JP3611737B2 - 耐プラズマ性材料及び部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はLSIなどの半導体薄膜配線形成装置の部品及びその材料に関するものであり、イオン注入、プラズマCVD、プラズマエッチャーなどの装置のプラズマに曝される部分に用いる部品の寿命を大幅に改善することを可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマにさらされる部分に使用される部品は、耐熱性の観点や、比較的プラズマのダメージを受けにくく、損耗が激しくないといった理由から、W、 Mo等の高融点金属やカーボン(C) などのセラミック素材が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、近年、半導体構造の多層化による高いステップカバレッジ特性の要求からスパッタリングに替わって、プラズマCVD等によりフッ化物から金属薄膜を成膜したり、エッチングが難しい薄膜材料をフッ素(F)を含むプラズマ中でプラズマエッチングするような、フッ素系ガスプラズマが使用される場合が増えて来ている。ところが、従来、プラズマにさらされるような部位に使用されてきた W、 Mo、 C等の素材よりなる部材は、プラズマ中のFと反応して、蒸気圧の高いフッ化物(WF6, MoF6, CF4)を形成するため、すぐに消耗してしまい、一週間程度で使用できなくなっており、交換頻度の増加による部品コストの上昇と生産効率の低下が問題となりつつある。また、イオン注入装置のイオン源周辺等のフッ素を含むプラズマにさらされる部分も同様の問題を有しており、交換頻度が高く部品コストもかさむ状況であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フッ素系ガスプラズマ中においても損耗が少なく、大幅に部品寿命を改善することでコストを低減し、さらには生産効率を高めることを可能とする耐プラズマ性材料及び部品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、純度がある程度以上に高いZr、Nb、Taがフッ素を含むプラズマに対して侵食されにくいこと、さらにこれらの材料の純度がある程度以上の窒化物が更に耐プラズマ性が高いことがわかった。また、これらの窒化物部品を作製する事が形状や機械加工性の観点から困難である場合も考慮し、窒化物の薄膜を部品表面に形成することを検討した結果、窒化膜の厚みと膜の緻密性をある範囲にすることで全体が窒化物である場合と同等の良好な耐プラズマ性が得られることがわかった。
【0006】
すなわち本発明は、
1. Zr、NbあるいはTaのいずれかひとつ以上の金属または合金で構成され、該金属または合金の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素および炭素の含有量の合計が1wt%未満であることを特徴とする耐プラズマ性材料及び部品、
【0007】
2.ジルコニウム窒化物、ニオブ窒化物あるいはタンタル窒化物のいずれかひとつ以上の窒化物で構成され、該窒化物の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計が3wt%未満であることを特徴とする耐プラズマ性材料及び部品、
【0008】
3.ジルコニウム窒化物、ニオブ窒化物あるいはタンタル窒化物のいずれかひとつ以上の窒化物被膜で被覆され、該窒化物被膜の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計が3wt%未満であり、かつ該窒化物被膜の厚さ10〜1000μmであることを特徴とする耐プラズマ性材料及び部品、および
【0009】
4.上記窒化物被膜の皮膜中の空孔の面積率(以下、空孔率とする)が70%以下であることを特徴とする3に記載の耐プラズマ性材料及び部品
を提供するものである。
【0010】
以下、本発明について詳しく説明する。
フッ化物の蒸気圧の低い高融点金属として、Zr, Nb, Taが知られている。これらの金属を従来のW, Mo, C に代えてFを含むプラズマ中に曝したところ、プラズマによる侵食量は従来の材料と大きな違いはあらわれなかった。そこで、これらの材料を調査したところ、 Zr, Nb, Ta中に含まれる不純物が侵食を促進することがわかった。そして、さらに研究を続けた結果、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計が1wt%未満のとき、明らかに、従来のW, Mo, CよりもFを含むプラズマに侵食されにくいという知見が得られた。
【0011】
さらに、これらの金属の窒化物について、Fを含むプラズマ中の耐性を調べたところ、酸化の度合いや窒化物中の不純物量により耐性が変化することがわかった。不純物量が多いほどプラズマ耐性が劣る。金属よりも良好な耐プラズマ性を示すのは、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計が3%未満である場合であることが判明した。
【0012】
上記の窒化物は材質が緻密であることが望ましい。これはあまりに多孔質な材料においては比表面積の増大により、プラズマによる損耗が激しくなるためであり、窒化物の空孔の面積率(以下空孔率という)が30%以下であることが望ましい。
【0013】
本用途の部品は様々な形状を有していることに加え、Zr, Nb, Ta の窒化物は非常に硬くかつ脆いため、窒化物の部品形状への機械加工が困難であったり時として不可能である場合も考えられるため、窒化物の薄膜を部品表面に形成することを検討した。その結果、前述の窒化物と同等の純度を有する窒化膜でかつその厚みが10〜1000μmの範囲にあれば、全体が窒化物である場合と同等の良好な耐プラズマ性が得られることがわかった。ここで厚さを10μm以上に規定する理由は、これ以下の膜厚ではプラズマのダメージにより下地が露出する可能性があり、部品寿命が短くなるためであり、1000μm以下に規定する理由はこれ以上の膜厚では使用中の熱応力により窒化膜全体もしくは部分剥離が生じる場合があるためである。なお、部品の母材としてはZr, Nb, Taが望ましいが、これら以外の材料を除外するものではない。
【0014】
さらに前述の窒化膜はある程度の緻密性が必要で、空孔率は70%以下、より好ましくは30%以下とされる。ここで空孔率を規定する理由は、70%を越えると比表面積の増大と母材表面への貫通ポアが存在するようになり、損耗が激しくなるためである。空孔率は低いほうが好ましいが、部品表面への薄膜の形成技術において、十分に窒化がなされた、すなわちプラズマ耐性の高い膜を形成する上である程度の空孔は許容されるものであり、十分な窒化の効果と貫通ポアの存在や比表面積増大の悪影響を勘案した結果、70%以下とされる。空孔率の下限については特に規定するものでは無く、十分な窒化が行われた前提の上では0%の空孔率のものも本発明に含まれる。
【0015】
【実施例】
[実施例1]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.15、0.11 、0.40、0.13、0.10、0.01%で、その合計が0.9%のZr板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、0.5μm/h.であった。
【0016】
[実施例2]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.10 、0.42、0.15、0.09、0.02、0.02%で、その合計が0.8%のNb板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、1.0μm/h.であった。
【0017】
[実施例3]
不純物元素のうち、W、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.21、0.31、0.23、0.13、0.01、0.01%で、その合計が0.9%のTa板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、1.1μm/h.であった。
【0018】
[実施例4]
最大粒径150μm以下のZr粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:150kg/cm2)して、密度比75%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.2、0.3、0.5、0.4、0.4、0.4%で、その合計が2.2%の空孔率23%のZr窒化物を得た。
また、同じZr粉を用いて、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:100kg/cm2)して、密度比69%の成形体を得た。75%の成形体と同条件で窒化し、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.2、0.3、0.5、0.4、0.7、0.5%で、その合計が2.6%の空孔率25%のZr窒化物を得た。
これらのZr窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、それぞれ0.1μm/h.と 0.2μm/h.であった。
【0019】
[実施例5]
(ガス成分及びZr, Ta以外を不純物として、純度99%で)最大粒径300μm以下のNb粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:200kg/cm2)して、(ガス成分及びZr, Ta以外を不純物として、)純度が98%、密度比70%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.3、0.5、0.3、0.2、0.1、0.1%で、その合計が1.5%の空孔率18%のNb窒化物を得た。
また、同じNb粉を用いて、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:150kg/cm2)して、密度比68%の成形体を得た。70%の成形体と同条件で窒化し、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.3、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1%で、その合計が1.8%の空孔率23%のNb窒化物を得た。
これらのNb窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、それぞれ0.3μm/h.と 0.5μm/h.であった。
【0020】
[実施例6]
(ガス成分及びZr, Nb以外を不純物として、純度99%で)最大粒径100μm以下のTa粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:100kg/cm2)して、密度比71%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.6、0.5、0.5、0.3、0.6、0.3%で、その合計が2.8%の空孔率18%のTa窒化物を得た。
また、同じTa粉を用いて、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:100kg/cm2)して、密度比67%の成形体を得た。71%の成形体と同条件で窒化し、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.6、0.5、0.5、0.3、0.7、0.3%で、その合計が2.9%の空孔率24%のTaの窒化物を得た。
これらのTa窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、それぞれ0.4μm/h.と 0.5μm/h.であった。
【0021】
[実施例7]
厚さ3mmのZr, Nb, Ta板に、それぞれ、実施例4で用いたZr粉, 実施例5で用いたNb粉, 実施例6で用いたTa粉を溶射してZr膜, Nb膜, Ta膜を形成した。この時の膜厚は20μm、200μm、900μmとした。これらの溶射板を、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化した。窒化後の膜厚は、 Zr, Nb, Ta板のすべてについて、溶射前の膜厚が20μm、200μm、900μmだったものが、それぞれ21μm, 250μm, 1000μmであった。また空孔率は、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ及び窒化タンタルの順で膜厚により、40〜55%、35〜55%及び40〜55%であった。
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計がそれぞれ窒化ジルコニウム、窒化ニオブ及び窒化タンタルの順で膜厚により、2.4〜2.6、2.0〜2.5%及び2.3〜2.7%であった。
窒化ジルコニウムのW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.2−0.3、0.3−0.5、0.2−0.5、0.4、0.7−0.9、0.1−0.5%であり、窒化ニオブのW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.4−0.5、0.3−0.4、0.3−0.6、0.4−0.6、0.2−0.5、0.1−0.2%であり、窒化タンタルのW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.5−0.6、0.5−0.7、0.3−0.4、0.2−0.3、0.4−0.6、0.2−0.3%であった。これらの窒化板を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の断面観察結果からの膜厚減少速度は、Zrが0.2μm/h.、Nbが0.3μm/h.、Taが0.4μm/h.で、膜厚依存性はなかった。
【0022】
[実施例8]
厚さ3mmのTa板に、膜厚200μmのZr溶射膜を形成した。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持し、膜厚が230μmのZr窒化膜を形成した。不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.3、0.4、0.5、0.4、0.5、0.3%で、その合計は2.4%で空孔率は65%だった。
次に、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の断面観察結果からの膜厚減少速度は、0.5μm/h.であった。
【0023】
[実施例9]
厚さ3mmのTa板に、膜厚400μmのZr溶射膜を形成した。これを、1気圧の窒素ガス中で1500℃、96 時間保持し、膜厚が410μmのTa窒化膜を形成した。不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.4、0.5、0.2、0.1、0.5、0.3%で、その合計は2.0%で空孔率は15%だった。
次に、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の断面観察結果からの膜厚減少速度は、0.1μm/h.未満であった。
【0024】
[比較例1]
純度99%, 厚さ3mmのMo板, W板, カーボン板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、それぞれ30μm/h., 40μm/h., 25μm/h.であった。
【0025】
[比較例2]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量の合計がそれぞれ1.2%、1.5%、1.8%の 厚さ3mmのZr板, Nb板, Ta板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、それぞれ5μm/h., 10μm/h., 10μm/h.であった。
なお、Zr板のW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.35、0.21、0.41、0.13、0.09、0.01%であり、Nb板のW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.33、0.45、0.43、0.24、0.03、0.02%であり、Ta板のW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量はそれぞれ0.52、0.40、0.48、0.35、0.04、0.01%であった。
【0026】
[比較例3]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.5、0.7、0.4、0.5、0.9、0.5%で、その合計が3.5%の最大粒径150μm以下のZr粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:150kg/cm2)して、密度比75%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.5、0.7、0.4、0.5、1.2、0.5%で、その合計が3.8%の空孔率25%のZr窒化物を得た。
これらのZr窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、4μm/h.であった。
【0027】
[比較例4]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.9、0.7、0.6、0.3、1.2、0.2%で、その合計が3.9%の最大粒径300μm以下のNb粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:200kg/cm2)して、密度比72%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.9、0.7、0.6、0.3、1.3、0.2%で、その合計が4.0%の空孔率25%のNb窒化物を得た。
これらのNb窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、9μm/h.であった。
【0028】
[比較例5]
不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.8、0.6、0.5、0.3、0.5、0.5%で、その合計が3.2%の最大粒径100μm以下のTa粉を、ホットプレス(温度:1000℃,圧力:100kg/cm2)して、密度比70%の成形体を得た。これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃x 6 時間保持によって窒化したところ、不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素、炭素の含有量がそれぞれ0.8、0.6、0.6、0.3、1.0、0.7%で、その合計が4.0%の空孔率22%のTa窒化物を得た。
これらのTa窒化物を、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の重量測定結果から計算した膜厚減少速度は、8μm/h.であった。
【0029】
[比較例6]
厚さ3mmの Ta板に、実施例6で用いたTa粉を溶射して Ta膜を形成した。この時の膜厚は8μm、1100μmとした。これらの溶射板を、1気圧の窒素ガス中で1600℃x 6 時間保持によって窒化したところ、膜厚1100μmのものは窒化膜が剥離していた。
膜厚が8μmだったものの窒化後の膜厚は、9μmであった。この窒化板をAr+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した後、断面観察をしたところ、平均の膜厚減少速度は0.4μm/h.であったが、一部下地のTaが露出している部分があった。
【0030】
[比較例7]
Taについて、実施例7と同様に厚さ3mmのTa板上に、膜厚100μmのTa膜を形成した。ただし、実施例7の時よりも溶射時のガス流量を増している。
これを、1気圧の窒素ガス中で1600℃、6 時間保持し、膜厚が110μmのZr窒化膜を形成した。この膜の空孔率は75%であった。
次に、 Ar+F2(9:1)混合プラズマ中に10時間曝した。この前後の断面観察
したところ、平均の膜厚減少速度は、0.6μm/h.であったものの、窒化膜の一部が剥離して下地のTaが表面に露出していたり、窒化膜と母材の間に空隙が生じている部分が認められた。
【0031】
上記実施例および比較例から本発明による金属、合金、または窒化物で構成される材料・部品ならびに本発明による窒化物被膜を用いるとフッ素(F)を含むプラズマへの耐性が向上することがわかる。
【0032】
【発明の効果】
フッ素(F)を含むプラズマをに曝される部分に、本発明にかかる耐プラズマ性材料・部品を使用することにより寿命を大幅に改善でき、生産効率を向上できるという効果がある。
Claims (4)
- Zr、NbあるいはTaのいずれかひとつ以上の金属または合金で構成され、該金属または合金の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素および炭素の含有量の合計が1wt%未満であることを特徴とするフッ素系ガスプラズマ中において損耗が少ない耐プラズマ性材料及び部品。
- ジルコニウム窒化物、ニオブ窒化物あるいはタンタル窒化物の何れかひとつ以上の窒化物で構成され、該窒化物の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素および炭素の含有量の合計が3wt%未満であることを特徴とするフッ素系ガスプラズマ中において損耗が少ない耐プラズマ性材料及び部品。
- ジルコニウム窒化物、ニオブ窒化物あるいはタンタル窒化物の何れかひとつ以上の窒化物被膜で被覆され、該窒化物被膜の不純物であるW、Mo、Fe、Ni、酸素および炭素の含有量の合計が3wt%未満であり、かつ該窒化物被膜の厚さ10〜1000μmであることを特徴とするフッ素系ガスプラズマ中において損耗が少ない耐プラズマ性材料及び部品。
- 上記窒化物被膜の被膜中の空孔の面積率(以下、空孔率とする)が70%以下であることを特徴とする請求項3に記載のフッ素系ガスプラズマ中において損耗が少ない耐プラズマ性材料及び部品。
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