JP3613202B2

JP3613202B2 - 送受信装置

Info

Publication number: JP3613202B2
Application number: JP2001161980A
Authority: JP
Inventors: 信夫晴山
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 2001-05-30
Filing date: 2001-05-30
Publication date: 2005-01-26
Anticipated expiration: 2021-05-30
Also published as: US20020180651A1; US6700545B2; CN1388652A; JP2002353718A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送受信装置に関し、より詳細には、アース基板がフレキシブル導電手段で接続されるパッチタイプのアンテナ装置を備えた送受信装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、通信機器は、小型化、薄型化及び軽量化の方向にある。特に、移動通信用の送受信装置はその傾向が強く、従って、そこで使用されるアンテナも小型化を余儀なくされている。小型アンテナの代表例として、パッチアンテナがある。図７は、パッチアンテナの構造を示す図であり、図７（Ａ）は平面図、図７（Ｂ）は、図７（Ａ）のＡ−Ａ断面図、そして図７（Ｃ）は、前記平面図の右側からみた側面図である。
図７において、パッチアンテナ１０は、誘電体３と、該誘電体の上面に形成された放射素子導体パターン４ａと、前記誘電体３の底面に形成された接地導体パターン７と、前記放射素子導体パターン４ａに給電するための給電部パターン８を備え、アース基板上に配置されている。
なお、パッチアンテナ１０への給電は、アンテナパターン４ａが同軸ケーブル６の中心導体に、またアース基板１の銅板１ａが外部導体に接続されることにより行われる。
【０００３】
図８は、送受信装置の構成図であり、図８（Ａ）は正面図で、受話口２１、ディスプレイ２２、ダイヤルボタン２３、送話口２４等が設けられている。また、図８（Ｂ）は図８（Ａ）のＣ−Ｃ断面を模式的に示す図であり、送受信装置２０の長手方向に、図７で示されるパッチアンテナ１０が図示しない適当な取付手段により設置される。このタイプの送受信装置においては、送受信装置の長手方向の長さがある程度確保できるため、パッチアンテナのアース基板の長さを長くすることができ、従って、所定の感度が得られ易い。
【０００４】
図９は、折畳式（２つ折りタイプ）送受信装置の構成図である。図９（Ａ）は、その正面図であり、折畳式送受信装置３０は、折畳部３１を境として一方の側つまりダイヤルボタン側部分３３と、他方の側つまりディスプレイ側部分３２とが重なり合うよう折り畳める構造になっている。図９（Ｂ）は、折畳式送受信装置３０の折り畳んだ状態のＤ−Ｄ断面を模式的に示す図であり、折畳式送受信装置３０のダイヤルボタン側部分３３に図示しない適当な手段により図７で示したパッチアンテナ１０が設置される。このタイプの送受信装置は、折り畳んで、例えばワイシャツの胸ポケットなど狭い収納個所に収めて使用できる等、使い勝手やデザインが優れていることから多用されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記送受信装置は、２つ折りにしなくても筐体が小型化されたり、ましてや２つ折りの構造にした場合、長手方向の長さが短くなるため、パッチアンテナのアース基板の長さも短くならざるを得ず、従って、送受信装置の使用周波数帯域において所定の感度を得ることができなくなる。このため、最悪の場合、感度が悪く通信ができなくなるという問題があった。また、前記ワイシャツ等の胸ポケットに入れて使用する場合、そこへの取付部を持たないために、落し易いという問題もあった。
【０００６】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、第１の目的は、送受信装置が小型化し、アンテナ収納領域が狭小化しても、アンテナ収納を可能にし、送受信装置の使用時に使用周波数帯域において所定の感度が得られるようにアンテナを構成することであり、第２の目的は、このアンテナを備えた送受信装置を提供することであり、そして第３の目的は、前記アンテナを備えた送受信装置を服装のポケット部等に収納して持ち運び又は使用する場合に、ポケット部等から落下しないようにすることである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明送受信装置は、アース基板上にアンテナ回路部を有するアンテナ装置において、このアース基板を、柔軟性を有する導電手段により別体のアース基板に接続するとともに、この別体のアース基板を送受信装置の筐体外へ移動可能とし、アンテナ装置の使用時にこのアンテナ回路部を有するアース基板とこの別体のアース基板とにより所定のアース基板長を確保可能にしたアンテナ装置を備えたものである。
【０００８】
上述送受信装置において、この別体のアース基板にこの送受信装置の挟着用クリップ手段を設けたものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
はじめにパッチアンテナの帯域特性について考察すると、パッチアンテナは、送受信兼用であるため、送受信に使用される搬送波周波数の帯域幅をカバーする必要がある。現在、全世界で使用されている周波数帯は、ＧＳＭ（ＧｌｏｂａｌＳｙｓｔｅｍｆｏｒＭｏｂｉｌＣｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ・・汎欧州デジタル移動電話方式）で規格化されている９００ＭＨｚ帯（８８０乃至９１５ＭＨｚ及び９２５乃至９６０ＭＨｚ）であり、この９００ＭＨｚ帯における必要帯域幅は、送信用帯域幅として３５ＭＨｚ、受信用帯域幅として３５ＭＨｚ、それに両帯域幅間のガード用帯域幅として１０ＭＨｚの８０ＭＨｚ以上が必要となる。
図１は、図７で示したパッチアンテナのアース長対帯域幅特性を示す図であり、横軸がアース長（単位：ｍｍ）、縦軸が帯域幅（単位：ＭＨｚ）を示す。図１から明らかなように、８０ＭＨｚの帯域幅を確保するためには、９０ｍｍ以上のアース長をとることが必要である。
【００１２】
図２（Ａ）は、パッチアンテナの平面図、図２（Ｂ）は、図２（Ａ）のＢ−Ｂ断面図であり、図中、パッチアンテナ１０は、基本構造は図７で述べたものと同じであり、図７と同じ構成部品には、同じ参照番号を付して説明を省略する。
このパッチアンテナ１０に、このアンテナ１０のアース基板１とは別体にアース基板１’を設け、例えば、柔軟性を有する、つまりフレキシブルな樹脂製薄板５ａ上に複数の導線５ｂをエッチング等により構成したフレキシブル導電手段５で、アース基板１とアース基板１’とを電気的及び機械的に接続するものである。即ち、パッチアンテナ１０の収納領域が狭小化し、アース基板１の長さのみによって、８０ＭＨｚの帯域幅を確保するために必要な９０ｍｍ以上のアース基板長を確保できない場合に、アース基板１をフレキシブルな導電手段５により別体のアース基板１’と接続し、この接続によって、アース基板１とアース基板１’により前記アース基板長を確保する。
図２例によれば、パッチアンテナ１０の収納スペースが狭小化しても、前記別体のアース基板１’部分をフレキシブル導電手段５部分で折り曲げるなどして別個所に収納することができ、且つ使用時にアース基板１’を延ばしてアース基板１とで９０ｍｍ以上のアース基板長を確保するので、９００ＭＨｚ帯の送受信において送受信感度を低下させることがなくなる。
【００１３】
図３は、折畳式送受信装置の断面構成図である。なお、この送受信装置は、アンテナの構成を除いて図９で説明したものと同じである。
図３（Ａ）において、送受信装置３０の一方の側つまりダイヤルボタン側部分３３に、そこに収納可能なアース長のアース基板１からなるパッチアンテナ１０を設置する。他方の側つまりディスプレイ側部分３２に、折畳部３１に図示されない回転軸を有し、送受信装置の折畳時に、送受信装置３０のディスプレイ側部分３２の筐体外面に沿って収納されるようにアース基板１’を設ける。そして、アース基板１とアース基板１’とを前記フレキシブル導電手段５で接続し、アース基板１’を、前記回転軸を中心に送受信装置の筐体外へ回転して引起せるようにし、引起した状態で、全体のアース長Ｌ１が出来るだけ長くなるようにする（図３（Ｂ））。
なお、図３（Ａ）、（Ｂ）において、アース基板１とアース基板１’とのフレキシブル導電手段５による接続は、模式的に描かれているが、実際には、折畳部３１中を通過させるなどの手法がとられる。
図３例によれば、送受信装置が２つ折りタイプとなってアンテナ収納領域が狭小化しても、容易にアース長が延長可能なアンテナを構成することができる。従って、前記９００ＭＨｚ帯の送受信において感度が低下する虞れのない送受信装置を提供することができる。
【００１４】
図４は、本発明の実施形態に係るパッチアンテナの構成を示すための折畳式送受信装置の断面図であり、前記実施形態と同様、送受信装置は、アンテナの構成を除いて図９で説明したものと同じである。
図４（Ａ）において、折畳式送受信装置の折畳時に、アース基板１’を、送受信装置３０のディスプレイ側部分３２内に差込み及び引出し可能に構成し、フレキシブル導電手段５でアース基板１と接続する。そして、アース基板１’を、送受信装置のディスプレイ側部分３２から、つまり前記装置の筐体外へ引出したとき、アース基板１とアース基板１’との全体のアース長Ｌ２が出来るだけ長くとれるようにする（図４（Ｂ））。
本実施形態によれば、折畳式送受信装置において、アース基板１’を引出すことによって容易に全体のアース長を出来るだけ長くとることができるので、送受信装置が小型化しても、前記９００ＭＨｚ帯の送受信において感度が低下する虞れがない送受信装置を提供することができる。
【００１５】
本発明の他の実施形態は、前記引出し可能なアンテナを有する折畳式送受信装置において、前記アンテナのアース基板にクリップ等の挟着具を設け、送受信装置の使用時（受信待機時）にワイシャツの胸ポケット等に挟着できるようにする。
図５は、クリップ付きアース基板を有する折畳式送受信装置を示す図であり、図５（Ａ）は、折り畳んだ状態でアース基板が引出されたときの断面図、図５（Ｂ）は、その正面図である。図５において、アース基板１’にクリップ３５が、図示しない適当なばね部材によりアース基板１’に対して挟着力が作用するように設ける。このクリップ３５によって送受信装置をワイシャツ等の胸ポケットに挟着しておくことにより、送受信装置を落したり、紛失することがなくなる。
【００１６】
図６は、クリップ付きアース基板が折畳式送受信装置内に差込まれたときの送受信装置を示す図であり、図６（Ａ）は、その断面図、図６（Ｂ）は正面図である。図５と同じ構成部品には同じ参照番号を付し説明を省略する。
クリップ３５付きアース基板１’は、折畳式送受信装置内に差込まれた状態で、送受信装置を前記胸ポケット等に挟着可能にする。
本実施形態によれば、クリップ３５によりポケット等に挟着することができるので、送受信装置の受信待機時又は持ち運び時に落下、紛失したりする心配がなくなる。
【００１７】
【発明の効果】
本発明によれば、送受信装置を２つ折りなど持ち運び状態のままで、送受信に必要なアース基板長を確保することができるので、送受信装置が服装のポケット等に収納されたままでも送受信感度が低下することがなくなる。
また本発明によれば、別体のアース基板に、送受信装置を服装のポケット等に取付けるための挟着用クリップ手段を設けたので、受信待機時又は持ち運び時に、落としたり、紛失したりすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】パッチアンテナのアース長対帯域幅特性を示す図である。
【図２】パッチアンテナの例の構成図である。
【図３】送受信装置の例の断面図である。
【図４】本発明の実施形態の例に係る送受信装置の断面図である。
【図５】本発明の実施形態の例に係る送受信装置の断面及び正面図である。
【図６】本発明の実施形態の例に係る送受信装置の断面及び正面図である。
【図７】従来のパッチアンテナの構成図である。
【図８】従来の送受信装置の例の正面及び断面図である。
【図９】従来の送受信装置の例の正面及び断面図である。
【符号の説明】
１・・アース基板、２・・アンテナ回路部、３・・誘電体、４・・アンテナパターン、５・・フレキシブル導電手段、７・・接地導体パターン、８・・給電部パターン

Claims

アース基板上にアンテナ回路部を有するアンテナ装置において、前記アース基板を、柔軟性を有する導電手段により別体のアース基板に接続するとともに、前記別体のアース基板を送受信装置の筐体外へ移動可能とし、アンテナ装置の使用時に前記アンテナ回路部を有するアース基板と前記別体のアース基板とにより所定のアース基板長を確保可能にしたアンテナ装置を備えたことを特徴とする送受信装置。
請求項１記載の送受信装置において、前記別体のアース基板に前記送受信装置の挟着用クリップ手段を設けたことを特徴とする送受信装置。