JP3602940B2 - トナー濃度制御方法および装置 - Google Patents

トナー濃度制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置のためのトナー濃度制御方法および装置に関する。特に、この発明は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤を使用するトナー濃度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば複写機においては、均一に帯電された感光体表面を露光することによって該感光体表面に静電潜像が形成され、静電潜像がトナーによって現像されて可視のトナー像となり、トナー像が用紙上に転写されることによって出力画像が得られる。
【0003】
トナーによる静電潜像の現像は、感光体の表面にトナーを静電的に付着させる現像器(developer unit) によって行われる。現像器による現像が繰返されると、現像器の現像槽内のトナー量は減少する。2成分現像剤を用いる場合には、現像槽内にはキャリアおよびトナーが存在するが、キャリアが一定の状態でトナーが減少していくことにより、T/D(T:トナー,D:デベロッパ(トナーおよびキャリア)、従って、T/Dはトナーが現像剤中に占める割合を示す。単位は%)が変化し、その結果、画像濃度が変化する。
【0004】
そこで、従来より、トナーセンサを用いて現像槽内の現像剤の透磁率を検出し、T/Dの変化を求めることが行われている。現像剤の透磁率を検出するのは、通常、2成分現像剤では、キャリアとして磁性体が使用され、キャリアの量は一定であるから、透磁率の変化がトナー量に反比例するからである。
従来では、T/Dの値が一定になるようにトナー補給モータを動作させ、ホッパから現像槽にトナーを供給することによって、現像槽内のトナー濃度が一定になるように制御されていた。具体的には、所望のT/D値を維持するために、そのT/D値に対応するトナーセンサの出力目標値を設定し、トナーセンサの実際の出力電圧が出力目標値となるようにトナー補給モータの動作が制御されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トナーセンサの出力は、絶対湿度の変化によって変化する。また、トナーセンサの出力電圧とT/Dとの関係も、トナーセンサに与える入力制御電圧の大きさによって変化する。さらに、トナーセンサの出力がT/Dの変化と明瞭な線形の比例関係で減少する領域は比較的限られている。
【0006】
このため、複写機が使用可能なすべての環境条件下において、トナーセンサの出力は正しくT/D値と比例して減少するわけではなく、複写機の使用環境によっては、トナーセンサの出力とT/Dとの関係が不明瞭で、その結果、画像濃度が正しく制御できないという問題があった。
もちろん、複数のトナーセンサを用いて、トナーセンサを切換えることにより、広範囲な環境条件下で、正しくT/Dを検出することはできるが、この場合はトナーセンサの数が増加し、またその制御も複雑になって、装置が高価になってしまうという欠点がある。
【0007】
そこでこの発明は、1つのトナーセンサによって、広範囲な使用環境下で、正しくT/Dを検出し、どのような使用環境条件においても正確にトナー濃度を制御することができるトナー濃度制御方法および装置を提供することである。
この発明の他の目的は、1つのトナーセンサにより、安価に、かつ、正確にトナー濃度を制御することができるトナー濃度制御方法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、トナーセンサにより現像槽内のT/D(トナーが現像剤中に占める割合、T:トナー,D:デベロッパ(トナーおよびキャリア))を検出し、トナー濃度の制御を行うトナー濃度制御装置において、トナーセンサとしては、T/Dが変化すると出力電圧が変化するセンサであり、かつ、トナーセンサに与えられる入力制御電圧を変化させることによって、前記T/Dに対する出力電圧が変化するものであって、当該トナーセンサは、T/Dと出力電圧との関係が明確な線形の比例関係を示す明瞭領域と、T/Dの変化に対して出力電圧が明確に変化しない不明瞭領域とを有し、前記明瞭領域では、T/Dと入力制御電圧とが線形の比例関係を示す特性を有するものを準備し、トナーセンサの出力電圧とT/Dと関係が前記明瞭領域では、トナーセンサへの入力制御信号を一定値にし、トナーセンサの出力電圧に基づいてトナー濃度の制御を行い、トナーセンサの出力電圧が明瞭領域の上限に達したとき、または、明瞭領域の下限に達したときには、それまでは一定値に保っていたトナーセンサへの入力制御信号を変化させることによって前記明瞭領域の上限または下限に達したトナーセンサ出力維持し、入力制御信号値に基づいてトナー濃度の制御を行うことを特徴とするトナー濃度制御方法である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のトナー濃度制御方法において、前記明瞭領域と不明瞭領域との切換えは、トナー濃度制御装置が配置された周囲雰囲気の絶対湿度に基づいて切換えられることを特徴とするトナー濃度制御方法である。
請求項3記載の発明は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像槽を備えた現像ユニット、現像ユニット内における現像剤中に占めるトナーの割合T/D(ここで、T:トナー,D:デベロッパ)を検出するための単一のトナーセンサであって、当該トナーセンサは、T/Dが変化すると出力電圧が変化するセンサであり、かつ、トナーセンサに与えられる入力制御電圧を変化させることによって、前記T/Dに対する出力電圧が変化するものであって、T/Dと出力電圧との関係が明確な線形の比例関係を示す明瞭領域と、T/Dの変化に対して出力電圧が明確に変化しない不明瞭領域とを有し、前記明瞭領域では、T/Dと入力制御電圧とが線形の比例関係を示す特性を有するトナーセンサ、現像ユニットの周囲雰囲気の絶対湿度を測定する絶対湿度測定手段、測定された絶対湿度が予め定める範囲内のとき、トナーセンサに与える入力制御信号を一定にし、トナーセンサの出力電圧に基づいて現像槽内のT/Dを制御する第1制御手段、および測定された絶対湿度が前記予め定める範囲外のとき、トナーセンサの出力電圧が一定値となるように、トナーセンサへ与える入力制御信号を変化させ、その入力制御信号に基づいて現像槽内のT/Dを制御する第2制御手段、を含むことを特徴とするトナー濃度制御装置である。
【0010】
請求項4記載の発明は、クレーム3に従属するトナー濃度制御装置であって、前記予め定める範囲とは、絶対湿度とT/Dとトナーセンサ出力電圧との三者の関係を比べたときに、T/Dとトナーセンサ出力電圧とが線形の比例関係を示す範囲に対応した絶対湿度の範囲であることを特徴とするトナー濃度制御装置である。
【0011】
上記の各構成によれば、トナーセンサ出力とT/Dとが線形な比例関係を示す明瞭領域が狭くても、それ以外の領域についても、入力制御電圧に基づいてトナー濃度制御を行える。
よって、画像形成装置の使用環境が広範囲に変化しても、単一のトナーセンサを活用して、正しくトナー濃度を制御することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態にかかるトナー濃度制御装置が採用された複写機の全体構成の概要を示す断面図である。
複写機1は、用紙収容装置2と本体3とを有しており、用紙収容装置2上に本体3が載置されている。用紙収容装置2内には、用紙が収容される複数のカセット4およびカセット4の用紙を1枚ずつ取り出して本体3へ供給する搬送機構5が備えられている。本体3内には、原稿を読取るための光学系6、光学系6から与えられる光に基づいて画像を形成し、その画像を用紙に転写するための画像形成機構7および用紙に転写された画像を定着するための定着装置8が備えられている。
【0013】
画像形成機構7には、感光体ドラム10、感光体ドラム10を帯電させるためのチャージャ11、感光体ドラム10に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像器12、感光体ドラム10上のトナー像を用紙に転写してその用紙を感光体ドラム10から分離するための転写・分離チャージャ13および残留トナーを清掃するためのクリーナ14が含まれている。
【0014】
現像器12は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤によって感光体ドラム10に形成された静電像をトナー像に現像するためのユニットである。現像器12には、現像槽15と、現像槽15へ供給するトナーを収容するホッパ16と、ホッパ16のトナーを現像槽15へ供給する際に駆動される補給ローラ17とが含まれている。さらに、現像槽15内の現像剤(トナーおよびキャリア)の透磁率を検出するためのトナーセンサ18が、現像槽15に関連して設けられている。
【0015】
複写機1には、さらに、この複写機1が配置された周囲雰囲気の湿度および温度を検出するための湿度センサ19および温度センサ20が備えられている。この実施例では、湿度センサ19および温度センサ20は、用紙収容装置2に関連して設けられているが、これらセンサは、複写機1のいずれの位置に備えられていてもよく、要は、複写機1の使用環境、特に、現像器12の使用環境の温度および湿度を検出できる位置に備えられていればよい。
【0016】
図2は、図1の複写機1に備えられたトナー濃度制御装置の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、温度センサ20および湿度センサ19によって、それぞれ、複写機1周辺の温度および相対湿度が測定される。温度センサ20および湿度センサ19の出力は絶対湿度算出部21へ与えられる。絶対湿度算出部21では、各センサで測定された温度および相対湿度から、複写機1の周辺、換言すれば現像器12が配置されている雰囲気の絶対湿度を算出する。算出された絶対湿度は制御部22へ与えられる。制御部22は、算出された絶対湿度に応じて、制御目標であるT/Dに対応するトナーセンサ18の制御目的値を設定し、トナーセンサ18の出力が設定した制御目的値を維持するように、トナー補給モータ23を制御する。トナー補給モータ23が回転されると、前述した補給ローラ17が駆動されて、ホッパ16から現像槽15へトナーが供給される。
【0017】
次に、トナーセンサ18の特性について説明する。
図3は、この発明の一実施例で使用されるトナーセンサ18の特性を示すグラフである。グラフでは、横軸にT/D(単位は%)が示され、縦軸にはセンサ出力電圧(V)が示されている。トナーセンサ18は、入力制御電圧を異なる値に設定することにより、T/Dと出力電圧との関係が変わる。それゆえ、通常は、T/Dとセンサ出力との関係が所望の範囲で線形な比例関係になるように、入力制御電圧を所定の値に設定して使用される。
【0018】
図3のグラフを見ると、入力制御電圧が8V〜12Vのいずれの場合においても、センサ出力電圧が約1.0V以下の場合、および、センサ出力電圧が約3.5V以上の場合には、T/Dとセンサ出力との関係を示すグラフの勾配が小さいことがわかる。これは、これらの範囲、すなわちセンサ出力電圧が約1.0V以下か、3.5V以上の範囲では、T/Dの変化に対して出力電圧が明確に変化しないことを意味している。
【0019】
一方、図3のグラフによれば、センサ出力電圧が約1.0V〜3.5Vの範囲に限って見ると、入力制御電圧が8V〜12Vのいずれの場合であっても、T/Dとセンサ出力電圧との間には、明確な線形の比例関係があることがわかる。
そこで、この実施例では、センサ出力電圧の上記上限値および下限値にマージンを加え、センサ出力電圧が1.5V〜3.0Vの範囲内に関しては、入力制御電圧を一定値、たとえば10Vに保ち、出力電圧の変化に基づいてトナー濃度を制御するようにした。
【0020】
また、センサ出力電圧が1.5V〜3.0Vの範囲から外れる場合には、出力電圧がその境界値(1.5Vまたは3.0V)になるように、入力制御電圧を変化させることにした。そしてそのときの入力制御電圧の値をトナー濃度制御に利用することにした。
図4は、図3のグラフにおいて、センサ出力電圧が1.5Vおよび3.0Vのときの入力制御電圧とT/Dとの関係を拾い出してグラフにしたものである。図4において、横軸はT/D、縦軸は入力制御電圧が示されている。図4から明らかなように、センサ出力電圧を1.5Vまたは3.0Vになるように入力制御電圧を変化させると、入力制御電圧とT/Dとは線形の比例関係になる。
【0021】
このことは、トナーセンサ18の出力電圧が、1.5V未満の場合および3.0Vを超える場合には、出力電圧をその境界値である1.5Vまたは3.0Vに固定するように、入力制御電圧を変化させ、この入力制御電圧をトナー濃度制御のための制御値として利用できることを意味している。そしてこれにより、T/Dの全変化領域にわたって、正確にトナー濃度制御を行うことができるのである。
【0022】
換言すれば、トナーセンサの出力電圧T/Dに対して線形の比例関係で減少する明瞭領域では、トナーセンサへの入力制御電圧を一定値とし、トナーセンサの出力電圧に基づいてトナー濃度制御を行う。逆に、T/Dの変化が大きくてもトナーセンサ出力電圧の変化が少ない不明瞭領域では、トナーセンサ出力が所定値(明瞭領域の上限または下限の境界値)となるように入力制御電圧を変化させ、入力制御電圧に基づいてトナー濃度制御を行う。これにより、明瞭領域および不明瞭領域のいずれの領域においても、正確にトナー濃度制御が行える。
【0023】
図5は、絶対湿度とT/Dとトナーセンサの出力電圧との関係を示すグラフである。
図5を参照して、絶対湿度と適正画像濃度を得るためのT/Dとの関係は、実線で示す関係になる。すなわち、絶対湿度が低いと、現像槽15(図1参照)内で攪拌されたトナーの帯電量が上昇する。従って感光体ドラム10に付着するトナーは、1粒当たりの帯電量が大きく、相対的に少ない数のトナー粒子で感光体ドラム10の帯電電荷を中和するので、その結果、画像濃度は薄くなる傾向になる。よって、絶対湿度が低くなるほどT/Dは大きくする必要がある。
【0024】
絶対湿度が変化しても良好な画像濃度を得るためには、絶対湿度の変化に応じてT/Dを変化させる必要がある。一方、トナーセンサの出力電圧は、T/Dに比例して減少する。よって、結局、絶対湿度の変化に対して、トナーセンサの出力電圧を図5の破線のように変化させれば、最適なトナー濃度制御が行える。
この場合において、この実施例で用いているトナーセンサ18は、その出力電圧が1.5V〜3.0Vの範囲(明瞭領域)では、出力電圧はT/Dに対して線形な比例関係で減少するが、それ以外の範囲(すなわち不明瞭領域)では、T/Dの変化に対するセンサ出力電圧の変化が少ない。そこで、前述したように、この不明瞭領域では、トナーセンサ18の出力電圧が1.5Vまたは3.0Vに固定されるように、入力制御電圧を制御する。
【0025】
この場合において、トナーセンサ18の出力電圧が明瞭領域であるのか、不明瞭領域であるのかを、実際にトナーセンサを動作させて確認していたのでは、スムーズな制御は望めない。そこで、この実施例では、トナーセンサ18の出力電圧に基づいてトナー濃度制御を行うか、入力制御電圧に基づいてトナー濃度制御を行うかの切換えを、測定により得られた絶対湿度で判断することにした。
【0026】
具体的には、図5において、トナーセンサの出力電圧が1.5V〜3.0Vの範囲に対応する絶対湿度の範囲は、2.5〜24.0(g/m)である。そこで、図2に示す絶対湿度算出部21において算出された絶対湿度が、上記の範囲内であるか否かにより、トナーセンサ18の出力電圧に基づいてトナー濃度制御を行うか、トナーセンサ18に与える入力制御電圧に基づいてトナー濃度制御を行うかを切換えることにした。
【0027】
制御部22では、絶対湿度算出部21で算出された絶対湿度に基づいて、トナーセンサ18を制御する制御の仕方を切換える。また、制御部22内には、図5に示すグラフから求められた良好な画像を得るためのT/Dの値と絶対湿度との関係が予め記憶されている。それゆえ、求められた絶対湿度に応じて、その絶対湿度のときに必要なT/Dが確認され、そのT/Dになるようにトナー補給モータ23が制御される。そしてその結果は、トナーセンサ18により検出され、出力電圧または入力制御電圧の形で制御部22へ与えられる。この与えられたトナーセンサ18の出力電圧またはトナーセンサ18へ与える入力制御電圧によりトナー補給モータ23のフィードバック制御が行われるのである。
【0028】
図6に、図2のブロック図における制御部22によって実行されるトナー濃度制御の制御動作を示す。次に、この図6の流れに従って、制御動作を説明する。まず、温度センサ20および湿度センサ19によって、複写機1の周辺雰囲気の温度および相対湿度が測定される(ステップS11)。絶対湿度算出部21では、測定された温度および相対湿度から、絶対湿度が算出される(ステップS12)。次いで、制御部22は、算出された絶対湿度が所定範囲内、すなわち2.5〜24.0(g/m)であるか否かの判断をする(ステップS13)。そしてこの所定範囲内であれば、ステップS14〜S16の制御を行い、この所定範囲外であれば、ステップS17〜S19の制御を行う。
【0029】
具体的には、絶対湿度算出部21で算出された絶対湿度が所定範囲内であれば、図5に示すような絶対湿度とT/Dとの関係から、目標とするT/Dを定め、そのときのトナーセンサの出力電圧の目標値を設定する(ステップS14)。そして、トナーセンサ18の入力制御電圧を一定値、一例として10Vに保ち、トナーセンサ18の出力電圧に応じてトナー補給モータ23を運転する(ステップS15)。具体的には、トナーセンサ18の出力電圧が目標値を上回っていれば、トナー補給モータを運転してホッパ16から現像槽15へトナーを補給する。そしてトナーセンサ18の出力電圧が目標値に達するまで、トナー補給モータ23の運転を続ける(ステップS15〜S16)。トナーセンサ18の出力電圧が目標値になれば、そこでトナー補給モータ23の運転を停止し、ステップS11からの動作が繰返される。
【0030】
ステップS13において、算出された絶対湿度が所定範囲外のときには、算出された絶対湿度に対応するT/Dを図5で確認し、そのT/Dに対応したトナーセンサ18の入力制御電圧を図4から求めて変更する(ステップS17)。そして、トナーセンサ18の出力電圧が1.5または3.0Vに達するまでトナー補給モータ23を運転する(ステップS18)。つまり、入力制御電圧を変更することによって、出力電圧が1.5V以上(絶対湿度が低いとき)または3.0V以上(絶対湿度が高いとき)になっていれば、トナー補給モータ23を運転してホッパ16から現像槽15へトナーを補給する(ステップS18〜S19)。そして1.5Vまたは3.0Vに達すれば、トナー補給モータ23の運転を停止し、ステップS11からの制御が繰返される。
【0031】
以上の実施例の説明では、1つの具体的なセンサを取り上げて、制御を切換えるための絶対湿度の値を例示したが、この制御を切換えるための絶対湿度の値は、トナーセンサにより個々に設定されるものである。
また、T/Dとトナーセンサの出力電圧との関係も、個々のトナーセンサごとに予め調べて確認された値が使用される。
【0032】
上述の実施例では、図2において、絶対湿度算出部21および制御部22を別のブロックとして示したが、これらは、たとえばマイクロコンピュータを用いて1つの素子として構成することができる。
また、複写機全体を制御するマイクロコンピュータの一部を利用して、絶対湿度算出部21および制御部22を含むトナー濃度制御のための制御回路を構成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、トナーセンサ出力がT/Dに対して線形な比例関係で変化する明瞭領域が狭くても、それ以外の領域についても、入力制御電圧に基づいてトナー濃度制御を行える。よって、画像形成装置の使用環境が広範囲に変化しても、単一のトナーセンサを活用して、正しくトナー濃度を制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるトナー濃度制御装置が採用された複写機の概略構成を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施形態にかかるトナー濃度制御装置の概略構成を示すブロック図であ。
【図3】この発明の一実施形態に用いられるトナーセンサにおけるT/Dと出力電圧との関係を示すグラフである。
【図4】図3に示すトナーセンサにおけるT/Dと入力制御電圧との関係を示すグラフである。
【図5】絶対湿度の変化に対し、適正画像濃度を得るためのT/Dおよびトナーセンサの出力電圧の関係を示すグラフである。
【図6】この発明の一実施形態にかかるトナー濃度制御装置における制御処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
18 トナーセンサ
19 相対湿度センサ
20 温度センサ
21 絶対湿度算出部
22 制御部
23 トナー補給モータ

Claims (4)

  1. トナーセンサにより現像槽内のT/D(トナーが現像剤中に占める割合、T:トナー,D:デベロッパ(トナーおよびキャリア))を検出し、トナー濃度の制御を行うトナー濃度制御装置において、
    トナーセンサとしては、T/Dが変化すると出力電圧が変化するセンサであり、かつ、トナーセンサに与えられる入力制御電圧を変化させることによって、前記T/Dに対する出力電圧が変化するものであって、当該トナーセンサは、T/Dと出力電圧との関係が明確な線形の比例関係を示す明瞭領域と、T/Dの変化に対して出力電圧が明確に変化しない不明瞭領域とを有し、前記明瞭領域では、T/Dと入力制御電圧とが線形の比例関係を示す特性を有するものを準備し、
    トナーセンサの出力電圧とT/Dと関係が前記明瞭領域では、トナーセンサへの入力制御信号を一定値にし、トナーセンサの出力電圧に基づいてトナー濃度の制御を行い、トナーセンサの出力電圧が明瞭領域の上限に達したとき、または、明瞭領域の下限に達したときには、それまでは一定値に保っていたトナーセンサへの入力制御信号を変化させることによって前記明瞭領域の上限または下限に達したトナーセンサ出力維持し、入力制御信号値に基づいてトナー濃度の制御を行うことを特徴とするトナー濃度制御方法。
  2. 請求項1記載のトナー濃度制御方法において、
    前記明瞭領域と不明瞭領域との切換えは、トナー濃度制御装置が配置された周囲雰囲気の絶対湿度に基づいて切換えられることを特徴とするトナー濃度制御方法。
  3. トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像槽を備えた現像ユニット、
    現像ユニット内における現像剤中に占めるトナーの割合T/D(ここで、T:トナー,D:デベロッパ)を検出するための単一のトナーセンサであって、当該トナーセンサは、T/Dが変化すると出力電圧が変化するセンサであり、かつ、トナーセンサに与えられる入力制御電圧を変化させることによって、前記T/Dに対する出力電圧が変化するものであって、T/Dと出力電圧との関係が明確な線形の比例関係を示す明瞭領域と、T/Dの変化に対して出力電圧が明確に変化しない不明瞭領域とを有し、前記明瞭領域では、T/Dと入力制御電圧とが線形の比例関係を示す特性を有するトナーセンサ、
    現像ユニットの周囲雰囲気の絶対湿度を測定する絶対湿度測定手段、
    測定された絶対湿度が予め定める範囲内のとき、トナーセンサに与える入力制御信号を一定にし、トナーセンサの出力電圧に基づいて現像槽内のT/Dを制御する第1制御手段、および
    測定された絶対湿度が前記予め定める範囲外のとき、トナーセンサの出力電圧が一定値となるように、トナーセンサへ与える入力制御信号を変化させ、その入力制御信号に基づいて現像槽内のT/Dを制御する第2制御手段、
    を含むことを特徴とするトナー濃度制御装置。
  4. クレーム3に従属するトナー濃度制御装置であって、
    前記予め定める範囲とは、絶対湿度とT/Dとトナーセンサ出力電圧との三者の関係を比べたときに、T/Dとトナーセンサ出力電圧とが線形の比例関係を示す範囲に対応した絶対湿度の範囲であることを特徴とするトナー濃度制御装置。
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