JP3606766B2 - 映像信号増幅装置及び映像信号a−d変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は映像信号処理装置に関し、特にアナログ方式のテレビジョン信号を所定のデジタル符号化規格に適合するように変換するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DVC(デジタルービデオーカセット)等映像信号をデジタル処理することによりノイズの少ない映像を記録出来る機器が普及し始めている。そこで、より精度よく、より簡単にアナログ方式のテレビジョン信号を所定のデジタル符号化規格に準じる信号に変換する装置の開発が求められている。
【0003】
ところで、アナログ方式のテレビジョン信号は、例えばNTSC方式ではEIA規格RS−170として制定されている。
これは、図1に示すように、輝度信号と搬送波色信号が多重された映像信号部分とテレビ受像器に映像を映すために用いられる同期信号部分よりなり、それぞれの信号レベルは、同期信号を40とすると映像信号は黒レベルから白ピークまでの間が100の映像信号レベルになるように定められている。
【0004】
また、デジタル符号化規格は、例えばコンポーネント信号のデジタル符号化規格として、ITU勧告ITU−R.BT601として定められている。
これは、輝度信号、搬送波色信号のアナログ信号をデジタル信号へ変換するときに、サンプリング周波数、量子化の信号レベルなどが定められている。
【0005】
そして、例えばNTSC方式においては、同期信号はなく、また輝度信号はアナログデータの値を採取する周期たるサンプリング周波数が13.5Mhz、量子化の信号レベルが1サンプルを8ビットで表現する(変換する)場合、黒レベルは16/255(=28 −1)、白ピークレベルは235/255とされている。
このため、図2に示すごとく、両方の規格では、映像信号レベルの相違が生じる。本図において、左がEIA規格RS−170であり、右がITUの勧告ITU−R.BT601である。
【0006】
従って、アナログ映像をデジタルに変換する場合、この調整が必要となる。以下、このことを考慮して従来のアナログ方式のテレビジョン信号をデジタル符号化規格の信号へ変換する装置について、図を参照しつつ説明する。
【0007】
図3は、この装置の構成図である。
本図において、111と112は、各上流側及び下流側のA−Dコンバータ回路である。12は、Y/C分離回路である。131と132は、各上流側及び下流側の同期信号検出回路である。31は、D−Aコンバータ回路である。32は、振幅増幅回路である。14は、同期信号変換回路である。
【0008】
以下、この映像処理装置の作用を説明する。
例えばNTSC方式のようなアナログ方式のテレビジョン信号が入力端子10から上流側のA−Dコンバータ回路111に入力されると、ここで8ビットのデジタル信号に変換される。このA−Dコンバータ回路の信号レベルであるが、先の図1に示すような信号は、図4に示すように黒レベル部分が例えば64/255、白ピークレベルが210/255とされる。
上流側の同期信号検出回路131は、この8ビットデジタル信号から同期信号を検出する。
【0009】
Y/C分離回路12は、検出された同期信号を用いて8ビットデジタル信号を輝度信号と搬送波色信号に分離する。
この分離された輝度信号は、D−Aコンバータ回路31により再度アナログ信号に変換され、また同期信号と輝度信号と搬送波色信号の入ったコンポジット信号を輝度信号と同期信号の入った信号及び搬送波色信号に分割したコンポーネント信号に直すべく振幅増幅回路32により黒レベルと白ピークの間の信号レベルが入力信号の1.5倍になるように増幅される。
増幅された輝度信号は、下流側のA−Dコンバータ回路112により再度8ビットデジタル信号に変換される。
このときA−Dコンバータ回路112の出力信号の信号レベルは、図2の右側に示すように黒レベル16/255、白ピークレベル235/255に変換することが出来る。
【0010】
下流側の同期信号検出回路132は、振幅増幅回路32からの出力信号から同期信号を検出する。
同期信号変換回路14は、この同期信号検出回路からの同期信号を用いて、輝度信号の同期信号部分は例えば16/255に固定し、映像部分はそのまま出力する。
そして、最後に搬送信号と輝度信号は別々に図示しない表示部へ出力され、両信号を足し合わせて送る場合よりも良好な映像が表示されることとなる。
以上のようにすれば、NTSC規格のようなアナログ方式のテレビジョン信号を規定のデジタル符号化規格に適合した信号に変換することが出来る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この回路構成では、入力信号が上流側のA−Dコンバータ回路111でデジタル信号に変換された後、コンポジット信号をコンポーネント信号に変換するため再度D−Aコンバータ回路31と下流側のA−Dコンバータ回路112で変換されることとなり、その結果S/N比が劣化する。
更に、輝度信号の信号レベルを変更するために、D−Aコンバータ回路と2個のA−Dコンバータ回路を用いるためコストが高くなる。
このため、S/N比が劣化することがなく、更に回路規模も小さく安価な映像信号処理装置の実現が望まれている。
【0012】
次に、以上は通常米国や日本で用いられているNTSC方式のテレビジョン映像におけるA/D変換での処理を対象としたものであるが、A/D変換に際して技術の進歩等に伴い、幾つかの規格が相違するため、その調整としての増幅等が必要という問題は他の方式でも生じうる。
このため、これらの場合にも応用しうる技術の開発が望まれていた。
また、増幅等の調整を行なった結果、調整に伴うノイズの発生や映像信号の性質の如何に依って、処理後の映像が却って見づらくなったりしてはならないのは当然である。
このため、調整の際の処理の関係で映像が劣化したりしない技術の開発も望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、係る課題を解決することを目的としてなされたものであり、従来の処理の要部をアナログでなくデジタルで行うものである。
具体的には以下の構成としている。
【0014】
本発明の請求項1においては、入力輝度信号を所定の規格に準拠した信号レベルに変換して出力する映像信号増幅装置において、入力輝度信号の信号レベルを、所定倍に増幅することにより上記所定の規格に準拠した信号レベルにする振幅増幅手段と、振幅増幅手段から出力された信号を入力して所定の低域周波数成分を通過させるローパスフィルタと、入力輝度信号の所定の性質を(入力輝度信号から)直接的あるいは(ADコンバータや振幅増幅手段からの出力信号から)間接的に検出し、該検出値に対応した制御信号を出力する制御手段と、制御信号により前記振幅増幅手段の出力と前記ローパスフィルタの出力の何れか(ユーザにとり見易い方の)一方を選択して外部へ出力する選択手段とを有していることを特徴としている。
これにより、信号レベルの増幅に伴い発生したノイズ、例えばあらかじめ存在しないと判明している高周波成分があれば、制御手段がこれを検出してローパスフィルタを通過した増幅信号を外部への出力信号として選択したり、増幅信号が一旦ローパスフィルタを通過する様にしたりして外部への出力信号のノイズが除去される。
【0015】
また、請求項2においては、映像信号A−D変換装置において、入力されてきたアナログ輝度信号が、振幅増幅手段により所定倍に増幅されて所定の規格に準拠した信号レベルに変換される。この下で、入力されてきたアナログ輝度信号の所定の性質に依っては、制御手段と選択手段の作用の下で振幅増幅手段からの出力信号そのままでなく更にローパスフィルタを通過したデジタル信号が外部に出力されることとなる。
【0016】
また、請求項3においては、A−Dコンバータ回路が、処理対象のアナログ信号、例えばアナログ方式のテレビジョン信号を、2Nビット、例えば8ビットのデジタル信号に変換する。デジタル振幅増幅回路が、A−Dコンバータ回路から出力された信号を入力してY/C分離した輝度信号のレベルを、所定倍に増幅することにより通信規約や映像信号用機器の規格に準拠した信号レベルにする。具体的には、例えば1.5倍に増幅する。この下で、ローパスフィルタと制御部と選択回路が作用して、必要に応じて各処理で発生した雑音等を除去し、最適な信号が外部に出力されることとなる。
【0017】
また、請求項4においては、本装置(回路)の外部から入力されてきた信号の所定の性質を検出し、該検出値に対応して選択や切換えのための制御信号を発する制御部と、制御部からの制御信号によりデジタル振幅増幅回路の出力信号と一旦ローパスフィルタを通した信号のいずれか一方を選択して出力する選択回路とを有している。
これにより、選択回路は、元の信号に近いが丸め誤差がある信号または丸め誤差は少ないがローパスフィルタにより画質が多少劣化している信号の一方を、視覚特性に合わせて適切に選択し出力することとなる。
【0018】
また、請求項5においては、請求項4のデジタル振幅増幅回路を、デジタル乗算器若しくはディジタル信号を右や左へ所定ビットだけシフトする1又は複数個のシフターと該シフター(群)からの出力信号と原信号加算をする加算回路を有している。
【0019】
また、請求項6においては、請求項4と同5における制御部は入力されてきた映像信号の動き検出を行い、動き検出値がしきい値以上であれば選択手段がデジタル振幅増幅回路の出力を選択し、しきい値より小さければローパスフィルタの出力を選択する制御信号を生成する動き検出制御部としている。
これにより、出力しようとする映像信号を動画と判断した場合には、動画は視覚特性的に丸め誤差が目立たないために丸め誤差があっても元の信号に近い信号を出力し、静止画と判断した場合には、静止画は視覚特性的に丸め誤差が目立つためにフィルタを通過させた丸め誤差が小さい信号を出力する。
【0020】
また、請求項7においては、請求項4と同5における制御部は入力されてきた映像信号の相関検出を行い、相関検出値がしきい値以上であれば選択手段がデジタル振幅増幅回路の出力を選択し、しきい値より小さければローパスフィルタの出力を選択する制御信号を生成する相関検出制御部としている。
これにより、出力しようとする映像信号を相関が弱いと判断した場合には、相関の弱い映像信号は視覚特性的に丸め誤差が目立たないために丸め誤差があっても元の信号に近い信号を出力し、相関が強いと判断した場合には、相関の強い映像信号は視覚特性的に丸め誤差が目立つためにフィルタを通過させた丸め誤差が小さい信号を出力する。
【0021】
また、請求項8においては、請求項4と同5における制御部は、動きと相関の両方を検出して、適切な制御を行なう動き相関検出制御部としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を幾つかのその好ましい実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
(デジタル信号の増幅部)
先ず、本発明の各実施の形態に採用しているデジタル信号の増幅部について、少し詳しく説明する。
図5は、このデジタル信号の増幅部の構成図である。本図において、11はA−Dコンバータ回路である。12は、Y/C分離回路である。13は、同期信号検出回路である。14は、同期信号変換回路である。15は、デジタル振幅増幅回路である。
【0024】
以下、この装置の作用を説明する。
例えばNTSC方式のようなアナログ方式のテレビジョン信号が、入力端子10からA−Dコンバータ回路11に入力されると、この回路にて、この入力されたアナログ信号は8ビットのデジタル信号に変換される。
このA−Dコンバータ回路11の信号レベルは、従来技術と同じく例えば図4に示すように黒レベル部分が例えば64/255、白ピークレベルが210/255となるように変換される。
次に、同期信号検出回路13が、この8ビットデジタル信号から同期信号を検出する。
【0025】
Y/C分離回路12は、検出された同期信号を用いてA−Dコンバータ回路11から出力される8ビットデジタル信号を輝度信号と搬送波色信号に分離する。このときの輝度信号の信号レベルは、上述の如く例えば黒レベル64/255、白ピークレベル210/255である。
同期信号変換回路14は、同期信号検出回路13から出力される同期信号を用いて、輝度信号を同期信号部分の信号レベルを例えば64/255に固定する。更に、デジタル振幅増幅回路15により、この信号が黒レベル16/255、白ピークレベル235/255になるように変換され、デジタル符号化規格に直した信号として出力される。
【0026】
以下、このデジタル振幅増幅回路の作用について説明する。
同期信号変換回路14での信号レベルを、例えば黒レベル64/255、白ピークレベル210/255とし、同期信号変換回路14から出力された任意の信号のレベルをXとする。
また、デジタル振幅増幅回路15での信号レベルを黒レベル16/255、白ピークレベル235/255とする。
ここで、デジタル振幅増幅回路15より出力される上述のXに対応する信号のレベルをYとすると、
すると、Y=(235−16)/(210−64)×(X−64)
= 1.5×(X−64)
= {1+(1/2)}×(X−64)
となる。
【0027】
この変換の様子を図6の(a)に概念的に示す。
さて、8ビットデジタル回路において入力信号を1/2にすることは、すなわち8ビット信号を1ビット分右にシフトする(最下位の桁は切り捨てる)ことである。
従って、上記のデジタル振幅増幅回路15は、図6の(a)に示すように加算回路150と1ビット右シフト回路(シフター)151を組み合わせた簡単な回路となる。
【0028】
以上は通常の8ビットのデジタル映像の場合の処理であるが、ハイビジョン放送においては10ビットとなる。しかし、この場合の処理も原理的には同じである。
更に、規格に整合させてのデジタル信号の所定倍率への増幅回路は、シフターを適宜組み合わせることにより、簡単に作製可能である。
【0029】
図6の(b)には、更に2ビット右シフト回路152を組み合わせて1.75倍に増幅する場合のデジタル振幅増幅回路を示す。
更に、ケースによっては、例えば1ビット左へシフトする回路を使用したり、デジタル乗算器を使用したりしての処理もなしうるのは勿論である。
【0030】
(第1の実施の形態)
図7は、本発明に係る映像信号処理装置の第1の実施の形態の構成図である。本図において、ローパスフィルタ16を、デジタル振幅増幅回路15の後流に設けているのが先のデジタル信号の増幅部と相違する。
以上の他、先のデジタル信号の増幅部と同じ構成(部分)については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0031】
以下、この装置の固有の作用を説明する。
外部から入力された、例えばNTSC方式のようなアナログ方式のテレビジョン信号が先の第1の実施の形態と同じようにして処理され、その結果、デジタル振幅増幅回路15が、この入力信号を黒レベル16/255、白ピークレベル235/255になるように変換し、デジタル符号化規格に準じた信号としてローパスフィルタ16へ出力する。
ここで、先の実施例のデジタル振幅増幅では、例えば図8に示すようなアナログ信号が入力されると、A−Dコンバータ回路11の出力は切捨てがなされるため図9のようになり、更にこのデータがデジタル振幅増幅回路15に入力されて、その出力が1.5倍されることとなる。このため、そこでの出力は図10のようになる。
【0032】
ここでサンプリング点たるA点付近に着目すると、元のアナログ信号では存在しない形状が出来ることとなり、このためA点において演算の丸め誤差が目立ってしまうこととなる。
そこで、本実施の形態では、デジタル振幅増幅回路15の出力を一旦ローパスフィルタ16に通すことにより、NTSC方式では本来含まれていない6MHz以上の高周波をカットしてしまうこととしている。
その結果、図11に示すようにA点の位置の補正がなされ、演算の丸め誤差が低減されることとなる。
そして、これにより優れた表示がなされる。
なおここで、ローパスフィルタのカットする周波数は、本来のアナログ映像の放送、通信方式等や映像の内容に応じて、適宜他の値が採用されたり、調整可能とされていてもよいのは勿論である。
【0033】
(第2の実施の形態)
図12に、本発明の第2の実施の形態に係わる映像信号A−D変換装置の構成を示す。
本実施の形態においては、先の第1の実施の形態の装置に、更に制御回路17とセレクタ18を備えた点が相違する。このため、第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0034】
Y/C分離回路12から同期信号変換回路14への信号線が途中から分岐して制御回路17へ入力されるが、この信号線を17aとする。また、制御回路17からセレクタ18への出力信号線を17bとする。また、ローパスフィルタ16からセレクタ18への出力信号線を16bとする。
次に、デジタル振幅増幅回路15からローパスフィルタ16への信号線が途中から分岐してセレクタ18へ出力されるが、この信号線を15bとする。
制御回路17は、Y/C分離回路12から出力された輝度信号を入力され、後述の処理を行なった後、セレクタへ所定の切り替え信号を出力する。
セレクタ18は、制御回路17からの所定の切り替え信号をもとに、デジタル振幅増幅回路15からの出力信号線15bと、ローパスフィルタ16からの出力信号線16bのいずれの信号線を下流側へ接続するかを選択し、選択された方の信号線の信号が下流側へ出力されることとなる。
【0035】
図13の(a)〜(c)に、図12における制御回路17の諸々の構成例を示す。以下、(a)〜(c)を順に説明する。
図13の(a)は、図12の制御回路17が、各フレーム間の相関を利用して局所的に映像の動きを検出する動き検出制御回路171である場合である。
この動き検出制御回路の概略構成を図14の(a)に、概略処理を図14の(b)に示す。
【0036】
図14の(a)において、1711は、標本点記憶部である。1712は標本点採取部である。1713は、しきい値記憶部である。1714は、比較部である。1715は、動き判定部である。1716は、切り替え信号出力部である。動き検出方法であるが、標本点採取部1712は、本装置の製造時に標本点記憶部1711にあらかじめ入力されている標本点を読み出し、読み出したデータをもとに輝度信号から、ある座標Xの標本点と1フレーム前の同じ座標Xの値を取り出し、これを比較部1714へ出力する。
【0037】
比較部1714は、この値の差をしきい値記憶部1713にあらかじめ記憶されているデータと比較し、その結果を動き判定部1715へ出力する。
動き判定部1715は、入力された結果をもとに、動画か静止画かを判断してその旨を切り替え信号出力部1716へ出力する。
切り替え信号出力部1716は、それに応じて切り替え信号をセレクタ18へ出力する。
【0038】
以上の処理の流れの概略を図14(b)に示す。
セレクタ18は、動画と判定された信号であればフィルタをかけていない信号を出力し、静止画と判定された信号であればフィルタをかけた信号を出力することとなる。
すなわち、デジタル振幅増幅回路15の出力をローパスフィルタ16に通過させることにより演算の丸め誤差を目立たなくさせることができるため、通過後の信号は静止画として出力する場合において有効である。
また、通過させない信号は、劣化がないため本来の信号に近い信号であり、また人間が動画を見る場合、視覚効果により視覚の分解能が低下し演算の丸め誤差が目立たなくなり、丸め誤差は実質的には問題にならない。
以上により、入力信号が動画の場合はセレクタより出力される輝度信号の劣化を低減させることが出来る。
【0039】
図13の(b)は、図12の制御回路17が局所的にフィールド内(同一画面内の各部)の相関を検出する相関検出制御回路172である場合の回路図である。
相関検出方法として例えば信号において、ある座標Yの標本点とその周囲8点(上下2点、左右2点、斜め方向4点)の視覚に影響のある色彩と輝度の値の平均値を計算し、その計算結果と標本点の値との差を求め、その差がある基準値以上であれば相関関係無し、その差がある基準値以下であれば相関関係有りと判定してセレクタ18へ判定結果を出力する。
セレクタ18は制御信号が相関関係無しと判定された信号であればローパスフィルタ16をかけていない信号を出力し、相関関係有りと判定された信号であればローパスフィルタ16をかけた信号を出力する。
【0040】
さて、視覚効果により、注目標本点付近においてフィールド内の相関関係が大きい場合は演算の丸め誤差が目立ち、相関関係が小さい場合は演算の丸め誤差が目立たない。
すなわち、本実施例では相関関係が低く丸め誤差が目立たない場合を判断し、その場合においてローパスフィルタを通過させない元の信号に近い信号を出力しても実質的に問題をならない。
上記構成により、入力信号が相関関係無しの場合はセレクタより出力される輝度信号の劣化を低減させることが出来る。
なお、この相関検出制御回路の基本的な構成、処理手順は先の動き検出制御回路と同様なので、わざわざの図示は省略する。
【0041】
図13(c)は、制御回路17が動き検出回路170と相関検出回路173と判定回路174で構成されている動き相関検出制御回路である場合の回路である。
本回路の作用であるが、動き検出回路170で、動画/静止画の判定を行い、相関検出回路173で、相関関係有り/無しの判定を行う。判定回路174では、出力する信号が静止画で且つ相関関係がある場合のみセレクタ18がローパスフィルタ16を通過させた信号を選択するようにして、その他の場合はセレクタ18がローパスフィルタ16を通過させない信号を選択するようにする。
こうすることにより、出力信号が静止画で且つ相関関係が有るといった演算の丸め誤差が目立つ場合のみにローパスフィルタの出力信号を選択することにより、更にローパスフィルタの選択範囲をしぼりこむことが可能となる。
【0042】
以上の構成により、入力信号が静止画且つ相関関係有り以外の場合はセレクタより出力される輝度信号の劣化を低減させることが出来る。
以上、本発明を2つの実施の形態(及びそれらに採用しているデジタル信号の増幅部と)に基づいて説明してきたが、本発明は何も以上に限定されないのは勿論である。すなわち、例えば以下のようにしてもよい。
【0043】
▲1▼ 製造の便宜等もあり、本発明の1つの構成要素を物理的に複数の物に分割したり、逆に複数の構成要素を一体にしたりしている。
▲2▼ サンプリング周波数を変更し、これに合わせてローパスフィルタのカットする周波数を変更している。あるいは、使用者が入力されてくるアナログ映像信号の程度に応じて調整することが可能としている。
▲3▼ 既存のアナログ映像のデジタル映像への変換専用機であり、このため記録部や表示部を有していない。
▲4▼ 表示部はCRTでなく、その他のもの、例えば液晶表示盤、としている。
【0044】
▲5▼ 第2の実施の形態において、制御回路は、A−Dコンバータ回路から直接信号を入力されるようになっている。また、確実に各フレームを検出するため、同期信号を入力されたり、別途クロック信号を入力されたりするようになっている。また、相関検出も、回路的に負担とならないので、全ての画素につき検出している。
▲6▼ A−Dコンバータ回路等は、外部から入力されてくるアナログ映像信号が、通常のNTSC方式かハイビジョン放送かを自動的に検出したり、別途使用者から入力されたりして、それに応じての処理をなせるようプログラムされている(極端な場合、必要な回路等は複数有し、入力信号に適した方に切り換えを行なう)。
【図面の簡単な説明】
【図1】NTSC方式のテレビジョン信号の構成を概念的にを示した図である。
【図2】本発明に係る映像信号A−D変換装置の輝度信号を変換する様子を概念的に説明するための図である。
【図3】従来技術に係る映像信号A−D変換装置の構成図である。
【図4】アナログ方式のテレビジョン信号をデジタル信号に変換するときの信号レベルを説明するための概念図である。
【図5】本発明に係る映像信号A−D変換装置の各実施の形態に採用しているA−D信号変換増幅部の構成を示す図である。
【図6】上記A−D変換増幅部の増幅回路の構成を示す図である。
【図7】本発明に係る映像信号A−D変換装置の第1の実施の形態の構成図である。
【図8】演算の丸め誤差を説明するための図であり、入力されたアナログ信号とそのサンプリング点を示す。
【図9】演算の丸め誤差を説明するための図であり、サンプリング点でのデジタル値をしめす。
【図10】演算の丸め誤差を説明するための図であり、図9に示すデジタル値を1.5倍した値を示す。
【図11】演算の丸め誤差を説明するための図であり、ローパスフィルタ通過後のデジタル値を示す。
【図12】本発明に係る映像信号A−D変換装置の第2の実施の形態の構成図である。
【図13】本発明に係る映像信号A−D変換装置の制御回路の構成図である。
【図14】本発明に係る映像信号A−D変換装置の動き検出制御回路の構成と処理手順を示した図である。
【符号の説明】
11 A−Dコンバータ回路
111 上流側のA−Dコンバータ回路
112 下流側のA−Dコンバータ回路
12 Y/C分離回路
13 同期信号検出回路
131 上流側の同期信号検出回路
132 下流側の同期信号検出回路
14 同期信号変換回路
15 デジタル振幅増幅回路
150 加算回路
151 1ビット右シフト回路
16 ローパスフィルタ
16b ローパスフィルタからセレクタへの信号線
17 制御回路
17a Y/C分離回路から制御回路への信号線
17b 制御回路からセレクタへの信号線
1711 標本点記憶部
1712 標本点採取部
1713 しきい値記憶部
1714 比較部
1715 動き判定部
1716 切り替え信号出力部
170 動き検出回路
172 相関検出制御回路
173 相関検出回路
174 判定回路
31 D−Aコンバータ回路
32 振幅増幅回路
Claims (8)
- 入力輝度信号を、所定の規格に準拠した信号レベルに変換して出力する映像信号増幅装置において、
上記入力輝度信号の信号レベルを、所定倍に増幅することにより所定の規格に準拠した信号レベルにする振幅増幅手段と、
前記振幅増幅手段から出力された信号を入力して所定の低域周波数成分を通過させるローパスフィルタと、
入力されてきた信号の所定の性質を検出し、該検出値に対応した制御信号を出力する制御手段と、
上記制御信号により前記振幅増幅手段の出力と前記ローパスフィルタの出力の何れか一方を選択して外部へ出力する選択手段とを有していることを特徴とする映像信号増幅装置。 - 入力アナログ輝度信号を、所定の規格に準拠した信号レベルに変換して出力する映像信号A−D変換において、
上記入力アナログ輝度信号の信号レベルを、所定倍に増幅することにより所定の規格に準拠した信号レベルにする振幅増幅手段と、
前記振幅増幅手段から出力された信号を入力して所定の低域周波数成分を通過させるローパスフィルタと、
入力されてきた信号の所定の性質を検出し、該検出値に対応した制御信号を出力する制御手段と、
上記制御信号により前記振幅増幅手段の出力と前記ローパスフィルタの出力の何れか一方を選択して外部へ出力する選択手段とを有していることを特徴とする映像信号A−D変換装置。 - A−Dコンバータ回路と、
前記A−Dコンバータ回路から出力された信号を入力してY/C分離した輝度信号の信号レベルを、所定倍に増幅することにより通信規約や映像信号用機器の規格に準拠した信号レベルにするデジタル振幅増幅回路と、
前記デジタル振幅増幅回路から出力されたデジタル信号を入力されて所定の低域周波数成分を通過させるローパスフィルタと、
入力されてきた信号の所定の性質を検出し、該検出値に対応した制御信号を出力する制御部と、
前記制御部からの制御信号により前記デジタル振幅増幅回路の出力と前記ローパスフィルタの出力の何れか一方を選択して外部へ出力する選択回路とを有していることを特徴とする映像信号A−D変換装置。 - アナログ方式のテレビジョン信号を2のN乗ビットのデジタル信号に変換するA−Dコンバータ回路と、
前記A−Dコンバータ回路から出力されたデジタル信号から同期信号を検出する同期信号検出回路と、
前記A−Dコンバータ回路から出力されたデジタル信号を前記同期信号検出回路から出力される同期信号を用いて輝度信号と搬送波色信号に分離して出力するY/C分離回路と、
前記Y/C分離回路から出力された輝度信号の同期信号部分を規定値に変換する同期信号変換回路と、
前記同期信号変換回路から出力された信号レベルを、所定倍に増幅することにより通信規約や映像信号用機器の規格に準拠した信号レベルにするデジタル振幅増幅回路と、
前記デジタル振幅増幅回路から出力されたデジタル信号を入力されて所定の低域周波数成分を通過させるローパスフィルタと、
入力されてきた信号の所定の性質を検出し、該検出値に対応した制御信号を出力する制御部と、
前記制御部からの制御信号により前記デジタル振幅増幅回路の出力と前記ローパスフィルタの出力のいずれか一方を選択して外部へ出力する選択回路とを有していることを特徴とする映像信号A−D変換装置。 - 前記デジタル振幅増幅回路は、
デジタル乗算器若しくは1又は複数のシフターと該シフター(群)からの出力と原信号を加算する加算回路からなっていることを特徴とする請求項4記載の映像信号A−D変換装置。 - 前記制御部は、
A−Dコンバータ回路若しくはY/C分離回路からの出力信号の動き検出を行い、該動き検出値がしきい値以上であれば前記選択手段が前記デジタル振幅増幅回路の出力を選択し、しきい値より小さければ前記ローパスフィルタの出力を選択する制御信号を生成する動き検出制御部であることを特徴とする請求項4若しくは請求項5に記載の映像信号A−D変換装置。 - 前記制御部は、
A−Dコンバータ回路若しくはY/C分離回路からの出力信号の相関検出を行い、該相関検出値がしきい値以上であれば前記選択手段が前記デジタル振幅増幅回路の出力を選択し、しきい値より小さければ前記ローパスフィルタの出力を選択する制御信号を生成する相関検出制御部であることを特徴とする請求項4若しくは請求項5に記載の映像信号A−D変換装置。 - 前記制御部は
A−Dコンバータ回路若しくはY/C分離回路からの出力信号の動き検出と相関検出を行い、該動き検出値と相関検出値が共にしきい値以上であれば前記選択手段が前記デジタル振幅増幅回路の出力を選択し、その他の場合は前記ローパスフィルタの出力を選択する制御信号を生成する動き相関検出制御部を有していることを特徴とする請求項4若しくは請求項5に記載の映像信号A−D変換装置。
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