JP3613416B2 - 導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、破壊検知機能や荷重履歴検知機能を有する成形体及び荷重検知方法に関する。
【0002】
プラスチック材等をはじめとする各種成形体は、様々な成形材料から様々な形態、大きさに成形されて、各種部材や構造体として用いられている。かかる成形体の材料は、近年、材料の複合化がすすみ、繊維等の強化材を含有させることにより、高強度を有する構造体等として、広い用途がある。
しかし、各種の成形材料からなる成形体は、その破壊に際しては多くの因子が作用する。したがって、破壊に対する強度が特に必要とされる構造材としての用途を拡大するには、その成形体を用いた構造体の強度等に対する信頼性を確保する必要がある。
そこで、近年、成形体自体にセンサー機能を付与することにより、成形体、もしくはこの成形体を含む構造体の破壊に先立つ何らかの信号を検知することが行われている。
例えば、コンクリート構造体において、鉄筋の代替物としてガラス繊維炭素繊維強化プラスチック成形体を用いて、この成形体中の炭素繊維の電気抵抗をセンサーとして利用しようとする技術がある。
この技術は、コンクリート構造体に荷重がかかり、埋め込まれたプラスチック成形体が変形すると、成形体中の炭素繊維が切れるため、その抵抗値が変化することを利用するものである。
【0003】
この技術によると、コンクリート構造体に、低荷重時には、抵抗値はそれほど変化せず、さらに力を加えた段階で、肉眼で容易に観察できるクラックが発生して初めて、炭素繊維が切れ始め、抵抗値が急激に増加するのであった。すなわち、抵抗値の測定により、コンクリート構造体の破壊の前兆を検知できるものの、それを検知できたのは、クラックの発生時であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、肉眼で観察できる程度のクラック発生と同時にしか、抵抗値の変化として検知できないのは、構造体の信頼性向上のためのセンサーとして不十分である。すなわち、センサーとしては、クラック発生等よりも早期に、すなわち、低荷重において、構造体における荷重やひずみを検知できるようにする必要がある。
そこで、本発明は、成形体あるいは成形体を用いた構造体にかかる低い荷重を検知できる機能を、成形体自身に付与することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、本発明者らは、各種成形材料からなる成形体に一体に、導電性粉末を含んでなる導電性相を形成すると、成形体にかかる荷重によって導電性相の通電状態が変化することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に記載の発明は、通電状態を測定可能に導電性粉末を含んでなる導電性相が、成形体に一体に設けられている導電性粉末含有成形体において、前記導電性粉末は、炭素粉末及び/又はセラミックス粉末であり、前記成形体はプラスチック材であり、前記導電性相に沿って繊維束が配設されていることを特徴とする導電性粉末含有成形体である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導電性粉末含有成形体を含んでなることを特徴とするコンクリート材である。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の導電性粉末含有成形体の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とする成形体の荷重検知方法である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の導電性粉末成形体を含む構造体の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とする構造体の荷重検知方法である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のコンクリート材の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とするコンクリート材の荷重検知方法である。
【0006】
本発明は、成形体自体に、破壊を予め検知できる信号を発する機能を付与することにより、かかる成形体、及びこの成形体を含んだ構造体の破壊に対する信頼性の向上を図るものである。
【0007】
本発明の成形体は、導電性粉末が付与されており、この導電性粉末により形成される導電性相を有する。
導電性相は、成形体に一体に設けられている。すなわち、導電性相は、成形体の内部、あるいは表面に、強固に結合した状態となっている。
【0008】
導電性相は、導電性粉末から、あるいは、導電性粉末を含んで通電状態を測定可能に構成されている。すなわち、導電性相では、導電性粉末の個々の粒子が接触することにより導電路が形成されている。なお、導電性相の通電状態を測定可能にするには、成形体マトリックスが絶縁体か、導電性相よりも低導電性であるか、あるいは、導電性相が、何らかの手段により成形体から電気的に絶縁状態に置かれていることが必要である。
本発明においては、この導電性相、さらには導電路は、成形体に一体に設けられているため、成形体に荷重がかかって、応力が発生し、成形体にひずみが生じると、その影響を受けて、互いに接触する粒子の距離が変化したり、粒子の接触が分断されたりする。すなわち、成形体にかかる荷重により導電性粒子の接触状態が変化し、部分的に導電路の断面積が変化したり、導電路の長さが変化したりする。したがって、導電性粒子の接触状態によって、導電路の通電状態が変化する。すなわち、成形体にかかる荷重によって、導電路における通電状態が変化することになる。
【0009】
ここに、導電性粒子が接触する状態により導電路が形成されていると、炭素繊維等の連続糸で導電路が形成されている場合に比較して、個々の粒子の接触状態が変化されるだけで、通電状態が変化する。したがって、成形体にわずかなひずみや応力しか生じない程度の荷重がかかっても、そのひずみを粒子の接触状態の変化を介して通電状態の変化として検知することができる。
また、繊維状体からなる導電路は、成形体にかかる荷重と通電状態の関係において、繊維状体の弾性、限界伸び等の影響を強く受ける。しかし、粒子からなる導電路では、弾性や限界伸び等の影響を考慮する必要がほとんどないため、成形体にかかる荷重が、そのような因子の影響をほとんど受けることなく、より直接的に通電状態の変化として現わされる。このため、わずかのひずみしか生じないような荷重でも、通電状態の変化として検知できる。
【0010】
さらに、電気的性質において同一の導電性材料の繊維状体(連続糸)で導電路を形成した場合と、粒子状体が接触する状態により導電路を形成した場合では、本来、後者の方が電気伝導性は低くなり、電気抵抗が高くなる。すなわち、粒子状態が接触してなる導電路では、もともと電気の伝導されにくい状態にあるため、この状態で導電路を形態変化させ、粒子の接触状態を変化させることにより、大きな電気抵抗変化量を得ることができる。したがって、電気抵抗の変化を検出することが容易である。
【0011】
このように、成形体に設けた導電路の通電状態の変化を測定することにより、成形体にかかる荷重の検知が可能となる。したがって、予め、成形体にかかった荷重と、例えば電気抵抗の変化を測定し、両者の関係を確認しておくことにより、成形体からなる構造体、あるいは成形体を含んでなる構造体における導電性相の電気抵抗の変化を測定すれば、成形体からなる構造体にかかっている荷重を検知することができる。
また、成形体にかかる荷重と通電状態とひずみとの関係を確認しておけば、成形体に発生したひずみを検知することができる。
【0012】
さらに、導電路の粒子の接触状態が荷重により一旦変化されると、荷重が除かれた場合にでも、完全にもとの状態に戻ることはなく、通電状態も初期状態と同一とはならない。このため、過去に受けた荷重が通電状態の変化として記録される。したがって、成形体あるいは成形体を含む構造体の荷重履歴を推定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明における成形体は、その形態や用途を問わない。
具体的には、コンクリート材、プラスチック材、ガラス材、木材の集成体や積層体、天然のあるいは合成のファイバやチップの成形体、粉体の成形体等を挙げることができる。なお、これらの成形体は、同時に構造体でもある。
特に、本発明の成形体は、破壊を予め検知する必要がある構造体としての成形体に有用である。例えば、かかる成形体として、コンクリート材、プラスチック材、木材の集成材を挙げることができる。
特に、プラスチック材は、ガラス繊維等の繊維材料の複合化による強化が可能であるために構造材料としての用途が広く、しかも導電性相の一体的付与が容易であるため、本発明の成形体として適している。
【0014】
また、本発明の成形体は、他の材料に一体に含まれた状態で、あるいは混合された状態の骨格材あるいは充填材として使用することもできる。かかる成形体として具体的には、プラスチック材等を挙げることができる。特に、破壊を予め検知する必要がある構造体の骨格材として、本発明の成形体は有用である。このような成形体として、例えば、コンクリート材からなる構造体の筋材として用いる、繊維強化プラスチック材等の各種複合プラスチック材を挙げることができる。
【0015】
このように、本発明の成形体としてのプラスチック材は、各種構造体そのものとして、また、構造体に含まれる材料として、いずれにおいても有用である。また、プラスチック材は、比重が小さく、耐食性に優れた材料であるとともに、複雑な形状に対しても十分に対応できる優れた成形・加工性を有する材料である点、及びプラスチック材は、繊維等の強化材の複合化が容易である点においても本発明において有用である。
【0016】
なお、本発明の成形体としてのプラスチック材におけるプラスチックの種類は特に問わない。成形体の用途により、その用途に応じて選択することができる。例えば、コンクリート材に混合して用いる筋材のプラスチックは、耐アルカリ性に優れるビニルエステル樹脂が好ましい。
なお、成形体を構成するプラスチックが導電性高分子体である場合には、導電性相の導電性に比して相対的に低い導電性を有するものを使用すれば、導電性相の導電性を測定することができる。
【0017】
本発明において用いる導電性粉末は、導電性を有する粒子の集合物である。かかる粒子は、成形体内部あるいは表面に分散させうるものであり、導電性を有するものであれば、その材質を問わない。具体的には、炭素粉末、酸化物、窒化物、炭化物等のセラミックス粉末、金属粉末等を挙げることができるが、構成粒子の破断伸びが小さいことが好ましい。粒子の破断伸びが小さいと、低荷重において粒子と粒子との接触が分断されて電気抵抗が変化し、低荷重においても成形体に生じた荷重やひずみを検知できるからである。
粒子の形態としては、球状、フレーク状、ウィスカ状等を挙げることができる。また、粒子の大きさは、特に問わないで用いることができる。
このような導電性粉末としては、例えば、炭素粉末や、炭化チタンや窒化チタン等のセラミックス粉末を挙げることができる。
【0018】
ここに、成形体にかかる荷重としては、曲げ荷重、引張り荷重、圧縮荷重等を挙げることができる。
【0019】
成形体に導電性粉末を分散させる場合、導電性の粒子が接触して導電路を形成するようにする。導電路が形成される限り、導電性相における導電性粒子の密度(含有量)は問わない。
導電路は、導電性粉末の粒子が、部分的かつ連続的に接触することにより形成されていることが好ましい。部分的かつ連続的に接触するとは、隣あう粒子同志が、完全な密着状態でなく、粒子のある部分において、他の粒子と接触し、このような接触状態が連続することをいう。導電性粉末粒子をかかる状態で分散させると、導電路の形態が、成形体にかかる荷重の影響を受けやすく、荷重を電気抵抗の変化として検知しやすいからである。
なお、導電性相における導電性粒子の含有量が高ければ、各粒子間の距離が短く、また、各粒子の密着度が高いため、一定の荷重による導電路の形態変化が少なくなり、電気抵抗の変化の程度が小さくなりやすい。一方、導電性粒子の含有量が低ければ、反対に、荷重による導電路の形態変化が大きく、電気抵抗の変化の程度は大きくなりやすい。
【0020】
導電性粉末を成形体に付与して、成形体に一体に導電性相を形成するには、導電性粉末を直接的に成形体に付与する場合と、導電性粉末を何らかの担体に保持させて間接的に成形体に付与する場合とがある。
直接的に、導電性粉末を成形体に付与するには、例えば、成形体の成形に際して、導電性粉末を成形材料に混合して成形体を得ることができる。具体的には、成形体がプラスチック材の場合には、導電性粉末をプラスチック材料に混合し、あるいは、成形材料の成形型への充填途中に硬化する前の成形材料表面に導電性粉末を付与し、その後そのまま硬化させるか、さらにその上に成形材料を付与した後、硬化させる。なお、表面に導電性粉末を付与した場合には、導電性粉末の脱離を避けるために、皮膜等を施すことができる。同様に、成形体がコンクリート材や、ガラス材、ファイバ、チップ等の成形体の場合においても、直接的に導電性粉末を付与することができる。
また、成形体が、積層体の場合には、積層材間に導電性粉末を介在させて付与することができる。
【0021】
また、間接的に、導電性粉末を成形体に付与するには、一定の形態を有する担体を利用し、この担体に導電性粉末を担持させ、この担体を成形体に付与することにより行う。かかる担体は、成形体の種類等に応じて、棒状、シート状、繊維状等の各種形態を選択できる。担体の材料としては、担体の形態等を考慮してプラスチック、天然あるいは合成繊維等から1種類あるいは複数種類を選択することができる。また、担体は、導電性を有しないか、あるいは、用いる導電性粉末よりも低い導電性のものであることが必要である。
導電性粉末担持担体は、成形体中に分散、混合させたり、介在させたり、あるいはその表面に付着等させたりして、成形体に応じた状態で一体に付与する。
【0022】
担体が、プラスチック材からなる場合、プラスチック材の内部、あるいは表面に導電性粉末を混合、付着等させて、導電性粉末担持担体を形成することができる。
また、担体がプラスチック材の場合、成形・加工性の点から、導電性粉末担持担体の形態の自由度が大きく、また、プラスチックは強度も有するため成形体において導電性相を一定の形態で含ませることが容易にできて都合がよい。さらに、担体の状態で、荷重をかけることにより、導電性相の電気抵抗を測定することも可能であるため、担体の段階で荷重と電気抵抗等の関係を測定することができる。
【0023】
また、担体が、ガラス繊維、セルロース繊維等の繊維からなる場合、繊維の材料に導電性粉末を含有させたり、あるいは、繊維表面に導電性粉末を付着させたり、導電性粉末を分散させた液(例えばビニルアルコール溶液等の接着剤の液)を繊維に含浸させたりして、繊維状あるいはシート状の導電性粉末担持担体を形成することができる。担体が、特にガラス繊維や炭素繊維、セラミックス繊維からなる場合、成形体に対して繊維による強化も同時に可能である。
【0024】
また、担体として、2種類以上の材料を同時に用いることもできる。例えば、プラスチックと繊維を用いることができる。この場合、例えば、導電性粉末を分散させた硬化前のプラスチック液やゾルを、繊維(連続糸)が束ねられてなる繊維束に含浸させ硬化させることにより、繊維とプラスチックを担体の材料とした導電性粉末担持担体を形成することができる。この担体によれば、担体に一定の形態を付与して成形体において導電性相を一定の形態で含ませることが可能であるとともに、担体自体の繊維束による強化が可能である。また、この担体の場合、担体において繊維束に沿って導電性粉末が付与されているため、成形体においても繊維束による強化方向に沿って導電性相が形成されていることになる。
さらに、比較的短い繊維と導電性粉末をともに分散させた状態のプラスチック材を導電性粉末担持担体として使用することもできる。
【0025】
特に、プラスチックと同時に、ガラス繊維やセラミック繊維さらにはこれらの繊維束を担体材料として使用して得た導電性粉末担持担体によれば、成形体への導電性相の形成と同時に成形体の強度向上が容易におこなえる。また、担体において繊維束の方向に沿って導電性相が設けられる場合には、繊維束の配設方向、すなわち、繊維束による強化の方向、に沿って発生したひずみや、荷重変化を検知することができる。
【0026】
このようにして、成形体に付与した導電性相の存在形態としては、成形体の全体が導電性相である場合、導電性相が部分的に分布する場合等がある。導電性相が部分的に形成される場合、導電性相は、層状、あるいは、チューブ状等とすることができ、また、導電性相が担体により付与されている場合は、担体の形態に沿うものとなる。
なお、導電性相の存在形態は、荷重やひずみにより影響を受けやすい形態であり、また、導電性相の成形体における存在位置は、荷重やひずみにより影響を受けやすい存在位置であることが好ましい。かかる存在形態や存在位置は、成形体の用途や、配設位置により、適宜選択することが必要である。
例えば、引張り荷重や圧縮荷重に対しては、導電性相は、その荷重の方向に沿う長い形態を有して、しかも、その荷重のかかる方向に沿って存在することが好ましい。また、曲げ荷重に対しては、荷重を検知しやすいように、長い形態を有して、しかも、荷重のかかる方向に直交するように存在することが好ましい。
【0027】
成形体に一体に設けた導電性相の通電状態を測定するとは、導電性相の電気抵抗、電圧、電流、導電率等、一般に通電状態を知るのに必要なパラメータを測定することをいう。かかるパラメータのうちいずれを測定するかは、用いる測定機器等に応じて適宜選択することができる。なお、成形体に設けた導電性相の両端側に端子やリード線を、予め成形体に一体に設けておくことが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、成形体にかかる荷重の増大に応じて、成形体に一体に設けた導電性相の通電状態が変化するため、この導電性相の通電状態を測定することにより、成形体あるいはこの成形体を含む構造体における荷重の変化を確実に通電状態の変化として検知できる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を具現化した実施例について図1〜図5に基づいて説明する。
本実施例では、導電性粉末として、粒径30nmの炭素粉末を用い、成形体の材料をビニルエステル樹脂とし、ガラス繊維束で強化することとした。また、炭素粉末を成形体に付与するための担体として、強化に用いたのと同一のガラス繊維束(旭ファイバーグラス製 R2220)を用いた。
表1には、使用したガラス繊維束の組成を示し、表2には、ガラス繊維束の特性を示し、表3には、ビニルエステル樹脂の特性を示す。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
I.実施例の試験片の調製
〔炭素粉末担持ガラス繊維束の調製〕
20%ポリビニルアルコール(中京油脂製 WF804)水溶液40mlに炭素粉末を10gの割合で均一に分散させた懸濁液を調製し、長さ120mmに調整したガラス繊維束に、この懸濁液を含浸させた。含浸後のガラス繊維束は束状の形態を維持して硬化し、この結果、ガラス繊維束に沿って導電性粉末たる炭素粉末が付与された炭素粉末担持ガラス繊維束が形成された。この炭素粉末担持ガラス繊維束の各端部側には、表面に銀ペーストを塗布し、さらに、これらの各端部と接続させるリード線とをアルミニウムフィルムで一体にかしめた。この際、この炭素粉末担持ガラス繊維束におけるガラス繊維の含有量は、約60 vol%とした。
〔樹脂含浸ガラス繊維束の調製〕
長さ120mmに調整したガラス繊維束に、ビニルエステル樹脂:硬化剤=100:1の割合で混合した樹脂液を含浸させた。なお、この際、この樹脂含浸ガラス繊維束におけるガラス繊維の含有量は、約45vol %とした。
【0033】
〔試験片の調製〕
所定の大きさの成形型内において、調製した前記樹脂含浸ガラス繊維束を、複数束(5束)配設するとともに、1束の炭素粉末担持ガラス繊維束を、成形表面から約2mmの位置となるように配設し、さらに、重ねて複数束(15束)の樹脂含浸ガラス繊維束を並べて配置し、樹脂液を注入した。成形型内を樹脂液で満たした結果、左右及び上下に複数層にガラス繊維束を配置した状態となった。
この後、樹脂液の硬化を待って成形型から脱型して、成形体を取り出し、加工して長さ120mm ×幅10mm×厚み5mm の試験片を得た。なお、この試験片は、本発明における成形体である。この試験片においては、炭素粉末は、約0.5 vol%含まれており、炭素粉末担持ガラス繊維束が一方の成形表面から約2mmの位置に配設され、長手方向の両端部には、リード線が導出されている。
このようにして調製した試験片の一部分の断面構造を示す模式図を図1に示す。この模式図において、試験片10においては、炭素粉末担持ガラス繊維束20と樹脂含浸ガラス繊維束22が一体に設けられている。炭素粉末担持ガラス繊維束20には、ガラス繊維束の内部及び外周部に一体に、炭素粉末の粒子30を含んだ層40が形成されている。
また、この試験片の外観を図2に示す。図2に示すように、試験片10の2つの端縁部から、試験片10の内部にある端子50からリード線60が延出された状態となっている。
【0034】
II.比較例の試験片の調製
また、実施例と同一のガラス繊維束及びビニルエステル樹脂を用いた成形体に導電性材料として2種類の炭素繊維束を付与することにより、比較例1及び2の試験片を調製した。すなわち、実施例における炭素粉末担持ガラス繊維束に代えて炭素繊維束(長さ120mm)を用いる以外は、実施例と同様の方法により樹脂含浸ガラス繊維束を調製し、さらに実施例と同様の方法により比較例1及び2の試験片を調製した。
比較例1の炭素繊維束は、東レ トレカT−400HB(弾性率250GPa、破断伸び1.8 % )を用い、1 試験片中の炭素繊維束の導入量は0.23vol %であった。
また、比較例2の炭素繊維束は、東邦レーヨン、ベスファイトUM63−12k−H50(弾性率617GPa、破断伸び0.6 %) を用い、1 試験片中の炭素繊維束の導入量は0.93 vol%であった。
【0035】
次に、これらの試験片について、3点曲げ試験を行うと同時に、導電性相の電気抵抗を測定した。なお、3点曲げ試験及び電気抵抗の測定は以下の方法に従って行った。
〔3点曲げ試験〕
実施例においては、試験片内の炭素粉末担持ガラス繊維束が引っ張り面から2mmの位置に配置されるように、試験片を3点曲げ試験機にセットし、スパン50mm、クロスヘッドスピード1mm/minで試験を行い、初期状態からクラックが発生するまでの荷重(kgf)とひずみ(たわみ)(mm)を測定した。なお、使用した曲げ試験機は、株式会社島津製作所製、コンピュータ計測制御式精密万能試験機、島津オートグラフAG−10TBを用いた。
また、比較例においては、炭素繊維担持ガラス繊維束が引っ張り面から2mmの位置に配置されるように、試験片を3点曲げ試験器にセットし、その他は実施例と同様の条件で試験した。
【0036】
〔電気抵抗の測定〕
横河電気株式会社製ディジタルマルチメーター Model 7561を用い、測定は2 端子法で行った。
【0037】
実施例の結果を図3に、比較例の結果を図4〜図5にそれぞれ示す。
図3〜5には、横軸にたわみをとり、左縦軸に荷重、右縦軸に電気抵抗値(変化量)をとり、それぞれ実施例、比較例における荷重−たわみ−電気抵抗値(変化量)の関係が示されている。
図3に示すように、実施例の結果からは、荷重の変化に伴って、電気抵抗値が著しく増大されていた。すなわち、試験片にかかる荷重の増大に比例するように、導電路の炭素粉末の粒子の接触が徐々に分断されたためである。したがって、この実施例の試験片においては、荷重の変化量に対する電気抵抗値の変化量が大きく、荷重の増大を電気抵抗の変化として検知するのが容易であり、電気抵抗値の測定結果から、試験片にかかっている荷重やひずみを検知することが容易である。また、電気抵抗値の増大は、低荷重レベルから高荷重レベルにいたる範囲において、荷重に対して比例的であり、低荷重レベルでも荷重の変化を高感度に検知することができる。
【0038】
これに対して、比較例1においては、図4に示すように、荷重の増大により、徐々に少しづつ電気抵抗値が変化するものの、実施例に比して著しく小さい変化量であった。そして、さらに荷重が増大してクラックが入る時点で急激に電気抵抗値が増大した。すなわち、クラックが入った時点で、炭素繊維の断裂が生じて、電気抵抗値が急激に増大した。したがって、この比較例の試験片をセンサとして用いても、電気抵抗値の増大から、容易に試験片にかかる荷重を検知することができず、また低荷重レベルでの電気抵抗値の変化が少ないため、低荷重レベルでの荷重の変化を検知することが困難である。
【0039】
また、比較例2においては、図5に示すように、初期の荷重においては、電気抵抗値はほとんど変化せず、たわみが約2mmとなった時点で急激に増大した。すなわち、この比較例においては、この時点(たわみが約2mmとなった時点)で、炭素繊維束に断裂が生じた。この図5から明らかなように、この比較例では、たわみが2mmに達する前とその後では、荷重の増大を電気抵抗値の増大としては検知することが不可能であった。すなわち、たわみが2mmに達する前には、電気抵抗値の変化が小さすぎてほとんど検出できず、また、2mmを越えた直後に、電気抵抗値は無限大に増加してしまっているため、その後の荷重変化を電気抵抗値の変化として検出することができなかった。したがって、破断伸びが小さい炭素繊維束を用いる場合には、低荷重で繊維束が分断されるものの、繊維束の断裂時においてのみ電気抵抗値が変化する点において、比較例1と共通していた。このため、比較例1と同様、本試験片をセンサとして用いて、電気抵抗値を測定して、試験片にかかる荷重の変化を検知することは困難である。
【0040】
この結果から明らかなように、実施例によれば、試験片にかかる荷重の増大により比例的に、しかも大きく電気抵抗値が増大されるため、低荷重の時点においても、容易に電気抵抗値の変化として検出することができる。また、高荷重レベル時においても同時に、電気抵抗値の測定により、荷重レベルを検知することができる。したがって、実施例の試験片をセンサとして構造体そのものとして、あるいは構造体の一部に用いることにより、破壊に対する危険度を広い荷重の範囲で、高感度に検知し、きめの細かい破壊予防対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の試験片の一部の断面構造の模式図である。
【図2】実施例の試験片の全体を示す図である。
【図3】実施例の荷重−たわみ−電気抵抗変化曲線を示すグラフ図である。
【図4】比較例1の荷重−たわみ−電気抵抗変化曲線を示すグラフ図である。
【図5】比較例2の荷重−たわみ−電気抵抗変化曲線を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 試験片
20 炭素粉末担持ガラス繊維束
30 炭素粉末の粒子
Claims (5)
- 通電状態を測定可能に導電性粉末を含んでなる導電性相が、成形体に一体に設けられている導電性粉末含有成形体において、
前記導電性粉末は、炭素粉末及び/又はセラミックス粉末であり、
前記成形体はプラスチック材であり、
前記導電性相に沿って繊維束が配設されていることを特徴とする導電性粉末含有成形体。 - 請求項1に記載の導電性粉末含有成形体を含んでなることを特徴とするコンクリート材。
- 請求項1に記載の導電性粉末含有成形体の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とする成形体の荷重検知方法。
- 請求項1に記載の導電性粉末成形体を含む構造体の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とする構造体の荷重検知方法。
- 請求項2に記載のコンクリート材の、前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とするコンクリート材の荷重検知方法。
Priority Applications (1)
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