JP3606935B2 - グリズリ型振動篩 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は粗ぶるいのためのグリズリ型振動篩に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
グリズリ型振動篩は頑強であることから粗ぶるいに従来から多用されている。
【0003】
(第1従来例)図5の斜視図に示すグリズリ型振動篩60は前後をコイルばね69で支持された振動トラフ61の上流部にほぼ水平な被処理物の受板62が設けられ、これに続いて角棒ないしは丸棒からなる複数本のグリズリバー63を所定の間隙、すなわち目開きS2 で移送方向に平行に、かつ若干下向き傾斜に並べて篩面とされている。振動トラック61の両側壁61a、61bの外面にはそれぞれ振動電動機65aと65b(図示されていない)が取り付けられており、これらに通電されることにより、振動トラフ61に矢印mで示す方向の直線振動が与えられるので、受板62上の被処理物はグリズリバー63上を移送されて篩別される。被処理物中の篩下成分はグリズリバー63の目開きS2 から落下し、篩上成分はグリズリバー63の下流端から排出される。
【0004】
このグリズリ型振動篩60は被処理物が塊状物である場合には問題はないが、棒状物ないしは筒状物が含まれている被処理物の篩別には適していない。例えば棒状物は一般に直線振動を受けることにより移送方向に配向され易く、グリズリバー63と平行になり易いが、棒状物の長さが目開きS2 より大であっても、その断面の最大径が目開きS2 より小さいと、本来は篩上となるべき棒状物がグリズリバー63の目開きS2 から落下して、篩下に混入されてしまうのである。
【0005】
(第2従来例)上記の欠点を解消するものとして、本願出願人の出願による特願平6−329586号に係る「グリズリ型振動篩」が開示されている。すなわち、図6は第2従来例のグリズリ型振動篩70の側面図であり、図7は同正面図である。図6、図7を参照して、グリズリ型振動篩70は振動トラフ11内に被処理物の受板12が移送方向に若干下向き傾斜に設けられており、その直上方には上流の被処理物搬送コンベヤの排出口3が垂下されている。受板12の下流端からグリズリ(丸棒篩)・ユニット10、20、30が間隙Gをあけて3段のカスケード状に配設されている。図7、及び後述する図8、図9も参照して、例えばグリズリ・ユニット10は振動トラフ11の両側壁11a、11bの内面に取り付けられている側板21a、21bの間に3本のグリズリバー31、32、33が等間隔に設けられて篩面とされ、これらの目開きS1 は例えば150mmとされる。このグリズリバー31、32、33のみは図8に示すように側板21a、21bよりも下流側へ突き出されて下段のグリズリ・ユニット20の上流端部の直上方まで延在している。又、図9も参照し、側板21aとグリズリバー31との間に断面が半円形の樋状の篩下移送トラフ35が溶接固定され、グリズリバー31とグリズリバー32との間には篩下移送トラフ36が溶接固定されており、以下同様にして、篩下移送トラフ37、38が取り付けられている。
【0006】
以上はグリズリ・ユニット10についてであるが、グリズリ・ユニット20にはグリズリバー41、42、43と篩下移送トラフ45、46、47、48が、又、グリズリ・ユニット30にはグリズリバー51、52、53と篩下移送トラフ55、56、57、58が全く同様に設けられている。
【0007】
更には図6に示すように、グリズリ・ユニット10と次段のグリズリ・ユニット20とは、グリズリ・ユニット10における篩下移送トラフ35、36、37、38の下流端とグリズリ・ユニット20の上流端とに例えば130mm幅の間隙Gをあけ、かつ、グリズリ・ユニット10の篩下移送トラフ35、36、37、38の移送面より低い高さにグリズリ・ユニット20のグリズリバー41、42、43で形成される篩面があるような位置関係に配設されている。このことはグリズリ・ユニット20とその下段となるグリズリ・ユニット30との間においても同様である。
【0008】
更には、振動トラフ11にはグリズリ・ユニット30に続いて篩上排出口13が設けられているが、グリズリ・ユニット30とこの篩上排出口13との間にも同様な間隙Gが設けられ、かつグリズリ・ユニット30の篩下移送トラフ55、56、57、58の移送面より低い高さに篩上排出口13の底面板が配置されている。
【0009】
上述の間隙Gは被処理物中の篩下成分を落下させるためのものであり、グリズリ・ユニット10、20、30の下方には両側壁11a、11bの間において角筒状の篩下排出口14が設けられており、その下端には篩下成分を次工程へ送る径路としての床面を貫通する排出シュート8が支持部材9によって床面に支持されて設けられている。
【0010】
振動トラフ11の側壁11aはリブ16a、17a、18a、その他によって補強されており、このことはもう一方の側壁11bについても同様である。又、振動トラフ11は、上流側においてその底板11cが防振コイルばね5を介して床面上の支柱4によって支持されており、下流側においてリブ18a、18bが防振コイルばね7を介して床面上の支柱6によって支持されている。
【0011】
更には、両側壁11a、11bにはそれぞれ振動電動機19a、19bが対として取り付けられている。振動電動機19a、19bは公知のように、回転軸の両端部に不平衡重錘が固定されており、回転軸の回転によって遠心力を発生するが、振動電動機11aと11bとの回転軸を逆方向に回転させることにより遠心力が合成されて、振動トラフ11に矢印nで示す方向の直線振動が与えられる。
【0012】
以上はグリズリ型振動篩10の全体の構成であるが、上述したグリズリ・ユニット10、20、30を代表させて、グリズリ・ユニット10の拡大側面図を図8に示した。又、図9は図8における[9]−[9]線方向の部分矢視図である。側板21a、21bの間に篩下移送トラフ35、36、37、38が移送方向の底面リブ29と、これに直交する前後2枚のリブ28に支持されて設けられており、篩下移送トラフ35、36、37、38がそれぞれ当接する稜線上にグリズリバー31、32、33が一体的に溶接されてグリズリ・ユニット10が構成されている。又、図8を参照し側板21aと振動トラフ11の側壁11aは3か所においてボルト23a、24a、25aによって固定されているが、ボルト24aは側板21aに設けた長孔26aを挿通し、ボルト25aは同じく長孔27aを挿通している。そして、このことはもう一方の側板21bと側壁11bとについても同様である。すなわち、グリズリ・ユニット10はボルト23a(23b)を支点として長孔26a(26b)、27a(27b)の長さの範囲内で回動可能であり、グリズリ・ユニット10を篩別に適した傾斜角度に設定し得るようになっている。そして、これらのことはグリズリ・ユニット20、30にも共通している。
【0013】
第2従来例によるグリズリ型振動篩10は以上のように構成されるが、その作用は次の如くである。
【0014】
図6、図7を参照して、被処理物搬送コンベヤの排出口3から被処理物がグリズリ型振動篩70の振動トラフ11内の受板12上へ投入される。振動トラフ11は振動電動機19a、19bによって矢印nの方向に直線振動されているので、被処理物は受板12の下流端からグリズリバー31、32、33で形成される篩面上へ落下する。グリズリバー31、32、33の目開きS1 より小さい篩下成分は篩面から篩下移送トラフ35、36、37、38へ落ちて移送されそれらの下流端から次段のグリズリ・ユニット20との間隙Gへ落下する。目開きS1 より大きい篩上成分はグリズリバー31、32、33上を下流側へ移送され、付着し分離されないでいる篩下成分があればこれらと共に、次段のグリズリ・ユニット20との間隙Gを越えてグリズリ・ユニット20のグリズリバー41、42、43で形成される篩面へ落下する。このグリズリ・ユニット20においてもグリズリ・ユニット10と同様な篩別が行われ、更には下段のグリズリ・ユニット30においても同様な篩別が行われる。すなわち、上記のような篩別の繰り返しによって、又、被処理物は受板12からグリズリ・ユニット10へ、又、グリズリ・ユニット10からグリズリ・ユニット20へ、更にはグリズリ・ユニット20からグリズリ・ユニット30へ落下して移行されるが、この時の落下衝撃によって、又、落下時における被処理物の反転掻きまぜ効果によって篩上成分と篩下成分との篩別が確実に行われる。
【0015】
グリズリ・ユニット10とグリズリ・ユニット20との間の間隙G、グリズリ・ユニット20とグリズリ・ユニット30との間の間隙G、グリズリ・ユニット30と篩上排出口13との間の間隙Gから落下する篩下成分は篩下排出口14へ集められ、排出口シュート8へ導かれる。一方、グリズリ・ユニット10、20、30をそのまま通過する篩上成分は最終的に篩上排出口13から排出される。
【0016】
以上の作用は被処理物が塊状物の場合であるが、被処理物中に棒状物(又は筒状物)が含まれている場合に第2従来例のグリズリ型振動篩10は有効に働く。例えば長さが目開きS1 より大きく、間隙Gより大で断面の最大径が目開きS1 より小さい棒状物Rが被処理物中に含まれているものとする。棒状物Rは先述したように直線振動を受けると移送方向に配向され易く、例えばグリズリ・ユニット10においてグリズリバー31、32、33に平行な向きとなり易い。平行ないし平行に近い向きとなった棒状物Rはグリズリバー31、32、33の目開きS1 から篩下移送トラフ35、36、37、38へ落下するが、次のグリズリ・ユニット20との間隙Gから下方へ落下することなく、図8に示すように間隙Gを越えてグリズリ・ユニット20のグリズリバー41、42、43からなる篩面へ移行される。
【0017】
又、直線振動によっても配向されずに、移送方向にほぼ直交してくる棒状物R’がある場合、これらは例えばグリズリ・ユニット10においては、下段のグリズリ・ユニット20の上流端部の直上方まで延在しているグリズリバー31、32、33上を移送され、下流端からグリズリ・ユニット20のグリズリバー41、42、43で形成されている篩面上へ移行される。
【0018】
以上、グリズリ・ユニット10について説明したが、グリズリ・ユニット20、30においても同様である。このようにして、第2従来例によるグリズリ型振動篩70においては被処理物中の棒状物Rは篩下成分に混入されることなく、本来の篩上成分として篩別される。
【0019】
ただ第2従来例のグリズリ型振動篩70において、被処理物中にフライパン、鍋などの受皿状の篩上成分、曲板状の篩上成分が含まれている場合において、これらの上に篩下成分が乗って移送され、篩別が不完全になってしまうことがある。例えば篩上成分にフライパンPが含まれている場合、図9に対応する図10に示すように、フライパンPはグリズリバー32と33とに乗って移送されるか(図10にP2 として示す)、片側を篩下移送トラフ35に突込み底面をグリズリバー31に支えられて(図10中にP1 として示す)移送されるが、本来は篩下成分となるべきビール缶やジュース缶の如き金属缶CがフライパンP上に乗って移送されるので、篩上成分として処理されてしまうという問題点がある。
【0020】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされ、本来は篩下となるべき成分が受皿状または平板状の篩上成分上に乗った状態で、篩別されることなく篩上成分として処理されることのないグリズリ型振動篩を提供することを目的とする。
【0021】
【問題点を解決するための手段】
以上の目的は、移送方向に延びる複数のグリズリバーを一定の目開きで平行に並べて篩面を形成させたグリズリ・ユニットの少なくとも1ユニットと篩上排出面とがカスケード状に配設され、前記グリズリ・ユニットには前記目開きのそれぞれの直下方に断面が半円形の樋状の篩下移送トラフが設けられ、上段となる前記グリズリ・ユニットとこれに続く下段の前記グリズリ・ユニットまたは前記篩上排出面とが前記上段のグリズリ・ユニットにおける篩下移送トラフの下流端と前記下段のグリズリ・ユニットの上流端または前記篩上排出面の上流端との間に前記目開きと同程度またはそれより狭い幅の間隙をあけ、かつ前記上段のグリズリ・ユニットにおける篩下移送トラフの下流端より低い高さに前記下段のグリズリ・ユニットの上流端または前記篩上排出面の上流端があるような位置関係に配設され、前記上段のグリズリ・ユニットにおけるグリズリバーは前記下段のグリズリ・ユニットの上流端部または前記篩上排出面の上流端部の直上方まで延在して設けられているグリズリ型振動篩において、前記上段のグリズリ・ユニットにおけるグリズリバーの上方の所定の高さ位置に、移送方向に延びる単一の又は複数の転落バーを所定の間隔で平行に並べて配置しており、前記転落バーへ供給される受皿状ないしは曲板状の篩上成分が前記転落バーから滑落してその周縁部が前記上段のグリズリ・ユニットにおける前記篩下移送トラフ上に着地して前記受皿状ないしは曲板状の篩上成分を転落バーにもたれさせて横向きにして移送することにより、前記受皿状ないしは曲板状の篩上成分の面上にある篩下成分が篩上成分から選別分離されることを特徴とするグリズリ型振動篩、によって達成される。
【0022】
【作用】
グリズリバーとその目開きを落下する篩下移送トラフからなるグリズリ・ユニットの上方に所定の間隔で所定の高さに複数本、配置されている転落バー上へ供給される受皿状ないしは曲板状の篩上成分は転落バーの下流端へ至るまでに転落して側縁を篩下移送トラフに着地させて転落バーにもたれて横向きで移送されるようになるので、受皿状ないしは曲板上の篩上成分上にある篩下成分は分離され、篩上成分へ混入することが防がれる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例によるグリズリ型振動篩について図面を参照して説明する。図1は実施例のグリズリ型振動篩1の側面図、図2はその正面図であり、それぞれ第2従来例における図6、図7に対応する。
【0024】
図1、図2に示すように、実施例のグリズリ型振動篩1が第2従来例のグリズリ型振動篩70と異なるところは、受板22の表面に固定され、受板22の下流端からグリズリバー31、32、33の上方に位置して、3本の転落バー71、72、73がグリズリバー31、32、33の目開きS1 と同様な間隙をあけて平行に設けられており、それらの下流端は中段のグリズリ・ユニット20の中流部上方まで延在している。
【0025】
そのこと以外は、実施例のグリズリ型振動篩1と第2従来例のグリズリ型振動篩70とは同様に構成されているので、対応する構成要素には同じ符号を付してそれらの説明は省略し、次にその作用を説明する。
【0026】
図1、図2を参照し、篩下成分としての金属缶Cと共に、篩上成分には棒状物R、受皿状物としてのフライパンPが含まれる。被処理物は上流の搬送コンベヤの排出口3から表面に転落バー71、72、73の固定されている受板22上へ投入される。振動トラフ11は振動電動機19a、19bによって矢印nで示す方向へ直線振動されているので、受板22上を下流端まで移送される。被処理物中の篩下成分の金属缶C、及び本来は篩上成分である棒状物Rのなかで移送方向へ配向されるものは受板22の下流端から、側壁11a、転落バー71、72、73、側壁11bそれぞれの間隙S1 を通過して、下方のグリズリバー31、32、33で形成される篩面に落下して、以降は第2従来例のグリズリ型振動篩10と同様にして篩別が行われる。又、移送方向に配向されない棒状物R’は受板22の下流端から転落バー71、72、73上を移送され、途中で配向されて転落バー71、72、73の間隙を下方へ落下するものがあれば、これらは上述の棒状物Rと同様に篩別され、途中でも配向されない棒状物R’は転落バー71、72、73の下流端から中段のグリズリ・ユニット20におけるグリズリバー41、42、43で形成される篩面上へ落下して、以降は第2従来例のグリズリ型振動篩10と同様に篩別される。
【0027】
更には受皿状物としてのフライパンPは、図4を参照して、受板22の下流端から転落バー71、72、73上に乗っても、転落バー71、72、73の何れか2本の上へ乗り得ずに、例えば一点鎖線で示すように転落バー71のみに乗ることにより直ぐにバランスを失って転落もしくは滑落し実線で示すように横向きとなって転落バー71にもたれて移送されるか、又は当初は例えば二点鎖線で示すフライパンP’のように転落バー72、73の2本の上に乗って移送されても直線振動を受けていることにより、転落バー72、73の下流端に至るまでには転落して実線で示すように横向きになって、篩下移送トラフ37上に着地して転落レバー73にもたれて移送されるようになる。すなわち、フライパンP上に篩下成分としての金属缶Cが乗って移送されても、フライパンPが転落して横向きになるので、金属缶CはフライパンPから篩下移送トラフ36上へ分離されるので、篩上成分の方へ混入されることはない。すなわち、金属缶Cは篩下移送トラフ36、37の下流端から中段のグリズリ・ユニット20との間隙Gから下方へ落下する。
【0028】
一方、フライパンP、P’は篩下移送トラフ36、37上において横向き立ち、転落バー72、又は73にもたれたまま移送され、篩下移送トラフ36の下流端においては、篩上成分としてフライパンPの径が間隙Gより大であることから下方へ落下することなく、中段のグリズリ・ユニット20へ移行し、転落バー71の下流端において、グリズリバー41、42、43上へ倒れて移送されるようになる。以降は第2従来例のグリズリ型振動篩10と同様に、グリズリ・ユニット30を経て、篩上排出口13から排出される。
【0029】
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0030】
例えば、本実施例においては転落バー71、72、73をグリズリバー31、32、33の上方に平行して3本設けたが、必ずしもグリズリバー31、32、33の上方でなくてもよい。
【0031】
フライパンの如き受皿状物Pが横向きになるように落下し、転落バーに持たれて移送されるようになるのであれば、その本数、設置高さは限定されない。
【0032】
又、本実施例においては転落バー71、72、73を上段のグリズリ・ユニット10の上方から中段のグリズリ・ユニット20の中流部の上方まで延在させたが、その長さは上段のグリズリ・ユニット10の下流端までとしてもよく、転落バー71、72、73は上方を移送される受皿状ないしは曲板状の篩上成分が横向きに落下するだけの長さがあればよい。
【0033】
又、本実施例においては、転落バー71、72、73を受板32の表面に固定したが、受板22の裏面に固定してもよく、受皿状ないしは平板状の篩上成分が転落バーにもたれて横向きに移送されるようになる限りにおいて、転落バー71、72、73で形成される面は受板22の面より下方に位置させてもよい。
【0034】
又、本実施例においては転落バー71、72、73を上段のグリズリ・ユニット10の上方から、中段のグリズリ・ユニット20の中流部上方まで延在させたが、グリズリ・ユニット10、グリズリ・ユニット20のそれぞれに転落バーを設けてもよい。
【0035】
又、本実施例においては、転落バー71、72、73として丸棒を使用したが、角棒ないしはアングル材としてもよく、その断面形状は限定されない。
【0036】
又、実施例においてはグリズリ・ユニット10において(グリズリ・ユニット20、30においても同様である)、グリズリバー31、32、33を側板21a、21bから中段のグリズリ・ユニット20の中流部上方まで延在させたグリズリ型振動篩に転落バー71、72、73を設けたが、グリズリバー31、32、33を側板21a、21bと同じ長さとしたグリズリ型振動篩に転落バーを設けたものにおいても、転落バーの効果は発揮され、篩下成分が受皿状ないしは平板状の篩上成分上に乗って移送されて篩上成分に混入されることを防ぐ。
【0037】
以上の実施例では、種々雑多な金屑を主体とするごみが、非処理物搬送コンベヤの排出口3から供給されるようにしたが、勿論、上方に配設されたホッパの排出口から自然落下により供給するようにしても良い。
【0038】
この場合においても、受皿状乃至は曲板状のごみに付随した、例えば、アルミ缶などを受けた状態で、グリズリ型振動篩1に供給されることがある。
【0039】
又以上の実施例では、転落バー71、72、73は下流側のグリズリバー31、32、33と下向き傾斜を同一にして平行にしたが、勿論この角度は異なっていても良く、更に転落バー71、72、73は同レベルに配設したが、これらは横方向に上下レベルを交互に変えて配設するようにしても良い。
【0040】
例えば、図2において真ん中の転落バー72の高さを、両側の転落バー71と73より一段と低くしても良い。これにより、外方よりコンベヤの排出口3又はホッパから供給された受皿状乃至は曲板状のごみ屑の転倒を更に容易にして、篩下を下流側の篩面へと確実に分けて供給することが出来る。
【0041】
又以上の実施例では、転落バーは71乃至は73の3本としたが、これは1本でも良い。本発明において所定の間隔とは、この1本の場合も含むものとする。
【0042】
又以上の実施例ではグリズリ型振動篩の駆動部を一対の振動電動機19a、19bとしたが、これに代えて従来公知の駆動部、例えばクランク式駆動部や、あるいは、ほぼ半円形のアンバランスウェイトの回転により遠心力を発生するアンバランスウェイト型駆動部を用いても良い。あるいは、ごみが非常に小型の場合は電磁振動フィーダを用いても良く、この場合にはごみが小型の時に有効であるが、例えば、割れた小皿に生ごみ、例えばいわしの頭などが載って排出される場合にこのいわしの頭と皿とを分離するのに効率的である。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のグリズリ型振動篩によれば、篩下成分が受皿状ないしは曲板状の篩上成分上に乗って移送されるような場合にも、受皿状ないしは曲板状の篩上成分が転落バーから横向きに落下されるので篩下成分が受皿状ないしは平板状の篩上成分から分離されるので、篩下成分が篩上成分に混入されることが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例によるグリズリ型振動篩の側面図である。
【図2】同振動篩の正面図である。
【図3】図1における[3]−[3]線方向の部分断面図である。
【図4】実施例の作用を示す図であり、図3に対応する。
【図5】第1従来例の斜視図である。
【図6】第2従来例の側面図である。
【図7】第2従来例の正面図である。
【図8】第2従来例におけるグリズリ・ユニットの拡大側面図である。
【図9】図8における[9]−[9]線方向の矢視図である。
【図10】同従来例の作用を説明する一部の正面図である。
【符号の説明】
1 実施例のグリズリ型振動篩
10 グリズリ・ユニット
11 振動トラフ
12 受板
13 篩上排出口
14 篩下排出口
19 振動電動機
20 グリズリ・ユニット
21 側板
22 受板
30 グリズリ・ユニット
31 グリズリバー
32 グリズリバー
33 グリズリバー
35 篩下移送トラフ
36 篩下移送トラフ
37 篩下移送トラフ
38 篩下移送トラフ
60 第1従来例のグリズリ型振動篩
70 第2従来例のグリズリ型振動篩
71 転落バー
72 転落バー
73 転落バー
C 金属缶
G 間隙
P フライパン
R 棒状物
S1 目開き
Claims (3)
- 移送方向に延びる複数のグリズリバーを一定の目開きで平行に並べて篩面を形成させたグリズリ・ユニットの少なくとも1ユニットと篩上排出面とがカスケード状に配設され、前記グリズリ・ユニットには前記目開きのそれぞれの直下方に断面が半円形の樋状の篩下移送トラフが設けられ、上段となる前記グリズリ・ユニットとこれに続く下段の前記グリズリ・ユニットまたは前記篩上排出面とが前記上段のグリズリ・ユニットにおける篩下移送トラフの下流端と前記下段のグリズリ・ユニットの上流端または前記篩上排出面の上流端との間に前記目開きと同程度またはそれより狭い幅の間隙をあけ、かつ前記上段のグリズリ・ユニットにおける篩下移送トラフの下流端より低い高さに前記下段のグリズリ・ユニットの上流端または前記篩上排出面の上流端があるような位置関係に配設され、前記上段のグリズリ・ユニットにおけるグリズリバーは前記下段のグリズリ・ユニットの上流端部または前記篩上排出面の上流端部の直上方まで延在して設けられているグリズリ型振動篩において、前記上段のグリズリ・ユニットにおけるグリズリバーの上方の所定の高さ位置に、移送方向に延びる単一の又は複数の転落バーを所定の間隔で平行に並べて配置しており、前記転落バーへ供給される受皿状ないしは曲板状の篩上成分が前記転落バーから滑落してその周縁部が前記上段のグリズリ・ユニットにおける前記篩下移送トラフ上に着地して前記受皿状ないしは曲板状の篩上成分を転落バーにもたれさせて横向きにして移送することにより、前記受皿状ないしは曲板状の篩上成分の面上にある篩下成分が篩上成分から選別分離されることを特徴とするグリズリ型振動篩。
- 前記下段のグリズリ・ユニットに前記転落バーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のグリズリ型振動篩。
- 前記上段のグリズリ・ユニットの上方に設けられた前記転落バーは前記下段のグリズリ・ユニットの中流部の上方まで延在していることを特徴とする請求項1に記載のグリズリ型振動篩。
Priority Applications (1)
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