JP3603095B2 - 容器内包材入り粉体投入装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、粉体原料を容器から取り出す容器内包材入り粉体投入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉体原料を大量に保管する場合に、ドラム缶等に充填されることが多いが、このような場合、通常、粉体原料がドラム缶に直接充填されているのではなく、包材を介在させて保管されている。
【0003】
そして、従来、上記のドラム缶に充填された粉体原料を取り出す際には、作業者は粉体原料の入った包材(ここで用いる袋は、内袋と外袋の二重構造とされている)の口を開けて、外袋をドラム缶の外側へ折り返し、このままドラム缶傾転機にセットする。ドラム缶を傾転させながら、内袋を揺すって、粉体原料を払い出す、というような手作業によって、包材をドラム缶の内部に保持したまま、粉体原料の取り出し作業を行っている。
【0004】
尚、上記の作業においては、粉体原料より発生する粉塵などを吸い込んだりすると、作業者の安全衛生の面で問題があり、また、粉体原料自体が人体に有害なものである場合、吸引はもちろん皮膚に接触したりすることも危険である。そこで、通常、作業者はエアーラインスーツと呼ばれる作業着により、上記の粉塵雰囲気から遮断された状態で上記の作業を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉体原料を払い出すことによってドラム缶より取り出す上記従来の方法では、エアーラインスーツの着用により粉体原料から作業者は保護されているが、周囲に粉体原料から発生する粉塵等を飛散させてしまうという問題点を有していた。また、エアーラインスーツを着用しての上記作業は通常の作業と比較して作業者に過大な負担を強いるものとなっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1記載の容器内包材入り粉体投入装置は、容器内に収納された包材を吊り上げる吊り上げ装置と、包材底部の開封を行う開袋装置とにより、包材からの粉体の取り出しを重力の作用によって行い粉体の投入を行う容器内包材入り粉体投入装置であって、上記吊り上げ装置が吊り上げる包材の鉛直軸と、開袋装置内において開封される位置にある包材の鉛直軸とが一致するように、吊り上げ装置と開袋装置とが配置されるとともに、吊り上げ装置と開袋装置との間の所定位置に、上記鉛直軸と容器の軸とを一致させるように容器を駐止可能とする容器移動手段が設けられていることを特徴としている。
【0007】
【作用】
本発明の構成によれば、吊り上げ装置と開袋装置と容器に収納状態の包材を移動させる移動手段において、包材は常に同一の軸上に位置することになる。つまり、包材の容器からの吊り上げ、粉体の排出、空の包材の容器への収納までの各工程は、包材を上下方向に移動させるだけで行えることになる。従って、包材単体での横方向への移動がないため、粉体排出時に発生する粉塵の量を少なく抑えられ、また、粉体が飛散する面積も小さくすることができる。また、包材の底部を開封して、重力の作用により下方へと粉体の取り出しを行うので、作業者が直接粉体を払い出したりする必要がなくなり、作業者の負担を低減することができる。
【0008】
【実施例】
本発明の一実施例について図1ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0009】
尚、本実施例で扱う粉体原料は、図3に示すように、ドラム缶8内に包材としてのワンウェイバッグ7を介して保管されている。
【0010】
本実施例の粉体ドラム缶自動投入装置は、図1及び図2に示す構成となっている。すなわち、図2に示すように、搬入コンベア1、準備エリア2、待機エリア3、開袋エリア4、洗浄エリア5、搬出コンベア6から構成されている。これらは待機エリア3、準備エリア2、洗浄エリア5が一直線上に配置されるとともに、待機エリア3に隣接して開袋エリア4が設けられている。そして、ドラム缶8を搬入する搬入コンベア1が準備エリア2に接続され、一方、ドラム缶8を搬出する搬出コンベア6が洗浄エリア5に接続されている。
【0011】
そして、準備エリア2には受取コンベア12とドラム缶8の搬送方向を変更する方向転換コンベア13が設けられており、待機エリア3には開袋エリア4に跨がって2本平行に敷設されるレール15・15とその上を移動するドラム缶移動手段としての移動台車14が設けられている。
【0012】
また、開袋エリア4にはワンウェイバッグ7を掴む吊り上げ装置としてのキャッチャー装置19が昇降アーム28を介して昇降装置27に取り付けられている。さらに、図1に示すように、その下方には開袋装置としての開袋機36と粉体原料が投入される反応槽11とが配置されている。この図から分かるように、キャッチャー装置19と開袋機36とはワンウェイバッグ7を同軸上に位置させる配置となっている。
【0013】
一方、洗浄エリア5には受取コンベア55とドラム缶8の搬送方向を変更する方向転換コンベア56とが設けられるとともに、洗浄ノズル57…(図5に図示)が設けられている。
【0014】
尚、ドラム缶8搬入時以外は、各エリア間に設けられるシャッター10a〜10eは閉じられており、各エリアの雰囲気を他のエリアから遮断することにより、開袋エリア4で発生する粉塵が極力外部に洩れないようにしている。
【0015】
そして、上記ドラム缶8は図2に示す、上記各エリアの配置に対して、搬入コンベア1→準備エリア2→待機エリア3→開袋エリア4→待機エリア3→準備エリア2→洗浄エリア5→搬出コンベア6の順に搬送され、その間にドラム缶8の開缶、ワンウェイバッグ7取り出し、粉体原料の排出、ワンウェイバッグ7収納、ドラム缶8の閉缶、ドラム缶8洗浄が行われる。
【0016】
さらに、上記構成の詳細と動作とを説明する。
【0017】
図3に示すように、ドラム缶8の蓋8aを固定する図示しないバンドが外されたドラム缶8が搬入コンベア1に載せられて、準備エリア2に搬送される。
【0018】
準備エリア2では、上記の受取コンベア12が搬入コンベア1により搬入されるドラム缶8を受け取り、さらに、方向転換コンベア13により移動方向が変換されて、待機エリア3へ搬送される。
【0019】
待機エリア3には上記のレール15と移動台車14の他にドラム缶8の蓋8aを着脱する蓋着脱装置16とが設けられている。
【0020】
そして、準備エリア2より搬送されるドラム缶8は、移動台車14上に積載され、固定される。図6に示すように、上記蓋着脱装置16には、真空パッド17・17とエアシリンダ18とが設けられており、エアシリンダ18により真空パッド17・17は下降して、蓋8aを真空吸着する。蓋8aを真空吸着した真空パッド17・17はエアシリンダ18により上昇し、上記動作に伴って、ドラム缶8が開缶される。
【0021】
待機エリア3で開缶されたドラム缶8は移動台車14上に固定されたまま、上記レール15・15上を移動して開袋エリア4に運搬され、図3のドラム缶8の中心とキャッチャー装置19の中心が一致する2点鎖線で示された位置に停止する。
【0022】
開袋エリア4には、上記のキャッチャー装置19、昇降アーム28、昇降装置27、キャッチャー装置19と同軸上に配置される開袋機36に加えて、排出された粉体原料の塊を所定の大きさ以下にほぐすための塊砕機47が設けられている。さらに、図4に示すように、開封前に粉体原料の固結や凝集をほぐしたり、開封後に粉体原料を完全に排出するためにワンウェイバッグ7を叩く袋ほぐし機33が図1で示したレール15間に設けられている。また、ここでは図示されていないが移動台車14上のドラム缶8の上面の高さより少し上方にその下面を有するガイド32・32を可動可能とする空袋ガイド開閉装置31(図12(a)(b))がやはり同軸上に設けられている。
【0023】
そして、上記のようにドラム缶8がキャッチャー装置19の下方で停止すると、キャッチャー装置19は昇降アーム28を介して取り付けられた昇降装置27によって下降する。
【0024】
ここで、ワンウェイバッグ7の上面を一定状態に保持し、掴持を確実に行うために、以下のような動作により、ワンウェイバッグ7の上面を粉体原料に押し付けている。
【0025】
図7(a)に示すように、このキャッチャー装置19の下部には、ガイド部25とエアシリンダ24により爪収納ボックス19aが上下動可能に設けられている。このとき爪収納ボックス19aの下部はドラム缶8の内径よりも小さいものとされているので、キャッチャー装置19の下降に伴って、開缶されたドラム缶8(図示せず)に嵌入する。そして、爪収納ボックス19aの下面がワンウェイバッグ7(図示せず)の上面と接触し停止する。
【0026】
さらに、昇降装置27が下降を続けると、爪収納ボックス19aは、ガイド部25により、キャッチャー装置19本体に対して相対的に上昇し始めることになる。そして、このガイド部25にはリミットスイッチ(図示せず)が取り付けられており、所定の位置まで来るとリミットスイッチが作動し、昇降装置27は停止する。
【0027】
この状態では、ワンウェイバッグ7の上面が爪収納ボックス19aの自重により押し付けられている状態である。また、爪収納ボックス19aの自重による押し付け力が不足する場合には、エアシリンダ24を作動させて、掴持するときの押し付け力を付加させることも可能である。
【0028】
このように、ワンウェイバッグ7内の充填物の量が変化していたとしても爪収納ボックス19aはワンウェイバッグ7を常に一定の押し付け力で押し付けることができるので、確実にワンウェイバッグ7を掴持することが可能である。
【0029】
さらに、ワンウェイバッグ7の掴持方法を、図7に基づいて説明する。
図7(a)(b)に示すように、爪収納ボックス19aの下面に平行とされた回動軸20aとその回動軸20aに回動可能とされるアーム21が設けられ、このアーム21と、上記回動軸20aを中心とする1/3円弧状に2本平行して設けられる爪20の一端とが固定されている。そして上記爪20の他の一端は尖端化されており、上記アーム21を回動させるアクチュエータ22により、爪20が回動し、爪収納ボックス19aの下面から上記の爪20の尖端が弧を描いて突出する爪突出装置23が設けられている。
【0030】
また、爪収納ボックス19aの下面の上記爪20が突出する部位には、それぞれスパイク26…が設けられている。このスパイク26は、爪収納ボックス19aがワンウェイバッグ7に押しつけられるときに、ワンウェイバッグ7の上部と粉体原料の上面を密着させて、爪20が突き刺さるときのワンウェイバッグ7の上面の状態を一定に保ち、爪20…による安定した掴持動作を実現する。
【0031】
尚、安定した掴持状態を確保するために、図7(b)に示すように爪収納ボックス19aの中心を中心とする円周上に等間隔で上記の爪突出装置23が3個設けられている。これにより、ワンウェイバッグ7の掴持前後における姿勢が変化しにくく、ドラム缶8からのワンウェイバッグ7の取り出しを容易なものとしている。
【0032】
上記のように、キャッチャー装置19によって掴持されたワンウェイバッグ7はキャッチャー装置19とともに昇降装置27によって上昇させられる。ドラム缶8とキャッチャー装置19がその中心を同じくするとともに、上記の爪突出装置23の配置により、ドラム缶8からのワンウェイバッグ7の取り出しは通常容易に行えるが、場合によっては、ワンウェイバッグ7が斜め吊り状態とされ、取り出しがスムーズにできずにドラム缶8を引っ掛けた状態で吊り上げてしまう恐れがある。
【0033】
そこで、ワンウェイバッグ7を支持する上記キャッチャー装置19内にはロードセル29が内蔵されており、ワンウェイバッグ7の取り出し時に、予め記憶された粉体原料とワンウェイバッグ7とキャッチャー装置19の合計の重量と、吊り上げ重量とを比較しながら上記吊り上げを行う。
【0034】
もし、上記のようにドラム缶8が引っ掛かっていると、所定の重量にくわえてドラム缶8の重量が付加されるので、ロードセル29は異常を検知して、一度、ワンウェイバッグ7を降ろして、再度、掴持作業からやり直すことになる。もちろん、所定の重量を検知した場合は、昇降装置27による吊り上げ作業は続行される。
【0035】
一方、図3に示すように、ワンウェイバッグ7が取り出された後の空のドラム缶8は一度、待機エリア3に搬送され、粉体原料の排出が終了するまで、待機エリア3で待機している。
【0036】
ドラム缶8から取り出されたワンウェイバッグ7の中の粉体原料は、保管するドラム缶8の振動や粉体原料自体の経時変化などによって、固結あるいは凝集などして、排出されにくい状態となっていることが多く、そのままで開封を行っても、スムーズな排出は期待できない。そこで、開封前に、袋ほぐし機33を用いて、粉体原料の固結や凝集を予めほぐして、排出が容易に行えるようにしておくことが必要である。
【0037】
図8(a)(b)に示すように袋ほぐし機33には、粉体原料のほぐしを行う円弧状の回動アーム34・34と回動アーム34・34の軸を左右方向に移動させる移動用シリンダ35・35が設けられている。上記回動アーム34は可動軸34aを中心として上半分側を回動可能とされており、ワンウェイバッグ7のほぐしを行う際に、回動アーム34・34は回動させてワンウェイバッグ7側に突出状態で固定しておき、移動用シリンダ35・35を前後に往復させることにより行う。この袋ほぐし機33は、前記のレール15・15間に設けられており、昇降装置27によってワンウェイバッグ7を下動させながら粉体原料のほぐしを行っている。
【0038】
上記袋ほぐし機33により、粉体原料がほぐされた後、ワンウェイバッグ7はキャッチャー装置19の下方にキャッチャー装置19と同軸上に設けられた開袋機36で底部が開封される。
【0039】
開袋機36は図9に示すように、固定された開袋刃38が設けられるとともに、その開袋刃38にワンウェイバッグ7を導く投入ガイド43と、内部洗浄用のシャワーノズル45…と、内部の粉塵を排出する集塵口44とが設けられている。そして、上記の開袋刃38は四角錐の稜線状に上方に刃を向けて配置された4枚の刃物41…が、中央部の刃物固定軸39と、四方に配置される刃物ホルダー42…とにより固定される構成となっている。また、上記刃物固定軸39はその先端が尖端化され、ワンウェイバッグ7の開封を容易にしている。
【0040】
図5の流れ図に示すように、昇降装置27によりワンウェイバッグ7は下降する。そして、図9に示すように、ワンウェイバッグ7底部の中央に刃物固定軸39の尖端が当たるように投入ガイド43で位置が修正される。そのまま下降させていくと、ワンウェイバッグ7の自重により、刃物固定軸39の尖端が底部に当たって穴が開く。さらに下降させていくと刃物41…により、ワンウェイバッグ7の底部が十字状に開封されることになる。
【0041】
上記のように開封は、基本的に、ワンウェイバッグ7の自重によって行われるが、開封に十分な重量が得られないときは、昇降装置27によって、ワンウェイバッグ7を開袋刃38に押しつけて開封が行われる。
【0042】
ここで、固定された開袋刃38を用いて、ワンウェイバッグ7の自重により開封された底部から粉体原料を排出する構成に加えて、上記投入ガイド43の下方の開袋刃38付近の構成を棒状部材とし、発生する粉塵を上記集塵口44より迅速に吸引することにより、開袋エリア4上部に飛散する粉塵を抑えることができる。また、キャッチャー装置19が作動し、開袋刃38が固定される構成であるので、粉塵雰囲気下に可動部がないため、作動不良を起こしにくくなっている。
【0043】
開封が行われると、粉体原料は上記袋ほぐし機33によりほぐされているのでワンウェイバッグ7より排出されやすい状態となっているが、上記のほぐし機構のみでは充分ではなく、粉体原料がワンウェイバッグ7内部に残留してしまうことがある。このとき前記のキャッチャー装置19に内蔵されたロードセル29によって、予め記憶された空のワンウェイバッグ7の重量と開封後のワンウェイバッグ7の重量とを比較することによって、粉体原料が残留しているかどうかを確認することができる。ここで、もし所定の重量より重い場合は、上記の袋ほぐし機33を用いて、先程は固定して用いた回動アーム34・34を回動させて、ワンウェイバッグ7を叩くことにより、粉体原料の排出を完全に行うことができる。
【0044】
そして、図9に示すように、ワンウェイバッグ7より排出された粉体原料は開袋機36の下方に配置された塊砕機47に投入される。
【0045】
図10に示す、塊砕機47には、半径方向に突出する塊砕爪49が十字状に複数設けられる塊砕ローラ48が2本平行に設けられており、互いの塊砕ローラ48・48間に位置する塊砕爪49…が当接しないように配置されている。上記塊砕ローラ48・48を互いに逆の方向に回転させることにより、粉体原料の塊をさらに小さく分割する。そして、塊砕ローラ48下方には、図11に示す金網52が設けられており、網目の大きさ以下とされた粉体原料のみが網目を通り抜けて、ホッパー51へ投入される。
【0046】
一方、図5に示すように、粉体原料の排出を完了したワンウェイバッグ7は昇降装置27により再び上昇させられ、待機エリア3に退避していたドラム缶8が移動台車14とともに、開袋エリア4内の2点鎖線の位置に搬送される。昇降装置27が下降するとともに爪20がキャッチャー装置19に収納され、ワンウェイバッグ7を解放してドラム缶8内にワンウェイバッグ7が入る。
【0047】
このとき、粉体原料を排出後のワンウェイバッグ7はドラム缶8の内径よりも膨らんだ状態となっていることが多いので、上記した空袋ガイド開閉装置31が設けられている。
【0048】
空袋ガイド開閉装置31はワンウェイバッグ7をドラム缶8に収納する際に、ワンウェイバッグ7をドラム缶8の内径より小さく絞ることにより、ワンウェイバッグ7のドラム缶8への確実な収納を可能としている。ここでは、2つの円弧状とされたガイド32・32が左右に位置し、ワンウェイバッグ7を挟み込むような状況で、ドラム缶8の内径より小さく絞るものとしているが、このガイド32・32は、粉体原料が充填されているときのワンウェイバッグ7外形に準ずる大きさとされた環状の一体物であってもよい。
【0049】
以上のように、キャッチャー装置19におけるワンウェイバッグ7の掴持位置と、開袋機36がワンウェイバッグ7の開封を行う位置とにおいて、それぞれの位置におけるワンウェイバッグ7の鉛直軸が一致しており、ドラム缶8内のワンウェイバッグ7の掴持、取り出し、粉体原料の排出、空のワンウェイバッグ7のドラム缶8への収納までの工程が、上記昇降装置27によるワンウェイバッグ7の上下方向の移動のみで行える。
【0050】
そして、空となったワンウェイバッグ7が収納されたドラム缶8は再び待機エリア3に搬送され、ここで、上記の蓋着脱装置16により閉缶される。
【0051】
さらに、準備エリア2の上記の受取コンベア12と方向転換コンベア13とを介して、洗浄エリア5へと搬送される。
【0052】
洗浄エリア5には、準備エリア2からのドラム缶8を受け取る受取コンベア55と、洗浄後に搬出コンベア6への搬送を行う方向転換コンベア56とが設けられるとともに、ドラム缶8の洗浄を行う洗浄ノズル57…が設けられている。そして、洗浄時及び乾燥時には、ドラム缶8を回転させてやることにより、ドラム缶8外面の洗浄及び乾燥が均等に行われるようにしている。洗浄と乾燥が終了すると洗浄エリア5から搬出コンベア6によりドラム缶8が搬出される。
【0053】
尚、上記において、ドラム缶8を回転させて洗浄を行うものとしたが、代わりに洗浄ノズル57…側を回転させてもよい。
【0054】
搬出されたドラム缶8は図示されないバンドにより蓋8aが固定され、焼却炉に運搬され、ワンウェイバッグ7ごと焼却処理が行われる。
【0055】
尚、本実施例の容器内包材入り粉体自動投入装置においては、準備エリア2を2度通過する構成となっているが、本装置が粉体の処理量が少ない場合を前提とし、本装置の占有空間を小さくするように構成されているためであり、処理量が多い場合には、上記準備エリア2を2箇所設けることにより、上記工程を1列に配置して大量の処理を行うことも可能である。
【0056】
次に、本実施例で用いたワンウェイバッグ7の構成について説明する。
【0057】
上記のワンウェイバッグ7は、上部を爪20で突き刺して引っ掛けることから上面の材質は丈夫なものであることが必要である。また、底部は、粉体原料の重量を支えるとともに、開封時には容易に切り開らけることが望ましい。
【0058】
ワンウェイバッグ7は、図13(a)に示すように、繊維により補強されたポリエチレン製の外袋59とポリエチレン製の内袋60との二重構造とされている。そして、外袋59は円筒形状とされた胴部61に、円形の上面部63が取り付けられ、さらに、底部62の端を上方に立ち上げて、立ち上げ部62aを形成するとともに、胴部61の下端部よりも少し高い位置で縫合部59aにより底部62の立ち上げ部62aを縫い付ける構成となっている(以下、底立ち上げ方式と呼ぶ)。そして、図13(b)に示されるように、外袋59の上面部63には、中央に開口部63bが設けられるとともに、十字に切り開かれ、4枚の切片63a…が形成されている。上記切片63a…と開口部63bを被う蓋部68との間には重なり部64…が設けられ、切片63aの内の1枚と蓋部68とが縫いつけられ、他の3枚の切片63aとの重なり部64にはマジックテープ(登録商標)が取りつけられており、このマジックテープ(登録商標)を貼着することにより外袋が封着される、いわゆる菊座式の開閉方式を採用している。また、外袋59の胴部61の上方には非常用の吊り輪69が2箇所に取り付けられている。
【0059】
一方、内袋60は、円筒形状とされた胴部66に同様に端を上方に立ち上げた底部67を胴部66に接着するものとしている。そして、内袋60の上部は巾着状に縛ることによって閉じられている。
【0060】
上記菊座式は、ワンウェイバッグ7の上面を平坦化しドラム缶8における粉体原料の充填効率を高めるとともに、本実施例で採用しているキャッチャー装置19による吊り上げ時に、ワンウェイバッグ7の上面状態を一定化し、掴持条件を安定させ、また、粉体原料充填後の口止め作業の簡便化が可能となる。
【0061】
さらに、上記のように底立ち上げ方式を採用しており、底部62に縫合部59aがないので、開封時に開袋刃38によって、上記縫合部59aが切断されることがなく、糸屑等が粉体原料に混入することがない。
【0062】
また、切り開かれた底部62は、図13(a)に示す縫合部59aを支点として拡がるので、粉体原料がワンウェイバッグ7に引っ掛かることなく排出される。そして、このワンウェイバッグ7の底部形状は、収納されるドラム缶8の形状に準じたものとされているので、粉体原料が充填された時に、底部の生地に弛みなどが生じないため、切り屑の発生が押さえられる。
【0063】
上記のように、ワンウェイバッグ7の上下移動のみで、ドラム缶8からのワンウェイバッグ7の取り出しから空のワンウェイバッグ7の収納までが行えるので、ワンウェイバッグ7単体時には横方向の移動を必要としない。従って、粉体原料の飛散領域が低減するとともに、粉塵等の発生が抑えられる。
【0064】
また、ドラム缶8の横移動と、ワンウェイバッグ7の上下移動という直線移動の簡単な組み合わせにより作動するので、自動化が容易に行え、省力化が可能となる。
【0065】
本実施例では、ドラム缶内に収納された包材について述べたが、この収納容器はドラム缶に特定されるものではなく、ファイバードラム等の類似容器にも適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1記載の容器内包材入り粉体投入装置は、容器内に収納された包材を吊り上げる吊り上げ装置と、包材底部の開封を行う開袋装置とにより、包材からの粉体の取り出しを重力の作用によって行い粉体の投入を行う容器内包材入り粉体投入装置であって、上記吊り上げ装置が吊り上げる包材の鉛直軸と、開袋装置内において開封される位置にある包材の鉛直軸とが一致するように、吊り上げ装置と開袋装置とが配置されるとともに、吊り上げ装置と開袋装置との間の所定位置に、上記鉛直軸と容器の軸とを一致させるように容器を駐止可能とする容器移動手段が設けられている構成である。
【0067】
それゆえ、これにより、容器からの包材の吊り上げから、粉体の排出、空となった粉体の容器への収納までの工程は、包材の上下方向の移動のみで行える。従って、包材単体での横方向への移動が不要である。その結果、包材からの粉体排出時に発生する粉塵の量を少なく抑えることができる。また、粉体は重力の作用により取り出され、作業者が従来のように直接粉体を払いだす必要がなくなり、作業者の負担を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を用いた粉体ドラム缶自動投入装置の主要部を示す縦断面図である。
【図2】上記粉体ドラム缶自動投入装置の平面図である。
【図3】開封作業におけるワンウェイバッグの掴持までの流れ図である。
【図4】図3以降、ワンウェイバッグ底部開袋までの流れ図である。
【図5】図4以降、粉体原料排出後のドラム缶の搬出までの流れ図である。
【図6】蓋着脱装置を示す図である。
【図7】キャッチャー装置の詳細を示すものであり、同図(a)は縦断面図であり、同図(b)は同図(a)のB−B断面図である。
【図8】袋ほぐし機の詳細を示すものであり、同図(a)は上面図であり、同図(b)は側面図である。
【図9】開袋エリアにおける開袋機及び塊砕機を示す図である。
【図10】塊砕機の詳細を示すものであり、図9のC−C断面図である。
【図11】塊砕機の下方に設置された金網を示すものであり、図9のD−D断面図である。
【図12】空袋ガイド装置を示す図であり、同図(a)は上面図であり、同図(b)は縦断面図である。
【図13】本実施例で用いるワンウェイバッグを示す図であり、同図(a)は縦断面図であり、同図(b)は斜視図である。
【符号の説明】
2 準備エリア
3 待機エリア
4 開袋エリア
5 洗浄エリア
7 ワンウェイバッグ(包材)
8 ドラム缶(容器)
10a〜e シャッター
11 反応槽
14 移動台車(ドラム缶移動手段)
19 キャッチャー装置(吊り上げ装置)
31 空袋ガイド開閉装置
33 袋ほぐし機
36 開袋機(開袋装置)
47 塊砕機
Claims (1)
- 容器内に収納された包材を吊り上げる吊り上げ装置と、包材底部の開封を行う開袋装置とにより、包材からの粉体の取り出しを重力の作用によって行う容器内包材入り粉体投入装置であって、
上記吊り上げ装置は、上下動可能に設けられている爪収納ボックス、及び吊り上げた包材の重量を検知するロードセルを備えており、
上記爪収納ボックスは、
当該爪収納ボックスの下面に平行とされた回動軸、この回動軸に回動可能なアーム、及びこのアームに一端が固定されており他の一端が尖端化されている回動軸を中心とする円弧状の爪とを含んでいる、上記アームを回動させることにより爪が回動して、爪収納ボックスの下面から上記の爪の尖端化された一端が弧を描いて突出する爪突出装置と、
上記爪が突き刺さるときの容器内包材の上面の状態を一定に保つため、爪収納ボックスの下面の上記爪が突出する部位近辺に設けられたスパイクとを備えており、
上記開袋装置は、上方に刃を向けて配置されている開袋刃と、包材を開袋刃に押しつける方向に下降させる昇降装置とを備えており、
上記吊り上げ装置が吊り上げる包材の鉛直軸と、開袋装置内において開封される位置にある包材の鉛直軸とが一致するように、吊り上げ装置と開袋装置とが配置されるとともに、吊り上げ装置と開袋装置との間の所定位置に、上記鉛直軸と容器の軸とを一致させるように容器を駐止可能とする容器移動手段が設けられていることを特徴とする容器内包材入り粉体投入装置。
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JP1994248158A JP3603095B6 (ja) | 1994-10-13 | 容器内包材入り粉体投入装置 |
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JPH08113223A JPH08113223A (ja) | 1996-05-07 |
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