JP3604928B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機、冷凍機等の冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍装置は、圧縮機1、凝縮器2、減圧器としてのキャピラリーチューブ3および蒸発器4とを配管5によって互いに接続して構成され、図3に示す如き冷凍サイクルを実現するものである。
【0003】
即ち、蒸発器4からの冷媒ガスが圧縮機1によって圧縮(▲1▼→▲2▼)されて、高温、高圧のガスとなり、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは凝縮器2へ送られ、高温熱源(外気)へ熱を放出することによって凝縮(▲2▼→▲3▼)する。凝縮によって液化した高温、高圧の冷媒液はキャピラリーチューブ3へ供給され (▲3▼→▲4▼)、高温、低圧の冷媒液となる。キャピラリーチューブ3からの冷媒液は蒸発器4へ送り込まれ、低温熱源(冷凍室)から熱を奪って蒸発(▲4▼→▲1▼)し、低温、低圧の冷媒ガスとなって圧縮機1へ供給される。
【0004】
上述の冷凍サイクル(▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲1▼)を繰り返すことによって、低温熱源から高温熱源へ熱が輸送され、低温熱源が冷却されるのである。
【0005】
そして、従来、冷媒として広く使用されてきたジクロロジフルオロメタン(R12)等の特定フロンの冷媒が、オゾン層破壊や地球温暖化等の原因として大きな問題になっており、使用冷媒として特定フロンの代替冷媒として、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)等の塩素を含まないHFC系冷媒などを採用され始めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの代替冷媒は、従来の特定フロンで用いられていた鉱油とは相溶性が悪く、二液に分離するため駆動部が摩耗したりする問題があった。この問題を解決するため、相溶性の良いエステル油が採用され始めているが、エステル油では脂肪酸塩などのスラッジ(ゴミ)生成によりキャピラリチューブが閉塞するという新たな問題が発生している。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであって、キャピラリーチューブ3の管路にスラッジが付着するのを防止した冷凍装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧縮機と、蒸発器と、キャピラリーチューブと、凝縮器とを配管接続し、冷凍サイクルを構成する冷凍装置において、前記キャピラリーチューブを接地する接地手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
この構成を用いることにより、高速流部となるキャピラリーチューブにおいて、流動電位によってその管路表面が帯電するのが防止される。
【0010】
また、好ましくは、前記キャピラリーチューブの外周表面に導電性材料を被覆し、該導電性材料を前記接地手段により接地した構成とするのが良い。
【0011】
この構成を用いることにより、キャピラリーチューブの全長にわたって確実に接地される。
【0012】
そして、前記導電性材料は導電性断熱材で構成しても良い。この構成を用いることにより、断熱しながらキャピラリーチューブの全長にわたって接地することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の冷凍装置の一実施形態例について、以下に示す図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る冷凍装置の概略構成図である。この図1に示す冷凍装置100は、上述の従来装置(図3)と同様に、圧縮機1、凝縮器2、キャピラリーチューブ3及び蒸発器4を配管5によって互いに接続して構成され、図4に示す如き冷凍サイクルを実現するものである。尚、本実施例ではキャピラリーチューブ3として内径0.8mm、長さ2.5mのものを使用している。
【0014】
そして、図1におけるキャピラリーチューブ3は、図2に示すようにその外周表面に導電性ウレタンフォームからなる導電性断熱材31が被覆されており、その被覆断熱材31がアース線32を介して装置本体外部の地面に接地されている。
【0015】
一般に、冷凍サイクル内を循環する冷媒が高速流となるキャピラリーチューブ3内の金属表面には流動電位として静電気が発生し、これにより、キャピラリーチューブ3の管路内表面がマイナスに帯電すると共に、冷媒中に混在する微粒子のスラッジがプラスに帯電し、管路内表面のマイナス帯電部にスラッジが移動してその管路内表面に付着するものと考えられる。
【0016】
以上のように、本実施形態例では、冷凍サイクル内で高速流部分となるキャピラリーチューブ3がアース線32によって接地されているので、流動電位によってキャピラリーチューブ3の管路表面が帯電するのが防止される。従って、キャピラリーチューブ3の管路内表面に、冷凍サイクル内で生成されたスラッジが付着しにくくなる。
【0017】
また、キャピラリーチューブ3の外周表面を直接接地するのではなく、その外周表面に導電性断熱材31を被覆し、その導電性断熱材31をアース線32で接地しているので、キャピラリーチューブ3の全長にわたってその管路内表面に流動電位による静電気が発生するのが防止され、管路内表面へのスラッジ付着を一層防止することができる。また、キャピラリーチューブ3を断熱するための断熱材を導電性材料とし、その断熱材を接地するだけで良いので大幅に部品点数を増やすことなく実現できる。尚、本実施形態例では導電性断熱材31として導電性ウレタンフォームを使用した場合について説明したがこの他の材料であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0018】
そして、上記した本実施形態例の冷凍装置100と、従来の冷凍装置とを用いて比較実験を行った結果、初期時におけるキャピラリーチューブ3の流量に対する流量減少率をキャピ閉塞度と定義すると、300時間の連続実験経過後において、従来装置に比較して本発明の冷凍装置100ではキャピ閉塞度が約半分程度に減少していることが確認された。
【0019】
尚、上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0020】
例えば、上記実施形態の説明では、導電性材料として導電性断熱材を用いているが、キャピラリーチューブを断熱する必要が無ければその他の導電性樹脂などを表面に被覆させた構成としても構わない。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたとおり本発明によれば、流動電位によってキャピラリーチューブの管路表面が帯電するのが防止され、その管路内表面に、冷凍サイクル内で生成されたスラッジが付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍装置の系統図である。
【図2】図1装置のキャピラリーチューブ3の要部断面図である。
【図3】従来の冷凍装置の系統図である。
【図4】冷凍サイクルを表わすモリエル線図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 減圧器
4 蒸発器
5 配管
31 導電性材料
32 アース線(接地手段)
100 冷凍装置

Claims (3)

  1. 圧縮機と、蒸発器と、キャピラリーチューブと、凝縮器とを配管接続し、冷凍サイクルを構成する冷凍装置において、
    前記キャピラリーチューブを接地する接地手段を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記キャピラリーチューブの外周表面に導電性材料を被覆し、該導電性材料を前記接地手段により接地したことを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記導電性材料は導電性断熱材であることを特徴とする請求項2記載の冷凍装置。
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