JP3605928B2 - 感震装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメータやガス遮断装置などに設置されて地震を検出する感震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の感震装置は、実開昭61−48634号公報のようなものが知られていた。以下、その構成について図10を参照しながら説明する。
【0003】
図3に示すように、底面1が凹円錐状となっている函体2内に転動自在に球3を収納し、函体の中蓋4によって上下方向摺動自在に保持された円盤5の下面を同円盤5の自重によって球3の上面に当接させ、同円盤5の上面に設けたプランジャ6をスイッチ機構7に接触させて、円盤5の上方への移動によってスイッチ機構7が作動する。
【0004】
上記構成において、函体2が震動すると球3は円錐状底面1上を中央から端へと転動する。この際、中心から端へ寄った位置では底面1と円盤5の凹球面との間隔が小さくなっているのでこの間隔に入った球3によってプランジャ6が押し上げられ接点8をオンする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、震動を検知はできるが、どのような大きさの震動であるかはわからなかった。また、円錐状の底面の傾斜角で接点がオンされる震動の大きさを制限することはできたが正確ではなかった。そして、接点のオンのタイミングが震動波形と一致せず、地震動か衝撃動かの判別が付けにくいという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、自由振動子の動きを音波によって計測し振動情報を求めて地震判定を正確に行うことを主目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の感震装置においては、流体管路に設けられ音波を発生する第1の受発信手段と、前記第1の受発信手段が発した音波を受信する第2の受発信手段と、前記第1の受発信手段の略正面方向に設けた自由振動素子と、前記第1の受発信手段の音波発生情報と前記自由振動素子によって反射した音波を受信した前記第1の受発信手段からの音波受信情報とから前記自由振動素子の振動情報に変換する第1の信号処理手段と、前記振動情報から地震であるか否かを判定する判定手段と、前記第1の受発信手段の音波発生情報と前記第2の受発信手段の音波受信情報から前記流体管路を流れる流量情報に変換する第2の信号処理手段を備えている。
【0008】
この本発明によれば、流体管路内で音波による振動情報を計測することで流体の流量情報と振動情報を同時に得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の手段は、音波を発生する音波発生手段と、前記音波発生手段の略正面方向に設けた自由振動素子と、前記自由振動素子によって反射してくる音波を受信する音波受信手段と、前記音波発生手段の音波発生情報と前記音波受信手段の音波受信情報から前記自由振動素子の振動情報に変換する信号処理手段と、前記振動情報が地震であるか否かを判定する判定手段を備えた構成とした。
【0010】
そして、第2の手段は、流体管路内部に音波を発生する音波発生手段と、前記流体管路で前記音波発生手段の略正面方向に設けた自由振動素子と、前記自由振動素子によって反射してくる流体管路内の音波を受信する音波受信手段と、前記音波発生手段の音波発生情報と前記音波受信手段の音波受信情報から前記自由振動素子の振動情報に変換する第1の信号処理手段と、前記振動情報が地震であるか否かを判定する判定手段と、前記音波発生情報と前記音波受信手段の音波受信情報から流体管路を流れる流量情報に変換する第2の信号処理手段を備えた構成とした。
【0011】
また、第3の手段は、流体管路の中心軸に対して傾斜した直線上に設けた一対の音波受発信手段と、前記音波受発信手段の対向方向に対して更に傾斜した方向にそれぞれ設けたの自由振動素子と、前記受発信手段の音波受信情報から前記自由振動素子の振動情報に変換する第1の信号処理手段と、前記振動情報が地震であるか否かを判定する判定手段と、前記音波発生情報と前記音波受信手段の音波受信情報から流体管路を流れる流量情報に変換する第2の信号処理手段を備えた構成とした。
【0012】
さらに、第4の手段は、音波受発信手段と前記音波受発信手段に対向した自由振動素子の2組のペアは互いにねじれの位置に配置した構成とした。
【0013】
そして、第5の手段は、第1の音波受発信手段が発生した音波を第2の音波受発信手段が受信し、かつ自由振動子で反射する反射波を第1の音波受発信手段で受信し、さらに第2の音波受発信手段が発生した音波を第1の音波受発信手段が受信し、かつ自由振動子で反射する反射波を第2の音波受発信手段で受信するように第1、第2の音波受発信手段の送受信の切換と音波発生と音波受信のタイミングを制御する制御手段を備えた構成とした。
【0014】
また、第6の手段は、振動情報で得られた変位情報を演算によって速度、加速度に変換する信号処理手段と、前記速度と加速度を用いて地震判定を行う構成とした。
【0015】
そして、第7の手段は、音波は特定周期で発生する構成とした。
【0016】
さらに、第8の手段は、第1の特定周期で振動情報を求め、振動情報に所定の変化があったときには、第1の特定周期より短い第2の特定周期で音波発生を行う構成とした。
【0017】
そして、第9の手段は、一定周期で得られた振動情報から振動波形を求め、波形解析によって地震か否かを判定する判定手段を備えた構成とした。
【0018】
また、第10の手段は、特定周期の最大値は10秒以内とした。
【0019】
さらに、第11の手段は、自由振動子の共振周波数は20Hz近傍に設定した。
【0020】
そして、第12の手段は、自由振動子の反射面は音波受信手段又は音波受発信手段の受音面に焦点が一致するような凹面形状とした。
【0021】
また、第13の手段は、第2の信号処理手段が流量有りの流量情報を求めたときには第1の信号処理手段が振動情報を求める構成とした。
【0022】
そして、第14の手段は、音波は超音波を用いた構成とした。
【0023】
本発明は上記構成によって、第1の手段によれば、自由振動子の動きを音波によって計測することで振動情報を求めて地震判定を精度よく行うことができる。
【0024】
そして、第2の手段によれば、流体管路内で音波による振動情報を計測することで流体の流量情報と振動情報を同時に得ることができる。
【0025】
さらに、第3の手段によれば、一対の音波受発信手段と一対の自由振動素子を用いて一回の音波発生で振動情報と流量情報を測定することができる。
【0026】
また、第4の手段によれば、音波受発信手段と自由振動素子の2組のペアをねじれの位置に配置することで2方向の振動情報から3方向の振動情報を得ることができる。
【0027】
そして、第5の手段によれば、第1の音波受発信手段が発信装置と受信装置を兼用するように音波到達に合わせて機能を切り換えて合理化を図ることができる。
【0028】
また、第6の手段によれば、振動情報は変位から速度、加速度に変換して地震判定の精度を向上することができる。
【0029】
さらに、第7の手段によれば、音波の発生を特定の周期で行うことで省電力化を図ることができる。
【0030】
そして、第8の手段によれば、第1の周期で振動の有無を観測し、第2の周期で振動状態を観測することで省電力化と地震判定の高精度化を行うことができる。
【0031】
また、第9の手段によれば、一定の周期で観測することで振動波形を観測して波形解析を用いて地震判定の精度を向上することができる。
【0032】
さらに、第10の手段によれば、周期を10秒以内にすることで地震波形を見逃すことなく判定することができる。
【0033】
そして、第11の手段によれば、自由振動素子の共振周波数を20Hz付近に設けることで地震の周波数を確実に測定すると共に高周波数のノイズを機械的に濾過して測定精度を向上することができる。
【0034】
また、第12の手段によれば、自由振動素子の反射面を凹面状にすることで音波を集中させて音圧を上げることで測定精度を向上することができる。
【0035】
そして、第13の手段によれば、流量が発生したときには振動を測定することでガスなどが流れているときに地震等の非常事態を検出することができる。
【0036】
さらに、第14の手段によれば、超音波を用いることで流体流路のような狭い空間でも分解能よく測定することができる。
【0037】
以下、本発明の第1の実施例の感震装置をガス流路に使用した場合について、図1から図7を参照して説明する。
【0038】
図に示すように、ガスの流体管路9の中心軸9aに対して傾斜した直線上に設けた流体管路9内部に超音波を発生する一対の音波受発信手段としての第1の超音波受発信素子10と、第2の超音波受発信素子11と、第1の超音波受発信素子10と第2の超音波受発信素子11の対向方向に対して更に傾斜した方向にそれぞれ設けた第1の振動板12と第1のバネ13で構成された第1の自由振動素子14と、第2の振動板15と第2のバネ16で構成された第2の自由振動素子17を設けた構成とした。そして、第1の振動板12によって反射してくる反射波を第1の超音波受発信素子10で受信し、超音波発生情報と超音波受信情報から第1の自由振動素子14の振動情報としての変位に変換する第1の信号処理手段18と、変位に関する振動情報が地震であるか否かを判定する判定手段19を備えた構成とした。一方、第1の超音波受発信素子10で送信した超音波を第2の超音波受発信素子11で受信し、超音波発生情報と超音波受信情報から第2の信号処理手段20で流量情報に演算によって変換する構成とした。ここで、21は増幅器、22は制御手段としての制御装置、23は地震信号出力端子、24は信号処理を行う演算装置、25は超音波受発信素子を受信モードと送信モードに切り換える制御手段としての信号切換器、26は電池である。また、第1と第2の超音波受発信素子10、11の傾斜角はα、第1と第2の自由振動素子14、17の傾斜角はβだけ中心軸から傾けた構成とした。
【0039】
このような構成において、図2示すように、制御装置22と第1の超音波受発信素子10によって超音波が発生すると、第1の振動板12に当たって超音波が反射してくる。この反射波を同じ第1の超音波受発信素子10によって受音することで、第1の振動板12と第1の超音波受発信素子10の間を音波が往復した時間t1を測定する。この時間から第1の振動板12と第1の超音波受発信素子10の距離Lを測定する。すなわち、距離Lは、L=C*t1/2で計算される。ここで、Cは音速である。
【0040】
例えば、L=0.08m、C=340m/s、最大変位を0.001mとすると、t1=(0.08+0.001)*2/340=0.000476となり、約500μ秒となる。また、変位のみを求めるためには、0.08*2m分の時間を差し引くことになり、結局、変位Δx分の時間はt1’=0.001/340=0.0000029となり、約3μ秒となる。変位波形を計測するためには、この3μ秒を更に128分割程度の分解能で計測することが必要と考えると、単位時間として、約20n秒以下のカウンタで超音波を発信してから受信するまでの時間をカウントすれば計測できることがわかる。カウンタは、第1の信号処理手段18で行うことができる。
【0041】
一方、同時に放射された超音波は対向する第2の超音波受発信素子11によって受音される。そして、発信時の時間情報と受信時の時間情報から流れがあるときの超音波の到達時間t2を測定する。同様に、特定周期の所定間隔T後に他方の第2の超音波受発信素子11から超音波が発生させられると、第2の振動板15に当たって反射によって第2の振動板15の変位が測定できる。変位は、所定変位以上か否かを判定して地震の可能性を判定するものである。また同時に放射された超音波は、対向する第1の超音波受発信素子10によって受音され、発信時の時間情報と受信時の時間情報から流れがあるときの超音波の到達時間t3を測定する。このt2、t3から流速vを計算するのである。ここで、傾斜角αを持たせていることによって流量も計測することができるようになるのである。
【0042】
すなわち、t2=L/(C+v)と、t3=L/(C−v)とから、
Δt=t3−t2=2Lv/(C2−v2)
で計算される。一般にC≧vとして近似的に、
v=C2*Δt/2L
として第2の信号処理手段20によって計算で求めることができるのである。よって、t2とt3の時間差Δtから流速を求め、流体管路の断面積Sを乗算して流量を求めるのである。図4に超音波波形をモデル化した受発信のタイミングを示すチャート図を、図5と図6にはそのフローチャートを示す。
【0043】
また、地震の発生を検知するためには、変位は常時計測していなければならないが、地震動波形の多くが示すように地震波は3秒から10数秒続くものである。よって、本装置では、第1の特定間隔T1として2秒間隔で超音波を発信して観測するものとした。そして、その2秒間隔で発生した超音波の反射波から変位を計測し、変位が所定値以上になったとき地震かどうかを判定手段によって判定することとしている。そのために、所定値以上の変位が現れたときには前記2秒間隔をさらに短くすることとしている。
【0044】
図7にタイミングチャートを示す。例えば、第2の特定間隔T2として20m秒間隔で計測することとした。20m秒間隔で変位を計測するとサンプリング定理からおおよそ25Hz程度の周波数まで計測することができるのでほぼ地震波形を観測することができると考える。そして、20m秒で計測した地震変位波形を第1の信号処理手段18によって、速度と加速度に変換してその波形の特徴を抽出して地震かどうかを判定手段が判定するものである。このように、第1の所定間隔T1と第2の所定間隔T2で計測することで、地震発生を見逃すことなく検知することができ、かつ地震の変位波形を計測することができるので計算によって速度波形、加速度波形へも変換することができる。その結果、速度応答スペクトルから求めるスペクトル強度SIや、振動加速度レベルであるガル値で地震強度の判定を行うことができる。また、変位、速度、加速度の各波形を波形解析のひとつであるフーリエ解析することで、周波数ごとの成分を分析することができ、地震の特徴である1から5Hz付近の周波数成分の大きさで地震か否かを判定することもできる。
【0045】
更に、流量情報から流量が所定値以上発生しているときにのみ、振動情報から地震を判定することによって、判定処理の回数が大きく減少し電池の寿命を長寿命化することができし、流量がある場合は流速による変位の測定誤差を補正して精度よく測定することもできる。また、傾斜角度βを90゜とすることで管路内の流速の影響をなくして自由振動子の振動を計測することができ、計測精度を向上することができる。
【0046】
なお、特定周期は2秒が最適であるが、電池の寿命を長くするために10秒程度まで長くしてもよいと考えている。ただし、ガス流量の計測の精度を向上するためにはできるだけ短い方が望ましい。また、流量計測と振動計測を同時に行う方法で説明したが、超音波を利用したその他の計測タンク内の貯蔵量を計測するレベルセンサなどに応用しても同様に、貯蔵量検知と共に地震検知を行うことができ、大型タンクの安全管理が行える。さらに、超音波の発信回路や受信回路は、流量計測と振動計測で兼用することができ回路を簡素化することができる。そして、超音波の周波数を400KHz程度にすることによって波長が約1mm程度に抑えられガス配管や流体流路のような細い配管内でも計測を行うことができる。
【0047】
以上のように、自由振動子の動きを音波によって計測することで振動情報を求めて地震判定を精度よく行うことができ、かつ流体管路内で音波による振動情報を計測することで流体の流量情報と振動情報を同時に得ることができる。そして、一対の音波受発信手段と一対の自由振動素子を用いて一回の音波発生で振動情報と流量情報を一度に測定することができて計測を簡素化し電池の長寿命化を図ることができる。また、第1の音波受発信手段が発信装置と受信装置を兼用するように音波到達に合わせて機能を切り換えて合理化を図ることができる。さらに、振動情報は変位から速度、加速度に変換して地震判定の精度を向上することができる。そして、音波の発生を特定の周期で行うことで省電力化を図ることができ、第1の周期で振動の有無を観測し、第2の周期で振動状態を観測することで省電力化と地震判定の高精度化を行うことができる。さらに、周期を10秒以内にすることで地震波形を見逃すことなく判定することができる。そして、流量が発生したときには振動を測定することでガスなどが流れているときに地震等の非常事態を検出することができる。さらに、第14の手段によれば、超音波を用いることで流体流路のような狭い空間でも分解能よく測定することができるのである。
【0048】
次に第2の実施例について図2及び図8から図12を用いて説明する。上記第1の実施例と同一構造で、かつ同一作用をする部分には同一符号を付して詳細な説明は略し、異なる部分を中心に説明する。
【0049】
図2に示すA−A’断面を図8に、図2に示すB−B’断面を図9に示す。図8と図9か明らかのように、第1の超音波受発信素子10と第1の自由振動素子14を結ぶ直線と、第2の超音波受発信素子11と第2の自由振動素子17を結ぶ直線をお互いにねじれの位置に配置する構成とした。
【0050】
上記構成によれば、図10に示すように3次元空間の3方向であるX方向、Y方向、Z方向をそれぞれ計測した振動情報のベクトルの分割計算により求めることができる。すなわち、第1の超音波受発信素子10と第1の自由振動素子14を結ぶ直線方向の振動情報より、X方向とY方向の振動情報が得られ、第2の超音波受発信素子11と第2の自由振動素子17を結ぶ直線方向の振動情報より、X方向とZ方向の振動情報が得られる。よって、2方向の振動情報から3方向の振動情報を得ることができるのである。
【0051】
また、自由振動素子は、バネと重りで構成されているのでその共振周波数を20Hz付近に設定した。共振周波数f0は次式でもとめられ、図11のような特性となる。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、バネ定数kと、質量mは、現実的な寸法上の制約から決定することができる。このように設定しておくことによって、感震装置が外部から振動を受けても20Hz以上のノイズ的に振動には反応が鈍くなり検出できないのでノイズに強い構成とすることができ、電気的なフィルターを省略することができる。
【0054】
さらに、図12に示すように、振動板26の反射面は超音波受発信素子10に焦点距離が一致する凹面形状とすることで、反射波の音圧レベルを高くすることができる。すなわち、自由振動素子27は超音波受発信素子10の正面から少しはずれた位置に配置しているので超音波が入射してくるレベルが低い。その反射波はさらに低くなるので反射波の多くが超音波振動素子10に向かって反射するような構成としたものである。
【0055】
以上のように、一対の音波受発信手段と一対の自由振動素子とをねじれの位置に配置することで2方向の振動情報から3方向の振動情報を得ることができる。そして、自由振動素子の共振周波数を20Hz付近に設けることで地震の周波数を確実に測定すると共に高周波数のノイズを機械的に濾過して測定精度を向上することができる。また、自由振動素子の反射面を凹面状にすることで音波を集中させて音圧を上げることで測定精度を向上することができる。
【0056】
以上の説明から明らかように本発明の感震装置の実施例によれば、自由振動子の動きを音波によって計測することで振動情報を求めて地震判定を精度よく行うことができる。
【0057】
そして、流体管路内で音波による振動情報を計測することで流体の流量情報と振動情報を同時に得ることができる。
【0058】
さらに、一対の音波受発信手段と一対の自由振動素子を用いて一回の音波発生で振動情報と流量情報を測定することができる。
【0059】
また、一対の音波受発信手段と一対の自由振動素子とをねじれの位置に配置することで2方向の振動情報から3方向の振動情報を得ることができる。
【0060】
そして、第1の音波受発信手段が発信装置と受信装置を兼用するように音波到達に合わせて機能を切り換えて合理化を図ることができる。
【0061】
また、振動情報は変位から速度、加速度に変換して地震判定の精度を向上することができる。
【0062】
さらに、音波の発生を特定の周期で行うことで省電力化を図ることができる。
【0063】
そして、第1の周期で振動の有無を観測し、第2の周期で振動状態を観測することで省電力化と地震判定の高精度化を行うことができる。
【0064】
また、一定の周期で観測することで振動波形を観測して波形解析を用いて地震判定の精度を向上することができる。
【0065】
さらに、周期を10秒以内にすることで地震波形を見逃すことなく判定することができる。
【0066】
そして、自由振動素子の共振周波数を20Hz付近に設けることで地震の周波数を確実に測定すると共に高周波数のノイズを機械的に濾過して測定精度を向上することができる。
【0067】
また、自由振動素子の反射面を凹面状にすることで音波を集中させて音圧を上げることで測定精度を向上することができる。
【0068】
そして、流量が発生したときには振動を測定するとすることでガスなどが流れているときに地震等の非常事態を検出することができる。
【0069】
さらに、超音波を用いることで流体流路のような狭い空間でも分解能よく測定することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、流体管路内で音波による振動情報を計測することで流体の流量情報と振動情報を同時に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す感震装置のブロック図
【図2】同装置の構成図
【図3】同装置の構成図
【図4】同装置の動作を示すタイミングチャート
【図5】同装置の計測動作を示すフローチャート
【図6】同装置の計測動作を示すフローチャート
【図7】同装置の動作を示すタイミングチャート
【図8】本発明の第2の実施例を示す感震装置の断面図
【図9】同装置の別の断面図
【図10】同装置の計測データのベクトル図
【図11】同装置の自由振動素子の特性図
【図12】同装置の他の実施例の断面図
【図13】従来の感震装置の断面図
【符号の説明】
10 第1の超音波受発信素子
11 第2の超音波受発信素子
14 第1の自由振動素子
17 第2の自由振動素子
18 第1の信号処理手段
19 判定手段
20 第2の信号処理手段
22 制御手段
Claims (13)
- 流体管路に設けられ音波を発生する第1の受発信手段と、前記第1の受発信手段が発した音波を受信する第2の受発信手段と、前記第1の受発信手段の略正面方向に設けた自由振動素子と、前記第1の受発信手段の音波発生情報と前記自由振動素子によって反射した音波を受信した前記第1の受発信手段からの音波受信情報とから前記自由振動素子の振動情報に変換する第1の信号処理手段と、前記振動情報から地震であるか否かを判定する判定手段と、前記第1の受発信手段の音波発生情報と前記第2の受発信手段の音波受信情報から前記流体管路を流れる流量情報に変換する第2の信号処理手段を備えた感震装置。
- 流体管路の中心軸に対し傾斜して設けた一対の音波受発信手段と、前記音波受発信手段の対向方向に対し更に傾斜して設けたの自由振動素子とを備えた請求項2記載の感震装置。
- 一対の音波受発信手段とそれぞれ対向して設けた自由振動素子とで構成する2組のペアは互いにねじれの位置の関係にある請求項2記載の感震装置。
- 第1の音波受発信手段が発生した音波を第2の音波受発信手段が受信し、自由振動素子で反射する反射波を第1の音波受発信手段で受信し、第2の音波受発信手段が発生した音波を第1の音波受発信手段が受信し、自由振動子で反射する反射波を第2の音波受発信手段で受信するように前記第1及び第2の音波受発信手段の送受信の切換と音波発生と音波受信のタイミングを制御する制御手段を備えた請求項2記載の感震装置。
- 振動情報で得られた変位情報を速度及び、加速度に変換する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号により地震判定を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の感震装置。
- 音波は特定周期で発生する請求項2〜5のいずれか1項に記載の感震装置。
- 第1の特定周期で振動情報を求め、この振動情報に所定の変化があったときには、第1の特定周期より短い第2の特定周期で音波発生を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の感震装置。
- 一定周期で得られた振動情報から振動波形を求め、波形解析によって地震か否かを判定する判定手段を備えた請求項6または7記載の感震装置。
- 特定周期の最大値は10秒以内とした請求項6、7または8記載の感震装置。
- 自由振動素子の共振周波数は20Hz近傍に設定した請求項1から4記載の感震装置。
- 自由振動素子の反射面は音波受信手段又は音波受発信手段の受音面に焦点が一致するような凹面形状とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の感震装置。
- 第2の信号処理手段が流量有りの流量情報を求めたときには第1の信号処理手段が振動情報を求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の感震装置。
- 音波として超音波を用いた請求項1〜12のいずれか1項に記載の感震装置。
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