JP3601861B2 - 加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺 - Google Patents

加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、長期体外循環に使用される中空糸膜型人工肺のガス交換能の経時的低下を改善するために用いる加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、操作性や安全性に優れた遠心ポンプ、患者に経皮的に挿入可能なカニューレ等の開発がなされ、酸素加性能、二酸化炭素除去性能が優れ、血液損傷の少ない中空糸膜型人工肺は、長時間にわたり心肺機能をサポートするV−Aバイパス等の体外補助循環に使用されるようになった。
【0003】
ところが、このような中空糸膜型人工肺においては、長時間使用すると経時的なガス交換能が低下するという問題点があった。すなわち、血液中の水分が中空糸膜を透過し、ガス中に流出し水蒸気となり、その水蒸気がガス導出部付近で外気により急激に冷却され、中空糸膜表面に付着して、ガス交換能を低下させる、いわゆるウエットラングと呼ばれる現象が現れる。
【0004】
これに対して、ガス導出部側のハウジング外壁面に温度保持手段を設けた中空糸膜型人工肺や中空糸膜のガス導出部側の隔壁に熱線を埋設した中空糸膜型人工肺が開発された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、温度保持手段を設けた人工肺は、単に、ガス導出口を形成するハウジング外壁面を発泡材により覆ったものであるので、保温効果を長時間維持することは困難である。また、熱線を隔壁に埋設した人工肺は、通電手段により熱線に電流を与え発熱させるものであるので、長時間にわたり加熱することは可能であるが、伝熱及び断熱効果が低いため温度を高く維持し続けなければならない。このため、長時間にわたり一定温度を維持すると、温度が高いため血液に影響を及ぼす恐れがある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、効果的に伝熱及び断熱することにより、ガス交換能の経時的な低下を回避し、長時間ウエットラング現象を防止することが可能な加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、本発明の加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺により達成される。
【0008】
すなわち、本発明の加温装置は、中空糸膜型人工肺に装着し、該人工肺のガス導出部を一定温度に保持するための加温装置であって、該ガス導出部付近を覆って、伝熱する伝熱部材と、該伝熱部材に接して設けられ、前記伝熱部材を加熱する加熱部材と、該加熱部材に電力を供給するための電源供給部と、前記加熱部材に接して設けられ、前記加熱部材に発生した温度を保持するための断熱部材とからなることを特徴とする。
【0009】
また、該加温装置は、前記伝熱部材、前記加熱部材及び前記断熱部材が積層されてなる有底筒状の形状であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記加温装置は、前記伝熱部材及び前記断熱部材が有底筒状の形状であり、前記加熱部材の一方面が前記断熱部材の内底面に接して位置し、他方面が前記伝熱部材の外底面に接して位置することが好ましい。
【0011】
また、前記加温装置は、前記人工肺の隔壁及びガス導出部を覆うように人工肺に装着するための人工肺装着部及び人工肺のガス導出口を装着するためのガス導出口装着部を備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明の加温装置を備えた中空糸膜型人工肺は、ハウジングと、該ハウジング内に収納された多数の多孔質中空糸膜と、該中空糸膜の両端部を前記ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、該隔壁と前記中空糸膜の外面と前記ハウジングの内壁とにより形成された血液室に連通する血液流入口及び血液流出口と、前記ハウジングの一端側に設けられ前記中空糸膜の内部と連通するガス導入口と、前記ハウジングの他端側に設けられ前記中空糸膜の内部と連通するガス導出口とからなる中空糸膜型人工肺であって、前記ハウジングの該ガス導出口側端部に、前記加温装置を備えることを特徴とする。
【0013】
【作用】
上記構成において、本発明の加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺は、加温装置を中空糸膜型人工肺の底面部に装着し、電源供給部より入力した電力により加熱部材を発熱させ、該加熱部材により伝熱部材を加熱し、該伝熱部材により中空糸膜型人工肺の底面部に熱を伝え、該人工肺のガス導出部を加温できる。一方、発熱した加熱部材の熱を断熱部材により断熱することができる。このため、長時間にわたり中空糸膜型人工肺を使用することを可能とする。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺を添付図面に示す好適な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0015】
最初に、本発明の加温装置について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係る加温装置の外観図であり、図2は、本発明の実施例に係る加温装置の断面図である。
【0016】
図において、本発明の加温装置1は、中空糸膜型人工肺のガス導出部付近を覆って伝熱する伝熱部材11と、伝熱部材11に接して設けられ伝熱部材11を加熱する加熱部材12と、加熱部材12に電力を供給するための電源供給部14と、加熱部材12に接して設けられ加熱部材12に発生した温度を保持するための断熱部材13とからなる。そして、伝熱部材11、加熱部材12及び断熱部材13は、積層されてなる。伝熱部材11及び断熱部材13は、有底筒状の形状であり、加熱部材12は、一方面が断熱部材13の内底面に接して位置し、他方面が伝熱部材11の外底面に接して位置する。さらに、加温装置1は、人工肺の隔壁及びガス導出部を覆うように人工肺を装着するための人工肺装着部15及び人工肺のガス導出口を装着するためのガス導出口装着部16を備えている。そして、加温装置1は、人工肺のガス導出部及び隔壁を覆う高さを有しているか、それ以上の高さを有している。また、人工肺装着部15は、中空糸膜型人工肺のガス導出側ポートの形状に合わせて形成され、ガス導出口装着部16は、中空糸膜型人工肺のガス導出口の位置に合わせて形成されている。
【0017】
そして、電源供給部14は、温度制御装置(図示せず)に接続されていて、温度制御装置は、通電手段(例えば、直流電源)より電流を導いて、所定の温度となるように電流を制御した後に、電源供給部14を介して加熱部材12に電力が供給されるように構成されている。そして、供給された電力により加熱部材12が発熱し、加熱部材12により伝熱部材11が加熱され、伝熱部材11により中空糸膜型人工肺のガス導出部及び隔壁の全体を加温する。一方、発熱した加熱部材12の熱を断熱部材13により断熱するように構成されている。このため、長時間にわたり中空糸膜型人工肺を使用することを可能とする。
【0018】
加温装置1の形状としては、人工肺のガス導出部及び隔壁を覆う形状であれば特に限定されるものではないが、人工肺のガス導出側ポートに合った形状であることが好ましく、具体的には有底筒状であることが好ましく、特に有底円筒状であることがより好ましい。
【0019】
伝熱部材11の材質としては、熱伝導率の高いものが好ましく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、アルミニウム合金、亜鉛合金等が挙げられが、軽重量で加工し易く、熱伝導率が高いことから、特にアルミニウムであることが好ましい。また、伝熱部材11の肉厚は、0.1mm〜100mm程度、好ましくは1.0mm〜5.0mm程度、特に好ましくは2.0mmであり、肉厚が0.1mm以下であると、強度に不安があり、100mm以上であると、加熱するための熱エネルギーを多く必要とし、効率的な伝熱ができずに経済的な負担がかかる。
【0020】
加熱部材12は、図に示すような人工肺の底面部と同様な形状であるものの他、人工肺のガス導出側ポートと同様な形状であるものでもよく、例えば、シリコンラバーヒーター、遠赤外線ヒーター、フィルム型ヒーター等が挙げられるが、薄いシート状で柔軟性に優れ、必要な形状に加工し易いことから、特にシリコンラバーヒーターを用いることが好ましい。また、加温装置1を小型化するため、加熱部材12の肉厚は、なるべく小さく、効率的に加熱できる省エネタイプであることが好ましく、具体的には0.5mm〜1.5mm程度の肉厚であることが好ましい。
【0021】
断熱部材13としては、熱伝導率が低く、熱の発散を防止できる材質であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子材料の発泡体等が挙げられるが、断熱効果が高く加工し易いことから、特に発泡ポリエチレンであることが好ましい。また、断熱部材13の肉厚は、0.1mm〜100mm程度、好ましくは1.0mm〜10mm程度、特に好ましくは5.0mmであり、肉厚が0.1mm以下であると、断熱効果が乏しく、熱の発散を充分に防止することが困難であり、100mm以上であると、加温装置1の大きさが大となり、人工心肺回路等の回路中に配置されている人工肺に取り付けにくい。
【0022】
温度制御装置は、人工肺のガス導出部の温度が、血液の温度と同じか或いはやや高く維持されるよに制御するものであり、例えば、加熱部材12に接続したクロメル・アルメル又は鉄・コンスタン等の熱電対、若しくは白金、ニッケル等の抵抗温度センサー等から発せられる信号をON/OFF動作や微動作、PDI動作等を制御方式とする。
【0023】
次いで、本発明の加温装置を備えた中空糸膜型人工肺について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施例に係る加温装置を備えた中空糸膜型人工肺の断面図である。
【0024】
図において、本発明の加温装置を備えた中空糸膜型人工肺4は、中空糸膜型人工肺2と加温装置1とからなり、中空糸膜型人工肺2は、ハウジング21と、ハウジング21内に収納された多数の多孔質中空糸膜22と、中空糸膜22の両端部をハウジング21の両端部に液密に固定する隔壁23,24と、隔壁23,24と中空糸膜22の外面とハウジング21の内壁とにより形成された血液室25に連通する血液流入口26及び血液流出口27と、ハウジング21の一端側に設けられ中空糸膜22の内部と連通するガス導入口28と、ハウジング21の他端側に設けられ中空糸膜22の内部と連通するガス導出口29とからなり、ハウジング21のガス導出部31側端部に、加温装置1を備えている。
【0025】
より具体的に説明すると、中空糸膜型人工肺2は、血液流入口26と血液流出口27と中間部に拘束部34を有するハウジング21と、ハウジング21内に軸方向に収納されたガス交換膜である中空糸膜22の集合体と、中空糸膜の両端部をハウジング21に液密に保持する隔壁23,24とを有し、ハウジング21内はガス室と血液室に区画され、ハウジング21の端部である一方側の隔壁23の上方には中空糸膜22の内部空間であるガス室に連通するガス導入口28を有するキャップ状のガス導入側ポート32と、他方側の隔壁24の下方に設けられ中空糸膜22の内部空間に連通するガス導出口29を有するキャップ状のガス導出側ポート33が取り付けられている。そして、ガス導入口28から導入されたガスは、隔壁23により形成されてなるガス導入部30よりガス室に流入し、血液室25の血液とガス交換を行って、隔壁24により形成されてなるガス導出部31より流出し、ガス導出口29から導出される。さらに、ガス導出側ポート33を覆うように、上述した加温装置1が装着されている。この加温装置1により、隔壁24からガス導出口29のガス流路を覆って、特にウエットラング現象の起こり易いガス導出部31の温度を一定に保っている。
【0026】
中空糸膜22としては、多孔質膜、拡散膜(例えば、シリコン)のいずれでもよいが、好ましくは多孔質膜である。多孔質中空糸膜としては、内径100〜1000μm、好ましくは10〜300μm、空孔率は、20〜80%、好ましくは30〜60%、また、細孔径は、0.05〜5μm、好ましくは0.01〜1μmのものが好ましく使用できる。さらに、多孔質膜に使用される材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート等の疎水性高分子材料が用いられ、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくは、ポリプロピレンであり、延伸法又は固液相分離法により壁に微細孔が形成されたものが好ましい。
【0027】
ハウジング21は、例えば、内部の確認が容易である透明体により形成され、ハウジング21内には、軸方向に向けて並列に約1,000〜50,000本の多数の中空糸膜22が収納されており、さらに、中空糸膜22は、ハウジング21にそれぞれの端部が開放された状態で、隔壁23,24により液密状態にて固定されて、ガス導入部30及びガス導出部31を形成している。また、隔壁23,24は、ポリウレタン、シリコーンゴム等のポッティング剤で形成され、ハウジング21内の隔壁23,24ではさまれた部分は、中空糸膜22の内部側のガス室と、中空糸膜22の外部側の血液室25とに仕切られている。
【0028】
そして、一方側の隔壁23の外側にはガス流入口28を有するガス導入側ポート32、他方側の隔壁24の外側にはガス流出口29を有するガス導出側ポート33が取り付けられており、これらは、締め付けリング又は、締め付けリングを用いずに各ポート32,33をハウジング21に超音波、高周波等を用いて融着、接着剤を用いて接着又は、機械的に嵌合されることにより取り付けられている。
【0029】
(実施例1)
図3に示す中空糸膜型人工肺2(加温装置を装着していない。)を用いて、実験用回路を作製し、炭酸ガス除去能とガス導入圧力の経時変化について測定を行った。
【0030】
本実施例では、中空糸膜として、内径が約200μm、空孔率が約40%、細孔径が約0.1μmのポリプロピレン製の中空糸を2000本用いた。また、ヘモグロビン濃度が12g/dl、温度37℃である牛血液を使用し、通常は、血液流量4.0l/min、ガス流量2.0l/minで実験用回路内を循環させ、測定直前からガスを含炭酸ガス窒素に変更し血液を静脈血化して、流量を4.0l/minとした。また、室温は一定温度(25℃)に保った。
【0031】
そして、循環開始直後、6時間後及び11時間後に、炭酸ガス除去能及びガス導入圧力の測定を行った。この結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003601861
【0033】
表1から、中空糸膜型人工肺は経時的に炭酸ガス除去能が低下することが解る。また、炭酸ガス除去能が低下するにしたがって、ガス導入圧力が増加していることが解る。これは、中空糸膜型人工肺のガス導出部において、ウエットラング現象により、中空糸内部に結露水が滞留したことに起因すると考えられる。
【0034】
(実施例2)
図3に示す本発明の加温装置を備えた中空糸膜型人工肺4を用いて、実験用回路を作製し、ガス導入圧力の経時変化について測定を行った。
【0035】
本実施例では、中空糸膜型人工肺2として、実施例1で用いた人工肺と同様なものを使用し、また、加温装置1として、図1に示すような、アルミニウム製の肉厚が2.0mmの伝熱部材11と、電源供給部14を介して温度制御装置に接続されておりシリコンラバーヒーターからなる加熱部材12と、発泡ポリエチレン製の肉厚が5.0mmの断熱部材13とからなるものを使用した。なお、加熱部材12の温度は、37℃に設定した。また、血液よりも飽和水蒸気となり易い蒸留水を循環液として使用し、血液側に温度37℃、流量4.0l/minで循環させ、ガス側には空気を流量4.0l/minで循環させた。また、室温は一定温度(25℃)に保った。
【0036】
そして、循環開始直後及び6時間後に、ガス導入圧力の測定を行った。この結果を表2に示す。
【0037】
(比較例)
図4及び図5に示す中空糸膜型人工肺5,6を用いて、実施例2と同様な条件で、ガス導入圧力の経時変化について測定を行った。
【0038】
ここで、図4及び図5を参照して、比較例の中空糸膜型人工肺について説明する。図4は、本発明の比較例に係る断熱部材のみを備えた中空糸膜型人工肺の断面図であり、図5は、本発明の比較例に係る加熱部材及び断熱部材を備えた中空糸膜型人工肺の断面図である。
【0039】
比較例1の人工肺は、実施例1の人工肺2と同様なもので、図3に示す中空糸膜型人工肺(加温装置を装着していない。)である。このため、比較例1については、特に詳しく説明をしない。次いで、比較例2の断熱部材のみを備えた中空糸膜型人工肺5は、図4に示すように、断熱部材51のみを実施例1の人工肺2に装着したものである。そして、断熱部材51は、実施例2の断熱部材13と同様、発泡ポリエチレン製で肉厚が5.0mmのものであり、人工肺2のガス導出側ポート33を覆うように装着されている。次いで、比較例3の加熱部材及び断熱部材を備えた中空糸膜型人工肺6は、図5に示すように、加熱部材61及び断熱部材62を実施例1の人工肺2に装着したものである。そして、加熱部材61は、ガス導出部31側の隔壁24の周囲を覆うようにして人工肺2に装着され、外部から供給された電流によりガス導出部31を加熱する。また、断熱部材62は、実施例2の断熱部材13及び比較例2の断熱部材51と同様なもので、人工肺2のガス導出側ポート33を覆うように装着され、加熱部材61が発熱した熱を断熱する。また、加熱部材61としては、フィルム型ヒーターを用いて温度を42℃に設定した。
【0040】
そして、比較例1、比較例2及び比較例3に係る中空糸膜型人工肺を用いて、実施例2と同様にして、ガス導入圧力の経時的に測定を行った。この結果を実施例2と共に、表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003601861
【0042】
表2からも明らかなように、実施例2の中空糸膜型人工肺4は、循環開始直後と循環開始6時間後との圧力差がないことから、本発明の加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺4は、ガス交換能の経時的な低下がなく、長時間ウエットラング現象を防止できることがわかる。一方、比較例1の加温装置を装着していない人工肺2は、30mmHOの圧力が増加していることから、ガス交換能が経時的に低下していることは明らかである。また、比較例2の断熱部材のみを備えた人工肺5においても、16mmHOの圧力増加が確認できることから、断熱部材のみでは長時間ウエットラング現象を防止することは困難であることがわかる。また、比較例3の加熱部材及び断熱部材を備えた人工肺6は、加熱部材61の温度を循環液の温度よりも5℃高く設定したにもかかわらず、8mmHOの圧力増加が確認された。これにより、比較例3の人工肺6においては、加熱部材の位置が適所でなく、また伝熱部材を用いていないため、加熱部材で発熱した熱が効果的にガス導出部に伝わらなかったことがわかる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加温装置及びそれを備えた中空糸膜型人工肺によれば、本発明の加温装置を中空糸膜型人工肺のガス導出部側の底面部に装着することにより、加熱部材により発熱した熱が伝熱部材により、効果的に人工肺のガス導出部に伝熱され、一方、加熱部材により発熱した熱が断熱部材により、効果的に断熱されるので、ガス交換能の経時的な低下を回避でき、長時間ウエットラング現象を防止できる。また、本発明の加温装置は、ディスポーザブルである中空糸膜型人工肺から取り外して、複数回にわたって使用することができるので、人工肺に取り付けられたものと比較するとコストが低減できる。
【0044】
また、本発明の加温装置は、伝熱部材、加熱部材及び断熱部材が積層されてなる有底筒状の形状であることにより、より効果的に伝熱及び断熱できるので、長時間ウエットラング現象を防止できる。
【0045】
さらに、本発明の加温装置は、伝熱部材及び断熱部材が有底筒状の形状であり、加熱部材が一方面が断熱部材の内底面に接して位置し、他方面が伝熱部材の外底面に接して位置することにより、より効果的に伝熱及び断熱できるので、長時間ウエットラング現象を防止できる。
【0046】
また、本発明の加温装置は、人工肺の隔壁及びガス導出部を覆うように人工肺に装着するための人工肺装着部及び人工肺のガス導出口を装着するためのガス導出口装着部を備えることにより、より効果的に伝熱及び断熱できるので、長時間ウエットラング現象を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る加温装置の外観図である。
【図2】本発明の実施例に係る加温装置の断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る加温装置を備えた中空糸膜型人工肺の断面図である。
【図4】本発明の比較例に係る断熱部材のみを備えた中空糸膜型人工肺の断面図である。
【図5】本発明の比較例に係る断熱部材及び加熱部材を備えた中空糸膜型人工肺の断面図である。
【符号の説明】
1 加温装置
11 伝熱部材
12 加熱部材
13 断熱部材
14 電源供給部
15 人工肺装着部
16 ガス導入口装着部
2 中空糸膜型人工肺
21 ハウジング
22 中空糸膜
23,24 隔壁
25 血液室
26 血液流入口
27 血液流出口
28 ガス導入口
29 ガス導出口
30 ガス導入部
31 ガス導出部
32 ガス導入側ポート
33 ガス導出側ポート
34 拘束部
4 加温装置を備えた中空糸膜型人工肺
5 断熱部材のみを備えた中空糸膜型人工肺
6 加熱部材及び断熱部材を備えた中空糸膜型人工肺

Claims (5)

  1. 中空糸膜型人工肺に装着し、該人工肺のガス導出部を一定温度に保持するための加温装置であって、
    該ガス導出部付近を覆って、伝熱する伝熱部材と、
    該伝熱部材に接して設けられ、前記伝熱部材を加熱する加熱部材と、
    該加熱部材に電力を供給するための電源供給部と、
    前記加熱部材に接して設けられ、前記加熱部材に発生した温度を保持するための断熱部材とからなることを特徴とする加温装置。
  2. 前記伝熱部材、前記加熱部材及び前記断熱部材が積層されてなる有底筒状の形状であることを特徴とする請求項1に記載の加温装置。
  3. 前記伝熱部材及び前記断熱部材が有底筒状の形状であり、前記加熱部材の一方面が前記断熱部材の内底面に接して位置し、他方面が前記伝熱部材の外底面に接して位置することを特徴とする請求項1または2に記載の加温装置。
  4. 前記人工肺の隔壁及びガス導出部を覆うように人工肺に装着するための人工肺装着部及び人工肺のガス導出口を装着するためのガス導出口装着部を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の加温装置。
  5. ハウジングと、該ハウジング内に収納された多数の多孔質中空糸膜と、
    該中空糸膜の両端部を前記ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、
    該隔壁と前記中空糸膜の外面と前記ハウジングの内壁とにより形成された血液室に連通する血液流入口及び血液流出口と、
    前記ハウジングの一端側に設けられ前記中空糸膜の内部と連通するガス導入口と、
    前記ハウジングの他端側に設けられ前記中空糸膜の内部と連通するガス導出口とからなる中空糸膜型人工肺であって、
    前記ハウジングの該ガス導出口側端部に、請求項1ないし4のいずれかに記載の加温装置を備えることを特徴とする中空糸膜型人工肺。
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