JP3609507B2 - 血液検査用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一端が開口し、他端が閉塞する有底管体と、該管体の開口部を密封する弾性栓体とからなる血液検査用容器が、血液検査に使用される血液の採血管として、又は採血された血液の検査時の容器として使用されている。
【0003】
上記血液検査用容器の栓体には、通常、表面処理剤が塗布されている。栓体に表面処理剤を必要とする理由は、(1)栓体を管体に打栓する際に潤滑剤として働くものが要る、(2)血清又は血漿の採取を目的とする血液検査用容器の場合、使用時の遠心分離工程において血液が栓体に接触し、その際、表面処理剤がないと栓体に血液が付着して残ることがあり、栓体の取り外し時にその付着血液が血清又は血漿検体に混入して検査値に影響を及ぼす、(3)予め、上記管体内に薬剤(例えば、血液凝固促進剤、血液抗凝固剤など)が封入された血液検査用容器の場合、封入薬剤と血液とを混和させるために転倒混和するが、この場合も血液が栓体に接触し上記(2)と同様の現象が起こる、からである。
【0004】
表面処理剤としては、従来、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーンオイルが使用されているが、その粘度は数百〜千数百センチストークス程度であった。また、特公平5−73174号公報には、表面処理剤として、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルが開示されているが、その粘度は625〜1400センチストークス(25℃)程度であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、栓体の表面処理剤は血液などの検体に触れると、微量ではあるが検体に移行する。近年、特に免疫血清学的検査のように検体中に極く微量存在するものを検出する要望の高まり、及び測定機器の発達により、高感度で検査する項目が増大しており、移行した極く微量のシリコーンオイルの影響を無視できなくなってきている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、栓体が血液と接触しても栓体の表面処理剤が血液へ殆ど移行しない血液検査用容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の血液検査用容器は、一端が開口し、他端が閉塞する有底管体と、該管体の開口部を密封する弾性栓体とからなり、該栓体の少なくとも該管体内部側に位置する面に粘度5千〜10万センチストークス(25℃)のシリコーンオイルが塗布されてなることを特徴とする。
【0007】
上記有底管体の材質としては、ガラス、プラスチックなどが挙げられ、プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に使用される。
【0008】
上記弾性栓体の材質としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0009】
上記シリコーンオイルの粘度は、低くなると血液と接触すると栓体から血液へ微量ながら移行し、高くなるとオイル状を示さなくなるので、5千〜10万センチストークス(25℃)に限定される。
【0010】
上記シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーンオイルの他に、変性シリコーンオイルも用いられ得る。
【0011】
本発明において、弾性栓体にシリコーンオイルを塗布する方法は、例えば、洗浄ドラム装置にシリコーンオイルそのもの又は有機溶媒(例えば、メタノールなど)で希釈されたシリコーンオイルを入れ、この中に栓体を加え、ドラムを回転させてシリコーンオイルと栓体が十分接触するようにさせればよい。塗布方法はこれに限らず、シリコーンオイルが栓体の少なくとも管体内部側に位置する面に十分接触し得る方法であれば、特に限定されない。
また、塗布後のシリコーンオイルは、加熱焼付けしたり、重合させたりする必要はない。
【0012】
本発明の血液検査用容器の使用方法は、従来の技術の項に挙げた方法と同様である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
シリコーンオイルとして、粘度5千センチストークス(25℃)のトーレダウコーニングシリコーン社製、「SH200−5000CS」を洗浄ドラム装置に加え、これに塩素化ブチルゴム製の弾性栓体(上端直径16mm、下端直径14mm、高さ16mm)を入れた後、ドラムを回転させ、該栓体表面全体にシリコーンオイルを塗布した。次いで上記栓体を洗浄ドラム装置から取り出した。
【0014】
この栓体をポリエチレンテレフタレート製の有底管体(開口部内径13.5mm、長さ100mm)に打栓して血液検査用容器を製造した。得られた血液検査用容器にヒト血液を10ml採取後、緩やかに転倒混和した。次いで、常温で5時間、静置しておき、血液が十分凝固したことを確認後、3000回転で10分の条件で遠心分離し血清を得た。
【0015】
得られた血清中の遊離サイロキシン(Free T4、甲状腺機能に関連する検査項目)量を、日本コダックダイアグノスティックス社製検査装置、「アマライトプロセッシングセンター」を用いて測定した。
【0016】
この試験のコントロールとして、栓体を使用しないポリエチレンテレフタレート製の有底管体を使用したことの他は、上記と同様にして得た血清中の遊離サイロキシン量を測定した。
【0017】
コントロールの測定値を100としたときの、本実施例の血液検査用容器を使用して得られた血清の測定値を表1に示した。
【0018】
なお、本実施例と同様にしてシリコーンオイルを塗布して得られた栓体をメタノールで洗浄して、付着していたシリコーンオイルをメタノールに溶解させ、次いでメタノールを蒸発させて残留シリコーンオイル量を測定することにより、栓体付着シリコーンオイル量を測定すると、付着シリコーンオイル量は、栓体1cm2 あたり10〜20μgであった。
【0019】
(実施例2)
シリコーンオイルとして、粘度3万センチストークス(25℃)のローヌプーラン社製、「Silbione 70047 V30000」を使用したことの他は、実施例1と同様にして血清中の遊離サイロキシン量を測定し、コントロールの測定値を100としたときの、本実施例の血液検査用容器を使用して得られた血清の測定値を表1に示した。なお、本実施例と同様にしてシリコーンオイルを塗布して得られた栓体の付着シリコーンオイル量を実施例1と同様にして測定すると、付着シリコーンオイル量は、栓体1cm2 あたり15〜30μgであった。
【0020】
(実施例3)
シリコーンオイルとして、粘度10万センチストークス(25℃)のローヌプーラン社製、「Silbione 70047 V100000」を使用したことの他は、実施例1と同様にして血清中の遊離サイロキシン量を測定し、コントロールの測定値を100としたときの、本実施例の血液検査用容器を使用して得られた血清の測定値を表1に示した。なお、本実施例と同様にしてシリコーンオイルを塗布して得られた栓体の付着シリコーンオイル量を実施例1と同様にして測定すると、付着シリコーンオイル量は、栓体1cm2 あたり15〜30μgであった。
【0021】
(比較例1)
シリコーンオイルとして、粘度1300センチストークス(25℃)のトーレダウコーニングシリコーン社製、「SH3749」を使用したことの他は、実施例1と同様にして血清中の遊離サイロキシン量を測定し、コントロールの測定値を100としたときの、本比較例の血液検査用容器を使用して得られた血清の測定値を表1に示した。なお、本比較例と同様にしてシリコーンオイルを塗布して得られた栓体の付着シリコーンオイル量を実施例1と同様にして測定すると、付着シリコーンオイル量は、栓体1cm2 あたり200〜400μgであった。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より、実施例1〜3の血液検査用容器を使用したものでは、遊離サイロキシン量は、コントロールの測定値と殆ど差異がないが、比較例1の血液検査用容器を使用したものでは、遊離サイロキシン量は、コントロールの測定値の約10倍となった。
【0024】
【発明の効果】
本発明の血液検査用容器の構成は、上述の通りであり、栓体に粘度5千〜10万センチストークス(25℃)のシリコーンオイルが塗布されているので、栓体が血液と接触しても栓体の表面処理剤が血液へ殆ど移行しない。従って、本発明の血液検査用容器は、血液中に微量存在する物質を高感度で検査する際に特に適している。
Claims (1)
- 一端が開口し、他端が閉塞する有底管体と、該管体の開口部を密封する弾性栓体とからなり、該栓体の少なくとも該管体内部側に位置する面に粘度5千〜10万センチストークス(25℃)のシリコーンオイルが塗布されてなることを特徴とする血液検査用容器。
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JP28596495A JP3609507B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 血液検査用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28596495A JP3609507B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 血液検査用容器 |
Publications (2)
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JPH09122104A JPH09122104A (ja) | 1997-05-13 |
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JP28596495A Expired - Fee Related JP3609507B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 血液検査用容器 |
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Families Citing this family (1)
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JP4495317B2 (ja) * | 2000-08-21 | 2010-07-07 | 積水化学工業株式会社 | 真空検体採取容器用栓体 |
-
1995
- 1995-11-02 JP JP28596495A patent/JP3609507B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09122104A (ja) | 1997-05-13 |
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