JP3608501B2 - 超音波探触子とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、診断、治療などの医療分野や、非破壊検査等の産業用分野等の超音波応用機器に利用される超音波探触子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波探触子は特開昭63−212299号に記載されたものが知られている。
【0003】
図47〜48に従来の超音波探触子の概略を示しており、図47は斜視図、図48は上面図である。多数の圧電振動子1が直線状に並列配置され、各圧電振動子1は、圧電体3の対向する両表面に電極4が施されて構成されている。
【0004】
配線部2は、ベア基板6と配線パターン5から構成される。配線パターン5は、圧電体3に施された電極4の一方と電気的に接続される。
【0005】
図48に示すように、この従来の超音波探触子においては、配線パターン5は、圧電振動子1の配列方向と直交する方向に沿って、各圧電振動子1ごとに左右交互に引き出された構成である。
【0006】
また、2次元アレイタイプの従来の超音波探触子として特開平7−131895号に記載されたものが知られており、その配線部の構造を図49に示す。
【0007】
図49は2次元アレイ配列の行方向の1列のみについて、列方向の圧電振動子配列に接続する配線部の構造を示したものである。2次元アレイタイプの場合、図49中の列方向の中心線に対して線対称の位置関係にある圧電振動子を同位相で駆動させる場合があり、その場合の配線パターン5として、図49中の列方向の中心線に対して線対称の位置関係にある2つの導通部7をそれぞれ1本の配線パターン5で共通に接続した場合の構成である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、例えば医療用超音波診断装置などの超音波計測システムにおいては、高周波化や多チャンネル化が進んできている。それに伴って、超音波探触子では圧電振動子の多素子化が起こり、同時に各圧電振動子が微細になり、また圧電振動子のピッチ間隔も非常に狭くなってきている。
【0009】
従来の技術では、例えば特開昭63−212299号記載の超音波探触子では、図47〜48に示すように、配線部2の配線パターン5を各圧電振動子の配列方向と直交する方向に各圧電振動子ごとに交互に引き出しているので、各配線パターン5のピッチ間隔は圧電振動子のピッチ間隔の約2倍にはなるが、それ以上に配線パターン5のピッチ間隔には広げられないため、圧電振動子のピッチ間隔が狭くなるにつれて、隣接する圧電振動子1に接続している配線パターン5で発生する電気的なクロストークの悪影響が懸念される。
【0010】
さらに、2次元アレイタイプにおける特開平7−131895号記載の超音波探触子の場合においては、図49に示すように、圧電振動子の1行の配列の幅のなかで、複数の配線パターン5を形成しなければならず、たとえ2つの圧電振動子を共通接続することで配線パターン5の数を半分にしたとしても、圧電振動子の幅や配列ピッチが狭くなってしまうと配線パターン5のピッチを広げられず、やはり電気的なクロストークが懸念されるという課題がある。
【0011】
本発明は、上記の課題を鑑み、圧電振動子と電気的に接続する配線部の配線パターンで発生する電気的なクロストークを低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、配線部の少なくとも一部は、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼成することによって形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有するように構成した超音波探触子である。
【0013】
また、圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、圧電振動子と少なくとも一部の配線部とは、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼結することによって一体形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有することを特徴とする超音波探触子である。
【0014】
また、圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、配線部を配線パターンに沿って分割したことを特徴とする超音波探触子である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態は、圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、配線部の少なくとも一部は、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼成することによって形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有することを特徴とする超音波探触子である。
【0016】
好ましくは、配線部の少なくとも一部は、表裏両面に配線パターンを有する。
【0017】
好ましくは、配線部の少なくとも一部は、配線部内部に配線パターンを有する。
【0018】
好ましくは、配線部の少なくとも一部は、厚み方向の配線パターンと配線パターンとの間に導電層を有する。
【0019】
圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、圧電振動子と少なくとも一部の配線部とは、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼結することによって一体形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有することを特徴とする超音波探触子である。
【0020】
好ましくは、配線部の少なくとも一部は、表裏両面に配線パターンを有する。
【0021】
配線部の少なくとも一部は、厚み方向の配線パターンと配線パターンとの間に導電層を有する。
【0022】
圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、配線部を配線パターンに沿って分割したことを特徴とする超音波探触子である。
【0023】
好ましくは、圧電振動子も同時に分割したものである。
【0024】
上記いずれかにの超音波探触子を有する超音波診断装置、非破壊検査装置、超音波応用機器を用い、信頼性の高い装置が得られる。
【0025】
圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、配線部の少なくとも一部を圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼成することによって形成することを特徴とする超音波探触子の製造方法である。
【0026】
圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、圧電振動子と少なくとも一部の配線部とを圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼結することによって一体形成することを特徴とする超音波探触子の製造方法である。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図46を用いて説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態による超音波探触子の概略図である。図1において、圧電振動子1は、電気パルスを超音波に、また超音波パルスを電気信号に変換する作用をもつもので、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、例えば銀ペーストからなる電極4とから構成されたものである。
【0030】
配線部2は、例えば銅箔からなる配線パターン5と、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6から構成されたものであり、図示しない超音波診断装置などの装置本体からの電気パルスを圧電振動子1に供給したり、あるいは超音波パルスが圧電振動子1によって変換された電気信号を、同じく図示しない超音波診断装置などの装置本体に供給する作用を有するものである。
【0031】
配線部2の配線パターン端部には外部接続端子が形成され、図示しない例えばコネクタや同軸ケーブルを介して、図示しない超音波診断装置などの装置本体と接続するのであるが、図1では省略している。
【0032】
配線部2における配線パターン5は、ベア基板6の上面、下面、内部の厚み方向に異なる3つの位置に、隣接する配線パターン5が同じ厚み位置の同一面上に配置されないように形成する。この構成にすることで、隣接する圧電振動子1と電気的に接続する配線パターン5が、厚み方向で同じ位置の同一平面上に存在することがないため、同一平面上に存在する場合に比べて隣接する圧電振動子1に電気的に接続する配線パターン5の間隔を広く確保することができ、電気的なクロストークを抑えることができる。
【0033】
さらにベア基板6の厚みを制御したり、内部に存在する配線パターンの位置を制御したりすることによって、隣接する圧電振動子1に電気的に接続する配線パターン5の間隔を所望の間隔にすることができ、より電気的なクロストークを抑える効果を得ることが可能である。
【0034】
なお、図1では、内部の配線パターン5は、ベア基板の厚みのほぼ中央部に存在するように図示したが、その厚み方向における位置が異なる場合や、存在する断面が複数である場合についても、本発明の効果は変わらず実施可能である。
【0035】
また、図1では、隣接する圧電振動子1に電気的に接続する配線パターン5の位置を、順に上面、内部、下面、内部、上面と、高さ位置の順序に従って上下に変化させた場合について説明したが、この順序を所望の順に変更したとしても、本発明の効果は変わらず実施可能である。
【0036】
なお、図1及びそれ以降の図面において、基板内、基板間、基板の裏面等の実際には見えない箇所について、説明しやすいように、必要に応じて透過して見える状態として表示してある。
【0037】
次に、本発明の実施の形態による超音波探触子の具体的な製造方法について説明する。図2〜5に本実施の形態の超音波探触子の製造方法の概略を表す斜視図を示す。ここでは、配線部2は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターン5が配置された場合について特に説明する。
【0038】
図2に示すように、配線部2は2つの配線基板8を重ねて接合することで形成される。各配線基板8は、例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6の上に、例えば銅箔をエッチング処理したり、あるいは、所望の配線パターンと同一のマスクを使用して銀ペーストをスクリーン印刷したりして、配線パターン5を形成したものである。
【0039】
そして2つの配線基板8を重ねて接合した後、図3に示すように、所望の位置に例えばレーザ加工によって各配線パターン5の高さ位置まで達する穴を形成し、その穴に例えば銀ペーストなどの導電性材料を充填することによって、各配線パターン5と図示しない圧電振動子とを電気的に接続する導通部7を形成する。
【0040】
次に図4に示すように、この配線部2の上に、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、その対向する両表面に施された例えば銀ペーストからなる電極4から構成される圧電振動子1を配置し、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合させた後に、図5に示すように配線部2の配線パターン5の間隔に合わせて、例えばダイシングソーなどの素子分割用装置を用いて、圧電振動子1を分割する。
【0041】
このとき分割する切断溝の深さとしては、最小限、圧電振動子1の両面に施された電極4を分割するだけの深さが必要であり、それ以上の深さであればよい。さらに配線部2が、例えばフェライトゴムからなるバッキング材などの支持体の上に固定されているのであれば、配線部2を完全に分割しても構わない。
【0042】
なお、ここでは、配線部は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターン5が配置された場合について特に説明したが、配線部内部において複数の高さ位置に配線パターンを配置する場合であっても、単に重ねる配線基板の枚数が変化するだけであり、本発明の効果は変わらず、本発明を逸脱するものではない。
【0043】
また、ここでは、各配線基板8を接合した後に穴加工を施して導通部7を形成する場合について説明したが、図6に示すように、各配線基板8の状態で、所望の位置に、貫通もしくは裏面の配線パターン5に達する導通部用穴9を予め形成してあってもよい。
【0044】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0045】
続いて、図7〜11を用いて本発明の実施の形態による超音波探触子の別の具体的な製造方法について説明する。同様にここでも、配線部は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターンが配置された場合について特に説明する。
【0046】
図7に示すように、例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる、圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の第1の圧電前駆材10aの上に、例えば白金ペーストをパターン印刷することにより、第1の配線パターン5aを形成する。
【0047】
続いて、図8に示すように所望の位置に貫通させた導通部用穴9を施した板状の第2の圧電前駆材10bをその上に配置する。
【0048】
その後、図9に示すように、圧電前駆材10bの上に第2の配線パターン5bを形成すると同時に、導通部用穴9に例えば白金ペーストなどの導電性材料を充填して導通部7を形成する。
【0049】
さらにその上に、図10に示すように同じく所望の位置に導通部用穴9を施した板状の第3の圧電前駆材10cを重ねて配置した後に、図11に示すように、第3の配線パターン5cと導通部用穴9へ導電性材料を充填した導通部7を形成する。
【0050】
この後、配線部2を焼成し、圧電前駆材を圧電セラミクスとすることで、配線部2が完成する。なお、焼結の際、所定の収縮率による収縮が発生するため、圧電前駆材の段階では、収縮率を考慮した大きさで全体を構成しておかねばならない。
【0051】
その後、図4、図5と同様に、配線部2の上に、例えば圧電セラミクスからなる圧電体とその両面に施された例えば銀ペーストからなる電極から構成される圧電振動子を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合させた後に、配線部2の配線パターン5の間隔に合わせて、例えばダイシングソーなどの素子分割用装置を用いて、圧電振動子を分割する。
【0052】
この場合でも、分割する切断溝の深さとしては、最小限、圧電振動子の両面に施された電極4を分割するだけの深さが必要であり、それ以上の深さであればよい。さらに配線部2が、例えばフェライトゴムからなるバッキング材などの支持体の上に固定されているのであれば、配線部2を完全に分割しても構わない。
【0053】
なお、ここでは第2、第3の圧電前駆材10b,10cを重ねて配置した後に、第2、第3の配線パターン5b,5cを形成しているが、予め第2、第3の配線パターン5b,5cを形成した第2、第3の圧電前駆材10b,10cを重ねるなど、順序については作業性を考慮して柔軟に変化させても、本発明を逸脱するものではない。
【0054】
さらに、図7〜11では、配線部は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターンが配置された場合について特に説明したが、配線部内部において複数の高さ位置に配線パターンを配置する場合であっても、単に重ねる圧電前駆材及び配線パターンの数が変化するだけであり、本発明の効果は変わらず、実施可能である。
【0055】
また、図7〜11では、圧電前駆材に予め導通部用穴9を施してから重ねているが、すべての圧電前駆材を重ねてから導通部用穴9を加工して導通部7を形成してもよい。
【0056】
さらに、ここで説明した板状の圧電前駆材は、予め板の形状をしたものを重ねても、流動性を保持した液状の圧電前駆材を板状に塗り伸ばして重ねても、どちらでもよい。
【0057】
また、配線部2の上に圧電振動子1を接合する際に、例として導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いると説明したが、配線部の配線パターン5もしくは導通部7と圧電振動子1が電気的に導通されれば、用いる材料や接合方法等はいかなるものであっても、本発明を逸脱するものではない。
【0058】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0059】
さらに、図12〜14を用いて本発明の実施の形態による超音波探触子の別の具体的な製造方法について説明する。図12は図11に示した圧電前駆材を焼結させる前の配線部2の上に、例えば白金ペーストからなる電極4を予め施しておき、その上に圧電振動子となるための所望の厚みの圧電前駆材10dを形成する様子を示したものである。
【0060】
ここで、圧電振動子となるための所望の圧電前駆材10dを形成する際に、1枚の板状の圧電前駆材であっても、薄い板状の圧電前駆材を重ねたものであっても、どちらでも構わない。さらに、圧電前駆材10dは、予め板の形状をしたものを重ねても、流動性を保持した液状の圧電前駆材を板状に塗り伸ばして重ねても、どちらでもよい。
【0061】
図13は、圧電振動子となるための所望の厚みの圧電前駆材10dの上に例えば白金ペーストからなる電極4を作成したものである。この後、全体を焼成して、配線部2を構成する圧電前駆材および圧電振動子を構成する圧電前駆材10dを圧電セラミクスとすることで、配線部2と圧電振動子1を一体形成することができる。
【0062】
こうすることによって、配線部2と圧電振動子1を接合する工程が省略でき、容易に製造可能となると共に、接合による特性のばらつきを抑える効果も得られ、信頼性も向上させることが可能となる。
【0063】
なお、圧電前駆材10dが圧電セラミクスへと焼結する際、所定の収縮率による収縮が発生するため、圧電前駆材10dの段階では、収縮率を考慮した大きさで構成しておかねばならない。
【0064】
焼成後、図14に示すように、例えばダイシングソーなどにより、配線パターン5に合わせて圧電振動子1を分割する。分割する際は、最低限上面の電極だけを分割すれば良く、音響クロストーク等の超音波探触子の特性を考慮しながら、それ以上の深さで分割すればよい。
【0065】
あるいは音響クロストーク等の超音波探触子の要求特性を満たすのであれば、図15に示すように、配線パターン5に沿って、配線部2の下側から分割して、共通電極として圧電振動子1の上面の電極を分割しない程度に分割してもよく、この場合は配線部2が分割されるため、さらに配線パターン5における電気的なクロストークを抑制する効果が得られる。
【0066】
圧電振動子1の分極処理については、圧電振動子1を構成する圧電セラミクスからなる圧電体3は分割前もしくは分割後に実施すればよい。
【0067】
なお、配線部2の形成に使用した圧電前駆材と圧電振動子の形成に使用した圧電前駆材10dは同一材料でも異なる材料であっても、同時に焼成できれば構わない。
【0068】
さらに、ここでは、圧電振動子1の分割を焼成後に行なったが、焼成前の圧電前駆材の状態で行なっても構わない。
【0069】
また、図7〜14で説明した配線部2は、特に圧電前駆材を用いた場合について説明したが、例えば、樹脂を蒸着、硬化させる工程と配線パターンを蒸着する工程を繰り返すプロセス技術を用いて作製するなど、配線パターンを構成する導電性材料と非導電性材料が厚み方向に交互に重なりあうことによって、配線部2が構成されればよい。
【0070】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0071】
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態による超音波探触子の概略図である。図16において、圧電振動子1は、電気パルスを超音波に、また超音波パルスを電気信号に変換する作用をもつもので、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、例えば銀ペーストからなる電極4とから構成されたものである。
【0072】
配線部2は、例えば銅箔からなる配線パターン5と、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6と、例えば銅箔からなるシールド効果を有する導電層11から構成されており、図示しない超音波診断装置などの装置本体からの電気パルスを配線パターン5を通じて圧電振動子1に供給したり、あるいは超音波パルスが圧電振動子1によって変換された電気信号を、同じく配線パターン5を通じて図示しない超音波診断装置などの装置本体に供給する作用を有するものである。
【0073】
配線部2の配線パターン端部には外部接続端子が形成され、図示しない例えばコネクタや同軸ケーブルを介して、図示しない超音波診断装置などの装置本体と接続するのであるが、図16では省略している。
【0074】
配線部2における配線パターン5は、ベア基板6の上面、下面、内部の厚み方向に異なる3つの位置に、隣接する配線パターン5が同じ厚み位置の同一面上に配置されないように形成する。また、各配線パターン5の厚み位置の中間に導電層11を挟み込んだ構成とし、導電層11は電気的にアース電位になるようにする。
【0075】
この構成によって、配線パターン間の電気的なクロストークは、導電層11によるシールド効果によって抑えることができる。さらに導電層11のシールド効果によって、導電層11がない構成の配線部2においては電気的なクロストークを避けるために必要であったベア基板6の厚みが必要でなくなるため、配線部2を薄くすることも可能となる。
【0076】
次に、本発明の実施の形態による超音波探触子の具体的な製造方法について、特に配線部2の製造方法を説明する。図17〜22に本実施の形態の超音波探触子の配線部の製造方法の概略を表す斜視図を示す。ここでは、配線部2は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターン5が配置された場合について特に説明する。
【0077】
図17は、配線部2のうちで最も表面にあたる部分を構成する配線基板8で、例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6の上に、例えば銅箔をエッチング処理することで構成された配線パターン5を、図示しない圧電振動子の配列を考慮した上で所望の位置に配置する。
【0078】
さらに、例えばドリルによる機械加工やレーザ加工によって導通部用穴9を同じく図示しない圧電振動子の配列を考慮した上で所望の位置に貫通した状態で開ける。
【0079】
図18は、図17の下に配置される配線基板8であり、ベア基板6の上に例えば銅箔からなる導電層11を接着等により設けたものである。
【0080】
図19は図18の下に配置される配線基板8であり、図17と同様にベア基板6の上に配線パターン5を施すとともに、導通部用穴9を所望の位置に貫通させておく。
【0081】
図20は、図18と同じ構成であり、図19の下に配置される配線基板8である。
【0082】
図21は図20の下に配置される配線基板8であり、ベア基板6の上に配線パターン5を施したものである。
【0083】
図22は図20と図21の代わりに図19の下に配置する配線基板8であり、ベア基板6の上側に導電層11を配置し、下側に配線パターン5を施した構成である。
【0084】
これら図17〜21の5枚の配線基板8もしくは図17〜19、22の4枚の配線基板8を重ねて、例えばエポキシ樹脂系の接着剤等で接合し、導通部用穴9に例えば銅ペーストなどの導電性材料を充填することで、図23あるいは図24に示すような配線部2を作ることができる。
【0085】
図23は図17〜21の5枚の配線基板8を重ねて作ったものであり、図24は図17〜19、22の4枚の配線基板8を重ねて作ったものであり、違いは配線部2の裏面に配線パターン5があるか、その配線パターンがさらにベア基板6で覆われているかの違いであり、配線パターン5間の電気的なクロストークを抑える効果はどちらも変わりない。
【0086】
なお、図17〜22では、配線基板8に導通部用穴9を予め施した状態で重ねる場合について説明したが、配線基板8を重ねてから導通部用穴9を加工して導通部7を作製してもよい。
【0087】
図17〜22に示した方法で作製した配線部2の上に、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、その両面に施された例えば銀ペーストからなる電極4から構成される圧電振動子1を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合させた後に、配線部2の配線パターン5の間隔に合わせて、例えばダイシングソーなどの素子分割用装置を用いて、圧電振動子1を分割することで、図16に示した超音波探触子を作製することができる。
【0088】
このとき分割する切断溝の深さとしては、最低限、圧電振動子1の両面に施された電極4を分割するだけの深さが必要であり、それ以上の深さであればよい。ただし、導電層11までも分割してしまうようであれば、個々に分割された導電層11を何らかの方法で電気的に接続しアース電位に落とす必要が発生する。
【0089】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0090】
また、図17〜22では、配線部2は上面、内部、下面の3つの高さ位置に配線パターン5が配置された場合について特に説明したが、配線部2内部においてさらに複数の高さ位置に配線パターン5を配置する場合であっても、単に重ねる配線基板8の数が変化するだけであり、本発明の効果は変わらず、本発明を逸脱するものではない。
【0091】
さらに、図17〜22では、配線部2は例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6と例えば銅箔からなる配線パターン5や同じく例えば銅箔からなる導電層11によって構成される配線基板8を用いて配線部2を形成する方法について説明したが、ベア基板6の変わりに例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の圧電前駆材を用い、配線パターン5は例えば白金ペーストをパターン印刷することにより形成された配線パターンを用い、導電層11は例えば白金ペーストを塗布することにより形成された導電層を用いて、それら重ねあわせて導通部7の形成をした後に焼成することで、(実施の形態1)で示した配線部2とまったく同様に本実施の形態の超音波探触子の配線部2を形成することが可能である。
【0092】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0093】
(実施の形態3)
図25は、本発明の実施の形態による超音波探触子の概略図である。また、図26は、図25に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図である。図25および図26において、圧電振動子1は、電気パルスを超音波に、また超音波パルスを電気信号に変換する作用をもつもので、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、例えば銀ペーストからなる電極4とから構成されたものであり、行方向と列方向に2次元的に配列されている。特に図25および図26は、列方向の圧電振動子1の配列数を3とした場合について示したものである。
【0094】
配線部2は、例えば銅箔からなる配線パターン5と、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6から構成されたものであり、図示しない超音波診断装置などの装置本体からの電気パルスを圧電振動子1に供給したり、あるいは超音波パルスが圧電振動子1によって変換された電気信号を、同じく図示しない超音波診断装置などの装置本体に供給する作用を有するものである。
【0095】
配線部2の配線パターン端部には外部接続端子が形成され、図示しない例えばコネクタや同軸ケーブルを介して、図示しない超音波診断装置などの装置本体と接続するのであるが、図25および図26では省略している。
【0096】
図25および図26に示した構成では、配線部2は列方向に2分されており、一方の配線部2は、列方向に3つ並んだ中央の圧電振動子1と電気的に接続した配線パターン5を配線部2の裏側表面に配置している。
【0097】
この構成にすることによって、列方向中央の圧電振動子1に接続された配線パターン5と、その外側の圧電振動子に接続された配線パターン5は、その間隔を少なくともベア基板6の厚み分は確保することが可能となり、電気的なクロストークを抑えることができる。
【0098】
なお、図25に示した構成では、配線部2は列方向に2分されているが、図27に示すように、同一行の圧電振動子1配列に対応する配線パターン5を直線状に配置する際の位置合わせが容易になるように、配線パターン5が配置されている部分以外をあえてつなげたような一体型の配線部2の構成であっても、本発明の効果は変わらない。
【0099】
図28は、本実施の形態の超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の製造方法を示した概略図である。図28に示すように、最初は、例えばカプトンなどからなるベア基板6の片側表面に、圧電振動子の配列を考慮して例えば銅箔からなる所望の配線パターン5を施した配線基板8を作成しておき、その配線基板8を所望の位置で折り曲げることによって、表裏両面に配線パターン5を有する配線部2を製造する。
【0100】
この製造方法によって、最初から配線部2のベア基板6両面に配線パターン5を施すという手間がなく簡便に表裏両面に配線パターン5を有する配線部2を構成することができ、配線パターン5における電気的なクロストークを抑えた超音波探触子を実現することができる。
【0101】
なお、図28では、配線基板8上の配線パターン5は予め圧電振動子の列方向の配列に合わせて所望の位置で分割したが、分割せずに繋がっていてもよく、その場合は超音波探触子を製造する工程のなかで圧電振動子を分割するときに一緒に配線パターン5も分割すればよい。
【0102】
さらに図29は、本発明の実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の別の製造方法を示した概略図である。図29に示すように、予め圧電振動子の配列を考慮して配線パターン5を施した2枚の配線基板8を、配線パターン5を施していない面同士を接合した後、所望の位置に例えばレーザやドリルによって加工した裏側の配線パターンに到達する穴をベア基板6にあけ、その穴に例えば導電ペーストや金属ピンなどの導電性材料を詰めて裏側の配線パターン5と図示しない表側の圧電振動子との電気的導通を確保する導通部7を構成することで配線部2を製造する。
【0103】
この製造方法によって、最初から配線部2の両面に配線パターン5を施すという手間がなく簡便に表裏両面に配線パターン5を有する配線部2を構成することができ、配線パターン5における電気的なクロストークを抑えた超音波探触子を実現することができる。
【0104】
なお、図29では、導通部7として、加工した穴に導電性材料を詰めた構成としたが、ベア基板6の側面から表面にかけて導電性材料を裏側の配線パターン5と同一のパターンで、ちょうど配線パターン5を裏面から側面を通じて表面に延長したようなかたちで配置することで、導通部7としてもよい。
【0105】
また、ここでは、配線基板8を接合した後に穴加工を施して導通部7を形成する場合について説明したが、配線基板8の状態で所望の位置に予め貫通もしくは配線パターン5に達する穴を施してあってもよい。
【0106】
図28および図29を用いて説明した製造方法によって作られた一方の配線部2と、例えば銅箔からなる配線パターン5を例えばカプトンなどからなるベア基板6の表面に構成したもう一方の配線部2に、圧電体3と電極4からなる圧電振動子1を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合した後、例えばダイシングソーなどを用いて、最低限圧電体3の両面に施された電極4を切断する深さの溝を形成して素子分割を行うことで、図25に示すような本実施の形態の超音波探触子を作ることができる。
【0107】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0108】
さらに、ここでは配線部2が2つに分かれている場合について説明したが、図29を用いて説明した配線部2の製造方法であれば、図30に示した断面図のような1つの配線部2も製造可能であり、このような形態であっても本発明の効果は変わらず、本発明を逸脱するものではなく、さらに2つの配線部2の位置合わせが不要になるため、より作業性が向上する効果も得られる。
【0109】
また、図28および図29では、配線部2は例えばカプトンからなるベア基板6と例えば銅箔からなる配線パターン5によって構成される配線基板8を用いて配線部2を形成する方法について説明したが、ベア基板6の変わりに例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の圧電前駆材を用い、配線パターン5は例えば白金ペーストをパターン印刷することにより形成された配線パターンを用いて、図28のように折り曲げてから焼成したり、図29のように重ねあわせ及び導通部7の形成をした後に焼成することで、(実施の形態1)で示した配線部2とまったく同様に一方の配線部2を形成することが可能である。
【0110】
さらに、もう一方の配線部2も圧電前駆材と配線パターンによって形成し、2つの焼成前の配線部2の上に、圧電振動子1になるための所望の厚みの圧電前駆材を重ねて、その上に電極を施した後に焼結することによって、(実施の形態1)で示した超音波探触子の製造方法とまったく同様に(実施の形態2)の超音波探触子も製造可能である。
【0111】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0112】
(実施の形態4)
図31は、本発明の実施の形態による超音波探触子の概略図である。さらに図32は、図31に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図である。図31および図32において、圧電振動子1は、電気パルスを超音波に、また超音波パルスを電気信号に変換する作用をもつもので、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、例えば銀ペーストからなる電極4とから構成されたものである。
【0113】
配線部2は、2分されており、一方の配線部2は、例えば銅箔からなる配線パターン5と、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6と、例えば銅箔からなるシールド効果を有する導電層11から構成されており、図示しない超音波診断装置などの装置本体からの電気パルスを配線パターン5を通じて圧電振動子1に供給したり、あるいは超音波パルスが圧電振動子1によって変換された電気信号を、同じく配線パターン5を通じて図示しない超音波診断装置などの装置本体に供給する作用を有するものである。
【0114】
もう一方の配線部2は、配線パターン5とベア基板6から構成され、同様の作用を有している。配線部2の配線パターン端部には外部接続端子が形成され、図示しない例えばコネクタや同軸ケーブルを介して、図示しない超音波診断装置などの装置本体と接続するのであるが、図31および図32では省略している。
【0115】
図32に示すように、2分された一方の配線部2は、3つ並んだ中央の圧電振動子1と配線部2の裏側表面に配置した配線パターン5を電気的に接続し、かつ表側表面に配置した配線パターン5と裏側表面に配置した配線パターン5の間に導電層11を挟み込んだ構成とし、導電層11は電気的にアース電位になるようにする。この構成によって、配線部2の表側の配線パターン5と裏側の配線パターン5間の電気的なクロストークは、導電層11によるシールド効果によって抑えることができる。
【0116】
なお、図31に示した構成では、配線部2は列方向に2分されているが、すでに図27に示したように、同一行の圧電振動子の配列に対応する配線パターン5を直線状に配置する際の位置合わせが容易になるように、配線パターン5が配置されている部分以外をあえてつなげたような一体型の配線部2の構成であっても、本発明の効果は変わらない。
【0117】
図33は、本実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の製造方法を示した概略図である。図33に示すように、最初は、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6の片側表面に、圧電振動子の配列を考慮した例えば銅箔からなる所望の配線パターン5を施し、対向する片側表面にはベア基板6表面全体を覆う例えば銅箔からなる導電層11を配置した配線基板8を作成しておく。作成した配線基板8を所望の位置で導電層11を配置した面から見て谷折りに折り曲げることによって、表裏両面に配線パターン5を有し、かつその間に導電層11を有する配線部2を製造する。
【0118】
この製造方法によって、最初から配線部2のベア基板6内部に導電層11を施すという手間がなく簡便に表裏両面に配線パターン6を有し、かつその間に導電層11を有する配線部2を構成することができ、配線パターン5における電気的なクロストークを抑えた超音波探触子を実現することができる。
【0119】
なお、図33では、配線基板8上の配線パターン5は予め圧電振動子の列方向の配列に合わせて所望の位置で分割したが、繋がっていてもよく、その場合は超音波探触子を製造する工程のなかで圧電振動子を分割するときに一緒に配線パターン5も分割すればよい。
【0120】
さらに図34は、本実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の別の製造方法を示した概略図である。図34に示すように、ベア基板6上に予め圧電振動子の配列を考慮して配線パターン5を施した2枚の配線基板8を、例えば銅箔からなる導電層11を挟み込んだ状態で配線パターン5を施していない面同士を例えば接着材による接着工法を用いて接合した後、所望の位置に例えばレーザやドリルによって加工した裏側の配線パターン5に到達する穴をベア基板6にあけ、その穴に例えば導電ペーストや金属ピンなどの導電性材料を詰めて、裏側の配線パターン5と図示しない圧電振動子との電気的導通を確保する導通部7を構成することで製造する。
【0121】
ここで、2枚の配線基板8を接着することによって、図34に示すような接着層12が導電層11の厚み分発生する。なお、導電層11の厚みが接着層12で吸収しきれずに、配線部2全体の厚みが不均一になってしまうようであれば、導電層11と同一厚みのスペーサをベア基板6と同一材料で作成して、接着時にそれを挟んで接着すると良い。
【0122】
この製造方法によって、配線部2のベア基板6内部にわざわざ導電層11を施すという手間がなく簡便に表裏両面に配線パターンを有し、かつその間に導電層11を有する配線部2を構成することができ、配線パターン5における電気的なクロストークを抑えた超音波探触子を実現することができる。
【0123】
なお、図34では、導通部7として、加工した穴に導電性材料を詰めた構成としたが、ベア基板6の側面から表面にかけて導電性材料を裏側の配線パターン5と同一のパターンで、ちょうど配線パターン5を裏面から側面を通じて表面に延長したようなかたちで配置することで、導通部7としてもよい。
【0124】
また、ここでは、配線基板8を接合した後に穴加工を施して導通部7を形成する場合について説明したが、配線基板8の状態で所望の位置に予め貫通もしくは配線パターン5に達する穴を施してあってもよい。
【0125】
図33および図34を用いて説明した製造方法によって作られた一方の配線部2と、例えば銅箔からなる配線パターン5を例えばカプトンなどからなるベア基板6の表面に構成したもう一方の配線部2に、圧電体3と電極4からなる圧電振動子1を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合した後、例えばダイシングソーなどを用いて、最低限圧電体3の両面に施された電極4を切断する深さの溝を形成して素子分割を行うことで、図31に示すような本実施の形態の超音波探触子を作ることができる。
【0126】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0127】
さらに、ここでは配線部2が2つに分かれている場合について説明したが、図34を用いて説明した配線部2の製造方法であれば、図35に示した断面図のような1つの配線部2であっても製造可能であり、このような形態であっても本発明の効果は変わらず、本発明を逸脱するものではなく、2つの配線部2の位置合わせが不要になるため、より作業性が向上する効果が付け加わる。
【0128】
また、図33および図34では、配線部2は例えばカプトンからなるベア基板6と例えば銅箔からなる配線パターン5および同じく例えば銅箔からなる導電層11によって構成される配線基板8を用いて配線部2を形成する方法について説明したが、ベア基板6の変わりに例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の圧電前駆材を用い、配線パターン5は例えば白金ペーストをパターン印刷することにより形成された配線パターンを用い、導電層11は例えば白金ペーストを塗布することにより形成された導電層を用いて、図33のように折り曲げてから焼成したり、図34のように重ねあわせ及び導通部7の形成をした後に焼成することで、(実施の形態1)で示した配線部2とまったく同様に本実施の形態の超音波探触子の一方の配線部2を形成することが可能である。
【0129】
さらに、もう一方の配線部2も圧電前駆材と配線パターンによって形成し、2つの焼成前の配線部2の上に、圧電振動子1になるための所望の厚みの圧電前駆材を重ねて、その上に電極を施した後に焼結することによって、(実施の形態1)で示した超音波探触子の製造方法とまったく同様に本実施の形態の超音波探触子も製造可能である。
【0130】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0131】
(実施の形態5)
図36は本発明の実施の形態による超音波探触子の概略図を示す。また、図37は、図36に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図である。図36および図37において、圧電振動子1は、電気パルスを超音波に、また超音波パルスを電気信号に変換する作用をもつもので、例えば圧電セラミクスからなる圧電体3と、例えば銀ペーストからなる電極4とから構成されたものであり、行方向と列方向に2次元的に配列されている。特に図36および図37は、列方向の圧電振動子1の配列数を5とした場合について示したものである。
【0132】
配線部2は、例えば銅箔からなる配線パターン5と、例えばガラスエポキシやカプトンなどからなるベア基板6と、配線パターン5と圧電振動子1を電気的に接続させるための例えば銀ペーストなどの導電性材料からなる導通部7から構成されたものであり、図示しない超音波診断装置などの装置本体からの電気パルスを圧電振動子1に供給したり、あるいは超音波パルスが圧電振動子1によって変換された電気信号を、同じく図示しない超音波診断装置などの装置本体に供給する作用を有するものである。
【0133】
配線部2の配線パターン端部には外部接続端子が形成され、図示しない例えばコネクタや同軸ケーブルを介して、図示しない超音波診断装置などの装置本体と接続するのであるが、図36および図37では省略している。
【0134】
図36および図37に示した超音波探触子の配線部2は、表面、内部に2段、裏面と4つの異なる高さの位置に配線パターン5が施され、各配線パターン5は、各圧電振動子1とそれぞれ直接あるいは導通部7を介して電気的に接続されている。
【0135】
この構成にすることによって、各圧電振動子1に接続された配線パターン5は、その間隔を間に存在するベア基板6の厚み分だけ確保することが可能となり、ベア基板6の厚みを制御して、配線パターン5の厚み方向の距離を最適化することで、圧電振動子1の配列ピッチとは無関係に配線パターン5間で発生する電気的なクロストークを抑えることができる。
【0136】
図38〜40は、本発明の実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の概略図である。図38に示すように、例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6の上に予め圧電振動子の配列を考慮したうえで配線パターン5を施した3枚の配線基板8を接着剤等を用いて接着する。
【0137】
その結果、図39に示すように、表面と裏面と内部2段の異なる高さの位置に配線パターン5が構成された配線部2を作ることができる。このとき、配線基板8を接着したことによって、配線パターンの厚み分の接着層12が内部に形成される。
【0138】
なお、配線パターン5の厚みが接着層12で吸収しきれずに、配線部2全体の厚みが不均一になってしまうようであれば、配線パターン5と同一厚みのスペーサをベア基板6と同一材料で作成して、接着時にそれを挟んで接着すると良い。
【0139】
次に図40に示すように、圧電振動子1の配列を考慮して、所望の位置に、例えばドリルによる機械加工やレーザ加工により所望の配線パターン5まで到達する穴をあけ、その中に例えば銀ペーストなどの導電性を有する材料を充填することによって、あるいは導電性を有する金属材料のピンを刺すことによって、導通部7を形成する。
【0140】
図38〜40を用いて説明した製造方法によって作られた配線部2に、圧電体3と電極4からなる圧電振動子1を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合した後、例えばダイシングソーなどの素子分割用装置を用いて、最低限圧電体3の両面に施された電極4を切断する深さの溝を形成して素子分割を行うことで、図36に示すような本実施の形態の超音波探触子を作ることができる。
【0141】
なお、図38〜40では、各配線基板8を接着した後に穴加工を施して導通部7を形成する場合について説明したが、接着後に穴加工をしないように、予め各配線基板8の所望の位置に、貫通もしくは裏面の配線パターン5に達する導通部用穴9を形成してあってもよい。
【0142】
また、ここでは、列方向の圧電振動子1の配列数を5とした場合について説明したが、それ以上であっても以下であっても、配列数に応じて、配線部2における配線パターン5の高さ位置の数を増減すれば良く、同様に実施可能である。
【0143】
また、ここでは、配線部2の上に圧電振動子1を接合する際に、例として導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いると説明したが、配線部2の配線パターン5もしくは導通部7と圧電振動子1が電気的に導通されれば用いる材料や接合方法等はいかなるものであっても、本発明を逸脱するものではない。
【0144】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0145】
さらに、図38〜40では、配線部2は例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6と例えば銅箔からなる配線パターン5によって構成される配線基板8を用いて配線部2を形成する方法について説明したが、ベア基板6の代わりに例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の圧電前駆材を用い、配線パターン5は例えば白金ペーストをパターン印刷することにより形成された配線パターンを用いて、それらを重ねあわせて導通部7の形成をした後に焼成することで、(実施の形態1)で示した配線部2とまったく同様に本実施の形態の超音波探触子の配線部2を形成することが可能である。
【0146】
また、図38〜40では、配線部2の左右から配線パターン5を引き出す構成としているが、図41に示すように、片側から取り出す構成であっても、配線部の内部を3段の配線パターン5にすることで実施可能である。
【0147】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0148】
(実施の形態6)
図42〜43は本発明の実施の形態による超音波探触子の概略を示す断面図である。図42〜43は、列方向の圧電振動子1の配列数を5とした場合について示したものであり、図42は、配線部2の左右両方から配線パターンを取り出す構成であり、図43は、配線部2の片側から配線パターンを取り出す構成を示している。
【0149】
(実施の形態5)との違いは、配線部2内の高さの位置が異なる配線パターン5の間に例えば銅箔からなる導電層11が存在することである。このとき、導電層11は、電気的にアース電位になるようにする。この構成によって、配線パターン5間の電気的なクロストークは、導電層11によるシールド効果によって抑えることができる。
【0150】
さらに導電層11のシールド効果によって、導電層11がない(実施の形態5)の超音波探触子の配線部2においては電気的なクロストークを避けるために必要であったベア基板6の厚みが必要でなくなるため、配線部2を薄くすることも可能となる。
【0151】
図44〜46は、本発明の実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の概略図である。図44〜46は、図42に示した配線部2の左右両方から配線パターン5を取り出す構成の配線部2を例として取り上げて図示している。
【0152】
図44に示すように、例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6の上に予め圧電振動子の配列を考慮したうえで配線パターン5を施した配線基板8と、同じく例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6の上に例えば銅箔からなる導電層11を施した配線基板8を交互に重ねて接着剤等を用いて接着する。
【0153】
ただし最下面を構成する配線基板8は、配線パターン5と導電層11の両方を施した配線基板8としている。このとき、導電層11は、導電層11を上下に挟む配線パターン5の長さが短い方よりも長くなるような大きさで構成することが望ましい。
【0154】
接着した結果、図45に示すように、表面と裏面と内部2段の異なる高さの位置に配線パターン5と、各配線パターン5の間に導電層11が挟まれた構成の配線部2を作ることができる。また、配線基板8を接着したことによって、配線パターンの厚み分の接着層12も内部に形成される。
【0155】
なお、配線パターン5の厚みが接着層12で吸収しきれずに、配線部2全体の厚みが不均一になってしまうようであれば、配線パターン5と同一厚みのスペーサをベア基板6と同一材料で作成して、接着時にそれを挟んで接着すると良い。
【0156】
次に図46に示すように、圧電振動子1の配列を考慮して、所望の位置に、例えばドリルによる機械加工やレーザ加工により所望の配線パターン5まで到達する穴をあけ、その中に例えば銀ペーストなどの導電性を有する材料を充填することによって、あるいは導電性を有する金属材料のピンを刺すことによって、導通部7を形成する。
【0157】
図44〜46を用いて説明した製造方法によって作られた配線部2に、圧電体3と電極4からなる圧電振動子1を、例えば導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いて接合した後、例えばダイシングソーなどの素子分割用装置を用いて、最低限圧電体3の両面に施された電極4を切断する深さの溝を形成して素子分割を行うことで、本実施の形態の超音波探触子を作ることができる。
【0158】
なお、図44〜46では、各配線基板8を接着した後に穴加工を施して導通部7を形成する場合について説明したが、接着後に穴加工をしないように、予め各配線基板8の所望の位置に、貫通もしくは裏面の配線パターン5に達する導通部用穴を形成してあってもよい。
【0159】
また、ここでは、列方向の圧電振動子1の配列数を5とした場合について説明したが、それ以上であっても以下であっても、配列数に応じて、配線部2における配線パターン5及び導電層11の配置する高さ位置の数を増減すれば良く、同様に実施可能である。
【0160】
また、ここでは、配線部2の上に圧電振動子1を接合する際に、例として導電ペーストなどの導電性を有する接合用材料を用いると説明したが、配線部2の配線パターン5もしくは導通部7と圧電振動子1が電気的に導通されれば用いる材料や接合方法等はいかなるものであっても、本発明を逸脱するものではない。
【0161】
なお、ここでは圧電振動子1を切断する場合について説明したが、圧電振動子1として、例えばポリ弗化ビニリデンなどの圧電高分子材料や、有機物と無機圧電材料との複合材料など、電極4を素子の配列パターンに配置すれば圧電振動子1そのものが物理的に分割されている必要のないものを用いる場合は、当然切断しなくてもよい。
【0162】
さらに、図44〜46では、配線部2は例えばガラスエポキシやカプトンからなるベア基板6と例えば銅箔からなる配線パターン5によって構成される配線基板8を用いて配線部2を形成する方法について説明したが、ベア基板6の代わりに例えば圧電セラミクスグリーンシートと呼ばれる圧電材料を含む粉末と樹脂などの結合材を混在した板状の圧電前駆材を用い、配線パターン5は例えば白金ペーストをパターン印刷することにより形成された配線パターンを用いて、それらを重ねあわせて導通部7の形成をした後に焼成することで、(実施の形態1)で示した配線部2とまったく同様に本実施の形態の超音波探触子の配線部2を形成することが可能である。
【0163】
なお、(実施の形態2)乃至(実施の形態6)では、圧電振動子1を分割する場合に、音響クロストーク等の超音波探触子の要求特性を満たすのであれば、図15に示したように、配線パターン5に沿って配線部2の下側から分割して、共通電極として圧電振動子1の上面の電極を分割しない程度に分割してもよく、この場合は配線部2が分割されるため、さらに配線パターン5における電気的なクロストークを抑制する効果が得られる。なお、配線部2を分割することで、導電層11も分割してしまう場合には、分割したすべての導電層11をアース電位に落とす必要がある。
【0164】
また、(実施の形態2)乃至(実施の形態6)の配線部2は、本実施の形態に示されたものに限らず、例えば、樹脂を蒸着、硬化させる工程と配線パターンを蒸着する工程を繰り返すプロセス技術を用いて作製するなど、配線パターンあるいは導電層を形成する導電性材料と非導電性材料が厚み方向に重なり合うことによって形成されれば、実施可能である。
【0165】
また、以上のようにクロストークが低減されたことで高精度化された超音波探触子を、超音波診断装置をはじめ、超音波を利用した非破壊検査装置や、その他の超音波応用機器、システムに用いることで、信頼性の高い各種装置、システムを得ることが可能となる。
【0166】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、配線パターン間で発生する電気的なクロストークが抑制された高精度な超音波探触子が得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図2】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図3】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図4】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図5】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図6】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の概略を表す斜視図
【図7】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図8】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図9】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図10】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図11】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図12】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図13】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図14】本発明の一実施の形態による超音波探触子の製造方法の一工程を表す斜視図
【図15】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図16】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図17】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図18】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図19】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図20】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図21】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図22】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す斜視図
【図23】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の概略を表す斜視図
【図24】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の概略を表す斜視図
【図25】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図26】図25に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図
【図27】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図28】本発明の一実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の製造方法を示した概略図
【図29】本発明の一実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の別の製造方法を示した概略図
【図30】本発明の一実施の形態による超音波探触子の断面図
【図31】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図32】図31に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図
【図33】本発明の一実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の製造方法を示した概略図
【図34】本発明の一実施の形態による超音波探触子の2分されたうちの一方の配線部の別の製造方法を示した概略図
【図35】本発明の一実施の形態による超音波探触子の断面図
【図36】本発明の一実施の形態による超音波探触子の概略図
【図37】図36に示したA−A’の位置における超音波探触子の断面図
【図38】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図39】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図40】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図41】本発明の一実施の形態による超音波探触子の断面図
【図42】本発明の一実施の形態による超音波探触子の断面図
【図43】本発明の一実施の形態による超音波探触子の断面図
【図44】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図45】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図46】本発明の一実施の形態による超音波探触子の配線部の製造方法の一工程を表す概略図
【図47】従来の超音波探触子の概略を示す斜視図
【図48】従来の超音波探触子の概略を示す上面図
【図49】従来の超音波探触子の配線部の概略図
【符号の説明】
1 圧電振動子
2 配線部
3 圧電体
4 電極
5、5a、5b、5c 配線パターン
6 ベア基板
7 導通部
8 配線基板
9 導通部用穴
10a、10b、10c、10d 圧電前駆材
11 導電層
12 接着層
Claims (15)
- 圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、配線部の少なくとも一部は、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼成することによって形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有することを特徴とする超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、表裏両面に配線パターンを有することを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、配線部内部に配線パターンを有することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、厚み方向の配線パターンと配線パターンとの間に導電層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波探触子。
- 圧電振動子と、前記圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成する配線部とを有し、圧電振動子と少なくとも一部の配線部とは、圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼結することによって一体形成され、かつ前記配線部の少なくとも一部は、厚み方向に複数の配線パターンを有することを特徴とする超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、表裏両面に配線パターンを有することを特徴とする請求項5記載の超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、配線部内部に配線パターンを有することを特徴とする請求項5又は6記載の超音波探触子。
- 配線部の少なくとも一部は、厚み方向の配線パターンと配線パターンとの間に導電層を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の超音波探触子。
- 圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、配線部を配線パターンに沿って分割したことを特徴とする超音波探触子。
- 圧電振動子も同時に分割したことを特徴とする請求項9記載の超音波探触子。
- 請求項1から10のいずれかに記載の超音波探触子を有する超音波診断装置。
- 請求項1から10のいずれかに記載の超音波探触子を有する非破壊検査装置。
- 請求項1から10のいずれかに記載の超音波探触子を有する超音波応用機器。
- 圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、配線部の少なくとも一部を圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼成することによって形成することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
- 圧電振動子と、圧電振動子に電気的に接続する配線パターンを構成した配線部とを有し、圧電振動子と少なくとも一部の配線部とを圧電材料と結合材を混合した圧電前駆材を焼結することによって一体形成することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
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