JP3608098B2 - 光走査装置 - Google Patents

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和宏 赤津
隆司 蛯原
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンタ、コピー装置等に使用される光走査装置に関するもので、特に印刷位置調整と印刷の傾き調整に関係する。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーザービームプリンタの概略図を図2、図3、図4に示す。どの場合も光の走査の仕方は同じで以下のようになる。まず、半導体レーザ等の光源1から光が発生し、その光はコリメータレンズ2で平行光にされる。そのあと回転多面鏡の面倒れ補正のために入れているシリンダレンズ3を通り、回転多面鏡4で偏向走査される。そのあとレンズ5、レンズ6、レンズ7からなるFθレンズ系を通り、感光体9上へ絞り込まれる。この光路中に、光を折り曲げるための折り返しミラー8を設けている場合の図が図2、図3で、折り返しミラー8が無い場合が図4である。以上のようなレーザビームプリンタで、感光体9上の印刷位置と印刷の傾き調整を行なう従来の方法について説明する。なお、印刷位置調整とは、適正な印刷開始位置になるように、図5のaの値を調整することで印刷位置を調整することであり、印刷の傾き調整とは、印刷が水平に行なえるように、図5のbの角度を水平に調整することである。この調整は、従来は折り返しミラー8の位置を調整することで行なっていた。従来の印刷位置を調整する方法は、折り返しミラー8の両端部を回転、もしくは光軸方向へ移動させ、感光体9上に照射されるビームの位置を適正にする方法であった。また、印刷傾きを調整する場合は、折り返しミラー8の片方の位置を光軸方向へずらすことで感光体上に照射されるビームの角度を変えて調整していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の調整方法は、Fθレンズの中にシリンダレンズを含まない場合や、図3の様に、折り返しミラー8がFθレンズ系の後にある場合には有効であった。しかし、図2に示すように折り返しミラー8がFθレンズ系の間にあり、Fθレンズの中の最も感光体に近いシリンダレンズを光の出射窓とする場合や、図4に示すように、折り返しミラー8が無い場合には、調整が困難、もしくは調整できなかったので問題であった。例えば、図2の様な場合、焦点距離101.34ミリメートルのシリンダレンズ7を用いて、シリンダレンズ7と感光体9の間が80ミリメートルの場合、折り返しミラー8を回転させシリンダレンズ7上で1.3ミリメートル光を移動させても、感光体9上では0.27ミリメートルしか移動しない。このため調整できる範囲が制限され、調整が困難となっていた。また、図4のような折り返しミラーが無い構成の場合、光学ユニット内だけでは、印刷位置調整や、印刷傾き調整は実現できなかったので問題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため本発明では、少なくとも1個の光強度変調が可能な光ビーム発生手段と、この発生手段から出射した光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、走査面上で各ビームを所定のスポット径に収束させるFθレンズ系にシリンダレンズを含む光走査装置において、これらを納める光学ユニットの光の出射窓にFθレンズ系の中に含まれるシリンダレンズを利用し、かつ、このシリンダレンズの位置を光軸と垂直な平面内で移動できるレンズ移動手段を設けるようにしている。またレンズ移動手段として、上記シリンダレンズを走査と直角方向へ、回転及び移動が可能なレンズ駆動装置を有する様にしても良い。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1に示す。光源1から光が発生し、その光はコリメータレンズ2で平行光にされる。そのあと面倒れ補正のために入れているシリンダレンズ3を通り、回転多面鏡4で偏向走査される。そのあとレンズ5、レンズ6、レンズ7からなるFθレンズで、感光体9上へ絞り込まれる。ここで、光学系は複数の光源を用いるマルチビーム光学系であっても良い。図1の場合は、光学ユニットと感光体の配置上の関係から、折り返しミラー8がFθレンズ系の間に配置されており、Fθレンズの中の最も感光体に近いシリンダレンズを光学ユニットの光の出射窓としている例を示す。図では簡単のため、中心光のみを示している。レンズ駆動装置として、シリンダレンズ7あるいはそのホルダの端にギヤ10を少なくとも1つ設け、モータ11、12の力によって、光軸に垂直な平面内にシリンダレンズ7を動かせるようにしている。この部分で、モータを使わず手動で行なっても、効果は同様であることは明らかである。
【0006】
モータ11、12によって同じ方向へシリンダレンズ7を移動させれば、光は感光体9上を平行に移動し図5に示すaの値、つまり印刷位置調整を行なうことができる。また、モータ11、12によって、シリンダレンズ7の両端を異なる方向へ移動させれば、図5に示すbの値、つまり印刷の傾き調整を行なうことができる。以下に、これについて詳しく説明する。
【0007】
例えば、焦点距離fミリメートルのシリンダレンズ7を感光体9からLミリメートル離れた所に配置するFθレンズ系の場合について説明する。図6−a、図6−bは走査平面を横から見た図である。図6−aのときは、シリンダレンズ7の中央を光が通り、感光体9上の点cに結像される様子を示している。図6−bのときは、図6−aの状態からシリンダレンズ7が下へeだけ移動した場合を示している。このとき光は、シリンダレンズ7で曲げられ、感光体上ではc点から下へほぼeだけ離れたd点へ結像される。つまり、シリンダレンズ7を移動させれば移動させた距離とほぼ同じ距離、同じ方向へ光は移動することになる。例えば、シリンダレンズ7を1.3ミリメートル移動させれば、光は感光体上で1.3ミリメ−トル移動する。このようにして、印刷位置調整を行うことができる。同様にシリンダレンズ7の両端を、異なる方向へ移動させるか、一方を固定しておけば、シリンダレンズ7は光軸をほぼ中心として回転する。このとき、感光体9上では印刷の傾きとなって表れ、図5のbの角度を調整できることになる。
【0008】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、シリンダレンズを含むFθレンズ系を用いた光走査装置において、折り返しミラーの配置によらず、シリンダレンズを光学ユニットの出射窓に利用している場合に、シリンダレンズを光軸に対し垂直な平面内で移動させることで、印刷位置調整と印刷の傾き調整を行なうことができる。また、この駆動装置としてモータ等を利用すれば、外部からシリンダレンズを走査と直角な方向へ回転及び移動が容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】従来例を示す斜視図である。
【図3】従来例を示す斜視図である。
【図4】従来例を示す斜視図である。
【図5】印刷位置調整と、印刷の傾き調整を説明する模式図である。
【図6−a】本発明の模式図である。
【図6−b】本発明の模式図である。
【符号の説明】
1は光源、2はコリメータレンズ、3はシリンダレンズ、4は回転多面鏡、5はレンズ、6はレンズ、7はシリンダレンズ、8は折り返しミラー、9は感光体、10はギヤ、11、12はモータを示す。

Claims (2)

  1. 少なくとも1個の光強度変調が可能な光源と、前記光源から出射した光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、走査面上で光ビームを所定のスポット径に収束させるFθレンズ系と、Fθレンズ系に含まれるシリンダレンズを有する光走査装置において、
    前記光走査装置を光学ユニットに収納し、前記光学ユニットの光出射窓としてシリンダレンズを用い、かつ、このシリンダレンズを光軸と垂直な平面内で移動するレンズ移動手段を設けたことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1において、前記レンズ移動手段は前記シリンダレンズを走査方向と直角方向へ、回転及び移動を行うレンズ駆動装置からなることを特徴とする光走査装置。
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