを読み込んで高速に表示等することが可能となる。そこで、従来技術では、図形データをメッシュ等の区画単位で管理し、メッシュ単位でデータを処理するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来技術では、図形データをメッシュ単位で管理するため、複数のメッシュにまたがって存在する図形データは、各メッシュ毎にそれぞれ分割されて管理される。例えば、円形状の図形データが4つのメッシュにまたがって存在する場合を例に挙げると、本来「円形状」としてひとまとまりのデータは、4つの「円弧」データに分割されて各メッシュに対応付けられる。
【0005】
従って、ある形状等を記述するベクトルデータがメッシュ数に応じて複数のベクトルデータまたはビットイメージデータに分割されてしまうため、データ量が増大し、データ操作も複雑化するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、その目的は、オブジェクトを分割することなく扱うことにより効率的なデータ管理を実現できるようにしたデータ管理装置及び地図データ記憶システムを提供することにある。本発明の他の目的は、後述する実施の形態から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明に係るデータ管理装置は、n次元の記憶空間でオブジェクトを管理するものであり、記憶空間は、それぞれサイズの異なる格納区域を有する複数のレベルを階層化して構成されている。そして、各レベルのうちオブジェクトの全体を収容可能な格納区域を有するレベルを検出するレベル選択手段と、検出されたレベルを構成する格納区域のうち所定の格納区域にオブジェクトの全体を格納する格納手段とを備えている。
【0008】
ここで、「n次元の記憶空間」としては、例えば、二次元または三次元の記憶空間を挙げることができる。「オブジェクト」とは、物理的または機能的な概念のまとまりを現すデータであり、例えば、地図データやCADデータ等の図形データを挙げることができる。なお、ここでいう「図形データ」としては、円や線等の形状データのみならず、文字データも含まれる。図形データは、二次元空間または三次元空間等のn次元空間で用いられる。
【0009】
記憶空間は、複数のレベルを階層化してなるもので、各レベルはそれぞれサイズの異なる格納区域を有している。「格納区域」とは、オブジェクトを記憶するための論理的な記憶領域であり、例えば、地図表示システムにおけるメッシュ等が該当する。レベル選択手段は、各レベルのうちオブジェクトの全体を収容可能な格納区域を有するレベルを検出する。格納手段は、検出されたレベルを構成する格納区域のうち所定の格納区域にオブジェクトを登録して格納させる。
【0010】
これにより、ひとまとまりのデータ(オブジェクト)を分割することなく管理することができ、データ量の増大を防止して効率的にデータ操作を行うことができる。
【0011】
記憶空間は、最下位のレベルから最上位のレベルに向かうにつれて格納区域のサイズが大きくなるように設定されており、かつ、最上位のレベルを構成する格納区域のサイズは、最大サイズのオブジェクトを収容可能なサイズとして設定されているのが好ましい。
【0012】
最大サイズのオブジェクトを収容可能な格納区域を最上位のレベルに用意することにより、全てのオブジェクトを分割することなくひとまとまりのものとして取り扱うことができる。
【0013】
レベル選択手段は、オブジェクトに外接する図形を求め、この外接図形のサイズと各レベルを構成する格納区域のサイズを比較し、格納区域のサイズが外接図形のサイズ以上であるレベルを、オブジェクトの全体を収容可能なレベルとして検出することができる。
【0014】
オブジェクトに外接する図形を基準に適切な格納区域を調査することにより、オブジェクトの全体を収容可能な格納区域を検出することができる。オブジェクトに外接する図形としては、矩形、円形、楕円形、直方体、球体等の種々のものを採用することができる。記憶空間を効率的に使用するためには、格納区域間の隙間が生じない矩形や直方体(三次元の場合)が望ましい。
【0015】
格納手段は、外接図形に関与する各格納区域のうち該外接図形の所定座標が位置する格納区域にオブジェクトの全体を格納することができる。
【0016】
オブジェクトの外接図形が一つの格納区域内に位置する場合は、この格納区域にオブジェクトを格納させればよい。しかし、通常の場合、オブジェクトの外接図形は、2〜4個の格納区域にまたがる事が多い。この場合、外接図形の所定座標を基準にして、格納区域を選択する。所定座標としては、例えば、外接図形が矩形の場合なら四隅や中心の座標を挙げることができ、外接図形が円形の場合は中心や中心に直交する線分と円周との交点等を挙げることができる。
【0017】
ここで、オブジェクトに文字データが含まれる場合に、該文字データの読み方向に応じて外接図形の所定座標を設定することもできる。
【0018】
「文字データの読み方」とは、例えば、横書きの文字を左から右に読んだり、縦書き文字を上から下に読む等のように、言語によって定まる文字の読み方向を意味する。「文字データの読み方に応じて外接図形の所定座標を設定」とは、文字データの意味がユーザに伝わり易いように外接図形の所定座標を設定することを意味する。具体的には、左から右に読む文字の場合は、外接図形の左側を所定座標として設定することにより、文字データの一部分のみが使用され表示される場合でも、ユーザは文字データの前半部分を読むことができる。同様に、上から下に読む文字の場合は、外接図形の上側に所定座標を設定することにより、文字データの一部のみが表示される場合でも、ユーザは文字データの前半部分を読むことができる。外接図形の左側かつ上側である左上に所定座標を設定することにより、左から右に読む文字と上から下に読む文字の双方に対応できる。
【0019】
本発明に係る地図データ記憶システムは、多数の断片地図データに細分された全体地図データを有するもので、それぞれ異なるメッシュサイズを有する複数のレベルを階層化してなる記憶空間が設けられている。そして、断片地図データは、それぞれのサイズに応じたメッシュサイズを有するレベルにおいて、所定位置のメッシュにそれぞれ記憶されている。
【0020】
これにより、断片地図データが複数のメッシュにまたがって存在する場合でも、断片地図データをひとまとまりのデータとして取り扱うことができ、地図データを効率よく管理することができる。
【0021】
一方、断片地図データを描画したときの図形に外接する外接矩形を算出し、該外接矩形のサイズ以上のメッシュサイズを有するレベルを断片データの格納レベルとして検出するレベル選択手段と、検出されたレベルを構成するメッシュのうち外接矩形の所定座標が位置するメッシュに断片地図データを格納させる格納手段とを備えて、地図データ記憶システムを構成することもできる。
【0022】
ここで、断片地図データとは、例えば、地図画像に含まれる個々の地理要素(例えば、各道路、各鉄道線路、各河川、各建物、各敷地、各地物名称、各地図記号、各アイコンなどの個々の地理的事物)毎のデータ(例えば、各地理的事物を表したポリゴンデータ、線データ、文字データ、ビットマップイメージデータなど)である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1〜図10に基づいて、本発明の実施の形態を地図表示システムに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る地図表示システムの全体構成を概略的に示す構成説明図である。
【0025】
本地図表示システムは、地図提供サービスを行う地図サーバ10と、ユーザにより利用される複数のクライアントコンピュータ(一台のみ図示)30とにより大略構成されており、地図サーバ10と各クライアントコンピュータ30とは、例えば、インターネット20のような通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0026】
地図サーバ10は、広範な地域の地図データを格納した地図データベース11を有している。クライアントコンピュータ30は、地図サーバ10にアクセスするためのクライアントプログラム31を有する。クライアントプログラム31には、地図サーバ10に対して地図データの送信を要求し、また、地図サーバ10から受信した地図データを描画して表示するための地図表示プログラム32が、例えば、プラグインソフトウエアのような形で付属している。また、クライアントコンピュータ30は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置33やマウスのような操作装置34も備えている。さらに、クライアントコンピュータ30は、マイクロコンピュータを利用したコンピュータシステムとして構成されており、CPU等の演算処理部やメモリ等の記憶部を有している。そして、記憶部には、図2と共に後述するように、地図サーバ10から取得した地図データを一時的に記憶するためのキャッシュ領域35が形成されている。
【0027】
(必ずしもそうである必要はないが、)本実施の形態において、地図サーバ10はWWW(World−Wide Web)サーバであり、クライアントコンピュータ30内のクライアントプログラム31はWWWブラウザである。地図サーバ10とクライアントプログラム31とは、HTTPプロトコルによって地図データの要求(HTTPリクエスト)や地図データの受信(HTTPレスポンス)等を行う。
【0028】
地図データベース11は、例えば、HDD装置等の大容量記憶装置を利用して実現されるものである。地図データベース11には、例えば、ポリゴン、線、文字等を描画するためのベクトルデータを主体とする地図データが階層化されて記憶されている。ポリゴンデータは、例えば、建物や敷地等を描画するためのものである。線データは、例えば、道路や鉄道等を描画するためのものである。文字データは、例えば、地名や建物名称等を描画するための文字コードとアイコンや地図記号等のシンボルマークを描画するためのデータとを含んでいる。なお、ポリゴン等は一例であって、これらに限定されない。図5,図6と共に後述するように、ポリゴン、線、文字の各地理要素データは、メッシュサイズの異なるレイヤを階層化して構成されたデータベース内にそれぞれ登録されている。
【0029】
地図データベース11が保持する全体地図は、経度及び緯度の方法に細分された多数のメッシュにより分割されている。各メッシュ毎のデータがそれぞれ一つのファイルを構成しており、各データには、全体地図上での位置座標を特定する「識別情報」としてのメッシュ番号がそれぞれ割り当てられている。
【0030】
地図サーバ10は、ベクトルデータの形式で地図データをクライアントコンピュータ30に送信する。地図表示プログラム32の描画エンジンは、ベクトルデータを解釈してビットマップイメージデータを生成する。これにより、表示装置33にはユーザが所望する範囲の地図が表示される。即ち、地図サーバ10は、クライアントから要求されたデータを地図データベース11から取得してクライアントへ返信するだけであり、描画処理は行わない。従って、地図サーバ10の処理負担は小さくなる。これにより、地図サーバ10は、多数のクライアントから要求を受けているときでも、各クライアントに対して即座に要求された地図データを返信することができる。
【0031】
次に、図2に基づき、地図表示プログラム32の機能的構成を説明する。
【0032】
地図表示プログラム32は、表示部320とダウンローダ323を有する。表示部320は、ユーザによる操作装置34を用いた地図のスクロールや拡大縮小の操作に応答して、地図の表示すべき範囲を決定する。表示部320は、表示範囲に必要なメッシュのファイル名(メッシュ番号、図中では「ファイルID」と表示)を選定し、そのメッシュのファイルをダウンローダ323に要求する。また、表示部320は、ダウンローダ323から取得したメッシュのファイルに含まれるベクトルデータに基づいて地図画像を描画する。ダウンローダ323は、表示部320からのファイル取得要求を受け付けると、その要求されたファイルの送信を地図サーバ10に要求し、地図サーバ10から必要なファイルをダウンロードする。
【0033】
表示部320は、キャッシュ管理部321を介してメモリ・キャッシュ322にアクセスする。メモリ・キャッシュ322には、ダウンローダ323を介して過去に取得したメッシュの地図データが所定の位置に記憶されている。
【0034】
ダウンローダ323は、ダウンロード対象のファイルのファイル名(地図サーバ10に格納されたファイルへのパス名又はファイルID)をリストアップしたダウンロード・リクエスト・リスト327(表示部320は、随時このリスト内のファイル名を消去する)と、新たなファイルがダウンロードされたか否かを表示部320に知らせるためのダウンロード・フラグ328と、各ファイルをダウンロードするときの各HTTPセッションをそれぞれ行う複数のHTTPセッション・スレッド326A〜326D(4個のスレッドを図示するが、その個数は可変である)とを備えている。
【0035】
また、ダウンローダ323は、キャッシュ管理部324を介して、HDD装置等の大容量不揮発性記憶装置内に形成されたディスク・キャッシュ325にアクセスすることができる。ディスク・キャッシュ325には、地図サーバ10からダウンロードした地図データが所定の位置に格納されている。
【0036】
地図表示プログラム32は、ユーザの操作に応じて表示すべき範囲を確定し、この表示範囲に含まれる(一部が含まれる場合も含む)メッシュの番号を割り出して、必要なメッシュのデータを地図サーバ10に要求する。地図表示プログラム32は、表示範囲に含まれる全レベルの全メッシュについて地図データを要求する。一つのHTTPセッション・スレッドにより一つのメッシュのデータが地図サーバ10からクライアントコンピュータ30にダウンロードされる。
【0037】
このとき、例えば、小縮尺(例えば全国地図)→中縮尺→大縮尺(例えば市街地図)のように、縮尺の小さなデータ(高レベルにあるメッシュのデータ)から縮尺の大きなデータ(低レベルにあるメッシュのデータ)を地図サーバ10に要求することにより、最適縮尺の地図を徐々に表示させていくことができる(プログレッシブ表示)。また、建物等を表すポリゴンデータ、道路等を表す線データ、地名等を表す文字データについても、取得した順に表示させることにより、ユーザにストレスを与えることなく、滑らかに連続的に地図を表示させることができる。なお、ユーザ操作による表示範囲の変化時に、地図表示プログラム32は、全ての地図データを地図サーバ10に要求するわけではない。既に取得した地図データは、キャッシュ領域35(メモリ・キャッシュ322及びディスク・キャッシュ325)に記憶されているためである。
【0038】
ここで、注意すべきは、地図情報の有する性質、特徴である。地図情報は、単に氏名等を所定の順序で並べただけの名簿等とは異なり、地理的実体(建物、道路、山河等)の属性と位置を対応付けたものである。即ち、地図サーバ10が管理する地図情報は、実世界を抽象化した空間データベースであり、二次元または三次元の空間で連続的に使用されうるデータ群である。このため、例えば、ある地点を中心に周辺の地域を参照するような使われ方が多く、あるデータが単独で離散的に使用される可能性は低い。従って、表示範囲が変化する場合も、キャッシュ領域35にキャッシュされている地図データの一部を再利用できる可能性が高い。このため、キャッシュ領域35の効率的な管理は、地図表示システムにとって重要となる。
【0039】
図3は、地図データベース11の構造を示す説明図である。地図データベース11は、図3に示すような階層化されたファイル構造を有し、各ディレクトリ及び各ファイルの名称は、OSが許容する最小文字数で構成されている。即ち、ルートディレクトリ、サブディレクトリ、ファイルの各名称は、英数字一文字から構成されている。このディレクトリ構造は、メッシュ番号に対応して形成されている。また、一文字のファイル名を与えられた地図データ中にもメッシュ番号が含まれている。
【0040】
即ち、メッシュ番号に基づく所定の規則で各ファイルへのパスが設定されているため、地図表示プログラム32は、必要な地図データのメッシュ番号に基づいて所定のファイルのパスを算出し、地図サーバ10にデータ送信を要求することができる。地図サーバ10は、指定されたパスのファイルを地図データベース11から読み出してクライアント側に返信するだけである。メッシュ番号をパスに変換する処理は地図表示プログラム32側で担当しており、地図サーバ10側ではHTTPリクエストに応答する機能以外に何らの特別な機能を必要としない。ディレクトリ名及びファイル名を最小文字数としての一文字で構成するため、地図表示プログラム32から地図サーバ10にデータをリクエストするときのデータ量を低減することができる。また、文字数を制限する結果、階層が分かれるため、一つのディレクトリ内に含まれるサブディレクトリ及びファイルの数を制限することができ、HTTPリクエストに対する応答性を高めることができる。
【0041】
次に、図4はキャッシュ領域35のデータ管理方法を示す説明図である。
【0042】
上述した通り、地図データベース11は、最小文字数の名称を有する階層化ファイルシステムにより構成されているが、保持する地図データはそれぞれ固有のメッシュ番号を有しており、このメッシュ番号は地図上の位置座標に基づく値である。地図データベース11から取得された地図データは、クライアントコンピュータ30のキャッシュ領域35に記憶され必要に応じて再使用される。
【0043】
地図表示プログラム32は、上述した通り、必要な地図データのメッシュ番号から地図データベース11へのパスを生成する。地図サーバ10は、要求された地図データをクライアントコンピュータ30に返信する。メッシュ番号(Xi,Yj)を有するデータMDがクライアント側にダウンロードされた場合、このメッシュのデータMDは、キャッシュ領域の所定位置に格納される。キャッシュ領域の配列サイズをCnx,Cnyとすると、式1に示すように、メッシュデータMDのメッシュ番号を各座標軸毎にキャッシュ配列サイズでそれぞれ除算したときの余りが、キャッシュ領域中での格納位置となる。
【0044】
キャッシュ領域の格納位置=((Xi mod Cnx),(Yj mod Cny))・・・(式1)
即ち、メッシュのデータがキャッシュ領域で格納される位置は、そのメッシュ番号によって一意に定まっている。従って、所望するメッシュのデータをキャッシュ領域中で検索する場合は、該データのメッシュ番号から上記式1に基づいて指定格納位置を算出し、算出された位置に格納されているデータを直接調べれば足りる。つまり、キャッシュデータを検索するときは、メッシュ番号から定まる格納位置のみを検索すればよく、キャッシュ領域の全体を検索したり、あるいはデータ検索のためにキャッシュデータ管理テーブル等を特別に用意したりする必要はない。
【0045】
一方、所望のメッシュのデータが指定された格納位置に存在しない場合は、この不要となったデータを削除してメモリ領域を解放する。そして、地図データベース11から改めて取得したデータを、その指定格納位置に格納させる。つまり、ユーザが地図をスクロール操作すると、表示範囲がユーザの望む方向に変化していき、この変化に連れて、古いデータの削除(ガーベージコレクション)と新たなデータのキャッシュとが同時に行われることになる。なお、地図ベース11とディスク・キャッシュ325との関係に止まらず、ディスク・キャッシュ325とメモリ・キャッシュ322との間でも前記同様に、メッシュ番号から一意に定まる所定の位置にデータをキャッシュすることができる。
【0046】
次に、図5及び図6に基づいて、地図データベース11に地図データを登録する方法を説明する。
【0047】
まず、図5は、それぞれメッシュサイズの異なる複数のレベルを階層化した概念図である。本実施の形態では、メッシュサイズを違えた複数のレベルという新たな概念を導入している。各レベル内のメッシュサイズはそれぞれ同一であり不変である。なお、図5中では、レベルL0〜レベルLnまで4つのレベルを図示しているが、これは説明の便宜上一部のみを示したものであり、実際には、より多くのレベルを階層化する。
【0048】
最下位のレベルL0から最上位のレベルLnに上がるにつれて、メッシュサイズが段階的に大きくなるように設定されている。最上位レベルLnを構成するメッシュには最大のメッシュサイズが設定される。最大のメッシュサイズ(Hn×Wn)は、地図データベース11に登録される最大のオブジェクトを包含可能なサイズとして規定される。即ち、地図データベース11が対象とする全体地図で使用される最大のオブジェクト(例えば、日本地図なら列島全体のポリゴンデータ、市街地図の場合はその市が属する県の形状のポリゴンデータ、地名等)を包含可能なメッシュサイズである。図6中では、最上位レベルLnを単一のメッシュで構成する場合を例示したが、これは説明の便宜のためである。
【0049】
図6は、メッシュサイズの異なるレベルにオブジェクトを格納する様子を示す説明図である。図6(a)に示すポリゴンのオブジェクトを地図データベース11に格納するときは、まず、図6(b)に示すように、オブジェクトに外接する外接区矩形(バウンディングボックス)を算出する。次に、図6(c)に示すように、オブジェクトの外接矩形を収容可能な最小サイズのメッシュがどのレベルに存在するかを判定する。具体的には、最下位のレベルL0からメッシュサイズを調べていき、メッシュサイズが外接矩形よりも小さい場合は、さらに上位レベルのメッシュサイズを調べる。図6中では、レベルL3のメッシュサイズML3がオブジェクトの外接矩形を収容する最小サイズとして検出されている。なお、最上位レベルLnのメッシュサイズは最大のオブジェクトを収容可能に設定されているため、どのようなオブジェクトであっても最上位レベルLnのメッシュで必ず収容可能である。
【0050】
レベルが決定した後は、そのレベルのどのメッシュにオブジェクトを登録するか決定しなければならない。地図データである以上、オブジェクトの表示位置は、そのオブジェクトが象徴している地理的実体の位置に基づいて予め決定されている。図6(d)に示すように、オブジェクトが4つのメッシュML3(1)〜ML3(4)にまたがって存在する場合、いずれのメッシュに格納するかが問題となる。従来の地図表示システムでは、本来一つのオブジェクトを各メッシュ毎に分割してそれぞれ格納するようになっているが、これでは本来ひとまとまりのデータがばらばらとなってデータ量が増大し、データ処理の手間もかかる。
【0051】
そこで、本実施の形態では、ひとまとまりのオブジェクトを分割することなくそのままの形で格納することにしている。このため、本実施の形態では、オブジェクトに外接する矩形の左上隅の座標Pが位置するメッシュML3(1)を当該オブジェクトの格納先として決定する。もちろん、他の選択も可能である。例えば、オブジェクトの重心が位置するメッシュを格納先メッシュとして選択することもできるし、または、外接矩形の座標ではなく、オブジェクトそのものの左端や右端等が位置するメッシュを格納先として選択することもできる。あるいは、外接矩形の右上隅、左下隅等の他の座標を基準にすることも可能である。
【0052】
しかし、外接矩形の座標を格納先選択の基準とすることで格納先選択処理が容易となる。また、外接矩形の左上隅Pを基準とすることにより、オブジェクトが文字データの場合に、利便性が増す。表示画面に文字の一部しか表示されない場合、文字の先頭部分(左側)を表示する方が、文字の終わり部分(右側)を表示するよりもユーザにとって便利だからである。具体的には、例えば「***ビルディング」という文字の一部が表示される場合に、「***ビル」と表示する方が「ルディング」と表示されるよりも分かり易い。左下隅ではなく左上隅Pを基準とするため、縦書き文字の場合も文字列の先頭部分を優先して表示させることができる。横書きの場合に左から右に読み、縦書きの場合に上から下に読むという言葉の特性に基づいて、オブジェクトの格納先を決定しているため、右から左に読み流す言葉で地図を表示する場合は、右上隅の座標を格納先選択の基準として採用してもよい。
【0053】
なお、「外接図形」として外接矩形を用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。円形や三角形等の他の外接図形を用いることもできる。また、三次元オブジェクトを管理する場合は、外接図形として直方体、球体等を採用することもできる。但し、データ登録の利便や効率を考慮すると、矩形や直方体を用いるのがより好ましいと言える。
【0054】
次に、図7〜図10に基づいて本実施の形態の作用を説明する。なお、図に示すフローチャートは、処理の要部の流れを概略的に示すもので、実際のプログラムとは異なる。また、ステップを「S」と略記する。
【0055】
まず、図7は、表示部320の動作の流れを示す。
【0056】
ユーザが地図のスクロール又は拡大縮小等の地図の表示範囲を変化させる操作を行うと(S1)、表示部320はこれに応答して、次の動作を行う。即ち、ダウンロード・リクエスト・リスト327に記載されている全てのファイル名を消去し(S3)、ダウンロード・フラグ328をリセットし(S4)、そして、変化後の新しい表示範囲を決定して、その表示範囲に必要なメッシュのファイル名(メッシュ番号)を決定する(S5)。なお、図10と共に後述するように、表示範囲に含まれる全てのメッシュと該メッシュ群の左横及び左上に隣接するメッシュ群とが、必要なメッシュとして決定される。
【0057】
S5では、表示部320は、拡大縮小操作で決まる表示倍率に基づいて、その表示範囲に表示すべき地図の縮尺として最適な縮尺を(例えば、表示倍率が大きければ大縮尺、中程度なら中縮尺、小さければ小縮尺というように)決定し、その最適縮尺の地図について、新しい表示範囲に必要なファイル名を決定する(ここで決定したの最適縮尺のファイルを、以下「必要ファイル」という)。それに加え、この最適縮尺の必要ファイルが直ちに入手できなかったときの一時的な代替表示(つまり、前述したプログレッシブ表示を行う)ために、最適縮尺よりも小さい(つまり、分母がより大きい)各縮尺の地図についても、新しい表示範囲と重なるメッシュのファイル名を決定する(この代替表示のためのより小縮尺の地図のファイルを、以下、「代替ファイル」という)。
【0058】
次に、表示部320は、新しい表示範囲について、ポリゴンレイヤ、線レイヤ及び文字レイヤの全てが表示されたか否かを判定する(S6)。表示未完了のオブジェクト(データ)がある場合は、そのデータのファイルがメモリ・キャッシュ322に格納されているか否かを判定する(S7)。メモリ・キャッシュ322に必要ファイルまたは代替ファイルが残っている場合は、そのファイルを読み出して描画し、表示する(S8)。上述した通り、各キャッシュファイルは、メッシュ番号(ファイルID)に基づいてメモリ・キャッシュ322における格納位置が定められているため、指定された格納位置のファイルに直接アクセスして必要なファイルであるか否かを検査することができる。なお、キャッシュデータの管理処理については、図9と共に詳述する。
【0059】
メモリ・キャッシュ322に必要ファイルまたは代替ファイルが存在しない場合は(S7:NO,S9:YES)、見つからなかった必要ファイル及び該必要ファイルのための代替ファイルであってメモリ・キャッシュ322から見つからなかったもの(以下、「不足ファイル」と総称する)を、ダウンローダ323に要求する(S10)。後述のように、ダウンローダ323は、表示部320から不足ファイルの要求を受けると、要求された順番で(まず必要ファイル、それが見つからなければ、段階的により小縮尺の代替ファイルの順で)、各不足ファイルをディスク・キャッシュ325から検索する。不足ファイルが発見された場合、ダウンローダ323は、ディスク・キャッシュ325内のファイルへのパスを表示部320に返し、見つからない場合はファイル無しと回答する。表示部320は、ダウンローダ323からファイルへのパスを受けた場合には(S11:YES)、そのファイルをディスク・キャッシュ325から読込んでメモリ・キャッシュ322に保存し(S12)、そのファイルのベクトルデータから地図画像を描画して、ディスプレイ画面の対応する領域に表示する(S13)。
【0060】
一方、不足ファイルがディスク・キャッシュ325にも存在しない場合は(S11:NO)、不足ファイルの有無を再度判定し(S14)、不足ファイルがある場合にはS1に戻って表示範囲に変更が生じたか否かを判定する。表示範囲に変化がない場合は、ダウンローダ323によってダウンロードフラグがセットされるまで待機する(S2)。後述のように、ダウンローダ323は、あるファイルについてファイル無しという回答を返した場合には、そのファイルを地図サーバ10からダウンロードする作業に入り、そのファイルのダウンロードが終わると、そのファイルをディスク・キャッシュ325に格納して、ダウンロード・フラグ328を立てる。ダウンロード・フラグ328が立った場合(S2:YES)、表示部320は、表示範囲が変化したときに行ったと同様の処理を再び繰り返す。即ち、ダウンロード・リクエスト・リスト327内の全てのファイル名を消去し(S3)、ダウンロード・フラグ328をリセットし(S4)、表示範囲を計算し直して、表示範囲に必要なメッシュのファイル(メッシュ番号)を決定し(S5)、ファイルを取得して地図画像を描画して表示するためのS9以下の処理を繰り返す。これにより、表示部320は、既に描画して表示済みであったメッシュについては、再び同じ地図画像を描画して表示し直すことになり、また、ファイルがダウンロードされたメッシュについては、そのダウンロードされたファイルをディスク・キャッシュ325から読み込み、地図画像を描画してそのメッシュの領域に表示することになる。
【0061】
不足ファイルが1つダウンロードされる度に、表示部320は、S3からの処理を繰り返すので、画面上の表示領域は1メッシュずつ順次完成に近づく。表示領域全域の地図画像が完成すると(S6:YES)、表示部320はS1に戻り、ユーザによって表示範囲が変更されるの待ち、変更されればS3以下の処理を再び繰り返す。
【0062】
また、画面上の表示領域全域の地図画像が完成する前に、ユーザによって表示範囲が変更された場合(S15:YES)にも、表示部320は、S3以下の処理を再び繰り返す。
【0063】
次に、図8は、ダウンローダ323の動作の流れを示す。
【0064】
ダウンローダ323は、表示部320からファイルの要求を受けると(S21)、要求されたファイルをディスク・キャッシュ325から探す(S22)。ディスク・キャッシュ325から目的のファイルが見つかった場合(S22:YES)、ダウンローダ323は、そのファイルのディスク・キャッシュ325内でのパスを表示部320に知らせる(S23)。表示部320から要求された全てのファイルのパスを表示部320に通知できた場合(S24:NO)、ダウンローダ323は、S21へ戻り、表示部320から再びファイルの要求が来るのを待つ。
【0065】
一方、表示部320から要求されたファイル中、ディスク・キャッシュ325内に格納されていないファイルがあった場合は(S24:YES)、ダウンローダ323は、その見つからなかったファイルについてファイル無しの旨を表示部320へ通知する(S25)と共に、その見つからなかったファイルのファイルIDをダウンロード・リクエスト・リスト327に書く(S26)。図7と共に上述した通り、表示部320によって、ダウンロード・リクエスト・リスト327からは過去に書いてあったファイル名が全て消去されているので、このときに見つからなかったファイルのIDだけが書かれることになる。
【0066】
次に、ダウンロード・リクエスト・リスト327にファイルIDが記述されている場合(S27:YES)、ダウンローダ323は、ダウンロード・リクエスト・リスト327に書かれているファイルを取得すべく、リストの先頭から順に、アイドル状態にあるHTTPセッション・スレッド326A〜326Dへ割り当てていく(S28)。HTTPセッション・スレッド326A〜3246は、ファイル名を割り当てられると、直ちに地図サーバ10との間でHTTPセッションを実行し、それぞれに割り当てられたファイルを地図サーバ10からダウンロードする。
【0067】
個々のファイルのダウンロードが完了する都度(S29:YES)、ダウンローダ323は、そのファイルの取得要求をダウンロード・リクエスト・リスト327から消去し(S30)、ダウンロード済みファイルをディスク・キャッシュ325に保存し(S31)、ダウンロード・フラグ328を立てる(S32)。その後、ダウンローダ323は、S21へ戻って、表示部320から再びファイル要求が来るのを待つ。ダウンロード・フラグ328を立てると、既に説明したように、表示部320が再びファイル要求を発し、ダウンロードされたファイルをディスク・キャッシュ325から読み出してその地図画像を描画し表示する。なお、ダウンローダ323により取得されたファイルは、メッシュ番号に基づく所定の格納位置でディスク・キャッシュ325に記憶される。
【0068】
以上の表示部320とダウンローダ323の動作を要約すれば、ダウンローダ323は、不足したファイルのダウンロードを単純に繰り返すだけである。また、表示部320は、表示範囲の変化又はファイルのダウンロード完了が発生する都度、表示範囲に必要な全てのファイルの入手を試みて、入手できたファイルのみで地図を描画する処理を単純に繰り返すだけである。従って、どのファイルの描画が完了し、どのファイルの描画が完了してないか等を判別して、未描画のファイルだけを選択的に描画するというような面倒な判断処理を行わない。また、表示部320とダウンローダ323は非同期で動作しており、両者の動作タイミングを合わせるというような面倒な同期処理も行っていない。これらのことから、結果的に、地図画像を高速に表示することが可能である。
【0069】
また、クライアントコンピュータ30で描画を行うため、地図サーバ10に描画の負担をかけさせないという点も、地図サーバ10の応答を高速化し、地図画像の高速表示に寄与する。
【0070】
次に、キャッシュデータの管理方法について図9を参照しつつ説明する。図9に示す処理は、メモリ・キャッシュ322及びディスク・キャッシュ325の双方で適用可能である。
【0071】
まず、必要とされるファイルのID(メッシュ番号[Xi,Yj])を、各座標軸毎に、キャッシュ領域のキャッシュサイズでそれぞれ割って余りを求める(S41)。これにより求められたキャッシュ領域(メモリ・キャッシュ322またはディスクキャッシュ325)での格納位置(Xi mod Cnx,Yj mod Cny)に、所望のファイルが格納されているか否かを検査する(S42,S43)。
【0072】
メッシュ番号により指定されている格納位置に目的とするファイルが格納されている場合は、そのファイルを読み出して使用する(S44)。指定された格納位置に目的とするファイルが格納されていない場合は(S43:NO)、その格納位置に以前使用した不要なファイルが残っている場合であるから、その不要なファイルを消去し、その記憶領域を解放する(S45)。そして、S41で必要とされたファイルを上位の記憶装置(地図データベース11等)から所得し、所定の格納位置に格納させる(S46)。
【0073】
このように、メッシュ番号に基づいてキャッシュ領域における格納位置を予め指定するため、従来のようにキャッシュ管理テーブルを参照等して目的とするファイルの所在を確認する手間がいらず、目的とするファイルが格納されている場所を直接的に検査することができる。従って、キャッシュデータの検索、読出しを高速化することができ、上述した各構成と結合することにより高速な地図表示を実現することができる。また、目的とするファイルが指定された格納位置にキャッシュされていない場合は、その格納位置に格納されているファイルを不要なファイルと判断して直ちに削除するため、従来のようにキャッシュ管理テーブル等で優先度を管理する手間がかからず、効率的に不要データの削除(ガーベージコレクション)を行うことができる。
【0074】
次に、図10は、地図データベース11にポリゴンデータ等の各種オブジェクトを格納等する場合の管理方法を示すフローチャートである。
【0075】
まず、オブジェクトの格納であるか取出しであるかを判定し(S51)、オブジェクトの格納である場合は、図6と共に上述したように、そのオブジェクトに外接する矩形を算出する(S52)。そして、どのレベルに格納するかを決定するために以下の処理を行う。即ち、メッシュサイズを検査するための初期値としてレベル番号を最下位レベルにセットし(S53)、そのレベルのメッシュサイズが外接矩形のサイズ以上であるか否かを判定する(S54)。メッシュサイズが外接矩形よりも小さい場合(S54:NO)、レベル番号を1つインクリメントして(S55)、再びS54でメッシュサイズと外接矩形のサイズを比較する。
【0076】
外接矩形のサイズ以上のメッシュサイズを有するレベルが検出された場合は(S54:YES)、外接矩形が含まれるメッシュのうち、その外接矩形の左上隅の座標が位置するメッシュを検出する(S56)。なお、オブジェクトの外接矩形は、一つのメッシュ内に収まる場合もあるし、図6中に示すように最大で4個のメッシュにまたがって存在する場合もある。そして、外接矩形の左上隅の座標が位置するメッシュを、当該オブジェクトの格納先として選択し、このメッシュにオブジェクトのデータを対応付けて地図データベース11に登録する(S57)。
【0077】
一方、オブジェクトの取出し(読出し)の場合は、地図表示に必要な範囲に含まれる全てのメッシュ群及び該メッシュ群の左辺及び上辺に位置するメッシュ群のデータを取り出す(S58)。オブジェクトの外接矩形の左上隅が位置するメッシュに該オブジェクトを対応付けて登録するため、表示範囲に直接含まれるメッシュ以外に、その周辺のメッシュのデータも必要とされるためである。
【0078】
図10中に示すS52〜S55が「レベル選択手段」に該当し、S56及びS57が「格納手段」に該当する。
【0079】
このように、ポリゴンや文字等の各種オブジェクトを、該オブジェクトに外接する矩形を包含するメッシュに対応付けて登録するため、従来のように複数メッシュにまたがるオブジェクトを各メッシュ毎に分割して登録することがなく、ひとまとまりのデータをそのままでハンドリングすることができる。従って、データ量が増大するのを防止し、高速なデータ処理を行うことができ、上述した各構成と相まって、より高速で滑らかな地図表示を実現することができる。
【0080】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、実施の形態の構成に新たな追加や変更を加える等のように、種々の変形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う地図表示システムの一実施形態の概略的な全体構成を示すブロック図である。
【図2】地図表示プログラムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】地図サーバの階層化ファイルシステムを示す説明図である。
【図4】キャッシュ方法を示す説明図である。
【図5】メッシュサイズの異なるレベルを階層化した記憶空間の概念図である。
【図6】オブジェクトの格納方法を示す説明図である。
【図7】表示部の動作を示すフローチャートである。
【図8】ダウンローダの動作を示すフローチャートである。
【図9】キャッシュデータの管理方法を示すフローチャートである。
【図10】オブジェクトの管理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 地図サーバ
11 地図データベース
20 インターネット
30 クライアントコンピュータ
31 クライアントプログラム
32 地図表示プログラム
33 表示装置
34 操作装置
35 キャッシュ領域

Claims (7)

  1. n次元の記憶空間でオブジェクトを管理するためのデータ管理装置において、
    前記記憶空間は、それぞれサイズの異なる格納区域を有する複数のレベルを階層化してなり、
    前記各レベルのうちオブジェクトの全体を収容可能なサイズの格納区域を有するレベルを検出するレベル選択手段と、
    前記検出されたレベルを構成する格納区域のうち所定の格納区域に前記オブジェクトの全体を格納する格納手段と、
    を備え、
    前記レベル選択手段は、前記オブジェクトに外接する図形を求め、この外接図形のサイズと前記各レベルを構成する格納区域のサイズを比較し、前記外接図形のサイズ以上の格納区域サイズのうち最小の格納区域サイズを有するレベルを検出し、
    前記格納手段は、前記オブジェクトが複数の格納区域にまたがって存在する場合、前記外接図形に関与する各格納区域のうち、該外接図形の所定座標が位置する格納区域を選択し、その選択した格納区域に、前記オブジェクトの全体を格納する、
    データ管理装置。
  2. 前記記憶空間は、最下位のレベルから最上位のレベルに向かうにつれて前記格納区域のサイズが大きくなるように設定されており、かつ、前記最上位のレベルを構成する格納区域のサイズは、最大サイズのオブジェクトを収容可能なサイズとして設定されている請求項1に記載のデータ管理装置。
  3. 前記オブジェクトに文字データが含まれる場合に、該文字データの読み方向に応じて前記外接図形の所定座標が設定されている請求項1に記載のデータ管理装置。
  4. 前記オブジェクトは図形データであり、前記n次元空間での位置に応じて定まる座標値が設定されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデータ管理装置。
  5. n次元の記憶空間でオブジェクトを管理するためのデータ管理方法において、
    前記記憶空間は、それぞれサイズの異なる格納区域を有する複数のレベルを階層化してなり、
    レベル選択手段により、オブジェクトに外接する図形を求めるステップと、
    前記レベル選択手段により、前記外接図形のサイズと前記各レベルを構成する格納区域のサイズとを比較し、前記外接図形のサイズ以上の格納区域サイズのうち最小の格納区域サイズを有するレベルを検出するステップと、
    格納手段により、前記検出されたレベルを構成する格納区域のうち前記外接図形の所定座標が位置する格納区域を検出するステップと、
    前記格納手段により、前記検出された格納区域に前記オブジェクトの全体を格納させるステップと、
    を含んでなり、
    前記格納区域を検出するステップは、前記オブジェクトが複数の格納区域にまたがって存在する場合、前記格納手段が、前記外接図形に関与する各格納区域のうち、該外接図形の所定座標が位置する格納区域を検出する、
    データ管理方法。
  6. n次元の記憶空間でオブジェクトを管理するためのデータ管理プログラムであって、
    前記記憶空間は、それぞれサイズの異なる格納区域を有する複数のレベルを階層化してなり、
    前記各レベルのうちオブジェクトの全体を収容可能なサイズの格納区域を有するレベルをレベル選択手段により検出させるレベル選択機能と、
    前記検出されたレベルを構成する格納区域のうち所定の格納区域に前記オブジェクトの全体を格納手段により格納させる格納機能と、
    をコンピュータ上に実現させ、
    前記レベル選択機能は、前記レベル選択手段により、前記オブジェクトに外接する図形を求めさせ、この外接図形のサイズと前記各レベルを構成する格納区域のサイズを比較させ、前記外接図形のサイズ以上の格納区域サイズのうち最小の格納区域サイズを有するレベルを検出させ
    前記格納機能は、前記格納手段により、前記オブジェクトが複数の格納区域にまたがって存在する場合、前記外接図形に関与する各格納区域のうち、該外接図形の所定座標が位置する格納区域を選択させ、その選択した格納区域に、前記オブジェクトの全体を格納させる
    プログラム。
  7. 多数の断片地図データに細分された全体地図データを有する地図データ記憶システムにおいて、
    それぞれ異なるメッシュサイズを有する複数のレベルを階層化してなる記憶空間を設け、前記断片地図データを描画したときの図形に外接する外接矩形を算出し、該外接矩形のサイズ以上のメッシュサイズのうち最小のメッシュサイズを有するレベルを検出するレベル選択手段と、
    前記検出されたレベルを構成するメッシュのうち前記外接矩形の所定座標が位置するメッシュに前記断片地図データを格納させる格納手段と、
    を備え、
    前記格納手段は、前記図形が複数のメッシュにまたがって存在する場合、前記外接矩形に関与する各メッシュのうち、該外接矩形の所定座標が位置するメッシュを選択し、そのメッシュに、前記図形の全体を格納する、
    地図データ記憶システム。
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