JP3615062B2 - 超音波摩擦美容装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚に接触すべきプローブのヘッドに超音波振動を伝達して美肌トリートメントを行う超音波美容器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
超音波は、強いエネルギーを持つ振動波を発生して菌体の破砕、表層の剥離、洗浄、発熱などの作用があり、この振動波を皮膚に作用すると、皮膚表層を殺菌して老廃物や角質層などを剥離し、ニキビ、毛穴の油、汚れ、化粧の残りなどを浮き上がらせ、皮膚表層の血行を促して組織を活性化し、筋肉の緊張をほぐしてシミ、シワ、タルミなどを除去する美肌効果がある。
【0003】
超音波美容器は、皮膚に接触すべきプローブのヘッドに超音波振動を伝達して美肌トリートメントを行うものであるが、超音波は20kHz以上の微細な振動波で、皮膚に接触させてもほとんど振動を感じとることができない。
このため、トリートメントをしているという実感がなく、肌に感じる動きもないので、物足りなさを感じて興味を持続させるのが難しい。
【0004】
一方、超音波は空気中では減衰が大きく、超音波の振動体を直接皮膚に接触させても間の空気が邪魔をしてエネルギーが効率よく皮膚に伝わらない。
そこで、超音波の振動体と皮膚との接触面にジェルやクリームなどの媒体を塗って超音波の伝播効率を高めることを行う。
この媒体にクレンジングクリームなどを使用して皮膚面を摩擦すると、超音波の振動波によって皮膚表層に浮き上がった汚れなどをきれいに除去することができる。
【0005】
そこで本発明は、超音波美容器のプローブのヘッドの表面に凹凸を設けて回転させることにより、肌に感じる動きを与えると共に、摩擦によって超音波の美肌効果と洗浄効果をさらに高めることを目的になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下のように構成した。
【0007】
すなわち、請求項1の発明は、皮膚に接触すべきプローブのヘッドに超音波振動を伝達して美肌トリートメントを行う超音波美容器において、
プローブに対しヘッドを、ヘッドの皮膚接触面と直交する回転軸を備える回転駆動手段を介して接続するものであって、
このヘッドが、絶縁性でかつ柔軟な弾性材料で形成した筒状のケースの開口部に、断面台形の振動体を取り付けたものであり、
当該振動体の表面に凹凸を形成し、
また、振動体の基部にリング状の凹部を設け、このリング状の凹部を前記ケースの先端に設けたリング状の凸部に嵌合して取り付けることを特徴とする超音波摩擦美容装置である
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1と図2に、本発明を実施した超音波摩擦美容装置のプローブの正面図と部分断面図を示す。
超音波摩擦美容装置のプローブは、ヘッド部1を回転自在に本体2の先端に取り付け、本体2にはヘッド部1を空冷するエアチューブ3を内蔵し、本体2の基端にケーブル4を接続する。
ケーブル4は、本体2にバッテリーを内蔵して省略してもよい。
【0010】
ヘッド部1は、絶縁性の筒状のケース11の開口部に断面台形の円錐状の振動体12を取り付け、ケース11の底部軸心に軸受13を凹設する。
振動体12は、基部に設けたリング状の凹部aとケース11の先端に設けたリング状の凸部bを嵌合して取り付ける。
【0011】
図3と図4に、振動体12の表面の平面図と側面図を示す。
振動体12の表面は、レモン絞り器のように複数条の湾曲した突条cを中心から周縁部に向って放射状に配列する。
突条cは、図5の断面図に示すように、その表面が湾曲した突条cの凹曲側より凸曲側に向けて低く傾斜する。
すなわち、凹曲側を直立させ、凸曲側を緩やかに傾斜させる。
これにより、振動体12を正転あるいは逆転したときの表面の抵抗を、凹曲側を大きく、凸曲側を小さくする。
【0012】
また、図6に示すように、突条cの断面積s、s′が中心から周縁部に向って拡大し、s<s′となるように形成する。
これにより、図7に示すように、振動体12の表面を平坦にした場合、表面に配列した突条cの稜線が緩やかな凹面を描くようにする。
あるいは、図8に示すように、振動体12の表面を起伏させた場合、表面に配列した突条cの稜線が平面を描くようにしてもよい。
【0013】
図9〜11に、振動体12の表面に設けた凹凸の変形例を示す。
図9は、放射状の突条を、図10は、渦巻状の突条を、図11は、多数の小突起をそれぞれ示す。
【0014】
ケース11は、柔軟な弾性材料で形成し、先端の凸部bをクッションとして機能させてケース11から振動体12を遊離し、振動体12の振動を拘束しないようにする。
また、ケース11内を密封して皮膚に塗布したクリームや汗から生じる油や蒸気などがケース11内に侵入するのを防ぐ。
【0015】
ケース11の凸部bの近傍には、空気孔Aを穿って中の空気を排出する。
【0016】
振動体12は、しなやかで弾力性のある薄いステンレス鋼板、あるいは硬質のアルミ、ジュラルミン、薄銅板などの金属で形成し、ハードクロムメッキなどの表面処理を施す。
【0017】
振動体12の先端面の内側には圧電セラミックスで構成する超音波振動子14を固着し、超音波振動子14の端子T1、T2にそれぞれリード線L1、L2の一端を接続する。
【0018】
エアチューブ3は、先端の吹き出し口を超音波振動子14の後方にのぞませ、ケーブル4に集束して基端を図示しないコンプレッサに接続する。
【0019】
図12に、ケース11の底部外側の平面図を示す。
ケース11の底部外側は、軸受13の外周に同心円状のリング電極E1、E2を固着し、その外周にエアチューブ3のエアを送通するスリットA′を配置し、外縁部にリング状にころを配列した減摩リングSを取り付ける。
そして、ケース11の底部を貫通してリード線L1、L2の他端をリング電極E1、E2にそれぞれ接続する。
【0020】
本体2は、L字型に折り曲げた筒状のケース21内に減速ギアと一体のギアドモータ22と、一対のスプリングピンP1、P2を設置し、側面に押しスイッチ23を配置する。
図13に、本体2の先端部外側の平面図を示す。
本体2の先端部外側は、軸孔dの外周に通孔H1、H2を穿ち、外縁部に減摩リングSの案内溝S′を刻設する。
軸孔dは、ギアドモータ22のモータ軸24を挿通し、モータ軸24の先端に抜止め25を設けて軸受13に挿嵌する。
抜止め25は、90°回転させて軸受13に係止する。
【0021】
通孔H1、H2は、スプリングピンP1、P2の先端をのぞませ、スプリングピンP1、P2は対向するリング電極E1、E2を横方向から押圧してリード線L1、L1′とL2、L2′をそれぞれ電気的に導通させる。
リード線L1′、L2′は、ケーブル4に集束して終端を図示しない超音波発振器に接続する。
【0022】
本発明を実施した超音波摩擦美容装置のプローブは以上のような構成で、トリートメントを行うときは、まず、クレンジングクリームをトリートメント部位あるいはヘッド部1の先端に塗布する。
次に、ヘッド部1の先端を皮膚面に対して直角に軽く押し当て、押しスイッチ23をオンにしてゆっくり円を描くように皮膚面に沿ってプローブを移動する。
【0023】
押しスイッチ23をオンにすると、超音波振動子14に超音波発振器の振動電圧が印加され、振動体12が曲げ変形を起こして超音波振動する。
これにより、超音波振動波が皮膚面を叩くように作用し、古い表皮を剥離して老廃物や角質層、あるいは毛穴の油、汚れ、化粧の残りなどを浮き上がらせる。また、超音波振動波が広範囲に拡散して皮膚表面に振動を与え、皮膚表層の血行を促して組織を活性化する。
【0024】
同時に、ギアドモータ22が60rpm程度のスピードでゆっくり回転し、交互に正転あるいは逆転する。
ギアドモータ22が正転すると、振動体12の表面の突条cの凹曲側が皮膚面を削るように作用し、皮膚表層に浮き上がった老廃物などの汚れをクレンジングクリームと共に洗浄して除去する。
ギアドモータ22が逆転すると、振動体12の表面の突条cの凸曲側が皮膚面を叩くように作用し、クレンジングクリームを皮膚表層に刷り込む。
同時に、皮膚を引き伸ばして筋肉の緊張をほぐし、シミ、シワ、タルミなどを除去すると共に、毛穴を開いて超音波の洗浄作用を補強する。
【0025】
さらに、コンプレッサが作動してエアチューブ3の先端からエアを吹き出し、このエアが超音波振動子14に当たって空気孔Aから排出される。
これにより、超音波振動子14が冷却され、過熱を防いで振動体12の温度を常温状態に保つ。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波摩擦美容装置は、動体の基部にリング状の凹部を設け、このリング状の凹部を柔軟な弾性材料で形成したケースの先端に設けたリング状の凸部に嵌合して取り付ける。
従って、振動体の振動が拘束されず、またケース内を密封できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した超音波摩擦美容装置のプローブの正面図である。
【図2】図1の部分断面図である。
【図3】振動体の表面の平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】突条の断面図である。
【図6】突条の断面積の拡大を示す図である。
【図7】振動体の表面を平坦にした場合の突条の稜線を示す図である。
【図8】振動体の表面を起伏させた場合の突条の稜線を示す図である。
【図9】振動体の表面に放射状の突条を設けた図である。
【図10】振動体の表面に渦巻状の突条を設けた図である。
【図11】振動体の表面に多数の小突起を設けた図である。
【図12】ケースの底部外側の平面図である。
【図13】本体の先端部外側の平面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド部
11 ケース
12 振動体
13 軸受
14 超音波振動子
2 本体
21 ケース
22 ギアドモータ
23 押しスイッチ
24 モータ軸
25 抜止め
3 エアチューブ
4 ケーブル
A 空気孔
A′ スリット
E リング電極
H 通孔
L リード線
P スプリングピン
S 減摩リング
S′ 案内溝
T 端子
a 凹部
b 凸部
c 突条
d 軸孔

Claims (1)

  1. 皮膚に接触すべきプローブのヘッドに超音波振動を伝達して美肌トリートメントを行う超音波美容器において、
    プローブに対しヘッドを、ヘッドの皮膚接触面と直交する回転軸を備える回転駆動手段を介して接続するものであって、
    このヘッドが、絶縁性でかつ柔軟な弾性材料で形成した筒状のケースの開口部に、断面台形の振動体を取り付けたものであり、
    当該振動体の表面に凹凸を形成し、
    また、振動体の基部にリング状の凹部を設け、このリング状の凹部を前記ケースの先端に設けたリング状の凸部に嵌合して取り付けることを特徴とする超音波摩擦美容装置。
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