JP3604970B2 - 下水道雨水排水設備の運転制御装置 - Google Patents

下水道雨水排水設備の運転制御装置

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨水排水ポンプ所施設等の下水道雨水排水設備の流入ゲートの開閉や排水ポンプの起動などを制御する運転制御装置に係り、とりわけ、安全確実な運転が可能で、急激な雨水流入にも対応できる運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市化の進展にともない、降雨が地面に浸透可能な面積が減少し、降雨時に下水道管へ流入する雨水流入量が増加している。このため、大雨時には、雨水流入量が都市部の下水道幹線および幹線下流にあるポンプ所の雨水排水能力を超えてしまって、地域周辺の浸水被害をひき起こす場合がある。
【0003】
下水道の雨水排水能力の設備面の増強は、土木工事に伴うコストや工事期間中の不便など、社会的損失が大きい。
【0004】
一方、設備面での強化と同時に、設備運用を最適に行うことで浸水を回避する方法が考えられている。ポンプ所設備の雨水排水能力を最大限活かすには、流入ゲートの開閉と、容量の異なる複数台のポンプの起動とをタイミングよく行い、効果的な河川排水を行うことによってポンプ所の水位上昇を抑制することが可能である。
【0005】
このようなゲート開閉とポンプ起動のタイミングの制御は、簡単な運転要領書の指示に従って、ポンプ所の運転員の経験と勘によってなされている。
【0006】
さらには、ポンプの後追い自動運転が提案されている。この運転方法は、予めポンプを起動させる起動水位を決めておいて、実際の水位がその起動水位に到達した時にポンプを起動するという運転方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポンプ所の運転員の経験と勘による制御では、制御内容が運転員個々のスキルに依存するため、常に安全確実な設備運用を行うことが保証されない。
【0008】
また、ポンプの後追い自動運転では、急激な雨水流入に対応できない場合がある。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、安全確実な運転が可能で、急激な雨水流入にも対応できるような、下水道雨水排水設備の運転制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、降雨状態情報を検知する降雨検知装置と、降雨検知装置が検知した降雨状態情報に基づいて、下水道雨水排水設備の運転戦略を選定する運転戦略選定装置と、運転戦略選定装置が選定した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションを実行するシミュレーション実行装置と、シミュレーション実行装置による運転シミュレーション実行結果を判定する結果判定装置と、を備え、運転戦略選定装置は、結果判定装置による判定結果に基づいて、下水道雨水排水設備の運転戦略を変更するようになっており、シミュレーション実行装置は、運転戦略選定装置が変更した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションを繰り返すようになっていることを特徴とする運転制御装置である。
【0011】
本発明によれば、降雨検知装置により検知された降雨状態情報に基づいて運転戦略を選定し、運転シミュレーションを実行してその結果を判定し、判定結果に基づいて運転戦略を変更して運転シミュレーションを繰り返すため、下水道雨水排水設備の運転制御にとって好適な運転戦略を有効に特定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態による下水道雨水排水設備の運転制御装置を示す構成概略図である。図1に示すように、本発明の一実施の形態の運転制御装置20は、流入ゲート31を介して下水管32から下水が流入するポンプ井33と、ポンプ井33から下水を排出するポンプ34とを有する下水道雨水排水設備30に対して設けられている。
【0014】
本実施の形態の運転制御装置20は、降雨状態情報を検知する降雨検知装置1を備えている。ここで降雨状態情報とは、下水道雨水排水設備30の排水担当地区と降雨領域との位置関係と、下水道雨水排水設備30に雨水が流入するまでの時間的余裕と、を含んだ情報である。
【0015】
本実施の形態の降雨検知装置1は、レーダ雨量計1aと、地上雨量計1bと、状態判別部1cと、検知情報出力部1dと、を有している。
【0016】
状態判別部1cは、レーダ雨量計1aの計測結果に基づいて、降雨領域(雨域の一団)が排水担当地区上空にかかる1時間前時の「雨域接近時」、降雨領域が排水担当地区上空に到達して降雨量の観測が開始される「雨域上空到達時」、及び、下水道雨水排水設備30への雨水流入が始まってポンプ井34の水位上昇が始まる「雨水流入開始時」の各タイミングを判別するようになっている。
【0017】
検知情報出力部1dは、状態判別部1cによる判別結果に基づいて、「雨域接近時」から「雨域上空到達時」までは、レーダ雨量計1aを主体にして降雨量を出力し、「雨域上空到達時」から「雨水流入開始時」までは、地上雨量計1bを主体にして降雨量を出力するようになっている。これは、レーダ雨量計1aが降雨領域の二次元的分布を捕らえるのに好適である一方、地上雨量計1bが実際の雨量計測に好適であるという互いの利点を活かすものである。地上雨量計1bは、通常、排水担当地区内に複数が設けられる。
【0018】
降雨検知装置1には、降雨検知装置1が検知した降雨状態情報に基づいて、下水道雨水排水設備30の運転戦略を選定する運転戦略選定装置2が接続されている。
【0019】
本実施の形態における運転戦略は、ポンプ34の起動タイミングと、流入ゲート31の開閉タイミングとを含んでいる。より具体的には、本実施の形態における運転戦略は、雨水流入前のポンプ34の起動によりポンプ井33の水位を低くしてバッファ効果を持たせる「低水位待機制御」と、流入ゲート31のいくつかを締め切ってポンプ井33への雨水侵入を絞り込む「流入ゲート制御」と、ポンプ34の運転台数を調整する「ポンプ台数制御」と、をそれぞれ有している。
【0020】
本実施の形態の運転戦略選定装置2は、複数の運転戦略を運転戦略テーブルとして記憶しており、運転戦略テーブルとして記憶された複数の運転戦略から、降雨検知装置1が検知した降雨状態情報に基づいて、降雨量等に応じて好適な運転戦略を選定するようになっている。運転戦略テーブルの一例を、図2に示す。
【0021】
運転戦略選定装置2には、運転戦略選定装置2が選定した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションを実行するシミュレーション実行装置3が接続されている。
【0022】
本実施の形態のシミュレーション実行装置3は、現在時刻の1時間先から所定時間の雨水排水制御時の下水道雨水排水設備30の状態をシミュレーションするようになっている。また、シミュレーション実行装置3は、シミュレーションの初期条件を実プロセスに一致させるために下水道雨水排水設備30の状態を取り込む初期状態検出部3aと、降雨検知装置1が検知した降雨状態情報に基づいて下水道雨水排水設備30への雨水流入量を予測演算する雨水流入予測部3bと、を備えている。
【0023】
初期状態検出部3aは、具体的には、現在時刻の下水道幹線の水位、ポンプ井33の水位、流入ゲート31の開閉状態、ポンプ34の運転状態等を検出するようになっている。
【0024】
雨水流入予測部3bは、降雨状態情報に基づいて、例えば降雨強度の時間変化や降雨領域の移動変化等を適宜の降雨予測モデルを用いて算定し(降雨量予測計算)、下水道管への降雨流出量を算定し(降雨流出量予測計算)、下水道幹線流下量を算定し(下水道管流下量予測計算)、下水道雨水排水設備30への雨水流入量を算定する(雨水流入量予測計算)ようになっている。
【0025】
初期状態検出部3aと雨水流入予測部3bとは、初期状態検出部3aが取り込んだ下水道雨水排水設備30の状態と、運転戦略選定装置2が選定した運転戦略と、雨水流入予測部3bが演算した雨水流入量とに基づいて、下水道雨水排水設備30の状態変化を予測する本体部3cに接続されている。
【0026】
下水道雨水排水設備30の状態変化は、ポンプ井33の水位変化を含んでいる。
【0027】
シミュレーション実行装置3には、シミュレーション実行装置3による運転シミュレーション実行結果を判定する結果判定装置4が接続されている。
【0028】
本実施の形態の結果判定装置4は、シミュレーション実行装置3の本体部3cが予測するポンプ井33の水位変化に基づいて、運転シミュレーション実行結果を判定するようになっている。具体的には、図3に示すように、ポンプ井33の水位の変化を、運用上限水位との関係で評価するようになっている。
【0029】
ここで雨水流入量の予測演算は誤差を伴うので、図3に示すように、運用上限水位に対して安全余裕(マージン)を設けることが必要である。もっとも、ポンプ井33の貯留能力を活かして、不必要なポンプ運転コストを下げるためには、過剰な水位上昇抑制を行わない方がよい。従って、好適な安全余裕ゾーンL を設定することが重要である。
【0030】
すなわち、本実施の形態の結果判定装置4は、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL 内に収まる場合(図3のケース2)を「良好」と判定し、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を超える(図3のケース1)か下回る(図3のケース3)場合を「不良」と判定するようになっている。
【0031】
また、運転戦略選定装置2は、結果判定装置4による判定結果に基づいて、下水道雨水排水設備30の運転戦略を変更するようになっている。そして、シミュレーション実行装置3は、運転戦略選定装置2が変更した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションの実行を繰り返すようになっている。
【0032】
この場合、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を超える場合、浸水回避のため、例えば待機時のポンプ井33の水位レベルをさらに下げ、それでも不十分であれば閉鎖する流入ゲート31を増やし、それでも不十分であればポンプ34の起動水位レベルを下げて対応するようになっている。
【0033】
一方、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を下回る場合、例えば待機時のポンプ井33の水位レベルを上げ、それでも不十分であれば閉鎖する流入ゲート31を減らし、それでも不十分であればポンプ34の起動水位レベルを上げて対応するようになっている。
【0034】
さらに本実施の形態のシミュレーション実行装置3には、シミュレーション実行装置3による運転シミュレーション実行結果を出力する結果出力装置13が接続されている。
【0035】
結果出力装置13は、運転シミュレーション実行結果(ポンプ井33の水位等)と共に、当該運転シミュレーションに用いた運転戦略(運転ポンプ台数等)を出力するようになっている。
【0036】
また、結果判定装置4には、結果判定装置4がシミュレーション実行装置3による運転シミュレーション実行結果を「良好」と判定した場合に、当該運転戦略に基づく制御指令を流入ゲート31及びポンプ34に送る制御指令装置14が接続されている。
【0037】
その他、本実施の形態の運転制御装置20は、時刻制御装置を有している。
【0038】
次に、このような構成よりなる本実施の形態の作用について、図4を用いて説明する。
【0039】
図4に示すように、まず降雨検知装置1のレーダ雨量計1aが、降雨領域を計測する(STEP1)。
【0040】
続いて、状態判別部1cが、レーダ雨量計1aの計測結果に基づいて、降雨領域が排水担当地区上空にかかる1時間前時の「雨域接近時」、降雨領域が排水担当地区上空に到達して降雨量が観測されるが未だ幹線水位の上昇には至っていない「雨域上空到達時」、及び、下水道雨水排水設備30への雨水流入が始まってポンプ井34の水位上昇が始まる「雨水流入開始時」の各タイミングを判別する(STEP2)。
【0041】
検知情報補正部1dは、位置関係判別部1cによる判別結果に基づいて、「雨域接近時」から「雨域上空到達時」までは、レーダ雨量計1aによる計測結果を主体にして降雨検知情報を出力し(STEP4)、「雨域上空到達時」から「雨水流入開始時」までは地上雨量計1bによる計測を行って(STEP3)、その結果を主体にして降雨検知情報を出力する(STEP4)。
【0042】
次に、運転戦略選定装置2は、運転戦略テーブルとして記憶された複数の運転戦略から、降雨検知装置1が検知した降雨状態情報に基づいて、降雨量等に応じて好適な運転戦略を選定する(STEP5)。
【0043】
次に、シミュレーション実行装置3は、選定された運転戦略(「低水位待機制御」「流入ゲート制御」及び「ポンプ台数制御」)に基づいて、現在時刻の1時間先から所定時間の雨水排水制御時の下水道雨水排水設備30の状態をシミュレーションする(STEP6)。
【0044】
より詳細には、まず初期状態検出部3aが、現在時刻の下水道幹線32の水位、ポンプ井33の水位、流入ゲート31の開閉状態、ポンプ34の運転状態等を検出する(STEP61)。
【0045】
次に、雨水流入予測部3bが、降雨状態情報に基づいて、例えば降雨強度の時間変化や降雨領域の移動変化等を適宜の降雨予測モデルを用いて算定し(STEP62)、下水道管への降雨流出量を算定し(STEP63)、下水道幹線流下量を算定し(STEP64)、下水道雨水排水設備30への雨水流入量を算定する(STEP65)。
【0046】
そして、本体部3cが、初期状態検出部3aが取り込んだ下水道雨水排水設備30の状態と、運転戦略選定装置2が選定した運転戦略と、雨水流入予測部3bが演算した雨水流入量とに基づいて、下水道雨水排水設備30の状態変化を予測する(STEP66)。
【0047】
以上のSTEP62〜STEP66の工程は、予測対象として設定した所定時間について、適宜のサンプリング間隔で繰り返される。
【0048】
そして、結果判定装置4が、シミュレーション実行装置3の本体部3cが予測するポンプ井33の水位変化に基づいて、運転シミュレーション実行結果を判定する。具体的には、図3に示すように、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL 内に収まる場合(ケース2)を「良好」と判定し、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を超える(ケース1)か下回る(ケース3)場合を「不良」と判定する(STEP7)。
【0049】
運転戦略選定装置2は、結果判定装置4による判定結果が「不良」の場合に、下水道雨水排水設備30の運転戦略を変更する。
【0050】
シミュレーション実行装置3は、運転戦略選定装置2が変更した運転戦略に基づいて運転シミュレーションを繰り返す。すなわち、結果判定装置4が「良好」を判定するまで、STEP5〜STEP7の工程が繰り返される。
【0051】
この場合、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を超える場合、待機時のポンプ井33の水位レベルをさらに下げ、それでも不十分であれば閉鎖する流入ゲート31を増やし、それでも不十分であればポンプ34の起動水位レベルを下げる。
【0052】
一方、ポンプ井33の水位が安全余裕ゾーンL を下回る場合、待機時のポンプ井33の水位レベルを上げ、それでも不十分であれば閉鎖する流入ゲート31を減らし、それでも不十分であればポンプ34の起動水位レベルを上げる。
【0053】
運転シミュレーション実行結果(ポンプ井33の水位等)は、当該運転シミュレーションに用いた運転戦略(運転ポンプ台数等)と共に、結果出力装置13によって出力される(STEP8)。図3に示す場合、結果出力装置13は、結果判定装置4が「良好」を判定した場合にのみ出力を行うが、各運転シミュレーション実行結果の全てについて出力を行ってもよいことは勿論である。
【0054】
また、結果判定装置4が「良好」を判定した場合、制御指令装置14が、当該運転戦略に基づく制御指令を、流入ゲート31及びポンプ34に送る(STEP9)。
【0055】
以上のような運転制御(STEP1〜STEP9)は、時刻制御装置を用いて、適宜の時間間隔で行われる。
【0056】
以上のように、本実施の形態によれば、降雨検知装置1により検知された降雨状態情報に基づいて運転戦略を選定し、運転シミュレーションを実行してその結果を判定し、判定結果に基づいて運転戦略を変更して運転シミュレーションを繰り返すため、下水道雨水排水設備30の運転制御にとって好適な運転戦略が有効に特定される。
【0057】
また、本実施の形態によれば、降雨検知装置1がレーダ雨量計1aと地上雨量計1bとを有しており、レーダ雨量計1aの計測データと地上雨量計1bの計測データとを降雨状況に応じて使い分けるため、降雨状態情報の精度が良い。
【0058】
また、本実施の形態によれば、ポンプ34の起動タイミングと流入ゲート31の開閉タイミングとを含む運転戦略を用いるため、複数の運転戦略を比較的簡便に用意することができる。特に、本実施の形態では、複数の運転戦略を運転戦略テーブルとして記憶させているため、複数の運転戦略をより簡便に用意することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、運転戦略を「低水位待機制御」と「流入ゲート制御」と「ポンプ制御」のそれぞれについて設定しているため、効果的な運転制御が実現できる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、結果出力装置13が運転戦略とシミュレーション実行結果とを出力するため、運転員に対する効果的な情報提供が可能で、運転員は、運転戦略と将来状況とを容易に理解することができる。
【0061】
なお、本実施の形態のシミュレーション実行装置3は、実際にその都度シミュレーション演算を実施するが、例えば種々のケースについての演算結果を記憶しておいて、それらのデータを条件別に呼び出すような装置として構成されてもよい。後者の場合、降雨状態別×運転戦略別に、シミュレーション結果(ポンプ井33の水位、ポンプ34の運転台数等)をキー検索するような態様が好ましい。
【0062】
また、早期の予測演算は誤差が大きいため、制御指令装置14は、「雨域接近時」及び「雨水上空到達時」には粗い制御指令を行って、「雨水流入開始時」に詳細な制御指令を行うことが好ましい。ここで、粗い制御指令とは、最悪の事態に備えての設備の正常確認指令、流入ゲートやポンプの立ち上げ準備指令、流入ゲート設備回りのパトロール指令などである。
【0063】
なお、運転員にガイダンス情報を送ることを目的として本装置を使用する場合には、制御指令装置14は不要である。この場合、運転員は、結果出力装置13による出力結果に基づいて、必要に応じてさらなる判断を加え、下水道雨水排水設備30に対して制御指令を行う。
【0064】
なお、結果判定装置4は、ポンプ井33の水位の他に、稼動可能なポンプ34の台数を考慮してもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、降雨検知装置により検知された降雨状態情報に基づいて運転戦略を選定し、運転シミュレーションを実行してその結果を判定し、判定結果に基づいて運転戦略を変更して運転シミュレーションを繰り返すため、下水道雨水排水設備の運転制御にとって好適な運転戦略が有効に特定される。
【0066】
従って、安全確実な運転が可能で、急激な雨水流入にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による下水道雨水排水設備の運転制御装置を示す概略図。
【図2】運転戦略テーブルの一例を示す図。
【図3】運転戦略と下水道雨水排水設備の状況変化について説明する図。
【図4】図1の下水道雨水排水設備の運転制御装置の作用を示す流れ図。
【符号の説明】
1 降雨検知装置
1a レーダ雨量計
1b 地上雨量計
1c 状態判別部
1d 検知情報出力部
2 運転戦略選定装置
3 シミュレーション実行装置
3a 初期状態検知部
3b 雨水流入予測部
3c 本体部
4 結果判定装置
13 結果出力装置
14 制御指令装置
20 運転制御装置
30 下水道雨水排水設備
31 流入ゲート
32 下水管
33 ポンプ井
34 ポンプ

Claims (9)

  1. 降雨状態情報を検知する降雨検知装置と、
    降雨検知装置が検知した降雨状態情報に基づいて、下水道雨水排水設備の運転戦略を選定する運転戦略選定装置と、
    運転戦略選定装置が選定した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションを実行するシミュレーション実行装置と、
    シミュレーション実行装置による運転シミュレーション実行結果を判定する結果判定装置と、
    を備え、
    運転戦略選定装置は、結果判定装置による判定結果に基づいて、下水道雨水排水設備の運転戦略を変更するようになっており、
    シミュレーション実行装置は、運転戦略選定装置が変更した運転戦略に基づいて、運転シミュレーションを繰り返すようになっている
    ことを特徴とする運転制御装置。
  2. 降雨検知装置は、レーダ雨量計と、地上雨量計とを有し、
    降雨状態情報は、下水道雨水排水設備の排水担当地区と降雨領域との位置関係と、下水道雨水排水設備に雨水が流入するまでの時間的余裕と、を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転制御装置。
  3. 下水道雨水排水設備は、流入ゲートを介して下水管から下水が流入するポンプ井と、ポンプ井から下水を排出するポンプとを有しており、
    運転戦略は、ポンプの起動タイミングと、流入ゲートの開閉タイミングとを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の運転制御装置。
  4. 運転戦略は、雨水流入前のポンプ起動によりポンプ井の水位を低くしてバッファ効果を持たせる低水位待機制御と、流入ゲートのいくつかを締め切ってポンプ井への雨水侵入を絞り込む流入ゲート制御と、を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の運転制御装置。
  5. 運転戦略選定装置は、複数の運転戦略を運転戦略テーブルとして記憶し、運転戦略テーブルとして記憶された複数の運転戦略から、降雨検知装置が検知した降雨状態情報に基づいて好適な運転戦略を選定するようになっている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の運転制御装置。
  6. シミュレーション実行装置は、
    下水道雨水排水設備の状態を取り込む初期状態検出部と、
    降雨検知装置が検知した降雨状態情報に基づいて、下水道雨水排水設備への雨水流入量を予測演算する雨水流入予測部と、
    初期状態検出部が取り込んだ下水道雨水排水設備の状態と、運転戦略選定装置が選定した運転戦略と、雨水流入予測部が演算した雨水流入量とに基づいて、下水道雨水排水設備の状態変化を予測する本体部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の運転制御装置。
  7. 下水道雨水排水設備は、ポンプ井を有しており、
    シミュレーション実行装置の本体部が予測する下水道雨水排水設備の状態変化は、ポンプ井の水位変化を含んでおり、
    結果判定装置は、シミュレーション実行装置の本体部が予測するポンプ井の水位変化に基づいて、運転シミュレーション実行結果を判定するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の運転制御装置。
  8. シミュレーション実行装置には、シミュレーション実行装置による運転シミュレーション実行結果を出力する結果出力装置が接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の運転制御装置。
  9. 下水道雨水排水設備は、流入ゲートを介して下水管から下水が流入するポンプ井と、ポンプ井から下水を排出するポンプとを有しており、
    結果判定装置には、結果判定装置がシミュレーション実行装置による運転シミュレーション実行結果を良好と判定した場合に、当該運転戦略に基づく制御指令を流入ゲート及びポンプに送る制御指令装置が接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の運転制御装置。
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