JP3603556B2 - 空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置に使用され、これらの機器稼働の際、過渡期における空燃比のバランスが良好に保てるように作動する空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置に使用され、これらの機器が稼働する際、過渡期における空燃比のバランスを保つための制御として、ファンの目標回転数と実回転数の差によってガス圧の出力に補正をかけるような制御を行っていた。
この従来の制御手段を、図3のフローチャートにより説明する。機器稼働の際、(ファンの目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm と判断されれば(ステップS1でイエス)、ガス圧が補正され(ステップS2)、逆にステップS1でノーの場合は、ガス圧は補正されない(ステップS3)ように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の制御手段では、「ファンの目標回転数と実回転数の差≧Xrpm 」であれば、常にガス圧が補正されるようにはなっているものの、ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかなかった場合においても、ガス圧の出力を継続して補正することになり、その結果として、高温出湯もしくは設定温度に達しないという現象が起こる等、出湯特性の悪化を来す可能性を有していた。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の制御手段の有する不都合に鑑み、ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかない場合であっても、供給するガス圧にいつまでも補正が加えられた状態が続くという事態を回避し、これによって空燃比制御における出湯特性の悪化を防止することができる空燃比制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の空燃比制御装置は、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけることなく、且つ補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけ、且つ前記補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例え燃焼ファンの回転数が引続き|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、前記ガス圧の補正を終了するよう構成したことを第1の特徴としている。
上記において、一定のタイマ時間は予め実験によって適当な時間を決めておくことができる。
また本発明の空燃比制御装置は、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた給湯装置に使用される空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときには、式(1)で求められるガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときには、式(2)で求められる補正されたガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例えが燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、式(1)によるガス圧の出力に戻すよう構成したことを第2の特徴としている。
P1 =a×G2 +b ………式(1)
P2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β………式(2)
P1 :補正なしガス圧出力データ
G :必要号数
a、b:ガス計算定数
P2 :補正後ガス圧出力データ
α、β:補正係数
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置を備えた給湯装置を示す概略図、図2は上記空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【0007】
まず、図1について説明すると、給湯器1の缶体2内には、給湯配管3を流れる水を加熱するための熱交換器4とガスバーナ5とが収容されており、上記熱交換器4の下方にガスバーナ5が配置されている。また、缶体2の上面には排気口6が開口され、下面の吸気口7には燃焼ファン8によって燃焼用空気が強制的に缶体2内へ供給され、最適な空燃比でガスが燃焼させられるように構成されている。また、上記給湯配管3に設けられた流量センサ9は、給湯制御部10に接続されており、給湯開始時に給湯制御部10によって入水流量Qが最低作動量(MOQ)以上である(以下、MOQ以上という)と判断されると、給湯制御部10からファン制御部11へMOQ以上であることを知らせる信号が出力されるように構成されている。
一方、ガスバーナ5にガスを供給するガス供給配管12にはガス比例弁13が設けられており、このガス比例弁13の開度を給湯制御部10によって制御することでガスバーナ5の燃焼量を調整できるように構成されると共に、上記給湯制御部10からファン制御部11にはガスバーナ5の燃焼量を示す信号が出力されるように構成されている。
そして、上記燃焼ファン8のファン回転数は直流モータ14に供給するファン駆動電流を変化させることによって上記ファン制御部11で制御されており、ファン回転数及びファン駆動電流はそれぞれファン回転数検出部15及びファン駆動電流検出部16によって検出され、各検出信号はファン制御部11へ入力されるようになっている。ファン制御部11はファン回転数を検出しながら、燃焼量に応じた所望のファン回転数となるように燃焼ファン8のファン回転数をフィードバック制御することができるように構成されている。
上記のように構成される給湯器における制御装置において、上記ファン制御部11と給湯制御部10との間に、補正制御用タイマ17を付加し、これによって上記ファン制御部11で得た「(目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm (Xは定数)」の判断結果に基づいて、給湯制御部10でガス比例弁13の開度の調整によるガス圧の増減の補正を行う場合の時間的制御が行えるようにしている。このことを具体的に説明すると、(目標回転数と実回転数の差)<Xrpm であればガス圧の補正を行わず、式(1)式で求められたガス圧出力を行うと共に、上記補正制御用タイマ17をリセットするように制御している。また、(目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm であれば、補正制御用タイマ17がタイマアップするまで式(2)で求められるガス圧を出力し、補正制御用タイマ17がタイマアップした後は補正なしの出力を行うように制御している。
ガス圧の補正を行うための計算式、
P1 =a×G2 +b ………式(1)
P2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β………式(2)
P1 :補正なしガス圧出力データ
G :必要号数
a、b:ガス計算定数
P2 :補正後ガス圧出力データ
α、β:補正係数
これらの式により、実回転数が目標回転数以上であれば、補正なしより高くガス圧を補正し、実回転数が目標回転数以下であれば、補正なしより低くガス圧を補正する。
【0008】
図2のフローチャートにより補正制御用タイマの作動を説明する。
燃焼の過渡期において、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm であれば(ステップS11でノー)、補正制御用タイマ17のリセットを行う(ステップS15)と共に、ガス圧の補正は行わずにP1 =a×G2 +b(式(1))で求められたガス圧出力を行う(ステップS16)。
一方、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm であれば(ステップS11でイエス)、補正制御用タイマ17がその一定のタイマ時間をアップ(経過)するまでP2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β(式(2))で求められるガス圧を出力する(ステップS12でノー、ステップS14)。しかるのち、上記補正制御用タイマ17がタイマアップした後(ステップS12でイエス)は、ガス圧の補正なしの出力を行う(ステップS13)。なお、補正制御用タイマ17がタイマアップしない場合(ステップS12でノー)にはガス圧の補正を行い(ステップS14)、再びステップS12にて補正制御用タイマ17がタイマアップしたか否かの判断に委ねられ、「イエス」と判断され、補正制御用タイマ17がタイマアップすると、上記と同様、ガス圧の補正なしの出力を行う(ステップS13)。従って、補正制御用タイマ17がタイマアップしない限りは、ステップS12にてイエスと判断されるまでガス圧の補正を行い(ステップS14)、再びステップS12にて補正制御用タイマ17がタイマアップしたか否かの判断が同様に繰り返される。
【0009】
以上のように、燃焼過渡期には、ファンの目標回転数と実回転数の偏差をガス圧で補正するが、これは空燃比のバランスを図るにあたってはガス圧の方が応答性が速いという理由による。一方、過渡期終了後所定の一定時間(補正制御用タイマのタイマアップ)後はガス圧の補正を中止し、燃焼ファンのフィードバックで燃焼を行うようにしている。
このように構成されているから、燃焼過渡期には適切なガス圧補正ができるのみならず、燃焼ファンが何らかの原因で異常動作したときには、ガス圧に補正がいつまでも加わったままになるのを防止することができ、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置における異常出湯の防止を図ることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成よりなり、請求項1に記載の空燃比制御装置によれは、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた空燃比制御装置であって、ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけることなく、且つ補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけ、且つ前記補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例え燃焼ファンの回転数が引続き|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても前記ガス圧の補正を終了するよう構成したので、
ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかない場合に、供給するガス圧にいつまでも補正が加えられた状態が続くという事態を回避することができ、これによって空燃比制御における出湯特性の悪化を防止することができる。
また請求項2に記載の空燃比制御装置によれば、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた給湯装置に使用される空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときには、式(1)で求められるガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときには、式(2)で求められる補正されたガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例えが燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、式(1)によるガス圧の出力に戻すよう構成したので、
給湯器や温水暖房器等の給湯装置において、燃焼過渡期には式(2)により適切な補正ができ、勿論、燃焼安定期においては、式(1)により安定した好ましい空燃比での燃焼を行うことができ、また、ファンが異常動作したとき等は、ガス圧に不正な補正がいつまでもかからないようにして異常出湯の防止を図ることができる。
以上のように請求項1、2に記載の本発明によれば、良好な空燃比を保って良好な燃焼状態を維持することができて、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置のトラブルを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置を備えた給湯装置を示す概略図である。
【図2】本発明の空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【図3】従来の空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 給湯配管
4 熱交換器
5 ガスバーナ
8 燃焼ファン
10 給湯制御部
11 ファン制御部
12 ガス供給配管
13 ガス比例弁
15 ファン回転数検出部
16 ファン駆動電流検出部
17 補正制御用タイマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置に使用され、これらの機器稼働の際、過渡期における空燃比のバランスが良好に保てるように作動する空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置に使用され、これらの機器が稼働する際、過渡期における空燃比のバランスを保つための制御として、ファンの目標回転数と実回転数の差によってガス圧の出力に補正をかけるような制御を行っていた。
この従来の制御手段を、図3のフローチャートにより説明する。機器稼働の際、(ファンの目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm と判断されれば(ステップS1でイエス)、ガス圧が補正され(ステップS2)、逆にステップS1でノーの場合は、ガス圧は補正されない(ステップS3)ように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の制御手段では、「ファンの目標回転数と実回転数の差≧Xrpm 」であれば、常にガス圧が補正されるようにはなっているものの、ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかなかった場合においても、ガス圧の出力を継続して補正することになり、その結果として、高温出湯もしくは設定温度に達しないという現象が起こる等、出湯特性の悪化を来す可能性を有していた。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の制御手段の有する不都合に鑑み、ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかない場合であっても、供給するガス圧にいつまでも補正が加えられた状態が続くという事態を回避し、これによって空燃比制御における出湯特性の悪化を防止することができる空燃比制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の空燃比制御装置は、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけることなく、且つ補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけ、且つ前記補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例え燃焼ファンの回転数が引続き|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、前記ガス圧の補正を終了するよう構成したことを第1の特徴としている。
上記において、一定のタイマ時間は予め実験によって適当な時間を決めておくことができる。
また本発明の空燃比制御装置は、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた給湯装置に使用される空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときには、式(1)で求められるガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときには、式(2)で求められる補正されたガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例えが燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、式(1)によるガス圧の出力に戻すよう構成したことを第2の特徴としている。
P1 =a×G2 +b ………式(1)
P2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β………式(2)
P1 :補正なしガス圧出力データ
G :必要号数
a、b:ガス計算定数
P2 :補正後ガス圧出力データ
α、β:補正係数
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置を備えた給湯装置を示す概略図、図2は上記空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【0007】
まず、図1について説明すると、給湯器1の缶体2内には、給湯配管3を流れる水を加熱するための熱交換器4とガスバーナ5とが収容されており、上記熱交換器4の下方にガスバーナ5が配置されている。また、缶体2の上面には排気口6が開口され、下面の吸気口7には燃焼ファン8によって燃焼用空気が強制的に缶体2内へ供給され、最適な空燃比でガスが燃焼させられるように構成されている。また、上記給湯配管3に設けられた流量センサ9は、給湯制御部10に接続されており、給湯開始時に給湯制御部10によって入水流量Qが最低作動量(MOQ)以上である(以下、MOQ以上という)と判断されると、給湯制御部10からファン制御部11へMOQ以上であることを知らせる信号が出力されるように構成されている。
一方、ガスバーナ5にガスを供給するガス供給配管12にはガス比例弁13が設けられており、このガス比例弁13の開度を給湯制御部10によって制御することでガスバーナ5の燃焼量を調整できるように構成されると共に、上記給湯制御部10からファン制御部11にはガスバーナ5の燃焼量を示す信号が出力されるように構成されている。
そして、上記燃焼ファン8のファン回転数は直流モータ14に供給するファン駆動電流を変化させることによって上記ファン制御部11で制御されており、ファン回転数及びファン駆動電流はそれぞれファン回転数検出部15及びファン駆動電流検出部16によって検出され、各検出信号はファン制御部11へ入力されるようになっている。ファン制御部11はファン回転数を検出しながら、燃焼量に応じた所望のファン回転数となるように燃焼ファン8のファン回転数をフィードバック制御することができるように構成されている。
上記のように構成される給湯器における制御装置において、上記ファン制御部11と給湯制御部10との間に、補正制御用タイマ17を付加し、これによって上記ファン制御部11で得た「(目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm (Xは定数)」の判断結果に基づいて、給湯制御部10でガス比例弁13の開度の調整によるガス圧の増減の補正を行う場合の時間的制御が行えるようにしている。このことを具体的に説明すると、(目標回転数と実回転数の差)<Xrpm であればガス圧の補正を行わず、式(1)式で求められたガス圧出力を行うと共に、上記補正制御用タイマ17をリセットするように制御している。また、(目標回転数と実回転数の差)≧Xrpm であれば、補正制御用タイマ17がタイマアップするまで式(2)で求められるガス圧を出力し、補正制御用タイマ17がタイマアップした後は補正なしの出力を行うように制御している。
ガス圧の補正を行うための計算式、
P1 =a×G2 +b ………式(1)
P2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β………式(2)
P1 :補正なしガス圧出力データ
G :必要号数
a、b:ガス計算定数
P2 :補正後ガス圧出力データ
α、β:補正係数
これらの式により、実回転数が目標回転数以上であれば、補正なしより高くガス圧を補正し、実回転数が目標回転数以下であれば、補正なしより低くガス圧を補正する。
【0008】
図2のフローチャートにより補正制御用タイマの作動を説明する。
燃焼の過渡期において、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm であれば(ステップS11でノー)、補正制御用タイマ17のリセットを行う(ステップS15)と共に、ガス圧の補正は行わずにP1 =a×G2 +b(式(1))で求められたガス圧出力を行う(ステップS16)。
一方、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm であれば(ステップS11でイエス)、補正制御用タイマ17がその一定のタイマ時間をアップ(経過)するまでP2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β(式(2))で求められるガス圧を出力する(ステップS12でノー、ステップS14)。しかるのち、上記補正制御用タイマ17がタイマアップした後(ステップS12でイエス)は、ガス圧の補正なしの出力を行う(ステップS13)。なお、補正制御用タイマ17がタイマアップしない場合(ステップS12でノー)にはガス圧の補正を行い(ステップS14)、再びステップS12にて補正制御用タイマ17がタイマアップしたか否かの判断に委ねられ、「イエス」と判断され、補正制御用タイマ17がタイマアップすると、上記と同様、ガス圧の補正なしの出力を行う(ステップS13)。従って、補正制御用タイマ17がタイマアップしない限りは、ステップS12にてイエスと判断されるまでガス圧の補正を行い(ステップS14)、再びステップS12にて補正制御用タイマ17がタイマアップしたか否かの判断が同様に繰り返される。
【0009】
以上のように、燃焼過渡期には、ファンの目標回転数と実回転数の偏差をガス圧で補正するが、これは空燃比のバランスを図るにあたってはガス圧の方が応答性が速いという理由による。一方、過渡期終了後所定の一定時間(補正制御用タイマのタイマアップ)後はガス圧の補正を中止し、燃焼ファンのフィードバックで燃焼を行うようにしている。
このように構成されているから、燃焼過渡期には適切なガス圧補正ができるのみならず、燃焼ファンが何らかの原因で異常動作したときには、ガス圧に補正がいつまでも加わったままになるのを防止することができ、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置における異常出湯の防止を図ることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成よりなり、請求項1に記載の空燃比制御装置によれは、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた空燃比制御装置であって、ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけることなく、且つ補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけ、且つ前記補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例え燃焼ファンの回転数が引続き|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても前記ガス圧の補正を終了するよう構成したので、
ファンの実回転数がいつまでも目標回転数に近づかない場合に、供給するガス圧にいつまでも補正が加えられた状態が続くという事態を回避することができ、これによって空燃比制御における出湯特性の悪化を防止することができる。
また請求項2に記載の空燃比制御装置によれば、給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた給湯装置に使用される空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときには、式(1)で求められるガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときには、式(2)で求められる補正されたガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例えが燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、式(1)によるガス圧の出力に戻すよう構成したので、
給湯器や温水暖房器等の給湯装置において、燃焼過渡期には式(2)により適切な補正ができ、勿論、燃焼安定期においては、式(1)により安定した好ましい空燃比での燃焼を行うことができ、また、ファンが異常動作したとき等は、ガス圧に不正な補正がいつまでもかからないようにして異常出湯の防止を図ることができる。
以上のように請求項1、2に記載の本発明によれば、良好な空燃比を保って良好な燃焼状態を維持することができて、給湯器や温水暖房器等の強制給排気式給湯装置のトラブルを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置を備えた給湯装置を示す概略図である。
【図2】本発明の空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【図3】従来の空燃比制御装置の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 給湯配管
4 熱交換器
5 ガスバーナ
8 燃焼ファン
10 給湯制御部
11 ファン制御部
12 ガス供給配管
13 ガス比例弁
15 ファン回転数検出部
16 ファン駆動電流検出部
17 補正制御用タイマ
Claims (2)
- 給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は、燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけることなく、且つ補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときにはガス圧に補正をかけ、且つ前記補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例え燃焼ファンの回転数が引続き|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても前記ガス圧の補正を終了するよう構成したことを特徴とする空燃比制御装置。 - 給湯配管を流れる水を加熱するための熱交換器とガスバーナと、燃焼用空気を供給する燃焼ファンと、燃焼部の燃焼量に応じてファン回転数を制御するファン制御部と、ガスバーナにガスを供給するガス供給配管と、上記ガス供給配管に設けられたガス比例弁と、上記ガス比例弁の開度を制御することで上記ガスバーナの燃焼量を調整すると共にファン制御部にガスバーナの燃焼量を示す信号を出力するための給湯制御部とを備えた給湯装置に使用される空燃比制御装置であって、
ガス圧の補正に時間的制限をかけるための補正制御用タイマを設けており、上記給湯制御部は燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|<Xrpm (Xは定数)のときには、式(1)で求められるガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマをリセットするようにし、また燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)のときには、式(2)で求められる補正されたガス圧を出力すると共に、補正制御用タイマによる一定のタイマ時間が経過した場合には例えが燃焼ファンの回転数が|目標回転数−実回転数|≧Xrpm (Xは定数)であっても、式(1)によるガス圧の出力に戻すよう構成したことを特徴とする空燃比制御装置。
P1 =a×G2 +b ………式(1)
P2 =P1 +(実回転数−目標回転数)×α÷β………式(2)
P1 :補正なしガス圧出力データ
G :必要号数
a、b:ガス計算定数
P2 :補正後ガス圧出力データ
α、β:補正係数
Priority Applications (1)
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JP22096397A JP3603556B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22096397A JP3603556B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 空燃比制御装置 |
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JPH1151375A JPH1151375A (ja) | 1999-02-26 |
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-
1997
- 1997-08-01 JP JP22096397A patent/JP3603556B2/ja not_active Expired - Fee Related
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