JP3610808B2 - 薄膜製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜製造装置に関し、特に搬送される可撓性基板を成膜室で停止させ、その可撓性基板の面上にCVD(化学蒸着)法あるいはスパッタリング法などにより成膜処理し、この可撓性基板の搬送、停止および成膜処理を繰り返すことにより長尺の可撓性基板にたとえば薄膜太陽電池のような薄膜光電変換素子を連続して製造することができる薄膜製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜光電変換素子を連続して成膜する薄膜製造装置では、一般に、送出しロールに巻かれた可撓性基板をステップ搬送し、真空中で複数の成膜処理工程を経て再度巻取りロールに巻き取るロールツーロール方式が用いられている。このように薄膜光電変換素子を連続的に成膜する装置として、たとえば特開昭59−84585号公報に記載の製造装置が知られている。
【0003】
図10は従来の可撓性基板のロールツーロール方式の薄膜製造装置の概略構造を示す図である。薄膜製造装置100は、その両端部に、可撓性基板101を送り出すための送出しロール102を設置した送出室103と光電変換素子が成膜された可撓性基板101を巻き取るための巻取りロール104を設置した巻取室105とを備えている。送出室103と巻取室105との間には、複数の、ここでは三つの成膜室106,107,108が設置され、さらに成膜室106と成膜室107との間および成膜室107と成膜室108との間には、それぞれ予備真空室109,110が設置されている。送出室103、巻取室105、成膜室106,107,108および予備真空室109,110は、それぞれ各部屋を独立して減圧するための真空ポンプ111〜117が設置されている。また、成膜室106,107,108の各壁面には、それぞれ狭小スリット118〜123が開設されており、これらの狭小スリット118〜123を介して、送出室103に設置された送出しロール102と巻取室105に設置された巻取りロール104との間で可撓性基板101が搬送されるようにしている。
【0004】
可撓性基板101に薄膜光電変換素子を成膜する場合、各成膜室106,107,108は、真空ポンプ113,114,115により所定の圧力まで減圧されるとともに必要な成膜ガスがそれぞれ導入される。一方、成膜室106,107,108の間に隣接配置された予備真空室109,110においても、それぞれ真空ポンプ116,117による減圧が行われ、各成膜室106,107,108に導入された成膜ガスが狭小スリット119〜122を通じて他の成膜室へ流入しないようにし、さらに狭小スリット118,123を介して成膜室106,108と連通している送出室103および巻取室105においても成膜室106,108との圧力のバランスを取るため、真空ポンプ111,112により所定の圧力まで減圧される。この状態で、可撓性基板101は、成膜室106,107,108の狭小スリット118〜123を介してステップ搬送され、停止した成膜室でスパッタリング法あるいは蒸着法による成膜処理が行われる。たとえば成膜室106では透光性かつ絶縁性の可撓性基板101に透明電極が形成され、成膜室107ではその透明電極にp型、i型、n型の非晶質シリコンを順次積層することで太陽電池が形成され、成膜室108ではその非晶質太陽電池に対向電極が形成される。
【0005】
以上のように成膜室間に予備真空室を設け、狭小スリットおよび真空ポンプによる排気構成にて他の成膜室への成膜ガスの流入を防止する構造では、成膜圧力を決定する際に成膜室と予備真空室との間の圧力をコントロールする必要がある。そのため、2台の真空ポンプ系統の圧力を調整することになるが、その調整のために多くの時間を要していた。また、成膜ガスは、ガス体ゆえにガスの拡散による漏洩は完全に防止することができず、成膜に他室のガス種が混入し、目的の膜品質を損なうことがあった。そこで、各ステップでの成膜処理のときに、成膜室壁面の狭小スリットを機械的にシールして室間の成膜ガスの漏れを防止することが提案されている。
【0006】
図11は狭小スリットにおけるシール部の構成例を示す図である。図示のシール部は、図10に示した薄膜製造装置のたとえば狭小スリット118,119,121,123において、成膜室106,107,108の外側に設置される。ここでは、一例として、送出室103と成膜室106とを連通している狭小スリット118に設置した場合を示す。
【0007】
シール部は、弾性体で形成された弾性シール材131と、昇降機構を成すハンドル132および押圧部133と、受圧部134とから構成される。弾性シール材131は、狭小スリット118の開口部回りを囲うように搬送方向下流側端部が送出室103の壁面に嵌合され、その壁面から突出した部分が狭小スリット118を貫通する可撓性基板101を囲うようほぼ断面長方形の形に一体に成形されている。ハンドル132は、そのシャフトが壁面に固定された保持部135に螺合されており、送出室103の外からハンドル132を回動させることによりシャフトの下端部に設けられた押圧部133を上下運動するようにしている。
【0008】
可撓性基板101を搬送するときには、押圧部133は図示の上部位置にあって、弾性シール材131は、狭小スリット118と連通するよう中央部が開口して可撓性基板101を接触させることなく搬送させることができる。成膜時は、ハンドル132によって押圧部133を降下させ、弾性シール材131を受圧部134との間で弾性変形させることにより、弾性シール材131の中央開口部が押しつぶされ、弾性シール材131を挾持する。これにより、狭小スリット118は密閉状態にされ、成膜室106の成膜ガスが送出室103へ漏れることがなくなる。
【0009】
このシール部をさらに各成膜室106,107,108の下流側壁面の外側に設けることにより、成膜室間、成膜室106と送出室103との間および成膜室108と巻取室105との間を機械的にシールすることができ、成膜ガスの他室への漏れを防止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の薄膜製造装置では、成膜室間に予備真空室を配置した構成であるため、成膜用の真空ポンプの他に予備真空室用のポンプが必要となるが、これらは高価格であるため装置コストが高くなってしまうという問題点があった。
【0011】
また、可撓性基板が通過する空間を有するよう一体に成形された弾性シール材を可撓性基板が通過する成膜室の狭小スリットに設置し、弾性シール材を押しつぶして可撓性基板を挾持して密着シールすることにより成膜室間の成膜ガスの漏れを防止しているが、この弾性シール材の可動部は機械的寿命が短く、交換する頻度が高くなる。しかも、弾性シール材が取り付けられるシール部の構造が複雑であるため、取り付けに際しての作業性が悪く、確認試験にも時間がかかってしまう。さらに、一体で製作された弾性シール材の可撓性基板を通過させる空間を広く形成することは難しく、どうしても弾性シール材と可撓性基板との隙間が狭少となるが、この狭少空間のため、実際の可撓性基板の搬送では可撓性基板の上下振動もあり、可撓性基板と弾性シール材とが接して発塵し、可撓性基板を汚染してしまうという問題点があった。
【0012】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、低コストでメンテナンス性がよく、不純物の影響がなくて成膜品質の高い薄膜製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記の問題点を解決するために、ロールに巻かれた可撓性基板をステップ搬送し、真空中で複数の成膜処理を経て再度ロールに巻取ることで前記可撓性基板への成膜を連続的に行う薄膜製造装置において、ロール状に巻かれた可撓性基板を出し入れ可能な扉を有し、前記可撓性基板をセットして送り出す送り用予備真空室と、成膜処理が終了した前記可撓性基板を巻取り、巻取られた前記可撓性基板を出し入れ可能な扉を有する巻取り用予備真空室と、前記送り用予備真空室と前記巻取り用予備真空室との間に一列に配置された複数の成膜室と、前記送り用予備真空室および前記巻取り用予備真空室の中にそれぞれ設置されて隣接する前記成膜室との連通穴に前記可撓性基板を挿通した状態で前記連通穴を真空シールする側壁シール手段と、隣接する前記成膜室の間に密着配置され、前記隣接する成膜室を連通させる連通穴を有し、該連通穴に前記可撓性基板を挿通した状態で前記連通穴を真空シールする室間シール手段と、を備えたことを特徴とする薄膜製造装置が提供される。なお、好ましくは、前記送り用予備真空室に設置されて新たにセットされた可撓性基板をセット済みの可撓性基板の後縁部に接続する基板接続手段をさらに備えるとよい。
【0014】
このような薄膜製造装置によれば、可撓性基板を各成膜室に順次ステップ搬送するときには、送り用予備真空室および巻取り用予備真空室に設置された側壁シール手段および各成膜室間に配置された室間シール手段は開放状態にされて、各連通穴を可撓性基板が自由に搬送されるようにする。また、成膜処理のときには、側壁シール手段および室間シール手段はそれぞれ密閉状態にされて、各連通穴を真空シールし、各室を独立させ、各成膜室を個々の成膜条件にすることができる。また、送り用予備真空室および巻取り用予備真空室に設置された扉は、各成膜室を真空状態に保持した状態で開閉可能であり、成膜処理中に新しい可撓性基板をセットしたり巻取られた可撓性基板を取り出したりすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による薄膜製造装置の断面を示す構成図である。この薄膜製造装置は、送り用予備真空室1と、第1の成膜室2と、室間シール部3と、第2の成膜室4と、巻取り用予備真空室5とを一列に配置して構成されている。なお、ここでは、説明を簡単にするために、成膜室が二つの場合について説明するが、三つ以上の成膜室を備える場合においても同様に、成膜室間にそれぞれ室間シール部が設置され、室間の真空シールを行っている。
【0016】
送り用予備真空室1には、成膜処理前の可撓性基板6がロール状に巻回された送り出しロール7がセットされている。送り用予備真空室1と第1の成膜室2との境界を成す側壁8には、可撓性基板6を挿通させる連通穴9が開設されており、この連通穴9を開閉するための側壁シール部10が送り用予備真空室1内に設けられている。送り用予備真空室1および側壁8の連通穴9には、送り出しロール7から送り出された可撓性基板6を第1の成膜室2に導くためのガイドロール11,12が設けられ、送り出しロール7とガイドロール11との間には基板接続部13が設けられている。また、送り用予備真空室1の側面側には、送り出しロール7を補給するための扉14が開閉可能に設けられている。そして、この送り用予備真空室1は、室内を排気する真空ポンプ15が接続されている。
【0017】
第1の成膜室2および第2の成膜室4は、送り用予備真空室1から搬送されてきた可撓性基板6にCVD法にて成膜処理を行うためのヒータ21,22および電極部23,24を備え、ヒータ21,22にはヒータ電源25,26が接続され、電極部23,24にはプラズマ放電を生じさせるための高周波電源27,28と図示しない成膜ガス源とが接続されている。また、第1の成膜室2および第2の成膜室4は、それぞれ室内を排気するための真空ポンプ29,30が接続されている。
【0018】
室間シール部3は、第1の成膜室2から送り出された可撓性基板6を第2の成膜室4へ搬送するための連通穴31と、この連通穴31を密閉または開放する機構とを備えている。この室間シール部3の詳細な説明は後述する。
【0019】
巻取り用予備真空室5は、送り用予備真空室1と同様に、第2の成膜室4との間の側壁41に開設された連通穴42を開閉するための側壁シール部43と、第2の成膜室4から搬送された可撓性基板6を巻取りロール44まで案内するガイドロール45,46と、可撓性基板6の巻き取りが済んだ巻取りロール44を取り出すための扉47とを備え、さらに、室内を排気する真空ポンプ48が接続されている。
【0020】
図示の薄膜製造装置は、第1の成膜室2および第2の成膜室4にて、可撓性基板6に成膜処理を行っているときの状態を示すもので、側壁シール部10は第1の成膜室2との連通穴9を可撓性基板6を介してシールし、室間シール部3は第1の成膜室2と第2の成膜室4との間の連通穴31を可撓性基板6を介してシールし、側壁シール部43は第2の成膜室4との連通穴42を可撓性基板6を介してシールしている。これにより、送り用予備真空室1、第1の成膜室2、第2の成膜室4および巻取り用予備真空室5は、独立した真空室を形成している。
【0021】
なお、送り出しロール7の基板搬送上に設置された基板接続部13は、可撓性基板6が送り出しロール7になくなったとき、次の送り出しロールをセットし、その可撓性基板の前縁部を先の可撓性基板6の後縁部と接続するためのもので、これにより可撓性基板の搬送切れをなくすことを可能にしている。また、送り出しロール7および巻取りロール44の取り付け、取り外しは、側壁シール部10,43を閉じた状態、すなわち第1の成膜室2および第2の成膜室4の真空状態を保持した状態で、扉14,47を開放し、送り用予備真空室1および巻取り用予備真空室5を大気圧に復帰して行うことができる。
【0022】
この薄膜製造装置による成膜処理は、側壁シール部10,43および室間シール部3を図示のように閉じた状態で行われる。すなわち、真空ポンプ29,48により第1の成膜室2および第2の成膜室4を真空引きし、第1の成膜室2および第2の成膜室4に成膜ガスを導入し、ヒータ21,22には加熱用電力を、電極部23,24には高周波電力を印加して成膜処理をする。
【0023】
図2は可撓性基板を搬送している時の薄膜製造装置の断面を示す構成図である。第1の成膜室2および第2の成膜室4における各成膜プロセスの終了後、可撓性基板6はステップ搬送されるが、その際、送り用予備真空室1の側壁シール部10、室間シール部3、および巻取り用予備真空室5の側壁シール部43は、それぞれ開放動作が行われ、真空シールしていた連通穴9,31,42を開放状態にし、可撓性基板6を自由に搬送することができるようにする。
【0024】
次に、側壁シール部10,43および室間シール部3の構造について詳細に説明する。なお、側壁シール部10,43は同じ構造を有しているので、ここでは、送り用予備真空室1に設置された側壁シール部10について説明する。
【0025】
図3は側壁シール部を備えた送り用予備真空室を示す図である。側壁シール部10は、側壁8の送り用予備真空室1内の壁面において連通穴9の外周に所定間隔を置いて一部埋設状態で設けられた弾性体の固定シール51と、支軸52を中心として揺動可能に軸支された、たとえばステンレス材料などによって製作されたシートプレート53と、このシートプレート53に固定シール51と対向するように保持された弾性体の可動シール54とから構成されている。支軸52は、送り用予備真空室1の外部に設置されてシートプレート53を開閉動作させるアクチュエータに接続されている。また、送り用予備真空室1内に設置されたガイドロール11および連通穴9に設置されたガイドロール12は、可撓性基板6が送り出しロール7から送り出されて固定シール51と可動シール54との間を通る際に、その可撓性基板6を側壁8の面とほぼ平行になるような位置に配置されている。
【0026】
ここで、送り出しロール7に巻回された可撓性基板6を第1の成膜室2に搬送するときには、支軸52に接続されたアクチュエータが支軸52を図の時計回りに回転駆動することで、図示のように、シートプレート53を開動作される。このとき、送り出しロール7から送られた可撓性基板6は、まず、ガイドロール11によって鉛直方向に方向転換され、側壁8の面と平行に搬送され、次に、ガイドロール12によって水平方向に方向転換され、連通穴9を通って第1の成膜室2に導かれる。このとき、可撓性基板6は、ガイドロール11,12以外に接触されることなく、搬送される。
【0027】
成膜処理のときには、アクチュエータが支軸52を図の反時計回りに回転駆動することで、シートプレート53に設けられた可動シール54が側壁8に設けられた固定シール51と可撓性基板6を挟んで密着される。これにより、可撓性基板6を連通穴9に挿通した状態のまま、送り用予備真空室1と第1の成膜室2との間の真空シールが行われる。
【0028】
図4は別の側壁シール部を備えた送り用予備真空室を示す図である。この側壁シール部10は、支軸52を中心として揺動可能に軸支されたシートプレート53と、側壁8に開設された連通穴9の外周部を囲うようにシートプレート53に保持された弾性体の可動シール54とから構成され、可動シール54と対向する送り用予備真空室1側の側壁8の壁面8aを平滑に研磨処理されている。
【0029】
以上の構成により、成膜処理のためにシートプレート53が図の反時計回りに回転駆動されて連通穴9を閉止したときには、可動シール54が側壁8に押し付けられることにより、可撓性基板6を挟んで側壁8の平滑面と密着状態にされる。この可動シール54による押し付けシールにより、可撓性基板6を連通穴9に挿通した状態のまま、送り用予備真空室1と第1の成膜室2との間を真空シールすることができる。
【0030】
図5は開放位置にある室間シール部を示す断面図、図6は開放位置にある室間シール部を可撓性基板の搬送方向から見た図、図7は閉止位置にある室間シール部を示す断面図、図8は閉止位置にある室間シール部を可撓性基板の搬送方向から見た図である。室間シール部3は、弾性シール32と、この弾性シール32を保持するシートプレート33と、これらを収容する筐体34と、この筐体34内で弾性シール32が内壁面と接触しないよう上下方向に直動させるガイドローラ35と、シートプレート33をたとえば空気圧により上下方向に駆動する開閉アクチュエータ36とから構成される。シートプレート33は、たとえばステンレス材料などで製作されている。筐体34の下部には、可撓性基板6を挿通させる連通穴31が形成されている。図6および図8に示したように、シートプレート33に保持された弾性シール32の幅は、連通穴31の開口幅より大きく形成されている。また、弾性シール32が往復運動する筐体34の内部において、連通穴31よりも外側の下部形状は、図5および図7に見られるように、略U字状に形成され、弾性シール32はこの形状に合わせた外部形状に形成されている。筐体34の内部形状において、連通穴31と連絡される垂直の内壁部分および曲面部分は側面シール37および曲面シール38を構成し、連通穴31の底面は下部シール39を構成している。また、側面シール37、曲面シール38および下部シール39の面は、それぞれ平滑に研磨処理されている。
【0031】
可撓性基板6を搬送するときには、図5および図6に示したように、室間シール部3は、開閉アクチュエータ36がシートプレート33を上方に駆動させることにより、弾性シール32が連通穴31の空間から待避され、可撓性基板6は連通穴31を自由に動くことができるようになる。この状態で、可撓性基板6のステップ搬送が行うことができる。
【0032】
第1の成膜室2および第2の成膜室4にて成膜処理を行うときには、開閉アクチュエータ36はシートプレート33を下方に駆動する。すると、弾性シール32はガイドローラ35に案内されて筐体34の内壁面に接触することなく降下され、可撓性基板6を介して下部シール39を押し付ける。これにより、弾性シール32は弾性変形され、ガイドローラ35が設置された側の端部は、側面シール37および曲面シール38の形状に合わせて変形されることにより連通穴31の開口両側面がガスシールされる。また、連通穴31に位置する弾性シール32の中央部分は、図7の断面図に示したように、筐体34の内壁面よりも外側にはみ出た形に弾性変形され、可撓性基板6を介して下部シール39と密着され、連通穴31の開口上下面がガスシールされる。この弾性シール32の下部シール39への押し付け動作により、連通穴31が塞がれ、第1の成膜室2および第2の成膜室4は完全に仕切られる。
【0033】
図9は室間シール部の別の構成例を示す断面図である。この室間シール部3によれば、弾性シール32と対向する連通穴31の底面に弾性シール体40を設置して下部シールを構成している。これにより、連通穴31の底面を平滑に研磨処理する必要がなく、室間シール部3の閉動作により、弾性シール体40はシートプレート33に保持された弾性シール32と協働して連通穴31を完全に密閉することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、各部屋間に設けられた連通穴を可撓性基板を挿通した状態で真空シールできるようにして、従来の装置で必要であった成膜室間の予備真空室および予備真空室を真空引きする真空ポンプおよび成膜室と予備真空室間の圧力コントロールが不要な構成にした。これにより、低コストで不純物の影響のない成膜品質の高い薄膜製造装置を提供することができる。
【0035】
また、シール部はステンレス材料などで製作されたシートプレートに弾性シールを形成しているため、従来よりもシール寿命が延長され、また、シール機構の構造もシンプルであるため、取り付けおよびメンテナンス作業を短時間に容易に行なうことができる。
【0036】
さらに、可撓性基板の搬送時に可撓性基板と弾性シールとが接触しない空間を維持できる構造であるため、発塵のないクリーンなプロセスを実現することができる。
【0037】
また、可撓性基板の交換を成膜室の真空を保持したまま送り用予備真空室および巻取り用予備真空室のみを大気に復帰し行なうことができるため、装置稼動の信頼性が高く、スループットの向上を図った量産用としての薄膜製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜製造装置の断面を示す構成図である。
【図2】可撓性基板を搬送している時の薄膜製造装置の断面を示す構成図である。
【図3】側壁シール部を備えた送り用予備真空室を示す図である。
【図4】別の側壁シール部を備えた送り用予備真空室を示す図である。
【図5】開放位置にある室間シール部を示す断面図である。
【図6】開放位置にある室間シール部を可撓性基板の搬送方向から見た図である。
【図7】閉止位置にある室間シール部を示す断面図である。
【図8】閉止位置にある室間シール部を可撓性基板の搬送方向から見た図である。
【図9】室間シール部の別の構成例を示す断面図である。
【図10】従来の可撓性基板のロールツーロール方式の薄膜製造装置の概略構造を示す図である。
【図11】狭小スリットにおけるシール部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 送り用予備真空室
2 第1の成膜室
3 室間シール部
4 第2の成膜室
5 巻取り用予備真空室
6 可撓性基板
7 送り出しロール
8 側壁
9 連通穴
10 側壁シール部
11 ガイドロール
12 ガイドロール
13 基板接続部
14 扉
15 真空ポンプ
21,22 ヒータ
23,24 電極部
25,26 ヒータ電源
27,28 高周波電源
29,30 真空ポンプ
31 連通穴
32 弾性シール
33 シートプレート
34 筐体
35 ガイドローラ
36 開閉アクチュエータ
37 側面シール
38 曲面シール
39 下部シール
40 弾性シール体
41 側壁
42 連通穴
43 側壁シール部
44 ロール
45,46 ガイドロール
47 扉
48 真空ポンプ
51 固定シール
52 支軸
53 シートプレート
54 可動シール

Claims (11)

  1. ロールに巻かれた可撓性基板をステップ搬送し、真空中で複数の成膜処理を経て再度ロールに巻取ることで前記可撓性基板への成膜を連続的に行う薄膜製造装置において、
    ロール状に巻かれた可撓性基板を出し入れ可能な扉を有し、前記可撓性基板をセットして送り出す送り用予備真空室と、
    成膜処理が終了した前記可撓性基板を巻取り、巻取られた前記可撓性基板を出し入れ可能な扉を有する巻取り用予備真空室と、
    前記送り用予備真空室と前記巻取り用予備真空室との間に一列に配置された複数の成膜室と、
    前記送り用予備真空室および前記巻取り用予備真空室の中にそれぞれ設置されて隣接する前記成膜室との連通穴に前記可撓性基板を挿通した状態で前記連通穴を真空シールする側壁シール手段と、
    隣接する前記成膜室の間に密着配置され、前記隣接する成膜室を連通させる連通穴を有し、該連通穴に前記可撓性基板を挿通した状態で前記連通穴を真空シールする室間シール手段と、
    を備えたことを特徴とする薄膜製造装置。
  2. 前記送り用予備真空室および巻取り用予備真空室は、隣接する成膜室との間の側壁に開設された矩形の連通穴と、該連通穴の中および該連通穴より離れた前記側壁の対向空間に配置されて前記連通穴に入るまたは該連通穴から出る前記可撓性基板を前記連通穴の外周近傍では前記側壁とほぼ平行に搬送されるよう搬送方向を転換するガイドロールとを有することを特徴とする請求項1記載の薄膜製造装置。
  3. 前記側壁シール手段は、前記送り用予備真空室または巻取り用予備真空室の外部に設置されたアクチュエータにより駆動されて前記連通穴を開閉するシートプレートと、前記側壁に対向する前記シートプレートの面に設けられ、前記シートプレートの閉止駆動時に前記ガイドロールによって前記側壁にほぼ平行に置かれた前記可撓性基板を含む前記連通穴の外周部に押し付けられる可動弾性シールとを有することを特徴とする請求項2記載の薄膜製造装置。
  4. 前記可動弾性シールが押し付けられる前記側壁の面は、平滑に表面仕上げされていることを特徴とする請求項3記載の薄膜製造装置。
  5. 前記側壁シール手段は、前記可動弾性シールが押し付けられる前記側壁の面に前記可動弾性シールと対向するように設けられた固定弾性シールを有することを特徴とする請求項3記載の薄膜製造装置。
  6. 前記室間シール手段は、隣接する前記成膜室を各連通穴が整列するように接続する筐体と、該筐体内に往復動可能に収容されたシートプレートと、該シートプレートの端部に保持された弾性シールと、前記弾性シールが連通穴内に位置する閉止位置と連通穴から待避した開放位置とをとるように前記シートプレートを駆動する開閉アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1記載の薄膜製造装置。
  7. 前記弾性シールは、前記可撓性基板を挿通させる矩形の連通穴の幅より広い幅を有し、前記連通穴の下面に押し付けられる前記閉止位置において前記連通穴を介して幅方向外側に連続する前記筐体内の内部空間の下面と前記連通穴の幅方向外側に位置する前記内部空間の搬送方向前後を規定する側面とに面接する大きさを有することを特徴とする請求項6記載の薄膜製造装置。
  8. 前記筐体内の内部空間の下面および前記側面は、平滑に表面仕上げされて下部シール部および側面シール部を形成することを特徴とする請求項7記載の薄膜製造装置。
  9. 前記筐体内の内部空間の下面と前記側面との境界部を曲面として曲面シール部を形成し、前記弾性シールは前記下部シール部、側面シール部および曲面シール部からなる曲面形状に近似した外部形状を有することを特徴とする請求項8記載の薄膜製造装置。
  10. 前記連通穴の下面に弾性シール体を設置して下部シール部を形成することを特徴とする請求項9記載の薄膜製造装置。
  11. 前記シートプレートは、前記弾性シールが前記筐体内の内壁面に接触することなく内部空間の中心部を往復動させるガイド手段を有することを特徴とする請求項6記載の薄膜製造装置。
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