JP3610546B2 - 成形用材料及び成形物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物繊維を主成分とした、外観がよく、臭気のない、また写真感光材料用容器として使用した場合にも、経時でカブリの問題のない写真感光材料用成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料用途の成形としては様々な形体のものがある。例えば、カメラや、レンズ付きフィルム用の容器等の撮影材料、樹脂缶や、ロールフィルム容器などのマガジン等がある。
【0003】
これらは使用される感光材料の種類、サイズ、巻長さ、用途によって種々の材質で成形されるが、通常、紙とプラスチックに大別することができる。詳しくは紙としては段ボール、板紙または紙とプラスチックフィルムや金属箔との積層材料等が用いられる。これらの紙または/およびプラスチックで成形された感光材料用成形としては、低コストで、廃棄や焼却性を満足させる必要がある。しかし、紙で成形されたものは、コスト、廃棄性は良いが、強度が弱く、収納される感光材料のサイズ、巻長さが制限されるという欠点や、輸送時に変形、破損しやすいという重大な欠点がある。
【0004】
プラスチックで成形されたものは強度は良いが、コスト、廃棄性の面で問題がある。紙とプラスチックを組みあわせたものは、これらの中間の特性をもつが、紙とプラスチックを分別して廃棄しなければならず、大きな労力を要するという欠点がある。
【0005】
ところで、これら問題点を解決する方法として、特開平7−225453号公報に記載の樹脂とセルロース系繊維とを混合成形した感光材料用遮光容器が提案されているが、実施例記載の成形材料を用いた場合、外観上の平面性や光沢性に問題があり、また、不快臭がするという問題があることが判った。また感光材料用容器として使用し、写真感光材料を長期間(6ヶ月以上)保存すると写真性能とくに写真感光材料のカブリ濃度が上昇してしまうという課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記問題点を解消し、外観の良く、臭気のない成形、特に写真感光材料用容器に用いた場合、写真性能に影響のない写真感光材料用成形を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の構成により解決することができた。
【0008】
1.植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、且つ下記条件を満足することを特徴とする成用材料。
【0009】
条件
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2を、内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料A、
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とする成形用材料4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Bとしたとき、
試料A、試料Bをセンシトメトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、以下の現像処理を行った後の緑感性層のカブリ濃度が、
(試料Bのカブリ濃度−試料Aのカブリ濃度)≦0.2
である。
【0010】
処理条件
処理工程 処理時間 処理温度
発色現像 3分15秒 38℃
漂白 45秒 38℃
定着 1分30秒 38℃
安定 1分 38℃
乾燥 1分 55℃
発色現像液
水 800cc
炭酸カリウム 30g
炭酸水素ナトリウム 2.5g
亜硫酸カリウム 3.0g
臭化ナトリウム 1.3g
沃化カリウム 1.2mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g
塩化ナトリウム 0.6g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(βヒドロキシエチル)−
アニリン硫酸塩 4.5g
ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g
水酸化カリウム 1.2g
水を加えて1Lとし、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0011】
漂白液
水 700cc
1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 40g
臭化アンモニウム 150g
氷酢酸 40g
水を加えて1Lとし、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
【0012】
定着液
水 800cc
チオシアン酸アンモニウム 120g
チオ硫酸アンモニウム 150g
亜硫酸ナトリウム 15g
エチレンジアミン四酢酸 2g
アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1Lとする。
【0013】
安定液
水 900cc
パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル(n=10)2.0g
ジメチロール尿素 0.5g
ヘキサメチレンテトラミン 0.2g
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g
シロキサン(UCC製L−77) 0.1g
アンモニア水 0.5cc
水を加えて1Lとした後、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0014】
2.植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、且つ下記条件を満足することを特徴とする成形物。
【0015】
条件
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2を内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料C、
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、これを所望の形状に成形した後、約5mm以下の大きさに粉砕した成物4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Dとしたとき、
試料C、試料Dをセンシトメトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、前記の現像処理を行った後の緑感性層のカブリ濃度が、
(試料Dのカブリ濃度−試料Cのカブリ濃度)≦0.2
である。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の植物繊維とは植物の持つ繊維のことで、植物を直接乾燥させた物や一般にはパルプとして販売されるものを示す。パルプの製造方法としては、クラフトパルプ化法、サルファイトパルプ化法、アルカリパルプ化法等のケミカルパルプ化法があり、多段漂白法により漂白される。また、パルプ或いはそのようなパルプが公知の架橋反応やマーセル化反応の如く化学的に処理されたパルプでもかまわない。
【0018】
前記パルプ製造法に使用される原料としては、松、杉、ヒノキ等の針葉樹材、ブナ、シイ、ユーカリ等の広葉樹材、亜麻、楮、ミツマタ、竹、バカス、等の非木材繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、森林資源に関わる地球環境問題の提議などで、紙資源の再利用が活発化しており新聞、週刊誌、雑誌、広告チラシなど、家庭、会社や駅で集められたものや、製本・印刷工場で発生する截落および損紙などから、離解、粗選、熟成、脱墨、精選、漂白などの各工程により古紙パルプとして再生されたものを用いても良い。
【0019】
本発明における植物繊維と熱可塑性樹脂からなる混合物には、各種添加剤、例えばカーボンブラック等の無機顔料、有機顔料、遮光性セルロース繊維等の遮光性物質、滑剤等を任意に添加することができるが、植物繊維と熱可塑性樹脂のみでも、本発明の目的を充分に達成することができる。
【0020】
本発明の熱可塑性樹脂とは、熱をかけることにより流動性が得られる樹脂のことであり、具体的には天然ゴム、アクリレートゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ネオプレンゴム、エピクロルヒドリン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンエラストマー等のエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタン、ABS樹脂、セルロースアセテート、アミド樹脂、ニトロセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、耐衝撃性アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、等が挙げられこのなかでもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−酢酸ビニル等のポリオレフィンが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は本発明の効果を損なわない範囲でブレンドすることもできる。
【0021】
植物繊維として各種天然パルプを用いることができるが、強度の点では針葉樹または広葉樹に限らず未さらしパルプが好ましい。また経済性及び環境性の面でクラフト古紙、段ボール古紙、新聞や雑誌等の古紙を用いることができる。
【0022】
熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、本発明の1つの目的である廃棄時の環境性を考慮した場合、焼却時有毒ガスの発生のないポリエチレン樹脂、ポリエチレン酢酸ビニル共重合樹脂等が好ましい。
【0023】
植物繊維と熱可塑性樹脂の混合比率は、射出成形性、強度、硬度及び燃焼カロリーの面から植物繊維の混合比率は50〜90重量%が好ましく、特に55〜75重量%が好ましい。植物繊維と熱可塑性樹脂からなる混合成形物の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えばパルプや古紙等をせん断機で粉砕したものと熱可塑性樹脂をその熱可塑性樹脂の融点+10℃以上の温度で充分に混合し、所望の成形品に成形する。
【0024】
特に射出成形の場合には、金型の隅まで十分に成形用材料が注入されるように、温度条件を調整する必要がある。
【0025】
植物繊維と熱可塑性樹脂からなる混合成形物は、プラスチックに比べ、射出成形後の収縮率が大幅に低く、従って成形加工時の効率の向上(冷却時間の短縮)が図れ、寸法安定性が良く、変形が少ないので組立て不良、ゆがみによる遮光性不良や感光材料の引き出し不良が大幅に改善でき、また繊維質を含むことから、接着剤とのからみがよく、プラスチックに比べ接着性が向上し、他の部材例えば紙製胴体との接合が容易になり、接合部分の強度を増すことができる。
【0026】
本発明において、植物繊維と熱可塑性樹脂からなる混合成形物は成形材料を構成する一部の部材に使用しても全部に使用してもよい。特に構造上ある程度の強度、硬度が要求される部材に用いることが好ましい。
【0027】
本発明の成形用材料は、写真感光材料用の種々の樹脂材料として用いた時に本発明の効果を十分に発揮することができる。好ましく、レンズ付きフィルムユニットのボディー等に用いることができ、特に前カバーや後カバーに用いることが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて、説明するが本発明はこの実施例に制限されるわけではない。
【0029】
〔評価方法〕
〔成形用材料の評価
カブリの評価は、iso感度400のネガフィルム(コニカ社製:LV400)を用いた。
【0030】
条件
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2を、内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料A、
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とする成形用材料4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Bとしたとき、
試料A、試料Bをセンシトメトリー用ステップウウェッジを介して白色露光を行い、以下の現像処理を行い、緑感性層のカブリ濃度を測定し
(試料Bのカブリ濃度−試料Aのカブリ濃度)=カブリ上昇で評価した。
【0031】
処理条件
処理工程 処理時間 処理温度
発色現像 3分15秒 38℃
漂白 45秒 38℃
定着 1分30秒 38℃
安定 1分 38℃
乾燥 1分 55℃
発色現像液
水 800cc
炭酸カリウム 30g
炭酸水素ナトリウム 2.5g
亜硫酸カリウム 3.0g
臭化ナトリウム 1.3g
沃化カリウム 1.2mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g
塩化ナトリウム 0.6g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(βヒドロキシエチル)−
アニリン硫酸塩 4.5g
ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g
水酸化カリウム 1.2g
水を加えて1Lとし、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0032】
漂白液
水 700cc
1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 40g
臭化アンモニウム 150g
氷酢酸 40g
水を加えて1Lとし、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
【0033】
定着液
水 800cc
チオシアン酸アンモニウム 120g
チオ硫酸アンモニウム 150g
亜硫酸ナトリウム 15g
エチレンジアミン四酢酸 2g
アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1Lとする。
【0034】
安定液
水 900cc
パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル(n=10)2.0g
ジメチロール尿素 0.5g
ヘキサメチレンテトラミン 0.2g
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g
シロキサン(UCC製L−77) 0.1g
アンモニア水 0.5cc
水を加えて1Lとした後、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0035】
〔成形物の評価〕
植物繊維と熱可塑性樹脂との混合物を主成分とする成用材料を用いて以下の条件で射出成形した。
【0036】
成形機:J75SA(日本製鋼社製)
ゲート:中央部Φ 0.5mmピン
金型 :100×100×1mm
金型温度:40℃
射出温度:成形用材料の樹脂成分の融点+10℃の温度から徐々に温度を上げて金型の隅まで成形用材料が入る温度を確認して成形した。
【0037】
暗室を23℃、55%RH、雰囲気に調整し24時間放置した感光材料100cm2を内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料C、
23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、これを上記形状に成形した後、約5mm以下の大きさに粉砕した成形物4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Dとしたとき、
試料C、試料Dをセンシトメトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、前記の現像処理を行った後の緑感性層のカブリ濃度を測定し、
(試料Dのカブリ濃度−試料Cのカブリ濃度)=カブリ上昇で評価した。
【0038】
臭気の評価ランクは下記の6段階で評価した。
【0039】
5 無臭
4 やっとかすかに感じる臭い(検知いき値)
3 楽に感じる弱い臭い
2 明らかに感じる臭い
1 強い臭い
0 耐えられないほど強く感じる臭い
外観の評価ランクは下記の6段階で評価した。
【0040】
5 光沢感がある
4 やや光沢感がない
3 表面に細かいうねりがある
2 植物繊維材料の塊が表面に見える
1 表面がざらざらである
0 表面に植物繊維が出ている
実施例1
〔植物繊維と熱可塑性樹脂との混合物を主成分とする成形用材料1の調製〕
市販の広葉樹パルプ(インドネシア産:日本紙パルプ商事)を、蒸留水、希塩酸、希アンモニア水の順番で、それぞれパルプ濃度が0.5%となるよう分散し洗浄した。さらに、洗浄済みの液の伝導度が10μS以下になるまで蒸留水で水洗した。これをガラスフィルターでよく濾過した後、内温度40℃の真空恒温乾燥機で、乾燥機内を10mmHgに減圧しながら乾燥させた。得られた洗浄済みパルプを5mm角の大きさに切断した。
【0041】
バンバリーミキサー(ブラベンダー社製プラスチコーダーPL−2000)の保温層を60℃の温水で暖めながら、
Figure 0003610546
を入れ、混練した。
【0042】
装置上部の押さえ部分をあけ、目視で混練状態を確認し、パルプの塊が見えなくなり均一に混練出来た時点で混練機を止め試料を取り出した。取り出した試料は、手袋をしながら手で細かくちぎることで成形用材料1を作製した。
【0043】
この成形用材料1のカブリ上昇は、0.01であった。この成形用材料1の臭気を10人の観察者が、前述の評価基準に従って評価し、その評価は全員が4以上であり、平均は4.9であった。
【0044】
さらにこの成形用材料1を用いて、前述の射出成型機で成形物1を成形した。
成形物1のカブリ上昇は、0.02であった。またこの成形物1の臭気、及び外観を10人の観察者が、前述の評価基準に従って評価し、その評価は全員が4以上であり、その平均はそれぞれ、4.8と4.7であった。
【0045】
また、この成形用材料1をレンズ付きフィルムの外装材の金型に射出成形し、製品として組み上げ、iso感度400のネガフィルム(コニカ社製:LV400)をいれ、23℃、55%の雰囲気下で、6ヶ月保存したものと、通常の樹脂缶に入れ同様に保存したものとを、前述のセンシトメトリー露光方法で露光、現像し緑感性層のカブリ上昇を調べたところ0.02であった。
【0046】
実施例2
バンバリーミキサー(ブラベンダー社製プラスチコーダーPL−2000)の保温層を140℃のシリコンオイルで暖めながら
前記洗浄済みパルプ 55重量部
ポリプロピレン(日本ポリケム社製EC09) 25重量部
液状ポリイソプレンの水添物(クラレ社製LIR−290) 20重量部
カーボンブラック(ケッツェンブラック社製) 0.5重量部
を入れ、混練した。
【0047】
装置上部の押さえ部分をあけ、目視で混練状態を確認し、パルプの塊が見えなくなり均一に混練出来た時点で混練機を止め試料を取り出した。取り出した試料は、手袋をしながら手で細かくちぎることで成形用材料2を作製した。
【0048】
この成形用材料2のカブリ上昇は、0.03であった。この成形用材料2の臭気を10人の観察者が、前述の評価基準に従って評価し、その評価は全員が4以上であり、その平均は4.6であった。
【0049】
さらにこの成形用材料2を用いて、前述の射出成型機で成形物2を成形した。
成形物2のカブリ上昇は、0.08であった。
【0050】
臭気、及び外観を10人の観察者が、前述の評価基準に従って評価しその評価は全員がそれぞれ4以上であり、その平均はそれぞれ、4.2と4.3であった。
【0051】
また、この材料をレンズ付きフィルムの外装材の金型に射出成形し、製品として組み上げ、iso感度400のネガフィルム(コニカ社製:LV400)をいれ、23℃、55%の雰囲気下で、6ヶ月保存したものと、通常の樹脂缶に入れ同様に保存したものとを、前述のセンシトメトリー露光方法で露光、現像した緑感性層のカブリ上昇は、0.10であった。
【0052】
比較例
特開平7−225453に従い、
クラフト古紙 40重量部
ポリプロピレン(日本ポリケム社製EC09) 60重量部
を、バンバリーミキサー(ブラベンダー社製プラスチコーダーPL−2000)の保温層を160℃のシリコーンオイルで暖めながら、混練した。
【0053】
実施例1と同様に装置上部の押さえ部分をあけ、目視で混練状態を確認し、パルプの塊が見えなくなり均一に混練出来た時点で混練機を止め試料を取り出した。取り出した試料は、手袋をしながら手で細かくちぎることで成形用材料3を作製した。
【0054】
この成形用材料3のカブリ上昇は、0.22であった。この成形用材料3の臭気を10人の観察者により前述の評価基準に従って評価し、その評価は全員が2以下であり、その平均は1.2であった。
【0055】
さらにこの試料を、前述の射出成形機で成形物3を成形した。この成形物3のカブリ上昇は、0.4であった。
【0056】
この成形物3の臭気、及び外観を10人の観察者により、前述の評価基準に従って評価しその評価の平均はそれぞれ、1.5と2.3であった。
【0057】
また、この材料をレンズ付きフィルムの外装材の金型に射出成形し、製品として組み上げ、iso感度400のネガフィルム(コニカ社製:LV400)をいれ、23℃、55%RHの雰囲気下で、6ヶ月保存したものと、通常の樹脂缶に入れ同様に保存したものとを、前述のセンシトメトリー露光方法で露光、現像した緑感性層のカブリ上昇は、0.30であった。
【0058】
この様に、カブリ上昇が0.2以下となるように作成した、植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とした成形用材料は臭いがなく、また該成形用材料を用いて成形した成形物のカブリ上昇が0.2以下のものは、臭いがなく、外観の良いものが得られ、写真感光材料用途として用いても問題のないレベルでることがわかった。
【0059】
【発明の効果】
植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、且つ前記条件を満足することにより、外観に優れ、不快臭が無く、写真特性、特にカブリ上昇に影響の無い成形用材料及び成物を得ることができた。

Claims (2)

  1. 植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、且つ下記条件を満足することを特徴とする成形用材料。
    条件
    23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2を、内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料A、
    23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とする成形用材料4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Bとしたとき、
    試料A、試料Bをセンシトメトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、以下の現像処理を行った後の緑感性層のカブリ濃度が、
    (試料Bのカブリ濃度−試料Aのカブリ濃度)≦0.2
    である。
    処理条件
    処理工程 処理時間 処理温度
    発色現像 3分15秒 38℃
    漂白 45秒 38℃
    定着 1分30秒 38℃
    安定 1分 38℃
    乾燥 1分 55℃
    発色現像液
    水 800cc
    炭酸カリウム 30g
    炭酸水素ナトリウム 2.5g
    亜硫酸カリウム 3.0g
    臭化ナトリウム 1.3g
    沃化カリウム 1.2mg
    ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g
    塩化ナトリウム 0.6g
    4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(βヒドロキシエチル)−
    アニリン硫酸塩 4.5g
    ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g
    水酸化カリウム 1.2g
    水を加えて1Lとし、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
    漂白液
    水 700cc
    1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g
    エチレンジアミン四酢酸 2g
    硝酸ナトリウム 40g
    臭化アンモニウム 150g
    氷酢酸 40g
    水を加えて1Lとし、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
    定着液
    水 800cc
    チオシアン酸アンモニウム 120g
    チオ硫酸アンモニウム 150g
    亜硫酸ナトリウム 15g
    エチレンジアミン四酢酸 2g
    アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1Lとする。
    安定液
    水 900cc
    パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル(n=10)2.0g
    ジメチロール尿素 0.5g
    ヘキサメチレンテトラミン 0.2g
    1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g
    シロキサン(UCC製L−77) 0.1g
    アンモニア水 0.5cc
    水を加えて1Lとした後、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
  2. 植物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、且つ下記条件を満足することを特徴とする成形物。
    条件
    23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2を内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料C、
    23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した感光材料100cm2及び23℃、55%RH雰囲気下で24時間放置した物繊維と該植物繊維よりも低含有量の熱可塑性樹脂との混合物を主成分とし、これを所望の形状に成形した後、約5mm以下の大きさに粉砕した成形物4gとを内径76mm、高さ50mmの円筒状のアルミ製容器に密閉収納し、次いで65℃で72時間放置した後、23℃、55%RH雰囲気下で12時間放冷した後、アルミ製容器から取り出した感光材料を試料Dとしたとき、
    試料C、試料Dにセンシトメトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、前記の現像処理を行った後の緑感性層のカブリ濃度が、
    (試料Dのカブリ濃度−試料Cのカブリ濃度)≦0.2
    である。
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