JP3602689B2 - 水蒸気移動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉された空間の水蒸気を外部・大気側に放出する方向に移動させる為、及び逆に外部・大気中の水蒸気を取り込む方向に水蒸気を移動させる為に、水蒸気の方向性のある移動を可能とする水蒸気移動制御装置であって、函体・小さな室の為の小型で微小電力で作動できる除湿装置・乾燥保持装置又は加湿装置として使用できる技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気中の水蒸気を除湿する装置としては、空気を吸い込んでエバポレーターで冷却して結露させて水分を分離した後直ちにコンデンサーを冷却する電気式除湿機・空調装置がある。
又化学的には吸湿剤を使用してタンス・箱内等の小空間を除湿する方法がある。
前者の電気式除湿機・空調装置では、湿気を含む空気を吸込むため及び冷却の為のファン及びポンプを必要としていて、製作コストが嵩むとともに、除湿状態・乾燥状態に維持するためにはファン・ポンプを作動せねばならずランニングコストが高くなるものであり、装置も大型であった。又後者の吸湿剤を使用するものでは、吸湿量に限度があり、吸湿剤の交換・又は再生作業が必要となり、やはりコストが嵩むものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、温度変動速度が異なる二つの空間の間での水蒸気の移動を小型でしかもきわめて微小電力で長期間連続作動でき、ランニングコストがきわめて廉価で、除湿・乾燥にも加湿・吸湿にも使用できる水蒸気移動制御装置を提供することにある。
【0004】
1) 温度の変動速度が異なる二つの温度変動する空間を断熱された通気路で連絡し、同通気路途中に鉛直を向いた裏面が撥水性を有し且つ防水性で通気性の透湿膜を複数個所以上所定間隔離して設け、同透湿膜でもって通気路途中に1つ以上の通気性のある小室を設け、小室内の空気を加熱する加熱手段を設け、同加熱手段で小室前後の通気路の空気温度に温度勾配を与えて水蒸気の空間間の移動方向性を高め、しかも透湿度/透気度の値が大きい方を温度変動速度が大きい空間側となるように透湿膜を配列する水蒸気移動制御装置
2) 透湿膜が絶縁性である前記1)記載の水蒸気移動制御装置
にある。本発明の温度変動速度とは温度の変動速度の絶対値を平均化した値をいう。加熱手段の使用はかならずしも連続作動でなくても、一時的停止が含まれたものであってもよく、所要の温度状態に小室を維持するものであればよい。
【0005】
本明細書における透湿膜の透気度、透湿度の測定法について説明する。透湿膜3j,3k,3lの透湿度・透気度はJIS規格L1099,P8117の試験法によった。他の透湿膜の透気度・透湿度の値の計測値は、出願人がJIS規格の試験法を改良した以下に述べる改良JIS規格試験法によった。以下JIS規格及び改良JIS規格試験法について説明する。
:JIS−L−1099 透湿度試験法(図21参照)
JIS規格試験法には、ウオーター法、塩化カルシウム法、酢酸カリウム法
酢酸カリウム法の別法の4種類があるが、これらの中で、透湿膜の水蒸気透過性を測定する場合、実際の透過状態に最も近似した方法はウオーター法である。塩化カルシウム法では、透過速度が、吸湿剤である塩化カルシウムにより支配され、化学的特性により支配される秤量結果が得られる。
この塩化カルシウム法は精度は高いものとされているが、後述する透気度との比較を行うにあたって、温度による相関関係を活用する上では、水蒸気の透過速度にたいして、塩化カルシウムの吸湿条件として細粒の条件、塩化カルシウムの試験開始前の吸湿条件など考慮しなければならない諸条件が増えることになるので実際的ではない。
同様な理由により、酢酸カリウム法およびその別法においても評価に使用することを避けるべき諸問題が存在するので、このために透湿度試験法JIS−L−1099においてウオーター法を使用する。
但し、規定された方法は、規定されたカップに膜を設定し、40℃ 湿度90±5%RHにて、透過量を測定することになっているが、実際に膜を使用する範囲は室温に近い温度領域であるために、後述する透気度との比較を容易に行う目的にて、20℃ 湿度65%RHにて測定を行い、透気度試験との比較を容易たらしめることができる。
操作の概要(図21参照)
あらかじめ20℃(規格では40℃)に温めた透湿カップ200に約20度(規格では40℃)の水212を42ml入れ、水と試験片の膜211の下面との距離を10mmとする。次に試験片の膜211の片面を(規格では裏面「不織布面」をカップの水側とする)水側に向けて透湿カップ210にたいして同心円になるように載せ、スクイーズパッキング213およびリング214を順次装着し、ちょうナット215で固定した後、装着側面をビニール粘着テープ216でシールして試験体とする。(粘着シールは直径の異なる2つ以上のフランジ部の圧迫を行う凸部を有するスクイーズパッキング213をフランジ部のネジよりも内側に設定し、しかもカップの内側に突出しないようにまた死腔が形成されないように設定すれば実際に漏れは殆ど問題にならない程度まで制限することができるので、シールは使用しない。スクイーズパッキング213とすることにより簡便化することにより膜のカップ側の水の付着を予防することができる)
この試験体を温度20℃±2℃(規格では40℃±2℃)湿度65%RH±5%(規格試験では50%RH±5%)の恒温恒湿装置内の試験片上の約1cm上部の風速が0.8m/sを越えない位置に置く。
1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(α)を0.001mg(規格試験法では1mgまで)測定する。試験片を透湿カップ内の水でぬらさないように注意して測定を行う。水は蒸留水またはイオン交換水とする。
次の式により透湿度を算出し、3回の試験結果の平均値として小数点第3位まで表す。(規格試験では整数値まで)
A2=(10×(α−α))/SA2
A2 :透湿度(g/(m^2×sec))
α−α:試験体の1時間当たりの質量の変化量(mg/sec)
A2 :透湿面積(cm^2)
また、本法の応用として、カップの構成材質を熱伝導速度の高い金属製を意図的に選択せず、目的とする小室または構成材料に熱伝導速度が近似した材質にて構成されたカップにより、温度変動速度に伴う透湿度の変動速度が影響した量を測定することができることになり、応用範囲は、第1に、一定条件における透湿速度の定量、第2に、透湿に伴い発生する微弱温度変動をカップの構成材料により任意に意図的に近似した条件を再現した状況下において、透湿量の一定条件を求める同一の操作により、小室または構成材料において発生する微弱な湿度変動にともなう気化熱による影響を考慮した透湿速度量の変動量を含んだ測定を行うことが可能となる。
以下 透湿度試験法をウオーター法のカップ法に限定して説明を行う。
透湿量において、使用される単位は[g/(m^2×sec.)]で流束計算に該当する式となっている。
提起する本法(以下本法)では、時間の単位に秒を使用するが、これは精度を考慮して使用するもので、実際には、時間または日が時間の単位として表記されることが多いので、製造された膜に添付されるこれらの時間単位を秒に換算して、評価して一応の考慮を行った後に、20℃65%RHにて測定を行う。
【0006】
:JIS−P−8117 透気度試験法(図22,23参照)
JIS−P−8117の試験法は紙および板紙における透気度試験方法であり面積645mm^2を、空気100mlが通過する時間が2〜1800秒の紙および板紙の透気度を試験する方法として規格試験法にて規定されているが、撥水性を有する透湿可能ないわゆる防水膜を対象として簡便に使用することができるので本法を使用する。
試験装置は JIS−P−8117に規定される試験装置でA型およびB型が規定されているが、いずれも恒温恒湿槽の中において十分に試験内筒内部の空気温度が、恒温恒湿槽温度に到達することを確認した上で使用する。
操作の概要
温度20℃ 湿度65%RH大気圧下の環境下において1時間以上放置する前処理した後に(JIS−P−8117に規定される手段)同環境下において測定を行う。
内筒221が垂直になるように試験器220を水平に置く。外筒部222にはその内面127mmの深さの標線のところまで油を満たす。
A型の試験器の場合は、内筒の蓋に締め付け板をもっている試験器では、内筒221を下げて片手で保持し、締め付け板との間に試験片223をはさみ、内筒221を下降し、油中に浮かせる。
B型の試験器の場合は、内筒を外し、試験片223を締め付け、内筒221を外筒222中に入れ、静かに下降させ、油中に浮かせる。
台に締め付けのある試験器では、最初にその頂縁部が掛金に支えられるまで内筒221を引き上げ、次に締め付け板の間に試験片223を締め付け、内筒221が浮くまで静かに下降させる。
動きが安定になったとき、0から100mlまでの目盛が外筒222の縁を通過するのに要する秒数を計測する。
抵抗の強い紙では50mlの目盛線までの秒数を読みとり、その結果を2倍することができる。
多孔性の紙では、100ml以上の秒数を読みとり、100mlの値に換算する。
試験は撥水面側からの透気および不織布面側からの透気の二種類に分けて暫時測定値の5回の平均値をとり、片側における測定値とする。 (規格試験法では試験はすくなくとも紙の表裏について各5枚ずつ行い、その結果を平均する。とされているが、撥水面と不織布面との平均値となってしまうので、表裏の平均算出は行わない。)
ただし、不均質な紙については、10枚以上の試験を行い、異常な値を捨てて平均する。
645mm^2の面積の紙を空気100mlが通過するのに要する平均秒数を透気度として、JIS−Z−8401(数値の丸め方)によって丸めて有効数字2桁まで報告する。
本試験法で測定される条件は、油の抵抗を無視した場合、
Figure 0003602689
この測定結果における数値は、ある湿気を有する空気の透過に要する時間であり単位は、[ sec/100cc ]である。
この数値は、大きければある湿気をもつ空気が通過しにくいことを示し、逆数とすれば、ある湿気20℃65%RHをもつ空気100ccが通過するに要する時間を示すことになる。
ただし、この結果には、上述した与圧成分が含まれる。
また試験装置の欠点として、通気されるガスの中に含まれる油の拡散成分が含まれることになるので、厳密には、この値は目安として使用することになる。
また装置Bよりも装置Aの方が、重い拡散した油ミストまたは拡散成分が沈降することにより生ずる測定試験片の表面汚損を防止する上では有利であるものと考えられる。
装置Bでは特に油の拡散成分が試料を圧迫するパッキング部にも付着して、試料の圧迫部から膜を透過しない横方向への空気もれが少し抑制されるが、いずれにせよ装置AでもBでもこの部の空気漏洩は透気度の測定結果に大きな影響をおよぼすので、膜配列においての基準としても、または装置の設定条件の決定のための基準としても慎重に配慮して使用する必要がある。
内筒221のシールに水224を利用して、圧迫するパッキング部の漏洩防止を行った結果のグラフおよび表を付する。
表1は撥水面から不織布方向への透気度×透湿度を示す表を示し、表3は不織布面方向から撥水面への透気度×透湿度を示す表を示す。図26は透湿度×透気度の対数プロットを示し、横軸は膜番号としている。図27は同内容の縦軸プロットを透湿度×透気度としたもので、図28は透気度×透湿度を飽和水蒸気圧として露点を求める数式に代入し、飽和水蒸気圧に比例するものとして、その数値を仮に算出したプロットである。
表2は撥水面から不織布方向への透気度/透湿度を示す表を示し、表4は不織布面方向から撥水面への透気度/透湿度を示す表を示す。図29は透湿度/透気度の対数プロットを示し、横軸は膜番号としている。図30は同内容の縦軸プロットを透湿度/透気度としたもので、図31は透気度/透湿度を飽和水蒸気圧として露点を求める数式に代入し、飽和水蒸気圧に比例するものとして、その数値を仮に算出したプロットである。
従って、厳密には、透気度の測定は便宜的にGARREY型の透気度試験装置において水224を使用したり、試料設定部のシールを厳密に行う必要などがあり、本質的に0.084atmの余剰圧力が大気圧に加えて余分に加えられることになる湿り空気透過時間計測ということになる。
また、試料を透過する内筒内部の湿り空気は、試料を全くはさまない状態にした装置Bでは、外気側の条件を20℃RH65%とした環境に4時間ほど放置した後に、試料をはさんで測定を開始した状態から徐々に湿度上昇が発生する。
これは、内筒221の内部空間において、透過する空気が水面をかすめて通過することと、試料へ至る空気路の内筒221の内部空間への開口部が水面よりも高い位置に存在するために、この開口部より下方の水面に近い部分に比較的濃度の高い水蒸気が存在し、この水蒸気が内筒の下降に従って、試料へ至る空気路に徐々に流入することにより、試料をはさんで測定を開始した状態から徐々に湿度上昇が発生するという現象が発生するものと思われる。
つまり、この内筒内部におけるしめり空気において温度勾配が存在し、このために、内筒内部に濃度傾斜が存在するものと思われる。
このような、測定中の内筒内部湿度の変動は、一定湿度のしめり空気の透過に要する時間の測定においては、誤差成分となりうるので、試料直上部の内筒の内部空間への空気路において、温度ならびに湿度を実測の上、透過した空気の水蒸気量を算出して、絶対湿度計算を行い、評定に使用する。
この内筒内部のしめり空気の濃度勾配の発生原因は内筒221の表面温度差に依存する要素が大きいものと考えられるので、透気度の測定を厳密に行うためには、内筒内部に磁力により外部より緩やかに回転する(0.1〜1.0rpm/sec 程度)のフィンを使用するとよい。
この原理を使用して内筒の温度勾配の発生を抑止するとともに、小室内部にフィンが存在する場合の水蒸気移動制御装置の資料を確保することもできる。
【0007】
以上 JIS−L−1099およびJIS−P−8117に関して述べてきたがJIS−L−1099およびJIS−P−8117を応用した水蒸気移動装置における、膜配列を行うために使用する基本的な配列機序の方法と、同方法による設定条件下における、駆動効率または設定条件に関する詳細を下記より、詳述する。
JIS−L−1099の測定結果ならびに単位について
g/(m^2×sec) は大気圧下における測定結果である。
特に温度および湿度条件を、JIS−L−1099と符合させるために、本法では20℃RH65%として評定するために、該当する水蒸気移動の速度はこの温度条件下において測定された結果である。
従って、この同一環境の測定結果として、JIS−P−8117との併用を行うことができるものと仮定できる。
たとえば、導電性多孔体のカップ膜面への、水蒸気移動制御装置内部における配置関係を再現した設定により、その影響を含んだ数値を定量することができる。JIS−P−8117の測定結果ならびに単位について
sec/100ccは 20℃RH65%の湿り空気100ccが膜を通過するに要する時間を表すことになる。
しかし、この値には、大気圧にたいして与圧成分が含まれるが、その量は
Figure 0003602689
比例するものと仮定した場合、つまり、通過する空気が理想気体とした場合には、測定結果にたいして次の式を仮定することができる。
(1atmにおける透気度):(1.084atmにおける透気度)
=1:1.084
(1atmにおける透気度)
=((1.084atmにおける透気度)×1)/1.084
実際には、膜が帯電したり、透過する水蒸気自体が帯電したり、あるいは雰囲気側の水蒸気が帯電したり、するので、この比例式は厳密には大気圧を1atmとする上では不正確である。
ただし、測定装置の内筒221における油ミストなどの油の拡散成分について考慮する場合、この値は油は誘電物質の一種であるものと仮定するならば、同様に含まれる水蒸気は負に帯電しうるものであるが、実際には内筒221に囲まれる空気量から類推して、帯電量としては殆ど無視できるほど小さいものと仮定できるし、また内筒221または外筒222自体が金属製であることから、この内筒221および外筒222を電気的にアース線225で接地を行い、さらにシール剤として水224を使用して測定することにより、これらの異種変数を除去できることになる。
さらに、本測定においては、内筒移動に影響しない非常に軽い微細導線により、内筒221を外筒222と電気的にアース線225によって接続させ、さらにこれを接地する。 また、雰囲気側の空気の帯電も問題となりうるので、恒温恒湿槽の測定環境を形成する測定室は、空気の循環速度を、測定空間の温度勾配が発生しにくい程度に抑制するための防風ネットにて囲まれるが、このネットおよび測定室もさらに連接接地する。
このことにより、測定環境における空気ならびに、測定における透気される空気は殆ど帯電しないかまたは無視されるレベルに抑制され、油の拡散成分などの、悪影響が試料に作用しない状態として測定できるために、この測定結果は膜自体による帯電現象による膜内部の透過空気の荷電による帯電現象を除き、帯電していない湿り空気による透気による測定結果として、評価することができる。
膜の厚さが1ミリとしても、通過する湿り空気により無視することができるほど小さく中和されると考えられるので、透過微細孔内部を除き、膜による帯電による影響は殆ど、接地を連用した本法によれば、無視することができるものと考えられる。
図32は温度20℃のとき、内筒のシール剤として水224を使用して透気度試験の漏れを測定するために、金属板をはさんで、動作するシリンダーの内筒221に連続する、試験体を挟む部分の直上において相対湿度を測定した結果である。 この結果、内筒221の湿度は次第に上昇していることがわかる。
これは、微弱な温度勾配がシリンダー内部において発生しているためであり、同部の赤外線撮影結果を図33に示す。
同図では内筒シリンダー部の温度はほぼ一定の数値を示しているが、金属部と水の部分において比熱が異なるために、一定の水蒸気圧が形成されるものと考えられる。 油をシール剤として使用した場合には、この図に示す量と同様に油性成分が拡散しているものと考えられ、厳密な測定において誤差は著しく大きなものとなるものと予測されるので、水を使用しなければならない。
また水を使用したとしても、構成材料による比熱差に起因するものと思われる水蒸気の発生は、同図に於いて増加した内筒水蒸気量は図32に示す曲線から確定することができるので、この時間における増加量をもとに、シリンダーが外筒の水の中に沈降する速度にたいして補正して、正確な内筒221の水蒸気量を求めて使用することになる。
まず、同図の曲線の回帰分析を行い、シリンダー内筒221の空気のしめる容積の時間変動速度と、増加する各時間におけるシリンダー内筒221の空気の水蒸気の増加速度を算定する。
内筒221の重量について考察する場合、0.084atmの与圧成分をどのように考慮するべきかということを考察する。
JIS−P−8117における内筒の上部に試料を設定するA型ならびに、内筒の下方に試料を設定するB型いずれにおいても、内筒の移動は内筒と外筒の摩擦抵抗により影響を受ける。この場合、シールとして使用している油の粘性ならびに内筒と外筒との接触抵抗の二者を、摩擦の主因と仮定すると、内外筒の接触を除外した場合、油の粘性が温度により変動することによる測定結果の変動が予測される。
また、内外筒の接触による摩擦抵抗が存在するものとした場合、この測定結果には測定装置による大きなばらつきは回避できないことになる。
便宜的に使用するJIS−P−8117(1980)に代わる手段は、精密に1atmを与圧することのできる装置により、その測定結果において、流量を厳密に規定することのできる装置を使用することである。
この微量のしかも非常に遅い流量測定は、誤差の極めて小さな測定方法として現在のところ誤差成分をそれ自体が大きなものとして保有するために、存在しないので、JIS−P−8117(1980)を便宜的に使用する。
このとき、与圧された0.084atmについての数量的考察を行う場合、油の拡散による成分が透過空気に含まれていることを前提として、大きな誤差を含む可能性が予測される。従って、より低温度において、油の成分の拡散を予防しうる条件を内筒の内部雰囲気において確保するか、あるいは粘性が温度により変動しにくい高安定性を有し、特に室温において蒸発しにくい特性を有する流体シール材を使用する必要がある。
このような物質は存在しないので、装置の防食を考慮した手段では劣る手段と考えられるが、シール材として水を使用する。
この結果、温度の変動に伴った内筒内部の水蒸気分圧は外部温度の調整に従い、調整することが可能であり、内筒内部の湿度の直接的な測定により、該当する湿り空気の透気量を厳密に評定することが可能となる。
また、シール材として使用している油の粘性および内筒と外筒の接触による摩擦にたいして、前述した与圧成分は相殺するように作用するものと仮定する場合、0.084atmを与圧成分として、測定結果の補正を行うことは矛盾することになり、またシール材としての油の粘性ならびに外筒と内筒との接触は存在するものと思われるので、便宜的にこれらを相殺するものと仮定した方が妥当性が高いものと推定されるが、与圧成分は厳密に算定し、水をシール材として使用する場合には水を使用した場合と水を使用した場合の一定温度における測定結果の差を考慮して、誤差の範囲を決定すればよいことになる。
【0008】
透過係数の求め方
除湿モジュールのある小室空間の温度と相対湿度をセンサーなどの測定器具を用いて測定する。
透気度試験の通気路の膜直上部にて摂氏温度と相対湿度を測定する。
そして次の式で絶対湿度を求める。
Figure 0003602689
ここで、測定している空間の水蒸気質量が、t秒間にmv1からmv2に変化したとすれば、膜透過か速度Q[mol/sec]は次式となる。
Q=(mv1 − mv2 )/(M・t)
求められたQを、透湿膜面積A[m]、膜前後における分圧差△P[Pa]で除することにより、見かけの透過係数k[mol/(Pa・m・sec)]が得られる。
k=Q/(A・△P)
この計算を内筒内部の空気の通気路でしかも試験片直上にて測定した摂氏温度および相対湿度により計算を行い、透気度とともに比較を行い、評定資料とすることができる。
ただし、この数値は、内筒221内部にたたえられた水224により影響される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の通気路の通路面積は、9cm 程が実用的である。又通気路を断面形状は3.5センチ直径程の円形が製作上及び均一性から好ましい。又通気路を形成する部材(小室の室壁)は、ラミネート構造の複合材が断熱性に優れ、通気路の路壁を介しての熱的影響を少なくできて好ましい。
導電性多孔体は銅メッシュ,ステンレスメッシュ,白金製メッシュ等の良電導性と良熱伝導性を有するものがよく、透湿膜とは1ミリ以内に離隔する。
透湿膜としては、ポリオレフィン系,ナイロン系不織布を使用し、その裏面にPE多孔質の撥水膜を使用するのが実用的である。透湿膜の材質としては、ナイロン,エステル,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリウレタンが使用できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の水蒸気移動制御の原理について詳しく述べる。又その後に具体的な構造の実施例について説明する。
この発明では、温度変動速度が異なる空間を通気路で連絡する。通気路の外周は断熱され、通気路外周の制御できない空間の温度で通気路内の内部状態が影響されないようにしている。
通気路内には複数の透湿膜を設けて通気路内に一つ以上の小室を設けている。しかも各透湿膜の透気度と透湿度の積の値を温度変動速度の大きい空間に向って大きくなるように設定した。この透気度と透湿度の積の値の違いによって、水蒸気透過速度に差が生じ、その積の値が大きい方が水蒸気移動が容易となる。
従って、二つの空間に湿度の差がある場合、水蒸気は湿度の低い方向に基本的に通過路内を介して移動しようとするが、この二つの空間の温度変動速度の高い空間側の透湿度の積の値が大きくなるようにすることで、水蒸気の移動を水蒸気透過速度(積の値)によって加速し、又は減速して水蒸気の移動(方向性)を高めるように働く。しかも、小室を加熱して通路内に温度勾配を強く生起させることで湿度が低い方へ移動性を高める。この両者の働きで二つの空間の温度変動速度の大小と目的の除湿・加湿に応じた水蒸気移動方向性を得る。
野外に設置される金属製函体内の温度は、大気温(25°C〜30°C)より高低差が高い15°C〜55°Cにもなるので、透湿度の積の値が小さい方を大気側とし、積の値が高い方を函体側とすると函体内の水蒸気は、排出の方向に強く働いて函体内の除湿方向となる。断熱性が高く温度の変動速度が低いプラスチック製函体の場合は、大気側に積の値の小さい透湿膜を置く。
通気路に小室を複数設けているのは、小室の小空間に区画することでこの区画された空間の湿度・圧力条件が水蒸気移動制御に必要な状態に容易にできるからであり、又二つの空間の温度の違いによる水蒸気移動の感度を高めることにある。更に小室の室容積は小さいので小室容積の単位容積当たりの加熱熱量の値が大きくなって、加熱手段による温度差を高くすることができる。
又、二つの空間を連絡する通気路を上下方向にすることが好ましい。その理由は、水蒸気が結露したときにその結露水が水蒸気移動方向と逆方向に移動することがないように下方向に作用させることにある。そして透湿膜の下面(裏面)を撥水性にした理由は結露によって撥水面から弾かれて剥離させることにある。又撥水面の結露は水蒸気の逆移動を防止させることにも意味がある。そして、撥水面の結露が離れるときに気化熱を奪って、撥水面側の下方の小室を冷却して温度差を増加させ、水蒸気の方向性を高める。特に下室から上室方向への水蒸気の移動を制限する方向に作用する。更に、撥水面は相対的に負に帯電していて、NaClのNaを付着させ、NaClの進入を防ぐことができ、これは塩害を少なくする点で有効となる。
【0011】
又透湿膜の上下両側に離隔して導電性多孔体を設け、アースするのは、小室の外周壁即ち通気路の路壁の壁材の保湿性を有する誘電体が水蒸気の移動速度への影響を与えるのを防止することにある。又、導電性多孔体は、透湿膜の帯電を抑えて透湿膜の透湿能の低下を防ぐ。これによって水蒸気の移動が大きいときの異常帯電を防止し、又移動が少ないときは対流を生起し易くする。
【0012】
従って、本発明では二つの空間の水蒸気は、透湿膜の透気度と透湿度との積が小さい方から大きいへの移動方向性を有し、又撥水面は透湿膜の非撥水面側から撥水面側の上から下への水蒸気移動方向性を与える。又加熱手段によって小室の温度・圧力を高温とすることで水蒸気移動の方向性を高める。又は水蒸気の逆方向の移動を阻害し、方向性を保持するようにする。そして透湿膜の両側の導電性多孔体は、水蒸気の帯電を防ぎ、又透湿膜及び通気路の路壁の誘電体の静電気による水蒸気移動の方向性の乱れを防止し、一方の空間の水蒸気を他方の空間に円滑に移動させることができる。
【0013】
透湿膜について更に詳しく説明する。
図6は透湿度および透気度の積を露点換算した図である。
これは、物理的に膜部内部の多孔内部が飽和もしくは露点に到達した場合の比較温度を示すことになる。
図左より函体側に位置し、第1膜、第2膜、第3膜を示す横軸に対応した、比較露点温度差が示されていることになる。
この図はエンタルピーもしくは水蒸気質量(水蒸気飽和蒸気圧曲線)において、小室間の温度格差に符合した位置にプロットすることが可能である。
水蒸気質量曲線は、水蒸気が熱エネルギーの担体であるものとして考察するならば、エンタルピーに置換されうるものとして考えることができるので、この両者を重ねる意義には、水蒸気の透過能力による各小室間もしくは各空間(除湿または加湿空間である函体)もしくは外気側の水蒸気の質量による熱エネルギー量として換算することができるという事項が、能力換算において重要な意義をもつことになる。
この水蒸気の透過量は、各膜により形成される小室において、膜による能力により基本的に支配される。
また、温度格差により発生する圧力差は、上記図がそれぞれ20度と40度において換算されていることを背景とすれば、それぞれの部位における水蒸気質量に依存した特定の温度における熱エネルギー格差として表現されている。
そして、図6においては約20度における各測定結果約40度における各測定結果が示されている。
【0014】
図6を模式的にエンタルピーおよび蒸気圧曲線上にプロットすると図7のようになる。
外気側もしくは、除湿または加湿対象の空間をそれぞれ、AU1〜4にて、しめした。
膜そのものが固有の分離能力は、/(g−h)×100(%)にて表現される。(式1)
また過程fは外気側から急激な流入が発生しないようにするための露点の温度格差が大きすぎないようにするために作用しているものと思われる。
排出時には、fは除湿されるべきもしくは加湿されるべき質量の移動を容易にするための緩衝作用を有するものと判断される。
エネルギーの高い順位から配列すると AU1 >>AU2 ,AU3 >g,AU4 h となっている。
エネルギーの高い状態から低い状態へ安定化するためにエネルギーは移動して均質化したところで、移動が停止することは、一般的な物理法則に準ずる、考え方を用いるならば、これらの移動方向は、それぞれの仮想点(AU〜h)において移動方向は規定される。
すなわち高い方向から低い方向に移動するので、下記のように規定される。
AU1→→AU2,AU3→g,h→AU4 である。
したがって、エネルギーの高い方向から低い方向への移動のみが可能となることを前提とすれば、温度12におけるAU2 における水蒸気を、この装置内で移動させようとするならば、温度12におけるAU2 の水蒸気エネルギーよりも低いエネルギー位置に〜hが存在しなければならないことになる。
また、加熱手段として発熱性のコイルまたは、ヒーターを使用する場合においては、温かい方向から冷たい方向への移動には、ペルチェ素子に比較しておのずと、その能力差が劣ることになるが、この回避手段として、冷却体として吸熱する能力の高い、つまりはアルミのような熱伝導速度の高い物質を活用して、冷却することになるので、このばあい、放熱面積を増加させるようなフィン形態とすることで温度大きくするのがのが好ましい。
上記の手段は、本装置の基本形態モデルにおける解析結果の基づき、外気側からの排出ならびに、逆流現象を考察した場合に、その水蒸気の保有する熱エネルギー量により導出した理論である。
【0015】
図8,9に示すように、各ブロックが水蒸気と仮定すると、それぞれは熱エネルギーとして認識される。即ち、エネルギー移行は高い方向から低い方向へ移動するので図8のとき、函体内部より外気側へ徐々に移行(移動する)する。
一方図9のとき、内側小室と外側小室との間にどちらから先に平衡状態になるまでにどちらから、つまり、函体側から内側小室より外側小室に向けて平衡になるか、或は函体側に向けて外気側から外側小室より内側小室への移動により平衡になるかが問題になる。
これらはエンタルピーとして水蒸気の熱エネルギーにより、高い方向から低い方向より移行するので、加熱手段で能動的な移動を行おうとする場合、除湿しようとする方向性に対しては膜の機能として次のような条件が必要となる
これは膜の透湿度と透気度の差に依存している。即ち、透湿度傾斜は外気側より函体側に向けて小さくなっているので水蒸気は侵入し易いが透気度は(sec/100cc)なので水蒸気の移動量を比較するためには、透湿度×透気度により評価する。この積は、函体側へ向かって外気側より大きくなるので、即ち、水蒸気の存在できる(移行できる)確率が大きくなるので相対的には断熱冷却現象として出現するが、このとき移動水蒸気のエネルギー量が断熱冷却による冷却量と平衡に達すると結露することになる。即ち、移動する水蒸気のもつエネルギー量と断熱冷却によるエネルギー量との差が低い保温性のプラスチック製函体のときは図10の函体から、外気へ向けて透湿度が高いことから拡数速度差により外気に向けて水蒸気は移行し易いし、膜3と2,1との透湿度差に依存した速度により拡散するが、この速度と拮抗する外気側から外側小室・内側小室へ移行する水蒸気がこの拡散速度および拡散エネルギーと平衡した時点まで函体内部から外気側への移動が生ずる。
一方冷却または加熱速度が外気よりも著しく大きい、例えば金属製函体の場合は、断熱冷却によるエネルギー低下量よりも透湿に伴うエネルギー移動量が小さいために吸引されたときの断熱冷却に伴う結露した水分は吸引され函体側に移動し、この結露による熱エネルギーの凝集した水分への移行により透湿度変動が函体側より外気へ向けて設定されている透湿の確率差による水蒸気の移動に伴う熱エネルギーを大きく上回り、函体側の吸引(冷却による)によるそれぞれの差が函体内への加湿として作用し、その評価は除湿の場合と同じ式である。
従って熱エネルギー変動量が大きい函体、例えば金属製函体の場合は、水蒸気の移動に伴う熱エネルギー移動量よりもつまり、膜の水蒸気通過量よりも著しく大きな熱エネルギーの変動が得られる場合には断熱圧縮による熱エネルギーにより、水蒸気の移行は函体側へその確率差が大きくなっているので移行し易いが(図11)、しかし水蒸気が函体側より外気側へ移行するときには、断熱冷却により水蒸気を撥水面により弾きながら外気へと移行する。従って熱エネルギー量を加熱手段にて常時駆動するときと、昼のみ駆動するときとでは設定条件を変えなければならない,

【0016】
次に、本発明における透湿度と透気度との積と比(除数)について説明する。透湿度単位は、[g/(m^2×sec.)]であり、一方の透気度の単位は、[ sec/100cc ]である。
Figure 0003602689
となり、この単位積を考察すると、単位平方メートルあたりを100ccのしめり空気が通過する、透過した水蒸気質量を表すことになる。
この量は、おおむね水蒸気の容積が膜を介して膜を通過することのできる質量を示すものとして仮定できる。
一方
Figure 0003602689
となり、この単位商を考察すると、
単位平方メートルあたりについて(経過時間)あたり、100ccについての透過した水蒸気質量を表すことになる。
この場合、時間単位が二乗になっているので、この単位商における時間の二乗にあわせて、設定する函体の容積とその函体のおかれる環境に依存した温度変動速度により、該当する膜の設定により得られる、圧縮率ならびに、その作動効率をおおまかに示す指標として使用することができる。
つまり、
gに相当するものとして、函体内部の水蒸気の質量
mに相当するものとして、水蒸気移動制御装置の略通気路断面積(通気方向の絶対面積)
secに相当するものとして、測定した時間秒数
100ccに相当するものとして、水蒸気質量を水蒸気移動制御装置を設定する環境により影響される函体内部の温度変動に伴い出入りする空気の容積
を代入することにより、膜により固定された現象にたいして、函体側の条件が、どのような条件にあるかということをおおむね決定することができる。
ここで、最小温度変動と最大温度変動の極値を測定により実測し、この結果により能力がどのように発揮されているか、つまり設定される函体と、設定した水蒸気移動装置の膜により規制される能力を単純に比較することができる。
しかし、実際には後述するように、内側小室と外側小室の温度は任意に変動速度を変化することができるし、強制的に一方の温度を他側に対して下げたりあるいは上昇させたりすることができることは、この対象とならない。
図34,35は図25のアクリル製函体250の通路251の途中に表1〜4に示す膜1(MEMBRANE1),膜2(MEMBRANE2),膜3(MEMBRANE3)を屋内において膜番号123の順番に函体から配列した場合の、最大の温度変動があった場合として各温度および時間を引用したグラフであり、透明アクリル製函体内部の湿度の下降が発生している。但し、膜2に取付けた加熱手段のぺルチェ素子252は作動させずにした場合の値である。
【0017】
【表1】
Figure 0003602689
【0018】
【表2】
Figure 0003602689
【0019】
【表3】
Figure 0003602689
【0020】
【表4】
Figure 0003602689
【0021】
図36は屋内において膜番号123の順番に函体から配列した場合の、最小の温度変動があった場合として各温度および時間を引用したグラフであり、透明アクリル製函体内の湿度下降は遅い。符号説明は図35と同じである。
図37は屋外において膜番号3,2,1の順番に函体から配列した場合の、最大と最小の温度変動ならびに時間を引用したグラフである。又、この場合の金属函体における配列例を図24に示す。
表2は撥水面から不織布面方向への膜1、膜2、膜3各々の、本案により測定された、透湿度および透気度、透湿度/透気度を示す表である。
但し、前述した透気度試験におけるシリンダー内腔の増加水蒸気量の補正は行っていない数量を使用している。
表4は不織布面から撥水面方向への膜1、膜2、膜3各々の、本案により測定された、透湿度および透気度、透湿度/透気度を示す表である。
但し、前述した透気度試験におけるシリンダー内腔の増加水蒸気量の補正は行っていない数量を使用している。
図30は表2,4の各膜を横軸にとり飽和水蒸気圧を透湿度/透気度として代入した結果得られた数値を、室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
図31は表2,4の各膜を横軸にとり縦軸を透湿度/透気度として算出した結果得られた数値を飽和水蒸気圧として露点算出式に代入し、蒸気圧曲線に比例したものとして仮に算出したプロットを室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
図29は表2,4の各膜を横軸にとり図31の縦軸の対数をとり、透湿度/透気度として算出した結果得られた数値を、室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
表1は撥水面から不織布面方向への膜1、膜2、膜3各々の、本案により測定された、透湿度および透気度、透湿度×透気度を示す表である。
但し、前述した透気度試験におけるシリンダー内筒221の増加水蒸気量の補正は行っていない数量を使用している。
表3は不織布面から撥水面方向への膜1、膜2、膜3各々の、本案により測定された、透湿度および透気度、透湿度×透気度を示す表である。
但し、前述した透気度試験におけるシリンダー内筒221の増加水蒸気量の補正は行っていない数量を使用している。
図27は表1,3の各膜を横軸にとり飽和水蒸気圧を透湿度×透気度として代入した結果得られた数値を、室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
図28は表1,3の各膜を横軸にとり縦軸を透湿度×透気度として算出した結果得られた数値を飽和水蒸気圧として露点算出式に代入し、蒸気圧曲線に比例したものとして仮に算出したプロットを、室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
図26は表1,3の各膜を横軸にとり図31の縦軸の対数をとり、透湿度×透気度として算出した結果得られた数値を室内における透明アクリル製函体への設定の方向性を示して、プロットしたグラフである。
たとえば、図24に示す金属製函体に設定した場合、最小温度変動は0.1度でその間隔は5760秒なので、
Figure 0003602689
同様に、最大温度変動として同じ金属製函体にて20.1℃から40.1℃までに変動するに要した時間は40320秒なので、
(m・Vair)/(A・t・t)=13.0597×10−2[(g・100cc)/m・sec)]
また函体が透明アクリル製で、室内において測定したような場合には、
最小温度変動は20.1℃から20.2℃までの変動に43200秒を要したものとする。
このときは (m・Vair)/(A・t・t)=3.3487×10−10[(g・100cc)/m・sec)]
また函体が透明アクリル製で、室内において測定したような場合には、最大温度変動は19.7℃から21.7℃までの変動に43200秒を要したものとする。このときは (m・Vair)/(A・t・t)=3.1939×10−8 [(g・100cc)/m・sec)]
ここで、それぞれ金属製函体240にて屋外設定の場合、図25に示すようにアクリル製函体(保温製函体の代表例として)にて屋内設定の場合をの、それぞれの最大温度変動と最小温度変動に要する時間により求められた上述の数値を、
Figure 0003602689
にてプロットしたグラフ縦軸(グラフはプラスチック函体の箱側と外気側を示し、金属製函体240にて屋外設定の場合には左右逆になる。)にあてはめると、それぞれ函体と外気の間の移動方向が推定されるとともに、その条件における効率が算出される。図24中241は通路、242はぺルチェ素子であり、ぺルチェ素子242は作動させずに以下の特性を得た。
また、このことから、膜配列の順番がそれぞれの設定された環境により、どのように設定されるべきかを決定することができる。
たとえば、図30は膜1を函体側、膜3を外気側としているが、この方向性はその函体のおかれている温度変動速度状態により比較されるので、一律に決定することはできない。
つまり、屋外において設定する場合の膜配列方向が函体側から3,2,1と配列しなければならない。
屋内における測定例における最大の温度変動速度量は、3.1930×10^−8となっているので、この場合、膜3側にこの数量をあてはめると膜3の数量との間にはマイナスの関係になる。
この関係は、
(((設定を予定する環境における温度速度変動量による透湿度/透気度に相当する数量)−(膜の配列により決定されている透湿度/透気度))/ (膜により概算した透湿度/透気度)×100))
により水蒸気の進行方向に準じて膜配列方向により規定された水蒸気透過速度量における効率として評価され、順次この効率が各膜ごとに設定された温度変動速度量とともに算定されることにより、3枚の膜を通過する場合の概算としての、時間量にたいして得られた透過することのできる水蒸気質量により制限をうける圧力の、設定された各膜の関係における効率関係があらわされることになる。この値がマイナスになる場合、その効率は除湿ではなく加湿として作用することを表現する指標となる。
【0022】
またこの曲線により得られた透湿度×透気度における効率とは同様に評価することができるので、この同様の計算は、((透湿度)×(透気度))においても行われるので、具体的に図27の((透湿度)×(透気度))を示す、横軸関係において、水蒸気の進行方向に準じて膜配列方向により規定された水蒸気透過速度量における効率として評価され、順次この効率が各膜ごとに設定された温度変動速度量とともに算定されることにより、3枚の膜を通過する場合の、概算としての、時間量にたいして得られた透過することのできる水蒸気質量と透過することがゆるされた透過ガス容積との比率として各膜の関係における効率関係があらわされることになる。
透気度の定義より100ccを通過することのできる時間量として評価した量であるからこの量が大きいと水蒸気を通すのに時間がかかるつまり水蒸気を通しにくいとこの数値は大きくなる。
また、透湿度は撥水面側から不織布面側への透湿量の方が、不織布面側から撥水面側よりも大きくなっていることはこれらの事項とは、見かけ上矛盾するように見えるが、実際の測定環境において恒温恒湿槽内部におけるわずかな循環空気による影響を多少なりとも受けた結果として考察するならば、不織布の構造により表面積が大きい側つまり不織布側が外気側に位置した方が透湿量が大きくなる場合があるのは当然のことなので、撥水面側から不織布面側への透湿量が大きく見えることになる。
しかし、通過する空気が制限をうける水蒸気量と透過することのゆるされる容積量との比率関係は、時間単位が分母および分子に共存している、透湿度×透気度においては、100ccの容積の透過容積にたいする透過水蒸気量として評価することができるが、この傾向は見かけ上単位が省略できるように見えるが数値量としては時間量が分子に掛けられることになるので省略することはできず、従って、不織布面側から撥水面側への透過の方が、不織布面側から撥水面側への透過よりも容易であり等温度における評価としては、この比率は膜1部から膜3部へいたる合計の比率の平均として評価することができる。
この結果は即ち、膜のみによる100ccの容積にたいする水蒸気透過量に時間量が掛けられた数量であるから、おおむね時間における分離効率を表すことになる。
【0023】
図27は水によるシールによるガレー法による測定結果であり、さらにJIS測定方法には規定されていない厳密な気密性を試料をはさむ部分においてほどこした結果であり、図6の測定結果とは著しく第1膜部の測定結果と異なることに注意しなければならない。
これは、試料を挟む部分での大きな空気漏れに起因するものである。
厳密な試料を挟む部分における気密性を確保した結果を示す透湿度×透気度のプロットを示す、図27により、膜3部と膜2部がほぼ同一の値をしめしていたために/(g−h)×100によりおおむね静圧時における分離能力が表されていたことになり、各膜において算定を行い、その平均値により分離能力の概算を行わなければならないことになる。
この算定方法は、前述したように膜の不織布面からと撥水面からの二種類の数量において/(g−h)×100と同様に各膜ごとに計算され、さらに、実際の設定条件における水蒸気の函体内部から外部への温度変動量に速度量として時間が掛けられた数量にたいしてその効率が各膜部ごとに算定され、その平均値として総合的に通気路において得られる分離効率が算定されることになる。
たとえば、金属製函体に設定した場合、最小温度変動は0.1度でその間隔は5760秒なので、
Figure 0003602689
同様に、最大温度変動として同じ金属製函体にて20.1℃から40.1℃までに変動するに要した時間は40320秒なので、
(mv・Vair)×(A・t・t)=1.0999×10^7[(g・100cc)×(m2・sec2)]
また函体が透明アクリル製で、室内において測定したような場合には、
最小温度変動は20.1℃から20.2℃までの変動に43200秒を要したものとする。
このときは (mv・Vair)×(A・t・t)= 5.1488×10^4[(g・100cc)×(m2・sec2)]
また函体が透明アクリル製で、室内において測定したような場合には、
最大温度変動は19.7℃から21.7℃までの変動に43200秒を要したものとする。
このときは (mv・Vair)×(A・t・t)= 4.9107×10^6[(g・100cc)×(m2・sec2)]
ここで、それぞれ金属製函体にて屋外設定の場合、アクリル製函体(保温製函体の代表例として)にて屋内設定の場合をの、それぞれの最大温度変動と最小温度変動に要する時間により求められた上述の数値を、
Figure 0003602689
にてプロットしたグラフ縦軸(グラフはプラスチック函体の箱側と外気側を示し、金属製函体にて屋外設定の場合には左右逆になる。)にあてはめると、それぞれ函体と外気の間の移動方向が推定されるとともに、その条件における効率比率が算出される。
即ち、
(((設定を予定する環境における温度速度変動量による透湿度×透気度に相当する数量)/ (膜により概算した透湿度/透気度)×100))
により、その設定環境における実効率が算定される。
この数値にたいして、分離能力を示す、
Figure 0003602689
また、総合的に膜2と膜3がほぼ同一値であるために、/(g−h)×100により概略の全膜の分離効率が得られる。
厳密には、各膜部の平均として求められたおおむねそれぞれの膜の静圧時における分離能力にたいして、前述した、透湿度/透気度による水蒸気の進行方向に準じて膜配列方向により規定された水蒸気透過速度量における圧縮効率と設定予定とする環境における相当する数量を代入した透湿度/透気度による圧力関係比としての割合と後述する臨界圧縮因子とともにそれぞれ掛けられ、最終的な実効率が算出されることになる。
または、概略の算定手段としては、総合的に膜2と膜3がほぼ同一値であるために、/(g−h)×100により概略の全膜の分離効率に、圧力関係比の平均値と臨界圧縮因子が掛けられて、最終的な実効率が算出される。
【0024】
数1,2,3,4に臨界圧縮因子の算出する方法を式として明示する。
【数1】
Figure 0003602689
【数2】
Figure 0003602689
【数3】
Figure 0003602689
【数4】
Figure 0003602689
【0025】
また図30,27により膜の選択または配列順番を、後述する手段により決定することができる。
また、最大変動および最小変動のそれぞれの所要時間を求める手段以外には、簡略な方法としては、平均値を算出することにより単純にこの設定条件との比較を行うことができることになる。
図27においては、水蒸気質量を測定条件における熱エネルギー量として考察することができるので、このプロットの高い方向から低い方向へは移動し易いが、低い方向から高い方向へは移動しにくいことになる。
また図30にて、この傾斜曲線は、左から右に(アクリル函体を室内設定したとき)向かう場合圧縮が発生し、右から左に向かう場合には膨張となることになる。
圧縮の環境において、断熱環境を小室形成により提供している領域においては、露点上昇が発生し、一方膨張の場合には断熱環境を小室形成により提供している領域においては露点下降が発生する。
【0026】
このような、温度変動は、水蒸気の移動量が本例では微量なので、わずかな量と考えられるが、この温度変動を任意に吸熱したりあるいは保温したりすることにより、膜面における温度変動に加えて、膜面に凝集した水分による潜熱または、気化熱を応用して、たとえば、膜面に移動末期に凝集を発生させて、外気側の湿度上昇にたいして外気から函体内への水蒸気の侵入を阻止したり、または、たとえば雨の日に函体を開けてまた閉じたようなときの函体内部湿度の外気側への移動を円滑に行ったりする作用が、小室壁または導電性多孔体である。
上述した略計算手段は、膜のみによる算定であり、小室壁または膜近傍に設定された導電性多孔体(樹脂製保温性多孔体)の付近の流れの速さにより影響される要素は無視した手段である。
【0027】
たとえば、水蒸気移動において小室壁または多孔体により水蒸気の凝集(水になること)が発生しにくい温度条件であれば、水蒸気はそのまま移動することになるし、水蒸気移動において小室壁または多孔体により水蒸気の凝集(水になること)が発生しやすい温度条件であれば、進行方向または進路課程において、水蒸気は水になることによりますますその移動を阻止されることになる。
図27の透湿度×透気度について考察するならば、函体と外気の温度を一定条件と仮定すると、この現象が象徴的に表されたプロットともいえ、膜3と膜2においてほぼ等しい関係により、膜2部の温度変動が、ポイントの切り替えのような働きをして、外気への水蒸気の移動を促進したり、あるいは外気からの水蒸気の侵入を阻止したりしている様子がうかがえる。
例えば、図27において、膜2部が上昇する(同部の温度上昇による)ならば、函体内部湿度が外気よりも高い場合には膜1から膜3方向への移動は容易に行われるが、函体内部湿度が外気よりも高い場合に、膜2部が下降する(同部の温度下降による)ならば、外気からの函体側への侵入は膜2部にて阻止されるとともに、その抵抗量に準じて、箱側から外気側への移動が行われるが、膜2部の温度上昇の場合よりも移動速度は遅くなる。
【0028】
この透湿度×透気度のグラフにおける水蒸気質量を比較する簡便な手段として、温度ならびに湿度、容積を用いた設定条件を決定する式は下記の式を用いることができる。
VB=(Rh ×eWB /100)×(M/R)×(V/(t+273.15))
VB :B部における水蒸気質量
Rh :B部における相対湿度
WB :B部における飽和水蒸気圧
:B部における摂氏温度
:B部における容積
またこの式にて使用する、飽和水蒸気圧の計算式は下記の式を用いることができる。
ln(eWB)[Pa]=−6096.9385T −1+21.2409642−2.711193×10−2+1.673952×10−5 +2.433502×ln(T
:(t :B部における摂氏温度+ 273.15)
これらの式の応用として、通過する方向において、支配される後方の膜における影響のみを考え、通過前方の膜の特性を無視した場合には、前述したJIS改良測定法による透湿度および透気度の測定値より、その部の到達湿度が推定されることになる。
ところが、温度ならびに圧は、一定条件に設定した条件下にて測定した結果であるから、おおむね理想気体の状態方程式 PV=nRTにより例えば函体側の温度変動条件により発生する移動量の変動がおおむね求められる。
ここで、通過前方の膜の特性を加えて考察する場合において、通過しうる水蒸気量は制限されることになるので、例えば函体側の温度変動条件により発生する移動量の容積が一定とし、通過過程における熱の出入りが無いものと仮定すると、通過方向において圧縮または膨張が発生する。
この過程において、移動量の容積および加えられた圧力が変動しないものと過程するならば、温度が変動することになる。
すなわち断熱冷却(断熱膨張)または断熱加熱(断熱圧縮)である。
この温度変動は、透湿度および透気度のそれぞれのJIS改良法による測定結果に基づく数値を含んだ式として表すと下記のようになる。
すなわち、本水蒸気移動制御装置においては、膜の設定を固定的に考えることを基本とすれば、小室および膜近傍における導電性多孔体または導電性保温性多孔体などによる微小な温度制御を行うための、水蒸気の移動に伴い発生する温度変動は下記の式により得られる。
即ち、水蒸気移動に伴い変動する温度変動を、吸収するもしくは保温するという過程が、通気路構造により決定されるので、その任意に意図する温度条件を決定することができる範囲内において使用する、または、その任意に意図する温度条件を満足する通気路構造を使用すればよいということになる。
透湿度×透気度または透湿度/透気度は単純な計算手段であるが、移動対象となるガスの飽和蒸気圧曲線に準じるものとすれば、それぞれを、露点の計算式において飽和水蒸気圧をこれらの積または商を代入すれば、飽和水蒸気圧曲線に準じた、比例数量として表示することができる。
図31,28はこのプロットを示す。
SONNTAGによる水の飽和蒸気圧式の逆関数(露点計算式)
y=ln(e/611.213Pa), e=e (t
として露点を与える式、温度範囲および露点の見積誤差△tは次のようになる。
y式のeに透湿度×透気度または透湿度/透気度を代入し、この値を下記に代入する。
y≧0 の場合に相当するので、
#t=13.715y+8.4262×10−1+1.9048×10−2+7.8158×10−3
0℃≦t≦100.0℃ △t≦0.01K
この式により算出されたtは厳密には値における確度が異なるので、#t としてグラフにはプロットした。
【0029】
膜の各誘電特性により、各膜の帯電性が決定されており、膜の内部における挙動は後述するが、このようなおおまかな、推定手段により厳密には規定されているものとみなされない。
さらに、膜の撥水面または不織布において水蒸気が蒸発する状態が、表面の物性または製造過程、保存条件、圧迫などにより非常に大きなばらつきを示す。
したがって、単一の膜において透湿度または透気度の傾向を均質化し、透過特性を一律なものとする工夫が要求される。
この目的の達成のために、導電性多孔体または高抵抗導電性多孔体(保温性多孔体)などを、膜の近傍に設定することにより、膜近傍の温度傾斜を明確にし、また該多孔体を設定した側の面に近接する部の表面温度を均質化するまたは、分散化することができる。
このとき、膜および該多孔体において共通した事項として、その表面積があげられる。
膜の種類によっても、透湿度において撥水面から不織布面への透湿量と、逆の不織布面から撥水面への透湿量とにおいて差異がある場合と無い場合がある。
これは、水蒸気が膜表面へ到達し、膜内部を通過した後に、表面から蒸発する場合の気化熱に大きく左右される。
したがって、この特性を応用して、小室内腔における微弱な温度調整の手段とすることができる。
たとえば、小室壁通気路面の表面状態による影響として、アルミなどの防蝕処理による結果として弱い吸湿現象が発生するが、この場合、気化熱による温度変動は比較的大きなものとなる。
逆に、吸水性の殆ど無い塩化ビニールなどでも、表面が粗造であれば類似した現象が発生する。
自由表面が小さな面たとえば滑面では、物質と周囲境界との面積が小さいので、周囲から物質内部への熱伝導も、物質内部から周囲への熱伝導も、熱エネルギーの出入りが小さい。
また、一旦水蒸気が付着または淀んだ状態の表面から水蒸気が離れる場合において、大きな気化熱が奪われることも多い。
微弱な熱のやりとりを行う場所は、本実施例の場合には通気路と通気路支持部とに大別される。
通気路においては、膜表面、多孔体やフィンなどの通気路に設定される構造体、小室壁に大別され、さらに膜表面では不織布の立体的構造、撥水面の立体的構造材質の吸水特性または撥水特性、誘電特性などに細分化される。
通気路に設定される構造体では熱の意図する移動方向への表面積の拡大による放熱構造、誘電特性、吸水特性または撥水特性などに細分化される。
小室壁においては、支持部および通気路構成部に大別される。
支持方法として、熱伝導部を構成する物質の熱伝導特性に加えて、接触面積または吸熱体もしくは断熱体の介在により調整される。
小室壁構成材料としては、保温性の高い物質たとえば多孔質セラミックスが、通気路面においては滑面とされておれば使用することができるし、逆に熱伝導速度の高い物質たとえば、アルミやステンレスなどで構成してもよい。
いずれにおいても、質量と熱伝導速度に比例して、熱拡散方向の傾向方向を意図する方向に設定することが可能であり、断熱体にかこまれたまたは内部における吸熱体(高熱伝導速度体)の配置においては、温度下降の場合においては冷却効果として作用しやすく、吸熱体にかこまれたまたは内部の断熱体(低熱伝導速度体)の配置では、温度下降の場合においては保温効果または弱い加温効果が得られる。 また、表面からの水蒸気などの相変化にともなう気化熱または凝集熱などの影響をその表面が滑面である場合には速い変動または大きな時間変動速度を確保することができ、粗造である場合には遅い変動または小さな時間変動速度を確保することができる。
【0030】
一方、温度が上昇する場合にも設定される周囲の温度変動速度が高または低熱伝導速度体よりも早いか遅いかによりその作用は変化するが、一般に、金属製のたとえばアルミ、銅、鉄、チタン、クロムなどの金属では伝導速度は早く、酸化物(不動態化膜)ではその性質は吸湿性が高くなり熱伝導速度も遅くなることが多い。
図39(イ),(ロ),(ハ),(ニ)は多孔体の略断面形状を示す。
該導電性多孔体390の断面形状として、この内部における空気の主流束線の破線391に伴う熱のやりとりを促進するように、図39にあげるような卵円断面形状とした場合、気化熱に伴う冷却が発生するとき、この表面の電気化学的性質を利用して、気化熱にともなう特性を傾向づけることができる。
誘電性が高い物質である場合、その部の気化熱は低い物質よりも単位質量あたりの変動が小さいことが多い。 逆に誘電性が低い物質である場合、その部の気化熱は高い物質よりも単位質量あたりの変動が大きいことが多い。
この性質を該略断面形状が卵円形または、通気路経過においてその方向性により表面積が大きい側と小さい側を有する多孔体において、多孔体の尖頭側または表面積が大きい側に付与するか、逆方向に付与するかにより、自由に多孔体の内部温度変動の特性を調整することができる。たとえば(ハ),(ロ),(イ)に示すような断面のときの形状に従いよどみの位置は変化する。
また図においてしめしたような主流束線にたいして各略断面形態を回転して配置した場合にも同様に考察することができる。
多孔体の通気経路の厚みは、淀みを形成するか否かによる目的の違いにおいて、その厚みを小室壁や通気路の微弱な温度変動速度差を考慮して、目的に矛盾しない配列方向を設定することができる。 たとえば、図39において略断面において膜1,2側に尖頭側が配置されているが、多孔体390を熱伝導性の高い物質により構成する場合、破線391により示される主流束線により形成される後乱流を考慮して、非尖頭側に熱伝導速度の低い表面処理を施す場合と行わない場合を比較すると、破線391における気化熱による温度低下を抑制するとともに逆方向の流れが発生した場合において、相対的に膜と多孔体に挟まれた領域の温度を多孔体自体の温度に依存して決定することができる。 また多孔体の尖頭部側に熱伝導速度の低い物質により表面処理を施した場合としない場合とを比較すると、多孔体の尖頭部側に熱伝導速度の低い物質により表面処理を施した場合には破線391に伴い多孔体390の温度変動は同表面処理を行っていない場合に比べて小さなものとなり、逆方向の流れに対してはこの反対の効果がえられる。これのような効果において、目的別に処理された表面積差によりその変動速度差が発生する。 このような特性を活用して、単一部の多孔体において、通気路の中心部と周辺部において発生する温度変動速度勾配を均質化または分散化する場合、通気路の中心部と周辺部においてこのような多孔体の流れの方向にたいする方向性を考慮した表面処理を、例えば通気路の中心部と周辺部において逆方向に処理するならば、特定方向における流れにたいして均質化することができる。
また、多孔体自体の保温性を変動させる場合には、その熱伝導速度を考慮して目的とする温度特性を達成するために、中空の多孔体材質を使用することができる。
また、中心部と周辺部において輪状または波頭形状、または多角形状に帯状など任意に配置し、この配置傾向において、流れの方向において発生する温度変動速度が均質になるかまたは、分散化または傾斜を形成することを目的として、その処理位置を流れの方向にたいして、個別に処理することができる。
図71のMESHPLANEは、このような多孔体の位置差による、表面処理例を示す模式図である。図中716は網かけは、表面処理部を示す。図72は扁平なモジュールの模式図を示し、図中721または725は、小室壁を示し、図中722は膜および多孔体部面を示す。723は保温腔、または断熱体による小室支持部、724はフレーム外枠またはパネル外枠を示す。 また本図では小室壁は形状が直方体となっているが、温度速度勾配の設定に都合がよいようにするために、たとえば垂直壁に設定する場合には上下方向において、略台形断面とし、第2膜が第1膜または第3膜にたいして上部と下部の距離関係が異なるように設定してもよい。
【0031】
図71のMESHPLANE 多孔体面の表面位置差処理例は、同一部における同一多孔体の表と裏の表面処理部を網掛けにより示し、その位置差を模式的に示した図であるが、このような位置の多孔体配列または厚みを厚く(多孔体の)して温度勾配を調整し易くしてもよい。
この例にあげられる例は、天井設定型を示すが、垂直壁に設定する場合には上下方向においてその表面処理の行われる位置を表と裏において任意に温度速度勾配に都合がよいように、変更してもよい。
この効果として、たとえば扁平な角柱状の形状を有する通気路において、かどの部分に小室壁により温度変動速度の低い部分が存在し、中央部において高い部分が存在する場合には、その低い部分における表面処理方向を意図する温度傾斜方向に合わせることにより、その部の低い温度変動速度を、多孔体の熱伝導速度の熱伝導による調整能力に加えて、中心部の高い温度変動速度にあわせて均質化することができる。 このような表面処理部は、たとえばかどの部分に孤在した表面処理面積部として設定してもよい。
また、該多孔体が熱伝導速度の高い物質における実施例を説明したが、逆に意図する温度変動速度に矛盾しなければ、低い材料の多孔体を使用して、熱伝導速度の高い物質において片面の表面処理を行ってもよいことになる。
このような流れの方向における表面処理方向の調整により、前述した小室温度にたいする各膜の透湿量(透気度)および透気量(透気度)により決定される設計要素としての温度を決定する補助的手段となる。
特に、小面積の膜においては問題とはなりにくいが、大面積になれば中心部と周辺部との温度傾斜が発生するために、設計が行いにくくなるので、この場合に補助的に使用する。 また温度傾斜が同一膜において逆になっている場合においても、前述した算定方法を応用すると温度に従った透湿量と透気量の変動を参考にして、温度ごとに変動する温度等高線により該当する温度の膜部面積を算出し、同様の計算を行うことができる。
この温度等高線は、膜部および、補助的手段として導電性多孔体または非導電性多孔体または高熱伝導性多孔体低熱伝導性多孔体などを近傍に配置した状態の膜を、撥水面または不織布面、または多孔体を配置した側と非配置側それぞれにおいて、赤外線撮影により収集することできる。
たとえば、一般住宅において使用される「ふすま」の中に該除湿系を設定したり、壁部または天井部に設定できるように扁平に設計したパネル状の該除湿系において、設計する手段となる。
導電性多孔体の接地などの電界調整手段による、その他の作用効果としては、通気路過程における電気化学的反応の抑制、および特定物質の濃縮における抑制効果があげられる。 それは、各物質ごとに拡散速度が異なり、原子量または分子量が異なるために、電界を有する膜内部通過において反復される気体の出入により特定物質の微弱な濃縮現象を抑制する手段でもある。
特に住居空間においては、防虫剤や防かび剤などの化学物質が頻用されるが、このような為害性物質の濃縮を防止する手段ともなり、あるいは、特定の臭気を発する物質の濃縮を予防する手段でもある。
誘電体と導電体との接近により電界は強められるが、この傾向を中和するために接地を行う場合と、その微弱な変動特性に伴う微電流の発生を活用して、3枚の膜の撥水面を外気側で下方に設定した系の場合、たとえば第2膜の外側小室側と第3膜の外側小室側に設定された導電性多孔体を電気的に接続することにより、導体の接近により強められた誘電特性と、表面の湿潤状態に伴って変動する表面電位との関係を、水蒸気の付着状態に合わせて調整することができる。膜は薄い場合でも、撥水面側が誘電特性の高い物質で構成されている場合においては、撥水面側の表面電位が低くなる。
このために、逆側である不織布側は陽極側に静電気的に傾斜している。 このときに水蒸気の付着により表面電位は0に接近するが、この傾向はきわめて微弱な放電にともない緩和していく。
この過程は近傍に設定された高導電性多孔体により逆方向である不織布面に微弱な作用をもたらすものと考えられ、不織布と撥水面における別の膜の表面または同一の膜においても距離関係に伴いその作用は調整される。
膜の誘電特性による局部電界の調整手段は、導電性多孔体の電気的抵抗特性と、膜近傍への配列距離、および導電性多孔体の孔径とにおおむね依存し、孔径に一致した距離を越えて次第に減衰する。
またこの局部電界調整手段の結果として、該多孔体周辺の水蒸気濃度が変動することにより、多少その電界特性は影響を受けるし、また空気中の水蒸気は多く海水中の電解成分を含むので、電気的抵抗を有する導体として誘電緩和現象を励起する。
導電性多孔体は、諸種の電気的加熱手段または周辺の電気部品からの微小な漏洩電流に伴い蓄電する可能性もあるので、原則として、このような荷電に伴う、該多孔体周辺の電気化学的反応を阻止する目的にて、温度特性のみを引き出すために原則として、該多孔体は電気的に接地される。
しかし、主たる特性は表面温度の補助的温度調整手段である。
【0032】
本実施例にあげる水蒸気の移動は膜両側の分圧差も駆動力としている。
膜の中の移動現象を下記のように仮定すると、
Figure 0003602689
にて得られ、
N=k(p −p
:移動前の空間の分圧
:移動後の空間の分圧
k :物質移動係数
k=Pm/δ
Pm:膜透過係数
δ :膜厚
一般に、膜の厚さと膜の透過係数により物質移動係数は比例するものとされているが、これは膜の中における電位傾斜においては、対象とはしていない。
実施例における物質移動係数は、断熱変化にともない変動する。
本構成の膜には水蒸気を透過することのできる、撥水面を有するいわゆる透湿膜といわれるものであれば、前述したような透湿度/透気度において勾配が設定されており、通気過程においてこれとは逆の透湿度×透気度の傾斜を有する基本的な構成条件に加えて、調湿条件から考察される、必要な前述した設定方法による諸条件を満足しさえすれば、表面の電位の違い、または撥水性の撥水面と不織布との違い、吸水性の違い、保水性の違い、熱伝導速度の違いなどを考慮して、自由に選択することができる。
本実施例において使用した膜はナイロンおよびポリオレフィンを不織布として、撥水材にポリエチレンを使用しているが、その他絶縁材料として使用されている4弗化エチレンなどの弗化物を撥水材として使用してもよい。
また、セラミック膜を使用してもよい。
その他、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニール酢酸ビニール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、4弗化エチレン共重合体、ポリビニールブチラール、ポリ弗化ビニル、ポリ4弗化エチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどで、絶縁面を形成し、同質の不織布により不織布面を形成してもよい。
また、排出される荷電性の物質の濃度が高い場合には、モザイク荷電膜を不織布側のベース材料またはラミネート体として、撥水面を絶縁材料により表面処理したものを使用してもよい。
膜の中に存在する孔の中において、たとえば撥水面における表面電位においても不織布面における表面電位においても、湿潤による電気的な導通性の上昇は、その孔の中の水蒸気の挙動に大きな影響を及ぼす。
本実施例に使用した膜では、膜の特に撥水面を形成する表面電位はいずれも絶縁性を有し、不織布側にたいして乾燥状態において陰極性をしめす。
水蒸気は両極いずれにも荷電しうるが、水素の電気陰性度は2.1,酸素の電気陰性度は3.5であり、HOでは、単純に総和を計算した場合、水素の二原子が4.2で、酸素側よりもおおきな陰性度を有する。 因みにFは4.0,Cは2.5である。
したがって、水は構造上陰極に帯電しやすいと考えられるので、陰極性の物質により表面を加工することにより静電気的反発力を利用して、撥水面を形成するのであるが、たとえば強い磁界環境下において水素と水素の酸素中心に対する軸が開いた場合、撥水性は陰極性の表面では発生せず、陽極性の表面において生ずるものと考えられる。
したがって、高磁束密度性で高導電性の多孔体の場合には、撥水面とは逆側に配列した方が、絶縁性物質により構成される膜の本来の撥水面と不織布面との関係を生かすことになる場合もある。
一方、たとえば不織布をカーボンを多量に含む電気的な導電性に優れた物質により構成する場合、撥水面として、絶縁材料により構成する場合には、極端な電界の極性変動が孔内部において発生することになるものと考えられる。
この場合、撥水面において反発した水蒸気の水素側は、著しく極性のことなる不織布内において、その極性が不明瞭な撥水剤(絶縁剤)と不織布の境界領域において著しく早い水分子の回転または水素軸の離開などが発生し、この部の水蒸気の局所濃度が高められ、相対的に陽極を帯びた電気的導通性の高い炭素を多く含む不織布内部に停留しやすくなる特性が発生するものと考えられる。
したがって、電気的導通性を期待して配置するカーボンを多量に含む不織布は、撥水面側の特性を生かすためには、極力薄くする必要がある。 炭素繊維も含めて、電気的に導通性の高い物質の場合には、表面電位は絶縁材料に比較して、高い電位となり、このために、表面の結露を助長することがある。 同一物質では物質の一般的な密度が高く比重が高い場合には、熱伝導速度が低くなるし、熱伝導速度が低い物質でも中空性の構造を有する場合には熱伝導速度は極端に低くなる場合がある。
もしも厚ければ、撥水面の絶縁材を経てカーボン繊維内に長く停留するし、薄ければ、撥水材の絶縁材を経て、撥水剤(絶縁剤)と不織布の境界領域において著しく早い水分子の回転または水素軸の離開などにより、水蒸気分子同士の衝突温度レベルが露点に達していなければ、自らの運動により水蒸気の透過挙動は膜内部の撥水面から不織布面側への移動速度はナイフエッジ状に速やかな透過性をしめす。 このとき高い誘電率の物質が、膜の体積中で占める割合に従い、この撥水性挙動は左右される。
このような炭素膜と、撥水剤との組み合わせ加工は、炭素繊維のアニーリング加工により、撥水剤と融着または、撥水材の不織布への溶着、融着、化学的な結合により行うことができる。
炭素繊維は性質にもよるが、一般に使用されている強靭なカーボンファイバー繊維(例えば炭素繊維、炭化ケイ素繊維など)、超強力繊維の中で導電性の優れる繊維を使用すればよい。
また、不織布における吸水性の調整により、撥水性を従来どうりに保ち、その吸水膨張による孔の径の拡大が発生し、簡便な方法としては吸水率を考慮して、不織布の選択を行うことができる。
吸水率の高い繊維としてはバイロキシリン(1.0−2.0)、ナイロン(0.4−1.5)、塩化ビニール、塩化酢酸ビニール(0.07−0.75)などがあり、このなかで、使用温度帯域に符合する誘電率、耐熱温度および熱膨張係数を主として考慮して使用することができる。
【0033】
以下、本発明の構造の具体的実施例について説明する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜5に示す実施例は野外設置の電気機器収納函体内の除湿装置として使用したものであり、金属製函体内の温度変動速度が高い空気を一方の空間とし、大気を他方の空間とし、透湿膜を3枚使用して2つの小室を設け、中間の透湿膜にペルチェ素子を設けた例である。
図24,25に示す水蒸気移動制御装置の実施例は、本発明の他の実施例で、表1〜4に示す透湿膜を使用し、加熱手段として中間の膜2にぺルチェ素子を設けた例である。
【0034】
図1は実施例の使用状態を示す説明図である。
図2は実施例の除湿装置の縦断面図である。
図3は実施例の3枚の透湿膜の透気度を透湿膜とその積の値との値を示す説明図である。
図4は実施例の透湿膜の構造を示す説明図である。
図5は実施例の第2透湿膜の導電性多孔体とを示す説明図である。
図6は実施例の透湿度および透気度の積の露点換算図である。
図7は実施例の動作説明図である。
図8は本発明の透湿膜の積差による水蒸気移動を示すモデル説明図である。
図9は本発明の外気側が函体よりも低いときの函体内部と外気側からの平衡状態への移行モデル説明図である。
図10はプラスチック函体における透湿膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
図11は金属製函体における透湿度膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
図12は金属製函体における透湿度膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
図13は本発明の防湿装置と使用する場合の透湿膜の配列を示す説明図である。
図14は本発明の加湿装置として使用する場合の配列を示す説明図である。
図15は回転磁性フィンを小室内に入れた例を示す説明図である。
図16,17,18は本発明の他の実施形態例を示す説明図である。
図19,20はラミネートシートの図面である。
図21はJISの透湿度試験法の試験器を示す説明図である。
図22はJISの透気度試験法の試験器を示す説明図である。
図23はJISの透気度試験法の試験器を示す説明図である。
図24は本発明の金属製函体を用いた他の実施例の構造を示す分解説明図である。
図25は本発明のアクリル製(保温性)函体を用いた他の実施例の構造を示す分解説明図である。
図26は表1,3の各膜の透湿度×透気度の対数による説明図である。
図27は表1,3の膜1,2,3の透湿度×透気度説明図である。
図28は表1,3の膜1,2,3の仮想露点説明図である。
図29は表2,4の膜1,2,3の透湿度/透気度の対数による説明図である。 図30は表2,4の膜1,2,3の透湿度/透気度説明図である。
図31は表2,4の膜1,2,3の仮想露点説明図である。
図32は透気度試験の内筒内の相対湿度の時間変化図である。
図33はJISの透気度試験法における内筒内の微弱な温度勾配を示す赤外線撮影結果図である。
図34は図25の実施例の温度変化図である。
図35は図34,36,38,40における記号説明図である。
図36は図25の実施例の温度変化図である。
図37は図24の装置の屋外での膜3,2,1配列の温度変化図である。
図38は断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図39は導電性多孔体の断面形状例を示す説明図である。
図40は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図41は膜通過後の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図42は圧縮因子Zと対臨界圧力の関係図である。
図43は炭化水素類の平均的値をもとに作図された圧縮率因子説明図である。
図44は補正因子D説明図である。
図45は函体内部の湿度降下が遅い場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図46は外気から函体内部への水蒸気の侵入する場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図47は外気から函体への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
図48は函体内部の湿度降下が発生する場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
図49は函体内部の湿度降下が遅い場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
図50は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
図51は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
図52は温度による断熱仮定による函体内部湿度の降下が発生した場合の各部絶対湿度変化図である。
図53は温度による断熱仮定による函体内部湿度の降下が遅い場合の各部絶対湿度変化図である。
図54は温度による断熱仮定による外気から函体内部への水蒸気の侵入する場合の各部絶対湿度変化図である。
図55は温度による断熱仮定による外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合を示す各部絶対湿度変化図である。
図56は函体内部湿度が降下する場合の温度による断熱仮定による水蒸気分圧変化図である。
図57は函体内部湿度が降下する場合の膜部の前後の水蒸気圧P ,Pによる移動係数変化図である。
図58は函体内部湿度が降下する場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pによる移動係数変化図である。
図59は函体内部湿度の降下が遅い場合の水蒸気分圧変化図である。
図60は函体内部湿度の降下が遅い場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
図61は函体内部湿度の降下が遅い場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
図62は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の水蒸気分圧変化図である。
図63は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の移動係数変化図である。
図64は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
図65は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の水蒸気分圧変化図である。
図66は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の移動係数変化図である。
図67は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の移動係数変化図である。
図68は水蒸気の帯電が問題となる場合の大型の函体においての円錐側面に位置する膜部の圧力計算説明図である。
図69は図52,53,54,55における記号の説明図である。図中、絶対湿度の単位は[ kg/m ]である。
図70は図56,59,62,65における記号説明図である。
図71は導電性多孔体の表面位置差処置例を示す説明図である。
図72は扁平な形状の水蒸気移動制御装置例を示す模式図である。
図73は図41,45,46,47における記号説明図である。
図74は図48,49,50,51における記号説明図である。図中、絶対湿度の単位は[ kg/m ]である。
図75は図57,60,63,66における記号説明図である。
図76は図58,61,64,67における記号説明図である。
【0035】
図中1は125リットルの内容積の金属製函体、1aは函体1内の空間、1bは函体1の底面、1cは同底面に開口した通気口、2は他方の空間である大気、3は通気路、3aは通気路3を形成するP・V・C製の断熱外筒、3bは同断熱外筒の上部に螺合した下部取付リング、3cは断熱外筒3aの上端に螺合した中央を開口したキャップナット、3dは函体1の通気口1cの口縁を係止する環状座金、3eは断熱外筒3aの上端に設けた保温体又は吸熱体となるアルミフレーム、3fはP・V・C製の中筒、3gは同中筒外周に取付けた良熱伝導性の吸熱体、3h,3iはアルミ製の小室壁、3jは第1の透湿膜、3kは第2の透湿膜、3lは第3の透湿膜、3mは第1,2,3の透湿膜に1ミリ程の間隔を離して設けた銅メッシュを用いた導電性多孔体、3nは加熱手段である発熱コイル、3o,3pは撥水処理された塩化ビニール製の防塵防虫ネット、3qは良伝熱性の電気絶縁体、3rは断熱材、3sは断熱外筒3aの外周に巻付けた発熱コイル3nの為の蓄電装置付き太陽電池である。又、3xは上方の小室,3yは下方の小室である。
又、3j1は第1の透湿膜3jの撥水面となるPE多孔膜、3j2は特殊多孔膜、3j3はナイロン系不織布、3k1は第2の透湿膜3kの撥水面となるPE多孔膜、3k2は第2の透湿膜3kの特殊多孔質膜、3k3はポリオレフィン系不織布、3l1は第3の透湿膜3lの撥水面となるPE多孔質膜、3l2は特殊多孔質膜、3l3はポリオレフィン系不織布である。
【0036】
この実施例で使用した第1,2,3の透湿膜3j,3k,3lの透湿度、透気度、透湿度×透気度(積)の値と最大孔径は下記の通りとなる。
Figure 0003602689
この関係を図13で図示している。
【0037】
この実施例では、函体1内の空間1aの湿度が大気2の湿度より高い状態の場合、函体1内の水蒸気は、湿度の大小、第1,2,3の透湿膜3j,3k,3lの積の大小、水面となるPE多孔膜の水面の存在及び発熱コイル3nによる小室3x,3yの加熱によって生じる湿度勾配による水蒸気移動の方向性によって水蒸気は函体1内部1aから大気2の方へ移動し、函体1の空間1aの湿度は低下し、乾燥される。
大気2の方の湿度が高く函体1の空間1aの方が湿度が低くなる場合、水蒸気は大気側から函体1の方へ移動しようとするが第1,2,3の透湿膜の積の値が大気方向に従って小さくなっていることで函体1内の空間1a方向への水蒸気移動が抑えられる。又、撥水面の3j1,3l1,3k1の存在によって及び発熱コイル3nによる小室温度が高温で隣接する大気側通気路内温度が低温となるように温度勾配が発生し、水蒸気の函体1の空間1aへの移動を抑える。
これによって、函体1の空間1a内の水蒸気は大気が乾燥時に大気側へ排出し、逆に函体1aの空間の湿度が低く大気2の方が高湿度となった場合の水蒸気の移動は遅くなり、結果的に函体内の湿度は低く抑えられるものとしている。
発熱コイル3nを作動させなくても水蒸気は大気方向へ移動しようとするが、発熱コイル3nを作動させると、強い水蒸気の大気方向への移動を加速させることが分る。導電性多孔体3mは熱を均一に小室3Xに配分する働きをする。
【0038】
図15は、発熱体を兼ねた高インピーダンスコイル70によって小室71にある磁石フィン71を回転し、小室内に対流を生起して所要の均一な温度状態にする例であり、熱は高インピーダンスコイル70から小室壁72を介して小室71内の温度を上昇させ、発熱コイル同様に温度勾配を生起させる例である。尚73,74,75は前記実施例と同様の透湿膜である。76はフィン回転軸、77はアース線である。
図16,17,18は、本発明の他の実施態様であり、図16は二重円筒状に透湿膜を設けた例であり、161は第1透湿膜、162は第2透湿膜、163は第3透湿膜、164は第2又は第1透湿膜である。165は小室壁、166は吸熱体又は断熱体、167は電気ヒーター駆動用の太陽電池、168は電気ヒーター、、169は保温体または吸熱体、165aは水切り、165bはパッキン、165cは防塵または防虫ネット、161aは透湿膜およびフレーム、162aはメッシュである。
電気ヒーターの絶縁体は黒太線にて表示、透湿膜は、円筒状、くし状のフレームに緊張等がないように設定して、電気ヒーターに熱的続し、また、メッシュ(金属製)が配置する。メッシュは無くてもよい。図16の水蒸気、空気の流れは矢印線の如くなる。
図17、18も図16のものと同様に立体的に水蒸気・空気が移動る例である。
図中170は小室、171は透湿膜の膜1、172は膜2173は膜3、174は透湿膜およびフレーム、175は小室壁、176は電気ヒーター、177,178はメッシュ、179は防塵またはネット、175aは水切り、176aは電気ヒーター駆動用の太陽電池、175bはパッキン、175cは保温体又は吸熱体である。図18中、180は小室、181は透湿膜の第1膜、182は第2膜、183は第3膜、184は透湿膜およびフレーム、185は電気ヒーター、186は吸熱体または断熱体、187は保温体または吸熱体、188は透湿膜およびフレーム、189は小室壁、190は電気ヒーター用の太陽電池、191は防塵または防虫ネット、192はメッシュ、193は小室壁保温腔、194はパッキンである。
図16、17、18の装置は、水蒸気及び空気が立体的に迂回しながら流される例であり、透湿膜は前記実施例の構造及び配置例と同様な構造及び配列のものである。
本発明は実施例に記載点の他に下記のようにすることもある。
吸熱体の熱量は、放熱、保温腔容積、本装置全表面積、函体と本装置本体との支持部の接触面積、本装置本体支持部と小室部との接触面積、本装置全表面積などを考慮して、温度勾配の設定を、変動速度量の傾向づけとして、設定する。保温腔の保温能力を必要最小容積において安定化させることが、小型化の必須条件となるので、赤外線反射層を保温腔表面に形成するとよい。
この手段は、金属メッキや、印刷、蒸着、などを行い、小室外壁においてこの処理を行うことと、保温腔内壁にこの表面処理を施すことにより、双方の反射が反復して、熱動が遅延する。またこの形態はたとえばマホービンの真空鏡面体を保温腔として使用してもよい。
【0039】
図19,20に示すように、吸熱体または、熱伝達緩衝装置として、銅やアルミなどにより構成される、またはラミネートシート200,201,202(紙と銅、紙とアルミ、樹脂体と金属箔、誘電体と金属箔)などのシートをロール状に小室壁203または保温腔壁、装置取り付け部などに、巻き付けた場合、たとえば、熱がロールの外周から内側に伝わるまでに時間的な余裕が発生するので、内側小室と外側小室との間に温度速度の伝達時間を調整する場合において、逆流を防止したり、または、能動的移動時間までの非効率的時間の穴埋めに使用したりすることができる。また、熱伝導速度が高い金属箔を用いる場合と、熱伝導速度が遅いシートを用いる場合を外側小室および内側小室それぞれに別に設定してもよいし、同じ小室の外気側と函体側に設定してもよい。
またこれらのシートを三角形状にして短い側を小室側に接触させるようにしたり、長い辺側を小室側に接触させるようにする選択により、熱伝達の効率を積極的に、制御することが可能である。
金属製箔の特徴として、おおむね熱膨張率が大きいので、容易に巻き付けた側に接触していた面が、温度上昇にともなって、隙間を発生するようになるという特徴を有する。
【0040】
このような特徴にもまして、小室の周辺を周回する熱伝達は、たとえば直射日光や、雨の後の風などによる気化熱による冷却現象などの、函体側の熱の不均衡にたいして、均質化した熱伝達を行うことができるという特徴を有する。
また、取り付け環境に応じて、このシートに取り付け部または環境側の平均温度または平均カロリー、場所の特徴などをプリントして、装着者が、任意にこれを切断し、再度組み立てて、自由な熱伝達速度調整ができるようにしてもよい。
【0041】
吸熱体または保温槽の構成はつぎのようなものが考えられる
Figure 0003602689
放熱フィンの接触
サーマルペイントを最下方または最上方のメッシュ、または膜表面、外套円筒など、外から見やすい位置に施し、この変色により、交換時期が明瞭にわかるようにしてもよい。
この方法は、たとえば高所では下方から、または装置外周全体、地上または住居空間に近い場所では上または装置外周全体などにサーマルペイントを施し、特定の目立つ色(赤や青や黄色)などが明瞭に見えるようになると交換時期を知らせるようにする。
(社標などが浮き出し、または交換時期を知らせる文字の浮き出しなど)
サーマルペイントはシート状の温度計にて使用されているが、膜の温度変動が目詰まりなどにより、実効性が薄くなれば、より冷たくなりやすい性質を利用して、特に、膜面の見える方向にこの処理を施す。
すなわち、目詰まりにより、膜の表面の気孔率が低下するために、圧縮されて気化熱の変動が大きくなることを感知して、変色するようにすれば分かりやすい。
【0042】
:他の実施例(図24,25の例)
膜の構成
この実施例は、アクリル製及び金属製函体240,250に取付けた断熱された通路241,251内に下記表1,表2,表3,表4の膜1,膜2,膜3を設け、膜2にぺルチェ素子242,252を取付けた例である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
以下、図24,25に示す膜1,膜2,膜3の水蒸気移動装置の実施例について説明する。
本発明で、後述する膜により決定される断熱過程の図35,36,38,40の結果を満足する温度範囲内にすればよいということになるが、これらの結果は、膜のみの選択および配列方法により、前述した使用する環境における効率評価とともに、おおむねその通気路の温度特性の能力を評価することができることになる。
これらを決定する式は下記のようになる。
まず湿り空気のエンタルピーを求める式は下記のようになる。
h=CPat+((0.622ΦP)/(100・P−ΦP))×(CPW・t+r
h : 湿り空気のエンタルピー [KJ/(乾き空気の質量[Kg]]
Pa: 空気の定圧比熱=1.005 [KJ/(Kg・K)]
t : 湿り空気の温度[℃]
Φ : 相対湿度 [%RH] (JIS表記では、Uを用いる。)
: 湿り空気の温度に対応する飽和水蒸気圧 [Pa](JIS表記では、e を用いる。)
P : 湿り空気の全圧 [Pa] 標準大気圧1.013×10[Pa]
PW: 水蒸気の定圧比熱=1.861 [KJ/(Kg・K)]
: 0℃の水の蒸発潜熱 2500 [KJ/Kg]
通過過程における熱の出入りが無いものと仮定するのであるから、まず移動する水蒸気の量をある一定値として、そのエンタルピーを一定量と仮定する。
たとえば20℃ RH65%とすれば、
Figure 0003602689
また エントロピー:S は
dS=dQrev/T で表され、
Q:熱量
断熱系においてはdQ=0であるから、dS≧0となりエントロピーは減少しない、等エントロピー変化である。
水蒸気質量ならびに、
絶対湿度dv[g/m^3]:湿潤空気の単位体積中にある水蒸気の質量
Figure 0003602689
ここで、通過を制限する膜の条件に戻ると、
透湿度/透気度において時間変量を含んだ関係が示されているものとして考えるならば、
Figure 0003602689
であるから、各部の透湿度および透気度を膜番号を付して表記するとつぎのように表現される。
Figure 0003602689
膜1から膜2への移動においてはこの比率に従い、通過条件が変化することになる。
ところで膜面積 m=m であるとき。
/M
この通過を等エントロピー変化において仮定すると、
PV=nRT
P=(n・R・T)/V
ところで
Figure 0003602689
PV=nRT
∴ P・V=(m/M)・R・T
(m/M)=(P・V)/(R・T)
=((P・V)・M )/(R・T)
P=(n・R・T)/V
∴ P=(n・R・T)/V
P=((m/M)・R・T)/V
または
∴ T=(P・V)/((m/M)・R)
VI1 :膜1を通過する前の水蒸気質量
VO1 :膜1を通過した後の水蒸気質量 mVO1=mVI2
VI2 :膜2を通過する前の水蒸気質量
VO2 :膜2を通過した後の水蒸気質量 mVO2=mVI3
VI3 :膜3を通過する前の水蒸気質量
VO3 :膜3を通過した後の水蒸気質量
I1 :膜1を通過する前の温度
O1 :膜1を通過した後の温度 TO1=TI2
I2 :膜2を通過する前の温度
O2 :膜2を通過した後の温度 TO2=TI3
I3 :膜3を通過する前の温度
O3 :膜3を通過した後の温度
I1 :膜1を通過する前の容積
O1 :膜1を通過した後の容積 VO1=VI2
I2 :膜2を通過する前の容積
O2 :膜2を通過した後の容積 VO2=VI3
I3 :膜3を通過する前の容積
O3 :膜3を通過した後の容積
I1 :膜1を通過する前の圧力
O1 :膜1を通過した後の圧力 PO1=PI2
I2 :膜2を通過する前の圧力
O2 :膜2を通過した後の圧力 PO2=PI3
I3 :膜3を通過する前の圧力
O3 :膜3を通過した後の圧力
【0048】
膜1を通過しうるある一定量の水蒸気mVI1がある温度TI1にて一定圧力PI1 にて膜1から膜2を通過するものとすれば、
ところが、そもそも
Figure 0003602689
において透湿度は単位平方メートルあたりの水蒸気透過質量を表し、この単位秒ごとにおける値を示しているので、これを、圧力と置換して考察する。
この透湿度は、秒単位における透過量をしめすことを前提としている。
を構成する成分透気度が水蒸気透過圧力を決定するものと考えるものと仮定することになるので、Mを透湿度MOISTURE PERMEABILITY:MP,と透気度AIR PERMEABILITY:APとにより構成されるので、それぞれMに対応するMP APをMにおいても同様に規定する。
Figure 0003602689
水蒸気の移動能力は、通過しなければならない膜における透湿度により制限されていると仮定することもできるので、この透湿度の値を使用して通過後における水蒸気の断熱変動を推定するものとする。
一方、透気度においては100ccが通過するに要する時間秒の逆数である、したがって、Mは100ccが時間の二乗についての単位平方メートルあたりの水蒸気圧力として参考として考察することができる。
膜1において
=((mV1/M)・R・T)/V
膜2において
=((mV2/M)・R・T)/V
膜3において
=((mV3/M)・R・T)/V
P=((m/M)・R・T)/V より各膜の通過後の条件を次のように通過前の条件により通過する膜の条件が支配され、さらに、透湿度に依存して制限されるものとするならば、前述した通過前および通過後の条件により次のように仮定することができる。
【0049】
膜1から膜2に通過する水蒸気が膜内部に蓄積せずにすべて通過しうるものと仮定し、通過経路において熱的変動が無いものと仮定すると、水蒸気の圧縮因子Zを用いて、透湿度の質量を水蒸気圧力に近似置換する。
水蒸気の圧縮率因子を示す図として、図42,43,44を示す。
図42は水蒸気その他の圧縮率因子を示すグラフで、ムーア物理化学上巻(第4版)1994年8月1日■東京化学同人社発行22頁の図1.9より抜粋したものである。
図43はZc=0.27(炭化水素類の平均的値)をもとに作図された、一般化圧縮率因子であり、図44は対臨界圧力の差に伴い補正されなければならない値を示し、工学のための物理化学1991年3月30日第1刷■朝倉書店80頁より抜粋したものである。
この圧縮因子は各物質により一律に定義されており、条件により図44,42,43のように変動する。
本実施例における測定結果の透明アクリル製函体における測定結果における最大値、最小値、平均値による臨界圧縮係数の算定例を数1,2,3,4に表示したが、各々ほぼ1.0を示している。
従って、圧力因子は各時間値にたいして算出しなければならないが、ここでは目安として同一測定の中で、最大値および最小値ならびに平均値を算定している。数1は函体内部の湿度降下が発生する場合の計算例、
数2は函体内部の湿度降下が遅い場合の計算例、
数3は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の計算例、
数4は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止された場合の計算例、
を示す。
ここで、
I1=((mVI1/M)・R・TI1)/VI1
O1=((mVO1/M)・R・TO1)/VO1
通過経路において、水蒸気が熱的変動を受けずさらに全量が膜1を通過した後に膜2を通過するものと仮定するならば、
I1=PO1
VI1/M=mVO2/M
また通過後の場所は膜2を通過する前となるので、
I2=((mVI2/M)・R・TI2)/VI2
I1=PO1=PI2
膜2を通過後の条件としては、
O2=((mVO2/M)・R・TO2)/VO2
これらの条件は、移動する条件を透湿度に支配されるものとするならば、
Figure 0003602689
Figure 0003602689
【0049】
以上の計算結果、各膜の通過仮定において発生する断熱現象を類推することができることになるが、この数値算定には透湿度の質量を水蒸気圧力に近似置換値を使用したものとして、容積比を使用して、仮定された断熱現象にともなう変動結果を表現する。
=((U×e)×M)/(100×R×T) より各部断熱仮定による、
各膜の通過後の温度を算定したグラフは、図41,45,46,47である。
図41は函体内部の湿度降下が発生する温度を示し、各部絶対湿度を図48に示す。
図45は函体内部の湿度降下が遅い場合の温度を示し、各部絶対湿度を図49に示す。
図46は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の温度を示し、各部絶対湿度を図50に示す。
図47は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の温度を示し、各部絶対湿度を図51に示す。
同様に後述する、温度による断熱仮定による、各膜の通過後の温度を求めた絶対温度のグラフは、図52,53,54,55である。
図52は函体内部湿度の降下が発生した場合を示し、図34はその温度を示す。
また、図56は水蒸気分圧を温度図34にて示したものである。
このときの移動係数k=N/(P −P ) N:膜部流束
N=(水蒸気の膜前後の質量変動)/(膜断面積の二乗×時間(秒))として、膜部の前後の水蒸気圧P、Pにより、移動係数kを求めた図が図57,58である。
図53は函体内部湿度の降下が遅い場合を示し、図36はその温度を示す。
また、図59は水蒸気分圧を温度図36にて示したものである。
このときの移動係数k=N/(P −P ) N:膜部流束
N=(水蒸気の膜前後の質量変動)/(膜断面積の二乗×時間(秒))として、膜部の前後の水蒸気圧P、Pにより、移動係数kを求めた図が図60,61である。
図54は外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合を示し、図38はその温度を示す。
また、図62は水蒸気分圧を温度図38にて示したものである。
このときの移動係数k=N/(P −P ) N:膜部流束
N=(水蒸気の膜前後の質量変動)/(膜断面積の二乗×時間(秒))として、膜部の前後の水蒸気圧P、Pにより、移動係数kを求めた図が図63,64である。
【0050】
図55は外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合を示し、図40はその温度を示す。
また、図65は水蒸気分圧を温度図40にて示したものである。
このときの移動係数k=N/(P −P ) N:膜部流束
N=(水蒸気の膜前後の質量変動)/(膜断面積の二乗×時間(秒))として、膜部の前後の水蒸気圧P、Pにより、移動係数kを求めた図が図66,67である。
また(ii)より
Figure 0003602689
O2=(MP×(TI1/VI1)×(VO2/ MP)において使用したMPは実際には[g/(m^2×sec)]なので、これを水蒸気質量として取り扱うものと仮定すると
Figure 0003602689
:MP測定時における圧力 標準大気圧1.013×10[Pa]
:MP測定時における容積
:MP測定時における温度 20℃
:MP測定時における圧力 標準大気圧1.013×10[Pa]
:MP測定時における容積
:MP測定時における温度 20℃
r :水蒸気の気体定数 0.46151 [ kJ/kg・K ]
r: 0.46151 [ kJ/kg・K ]
実際には各小室を通過する場合において温度影響を強く受け、断熱現象のみとしては説明することは不可能であるが、通気路を通過するときの温度変動速度における指標として活用することができる。
Lewisによる空気−水系における熱と物質の同時移動に関する式によれば、
/kHm≒C
:平均移動係数
Hm:絶対湿度差を推進力にとった平均物質移動速度[kg/(h・m・△γ)]
:空気の湿り比熱 [kJ/kg−dry air・K]
=C+Cγ
:湿り比熱 [kJ/(kg−dry air・K)
:乾き空気定圧比熱 [kJ/(kg・K)]
:水蒸気定圧比熱 [kJ/(kg・K)]
γ :湿り空気の混合比 [kg/(kg−dry air)]
=1.005+1.884 γ
■ 化学工学新版 化学工学会編集p181 槙書店■
このことから、移動量にたいして空気の湿り比熱がおよそ比例して考察されなければならないことがわかる。
γ:飽和混合比 [kg/(kg−dry air)]
Figure 0003602689
: 水のモル質量 18.01528×10−3[kg/mol]
: 空気の平均モル質量 28.9645×10−3[kg/mol]
ε : モル質量の比 M/M=0.62198
: 飽和水蒸気圧 [ Pa ]
AAV : 標準大気圧 標準大気圧 1.013×10[Pa]
空気のエンタルピー:iは
i=C(t−t)+(λ+C×(t−t))×γ[kJ/kg−dry air]
γにγを代入すれば、飽和エンタルピー:iが求められる。
=C(t−t)+(λ+C×(t−t))×γ
λ : 蒸発潜熱 [ kJ/kg ]
γ : 混合比 [ kg/kg−dry air ]
t : ある温度 [ ℃ ]
: 基準温度 [ ℃ ]
h=CPat+((0.622ΦP)/(100・P−ΦP))×(CPW・t+r
h : 湿り空気のエンタルピー [KJ/(乾き空気の質量[Kg]]
Pa: 空気の定圧比熱=1.005 [KJ/(Kg・K)]
t : 湿り空気の温度[℃]
Φ : 相対湿度 [%RH] (JIS表記では、Uを用いる。)
: 湿り空気の温度に対応する飽和水蒸気圧 [Pa](JIS表記では、e を用いる。)
P : 湿り空気の全圧 [Pa] 標準大気圧1.013×10[Pa]
PW: 水蒸気の定圧比熱=1.861 [KJ/(Kg・K)]
: 0℃の水の蒸発潜熱 2500 [KJ/Kg]
断熱飽和温度は、十分な量の水に空気が接触する場合、空気から水への伝熱量が全て水の蒸発だけに使われて、水の温度の変化は起こらないような温度のことである。
この関係は、
λ(γ−γ)=C (t−t
=1.005+1.884 γ
λ(γ−γ)=(1.005+1.884 γ)(t−t
t :基準となる温度 [ ℃ ]
:ある温度 [ ℃ ]
γ:ある温度における飽和混合比 [kg/(kg−dry air)]
γ :基準となる温度部の混合比 [kg/(kg−dry air)]
λ:温度tにおける蒸発潜熱 [ kJ/kg ]
γ :混合比 [kg/(kg−dry air)]
Figure 0003602689
: 水のモル質量 18.01528×10−3[kg/mol]
: 空気の平均モル質量 28.9645×10−3[kg/mol]
ε : モル質量の比 M/M=0.62198
Xv : 水蒸気圧 [ Pa ]
AAV : 標準大気圧 標準大気圧 1.013×10[Pa]
Figure 0003602689
:(t :B部における摂氏温度+ 273.15)
蒸発潜熱の近似式は、0℃から50℃までの最大誤差が0.025%の範囲内でλ=−2.3723t+2501.8(0≦t≦50)最大誤差0.025%
に従う。 これをλに代入し、温度(摂氏):tの関数に置換すると
Figure 0003602689
【0051】
そしてこの蒸発潜熱と同格の熱エネルギーを調整しうる要素は、通気路構造の、(導電性)高熱伝導速度性多孔体または小室壁であり、おおむね通過速度により影響は比例し、従って、小室/函体容積比により表される係数により、支配されることになる。
Figure 0003602689
Figure 0003602689
実際の現象とは異なるがPI1=PO2と仮定すると
O3=(TI1・(mVI1・VO3)) /(mVO3 ・VI1
さらに全量が膜1と膜2を通過したものとすると
O3=(TI1・VO3) /VI1
【0052】
以上の断熱仮定における、水蒸気の移動予測を行うために、断熱行程における各膜の通過前をI:inner(内側),通過後をO:outer(外側)として絶対湿度および水蒸気分圧ならびに前記仮定による移動係数により、プロットした前述の図が得られている。なお、膜部温度として、境界となる膜がそれぞれの空間によりはさまれた温度の平均値を示すものとして、たとえば第1膜では、函体温度と内側小室温度との平均値として、算定した。
函体内部の湿度下降を示す図55,56において、膜1(M1)と膜3(M3)つまりM1M3断熱仮定による値と、膜2(M2)と膜3(M3)つまりM2M3断熱仮定の間の中間値に、外気温度はさらに下降をとげているにもかかわらず、函体内部が到達し安定にいたっている。
この関係は、(函体内部の予測到達湿度)
=(((M1M3断熱仮定による予測値)
−(M2M3断熱仮定による予測値))/2)
+(M2M3断熱仮定による予測値)により見かけ上表される。これはM2とM3とが近似した透湿度×透気度値を有するためにこのように見えるものと考えられる。
経路行程方向の透湿度を用いて、使用する温度にたいして透湿度がpv=nRTに従い比例して透湿量を変化させるものとした場合において、進行方向におけるM1M2,M2M3,M1M3の断熱仮定による予測値にたいして、函体から外気への移動方向から、外気の断熱仮定値を示すM1M3(M1M2では外側小室の断熱仮定値を示すがおおむね外気と同等のものと仮定して評価し、,M2M3は外気の断熱仮定値を示す)からの加算として、
(函体予測安定湿度)=(M1M3)+(((M1M2)+(M2M3))/2)
となる。
また、移動速度について考察するならば、函体内部温度と各部の温度による断熱仮定による外気の露点(または予測温度)との間の交差として先に現れる水蒸気分圧の交差がどの時点で発生するかにより決定されることになる。
この結果を明瞭に示す図は、図34と図36に現れている。 勿論、断熱仮定による予測値を決定する温度は、小室温度および膜部温度により、主として支配される。
逆流(外気から函体内部への水蒸気侵入)の場合においても、温度変動速度により支配されていることがわかる。
図54において、外気から外側小室への水蒸気の侵入が、断熱仮定によるM2M3の断熱仮定による外気の絶対湿度と外気温度とが一致したところから逆流速度が遅くなる。
つまり、複数の小室により隔てられ近似した透湿度×透気度を有する膜が少なくとも2枚存在する部において、出入いずれにおいても緩衝作用があり、相対的に最も小さな透湿度でありかつ透湿度×透気度において最大値を有する第1膜により律速され移動速度が遅く変化する時点は、第1膜部の温度が第2および第3膜の前後による分圧差により律束をうけかつその主流束線の移動方向への水蒸気の移動の結果により第1膜部が露点に到達した時点にほぼ一致することになる。従って、各部容積、函体内部温度と各部の温度ならびに、受動的な外気温度条件により、前述した計算手法により、安定値の予測が可能となる。
一方、外気湿度が函体内部よりも高いのに函体内部の湿度上昇の抑制が生じている、図55,65においても、経路行程方向の透湿度を用いて、使用する温度に対して透湿度がpv=nRTに従い比例して透湿量を変化させるものとした場合において、進行方向におけるM1M2,M2M3,M1M3の断熱仮定による予測値にたいして、外気から函体への移動方向から、外気の断熱仮定値を示すM1M3(M1M2では外側小室の断熱仮定値を示すがおおむね外気と同等のものと仮定して評価し、M2M3は外気の断熱仮定値を示す)からの減算として、(函体予測安定湿度)=(M1M3)−(((M1M2)+(M2M3))/2)
となる。
【0053】
界面での物質移動は一般に界面を通してのbulk flowを含んでいる。物質移動速度が小さい間は境界を通して移動する計算に対してのみ重要であるが、移動速度が大きくなってくると、速度、温度、濃度分布が界面を通しての流れの速度に影響されるようになる。
面積Aの界面での摩擦係数f,伝熱係数h,物質移動係数kzは次式のように定義される。
kz=f・A・(1/2)V
F:Helmhotzの自由エネルギー
軸線方向の矢状断面において、図16,17,18に示すような膜部断面が略円錐状の場合には、臨界圧縮因子>1、>>1または<<1である場合には、小室/函体比に対して、水の蒸発潜熱 [ kJ/kg ]による影響が大きく
作用するので、函体側の水蒸気質量による圧力にたいして、下記の計算により円錐側面部に位置する膜部の圧力算出を行う必要がある。
一方、函体が小型で、臨界圧縮因子=1または≒1である場合には底面部にかけられる水蒸気圧力により概算することができるが、大型の函体においての円錐側面に位置する膜部の圧力の算出の目安とする式を下記に記載する。
また、静電力による摩擦を考慮する場合においても、下記式を目安として、圧力の静的釣り合いをもとに算出することができる。
図68は下記の算定部の説明をしめす模式図である。
Pc=PC1・sinα+PC2・cos・α
Pc : 円錐側面部に加えられる圧力 [ Pa ]
C1 : 円錐底面部における水平方向の圧力 [ Pa ]
C2 : 円錐底面部中心部における垂直方向の圧力 [ Pa ]
α : 円錐底面と円錐側面との角度
たとえば、温度上昇が発生した場合、その温度を保存する方向に作用させたほうが水蒸気の移動において都合がよいか否かにより、その小室における温度特性の決定を行う。
たとえば、雨の日に外気からの水蒸気流入を抑制するようにするために、通気路の露点下降により膜の微細孔を水滴により封鎖するようにすればこの進入は阻止される。
逆に晴天時において、外気側への水蒸気の排出を促進するためには、外気側への水蒸気の移動に伴う、露点上昇および水蒸気透過性を相対的に進行方向にたいして大きくした配列により、水蒸気の排出は促進される。
このような透過性の変動は前述したような水蒸気の移動方向を考慮した確率差を前提として配列されるが、主要な要素は透湿度ならびに透気度であり、この二者の組み合わせによる。
また、通気路において、この前提に従った微弱な変動部を設け、この部の温度変動を活用して、水蒸気の出入りを制御することもできる。
また、温度差による水蒸気の移動方向の制御が行われた場合、この速度は圧力変動方向に逆らわない範囲において、水蒸気の排出を徐々に行うことになり、この作用を併用することにより、能動的な水蒸気移動が可能となる。
ところが、本実施例において使用した表においては、透湿度は20℃ RH65%にて測定された数値であるから各温度ごとにおける透湿度によりこの計算を行う必要がある。
図71のMESHPLANEは、このような多孔体の位置差による、表面処理例を示す模式図である。 図中711または715は、小室壁を示し、図中712は膜および多孔体部面を示す。713は保温腔、または断熱体による小室支持部、714はフレーム外枠またはパネル外枠を示す。 また本図では小室壁は形状が直方体となっているが、温度速度勾配の設定に都合がよいようにするために、たとえば垂直壁に設定する場合には上下方向において、略台形断面とし、第2膜が第1膜または第3膜にたいして上部と下部の距離関係が異なるように設定してもよい。
図71のMESHPLANE 多孔体面の表面位置差処理例は、同一部における同一多孔体の表と裏の表面処理部を網掛けにより示し、そのの位置差を模式的に示した図である。
この例にあげられる例は、天井設定型を示すが、垂直壁に設定する場合には上下方向においてその表面処理の行われる位置を表と裏において任意に温度速度勾配に都合がよいように、変更してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば透気度と透湿膜の積又は比の値を違う透湿膜の配列と、透湿膜裏を撥水面とし、しかも導電性多孔体と加熱手段を使用することで水蒸気の移動方向性を強く与え、微小な電力で除湿・乾燥又はその逆の加湿させることができるものとした。可動部分もなく小型で安価に製作でき、しかもランニングコストもきわめて廉価にできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の使用状態を示す説明図である。
【図2】実施例の除湿装置の縦断面図である。
【図3】実施例の3枚の透湿膜の透気度を透湿膜とその積の値との値を示す説明図である。
【図4】実施例の透湿膜の構造を示す説明図である。
【図5】実施例の第2透湿膜の導電性多孔体とを示す説明図である。
【図6】実施例の透湿度および透気度の積の露点換算図である。
【図7】実施例の動作説明図である。
【図8】本発明の透湿膜の積差による水蒸気移動を示すモデル説明図である。
【図9】本発明の外気側が函体よりも低いときの函体内部と外気側からの平衡状態への移行モデル説明図である。
【図10】プラスチック函体における透湿膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
【図11】金属製函体における透湿度膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
【図12】金属製函体における透湿度膜の透湿度・透気度・積と水蒸気の流入し易さと断熱冷却傾向を示す説明図である。
【図13】本発明の防湿装置と使用する場合の透湿膜の配列を示す説明図である。
【図14】本発明の加湿装置として使用する場合の配列を示す説明図である。
【図15】回転磁性フィンを小室内に入れた例を示す説明図である。
【図16】本発明の他の実施形態例を示す説明図である。
【図17】本発明の他の実施形態例を示す説明図である。
【図18】本発明の他の実施形態例を示す説明図である。
【図19】ラミネートシートの図面である。
【図20】ラミネートシートの図面である。
【図21】JISの透湿度試験法の試験器を示す説明図である。
【図22】JISの透気度試験法の試験器を示す説明図である。
【図23】JISの透気度試験法の試験器を示す説明図である。
【図24】本発明の金属製函体を用いた他の実施例の構造を示す分解説明図である。
【図25】本発明のアクリル製(保温性)函体を用いた他の実施例の構造を示す分解説明図である。
【図26】表1,3の各膜の透湿度×透気度の対数による説明図である。
【図27】表1,3の膜1,2,3の透湿度×透気度説明図である。
【図28】表1,3の膜1,2,3の仮想露点説明図である。
【図29】表2,4の膜1,2,3の透湿度/透気度の対数による説明図である。
【図30】表2,4の膜1,2,3の透湿度/透気度説明図である。
【図31】表2,4の膜1,2,3の仮想露点説明図である。
【図32】透気度試験の内筒内の相対湿度の時間変化図である。
【図33】JISの透気度試験法における内筒内の微弱な温度勾配を示す赤外線撮影結果図である。
【図34】図25の実施例の温度変化図である。
【図35】図34,36,38,40における記号説明図である。
【図36】図25の実施例の温度変化図である。
【図37】図24の装置の屋外での膜3,2,1配列の温度変化図である。
【図38】断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図39】導電性多孔体の断面形状例を示す説明図である。
【図40】外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図41】膜通過後の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図42】圧縮因子Zと対臨界圧力の関係図である。
【図43】炭化水素類の平均的値をもとに作図された圧縮率因子説明図である。
【図44】補正因子D説明図である。
【図45】函体内部の湿度降下が遅い場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図46】外気から函体内部への水蒸気の侵入する場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図47】外気から函体への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた温度変化図である。
【図48】函体内部の湿度降下が発生する場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
【図49】函体内部の湿度降下が遅い場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
【図50】外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
【図51】外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の断熱仮定のプロットを加えた各部絶対湿度変化図である。
【図52】温度による断熱仮定による函体内部湿度の降下が発生した場合の各部絶対湿度変化図である。
【図53】温度による断熱仮定による函体内部湿度の降下が遅い場合の各部絶対湿度変化図である。
【図54】温度による断熱仮定による外気から函体内部への水蒸気の侵入する場合の各部絶対湿度変化図である。
【図55】温度による断熱仮定による外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合を示す各部絶対湿度変化図である。
【図56】函体内部湿度が降下する場合の温度による断熱仮定による水蒸気分圧変化図である。
【図57】函体内部湿度が降下する場合の膜部の前後の水蒸気圧P ,Pによる移動係数変化図である。
【図58】函体内部湿度が降下する場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pによる移動係数変化図である。
【図59】函体内部湿度の降下が遅い場合の水蒸気分圧変化図である。
【図60】函体内部湿度の降下が遅い場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
【図61】函体内部湿度の降下が遅い場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
【図62】外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の水蒸気分圧変化図である。
【図63】外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の移動係数変化図である。
【図64】外気から函体内部への水蒸気の侵入が発生する場合の膜部の前後の水蒸気圧P,Pにより求めた移動係数変化図である。
【図65】外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の水蒸気分圧変化図である。
【図66】外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の移動係数変化図である。
【図67】外気から函体内部への水蒸気の侵入が阻止される場合の移動係数変化図である。
【図68】水蒸気の帯電が問題となる場合の大型の函体においての円錐側面に位置する膜部の圧力計算説明図である。
【図69】図52,53,54,55における記号の説明図である。図中、絶対湿度の単位は[ kg/m ]である。
【図70】図56,59,62,65における記号説明図である。
【図71】導電性多孔体の表面位置差処置例を示す説明図である。
【図72】扁平な形状の水蒸気移動制御装置例を示す模式図である。
【図73】図41,45,46,47における記号説明図である。
【図74】図48,49,50,51における記号説明図である。図中、絶対湿】度の単位は[ kg/m ]である。
【図75】図57,60,63,66における記号説明図である。
【図76】図58,61,64,67における記号説明図である。
【符号の簡単な説明】
1 金属製函体
1a 空間
1c 底面
2 大気
3 通気路
3a 断熱外筒
3b 下部取付リング
3c キャップナット
3d 環状座金
3e アルミフレーム
3f 中筒
3g 吸熱体
3h 小室壁
3i 小室壁
3j 第1の透湿膜
3k 第2の透湿膜
3l 第3の透湿膜
3m 導電性多孔体
3n 発熱コイル
3o 防塵防虫ネット
3q 電気絶縁体
3r 断熱体
3s 太陽電池
3x 小室
3y 小室
3j1 PE多孔膜
3j2 特殊多孔膜
3j3 ナイロン系不織布
3k1 PE多孔膜
3k2 特殊多孔質膜室
3k3 ポリオレフィン系不織布
3l1 PE多孔質膜
3l2 特殊多孔質膜
3l3 ポリオレフィン系不織布
210 透湿カップ
211 膜
212 水
213 スクイーズパッキング
214 リング
215 ちょうナット
216 粘着テープ
220 試験器
221 内筒
222 外筒
223 試験片
224 水
225 アース線
240 アクリル製函体
241 通路
242 ぺルチェ素子
250 金属製函体
251 通路
252 ぺルチェ素子
390 導電性多孔体
391 波線
716 導電性多孔体
721 小室
722 膜
723 保温腔
724 外枠
725 小室壁

Claims (2)

  1. 温度の変動速度が異なる二つの温度変動する空間を断熱された通気路で連絡し、同通気路途中に鉛直を向いた裏面が撥水性を有し且つ防水性で通気性の透湿膜を複数個所以上所定間隔離して設け、同透湿膜でもって通気路途中に1つ以上の通気性のある小室を設け、小室内の空気を加熱する加熱手段を設け、同加熱手段で小室前後の通気路の空気温度に温度勾配を与えて水蒸気の空間間の移動方向性を高め、しかも透湿度/透気度の値が大きい方を温度変動速度が大きい空間側となるように透湿膜を配列する水蒸気移動制御装置。
  2. 透湿膜が絶縁性である請求項1記載の水蒸気移動制御装置。
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