JP3597892B2 - 人工肺および熱交換器付人工肺 - Google Patents

人工肺および熱交換器付人工肺 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、体外血液循環において、血液中の二酸化炭素を除去し、酸素を添加するための中空糸膜型人工肺に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工肺は大別して気泡型と膜型に分類される。最近では、気泡型人工肺に比して、溶血、蛋白質変性、血液凝固等の血液損傷が少ない膜型人工肺、例えば、多孔質合成樹脂製膜を使用した中空糸膜型人工肺が多用されている。
この中空糸膜型人工肺は、中空糸膜の片面側に酸素を供給し、他面側に血液を供給して、中空糸膜を介して酸素と二酸化炭素とのガス交換を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この形式の人工肺では、室温が血温より低い場合、人工肺内を流れたガスは血液によって加温された状態で中空糸膜端部(隔壁端面)より流出し、端部付近にて外気と接触するため、ガス中の水蒸気が結露するいわゆるウェットラング現象が発生することがある。この結露した水は中空糸膜を部分的に閉塞し、酸素加能を低下させる。特に、この現象は、血液温度を低下させて行う低体温手術法における復温時によく発生する。また、低体温手術法における手術時では、室温が血液温より高い状態となる。この状態では、人工肺内を流れたガスは血液温により冷却されて隔壁端部より流出し、隔壁端部にて外気に接触することにより加温されることになる。この場合ウエットラング現象は生じないが、隔壁端部におけるこのようなガスの温度変化は好ましいものではない。
【0004】
そこで、本発明の目的は、人工肺のガス流出部における状況に応じた温度調整ができ、ウェットラング現象の発生などを防止でき、長時間使用しても酸素加能が低下しない人工肺および熱交換器付人工肺を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、血液流入口と血液流出口を有するハウジングと、該ハウジング内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束と、該中空糸膜束の両端部を前記ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記一方の隔壁の外側に形成されたガス流入部と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記他方の隔壁の外側に形成されたガス流出部と、熱媒体導入部と熱媒体導出部とを有し、前記ガス流出部からのガスの流出を阻害することなく前記ガス流出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部とを有する人工肺である。
【0006】
また、前記熱媒体流通部を流通する熱媒体は、熱媒体の加温および冷却機能を備えた熱媒体供給装置より供給されるものであることが好ましい。また、前記熱媒体流通部は、前記ガス導出部形成部材の側壁内に形成されていてもよい。また、前記熱媒体流通部は、前記熱媒体を螺旋状に流通させる螺旋状流路を有していることが好ましい。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、中空糸膜型人工肺と熱交換器を備えた熱交換器付人工肺であって、人工肺は、血液流入口と血液流出口を有する人工肺ハウジングと、該人工肺ハウジング内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束と、該中空糸膜束の両端部を前記人工肺ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記一方の隔壁の外側に形成されたガス流入部と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記他方の隔壁の外側に形成されたガス流出部と、熱媒体導入部と熱媒体導出部とを有し、前記ガス流出部からのガスの流出を阻害することなく前記ガス流出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部とを有し、前記熱交換器は、血液流通室と、該血液流通室と熱交換用管体を介して接触する熱媒体流通室と、前記血液流通室と連通する血液流入ポートおよび血液流出ポートと、前記熱媒体流通室と連通する熱媒体流入ポートおよび熱媒体流出ポートとを備えている熱交換器付人工肺である。
【0008】
そして、前記熱交換器の前記熱媒体流出ポートと前記人工肺の前記熱媒体流入部もしくは前記人工肺の前記熱媒体流出部と前記熱交換器の前記熱媒体流入ポートは接続されていることが好ましい。また、前記熱交換器の血液流出ポートと前記人工肺の血液流入ポートもしくは前記人工肺の血液流出部と前記熱交換器の前記血液流入ポートは接続されていることが好ましい。
【0009】
【作用】
本発明の中空糸膜型人工肺では、ガスが外気と接触する部位であるガス導出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部を設けたので、室温と血温に差がある場合にこの熱媒体流通部に加温もしくは冷却した熱媒体を流通させることにより、血液の温度により加温もしくは冷却されたガスがそのままの温度で外気に接触することを防止でき、例えば、中空糸膜束の端部付近に水蒸気が結露して生じるウェットラング現象の発生を防止でき、長時間使用しても酸素加能が低下することがない。
【0010】
そこで、本発明の熱交換器付人工肺1を、図1ないし図5を用いて説明する。図1は、本発明の熱交換器付中空糸膜型人工肺の一実施例の正面図であり、図2は、図1に示した熱交換器付中空糸膜型人工肺の左側面図であり、図3は、図1のA−A線断面図であり、図4は、図2のB−B線断面図であり、図5は、図2のC−C線断面図である。
【0011】
この実施例の熱交換器付中空糸膜型人工肺1は、人工肺部と熱交換器部を備えている。
人工肺部は、血液流入口6と血液流出口7を有する人工肺ハウジング2と、人工肺ハウジング2内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束3と、中空糸膜束3の両端部を人工肺ハウジング2の両端部に液密に固定する隔壁4a,4bと、中空糸内部と連通し、かつ一方の隔壁4aの外側に形成されたガス流入部9と、中空糸内部と連通し、かつ他方の隔壁4bの外側に形成されたガス流出部10と、熱媒体導入部11と熱媒体導出部12とを有し、ガス流出部10からのガスの流出を阻害することなくガス流出部10の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部13を有している。
【0012】
具体的には、この人工肺は、人工肺ハウジング2と、人工肺ハウジング2内に挿入された多数の多孔質中空糸膜からなる中空糸膜束3と、中空糸膜束3の両端部を人工肺ハウジング2の両端部に液密に固定する隔壁4a,4bと、人工肺ハウジング2の両端部付近にそれぞれ設けられ、中空糸膜の外面と人工肺ハウジング2の内面と隔壁4a,4bの内側面とにより形成される血液流通室5に連通する血液流入部6および血液流出部7と、人工肺ハウジング2の両端部にそれぞれ設けられ、中空糸膜の内面と人工肺ハウジング2の内面と隔壁4a,4bの外側面とにより形成されるガス流通室と連通するガス導入部9およびガス導出部10と、ガス導出部10付近に設けられ、熱媒体導入部11と熱媒体導出部12とを有する熱媒体流通部13とを有し、熱交換器20と一体的に成形された中空糸膜型人工肺である。
【0013】
なお、人工肺としては、このような多孔質中空糸膜を用いたものに限られず、例えば、シリコーンなどのガス透過性を有する拡散中空糸膜を用いたものでもよい。
【0014】
熱交換器部は、血液流通室と、血液流通室と熱交換用管体26を介して接触する熱媒体流通室29と、血液流通室と連通する血液流入ポート21および血液流出ポート22と、熱媒体流通室26と連通する熱媒体流入ポート23および熱媒体流出ポート24とを備えている。
【0015】
具体的には、熱交換器20は、血液流入ポート21と、血液流出ポート22と、熱媒体流入ポート23と、熱媒体流出ポート24とを有する熱交換器ハウジング25と、熱交換器ハウジング25内に収納された複数の熱交換用管体26と、熱交換用管体26の両端部を熱交換器ハウジング25の内面に液密に固着する熱交換器内隔壁27a,27bと、熱交換器ハウジング25内に形成され、血液流入ポート21および血液流出ポート22と連通し、管体26の外面と熱交換器ハウジング25の内面と熱交換器内隔壁27a,27bの内側面により形成された血液流通室28と、熱媒体流入ポート23および熱媒体流出ポート24と連通し、管体26内部により形成された熱媒体流通室29とを有している。熱交換器20の熱媒体流出ポート24と中空糸膜型人工肺1の熱媒体導入部11は接続され、熱媒体流通部12を流通する熱媒体は熱交換器20より供給されるものである。熱交換器の血液流出ポート22は人工肺の血液流入部6と接続チューブ40により接続されている。
【0016】
なお、熱交換器としては、このような熱交換用管体の内部に血液が流れるタイプ(血液内部灌流型)のものに限定されず、熱交換器用管体の外側に血液が流れるタイプ(血液外部灌流型)のものであってもよい。また、熱交換器付人工肺としては、上記のように熱交換器を血液が通過した後、人工肺に流入するタイプのものに限られず、人工肺を血液が通過した後に、熱交換器を通過するものであってもよい。この場合、人工肺の血液流出部と熱交換器の前記血液流入ポートが接続されている。また、上記のように熱交換器を熱媒体が通過したのちに、人工肺の熱媒体流通部に流入するタイプのものに限られず、人工肺の熱媒体流通部を熱媒体が通過した後に、熱交換器に流入するタイプのものであってもよい。この場合、人工肺の熱媒体流出部と熱交換器の熱媒体流入ポートが接続される。
以下、熱交換器付人工肺1の各構成を順次説明する。
【0017】
人工肺ハウジング2は、筒状体に形成されており、図3に示すように内部に中空糸膜束3を収納し、図1または図2に示すように、血液流入部6、血液流出部7、ガス導入部9、ガス導出部10、さらに熱媒体流通部13を有している。
ハウジング2の形成材料としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブチレン−スチレン共重合体など種々のものが使用できる。特に好ましくは、ポリカーボネート、アクリル樹脂・ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル樹脂である。
【0018】
人工肺ハウジング2の内部に収納された中空糸膜束3は、多数の中空糸膜からなり、中空糸膜は中空糸膜壁を貫通する多数の微細孔を有している。中空糸膜はこの微細孔を介してO添加およびCO除去を行うことができ、いわゆるガス交換膜として機能する。中空糸膜としては、肉厚が5〜80μm、好ましくは10〜60μm、空孔率20〜80%、好ましくは30〜60%、微細の孔径が0.01〜5μm、好ましくは0.01〜1μm程度、内径が100〜1000μm、好ましくは100〜300μmのものが好適に使用される。
【0019】
中空糸膜を形成する材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート等の疎水性高分子が使用でき、好ましくは、疎水性高分子であり、特に好ましくは、ポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくは、ポリプロピレンである。具体的には、延伸法または固液相分離法などにより微細孔を形成させたポリプロピレン製中空糸膜が望ましい。
【0020】
中空糸膜は、人工肺ハウジング2内部を全体に広がって、10,000〜80,000本収納されている。中空糸膜の両端部は、それぞれ端面開口が閉塞されない状態で隔壁4a,4bにより人工肺ハウジング2の端部に液密に固着されている。
【0021】
隔壁4a,4bは、中空糸膜束3を液密に固着すると共に、人工肺ハウジング2内を、中空糸膜の外面と人工肺ハウジング2の内面と隔壁4a,4bの内側面とにより形成される血液流通室5と、中空糸膜の内部に形成されるガス流通室とに区画している。隔壁4a,4bを形成する材料としては、高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム)などが好適に使用できる。
【0022】
人工肺ハウジング2の上部または下部には、図2に示すように、血液流通室5と連通する血液流入部6および血液流出部7がそれぞれ設けられており、血液流入部6は、熱交換器20の血液流出ポート22と接続チューブ40を介して連結されている。そして、熱交換器20の血液流出ポート22から流出した血液は、接続チューブ40、血液流入部6を介して、血液流通室5(具体的には、中空糸膜の外面と人工肺ハウジング2の内面と隔壁4a,4bの内側面とにより形成される空間)を流通し血液流出部7の血液流出口7aより外部に流出するように構成されている。
【0023】
人工肺ハウジング2の上下端付近には、ガス流通室と連通するガス導入部9、ガス導出部10がそれぞれ設けられている。そして、ガス導入部9から導入された酸素ガスは、ガス流通室(中空糸膜の内部空間)を経てガス導出部10に流入し、ガス導出口10aより排出される。酸素ガスは、ガス流通室が血液処理部を形成しているため、中空糸膜内を通過する間に、中空糸膜の外側を流れる血液に対しO添加およびCO除去を行う。
【0024】
人工肺ハウジング2の下部付近には、図4に示すように、ガス導出部10のガス導出口を除くほぼ全体を被包(取り囲む)するように熱媒体流通部13が設けられている。熱媒体流通部13は、熱媒体導入部11と熱媒体導出部12を有しており、熱媒体導入部11より熱媒体(例えば、温水または冷水)を導入し、熱媒体流通部13内を流通させ、熱媒体導出部12より排出できるように構成されており、ガス導出部10の温度調整を行うことができる。なお、ガス導出部10に連通するガス導出口10aは、図5に示すように、熱媒体流通部13の外壁の一部を貫通して外部と連通している。本発明の中空糸膜型人工肺1は、このような熱媒体流通部13を有しており、室温と血温に差がある場合でも、熱媒体流通部13に熱媒体を流通させることにより、ガス導出部10を加温または冷却することができるので、任意に加温、冷却ができ中空糸膜束の端部付近に水蒸気が結露してウェットラングが生じることがなく、長時間使用しても酸素加能が低下しない。
【0025】
また、この実施例の中空糸膜型人工肺1は、図4に示すように、熱交換器20の熱媒体流出ポート24と熱媒体導入部11とが接続チューブ41を介して連結されており、熱媒体が熱交換器20から供給されるように構成されている。これにより、熱交換器20を流通した熱媒体が熱媒体流通部13を流通するので、血液の温度とガス導出部10内のガスの温度をほぼ同一に保つことができ、温度管理の一元化が可能となり、体外循環時における熱交換器付人工肺の全体での血液およびガスの温度管理が行え、ガスおよび血液に急激な温度変化が生じることを防止できる。また、独立した熱媒体供給装置が不要であるため、構造もより簡易なものとなる。
【0026】
さらに、この実施例の中空糸膜型人工肺1は、上部に熱交換器20が一体的に設けられている。
熱交換器ハウジング25の形状は、円筒状、多角筒状などの形状に形成されるが、好ましくは円筒状である。この実施例の熱交換器ハウジング25は、図2に示すように、上下端および両側端が開口した筒状本体25aと、両側端の開口に取り付けられたヘッダー30a,30bとから形成されている。そして、下端開口部には人工肺が取り付けられ、上端開口には貯血槽が取り付け可能な構造となっている。
【0027】
筒状本体25aは、図1に示すように、側部の相対する位置に熱媒体流入ポート23および熱媒体流出ポート24を有している。そして、筒状本体3の内部には、図3に示すように、内部に熱交換室を形成する外筒部31が設けられている。具体的にはこの実施例の外筒部31は、水平方向に横たわる円筒状に形成されている。
【0028】
外筒部31内には、後述する熱交換用管体26を収納するための内筒部32が設けられており、この内筒部32の外面と外筒部31の内面との間には、熱媒体流入部および熱媒体流出部が形成されている。
内筒部32は、一端が後述する熱交換器内隔壁27b内に位置し、他端が自由端、言い換えれば、熱交換器内隔壁27aとの間に間隙を有するように形成されている。そして、この他端と隔壁27aとの間の間隙を熱交換用媒体が流通可能に形成されている。
【0029】
また、この実施例の外筒部31の内部には、図4に示すように、内部を二分する区画板31aが設けられている。区画板31aは、内筒部32内を二分しており、一端が自由端、言い換えれば、隔壁27bとの間に間隙を有するように、また他端が隔壁27a内に位置するように形成されている。そして、このような区画板31aおよび前述した内筒部32の構造により、熱交換用媒体が、内筒部32内部全体を折り返すように流れるような流路が形成され、滞流防止が図られるとともに、熱交換器ハウジング25内に長い熱交換媒体の流路を形成している。
【0030】
ヘッダー30a,30bは、筒状本体25aの両側端に、溶剤を用いた接着、高周波、超音波、誘導加熱などを用いた融着によりそれぞれ固着されている。そして、その液密状態を保持するために、ヘッダー30の内部と熱交換器内隔壁27との間には、図3に示すように、Oリング33が取り付けられている。さらに、この実施例では、ヘッダー30aには、血液流入ポート21が形成されており、ヘッダー30bには、血液流出ポート22が形成されている。ただし、血液流入ポート21および血液流出ポート22は、必ずしもヘッダー30に形成されている必要はなく、筒状本体25aに形成されていてもよい。また、熱媒体流入ポート23および熱媒体流出ポート24がヘッダー30に形成されていてもよい。なお、熱交換器ハウジング25を形成する材料としては、人工肺ハウジング2の形成材料と同様のものが好適に使用できる。
【0031】
内筒部32内には、図3に示すように複数の熱交換用管体26が水平方向に収納されている。
熱交換用管体26は、内部に血液または熱交換用媒体を流すためのものである。この実施例の熱交換器20は内部灌流式熱交換器であるため、管体26の内部には血液が流れる。熱交換器20を外部灌流式の熱交換器とした場合は、熱媒体流出ポートとなる血液流出ポート22と人工肺1の熱媒体導入部11とを連結する。
【0032】
熱交換用管体26としては、熱伝導率の高い金属管(例えば、ステンレス管、アルミ管、銅管)が好適に使用できる。管体26の内径は、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmであり、このような管体26が、約100本〜2000本、好ましくは、約20本〜1000本の細管束に形成され、熱交換器ハウジング25内(この実施例では、内筒部32内)に収納されている。管体26相互の距離としては、管体26の外径、内筒部32の内径などにより異なるが、0.1mm〜10mm、好ましくは0.5mm〜5mm程度である。
熱交換用管体26の両端部は、端面を閉塞しない状態で熱交換器内隔壁27a,27bにより、熱交換器ハウジング25の内面に液密に固着されている。熱交換器内隔壁27を形成する材料としては、前述した人工肺1の隔壁4と同様の形成材料が使用される。
【0033】
そして、熱交換器内隔壁27a,27bにより、熱交換器ハウジング25内(具体的には、外筒部31内)は、血液流入ポート21および血液流出ポート22と連通する血液流通室28と、熱媒体流入ポート23および熱媒体流出ポート24と連通する熱媒体流通室29とに区画される。
具体的には、血液流通室28は、図3に示すように、隔壁27の外側面および管体26内により形成され、血液流入ポート21および血液流出ポート22と連通している。他方、熱媒体流通室29は、隔壁27の内側面、外筒部31の内面および管体26の外壁面により形成されている。そして、血液は血液流入ポート21より流入して、管体26内を経て血液流出ポート22より流出する。他方、熱媒体は熱媒体流入ポート23より流入して、熱媒体流入部23a、内筒部32内、熱媒体流出部24aを経て熱媒体流出ポート24より流出する。
【0034】
そして、熱交換器20は体外循環回路中に設けられ、熱交換器20の血液流入ポート21から流入した血液は、図3に示すように、熱交換器内隔壁27の外側面とヘッダー4の内面とで形成される空間および管体26内で形成される血液流通室28を流通し、血液流出ポート22より流出する。より具体的には、図中右側のヘッダー30aに設けられた血液流入ポート21より流入した血液は、管体26内を通り、左側のヘッダー30bに設けられた血液流出ポート22より流出する。他方、熱媒体流入ポート23より流入した熱媒体は、図4に示すように、熱交換器内隔壁27の内側面、内筒部32内面および管体26の外壁面で形成される熱媒体流通室29を通過し、熱媒体流出ポート24より排出される。
そして、その間に、管体26の内部を流れる血液は、管体26を介して熱媒体と接触し、管体26の外部を流れる熱媒体の温度により、加温あるいは冷却される。
【0035】
つぎに、図6及び図7に示した本発明の他の実施例について説明する。この実施例の中空糸膜型人工肺30と、前述した中空糸膜型人工肺1との相違は、人工肺30の熱媒体流通部13に供給される熱媒体を、独立した熱媒体供給装置(図示せず)から得る構造となっている点のみであり他は同じである。したがって、図6および図7に示すように、この実施例の熱媒体導入部11は、熱媒体供給装置と連結可能なポート11aを有している。このように、本発明の中空糸型人工肺は、熱媒体を独立した熱媒体供給装置(図示せず)により供給するものであってもよい。
【0036】
さらに、図8および図9に示した本発明の他の実施例について説明する。この実施例の中空糸膜型人工肺50と、前述した熱交換器付人工肺1との相違は、人工肺50が熱交換器を備えていない点のみであり他は同じである。このように、本発明の中空糸型人工肺には、人工肺単独のものであってもよい。なお、熱媒体の供給は、体外循環時に使用される熱交換器により行ってもよく、また、独立した熱媒体供給装置により行ってもよい。
【0037】
さらに、図10に示した本発明の他の実施例について説明する。この実施例の中空糸膜型人工肺60と、前述した中空糸膜型人工肺50との相違は、人工肺60の熱媒体流通部13が、ガス導出部10を形成する側壁51内に設けられている点および熱媒体流通部が螺旋状の流路を備える点であり他は同じである。
具体的には、ガス導出部形成部材は、内部にガス導出部を形成するとともに、側壁内に熱媒体流通部を備え、また、側壁にはこの熱媒体流通部と連通する熱媒体導入部11および熱媒体導出部12を備えている。さらに、この実施例の熱媒体流通部13は、側壁51内にガス導出部10の周りを取り巻くように形成された螺旋状流路であり、熱媒体は側壁51の図中右上に設けられた熱媒体導入部11より流入し、螺旋状流路を流れ、図中左下に設けられた熱媒体導出部12より排出されるように構成されている。この実施例は熱媒体流通部13がこのような螺旋状流路により形成されており、熱媒体がガス導出部10の周りを均一に流れ流通部13内で滞留することがないので、ガス導出部10内をほぼ均一な温度とすることができる。なお、熱媒体の供給は、隣接される熱交換器により行ってもよく、また、独立した熱媒体供給装置により行ってもよい。
【0038】
(実施例)
熱交換流通部をガス導出部付近に有する図1に示すような形状の熱交換器付中空糸膜型人工肺を作製した。
(比較例)
熱交換流通部を有しないことの他は、実施例と同様の熱交換器付中空糸膜型人工肺を作製した。
【0039】
(実験)
上記実施例および比較例の人工肺を用いて、血液ガス交換能を測定した。
測定は、中空糸膜型人工肺の血液流入口より新鮮なヘパリン加牛血(ヘマトクリット値を生理食塩水により35%に調整,ヘモグロビン濃度12±1g/dl,ベース・エクセス0±2mEq/l,酸素飽和度65±5%、炭酸ガス分圧45±5mmHg,温度37℃)をシングルパスで4l/minの流量で流し、ガス導入口より純酸素を4l/minの流量で流し、人工肺の血液流入口および血液流出口における静脈血または動脈血のヘモグロビン濃度Hb(g/dl)、血流量Q(ml/min)、静脈血酸素飽和度SvO(%)、動脈血酸素飽和度SaO(%)、静脈血酸素分圧PvO(mmHg)、動脈血酸素分圧PaO(mmHg)を一時間毎に6時間測定し、その測定結果より各人工肺の酸素移動能Tro(ml/min)を算出した。その結果を、表1に示す。なお、酸素移動能(TrO)とは、以下の計算式で定義される値である。
Tro(ml/min) =1.34×(SaO/100−SvO/100)/(1−SvO/100)×Hb×Q+0.0031×(PaO−PvO)×Q
【0040】
【表1】
Figure 0003597892
【0041】
表1より、比較例中空糸膜型人工肺は、長時間使用すると、酸素移動能が低下していくのに対して、実施例の中空糸膜型人工肺は、酸素移動能に殆ど変化がなく、酸素加能が低下しないことが確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜型人工肺は、血液流入口と血液流出口を有するハウジングと、該ハウジング内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束と、該中空糸膜束の両端部を前記ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記一方の隔壁の外側に形成されたガス流入部と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記他方の隔壁の外側に形成されたガス流出部と、熱媒体導入部と熱媒体導出部とを有し、前記ガス流出部からのガスの流出を阻害することなく前記ガス流出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部とを有している。このため、熱媒体流通部に流通させる熱媒体の温度を適宜選択することにより、状況に応じた人工肺のガス流出部の温度調整ができ、また、ウェットラング現象の発生などを防止でき、長時間使用しても酸素加能が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱交換器付人工肺の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した熱交換器付人工肺の左側面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B線断面図である。
【図5】図5は、図2のC−C線断面図である。
【図6】図6は、本発明の熱交換器付人工肺の他の実施例の縦断面図である。
【図7】図7は、図6のD−D線断面図である。
【図8】図8は、本発明の本発明の中空糸膜型人工肺の他の実施例の部分破断断面図である。
【図9】図9は、図8のE−E線断面図である。
【図10】図10は、本発明の本発明の中空糸膜型人工肺の他の実施例の部分破断断面図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜型人工肺
2 人工肺ハウジング
3 中空糸膜束
4a,4b 隔壁
5 血液流通室
6 血液流入部
7 血液流出部
9 ガス導入部
10 ガス導出部
11 熱媒体導入部
12 熱媒体導出部
13 熱媒体流通部
20 熱交換器
21 血液流入ポート
22 血液流出ポート
23 熱媒体流入ポート
24 熱媒体流出ポート
25 熱交換器ハウジング
26 熱交換用管体
28 血液流通室
29 熱媒体流通室

Claims (5)

  1. 血液流入口と血液流出口を有するハウジングと、該ハウジング内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束と、該中空糸膜束の両端部を前記ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記一方の隔壁の外側に形成されたガス流入部と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記他方の隔壁の外側に形成されたガス流出部と、熱媒体導入部と熱媒体導出部とを有し、前記ガス流出部からのガスの流出を阻害することなく前記ガス流出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部とを有することを特徴とする人工肺。
  2. 前記熱媒体流通部を流通する熱媒体は、熱媒体の加温および冷却機能を備えた熱媒体供給装置より供給されるものである請求項1に記載の人工肺。
  3. 中空糸膜型人工肺と熱交換器を備えた熱交換器付人工肺であって、人工肺は、血液流入口と血液流出口を有する人工肺ハウジングと、該人工肺ハウジング内に挿入された多数のガス交換用中空糸膜からなる中空糸膜束と、該中空糸膜束の両端部を前記人工肺ハウジングの両端部に液密に固定する隔壁と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記一方の隔壁の外側に形成されたガス流入部と、前記中空糸内部と連通し、かつ前記他方の隔壁の外側に形成されたガス流出部と、熱媒体導入部と熱媒体導出部とを有し、前記ガス流出部からのガスの流出を阻害することなく前記ガス流出部の少なくとも一部を被包する熱媒体流通部とを有し、前記熱交換器は、血液流通室と、該血液流通室と熱交換用管体を介して接触する熱媒体流通室と、前記血液流通室と連通する血液流入ポートおよび血液流出ポートと、前記熱媒体流通室と連通する熱媒体流入ポートおよび熱媒体流出ポートとを備えていることを特徴とする熱交換器付人工肺。
  4. 前記熱交換器の前記熱媒体流出ポートと前記人工肺の前記熱媒体流入部もしくは前記人工肺の前記熱媒体流出部と前記熱交換器の前記熱媒体流入ポートは接続されている請求項3に記載の熱交換器付人工肺。
  5. 前記熱交換器の血液流出ポートと前記人工肺の血液流入ポートもしくは前記人工肺の血液流出部と前記熱交換器の前記血液流入ポートは接続されている請求項3または4に記載の熱交換器付人工肺。
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