JP3610547B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられる現像装置、現像方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置の現像方式には、通常の電子写真複写機等に用いられる正規現像方式と、デジタルプリンタやデジタル電子写真複写機等に用いられる反転現像方式とが知られている。反転現像方式は、像担持体として感光体を用い、一般にレーザーダイオード、発光ダイオード(LED)等を光源として用い、帯電、露光により感光体上に形成された潜像を、感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーにより現像してトナー像とする方式である。例えば、感光体の帯電極性が負の場合、トナーの極性も負であり、露光により生じた電位差を利用して現像し、感光体上にトナー像を形成する方式である。
【0003】
従来の現像装置においては、回転する感光体に近接して、回転する現像剤担持体が配置されている。該現像剤担持体は中空円筒体状に形成されて、前記感光体に対向する側に開口部を有する現像器本体に収納されている。該現像剤担持体には、例えば−650Vの直流電圧に、2700V、8000Hzの交流電圧が重畳された現像バイアス電圧が印加される。該現像剤担持体は、その内部に磁石を有し、現像剤担持体の外周表面にトナー粒子と磁性粒子(キャリア)とを混合した二成分現像剤を担持している。
【0004】
この現像装置は、前記トナーとキャリアとから成る二成分現像剤を収容する現像器本体、磁石から成る磁界発生手段を内部に有する現像剤担持体、該現像剤担持体に現像剤を搬送して供給する現像剤搬送部材、前記現像剤担持体上の現像剤層厚を所定量に規制する現像剤層厚規制部材、現像剤を攪拌して現像剤搬送部材に搬送する現像剤攪拌搬送部材から構成されている。
【0005】
前記現像器本体の上部に設けられた開口であるトナー補給口部を通して、トナーカートリッジから前記現像器本体内に補給されたトナーは、回転する前記現像剤攪拌搬送部材により前記現像器本体内に収容された現像剤と攪拌、混合されて均一なトナー濃度になり、回転する前記現像剤搬送部材により前記現像剤担持体の外周面上に供給され、現像剤担持体上の現像剤のうち、トナーのみが現像領域で感光体上に付着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像パターンによっては、画像の履歴が現像剤担持体上に残り、所定濃度の画像パターンを現像しているにもかかわらず、「ゴースト」と呼ばれる濃度差が生じる画像欠陥を引き起こすことがある。このゴーストを改善する対策として、従来技術ではスクレーパと呼ぶゴム材料等を現像剤担持体に当接して、現像後に現像剤担持体上に残留する現像剤を掻き取り、新たに攪拌された現像剤を現像剤担持体上に付着させることで、画像の履歴をなくし、ゴーストを防いでいる。
【0007】
しかし、現像剤担持体に圧接して配置された従来技術のスクレーパ方式は、現像剤担持体とスクレーパ間を現像剤が擦り抜けたり、掻き取られる時に生じる現像剤劣化や、現像スリーブに擦傷痕が発生する等の問題がある。
【0008】
また、現像剤担持体の磁極に同極性の磁極を隣接させる「剥ぎ取り極」と呼ばれる部分を設けることで、ある程度の現像剤が剥ぎ取り極の反発磁界でスリーブから剥ぎ取ることができる。しかしながら、現像剤担持体と現像剤担持体に隣接する現像剤搬送部材の位置関係が最適化されてない条件では、完全に現像剤担持体から現像剤を剥ぎ取ることができず、未だ、ゴーストの改善は満足できるレベルではない。
【0009】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ゴーストの発生を防止し、高画質の画像を形成可能にするとともに、現像剤劣化や、現像剤担持体の擦傷痕発生を防止する現像装置、現像方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0010】
本発明は、この剥ぎ取り極と周辺プロセスを最適化することで、かなり高いレベルまでゴーストを改善することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、下記の本発明により達成される。
【0012】
(1)静電潜像を担持する像担持体に対向して配置され回転可能に支持された現像剤担持体と、前記現像剤担持体内に配置された複数個の磁極を有する磁界発生手段と、前記現像剤担持体の近傍に配置され回転可能に支持された現像剤搬送部材とを備えた現像装置において、前記磁界発生手段の複数個の磁極のうち互いに隣接する2磁極を同極性に配置して現像剤剥ぎ取り磁界を形成し、前記同極性の2磁極のうち反重力方向の磁極と前記現像剤担持体の中心とを結ぶ線分と、前記同極性の2磁極間の中立極部と前記現像剤担持体の中心とを結ぶ線分とのなす角度範囲内で且つ前記現像剤搬送部材の上方に、磁性体を前記現像剤担持体と非接触状態でかつ他の部材を介在することなく対向して配置し、該磁性体の前記現像剤担持体に対向する側の極性を、前記同極性の2磁極とは異なる極性に配置したことを特徴とする現像装置(請求項1)。
【0013】
(2)前記磁性体の前記現像剤担持体の接線方向の幅寸法を、前記現像剤担持体の直径以下に設定したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置(請求項2)。
(請求項2)。
【0014】
(3)前記磁性体の前記現像剤担持体の前記現像剤担持体の回転軸方向の長さを、前記像担持体の画像形成領域の長さ以上に設定したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置(請求項3)。
【0016】
像担持体と、前記像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成部と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像処理して顕像化する現像装置と、前記像担持体に形成された顕像を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1〜8の何れか1項に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置(請求項)。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の現像装置を複数組搭載した画像形成装置の一例であるカラープリンタの構成とその作用を図1の断面構成図によって説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態の現像装置及びこの現像装置を搭載した画像形成装置であるカラープリンタを示す断面構成図である。
【0020】
このカラープリンタは、像担持体である可撓性の無端ベルト状の感光体(以下、感光体と称す)1の周囲に、4組のスコロトロン帯電器(以下、帯電器と称す)2Y,2M,2C,2K、4組の像露光装置(走査光学装置)3Y,3M,3C,3K、4組の現像器4Y,4M,4C,4Kとから成る画像形成ユニット(図示の4組)を縦列に配設したものである。なお、図示の像露光装置3Y,3M,3C,3Kは、レーザビーム走査光学装置を使用したものである。
【0021】
感光体1は、駆動ローラ11及び下ローラ12、上ローラ13に張架され、テンションローラ14の作用により緊張状態にされ、内周面に設けられたバックアップ部材15により局部的に当接しながら、図示の時計方向に回動する。バックアップ部材15は、感光体1の背面に当接して、現像器4Y,4M,4C,4Kの各現像剤担持体(以下、現像スリーブと称す)41Y,41M,41C,41Kの現像領域及び像露光装置3Y,3M,3C,3Kの結像位置に感光体1を規制している。
【0022】
二成分現像剤はトナーとキャリアを主成分とする。トナーは、バインダー樹脂、顔料を含有し、必要により離型剤、荷電制御剤等をも含有する。カラー画像形成装置に使用される二成分現像剤のトナーは、上記の顔料として、イエロー、マゼンタ、シアン等の顔料又は染料から成る着色剤及びカーボンブラック等の黒色顔料等を含有する。トナーの粒径は4〜10μmである。キャリアとしては、フェライト、マグネタイト、鉄粉等の強磁性粒子を用い、望ましくは、前記強磁性粒子の表面をフッソ系、シリコーン系等の樹脂でコーティングしたものが良い。キャリアの粒径は10〜80μmである。トナーとキャリアの混合比は、トナーが3〜20重量%である。
【0023】
画像記録のスタートにより、駆動モータ(図示せず)が回動して駆動ローラ11を介して感光体1は図示の時計方向へと回動し、帯電器2Yの帯電作用により感光体1への電位の付与が開始される。感光体1は電位を付与されたあと、像露光装置3Yにおいて第1の色信号すなわちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号による露光が開始され、感光体1の回動(副走査)によってその表面の感光層に現像画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像を形成する。この潜像は現像器4Yにより現像スリーブ41Y上に付着搬送された現像剤が、現像領域において非接触の状態で反転現像され、イエロー(Y)のトナー像となる。
【0024】
次いで感光体1はイエロー(Y)のトナー像の上にさらに帯電器2Mの帯電作用により電位が付与され、像露光装置3Mの第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号に対応する電気信号による露光が行われ、現像器4Mによる非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0025】
同様のプロセスにより帯電器2C、像露光装置3C及び現像器4Cによってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が形成される。さらに帯電器2K、像露光装置3K及び現像器4Kによって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体1の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0026】
現像器4Y,4M,4C,4Kによる現像作用に際しては、それぞれ現像スリーブ41Y,41M,41C,41Kに対し、感光体1の帯電と同極性の直流バイアス、あるいは直流バイアスに交流を加えた現像バイアスが印加され、現像スリーブ41Y,41M,41C,41K上に付着した二成分現像剤による非接触反転現像が行われて、導電層を接地した感光体1上の静電潜像形成部にトナーを付着させる。
【0027】
かくして、感光体1の周面上に形成されたカラーのトナー像は帯電器2Fによって付着トナーの電位が揃えられたのち、転写部において、給紙装置である給紙カセット20A,20B或いは手差し給紙部20Cから、それぞれ給紙手段21A,21B,21Cにより送り出され、レジストローラ対23へと搬送され、レジストローラ対23の駆動によって感光体1上のトナー像領域と同期して給紙される転写紙上に、感光体1の駆動用の駆動ローラ11の下部に対向して配置された転写装置(転写ローラ)7により転写される。
【0028】
トナー像が転写された被転写材(転写紙)は、駆動ローラ11の曲率に沿った感光体1周面より分離されたのち、定着装置24へ搬送される。定着装置24によりトナー像は熔融され、転写紙に定着される。定着処理終了後の転写紙は、排紙ローラ対25A,25B,25Cにより搬送されて、上部に設けられた排紙トレイ26に転写紙上のトナー像面を下面にして排出される。
【0029】
一方、転写紙を分離した感光体1は、クリーニング装置8のクリーニングブレード81によって摺擦され、残留トナーを除去し、清掃される。なお、次の原稿画像のトナー像の形成が続いて行われるときは、帯電前除電器9による感光体1の感光体面への露光が行われて前歴の除去がなされる。
【0030】
図2は本発明の現像装置の断面図である。前記複数の現像器4Y,4M,4C,4Kは、ほぼ同じ構成をなすから、以下、これらの現像器を現像器4と総称して説明する。
【0031】
図2において、40はトナーとキャリアとから成る二成分現像剤を収容する現像器本体、41は現像剤担持体である現像スリーブ、42は現像スリーブ41の内部に配置され現像器本体40に固定された磁界発生手段(マグネットロール)、43は現像スリーブ41上の現像剤層厚を所定量に規制する現像剤層厚規制部材、44は現像スリーブ41に現像剤を供給するパドル形状の現像剤搬送部材(以下、パドルホイールと称す)、45A,45Bはスクリュー形状をなす現像剤攪拌搬送部材(以下、攪拌スクリューと称す)である。なお、パドルホイール44は複数の羽根部44aが回転軸44bに立設されたパドルホイールに限定されるものではなく、現像剤を効率良く搬送する他の形状でもよい。図示の矢印は各回転部材(41,44,45A,45B)の回転方向を示し、白抜き矢印は現像剤の流れを示す。E1はAC電源、E2はDC電源である。
【0032】
上記の現像器4の現像スリーブ41内には、図2に示すような5極の磁極S1,S2、N1〜N3が配置されている。これらの磁極のうち互いに隣接する同極性の磁極N2,N3は反発磁界を形成して、現像スリーブ41上の現像処理後の現像剤を剥ぎ取り、現像スリーブ41上の画像履歴を消去する。
【0033】
後述の所定条件を満たす位置に配置されたパドルホイール44は、同極性の磁極N2,N3の反発磁界により現像スリーブ41上から剥ぎ取られた現像剤を搬送して攪拌スクリュー45A側に移送する。
【0034】
攪拌スクリュー45Aと攪拌スクリュー45Bとは、現像器本体40の底部から直立した仕切り壁40aを挟んで両側に形成された第1の搬送室40b及び第2の搬送室40c内にそれぞれ平行に配置され、互いに同方向に駆動回転される。第1の搬送室40b及び第2の搬送室40cの上部は、天板46により閉蓋されている。47は第2の搬送室40c又は第1の搬送室40bの底部に設置されたトナー濃度検出装置である。
【0035】
図1に示すトナーカートリッジ5Y,5M,5C,5Kから補給されたトナーは、現像器4(Y,M,C,K)の各天板46(図2参照)に穿設されたトナー補給口部(図示せず)から第1の搬送室40b内に投入、補給される。
【0036】
現像スリーブ41の外径は、φ8mm以上、φ60mm以下が望ましい。外径が、φ8mm以下であると、画像形成に必要な磁極N1,S2、現像剤層厚規制部材43に対向する磁極N3、剥ぎ取り磁極N2,N3及び磁極S1から成る少なくとも5極の磁極を有し所定の磁界強度を有するマグネットロール42を形成することが困難である。また、現像スリーブ41の外径がφ60mm以上であると、現像装置が大型化する。特に、複数組の現像器4Y,4M,4C,4Kを有するカラープリンタ(図1参照)においては、複数の現像器4が大型化すると、ベルト状の感光体1の全長を短くすることが困難になり、画像形成部が大型化する。
【0037】
図3はマグネットロール42の磁力分布を示す。マグネットロール42の外周を包囲する非磁性の現像スリーブ41を矢印方向に回転させると、磁極N2,N3による反発磁界により、磁極N3の近傍から回転方向上流側に、磁極N2の近傍にわたって、現像スリーブ41上の残留現像剤が剥ぎ取られて、ほぼ付着していない部分が発生することが実測された。しかしながら、磁極N2,N3による剥ぎ取り極の反発磁界だけでは、現像スリーブ41上の現像剤を完全に剥ぎ取ることは不可能である。
【0038】
本発明の現像器4は、図2に示すように、前記剥ぎ取り磁極N2,N3による反発磁界の上流側で、現像スリーブ41に近接する磁極N2寄りの所定位置に、磁極N2,N3と異なる磁性の磁界を形成する磁性体(磁界発生部材)48を設置した。即ち、磁性体48のS極は、磁極N2の近傍に対向して配置され、吸引磁界を形成する。
【0039】
磁性体保持部材49は磁性体48を保持して、現像器本体40の上部を閉蓋する天板46の内側の所定位置に固定する磁性部材である。磁性体保持部材49は、磁性を有するステンレス鋼(SUS430等)や鉄鋼部材により形成され、現像スリーブ41に対向する磁性体取り付け面49aと、天板46に固定される固定面49bと、折り曲げ部49cとから成り、折り曲げ部49cで屈折されたV字形状をなす。折り曲げ部49cでの折り曲げ傾斜角(磁性体取付角)は、例えば20°に設定されている。
【0040】
磁性体保持部材49の磁性体取り付け面49aには、磁性体48が両面粘着テープ等によって固着されている。磁性体48は、永久磁石等で形成される。磁性体48は、図2に示すように、磁性体取り付け面49aの上流側、即ち、磁性体保持部材49の折り曲げ部49cの近傍には存在しないから、磁性体48による磁界の強さは上流側では弱くなっている。したがって、現像スリーブ41上の現像処理後の現像剤は、上流側の弱い磁界部分で現像剤の吸引がなく、下流側に搬送されるから、上流側の折り曲げ部49c付近での現像剤の滞留による現像剤搬送不良を発生することはない。
【0041】
磁性体48として、TDK(株)製のフェライト系ラバーマグネットBQC14を使用して優れた効果が得られた。BQC14はストロンチュームフェライト粉末を、NBRゴムに混練したもので、その材質特性を以下に示す。
【0042】
残留磁束密度(Br):230〜250〔mT〕
保持力(Hcb):163〜195〔kA/m〕
固有保持力(Hcj):279〜358〔kA/m〕
最大エネルギー積(BHmax):10.3〜11.9〔kJ/m
なお、上記のフェライト系ラバーマグネットBQC14以外のフェライト系ラバー(BQJ05、BQA14、BQE14、BQK12)や、ネオジム・鉄・ボロン系希土類コバルトマグネット(NEORECマグネットシリーズ)や、希土類コバルトマグネット(RECマグネットシリーズ)や、フェライトマグネット湿式異方性材質系(FBシリーズ)等の複合マグネット(磁性体)でもほぼ同等の効果が得られる。なお、上記の各種磁性体材料は、何れもTDK(株)製であるが、所要の残留磁束密度、保持力、最大エネルギー積を有する磁性体であれば、上記材料に限定されるものはない。
【0043】
図4(a)は、現像スリーブ41、マグネットロール42、磁性体48の配置を示す斜視図、図4(b)は配置図、図4(c)は側断面図である。
【0044】
磁性体48の幅wは、現像スリーブ41の外周直径Dより小さく設定することが好ましい(D>w、後述の実施例参照)。また、磁性体48の長さLは、感光体1の画像形成領域の回転軸方向の長さLより大きく設定することが好ましい(L>L、後述の実施例参照)。
【0045】
図5は、マグネットロール42の剥ぎ取り磁極N2,N3に対する磁性体48の設置位置を検討する図である。
【0046】
同極性の2磁極N2,N3のうち反重力方向の磁極N2と現像スリーブ41の中心とを結ぶ法線mと、同極性の2磁極N2,N3間の中立極部Nuと現像スリーブ41の中心とを結ぶ法線nとのなす角度ψの範囲内に、現像スリーブ41と非接触状態で対向する磁性体48を配置し、磁性体48の現像スリーブ41に対向する側の極性を、同極性の2磁極N2,N3とは異なる極性Sに配置した。
【0047】
磁性体48を上記の位置に現像スリーブ41に非接触で配置し、磁性体48の極性を上記のように設置した時に、後述のゴースト評価用画像パターンによる画像形成後の画像濃度の最大濃度差は0.02以下で良好であった(後述の実施例参照)。
【0048】
なお、後述の実施例では、法線nを基点にして反重力方向(上方)に+20°ずつ設置位置をずらせて+80°までの範囲で許容範囲を測定した。ゴーストレベルは、最大濃度差0.06以下が目視で濃度差が判らない良好なレベルであるから、磁性体48を基点の法線nの剥ぎ取り位置から最大約60°ずらせた位置までに設置すれば、許容範囲内である。
【0049】
図2において、駆動回転する攪拌スクリュー45A,45Bにより攪拌されたトナーとキャリアとから成る二成分現像剤は、図示の時計方向に回転するパドルホイール44の羽根部44aにより搬送されて、現像剤層厚規制部材43の傾斜面と現像スリーブ41の外周面とが対向する間隙部に送り込まれる。二成分現像剤は、この間隙部近傍おいてマグネットロール42の磁力により現像スリーブ41上に吸着され、更に間隙部の最小間隙により、現像スリーブ41上に100〜600μmの現像剤層厚に規制されて、現像スリーブ41と感光体1が対向する現像領域に搬送される。
【0050】
現像領域において現像処理された後に、現像スリーブ41上に吸着されて搬送される現像剤は、磁性体48と現像スリーブ41との対向する空間部を通過する。現像スリーブ41の回転方向上流側の磁界発生部材48の存在しない磁極N2の近傍では、現像剤への吸引力が少ないが、現像スリーブ41の回転方向下流側に行くにしたがって、磁性体48の直下付近で磁界の強さが増す。
【0051】
現像スリーブ41と磁性体48とが対向する空間では、剥ぎ取り磁極N2,N3により、現像剤が現像スリーブ41上から引き剥がされ、磁性体48により吸引され、現像スリープ41側に移動しないようにして、パドルホイール44の上方に搬送する。
【0052】
現像スリーブ41と磁性体48とが対向する空間では、現像スリーブ41の回転方向下流側に現像剤が移動するにしたがって、現像スリーブ41上の現像剤は磁性体48側に引き寄せられるので、現像スリーブ41上から現像剤を引き剥がすことが可能になる。よって、十分な現像剤を現像剤スリーブ41上から除去することが可能であり、現像スリーブ41上に薄層の現像剤を形成して現像する一成分現像系でも十分に機能を果たす事が出来る。
【0053】
現像剤は現像スリーブ41と磁性体48との間隙を通過して下方に搬送され、磁性体48のS極と、マグネットロール42の磁極N2とによる吸引磁界により、現像スリーブ41上から剥ぎ取られた現像剤は、磁性体48上に吸引されながら磁性体48上に沿って斜め下方に移動し、磁性体48の末端部付近で落下し、回転するパドルホイール44上に搬送される。
【0054】
回転するパドルホイール44の羽根部44aは、現像スリーブ41上から剥ぎ取られた現像剤を保持しながら搬送し、回転する攪拌スクリュー45Aに現像剤を搬送、還流する。磁性体48の先端部は、パドルホイール44の羽根部44aの回転軌跡のほぼ真上に間隙を保って配置されている。
【0055】
パドルホイール44の羽根部44aの先端部と、現像スリーブ41の外周面との間隙は微小であり、かつ、パドルホイール44の羽根部44aは現像スリーブ41上から剥ぎ取られた現像剤を間隙で掻き上げる方向に回転するから、現像剤は、殆ど現像スリーブ41側の間隙を通過せず、磁性体48から落下した現像剤のほぼ全量が、パドルホイール44の羽根部44aに捕捉されて攪拌スクリュー45A側に搬送される。
【0056】
【実施例】
(ゴーストの定義及び測定方法)
図6は、ゴースト評価用画像パターンを示す図である。このパターンは、画像形成用信号発生装置により作成した。図示の黒色で塗りつぶした部分は、透過濃度約1.4の被転写材の黒ベタ部分C1その他の余白部分は白色部分C2である。
【0057】
上記のゴースト評価用画像パターンを、Konica KL−2010カラープリンタ(コニカ(株)製)実験機を使用し黒色現像剤によりプリントアウトし、転写材上に形成されたパターンの透過濃度を、透過濃度計X−Rite310(米国X−Rite社製)で測定した。
【0058】
図示の▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼▲5▼▲6▼▲7▼▲8▼▲9▼は上記の黒ベタ部分C1の透過濃度測定位置を示す。中央の▲2▼▲5▼▲8▼部分はそれ以前の白色部分C2で現像剤消耗がないから、現像処理時に充分な画像濃度が得られる。しかし、その左側部分の▲1▼▲4▼▲7▼、右側部分の▲3▼▲6▼▲9▼はそれ以前の黒ベタ部分C1現像剤消耗が多いから現像処理時に画像濃度が低下する。従って、左側部分の▲1▼▲4▼▲7▼、右側部分の▲3▼▲6▼▲9▼の各画像濃度は、中央の▲2▼▲5▼▲8▼部分より低下して濃度差を生じ、画像が薄くなる。これらの濃度差が発生した画像をゴーストと呼ぶ。
【0059】
次に、画像濃度差の評価を下記に示す。
【0060】
(ゴーストの評価方法) 黒ベタ部分C1の濃度差の評価
現像スリーブ41に印加するAC電圧(E1)直流バイアス電圧(E2)や、現像スリーブ41表面と感光体(感光体ドラム又はベルト状感光体)1表面との距離を変化させることで透過濃度の異なる画像サンプルを出力する。これらの各画像サンプルを上記の測定方法で透過濃度を求め、下記の数式(数1)により透過濃度差Δを求める。
【0061】
【数1】
Figure 0003610547
【0062】
〔検討1〕 ゴーストの検討1(磁性体の有無と、磁性体の極性の向き)
図7は、現像器の比較例、実施例を示す断面図である。以下、磁性体48の有無、磁性体48の極性差、磁性体48の設置角度等について比較説明する。
【0063】
図7(a)に示す比較例1は、磁性体48を設置しない現像器4aの断面図である。図7(b)に示す比較例2は、剥ぎ取り磁極N2,N3に対向する磁性体48の外表面側の極性を、剥ぎ取り磁極N2,N3と同極性に配置した現像器4bの断面図である。図7(c)に示す実施例は、磁性体48の剥ぎ取り磁極N2,N3に対向する側の極性を、剥ぎ取り磁極N2,N3の極性とは異なる極性に配置した現像器4cの断面図である。
【0064】
各画像サンプルの透過濃度dを1〜2.5の範囲に、4点以上出力し、透過濃度差Δを測定し、表1及び図8の特性図を作成した。
【0065】
【表1】
Figure 0003610547
【0066】
各画像サンプルの透過濃度dの1〜2.5の範囲内で、測定された透過濃度から数式(数1)により透過濃度差Δを求めてプロットすると、透過濃度差Δは、ほぼ、Δ=a×d+eの式で示される傾斜角θの線分上に配置される。aはこの破線で示す線分Aのx軸との傾き(ゴースト評価傾きa=tanθ)、eはこの特性直線のy軸上の切片である。
【0067】
ここで、「ゴーストのない良好な画像」とは、透過濃度差Δ=0、すなわち、a=0となることである。つまり、ゴースト評価傾きa(tanθ)が小さいほど、ゴーストレベルが良いことを意味する。ゴーストレベルが良いこととは、目視でゴーストが判らないレベルをいい、a<0.1の範囲内である。
【0068】
破線で示す線分(1)は、図7(a)の比較例1に示す磁性体48を備えない現像器4aにおける透過濃度差Δの特性図を示す。図示のように、この線分(1)は、各透過濃度差Δが何れも0.15以上で、かつ、線分(1)のゴースト評価傾きa(tanθ1)が極めて大きい。
【0069】
一点鎖線で示す線分(2)は、図7(b)に示す比較例2の現像器4bにおける透過濃度差Δの特性図を示す。図示のように、この直線(2)は、各透過濃度差Δが何れも0.1以上で、かつ、線分(2)のゴースト評価傾きa(tanθ2)が大きい。
【0070】
実線で示す線分(3)は、図7(c)に示す実施例の現像器4cにおける透過濃度差Δの特性図を示す。図示のように、この線分(3)は、各透過濃度差Δが何れも0.05以下で、かつ、直線(3)のゴースト評価傾きa(tanθ3)が0.1以下の範囲内で極めて小さく、ゴーストのない良好な画像が得られる。
【0071】
〔検討2〕 ゴーストの検討2(磁性体48の設置角度の検討)
マグネットロール42の剥ぎ取り磁極N2,N3に対する磁性体48の設置位置を検討する。
【0072】
同極性の2磁極N2,N3間の中立極部Nuと現像スリーブ41の中心とを結ぶ法線nを基点にして、反重力方向(上方)に角度+20°ずつ磁性体48の設置位置をずらせて角度+80°までの設置角度範囲内で種々変更させて実験検討し、透過濃度差Δの特性直線の傾斜角θ、即ちゴースト傾きa(a=tan θ)を求めた結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
Figure 0003610547
【0074】
表2及び図9の特性図に示すように、磁性体48の設置角度を、法線nを基点にして角度0°〜+60°の範囲内としたとき、ゴースト評価傾き(a=tanθ)は、0.05以下で良好であった。この良好な範囲は、同極性の2磁極N2,N3のうち反重力方向の上方の磁極N2と現像スリーブ41の中心とを結ぶ法線mと、中立極部Nuと現像スリーブ41の中心とを結ぶ法線nとのなす角度ψの範囲内とほぼ一致する。
【0075】
これに対して、磁性体48の設置角度が、+60°以上の場合には、ゴースト評価傾きaは、急激に増大し、ゴーストによる濃度差が著しく発生する。
【0076】
ゴーストレベルは、最大濃度差0.06以下が目視で濃度差が判らない良好なレベルであるから、磁性体48を基点の法線nの中立極部Nuから最大約60°ずらせた位置までに設置すれば、許容範囲内である。
【0077】
磁性体48を上記の位置に現像スリーブ41に非接触で配置し、磁性体48の極性を上記の角度範囲ψ内に設置した時に、図6に示すゴースト評価用画像パターンによる画像形成後の画像濃度の最大濃度差は0.02以下で良好であった。
【0078】
〔検討3〕 帯電量の検討(磁性体の有無と、磁性体の極性の向き)
現像器4の駆動開始時には、現像剤の帯電量不足、連続現像時に帯電量低下を発生する。また、連続プリント画像形成時に、画像濃度の低下、画像線幅の低下を発生する。帯電量の変動の計測を以下に示す。
【0079】
〈帯電量の測定方法〉
トナーとキャリアとを混合した現像剤試料を、ステンレス鋼製のメッシュスクリーンをセットした測定用セルに入れ、窒素ガスを用いて内圧が、0.2kg/cmとなる圧力で6秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷と質量から測定する(ブローオフ法)。
【0080】
表3は、磁性体の有無と、磁性体の極性の向きを変えた3種の現像器4a,4b,4cによる2万枚連続プリントにおけるプリント画像形成時の帯電量の変動を比較した特性値を示す表である。図10は連続プリントにおける帯電量の変動を示す特性図である。
【0081】
【表3】
Figure 0003610547
【0082】
表3及び図10に示すように、比較例1の現像器4a及び比較例2の現像器4bでは、図10に示すように、多数枚連続現像処理したときの、帯電量低下が大きい。実施例の現像器4cは、多数枚、長時間連続現像処理したときの帯電量低下は少なかった。即ち、2万枚プリント処理間の帯電量の変動は、30.5〜28.2(−μc/g)の範囲内で小変化に止まった。
【0083】
〔検討4〕 現像性
以下、本発明の現像器による現像性について説明する。
【0084】
本発明には磁性キャリア、特にはコーティング磁性キャリアと非磁性樹脂トナーの組み合わせによるいわゆる二成分現像剤が好ましく用いられる。また、磁性粒子を樹脂中に分散した樹脂分散磁性キャリアと非磁性樹脂トナーの組み合わせによる二成分現像剤も好ましく用いられる。
【0085】
この現像剤用キャリアの磁性粒子(コーティングキャリアの場合は芯材粒子)としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。上記芯材粒子を被覆したキャリアの体積平均粒径としては10μm以上、50μm以下、特に20μm以上、40μm以下のものが好ましい。
【0086】
コーティング膜厚は0.5〜3μmが良く、樹脂にカーボンなどの導電性物質を添加してもよい。また磁性体芯材にコーティング樹脂が密着するようシランカップリング剤などを添加してもよい。
【0087】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定される。
【0088】
トナーの体積平均粒径の測定には、Coulter TA−II(コールター社製)を用い、測定はトナーを電界液ISOTONE−II((株)日科機製)に溶解、分散した状態で、前述のコールターカウンターで行った。
【0089】
前記の実施の形態で説明した現像装置において、現像スリーブ41とパドルホイール44を以下のように設定した。
【0090】
・磁性体48の諸元
厚さa(磁極N,S間の長さ)=1mm、幅b=4mm、長さ(現像スリーブ41の軸方向に平行する長さ)c=300mm
材料:フェライト系ラバーBQC14(TDK社製)
・現像スリーブ41の諸元
外径D=φ20mm、表面粗さRz=8μm、材質:非磁性ステンレス鋼(アルミニウム合金、その他の金属でも可)、磁極配置:5極、回転数:350rpm
・パドルホイール44の諸元
外径:φ14mm、回転軸直径:φ10mm、羽根部44aの羽根数:6枚、材質:ABS樹脂(その他の樹脂、ガラス添加樹脂、金属でも可)、回転数:250rpm
・攪拌スクリュー45A,45Bの諸元
外径:φ16mm、回転軸直径:φ6mm、ピッチ:14mm、材質:エフライト(樹脂+ガラス添加;日本FTB(株)製)、回転数:200rpm
・感光体1の構成:OPCベルト状感光体
・各回転部材の外径比
現像スリーブ41:パドルホイール44:攪拌スクリュー45A,45B=1:0.7:0.8
・各回転部材の回転数比
現像スリーブ41:パドルホイール44:攪拌スクリュー45A,45B=1:0.7:0.6
・現像剤
トナー粒径4〜15μm、キャリア粒径10〜60μm、キャリア比重3〜6g/cm、キャリア磁化1000emu/g
・現像性
現像スリーブ41による感光体1への単位面積当たりのトナー付着量M/A(mg/cm)。
【0091】
表4は、磁性体の有無と、磁性体の極性の向きを変えた3種の現像器4a,4b,4cによる2万枚連続プリントにおけるプリント画像形成時の現像性の変動を比較した特性値を示す表である。図11は連続プリントにおける現像性の変動を示す特性図である。
【0092】
【表4】
Figure 0003610547
【0093】
表4及び図11に示すように、比較例1の現像器4a及び比較例2の現像器4bでは、図11に示すように、多数枚連続現像処理したときの、現像性M/Aの低下が大きい。実施例の現像器4cは、多数枚、長時間連続現像処理したときの現像性M/Aの低下は極めて少なかった。即ち、2万枚プリント処理間の現像性の変動は、0.90〜0.83(mg/cm)の範囲内で小変化に止まった。
【0094】
〔検討5〕 磁性体の幅
外径D=20mmの現像スリーブ41に対向する磁性体48の幅wについて検討する。
【0095】
図5に示す角度範囲ψ及び磁極の向きに設置された磁性体48側を、図2に示すように現像スリーブ41の周面に近接配置した。磁性体48の幅wと現像濃度との関連について実験、検討し、透過濃度差Δの特性直線の傾斜角θ、即ち、ゴースト評価傾きa(a=tan θ)を求めた結果を表5及び図12に示す。図12は、磁性体48の幅寸法とゴースト評価傾きaとの関係を示す特性図である。
【0096】
【表5】
Figure 0003610547
【0097】
表2及び図12に示すように、外径D=20mmの現像スリーブ41に対して、磁性体48の幅wを20mm以下に設定したとき(w≦D)、ゴースト評価傾きaが0.08以下で、透過濃度差Δが僅少であった。
【0098】
これに対して、磁性体48の幅wが、20mmを越えると、ゴースト評価傾きaは、急激に増大し、ゴーストによる濃度差が著しく発生する。
【0099】
〔検討6〕 磁性体の長さ
画像形成領域の長さL=290mmの現像スリーブ41に対向する磁性体48の長さLについて検討する。
【0100】
現像スリーブ41の軸方向の長さLを有する磁性体48を、図4に示すように現像スリーブ41の周面に近接配置した。磁性体48の長さLと現像濃度との関連について実験、検討し、透過濃度差Δの特性直線の傾斜角θ、即ち、ゴースト評価傾きa(a=tan θ)を求めた結果を表6に示す。
【0101】
【表6】
Figure 0003610547
【0102】
表6に示すように、画像形成領域の長さL=290mmの現像スリーブ41に対して、磁性体48の長さLを290mm以上に設定したとき(L≦L)、ゴースト評価傾きaが0.04以下で、透過濃度差Δが僅少であった。
【0103】
これに対して、磁性体48の長さLが、290mmより短いと、ゴースト評価傾きaは、急激に増大し、ゴーストによる濃度差が著しく発生する。特に、画像形成領域の両端部近傍の濃度差が著しい。
【0104】
ゴーストレベルは、最大濃度差0.06以下が目視で濃度差が判らない良好なレベルであるから、磁性体48の幅w及び長さLを上記の範囲内に設定した時に、図6に示すゴースト評価用画像パターンによる画像形成後の画像濃度の最大濃度差は0.02以下で良好である。
【0105】
なお、本発明の現像装置は、複数の現像器を備えたカラー画像形成装置に限定されず、現像装置1個のモノクロ画像形成装置にも適用可能である。
【0106】
【発明の効果】
本発明の請求項1〜に記載の現像装置は、現像スリーブに対する磁性体の設置、即ち、マグネットロールに対応する磁性体の設置角度ψ、磁極の極性(吸引磁界)、幅寸法、長さ等を設定することによりゴーストの発生を防止し、高解像度の画像、調和のとれた鮮明な画像が得られた。また、連続現像処理における現像剤の劣化、現像剤の帯電量不足、画像濃度の低下等の問題が解消された。
【0107】
更に、本発明の請求項に記載の転写方式の画像形成装置、請求項10に記載の反転現像方式の画像形成装置、請求項11に記載の非接触現像方式の画像形成装置、請求項12に記載の像担持体上に複数色のトナー像を重ね合わせカラートナー像を形成し該カラートナー像を転写装置により被転写材上に一括転写してカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、上記の現像装置により、現像性が向上し、連続多数枚プリントしても、トナー帯電量が低下することはなく、画像濃度が低下することもなく、優れた高画質のカラー画像が得られる。
【0108】
また、本発明の現像装置は、磁性体から成る磁性スクレーパが、現像スリーブに非接触な状態で設けられているため、従来技術のスクレーパ当接による現像スリーブとスクレーパ間を現像剤がすり抜けたり、掻き取られる時に生じる現像剤劣化や現像スリーブの損傷も改善されることで現像器の耐久性が飛躍的に向上した。
【0109】
更に、現像スリーブ上の現像剤を剥ぎ取る同極性の磁極と磁性体が、現像スリーブに非接触であるため、現像スリーブ外周部の材料として、ステンレス鋼(SUS)からアルミ合金に変えることが可能となり、製造原価低減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置を搭載した画像形成装置の一例であるカラープリンタの断面構成図。
【図2】本発明の現像装置の断面図。
【図3】マグネットロールの磁力分布図。
【図4】現像スリーブ、マグネットロール、磁性体の配置を示す斜視図、配置図、側断面図。
【図5】マグネットロールの剥ぎ取り磁極に対する磁性体の設置位置を検討する図。
【図6】ゴースト評価用画像パターンを示す図。
【図7】現像器の比較例、実施例を示す断面図。
【図8】比較例と実施例の透過濃度差を示す特性図。
【図9】比較例と実施例のゴースト評価傾きを示す特性図。
【図10】2万枚プリント時の比較例と実施例の帯電量変化を示す特性図。
【図11】2万枚プリント時の比較例と実施例の現像性の変化を示す特性図。
【図12】磁性体幅とゴースト評価傾きを示す特性図。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
4,4Y,4M,4C,4K,4a,4b,4c 現像器
40 現像器本体
41,41Y,41M,41C,14K 現像剤担持体(現像スリーブ)
42 磁界発生手段(マグネットロール)
43 現像剤層厚規制部材
44 現像剤搬送部材(パドルホイール)
45A,45B 現像剤攪拌搬送部材(攪拌スクリュー)
48 磁性体(磁界発生部材)
49 磁性体保持部材
7 転写装置(転写ローラ)
C1 黒ベタ部分
C2 白色部分
L 磁性体の長さ
N2,N3 剥ぎ取り磁極(同極性の磁極)
Nu 中立極部
a ゴースト評価傾き
m,n 法線
t 磁性体の厚さ
w 磁性体の幅
ψ 磁性体の設置角度

Claims (12)

  1. 静電潜像を担持する像担持体に対向して配置され回転可能に支持された現像剤担持体と、前記現像剤担持体内に配置された複数個の磁極を有する磁界発生手段と、前記現像剤担持体の近傍に配置され回転可能に支持された現像剤搬送部材とを備えた現像装置において、
    前記磁界発生手段の複数個の磁極のうち互いに隣接する2磁極を同極性に配置して現像剤剥ぎ取り磁界を形成し、前記同極性の2磁極のうち反重力方向の磁極と前記現像剤担持体の中心とを結ぶ線分と、前記同極性の2磁極間の中立極部と前記現像剤担持体の中心とを結ぶ線分とのなす角度範囲内で且つ前記現像剤搬送部材の上方に、磁性体を前記現像剤担持体と非接触状態でかつ他の部材を介在することなく対向して配置し、該磁性体の前記現像剤担持体に対向する側の極性を、前記同極性の2磁極とは異なる極性に配置したことを特徴とする現像装置。
  2. 前記磁性体の前記現像剤担持体の接線方向の幅寸法を、前記現像剤担持体の直径以下に設定したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記磁性体の前記現像剤担持体の前記現像剤担持体の回転軸方向の長さを、前記像担持体の画像形成領域の長さ以上に設定したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤担持体の回転方向が、前記像担持体と対向する領域において反重力方向であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤担持体の外径が8mm以上、60mm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤が、トナーとキャリアとから成る二成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の現像装置。
  7. 現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を有し、
    前記現像剤搬送部材は、現像剤を前記現像剤攪拌搬送部材から前記現像剤担持体に搬送するとともに、前記磁性体により吸引されたのち、前記磁性体から落下した現像剤を前記現像剤攪拌搬送部材に搬送することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置。
  8. 前記現像剤搬送部材は、複数の羽根部が回転軸に立設されたパドルホイールであり、
    前記磁性体から落下した現像剤は、前記羽根部に捕捉されて前記現像剤攪拌搬送部材に搬送されることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
  9. 像担持体と、前記像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成部と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像処理して顕像化する現像装置と、前記像担持体に形成された顕像を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1〜8の何れか1項に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記静電潜像形成部は、前記像担持体上に形成された均一帯電面から光ビームにより電荷を除去することで静電潜像を形成し、
    前記現像装置は、電荷を除去された部分にトナーを付着させる反転現像により現像処理することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記現像装置の有する現像剤担持体上に、直流成分に交流成分を重畳させるバイアス電界を印加し、
    前記現像剤担持体上の二成分現像剤のトナーを前記像担持体上の静電潜像上へ飛翔させる非接触現像によりトナー像を形成することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
  12. 互いに異なる色のトナーを収容した複数の前記現像装置を有し、
    前記像担持体上に複数色のトナー像を重ね合わせて形成し、該重ね合わせトナー像を前記転写手段により被転写材に転写してカラー画像を形成することを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の画像形成装置。
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