JP3606517B2 - ハイブリッド回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド回路に係わり、特に、電力容量を向上させた3dBハイブリッド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信装置、放送装置等において、高周波信号の分岐、あるいは、高周波信号の合成に、ハイブリッド回路が使用される。
図10は、従来のλ/4結合型3dBハイブリッド回路(以下、単に、ハイブリッド回路という。)の構造を示す模式斜視図である。
図10に示すように、従来のハイブリッド回路は、シールドケース(筐体)1内に、2個の結合線路(または、ストリップライン)(11,12)が配置される。
この結合線路(11,12)の線路長(L)は、ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長をλoとするとき、ほぼλo/4(L≒λo/4)とされる。
また、4個の端子(T1〜T4)は、それぞれ内部導体(131〜134)と外部導体(141〜144)とで構成される同軸給電管で構成され、結合線路11は、一端が第1の端子T1の内部導体131、他端が第3の端子T3の内部導体133に接続され、結合線路12は、一端が第2の端子T2の内部導体132に、他端が第4の端子T4内部導体134に接続される。
また、図10では、内部の構造を理解しやすくするため、シールドケース1は実線で表している。
図11は、図10に示すハイブリッド回路の実際の構造を示す要部断面図であり、図10に示すB−B’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
図12は、図11に示すハイブリッド回路の一側面を示す側面図であり、図10に示すC方向から見た側面を示す図である。
なお、図11において、151〜154は、内部導体(131〜134)を支持するスペーサである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図11、図12に示す従来のハイブリッド回路は、ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長(λo)に比して、シールドケース1の大きさが小さい場合、あるいは、端子の内部導体の外径が小さい場合には、良好な電気的特性が得られが、波長(λo)に比して、シールドケース1の大きさが大きく、あるいは、端子の内部導体の外径が大きくなると、電気的特性が劣化するという欠点を有している。
以下、この点について説明する。
図11、図12に示すハイブリッド回路において、シールドケース1の短手方向の長さをA、シールドケース1の厚さをBとするとき、一般的に、B/A≒0.5であるから、Aが100mm(A=100)の場合、Bは50mm(B=50)となる。
実験の結果、この場合の結合線路(11,12)の幅(図12のW1)は35mmであった。
仮に、結合線路(11,12)の厚さを5mmとすると、結合線路(11,12)の延長方向に直交する面で切断したときの周囲長は、80mm(=35×2+5×2)となる。
【0004】
また、電力容量の関係で、入力端子あるいは出力端子を構成する同軸給電管の内部導体13の外径を、33.4mmとすると、同軸給電管の内部導体13の円周長は、105(≒π×33.4)となる。
したがって、前述した場合には、結合線路(11,12)の周囲長は、同軸給電管の内部導体13の円周長よりも、約76%(≒100×80/105)低下していることになる。
マイクロ波のような高周波は、導電体の表面を伝導するから、図11、図12に示すハイブリッド回路10の電力容量は、同軸給電管の電力容量よりも、約76%低下していることになる。
結合線路(11,12)の幅(図12のW1)を広げるためには、結合線路11と結合線路12との間隔を広げればよいが、そのためには、シールドケース1の厚さ(B)を大きくする必要がある。
一般に、端子に同軸給電管を使用するλ/4結合型3dBハイブリッド回路では、その伝導モードはTEMモードであるが、シールドケース1の厚さ(B)を100mmにすると、TE11(H11)モードが発生し、端子(T1)−端子(T2)間で、TE11(H11)モードの電磁波が結合し、電気的特性が劣化する。
【0005】
一方、近年、従来のアナログ方式のテレビジョン放送の他に、技術の進歩により、デジタル方式のテレビジョン放送が開始されようとしている。
このデジタル方式のテレビジョン放送に採用される直交周波数分割多重(OFDM;Orthogonal Frequency Division Multiplex)変調方式の変調波は、従来のアナログ方式のテレビジョン放送のNTSC方式の変調波よりも、ピーク電圧値が大きいという特長を有している。
そのため、直交周波数分割多重変調方式の変調波を分岐、あるいは、合成するために、前述の図11、図12に示すハイブリッド回路を使用する場合には、電力容量を大きくする必要があり、ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長(λo)に比して、シールドケース1の大きさを大きく、また、端子の内部導体の外径を大きくする必要がある。
【0006】
しかしながら、図11、図12に示す従来のハイブリッド回路では、電力容量を大きくするために、ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長(λo)に比して、シールドケース1の大きさを大きく、あるいは、端子の内部導体の外径を大きくすると、前述した理由で電気的特性が劣化するため、前述した用途には使用できないという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、電気的特性を劣化させることなく、電力容量を向上させることが可能なλ/4結合型3dBハイブリッド回路を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、第1ないし第4の側壁を有するシールドケースと、前記第1の側壁に固定される第1の端子と、前記第2の側壁に固定される第2の端子と、前記第2の側壁に対向する第3の側壁に固定される第3の端子と、前記第1の側壁に対向する第4の側壁に固定される第4の端子と、前記シールドケース内に配置されるとともに、一端が前記第1の端子に、他端が前記第3の端子に電気的に接続される第1の結合線路と、前記シールドケース内に配置されるとともに、一端が前記第2の端子に、他端が前記第4の端子に電気的に接続される第2の結合線路と備えるハイブリッド回路であって、前記第1の結合線路は、前記第1の端子と前記第4の端子とを結ぶ直線、あるいは、前記第2の端子と前記第3の端子とを結ぶ直線に対して、傾斜して配置される傾斜部と、前記傾斜部に連続し、前記第1の側壁に沿って配置されるとともに、前記第1の端子に接続される第1の端子接続部と、前記傾斜部に連続し、前記第3の側壁に沿って配置されるとともに、前記第3の端子に接続される第2の端子接続部とを有し、前記第2の結合線路は、前記第1の端子と前記第4の端子とを結ぶ直線、あるいは、前記第2の端子と前記第3の端子とを結ぶ直線に対して、傾斜して配置されるとともに、前記第1の結合線路の傾斜部に近接して配置される傾斜部と、前記傾斜部に連続し、前記第2の側壁に沿って配置されるとともに、前記第2の端子に接続される第1の端子接続部と、前記傾斜部に連続し、前記第4の側壁に沿って配置されるとともに、前記第4の端子に接続される第2の端子接続部とを有し、前記第1および第2の結合線路の線路長をL、傾斜部の長さをLa、前記ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長をλoとするとき、0.8λo/2≦L≦1.2λo/2、0.9λo/4≦La≦1.1λo/4を満足することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記第1および第2の結合線路の幅をWとするとき、W≧λo/16を満足することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路(以下、単に、ハイブリッド回路という。)の上平面を示す平面図である。
図2は、図1に示すハイブリッド回路の、端子T1方向から見た側面を示す側面図である。
図3は、図2に示すA−A’切断線で切断した断面を示す断面図である。
図1、図2、図3に示すように、本実施の形態においても、シールドケース(筐体)1内に、2個の結合線路(11,12)が配置され、結合線路11は、一端が第1の端子T1の内部導体131、他端が第3の端子T3の内部導体133に接続され、結合線路12は、一端が第2の端子T2の内部導体132に、他端が第4の端子T4の内部導体134に接続される。
しかしながら、本実施の形態では、この結合線路(11,12)は、従来のハイブリッド回路のように、一枚の板状(あるいは、直線状)に形成されるのではなく、一枚の導電板の両側を内側に折り曲げて形成される。
なお、本実施の形態においても、4個の端子(T1〜T4)は、それぞれ内部導体(131〜134)と外部導体(141〜144)とで構成される同軸給電管で構成される。
【0009】
図4は、本実施の形態の結合線路11を説明するための図であり、本実施の形態の結合線路11を上から見た図である。
図4に示すように、本実施の形態の結合線路11は、端子T1と端子T4とを結ぶ直線、あるいは、端子T2と端子T3とを結ぶ直線に対して傾斜するように配置される傾斜部2と、この傾斜部2の両側で、傾斜部に対して折り曲げて形成され端子接続部(3、4)とで構成される。
ここで、端子接続部3は、端子T1の内部導体131に接続され、端子接続部4は、端子T3の内部導体133に接続される。なお、結合線路12も、結合線路11と同じ形状を有する。
図3に示すように、結合線路11の傾斜部2と、結合線路12の傾斜部2とは、互いに近接して配置され、この傾斜部の長さ(図4のLa)は、ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長をλoとするとき、ほぼλo/4(La≒λo/4)とされ、また、端子接続部(3,4)の長さ(図4のLb)は、ほぼλo/8(Lb≒λo/8)とされる。
したがって、結合線路(11,12)の線路長(La+2Lb)は、ほぼλo/2となるので、本実施の形態では、端子T1−端子T3の間、並びに、端子T2−端子T4の間で、不要波が結合するのを防止することが可能となる。
【0010】
図5は、本実施の形態の結合線路の幅を説明するための図であり、図4のB方向から見た図である。
本実施の形態において、結合線路(11,12)の幅(図5のW)は、W≧λo/16とすることができる。
例えば、Wが70mmで、また、結合線路(11,12)の厚さを2mmとすると、結合線路(11,12)の延長方向に直交する面で切断したときの周囲長は、144mm(=70×2+2×2)となる。
また、電力容量の関係で、端子を構成する同軸給電管の内部導体13の外径を、33.4mmとすると、前述したように、同軸給電管の内部導体13の円周長は、105(≒π×33.4)となる。
したがって、本実施の形態では、結合線路(11,12)の周囲長は、同軸給電管の内部導体13の円周長の約1.37(≒144/105)倍になっている。
このことは、本実施の形態のハイブリッド回路は、従来のハイブリッド回路に比して、電流容量が、約1.37倍で、電力容量が約1.88(≒1.37×1.37)になっていることが分かる。
このように、本実施の形態によれば、従来のハイブリッド回路に比して、電力容量を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態のハイブリッド回路において、結合線路(11,12)の線路長(L)が、0.8λo/2≦L≦1.2λo/2を、また、結合線路(11,12)の傾斜部の長さ(La)が、0.9λo/4≦La≦1.1λo/4を満足するようにすれば、前述した作用・効果を得ることが可能である。
【0011】
本実施の形態のハイブリッド回路において、端子T1−端子T2の電圧結合係数S12、端子T2−端子T1の電圧結合係数S21、端子T3−端子T4の電圧結合係数S34、端子T4−端子T3の電圧結合係数S43は、下記(1)式で表される。
【数1】
ここで、C=1/√2、θ=90°とすると、前記(1)式は、下記(2)式のように表される。
【数2】
S12=S21=S34=S43=1/√2 ・・・・・・・・・ (2)
また、端子T1−端子T3の電圧結合係数S13、端子T3−端子T1の電圧結合係数S31、端子T2−端子T4の電圧結合係数S24、端子T4−端子T2の電圧結合係数S42は、下記(3)式で表される。
【数3】
ここで、C=1/√2、θ=90°とすると、前記(1)式は、下記(4)式のように表される。
【数4】
S13=S31=S24=S42=−j/√2 ・・・・・・・・ (4)
【0012】
図6ないし図8は、本実施の形態のハイブリッド回路の一例の電気的特性を示すグラフである。
この図6ないし図8に示すグラフは、本実施の形態のハイブリッド回路を実際に試作して、その電気的特性を測定した結果を示すグラフである。
試作したハイブリッド回路の寸法は、以下の通りである。
(1)シールドケース1の内部の形状
一辺の長さ(図3に示すLc)が100mmで、高さ(図2に示すLd)が100mmの立方体。
(2)結合線路(11,12)の形状
傾斜部2の長さが150mm(したがって、λoは600mm、foは0.5GHz)、幅(図4のW)が70mm、厚さが2mm。
(3)内部導体13の形状
内径が31.3mm、外径が33.4mm。
(4)外部導体14の形状
内径が76.9mm、外径が79.4mm。
【0013】
図6は、実際に試作した本実施の形態のハイブリッド回路の端子T1−端子T2間の出力電圧の位相と、端子T1−端子T3間の出力電圧の位相特性を示すグラフである。
図6において、横軸は周波数(MHz)でメモリ間隔は50MHz、中心周波数は0.6GHz、縦軸は位相量でメモリ間隔は45°である。
また、Aが端子T1−端子T2間の出力電圧の位相を、Bが端子T1−端子T3間の出力電圧の位相を表し、図6から分かるように、端子T1に電圧を印加したときに、端子T2から出力される出力電圧と、端子T3から出力される出力電圧との間の位相差は90°になっている。
なお、図6の端子T1−端子T2間の出力電圧の位相のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図6のAのグラフの2の点)のときの位相は−130.4°、周波数が0.503GHz(図6のAのグラフの1の点)のときの位相は−144.92°、周波数が0.692GHz(図6のAのグラフの3の点)のときの位相は131.25°、周波数0.770GHz(図6のAのグラフの4の点)のときの位相は95.775°である。
また、図6の端子T1−端子T3間の出力電圧の位相のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図6のBのグラフの2の点)のときの位相は139.51°、周波数が0.503GHz(図6のBのグラフの1の点)のときの位相は124.84°、周波数が0.692GHz(図6のBのグラフの3の点)のときの位相は40.843°、周波数0.770GHz(図6のBのグラフの4の点)のときの位相は4.0746°である。
【0014】
図7は、実際に試作した本実施の形態のハイブリッド回路の端子T1−端子T2間の出力電圧と、端子T1−端子T3間の出力電圧の減衰特性を示すグラフである。
図7において、横軸は周波数(MHz)でメモリ間隔は50MHz、中心周波数は0.6GHz、縦軸は減衰量でメモリ間隔は1dBである。
また、Aが端子T1−端子T2間の出力電圧の減衰量、Bが端子T1−端子T3間の出力電圧の減衰量を表し、図7から分かるように、0.47GHz〜0.70GHzの間で、端子T1に電圧を印加したときに、端子T2から出力される出力電圧の減衰量、および、端子T3から出力される出力電圧の減衰量は、ほぼ3dBとなっている。
なお、図7の端子T1−端子T2間の出力電圧の減衰量のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図7のAのグラフの2の点)のときの減衰量は−3.5088dB、周波数が0.503GHz(図7のAのグラフの1の点)のときの減衰量は−3.2935dB、周波数が0.692GHz(図7のAのグラフの3の点)のときの減衰量は−3.0524dB、周波数0.770GHz(図7のAのグラフの4の点)のときの減衰量−3.5005dBである。
また、図7の端子T1−端子T3間の出力電圧の減衰量のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図7のBのグラフの2の点)のときの減衰量は−2.5969dB、周波数が0.503GHz(図7のBのグラフの1の点)のときの減衰量は−2.7744dB、周波数が0.692GHz(図7のBのグラフの3の点)のときの減衰量は−3.089dB、周波数0.770GHz(図7のBのグラフの4の点)のときの減衰量−2.9125dBである。
【0015】
図8は、実際に試作した本実施の形態のハイブリッド回路の端子T1−端子T4間の出力電圧と、端子T2−端子T3間の出力電圧の減衰特性を示すグラフである。
図8において、横軸は周波数(MHz)でメモリ間隔は50MHz、中心周波数は0.6GHz、縦軸は減衰量でメモリ間隔は10dBである。
また、Aが端子T1−端子T4間の出力電圧の減衰量、Bが端子T2−端子T3端子T1−端子T3間の出力電圧の減衰量を表し、図8から分かるように、0.47GHz〜0.70GHzの間で、端子T1に電圧を印加したときに、端子T2から出力される出力電圧の減衰量、および、端子T2に電圧を印加したときに、端子T3から出力される出力電圧の減衰量は、ほぼ30dBとなっており、端子T1に電圧を印加したときに、端子T2から出力される出力電圧、および、端子T2に電圧を印加したときに、端子T3から出力される出力電圧は、充分減衰されていることが分かる。
なお、図8の端子T1−端子T4間の出力電圧の減衰量のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図8のAのグラフの2の点)のときの減衰量は−25.304dB、周波数が0.503GHz(図8のAのグラフの1の点)のときの減衰量は−2.7744dB、周波数が0.692GHz(図8のAのグラフの3の点)のときの減衰量は−20.439dB、周波数0.770GHz(図8のAのグラフの4の点)のときの減衰量−16.7235dBである。
また、図8の端子T2−端子T3間の出力電圧の減衰量のグラフにおいて、周波数が0.47GHz(図8のBのグラフの2の点)のときの減衰量は−25.276dB、周波数が0.503GHz(図8のBのグラフの1の点)のときの減衰量は−27.986dB、周波数が0.692GHz(図8のBのグラフの3の点)のときの減衰量は−21.044dB、周波数0.770GHz(図8のBのグラフの4の点)のときの減衰量−16.878dBである。
【0016】
図9は、本実施の形態のハイブリッド回路を使用した空中線共用器の概略構成を示すブロック図である。
図9に示す空中線共用装置では、第2のハイブリッド回路22の第4の端子(T24)と、第4のハイブリッド回路24の第1の端子(T41)とが互いに接続され、また、第2のハイブリッド回路22の第1の端子(T21)は、無反射終端器(R)に接続され、第4のハイブリッド回路24の第4の端子(T44)は、アンテナ(ANT)に接続される。
また、第1のハイブリッド回路21の第1の端子(T11)は、第1のチャネル(ch1)の送信波を出力する送信機に接続され、また、第3のハイブリッド回路23の第1の端子(T31)は、第2のチャネル(ch2)の送信波を出力する送信機に接続される。
さらに、第1のハイブリッド回路21の第4の端子(T14)、および第3のハイブリッド回路23の第4の端子(T34)は、無反射終端器(R)に接続される。
【0017】
また、第1のハイブリッド回路21の第2の端子(T12)と、第2のハイブリッド回路22の第2の端子(T22)との間、並びに、第1のハイブリッド回路21の第3の端子(T13)と、第2のハイブリッド回路22の第3の端子(T23)との間には、第1の帯域通過フィルタ(30,31)が接続される。
同様に、第3のハイブリッド回路23の第2の端子(T32)と、第4のハイブリッド回路24の第2の端子(T42)との間、並びに、第3のハイブリッド回路23の第3の端子(T33)と、第4のハイブリッド回路24の第3の端子(T43)との間には、第2の帯域通過フィルタ(32,33)が接続される。ここで、第1のハイブリッド回路21、第2のハイブリッド回路22、および帯域通過フィルタ(30,31)は、第1のチャネル(ch1)の送信波を通過させる定インピーダンス帯域通過フィルタを、並びに、第3のハイブリッド回路23、第4のハイブリッド回路24、および帯域通過フィルタ(32,33)は、第2のチャネル(ch2)の送信波を通過させる定インピーダンス帯域通過フィルタを構成する。
ここで、ハイブリッド回路(21〜24)は、本実施の形態のハイブリッド回路が使用される。
【0018】
以下、図9に示す空中線共用装置の動作を簡単に説明する。
第1のハイブリッド回路21の第1の端子(T11)から入力された第1のチャネル(ch1)の送信波は、それぞれ帯域通過フィルタ(30,31)を通って、第2のハイブリッド回路22に入力され、第2のハイブリッド回路22の第4の端子(T24)から出力される。
この第2のハイブリッド回路22から出力された第1のチャネル(ch1)の送信波は、第4のハイブリッド回路24に入力され、帯域通過フィルタ(32,33)で全反射され、第4のハイブリッド回路24の第4の端子(T44)から出力され、アンテナ(ANT)から放射される。
また、第3のハイブリッド回路23の第1の端子(T31)から入力された第2のチャネル(ch2)の送信波は、それぞれ帯域通過フィルタ(32,33)を通って、第4のハイブリッド回路24に入力され、第4のハイブリッド回路24の第4の端子(T44)から出力され、アンテナ(ANT)から放射される。以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、λ/4結合形3dBハイブリッド回路において、電気的特性を損なうことなく、電力容量を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路の上平面を示す平面図である。
【図2】図1に示すλ/4結合形3dBハイブリッド回路の一側面を示す側面図である。
【図3】図2に示すA−A’切断線で切断した断面を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の結合線路を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態の結合線路の幅を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路の端子T1−端子T2間の出力電圧と、端子T1−端子T3の間の出力電圧との間位相特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路の端子T1−端子T2間の出力電圧と、端子T1−端子T3の間の出力電圧の減衰特性を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路の端子T1−端子T4間の出力電圧と、端子T2−端子T3の間の出力電圧の減衰特性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態のλ/4結合形3dBハイブリッド回路を使用する空中線共用器の概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来のハイブリッド回路の構造を示す模式斜視図である。
【図11】従来のハイブリッド回路の構造を示す要部断面図である。
【図12】従来のハイブリッド回路の側面を示す側面図である。
【符号の説明】
1…シールドケース、2…傾斜部、3、4…端子接続部、11,12…結合線路、13…内部導体、14…外部導体、15…スペーサ、21〜24…ハイブリッド回路、30〜33…帯域通過フィルタ、ANT…アンテナ、R…無反射終端器。
Claims (2)
- 第1ないし第4の側壁を有するシールドケースと、
前記第1の側壁に固定される第1の端子と、
前記第2の側壁に固定される第2の端子と、
前記第2の側壁に対向する第3の側壁に固定される第3の端子と、
前記第1の側壁に対向する第4の側壁に固定される第4の端子と、
前記シールドケース内に配置されるとともに、一端が前記第1の端子に、他端が前記第3の端子に電気的に接続される第1の結合線路と、
前記シールドケース内に配置されるとともに、一端が前記第2の端子に、他端が前記第4の端子に電気的に接続される第2の結合線路と備えるハイブリッド回路であって、
前記第1の結合線路は、前記第1の端子と前記第4の端子とを結ぶ直線、あるいは、前記第2の端子と前記第3の端子とを結ぶ直線に対して、傾斜して配置される傾斜部と、
前記傾斜部に連続し、前記第1の側壁に沿って配置されるとともに、前記第1の端子に接続される第1の端子接続部と、
前記傾斜部に連続し、前記第3の側壁に沿って配置されるとともに、前記第3の端子に接続される第2の端子接続部とを有し、
前記第2の結合線路は、前記第1の端子と前記第4の端子とを結ぶ直線、あるいは、前記第2の端子と前記第3の端子とを結ぶ直線に対して、傾斜して配置されるとともに、前記第1の結合線路の傾斜部に近接して配置される傾斜部と、
前記傾斜部に連続し、前記第2の側壁に沿って配置されるとともに、前記第2の端子に接続される第1の端子接続部と、
前記傾斜部に連続し、前記第4の側壁に沿って配置されるとともに、前記第4の端子に接続される第2の端子接続部とを有し、
前記第1および第2の結合線路の線路長をL、傾斜部の長さをLa、前記ハイブリッド回路の設計中心周波数の波長をλoとするとき、0.8λo/2≦L≦1.2λo/2、0.9λo/4≦La≦1.1λo/4を満足することを特徴とするハイブリッド回路。 - 前記第1および第2の結合線路の幅をWとするとき、W≧λo/16を満足することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド回路。
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