JP3607733B2 - 静撹拌装置 - Google Patents

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Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は管状ハウジングと、前記管状ハウジング内に配置された少なくとも１つの撹拌部材とを有し、前記撹拌部材の構成部材が実質的にウェブであるとともに、ハウジングが流体の流れの主方向を形成し、撹拌作用を及ぼすウェブが流れの主方向に対して角度をなす流体の静撹拌装置（Ｓｔａｔｉｓｃｈｅ Ｍｉｓｃｈｖｏｒｒｉｃｈｔｕｎｇ）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この装置はスイス特許第６４２５６４号またはドイツ特許２８０８８５４号に開示されている。この装置の撹拌部材は互いに交差し合うウェブ（Ｓｔｅｇｅｎ）からなる構造を有しており、ウェブは互いに平行に配置された構成部材からなる２つのグループを形成している。
【０００３】
従来の撹拌部材の製造価格は比較的高くなった。これは撹拌部材が個々のウェブから形成されていることと、これらの組立が溶接などによって行われていることとに起因する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造価格を更に低減する撹拌装置を形成することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の撹拌装置は、管状ハウジングと、該管状ハウジング内に配置された少なくとも１つの撹拌部材とを有し、撹拌部材の構成部材が実質的にウェブであるとともに、ハウジングが流体の流れの主方向を形成し、ウェブに流体が衝突してその流体に撹拌作用が及ぶように、該ウェブが流れの主方向に対して所定の角度をなすように配置されている流体の静撹拌装置であって、該撹拌部材が少なくとも２つの実質的にジグザグ状または波状に形成された帯状セクションを備え、各帯状セクションは、ジグザグ又は波の複数の頂部及び複数の底部に対応するウェブ及び接続片を備え、各帯状セクションの長手方向が前記流れの主方向と平行に設定され、該撹拌部材は流れの主方向に延びる軸を中心として１８０度回転させることにより形成される軸対称を呈する構造を備えており、該撹拌部材の帯状セクションの各々は、互いに隣接する該帯状セクションと、ウェブ又は接触片にて接触していることを特徴とする。
【０００６】
【作用】
上記の構成によれば、撹拌部材の各帯状セクションを打ち抜きまたは射出成形により一体として形成することが可能である。
【０００７】
【実施例】
本発明に基づく撹拌装置では、撹拌部材は流れの主方向に沿って延びる軸を中心として１８０度回転させることによって形成される軸対称をなす構造を有することが望ましい。ここでは、軸対称を呈する実施例のみを示す。しかし、例えば２つの帯状セクションは互いに面対称をなすことが可能であり、事実、各帯状セクションは組付けられる面に対して面対称をなしている。請求項２乃至６は本発明の撹拌装置の異なる実施例に関する。撹拌部材を形成する材料は合金またはプラスチックであることが好ましい（請求項７，８）。２つのセクションは互いに好適に溶接されている（請求項９）。
【０００８】
本発明を添付図面とともに以下に詳述する。
図１に示す撹拌部材３はジグザグ状または波状を呈する帯状セクション１，２から形成されている。セクション１は撹拌作用を備えた複数のウェブ１２を有し、２つのウェブ１２の間には開口１３が形成されている。セクション２は前記のウェブ１２及び開口１３に対応するウェブ２２及び開口２３を有している。２つのセクション１，２は撹拌部材の長さ方向に直交する方向に延びるウェブ１１，２１におけるスポット溶接などにより相互に連結されている。ウェブ１２，２２は外側端に接続片１４，２４をそれぞれ有している。セクション１，２は金属またはプラスチック板からの打ち抜きにより形成することが可能である。セクション１，２を射出成形により形成することも可能である。
【０００９】
図２は管状ハウジング４内における図１の撹拌部材３の配置を示す。流れの主方向は矢印５によって示されている。
図１の第１実施例では、セクション１はチェーン・リンク（Ｋｅｔｔｅｎｇｌｉｅｄｅｒ ）が撹拌作用を備えた平行な２つのウェブ１２を有する剛性チェーンの形態をなしているが、図３の第２実施例では、セクション１は図１のウェブ１２及び開口１３に対応する３つのウェブ１２及び２つの開口１３を有するチェーンの形態をなしている。図４に示す第３実施例では、チェーン・リンクは撹拌作用を備えた１つのウェブのみを有する。
【００１０】
図５は第４実施例の詳細を示しており、開口１３ａ，１３ｂ（並びにこれらに対応する２３ａ、２３ｂ）は材料を部分的に打ち抜き、そして材料を外側へ折曲げることにより形成されたものである。そして、折曲げられた材料１５ａ，１５ｂ（並びにこれらに対応する２５ａ，２５ｂ）は撹拌作用を有するウェブの機能を備えている。
【００１１】
２つを上回る帯状セクションから撹拌部材を形成することが可能である。図６は４つのセクション１ａ，２ａ，１ｂ，２ｂを有する例を示している。
一般的に、撹拌装置は１つを上回る数の撹拌部材３を有する。本発明の撹拌装置は撹拌以外にも熱交換及び材料交換に使用することが可能である。
【００１２】
以上詳述したように本発明に基づく撹拌装置の撹拌部材はウェブを含む一体形成された帯状セクションを有しており、この帯状セクションは打ち抜きまたは射出成形により一体として形成することが可能である。そして帯状セクションは溶接などにより互いに結合されている。この結果、各ウェブを１個づつ形成する必要がないうえ、各ウェブを溶接などにより互いに連結する工程などを削減することが可能となり生産価格の低減を計ることができる。また、撹拌部材は流れの主方向に延びる軸を中心として１８０度回転させることにより形成される軸対称を呈する構造を有している。このため、撹拌部材は同一の形状をなす帯状セクションを互いに軸対称となるように結合させて形成することが可能であり、異なる形状の帯状セクションを結合させるものと比べて帯状セクションの生産に要するコストを削減することが可能であり、撹拌装置全体の生産価格の低減を計ることができる。
【００１３】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、撹拌装置の製造価格を更に低減させることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の撹拌装置の撹拌部材の斜視図。
【図２】図１の撹拌部材を有する撹拌装置の一部縦断面図。
【図３】本発明の撹拌部材の第２実施例の一部を示す平面図。
【図４】本発明の撹拌部材の第３実施例の一部を示す斜視図。
【図５】本発明の撹拌部材の第４実施例の一部を示す斜視図。
【図６】４つのセクションを有する撹拌部材の縦断面図。
【符号の説明】
１，２…帯状セクション、３…撹拌部材、４…管状ハウジング、５…流体の流れの主方向、１１，１２，２１，２２…ウェブ、１３，１３ａ，１３ｂ，２３，２３ａ，２３ｂ…開口、１５ａ，１５ｂ…折曲げられた材料。

Claims (9)

  1. 管状ハウジング（４）と、前記管状ハウジング（４）内に配置された少なくとも１つの撹拌部材（３）とを有し、前記撹拌部材（３）の構成部材が実質的にウェブ（１１，１２，２１，２２）であるとともに、ハウジング（４）が流体の流れの主方向（５）を形成し、ウェブ（１２，２２）に前記流体が衝突してその流体に撹拌作用が及ぶように、該ウェブ（１２，２２）が流れの主方向（５）に対して所定の角度をなすように配置されている流体の静撹拌装置であって、
    前記撹拌部材（３）が少なくとも２つの実質的にジグザグ状または波状に形成された帯状セクション（１，２）を備え、各帯状セクション（１，２）は、ジグザグ又は波の複数の頂部及び複数の底部に対応するウェブ（１１，２１）及び接続片（１４，２４）を備え、各帯状セクション（１，２）の長手方向が前記流れの主方向（５）と平行に設定され、前記撹拌部材（３）は流れの主方向に延びる軸を中心として１８０度回転させることにより形成される軸対称を呈する構造を備えており、
    前記撹拌部材（３）の帯状セクション（１，２）の各々は、互いに隣接する該帯状セクション（１，２）と、前記ウェブ（１１，２１）又は前記接触片（１４，２４）にて接触していることを特徴とする静撹拌装置。
  2. 前記セクション（１，２）が流れの主方向に直交する方向に延びるウェブ状の領域（１１，２１）を有しており、その領域において２つのセクション（１，２）が相互に連結されていることを特徴とする請求項１に記載の撹拌装置。
  3. 前記セクション（１，２）が隣接する互いに平行に延びる２つのウェブ（１２，２２）の間に少なくとも１つの空間を形成する開口（１３，１３ａ，１３ｂ，２３，２３ａ，２３ｂ）を有することを特徴とする請求項１または２に記載の撹拌装置。
  4. 前記開口（１３，２３）が材料の除去によって形成されることを特徴とする請求項３に記載の撹拌装置。
  5. 前記開口（１３ａ，１３ｂ，２３ａ，２３ｂ）が材料の部分的な打ち抜きまたは折曲げにより形成され、折曲げられた材料自体（１５ａ，１５ｂ）が撹拌作用を備えたウェブの機能を有することを特徴とする請求項３に記載の撹拌装置。
  6. 前記セクション（１，２）が剛性チェーンの形態をなし、チェーン・リンクが撹拌作用を有する１つのウェブ（１２，２２）、または撹拌作用を有する２つ以上の互いに平行なウェブ（１２，２２）を含むグループによって形成されていることを特徴とする請求項１乃至５のいづれか１項に記載の撹拌装置。
  7. 前記セクション（１，２）が金属及びプラスチック板のいずれかを打抜くことによって形成されていることを特徴とする請求項１乃至６のいづれか１項に記載の撹拌装置。
  8. 前記セクション（１，２）は合成樹脂材を射出成形することによって形成されていることを特徴とする請求項１乃至６のいづれか１項に記載の撹拌装置。
  9. 撹拌部材（３）の前記２つのセクション（１，２）が溶接、特にスポット溶接により互いに結合されていることを特徴とする請求項１乃至８のいづれか１項に記載の撹拌装置。
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