JP3608492B2 - 給湯器システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス、石油、電気を燃料とする給湯器システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、出願人は給湯器の接続台数に制限されず、しかも大量の給湯要求にも迅速に対応可能な給湯器システムを特願2000―257977として先に出願した。
この給湯器システムは図6に示されるように、複数の給湯器を連結して運用する給湯器システムにおいて、該システムに連結される給湯器(K1からK12)につき、所定台数単位で給湯器の制御を集約するシステムコントローラ(SC1からSC5)を備えるとともに、これらシステムコントローラは所定台数単位で上位のシステムコントローラに集約される階層構造を備えてなり、最上位のシステムコントローラ(SC5)によってシステムに連結された個々の給湯器の制御が可能とされているものである。
そして、上記給湯器には図示しない入水管と出湯管に分岐管を介して並列に接続されて相互に連結され、内部には入水管から供給される水を加熱するバーナ及び熱交換器と、出湯流量を調節する流量制御開閉弁とを設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の給湯器システムでは、最上位のシステムコントローラ(SC5)から動作開始指令を受けた下位のシステムコントローラ、例えばシステムコントローラ(SC1)は接続されている給湯器(K1〜K3)に対して順次動作指令信号を送信し、流量が減ってくれば最後に流量制御開閉弁を開いた給湯器の流量を絞って順次台数を減数させ、最終的には1台となる。このように、従来の給湯器システムでは、下位のシステムコントローラは複数個(SC1からSC4)存在するので、各システムコントローラ(SC1からSC4)毎にその傘下にある給湯器が区々に運転し始め、また、流量を絞る給湯器も複数台存在することとなる。この結果、大量の給湯要求に応じることができるものの、反面、動作中の各システムコントローラの支配下にある給湯器が1台づつ制御運転の最後に残ってしまい、残存する複数台数以下での減数制御ができなくなる問題点を有していた。
【0004】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、システムコントローラ毎にその傘下にある給湯器が区々に運転し始めることがなく、また、給湯量要求が極少量になった場合においても、最後の1台まで給湯器の台数を制御でき、極小流量調整を行なうことのできる給湯器システムの提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の給湯器システムは、複数の給湯器を連結して運用する給湯器システムであって、上記給湯器の制御を行うシステムコントローラを階層的に配し、給湯要求の増加に応じて、最上位のシステムコントローラが下位のシステムコントローラに対してその傘下の給湯器の動作を許可する動作開始許可信号を順次与えることにより、下位のシステムコントローラの動作台数を増数させて給湯要求に応じた出湯を行わせる給湯器システムにおいて、上記最上位のシステムコントローラは、上記動作開始許可信号を与える際に、当該信号を与える下位のシステムコントローラ以外の動作待機中の下位のシステムコントローラに対して、その傘下の給湯器の動作を禁止させる動作禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする。
【0006】
そして、本発明の請求項2に記載の給湯器システムは、請求項1に記載の給湯器システムにおいて、上記最上位のシステムコントローラは、上記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数が所定台数を超える場合には、他の動作中の下位のシステムコントローラに対して、その傘下の給湯器における燃焼量制御を禁止させる流量調整禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の給湯器システムは、請求項2に記載の給湯器システムにおいて、上記最上位のシステムコントローラは、上記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数が上記所定台数にまで減数されると、上記動作開始許可信号を与えた順序を遡って当該順序の順位が低い次の下位のシステムコントローラの上記流量調整禁止を解除するとともに、上記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラに対して上記流量調整禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の給湯器システムは、請求項3に記載の給湯器システムにおいて、上記最上位のシステムコントローラは、上記次の下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数に応じて、上記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラに対して、その傘下にある給湯器の動作停止を指令する動作停止信号を与えるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給湯器システムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1は本発明の一実施形態を示す給湯器システムの概略構成を示すブロック図である。この給湯器システム1は、給湯器Kを連結して運用するシステムであって、複数(図示例では12台)の給湯器K1〜K12と、これら給湯器K1〜K12の運転台数の制御を行なう複数のシステムコントローラSC1〜SC5と、最上位のシステムコントローラSC5に設けられた制御手段2とを主要部として構成される。
【0009】
具体的には、上記給湯器K1〜K12は、従来の給湯器システムと同様に、各給湯器K1〜K12が図示しない入水管と出湯管を介して並列に接続されることによって相互に連結される。また、各給湯器K1〜K12は、入水管から供給される水を加熱するバーナ及び熱交換器と、上記出湯管への出湯流量を調節する開閉機能付きの流量制御開閉弁とを有し、これらが各給湯器K1〜K12毎に設けられるコントローラによって制御可能とされている。尚、前記流量制御開閉弁は流量の調整制御と通路の開閉とを別個に行なうようにしても良い。
【0010】
一方、システムコントローラSC1〜SC5は、図示されるように下層に位置する下位のシステムコントローラSC1〜SC4と、これら下位のシステムコントローラSC1〜SC4の上層に位置する上位のシステムコントローラSC5とで構成され、下位のシステムコントローラSC1〜SC4は上位のシステムコントローラSC5によってその制御が集約される階層構造をもって構成されている。
【0011】
具体的には、下位のシステムコントローラSC1〜SC4と上位のシステムコントローラSC5とは通信線(例えば2芯通信線)Lを介して接続され、相互に制御用のデータの送受信が可能とされる。また、下位のシステムコントローラSC1〜SC4と給湯器K1〜K12のコントローラも通信線Lを介して接続され、これらの間でも相互に制御用のデータの送受信が可能とされている。
【0012】
ここで、図示の給湯器システムでは、システムコントローラSC1〜SC5が下層と上層で構成されているが、最上位に位置するシステムコントローラが1台となるような構成であれば、給湯器の接続台数に応じて適宜2層以上の複数の階層をもってシステムを構成することも可能である。また、上位、下位の関係は、システムコントローラSC相互間の接続関係を示すものであって、実際に用いられるシステムコントローラSCは同種あるいは異種のシステムコントローラであってもよい。
【0013】
また、図示例では、下層のシステムコントローラSC1〜SC4には、それぞれ給湯器Kが3台ずつ接続されているが、これらはシステムコントローラSC1〜SC4に設けられる給湯器接続用の接続部(図示せず)が、3台分設けられている場合を示したからであり、給湯器接続用の接続部が4台分設けられている場合には、給湯器Kが4台に対して下層のシステムコントローラSCが1台設けられることになる。つまり、システムコントローラSCに設けられた給湯器接続用の接続部の数に応じて、換言すれば、この接続部の数単位で下層のシステムコントローラSCに給湯器Kが接続される。
【0014】
そして、図示例では、下層のシステムコントローラSC1〜SC4に対して、上層のシステムコントローラSC5が1台設けられているが、これは上層のシステムコントローラSC5に下位のシステムコントローラ接続用の接続部(図示せず)が4台分設けられているからであり、もちろんこの場合もシステムコントローラ接続用の接続部の数単位で上位のシステムコントローラに下位のシステムコントローラが接続される。
そして、このような階層構造の最上位に位置するシステムコントローラには、リモートコントローラRC1が設けられる。このリモートコントローラRC1は、本システムを遠隔操作するための操作装置であって、上記システムコントローラSC5との通信により、システム1の運転のオン、オフや給湯温度の設定等の各種操作を行なう操作部と、システムコントローラSC5を介して提供される情報を表示する表示部とを備えている。
【0015】
そして、上記の給湯器システム1では、上記システムコントローラSC1〜SC5はそれぞれマイクロコンピュータを搭載してなり、最上位のシステムコントローラSC5のマイクロコンピュータのプログラムには、以下の制御処理手段が設けられている。
【0016】
制御手段2に設けた動作開始指令手段3は、最上位のシステムコントローラSC5から特定のシステムコントローラにその傘下の給湯器の運転を開始させてもよい旨の信号(以下、動作開始許可信号)を送ると共に順次次のシステムコントローラにも動作開始許可信号を送る手段であり、具体的には本実施例では、まずシステムコントローラSC1に対して動作開始許可信号を与えることにより、その傘下の給湯器の運転動作開始を指令するとともに、給湯要求の増加に応じて、順次他のシステムコントローラSC2,SC3,…にも動作開始許可信号を与えて、その傘下の給湯器の運転動作開始を指令するようになっている。
【0017】
制御手段2に設けた動作禁止指令手段4は、上述の動作開始指令手段3から特定のシステムコントローラに動作開始許可信号を送ったとき、残余のシステムコントローラにその傘下の給湯器の運転を開始させないように給湯器の動作を禁止させる信号(以下、動作禁止信号)を送る手段である。具体的には本実施例では、最上位のシステムコントローラSC5からシステムコントローラSC1に動作開始許可信号を送信したとき、動作禁止指令手段4が同時に作動して、システムコントローラSC1以外のシステムコントローラSC2〜SC4に対してその傘下の給湯器の運転を見合わせるように動作禁止信号を送信するようになっている。尚、給湯使用の増量要求(給湯要求の増加)に基づいてシステムコントローラSC1の傘下の給湯器K1〜K3のみでは能力不足となり、システムコントローラSC5から他のシステムコントローラSC2〜SC4に運転の動作開始指令(つまり、動作開始許可信号)が送信されたときには、前記動作禁止指令は解除されて、他システムコントローラSC2〜SC4傘下の給湯器の運転が順次開始されるようになっている。
【0018】
また、制御手段2に設けた流量調整禁止指令手段5は、システムコントローラにより集約される給湯器の流量調整動作を禁止する信号(以下、流量調整禁止信号)を送る手段であり、後述するように1のシステムコントローラにより集約される給湯器の流量調整禁止を他のシステムコントローラにより集約される給湯器の動作台数に応じて実行するようになっている。
【0019】
また、制御手段2に設けた動作停止指令手段6は、後述するように動作中の給湯器に対してその動作を停止させる信号(以下、動作停止信号)を送る手段であり、1のシステムコントローラにより集約される給湯器の燃焼動作の停止を、他のシステムコントローラにより集約される給湯器の動作台数に応じて実行するようになっている。
【0020】
次に、本発明の一実施形態の作動を図2から図5のフローチャートに基づいて具体的に説明する。本実施形態の給湯器システム1では、上記システムコントローラSC5の初期設定として出湯開始当初の給湯器Kの運転台数は特定の給湯器の1台に設定されている。すなわち、初期設定では、上記出湯管に接続されたカラン等が開かれて給湯要求がなされると、まず特定の給湯器K1を1台だけ運転させて、給湯要求に応じた出湯を行なわせるように設定されている。具体的には、システムコントローラSC5の動作開始指令手段3から下位の特定のシステムコントローラSC1に対して給湯器K1の運転を行なわせてもよい旨の信号、つまり動作開始許可信号が送信される(ステップS1)。下位のシステムコントローラSC1は、接続されている給湯器の傘下の1台(図示例ではK1)に対して動作可能の指令信号を送信する。これにより給湯器K1のコントローラが運転待機状態に移行し、この状態でカランが開かれると給湯器K1が運転を開始する。
【0021】
システムコントローラSC1に対しその傘下の給湯器K1に運転動作開始の指令を送信すると同時に、動作禁止指令手段4が作動して、システムコントローラSC1以外のシステムコントローラSC2〜SC4に対してその集約される傘下の給湯器の運転を見合わせるように動作禁止信号を送信する(ステップS2)。
【0022】
そして、カランが開かれると、特定のシステムコントローラSC1傘下の給湯器K1のみの運転が開始して給湯開始する(ステップS3)。さらに、給湯器K1の出湯能力だけでは使用者による給湯要求に応じきれない場合には、上記システムコントローラSC1は、その傘下の給湯器K2、K3の順で給湯器Kの運転台数を増加させる(ステップS4)。
これにより、給湯器は一定の順序で暫時運転を開始することとなる。
【0023】
そして、システムコントローラSC1の傘下の給湯器K1〜K3では能力不足となった場合には(ステップS5でイエスの場合)、上位のシステムコントローラSC5から下位のシステムコントローラSC2に運転動作開始の指令(動作開始許可信号)を送信し(ステップS6)、システムコントローラSC2がその指令を受信したときには、前記動作禁止指令は解除されて、システムコントローラSC2は運転を開始し、システムコントローラSC1とシステムコントローラSC2との両者による運転台数制御を行なわせる(ステップS7)。
【0024】
さらに、給湯要求が増量し、システムコントローラSC1及びシステムコントローラSC2傘下の給湯器K1〜K6では能力不足となった場合には(ステップS8でイエスの場合)、上位のシステムコントローラSC5から下位のシステムコントローラSC3に運転動作開始の指令(動作開始許可信号)を送信し(ステップS9)、システムコントローラSC3がその指令を受信したときには、前記動作禁止指令は解除されて、システムコントローラSC1とシステムコントローラSC2とシステムコントローラSC3との三者による運転台数制御を行なわせる(ステップS10)。
【0025】
つまり、下位のシステムコントローラは給湯要求に応じて上位のシステムコントローラからの上記運転動作開始指令による運転台数制御により、給湯器K7〜K9を順次運転させる処理を行なうのである。そして、フローには記載していないが、以後同様に、給湯要求の増量に伴ってシステムコントローラSC5は下位のシステムコントローラSC4に動作開始指令(動作開始許可信号)を送信し、給湯器K1から順に給湯器K12までを運転させる。
【0026】
このように、本実施形態の給湯器システムでは、各システムコントローラ毎にその傘下にある給湯器が区々に運転し始めることがなくなり、一群に集約された給湯器群毎に順次給湯の運転制御がなされることとなって、給湯器台数の増数制御の確実化を期することができる。
【0027】
次に、流量調整について説明する。上記給湯運転中において、給湯量の減量要求がなされた場合は、最後に動作開始指令(動作開始許可信号)を受信したシステムコントローラの給湯器の動作台数に応じて他システムコントローラ傘下の給湯器の流量調整を禁止して、給湯流量の制御を行うこととしている。ここに流量調整とは、所定の湯温となるように給湯量の増減に応じて燃焼量を増減する制御をいう。
【0028】
具体的には、本実施形態の給湯器システムでは、最後に動作開始指令(動作開始許可信号)を受信したシステムコントローラSC3の給湯器の動作台数に応じて、他のシステムコントローラSC1及びSC2傘下の給湯器の流量調整を禁止するようにしている。
【0029】
すなわち、システムコントローラSC3の傘下の給湯器台数が2台以上動作している場合には(ステップS11でノーの場合)、そのままシステムコントローラSC3で集約している傘下の給湯器により流量調整を行い(ステップS12)、動作中の他のシステムコントローラSC1及びSC2には、上位のシステムコントローラSC5の流量調整禁止指令手段5から流量調整を禁止する指令(流量調整禁止信号)を送信する(ステップS13)。従ってシステムコントローラSC1及びSC2の傘下の給湯器は流量調整を行なわず全燃焼運転となる。この状態から更に減量要求がなされると(ステップS29)、システムコントローラSC3の傘下の給湯器の運転台数が順次絞られて減数して行く(ステップS30)。
【0030】
システムコントローラSC3の傘下の給湯器の動作台数が1台(K7)にまで減数した場合には(ステップS11でイエスの場合)、減量要求がなければ(ステップS14でイエスの場合)、動作開始指令(動作開始許可信号)を受信した順位の低いシステムコントローラの動作状況に応じて流量調整を行なうこととしている。
【0031】
すなわち、システムコントローラSC3傘下の給湯器の動作台数が1台になれば、図4に示されるように、システムコントローラSC2への前記流量調整禁止指令は解除され、システムコントローラSC2の傘下の給湯器は3台(K4、K5、K6)により流量調整に入る(ステップS16)。そして、同時に他システムコントローラSC1とシステムコントローラSC3には流量調整禁止指令(流量調整禁止信号)が送信される(ステップS17)。従ってシステムコントローラSC1及びSC3の傘下の給湯器は流量調整を行なえず全燃焼運転となる。
【0032】
これにより最後に動作開始指令(動作開始許可信号)を受信したシステムコントローラSC3の給湯器の動作台数が多い場合にはその給湯器で流量調整を行い、最後に動作開始指令を受信したシステムコントローラSC3の給湯器の動作台数が少ない場合(1台の場合)には他のシステムコントローラの給湯器の動作台数に応じて給湯器の流量調整が行われる。
【0033】
次に、給湯器の動作停止について説明する。ここに、給湯器の動作停止とは、今まで運転していた給湯器の燃焼動作が停止して給湯を中止することをいう。ステップS16において、システムコントローラSC2の傘下の給湯器により流量調整が行われている場合において、減量されたとき(ステップS18)、システムコントローラSC1及びSC3には流量調整禁止指令(流量調整禁止信号)が出されているので、流量の調整は行なえない。
【0034】
これにより、減量の程度によりシステムコントローラSC2傘下の給湯器は給湯量を絞られて消火する方向に向かう。そしてシステムコントローラSC2傘下の給湯器に1台以上空きが生じる場合(1台分給湯能力に余裕が生じる場合)には、本発明の実施例では、今まで動作中であり最後に動作開始指令(動作開始許可信号)を送信したシステムコントローラSC3傘下の給湯器K7を動作停止するようにしたものである(ステップS19)。
【0035】
つまり、1のシステムコントローラにより集約される給湯器の動作停止を、他のシステムコントローラにより集約される給湯器の動作台数に応じて実行するようにしたものである。
換言すれば、最後に動作したシステムコントローラSC3以外に流量調整をする権限が移行したとき、移行後のシステムコントローラSC2により集約される傘下の給湯器の減数状態に応じて、移行前のシステムコントローラ傘下の給湯器を動作停止させるものである。
この結果、流量調整の行なえない給湯器群に1台の残台数が生じるのを防止できる。
【0036】
そして、さらなる減量要求により(ステップS20)、システムコントローラSC2傘下の給湯器は減数されて行き、1台にまで減数されると(ステップS15)、流量調整をする権限が移行し、次のステップに移る。
【0037】
そして上記同様に流量調整、動作停止に関し、減量要求(ステップS21)に伴い、図5に示されるように、システムコントローラSC1の傘下の給湯器により流量調整が行われ(ステップS22)、システムコントローラSC2には流量調整禁止指令が出されているので(ステップS23)、給湯器K4では流量調整は行なえない。減量の程度によりシステムコントローラSC1傘下の給湯器は給湯量を絞られて消火する方向に向かう。そしてシステムコントローラSC1傘下の給湯器に1台以上空きが生じる場合(ステップS24)には、今まで動作中であったシステムコントローラSC2傘下の給湯器K4に動作停止指令手段6から動作停止の信号を送ってその動作を停止させ(ステップS25)、以後システムコントローラSC1傘下の給湯器K1〜K3により流量調整され台数制御される。前述同様、システムコントローラSC2への流量調整禁止指令はシステムコントローラSC1の給湯器の動作台数に応じて実行される。
【0038】
システムコントローラSC1傘下の給湯器が1台(K1)にまで減数されると(ステップS26でイエスの場合)、この最後の給湯器で流量調整した後、カランを締めることで(ステップS27)、給湯運転は終了するのである(ステップS28)。
【0039】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で各種設計変更可能である。例えば、上記実施形態においては、運転開始時の初期設定台数を1台とした場合を示したが、給湯開始速度を早めるために2台としても良い。また上記実施形態では、給湯器本体とリモコンとが有線接続された場合を図示したが、これらの間を無線方式で連携させることも可能である。また、ガスを燃料とする給湯器について説明したが石油を燃料とするものであっても良いことはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】
本発明の給湯器システムによれば、給湯量を減量していくと、動作中の1のシステムコントローラの支配下にある給湯器は、必ず他のシステムコントローラの給湯器の動作情報によってその動作を停止することとなって、使用給湯器はシステムコントローラによって集約される給湯器毎に減数されて行き、給湯制御運転の最後は1台の給湯器となる。
また、本発明はシステムコントローラにより集約される給湯器の動作台数に応じて、他のシステムコントローラにより集約される給湯器の流量調整制御を禁止するようにしているので、流量調整の行われる給湯器は特定されることで、従来のような各システムコントローラの給湯器毎に流量調整制御が行われることがなくなり、給湯量の減量に伴って流量調整が実行される給湯器も順次減数されることとなる。
また、本発明は各システムコントローラ毎にその傘下にある給湯器が区々に運転し始めることがなくなり、一群に集約された給湯器群毎に給湯運転制御することとなって、給湯器台数の増数、減数の制御を確実に行なうことができる。
加えて、本発明は各システムコントローラ毎にその傘下にある給湯器が区々に運転し始めることがなくなり、一群に集約された給湯器群毎に順次給湯運転制御することとなって、給湯器台数の増数、減数の制御を確実に行なうことができる。
さらに本発明においては、動作中の1のシステムコントローラの支配下にある給湯器は、必ず他のシステムコントローラの給湯器の動作情報によってその動作の停止及び流量調整の禁止がなされることとなって、流量調整を行ないつつ、使用給湯器はシステムコントローラによって集約される給湯器毎に減数されて行き、給湯制御運転の最後は1台の給湯器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態を示す給湯器システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図3は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図6は従来例を示す全体図である。
【符号の説明】
1 給湯器システム
2 制御手段
3 動作開始指令手段
4 動作禁止指令手段
5 流量調整禁止指令手段
6 動作停止指令手段
K1〜K12 給湯器
SC1〜SC4 システムコントローラ(下位のシステムコントローラ)
SC5 システムコントローラ(上位のシステムコントローラ)
RC1 リモートコントローラ

Claims (4)

  1. 複数の給湯器を連結して運用する給湯器システムであって、前記給湯器の制御を行うシステムコントローラを階層的に配し、給湯要求の増加に応じて、最上位のシステムコントローラが下位のシステムコントローラに対してその傘下の給湯器の動作を許可する動作開始許可信号を順次与えることにより、下位のシステムコントローラの動作台数を増数させて給湯要求に応じた出湯を行わせる給湯器システムにおいて、
    前記最上位のシステムコントローラは、前記動作開始許可信号を与える際に、当該信号を与える下位のシステムコントローラ以外の動作待機中の下位のシステムコントローラに対して、その傘下の給湯器の動作を禁止させる動作禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする給湯器システム。
  2. 前記最上位のシステムコントローラは、前記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数が所定台数を超える場合には、他の動作中の下位のシステムコントローラに対して、その傘下の給湯器における燃焼量制御を禁止させる流量調整禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の給湯器システム。
  3. 前記最上位のシステムコントローラは、前記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数が前記所定台数にまで減数されると、前記動作開始許可信号を与えた順序を遡って当該順序の順位が低い次の下位のシステムコントローラの前記流量調整禁止を解除するとともに、前記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラに対して前記流量調整禁止信号を与える制御構成を備えていることを特徴とする請求項2に記載の給湯器システム。
  4. 前記最上位のシステムコントローラは、前記次の下位のシステムコントローラにおける給湯器の動作台数に応じて、前記動作開始許可信号を最後に与えた下位のシステムコントローラに対して、その傘下にある給湯器の動作停止を指令する動作停止信号を与えるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の給湯器システム。
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