JP3610552B2 - 船特に帆船及びヨツトの錨と鎖との間の結合装置 - Google Patents

船特に帆船及びヨツトの錨と鎖との間の結合装置 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、船特に帆船及びヨットの錨と鎖との間の結合装置であって、その錨接続部材が一端に錨用の受入れ二又片を持ち、その鎖接続部材が一端に鎖リンクの受入れ用二又部分を持ち、受入れ二又片の脚辺及び受入れ用二又部分の脚辺がそれぞれボルトにより貫通され、このボルトがその頭部を一方の脚辺に固定され、そのねじ付き軸部を他方の脚辺に固定され、締付けねじにより拘束可能であり、錨接続部材又は鎖接続部材が球頭部を持ち、鎖接続部材又は錨接続部材が受入れ用二又部分又は受入れ二又片へ通じる開口を有する球受入れ部を持っていることによって、錨接続部材及び鎖接続部材が玉継手を介して互いに結合されているものに関する。
【0002】
最初にあげた種類の結合装置はドイツ連邦共和国特許第19726893号明細書から公知であり、その鎖接続部材は錨接続部材の球受入れ部に保持される球頭部を持っている。鎖接続部材の二又部分の所にある接続軸部を別としても、球頭部は完全な球により形成され、二又部分の所にある結合軸部用の揺動出口を別として、この球は、鎖接続部材にある中空球状受入れ部により完全に包囲されている。球受入れ部の底には開口があって、錨接続部材の受入れ二又片のスリツトへ通じている。この開口は、例えば砂等のような汚物が球受入れ部から流出するのを可能にしている。しかし球頭部は大体において球受入れ部により完全に包囲されているので、特に水中に錨を長時間置くと、泥等がこびり着くか又は汚れることがありそれにより玉継手の可撓性がなくなる。
【0003】
本発明の課題は、結合装置の継手機能を維持することであり、この結合装置は、一方では、錨軸部の長手軸線に対して自発的に現われる鎖の角度位置のため、結合装置の曲げ応力を最小にし、他方では簡単に安価に組立てられ、規定通りに使用すると、船体の回転、船首揺れ、傾き等によるポンプ運動のため、玉継手にある汚物が確実に洗い出されるようにすることである。この課題を解決するため本発明によれば、球受入れ部が、引張り荷重を受ける際球頭部を保持するために受入れ二又片又は受入れ用二又部分から離れる方向へ向く中空球部分を持ち、球頭部が、受入れ二又片又は受入れ用二又部分の方へ向きかつ球形状に対して引込む端面を持ち、この端面が、中空球部分から出て受入れ二又片又は受入れ用二又部分の方へ向く円筒状凹所と共に、ポンプ室を形成している。荷重軽減及び荷重印加はもちろん鎖の角度運動も、球頭部のポンプ運動を生じ、それにより水と共に、ポンプ室にある汚物も洗い出されるので、結合装置の角度運動が保証される。
【0004】
球頭部を錨接続部材に付属させ、従って球受入れ部を鎖接続部材に構成することも可能であるが、球頭部が鎖接続部材の構成部分であり、球受入れ部が錨接続部材の構成部分であると、寸法設定問題の理由から有利である。球頭部を持つ接続部材が、両方の接続部材の一直線を示す長手軸線からその最大傾斜位置へ角をなして曲がっていても、結合装置が張力を受ける際、充分な接続面を生じるため球頭部は有利に、二又部分とは反対の側に、鎖接続部材の長さ方向に対して直角に延びる平らな端面を持ち、この端面が、球中心面から始まる鈍角に含まれ、この鈍角が、180°から鎖接続部材の最大に可能な揺動角を差引いた値を持っている。その際ポンプ室を形成する円筒状空間の深さは、揺動角の半分だけ球頭部の揺動の際、球頭部の端面の最も大きく前方揺動した縁範囲と球中心点との間隔より少し大きい。
【0005】
しかし球頭部にあって通常の場合平らな端面を凹に形成できるので、部分的に中空にされる球頭部が得られる。
【0006】
ポンプ行程を制限するために、球頭部の端面から、最大で球の仮想補足円の所まで突出する支持突起が有利に出ている。その際この支持突起は、例えば先端を丸められた円錐のように、種々に形成することができる。更に支持突起を、球頭部の端面へ載せられる鐘の形に形成するか、又は支持突起を、頂部を球冠として形成される円柱突起により形成することも可能である。
【0007】
位置を拘束されるボルトの締付けねじが意に反して又は不当に外されるのを防止するために、本発明の別の特徴によれば、締付けねじが頭付きねじとして構成され、その頭が特殊工具による操作のために用意されている。その際締付けねじの頭へ星形の多角形受入れ部が凹まされているようにする。
【0008】
本発明の実施例が図面に示されており、以下に説明される。
【0009】
船体は公知のように錨箱11を持ち、錨箱11から錨鎖12が例えばスプロケツトを持つウインチ13を介して繰出され、再び引込まれることができる。錨鎖12の端部は、目的にかなうように高級鋼から製造されかつ現われる大きさの張力を受入れることができるように寸法を定められている結合装置15を介して、錨14に接続されている。
【0010】
結合装置15は、錨幹18用の錨接続部材16と鎖接続部材17とを含み、これらの接続部材は玉継手19を介して互いに結合されている。玉継手19から遠い方の端部に、錨接続部材16は端面の方へ開きかつ錨接続部材16の長手方向に延びるスリツト20を持ち、このスリツトは錨幹18用の受入れ二又片21を形成している。受入れ二又片21の脚辺23及び24は、スリツト20へ押込まれる錨幹18により軸部を包囲されるボルト25により貫通されている。ボルト25の軸部と錨幹18の穴26との間に、ブシユ27が設けられるのがよい。受入れ二又片21の脚辺23はボルト25の頭を受入れているが、ボルト25のねじ付き軸部28は受入れ二又片21の脚辺24にあるねじ穴へねじ込まれている。
【0011】
錨接続部材16にあるスリツト20の底には、少し間隔をおいて、寸法については後述する円筒状凹所29が続いている。この凹所29は、錨接続部材16の雄ねじ付き突起30により同心的に包囲されている。この雄ねじ付き突起30は、雌ねじ付きスリーブ32をその上にねじはめられるキヤツプ環31の保持に用いられ、雌ねじ付きスリーブ32はキヤツプ環31の一体の構成部分である。この雌ねじ付きスリーブ32には環状の中空球部分33が続き、凹所29と共に球受入れ部34を形成している。円筒状凹所29の直径は中空球部分33の直径に精確に一致している。雌ねじ付きスリーブ32とは反対側の端面35に、キヤツプ環31は漏斗36として構成される開口を持ち、この開口は端面35から始まって中空球部分33の方へ先細になっている。結合装置15の鎖接続部材17は球受入れ部34へはまる球頭部38を持ち、結合装置が張力を受ける時、この球頭部の中心点Mはちょうど雄ねじ付き突起30の面にあり、球頭部38は受入れ二又片21の方へ向く端面39を持ち、この端面39は球形状に対し引込んでおり、その際この端面は、球中心点Mから始まる鈍角により包囲され、この鈍角の値は180°から鎖接続部材17の最大に可能な揺動角αを差引いた値に等しい。錨接続部材及び鎖接続部材の互いに一直線をなす長さ位置から、鎖接続部材17は錨接続部材16に対して揺動角αの半分だけ偏向され、その際キヤツプ環31の円錐状開口36へ当たる。端面39は凹所29と共にポンプ室22を形成し、α/2だけ球頭部38の偏向の際、球受入れ部34内へ最も大きく突出する端面39の範囲が凹所29の下部区画壁へ当たらないように、この凹所29の深さが選ばれている。
【0012】
端面39とは反対の側に、球頭部38は円形断面の首部分40を持ち、図2に示す実施例では、この首部分40は錨鎖12の鎖リンクを受入れる二又部分41へ一体に移行している。この実施例では、組立てを可能にするため、二又部分41の直径は中空球部分33を持つキヤツプ環31の漏斗36の端部における最小直径より大きくない。
【0013】
円筒状二又部分41も同様に、その端面から中央へ侵入する縦スリツト42を持ち、鎖接続部材17にある二又部分41がこの縦スリツト42により形成されている。二又部分41のこの縦スリツト42内に錨鎖12の鎖リンク43が収容され、錨鎖12の鎖リンク43と同様に、この錨鎖12において二又部分41の脚辺44及び45もボルト46により貫通されている。鎖接続部材17においても、二又部分41の一方の脚辺44はボルト46の頭を受入れ、二又部分41の他方の脚辺45はボルト46のねじ付き軸部47をねじ込むねじ穴を持っている。
【0014】
錨鎖12から錨14が脱落するのを防止するため、ボルト25及び46を拘束することが重要である。拘束部材として締付けねじ48が用いられ、錨接続部材16又は鎖接続部材17の脚辺23又は44へねじ込まれる頭付きねじとして形成され、そのねじ付き軸部の自由端がボルト25又は46を締付ける。更にこれらの締付けねじが権限のない物により外されるのを防止するため、各締付けねじの頭が特殊工具による操作のため用意されている。この目的のため、締付けねじ48の頭49へ星形の多角形受入れ部50を凹ませるがよい。
【0015】
二又部分41の断面が強度上の要求に対して充分でない場合、図4に示す実施例によれば、鎖接続部材17を2つの部分から構成することができる。その際球頭部38に続く首部分40が環状カラー51を持ち、この環状カラーから雄ねじ付き突起52が突出している。環状カラー51の外径はキヤツプ環31の漏斗36の最小内径より少し小さい。環状カラー51から突出する雄ねじ付き突起52上へ、鎖接続部材の部分17′がねじはめられ、高い強度の要求に従って、この部分17′の構成は鎖接続部材17の構成に一致している。即ち鎖接続部材の部分17′は縦スリツト42も持ち、それにより二又部分41が脚辺44及び45を形成されている。これらの脚辺44及び45もボルト46′により貫通され、このボルト46′の頭は脚辺44にあり、ねじ付き軸部47は脚辺45のねじ穴へねじ込まれている。縦スリツト42は部分17′の長手軸線に設けられる雄ねじ付き突起52用のねじ穴53へ大きく入り込んで、ボルト46′を締める際、雄ねじ付き突起52とねじ穴53とのねじ結合の拘束が引締めにより行われるようになっている。
【0016】
特に図4〜6からわかるように、球頭部38の端面39から支持突起54が出て、最大で仮想球補足円55の所まで突出しているのがよい。図4に示す実施例では、支持突起54が先端を丸められた円錐56として構成されている。図5に示す実施例では、支持突起54は球頭部38の端面39へ載せられる鐘57の形に構成されている。既に述べたように、支持突起54の形状は多様であってよい。例えば支持突起54が頂部を球冠59として形成される円柱突起58により形成されていることによって、支持突起64が図6に示す実施例の形にも形成される。
【0017】
玉継手19による錨接続部材16と鎖接続部材11との前述した結合は、これら部材16及び17相互の360°のねじれを可能にする。更に中間位置からそれぞれに角α/2の角をなして図2に鎖線で示す全面の終端位置への重畳される揺動運動も可能である。
【0018】
既に述べたように、図示しかつ前述した実施例は、例示的なものにすぎず、これにのみ規定されるものではない。むしろ本発明の対象の多くの変更及び構成も考えられる。更に明細書及び図面からわかる特徴は、明白に権利を請求されていなくても、本発明にとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】海底への船体の係留状態を概略図で示し、船体に結合される錨鎖が結合装置を介して錨に保持されている。
【図2】2つの部材から形成される結合装置の図1に対して拡大された一部切欠き側面図で、錨幹及び錨鎖が鎖線で示されている。
【図3】図2の矢印IIIの方向に見た錨接続部材の受入れ二又片の部分図である。
【図4】2部分から構成されて球頭部を持つ鎖接続部材の実施例を示し、球頭部の端面から、先端を丸められた円錐として形成される支持突起が突出している。
【図5】球頭部の別の実施例を示し、その端面から支持突起が載せられる鐘の形で突出している。
【図6】球頭部の更に別の実施例を示し、その端面から突出する支持突起が円柱突起により形成されている。
符号リスト
10 船体 35 端面
11 錨 36 漏斗
12 錨鎖 37 開口
13 ウインチ 38 球頭部
14 錨 39 端面
15 結合装置 40 首部分
16 錨接続部材 41 二又部分
17 鎖接続部材 42 縦スリツト
17′部材部分 43 鎖リンク
18 錨幹 44 41の脚辺
19 玉継手 45 41の脚辺
20 スリツト 46 ボルト
21 受入れ二又片 46′ボルト
22 ポンプ室 47 ねじ付き軸部
23 21の脚辺 48 締付けねじ
24 21の脚辺 49 48の頭
25 ボルト 50 多角形受入れ部
26 18にある穴 51 環状カラー
27 26にあるブシユ 52 雄ねじ付き突起
28 ねじ付き軸部 53 ねじ穴
29 凹所、円筒状空間 54 支持突起
30 雄ねじ付き突起 55 球補足円
31 キヤツプ環 56 円錐
32 雌ねじ付きスリーブ 57 鐘
33 中空球部分 58 円柱突起
34 球受入れ部 59 球冠
M 球中心点
α 揺動角

Claims (11)

  1. 船の錨(14)と鎖(12)との間の結合装置(15)であって、その錨接続部材(16)が一端に錨(14)用の受入れ二又片(21)を持ち、その鎖接続部材(17)が一端に鎖リンク(43)の受入れ用二又部分(41)を持ち、受入れ二又片(21)の脚辺(23,24)及び受入れ用二又部分(41)の脚辺(44,45)がそれぞれ1つのボルト(25,46)により貫通され、このボルトがその頭部を一方の脚辺(23,44)に固定され、そのねじ付き軸部(28,47)を他方の脚辺(24,45)に固定され、鎖接続部材(17)が球頭部(38)を持ち、錨接続部材(16)が受入れ二又片(21)へ通じる開口(37)を有する球受入れ部(34)を持っていることによって、錨接続部材(16)及び鎖接続部材(17)がそれぞれの他端を互いに結合されているものにおいて、球受入れ部(34)が、引張り荷重を受ける際球頭部(38)を保持するために受入れ二又片(21)から離れる方向へ向く中空球部分(33)を持ち、球頭部(38)が、受入れ二又片(21)の方へ向きかつ球形状に対して引込む端面(39)を持ち、この端面(39)が、中空球部分(33)から出て受入れ二又片(21)の方へ向く円筒状凹所(29)と共に、ポンプ室(22)を形成していることを特徴とする、船の錨と鎖との間の結合装置。
  2. 船の錨(14)と鎖(12)との間の結合装置(15)であって、その錨接続部材(16)が一端に錨(14)用の受入れ二又片(21)を持ち、その鎖接続部材(17)が一端に鎖リンク(43)の受入れ用二又部分(41)を持ち、受入れ二又片(21)の脚辺(23,24)及び受入れ用二又部分(41)の脚辺(44,45)がそれぞれ1つのボルト(25,46)により貫通され、このボルトがその頭部を一方の脚辺(23,44)に固定され、そのねじ付き軸部(28,47)を他方の脚辺(24,45)に固定され、錨接続部材(16)が球頭部(38)を持ち、鎖接続部材(17)が受入れ用二又部分(41)へ通じる開口(37)を有する球受入れ部(34)を持っていることによって、錨接続部材(16)及び鎖接続部材(17)がそれぞれの他端を互いに結合されているものにおいて、球受入れ部(34)が、引張り荷重を受ける際球頭部(38)を保持するために受入れ用二又部分(41)から離れる方向へ向く中空球部分(33)を持ち、球頭部(38)が、受入れ用二又部分(41)の方へ向きかつ球形状に対して引込む端面(39)を持ち、この端面(39)が、中空球部分(33)から出て受入れ用二又部分(41)の方へ向く円筒状凹所(29)と共に、ポンプ室(22)を形成していることを特徴とする、船の錨と鎖との間の結合装置。
  3. 球頭部(38)が鎖接続部材(17)の構成部分であり、球受入れ部(34)が錨接続部材(16)の構成部分であることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
  4. 球頭部(38)が、二又部分(41)とは反対の側に、鎖接続部材(17)の長さ方向に対して直角に延びる平らな端面(39)を持ち、この端面(39)が、球中心面(M)から始まる鈍角に含まれ、この鈍角が、180°から鎖接続部材(17)の最大に可能な揺動角(α)を差引いた値を持っていることを特徴とする、請求項に記載の結合装置。
  5. ポンプ室(22)を形成する円筒状空間(29)の深さが、揺動角の半分(α/2)だけ球頭部(38)の揺動の際、球頭部(38)の端面(39)の最も大きく前方揺動した縁範囲と球中心点(M)との間隔より少し大きいことを特徴とする、請求項1〜の1つに記載の結合装置。
  6. 球頭部(38)の端面(39)から、最大で球の仮想補足円(55)の所まで突出する支持突起(54)が出ていることを特徴とする、請求項1〜の1つに記載の結合装置。
  7. 支持突起(54)が、先端を丸められた円錐(56)として構成されていることを特徴とする、請求項に記載の結合装置。
  8. 支持突起(54)が、球頭部(38)の端面(39)へ載せられる鐘(57)の形に形成されていることを特徴とする、請求項に記載の結合装置。
  9. 支持突起(54)が、頂部を球冠(59)として形成される円柱突起(58)により形成されていることを特徴とする、請求項に記載の結合装置。
  10. ボルト(25,46,46′)の拘束体を形成する締付けねじ(48)が頭付きねじとして構成され、その頭(49)が特殊工具による操作のために用意されていることを特徴とする、請求項1〜の1つの記載の結合装置。
  11. 締付けねじ(48)の頭へ星形の多角形受入れ部(50)が凹まされていることを特徴とする、請求項10に記載の結合装置。
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