JP3614712B2 - ビデオカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単位時間内に伝送できる情報量に制限がある通信経路を用いて、外部に圧縮した映像を出力する機能を有したビデオカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)を用いたテレビ会議やテレビ電話、また映像を電子メールとしてやり取りを行うビデオ電子メール等が普及しつつあり、PCにビデオカメラを接続する用途が多くなってきている。
【0003】
このような場合、コスト的には最近普及しつつあるUSB(Universal Serial Bus)を介してビデオカメラをPC接続するのが優れている。
【0004】
しかし、このUSBを介して画像を伝送する場合、QCIF(176×144)で25fps程度が限界であり、大きなサイズの伝送では動画と言えるフレームレートを確保することはできず、通常圧縮画像を伝送することにより、フレームレートを確保している。
【0005】
圧縮方式には様々な方式があるが、例えばJPEGを利用した場合、入力画像により圧縮後のデータサイズは変化するが、このサイズを出力側の能力からくる規定サイズ内に納めなければならないという条件も満たさなければならない。
【0006】
このため、特開平10−276430号公報に記載のものでは1フィールド前のデータに対して、比較処理処理を行い圧縮率を決定したり、特開平10−66004号公報に記載のもののように、画像の一部のブロックに対して行った圧縮処理の結果から、圧縮率を決定したりしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、予測を基に制御しているため、完全に圧縮後のデータを所定のサイズに納めきれない可能性もあるにもかかわらず、特開平10−276430号公報では1フレーム前のデータと比較するためにフレームメモリが必要であったり、特開平10−66004号公報に記載のものではサンプル領域の圧縮処理を要したりするため、回路規模的に不利である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のビデオカメラは上記のような課題を解決するために成されたものであって、被写体を撮像して電気信号に変換する映像撮像手段、電気信号を映像信号に変換する映像信号処理回路、常にいずれか一方が書き込み用、他方が読み出し用となり、その機能が一定周期毎に交互に入れ代わる2つのバッファ、映像信号を圧縮する圧縮処理部、圧縮された映像信号を所定のフレームレートで外部に伝送する映像信号出力回路、及び追い越しの有無を判定する追い越し監視回路を備え、前記映像信号処理回路は、変換した映像信号を書き込み用バッファに書き込み、前記圧縮処理部は、前記映像信号出力回路の伝送処理に応じて読み出し用バッファから映像信号を読み出し、これを圧縮するとともに、前記追い越し監視回路の判定する追い越しの有無に応じて圧縮率を変更し、前記追い越し監視回路は、前記2つのバッファの機能が入れ代わる時点で、読み出し用バッファに書き込まれている全ての映像信号が読み出し済みであれば追い越し無しと判定し、そうでなければ追い越し有りと判定する。
【0009】
また、前記圧縮処理部は、映像信号出力回路において1フィールド分の圧縮された映像信号の伝送が完了してから次のフィールドの開始までの期間を計測し、その計測結果に応じて圧縮率を変更することを特徴とし、そして、前記計測結果に応じて変更する圧縮率の変更幅を変更できることを特徴とし、そしてまた、前記計測結果に応じた圧縮率の変更処理において、圧縮率の低減方向への変更を禁止指示できることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記計測結果に応じた圧縮率の変更処理にヒステリシス特性を持たせたことを特徴とする。
【0012】
前記撮像素子は映像出力が完了したかどうかとは関係無く、所定の周期で動作させながら、映像信号出力端子に出力されている実際のデータ列を監視し、圧縮コードの転送が完了したかどうかの判定を行える機能を付加し、この検出結果に応じて、圧縮率の更新を行う機能を付加させる。
【0013】
また、検出位置が最終出力段であるため、予測や圧縮回路の出力等での判定よりも正確な判定が行え、しかも予測等に必要な回路に比べ、簡単な回路で完了かどうかの判定が行え、回路規模的にもメリットを生ずることとなる。
【0014】
これに対して、撮像素子側が所定の周期で動作しているため、転送完了されなかったデータは新たな次のフィールドのデータで上書きされることとなり、受信側では元の画像に復元することはできず、破棄するしかないこととなるが、PCに接続して使用するカメラの用途において、動画中に数枚画像を落としたとしても、大きな問題とはならないため、先のメリットの方が優先されることとなる。
【0015】
そして、データ列の監視と合わせて、転送完了後より、続く新しい画像の転送開始までの時間を計る機能を付加させることにより、圧縮率の更新の可否に幅を持たせることが可能となり、そしてまた、検出された時間に対し、比較器等を付加させることにより、圧縮率の更新の目処とすることができ、反応速度を向上させることが可能となる。
【0016】
さらに、この比較の結果に対する圧縮率の変更ステップを指定できる機能を付加することにより、反応速度をさらに向上させることが可能となり、さらにまた、圧縮率低減方向への設定を禁止する機能を付加することにより、画質より、画像の中断を無くすることを優先することが可能となる。
【0017】
また、ヒステリシス特性を持たせているため、圧縮率のアップ/ダウンが交互に繰り返される状態を回避でき、安定した動作を提供できることとなり、圧縮回路への転送側にもデータ追い越し検出機能を付加することにより、データ転送の完了検出の精度をさらに高められることとなり、さらに、追い越し検出を外部に示すことにより、データ破壊された画像の破棄を可能とすることができる。
【0018】
【発明実施の形態】
以下、本発明のビデオカメラの実施の形態を図1乃至図18を参照して説明する。なお、ここでは使用する圧縮方法として、JPEG方式を使用すると共に、映像データはUSBを介して出力されるものとして説明する。
【0019】
図1は、本発明のビデオカメラを示すブロック図であり、図1において、撮像用レンズ1にて被写体からの像を固体撮像素子2に集光し、固体撮像素子2にて電気信号に変換した後、タイミング発生部5の発生する電荷読み出しパルス、垂直転送パルスおよび水平転送パルスを撮像素子駆動回路9により昇圧またはドライブ能力を高め、固体撮像素子2に入力する。これらのパルスにより、蓄積部に蓄積された信号電荷を固体撮像素子2の転送部に読み出し、読み出された信号電荷を垂直/水平転送して出力している。
【0020】
前記固体撮像素子2より出力された信号はCDS/AGC回路3により相関二重サンプリング処理および自動利得調整処理にて必要な信号振幅に増幅された後、A/D変換回路4でディジタル信号に変換される。A/D出力信号は、映像信号処理回路6で信号処理された後、バッファ回路7にて、DCT処理に必要なライン分蓄えられる。
【0021】
続いて、蓄えられたデータは圧縮処理部8に送られ、圧縮処理され映像信号出力回路10に送られる。この映像信号出力回路10よりの出力信号を監視し、圧縮データの最終データの送信を検出するのがEOI検出回路11である。この検出した信号を基に圧縮率の指示を行うのが、圧縮処理部8である。実際の動作であるが、USBでの転送はシリアル形式であり、パラレルから、シリアルデータへの変換動作が行われる。
【0022】
図2は、検出した信号を基に圧縮率の指示を行う回路ブロック説明図であり、ここでは、このシリアル変換直前のパラレルデータをEOI検出回路が監視するものとして、説明していく。
【0023】
TXDATAがUSBバスを介して送信する8ビットデータ、WRがTXDATAの書き込み信号とする。JPEGの最終コードであるEOI(End ofimage)符号はFF,D9(hex)であるので、FFh、D9hが連続して書きこまれたことを検出するために、FF21、22と比較器23、24を用い、比較器23、24の一致出力信号をANDゲート25で検出すればよいこととなる。
【0024】
また、図3は、画像の開始を垂直同期とする時の圧縮率の更新を指示する回路ブロック説明図であり、図3において、検出したEOI検出信号とVD信号がFF31で処理され、圧縮率制御信号を送出する。
【0025】
動作的には次のフィールド走査の開始において、EOIが検出されたかどうかを判別するわけであるが、実際には1フィールドの期間を有効利用するには、垂直同期VDではなく最初のDCT分のデータ格納完了時とした方が、効率的に良いことは言うまでもないが、ここではVDを使用して説明している。
【0026】
このようにして、得られた信号を基に行われる圧縮率の更新は量子化テーブルの変更で実現される。
【0027】
この変更方法は異なる量子化テーブルを選択しなおす方法や、基本となる量子化テーブルに対して、乗算処理を施したり、加減算処理を施したりすることにより、実現できる。ここでは、乗算の方法で圧縮率を変更するものとする。
【0028】
図4は、圧縮率の更新指示に応じて量子化テーブルの値を変更する回路ブロック説明図であり、図3に示したように、EOIを検出した信号を受けると‘1’が出力されるなら、この信号が‘0’であれば圧縮率のアップを示し、そうでないならダウンを示すこととなりこの圧縮率制御信号がパラメータ生成手段42に入力され、この圧縮率アップの指示により、パラメータ値を+1し、ダウンの指示によりパラメータ値を−1するのである。
【0029】
この動作は、VD信号がパラメータ生成手段42に入力されて、圧縮率の更新指示がVDの立ちあがりで形成されるものであれば、立下りで行われるなど、タイミング的な考慮が行われる。量子化テーブル選択信号が量子化テーブル生成手段41に入力されて、選択された量子化テーブルに対してパラメータ値が、乗算器43で乗算処理が行われ、圧縮率の自動更新が行われることになる。
【0030】
図5は、USBのパケットシーケンス例を示したものであり、図6は、期間をカウントするブロック説明図であり、ここではUSBのフレームをカウントすることにより、圧縮データ転送完了から、次のフレームの開始までの期間を計ることとして、説明する。
【0031】
USBの1フレームは1msであり、ここではSOF(Start of Frame)トークンをカウントすることにより、その期間を図ることとする。フィールドの開始にて、カウンタの動作はクリアと共に禁止され、EOIが発生した時点でカウント動作が許可される。カウントする信号はSOFであり、その結果は垂直同期VDにて確定する。
【0032】
したがって、この機能を用いればカウント値が2以上でなければ圧縮率のダウンは行わせないなど、動作の安定度に寄与することが可能となる。この結果を用いて、パラメータの変更幅を決定するためのブロック説明図が図7である。
【0033】
セレクタ71は、EOIの発生より、次のフレームが開始されるまでの期間が長ければ前述のカウント値が大きく、短ければ小さくなるのでこの値を基に変更ステップを選択し、パラメータの更新に使用する。
【0034】
たとえば、カウント値が5であれば、余裕がかなりあるので、−10、カウント値が3なら、少しの余裕しかないので、−2、カウント値が1なら、適正として0、カウント値が0の場合は余裕がないか、EOIが検出できなかったので、+2というような値を使用する。したがって、図4に示したパラメータ生成手段42はインクリメンタ/ディクリメンタではなく、加減算器で構成されることとなる。
【0035】
ところで、変更ステップの数値はパラメータ値に対する定義方法に意味をなすものであり、上述した変更ステップは単に概念的な表現として用いたにすぎず、値に大きな意味はない。また、図7で示した変更値は固定値として、回路に依存させることも可能ではあるが、これをレジスタに持たせることにより、随時変更幅を変更できるようにすることが可能となる。
【0036】
変更幅が固定であると、追従が遅いと思われるような場合において、そのような状況を改善するすべがなくなる訳であるが、レジスタにて構成させ、変更を可能とさせることにより、追従性を優先させたいニーズにも対応できることとなる。そして、画質を優先させたい場合は当然、EOI検出から次のフィールド開始までに余裕があれば、圧縮率を下げることとなる。しかし画像を落とさないことを優先させたいニーズもあるわけで、このような場合一度上がってしまっている圧縮率を下げるというのは再び、転送が完了せず画像を落としてしまう可能性を生じさせることとなる。
【0037】
したがって、この圧縮率の低下を禁止できるようにしたものもあるわけである。これは例えば、変更ステップをレジスタにて指定できるような場合は本来マイナス方向への更新データを設定する個所に変更ステップ0を規定すれば、良いことになるし、また固定データの場合はAND処理等にて更新ステップを0となるようにし、アップとダウンしかないような場合は減算方向の処理を禁止するようにすればよいこととなる。
【0038】
変更ステップを0とする場合のブロック説明図が図8であり、変更ステップの値はパラメータダウン可否の信号により、AND81、82、83でゲートされその値は0とすることも可能となり、本来圧縮率を低減させるような場合もその動作をセレクタ84でキャンセルすることが可能となる。
【0039】
図8からも明らかなように圧縮率の増加用にはゲート処理を施さない。また、圧縮率のアップは1本しかなく、いわゆるEOIからの期間計測結果が0のみを想定していることになるが、動作を安定させるためにはカウント値の0以外に1等もアップに回したほうが良いことは言うまでもない。
【0040】
図9は圧縮率をアップあるいはダウンの指示しか行えない場合のブロック説明図であり、EOIを検出するとEOI検出信号が‘1’になるとすると、この信号が‘0’の場合、圧縮率の増加処理が必要となるわけで、NOT92を介した信号を用いてパラメータアップとし、またこの信号が‘1’であるならパラメータダウンの処理が選択されるが、これにパラメータダウン可否信号をAND93で処理させることにより、パラメータのダウンをキャンセルさせることが可能となる。
【0041】
また、パラメータの更新にヒステリシス特性を持たせることにより、圧縮率の変動を押さえることが可能となる。圧縮率はある段階毎の制御となるため、この間隔が大きいと各フィールド毎の画質にばらつきが生じ、違和感を与える恐れが出てくる。そこで、EOIからの計測結果が閾値を超えた時点で圧縮率の更新が起動し、その逆方向動作の閾値を超えたことを検出してから停止することで、更新中以外の画質を安定させることが、可能となる。
【0042】
この動作説明の値を示したものが図10で、その処理のフローチャートが図11である。
【0043】
まず、EOIよりの計測結果が0となる(ステップ1)と圧縮率のアップ処理が起動される(ステップ2)。そして、EOIよりの計測結果が3以上となった時点(ステップ3)で圧縮率の更新処理は終了する。この後、EOIよりの計測結果が5以上(ステップ4)、もしくは0となるまでは圧縮率は更新されない。0となれば、前述の動作が再起動され、5以上となれば圧縮率のダウン処理が起動される(ステップ5)。起動された圧縮率のダウン処理はEOIよりの計測結果が2以下となった時点(ステップ6)で停止される。この動作のためのブロック図が図12である。
【0044】
つづいて、圧縮手段とデータ転送を行う各ブロックにはハンドシェークが用いられるならば、出力側の転送速度の影響は圧縮手段にデータを与える側にも及び、データの追い越しが発生する可能性が出てくる。このため、圧縮手段に対してデータを送り出す側にこの追い越しを検出する手段と、追い越しを検出下場合圧縮率を上げる制御を行い追い越しが起きない方向に制御するのである。
【0045】
このブロック図が図13であり、実際にはバッファ回路7内のデータが読み出される前に次の新しいデータが届いたことを検出するもので、ここでは8ライン分のデータを蓄えるバッファを書き込み側と読み出し側、それぞれに1本用意したもので、説明する。
【0046】
もちろん、実際には輝度/色差が存在し、2本では不十分なことは事実ではあるが、輝度/色差とも動作原理的にはほとんど同じなので、説明は上記のケースで行う。この場合のバッファ回路のブロック図を図14に示す。2本のバッファ143とバッファ144はそれぞれ8ライン分のデータを格納できる容量を備えており、ここでは横方向の最大サイズを640ドットとすると、メモリのアドレスと格納される画像位置との関係は図15のようになる。
【0047】
したがって、メモリ内の読み出しが終了したかどうかは最終アドレス5119を読み出したかどうかで判断すればよいこととなる。また、書き込み側の制御は水平のブランキング信号を基に0〜7のカウントを繰り返し、7から0に変わる時点で2つのバッファの書き込み/読み出しの状態を逆転させるのである。
【0048】
したがって、この書き込みが逆転する時点で読み出し側が最終アドレスに達しているかどうかで、追い越し判定が行えることとなる。
【0049】
この動作を示したものが図16である。読み出しアドレスが最終に達すると‘H’となる最終アドレス検出信号は追い越しが発生しなければ、カウンタ値が7から0となるまでに、‘H’となっており、これを判定することにより、追い越し検出信号を生成する。
【0050】
圧縮後のデータ量が多く、出力端子を介しての出力動作に時間を要したため、圧縮用の画像データの入力、つまりバッファの読み出しに時間を要しすぎるとカウンタ値が7から0となる時点でも、読み出しアドレスが最終に達していないという状態が発生する。
【0051】
この場合、最終アドレス検出信号は‘L’のままであり、カウンタ値が7から0に変化する時点で、これを判定することにより追い越し検出信号をアクティブとする。そして、この信号を圧縮率のアップ制御に用いることにより、追い越しを検出すると圧縮率を高め、画像の安定性を向上させることに寄与することができることとなる。
【0052】
また、追い越しが発生した画像はすでに破壊しており、このデータを表示しても、何ら意味をなさないこととなる。そこで、受け側に対して、追い越しが発生したことを通知することにより、無駄な処理と乱れた画像の表示を回避させるのである。
【0053】
この通知方法であるが、USBを介して画像データを出力している場合、画像の同期を取るために何らかの制御情報が用いられているはずであり、ここに合わせて送ることとなる。制御情報の送信には映像データ上にタイミングリファレンス信号として、時分割多重する場合や、USBの別のエンドポイントに割り当てるなどが考えられるが、ここでは映像データとは異なるエンドポイントに制御情報を乗せるものとして説明していく。
【0054】
このUSBシーケンス例を図17に、またこの時の制御情報のビット例を図18に示す。図17ではエンドポイント1を制御情報に、エンドポイント2を映像データに割り当てたとして、説明している。
【0055】
1フレームの最初にSOFが届けられるが、この後制御情報のエンドポイントに対してINトークンを、続いて映像データのエンドポイントに対して、INトークンを送り、それぞれのデータを読み出す。INトークンに対して、データを送出するUSBインターフェイス回路の動作自身は本発明と直接関係しないので、その詳細は省略する。
【0056】
この制御情報として、最下位ビットにFlgとして、この追い越し情報を割り当てた例が図18である。したがって、受信側では読み出した制御情報の最下位ビットが0か1かを判断することにより、追い越しが発生したかどうかを判定することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のビデオカメラは上記のように構成するため、圧縮されたデータをチェックするのではなく、実際に出力されるデータを監視するため、正確なデータ出力完了の判定が行え、また、圧縮率の予測等の処理を行うこともないため、回路の増大もまねかず、もっともコストパフォーマンスのよい回路構成を実現できる。
【0058】
また、圧縮データ送信の完了から、次のフィールドの開始までの期間を測定でき、圧縮率をダウンさせる処理を行わせる条件を指定できるため、画像の安定度を向上させることが可能となる。すなわち、出力完了のみにて圧縮率をダウンさせると次の画像が出力完了しなくなるなど、画像の安定性が損なわれる可能性があり、これを改善できることとなる。
【0059】
そして、出力完了から、次のフィールドの開始までの期間に応じて、圧縮率の変更幅を変えることができ、時間的余裕が大きい場合は圧縮率のダウン幅を大きく、小さい場合は小さくすることにより、追従性を高めることが可能となる。この圧縮率の幅を大きくとれば、追従性が早くなるが、逆に圧縮率を下げすぎて、次の圧縮データ出力を完了させれないということも考えられ、両者のバランスは使用者が追従性と安定性のどちらを重視するかという感覚の問題から考えられるものとなり、これを可変とすることにより、両方のニーズに対応できる。
【0060】
また、さらに安定性を要求するような場合では、圧縮率の低減を避けることが必要となる。このような用途にも対応すべく、圧縮率の低減方向への禁止を選択でき、画像の安定性はもっとも優れたものとなる。
【0061】
そしてまた、圧縮率は基本的には変更されず、所定の判定値に達した場合に、圧縮率追従操作が行われるため、画質の変動を押さえれるという効果が得られる。さらに、圧縮手段の手前での追い越しを検出でき、画像の安定性をさらに高めることが可能となる。さらにまた、この追い越しを受信側に通知することにより、受信側で無駄な処理や画像の乱れを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビデオカメラを示すブロック図である。
【図2】検出した信号を基に圧縮率の指示を行う回路ブロック説明図である。
【図3】画像の開始を垂直同期とする時の圧縮率の更新を指示する回路ブロック説明図である。
【図4】圧縮率の更新指示に応じて量子化テーブルの値を変更する回路ブロック説明図である。
【図5】USBのパケットシーケンス例である。
【図6】期間をカウントするブロック説明図である。
【図7】パラメータの変更幅を決定するためのブロック説明図である。
【図8】変更ステップを0とする場合のブロック説明図である。
【図9】圧縮率をアップあるいはダウンの指示しか行えない場合のブロック説明図である。
【図10】ヒステリシス動作説明の値を示したものである。
【図11】ヒステリシス処理のフローチャートである。
【図12】ヒステリシス処理回路のブロック図である。
【図13】ビデオカメラを示すブロック図である。
【図14】バッファ回路のブロック図である。
【図15】バッファアドレスと画面位置の関係を示す図である。
【図16】追い越し検出信号の動作を示す図である。
【図17】制御情報のシーケンスを示す図である。
【図18】制御情報のビットを示す図である。
【符号の説明】
1 撮像用レンズ
2 固体撮像素子
3 CDS/AGC回路
4 A/D変換回路
5 タイミング発生部
6 映像信号処理回路
7 バッファ回路
8 圧縮処理部
9 撮像素子駆動回路
10 映像信号出力回路
11 EOI検出回路
Claims (5)
- 被写体を撮像して電気信号に変換する映像撮像手段、電気信号を映像信号に変換する映像信号処理回路、常にいずれか一方が書き込み用、他方が読み出し用となり、その機能が一定周期毎に交互に入れ代わる2つのバッファ、映像信号を圧縮する圧縮処理部、圧縮された映像信号を所定のフレームレートで外部に伝送する映像信号出力回路、及び追い越しの有無を判定する追い越し監視回路を備え、
前記映像信号処理回路は、変換した映像信号を書き込み用バッファに書き込み、
前記圧縮処理部は、前記映像信号出力回路の伝送処理に応じて読み出し用バッファから映像信号を読み出し、これを圧縮するとともに、前記追い越し監視回路の判定する追い越しの有無に応じて圧縮率を変更し、
前記追い越し監視回路は、前記2つのバッファの機能が入れ代わる時点で、読み出し用バッファに書き込まれている全ての映像信号が読み出し済みであれば追い越し無しと判定し、そうでなければ追い越し有りと判定することを特徴とするビデオカメラ。 - 前記圧縮処理部は、映像信号出力回路において1フィールド分の圧縮された映像信号の伝送が完了してから次のフィールドの開始までの期間を計測し、その計測結果に応じて圧縮率を変更することを特徴とする請求項1記載のビデオカメラ。
- 前記計測結果に応じて変更する圧縮率の変更幅を変更できることを特徴とする請求項2記載のビデオカメラ。
- 前記計測結果に応じた圧縮率の変更処理において、圧縮率の低減方向への変更を禁止指示できることを特徴とする請求項3記載のビデオカメラ。
- 前記計測結果に応じた圧縮率の変更処理にヒステリシス特性を持たせたことを特徴とする請求項2記載のビデオカメラ。
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