JP3601259B2 - 筒内直接噴射式エンジン - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は筒内直接噴射式エンジンに関し、特に、低負荷時に燃焼室内に噴射した燃料噴霧を燃焼室内部の空気流動により着火手段の近傍に誘導して成層燃焼を行うようにした筒内直接噴射式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の筒内直接噴射式ガソリンエンジンとしては、例えば、特開平8−35429号公報に開示されているもの等が知られており、この種の筒内直接噴射式エンジンを、図9(a)及び(b)を参照して説明する。
【0003】
同図において、31はシリンダブロックであり、シリンダブロック31内にはピストン32が摺動自在に嵌挿されている。シリンダブロック31の上部にはシリンダヘッド33が取り付けられており、シリンダブロック31の内壁、ピストン32の冠面、およびシリンダヘッド33の下面により、燃焼室が画成される。
【0004】
シリンダヘッド33には、その概略中央部に点火プラグ(着火手段)34が取り付けられている。シリンダヘッド33の点火プラグ34の外側の位置には、それぞれ吸気弁35により吸気ポート36a、36bにて燃焼室に選択的に連通される一対の吸気流路37a、37bが配置されている。シリンダヘッド33には、排気弁(図示せず)により排気ポート38a、38bにて燃焼室に選択的に連通される同じく一対の排気流路39が配置されている。吸気ポート36a、36bは燃焼室内に直線的に吸気が流入するストレートポートである。
【0005】
シリンダヘッド33の吸気流路37a、37bが配置された位置のさらに外側で、一対の吸気流路37a、37bの間の部分には、燃焼室内に燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁40が取り付けられている。ピストン32の冠面の一部には凹部32aが形成されている。吸気流路37bには吸気制御用の開閉弁41が設けられており、この開閉弁41はエンジンの負荷状態に応じて吸気流路37bを開閉する。
【0006】
図10はエンジンの回転数及びトルク(又は負荷)との関係における均質燃焼領域と成層燃焼領域を示す図である。高負荷・高回転時には均質燃焼が行われるが、このとき開閉弁41は開いた状態とされ、吸入空気は吸気流路37a、37bの双方から燃焼室内に吸入される。
【0007】
一方、低負荷時には成層燃焼が行われるが、この場合には、開閉弁41は閉じた状態とされ、吸気流路37bは閉塞される。吸気流路37bが閉塞されると、吸入空気は吸気流路37a側から燃焼室内に流入され、これにより、燃焼室内に旋回流が生じ、吸気行程の終了後ピストン32が上昇するにつれて燃焼室内にスワール流Sが生成される。低負荷時においては、燃料噴射弁40からの燃料噴射は圧縮行程にて行われる。
【0008】
燃料噴霧(混合気)の燃料室内における挙動が、図11及び図12に示されている。図11は低回転時の挙動を、図12は高回転時の挙動を示している。
【0009】
低負荷時において、エンジンの回転数が低い場合には、図11(a)に示されているように、燃料噴射弁40から燃料噴射方向Dの方向に噴射される。燃料噴射弁40から噴射された燃料噴霧Fは、図11(b)に示されているように、燃焼室内に生成されるスワール流Sが弱いために、スワール流Sによってその噴射方向Dよりも僅かに下流側に流されるが、その貫徹力によりほぼ直進し、ピストンの冠面(凹部32a)に衝突することにより、図11(c)に示されているように方向転換され、、図11(d)に示されているように、点火プラグ34へと導かれる。
【0010】
一方、低負荷時において、エンジンの回転数が高い場合には、図12(a)に示されているように、エンジンの回転数が低い場合と同様に、燃料噴射弁40から燃料噴射方向Dの方向に噴射される。燃料噴射弁40から噴射された燃料噴霧Fは、図12(b)に示されているように、強いスワール流Sによってその噴射方向Dよりスワール流Sの下流側に流され、ピストン32の冠面の凹部32aの側壁に沿ってスワール流Sによって運ばれて、図12(c)に示されているように、点火プラグ34へと導かれる。
【0011】
図10において、成層燃焼領域におけるエンジンの回転数領域を、回転数領域A(低回転域)、回転数領域B(中回転域)、回転数領域C(高回転域)に分割した場合に、これらの回転数領域A、B、Cでの燃料噴霧(混合気)の燃焼室内における存在位置が、図13(a)〜(c)に示されている。なお、これらの図において、横軸は時間の経過を示し、縦軸は点火プラグ周りにおける空燃費を示している。横軸の下側には燃料(混合気)の存在位置が示されている。
【0012】
回転数領域A(低回転域)では、図13(a)に示されているように、ピストンの上昇に対して、燃料噴霧の進行速度が相対的に早く、点火プラグ周りに混合気が到達する時期が早くなり、熱発生的に最適な点火時期(ピストンが上死点(TDC)前の所定の角度にあるときであり、以下、最適点火時期という)に点火を行った場合、混合気が既に拡散してしまっており、混合気濃度が希薄となり、燃焼安定度が悪化する。従って、燃料噴射時期を遅角側(最適点火時期よりも早い時期)に設定する必要があるが、この場合、ピストンの冠面に燃料噴霧が衝突し、未燃焼のHC(炭化水素)やスモークの排出の原因となる。
【0013】
一方、回転数領域C(高回転域)では、図13(c)に示されているように、ピストンの上昇に対して、燃料噴霧の進行速度が相対的に遅く、点火プラグ周りに混合気が到達する時期が遅くなり、最適点火時期に点火を行った場合、混合気が未だ十分に到達しておらず、混合気濃度が希薄となり、燃焼安定度が悪化し、低回転域の場合と同様に、未燃焼のHCが増加する。
【0014】
このような問題点に対して、例えば、特開平8−35429号公報に記載のものでは、吸気ポート36aをヘリカルポートとして、燃焼室内に吸気が流入する際に吸気流に対して旋回運動を積極的に付与し、燃焼室内にシリンダ中心軸に直角な強力なスワール流を生成するとともに、スワール流の強さを可変にすることで、低負荷時における上記の問題を緩和するようにしているが、このようにすると、高負荷時(例えば、アクセル全開時)に開閉弁41が開かれたときに、出力(全開時出力)が低下するという問題があり、有効な解決策ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した従来技術では、低負荷時に成層燃焼を行う場合において、エンジンの回転数が低回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が早すぎ、一方、エンジンの回転数が高回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が遅いため、最適点火時期に点火を行うことができず、安定した成層希薄燃焼が行えず、未燃HCやスモークの発生を防止できないという問題点があった。
【0016】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、エンジンの回転数が低回転域にあるか高回転域にあるかに拘わらず、最適点火時期に混合気を点火プラグの近傍に位置せしめることにより、安定した成層希薄燃焼を実現し、燃焼効率を向上し、スモーク等の発生を防止することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンは、シリンダ内に嵌挿されたピストンの冠面と着火手段が取り付けられたシリンダヘッドとの間に画成される燃焼室内に燃料噴射弁により燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式エンジンにおいて、前記エンジンの回転数に応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備え、前記噴射方向変更手段は、前記エンジンの回転数が所定の低回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸に直交する平面内における方向成分が前記着火手段の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定し、前記エンジンの回転数が所定の高回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸に直交する平面内における方向成分が前記着火手段の方向よりも前記燃焼室内に生成されるスワール流動の方向に沿う方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定することを特徴とする。
【0018】
この請求項1記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンによると、エンジンの回転数に応じて燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備えているから、成層燃焼を行う場合において、エンジンの回転数が低回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が適切になるように(従来よりも遅くなるように、又は点火プラグ周りの滞留時間が長くなるように)燃料噴射方向を設定し、一方、エンジンの回転数が高回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が適切となるように(従来よりも早くなるように)燃料噴射方向を変更・調節することが可能となる。そして、低回転時と高回転時の燃料噴射方向の水平面内での方向成分を具体的に規定し、エンジンの回転数が低回転域にある場合には燃料を、燃焼室内に生成される比較的に弱いスワール流の進行方向に対してそれを横切るように噴射し、エンジンの回転数が高回転域にある場合には燃料を、燃焼室内に生成される比較的に強いスワール流の進行方向に対してそれに沿うように噴射するようにしており、低回転時には混合気の点火プラグ周りでの滞留を従来よりも長くすることができ、高回転時には混合気の点火プラグへの到達を従来よりも早くすることができる。
【0019】
請求項2記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンは、シリンダ内に嵌挿されたピストンの冠面と着火手段が取り付けられたシリンダヘッドとの間に画成される燃焼室内に燃料噴射弁により燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式エンジンにおいて、前記エンジンの回転数に応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備え、前記噴射方向変更手段は、前記エンジンの回転数が所定の低回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸及び該燃料噴射弁の燃料噴射点を含む平面(以下、垂直面という)内における方向成分が該燃料噴射弁の中心軸よりも前記ピストン側の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定し、前記エンジンの回転数が所定の高回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の垂直面内における方向成分が、前記エンジンの回転数が前記低回転域にある場合の燃料噴射方向よりも該燃料噴射弁の中心軸側の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定することを特徴とする。
【0020】
この請求項2記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンによると、エンジンの回転数に応じて燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備えているから、成層燃焼を行う場合において、エンジンの回転数が低回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が適切になるように(従来よりも遅くなるように、又は点火プラグ周りの滞留時間が長くなるように)燃料噴射方向を設定し、一方、エンジンの回転数が高回転域にある場合には混合気の点火プラグの近傍への到達が適切となるように(従来よりも早くなるように)燃料噴射方向を変更・調節することが可能となる。そして、低回転時と高回転時の燃料噴射方向の垂直面内での方向成分を具体的に規定し、エンジンの回転数が低回転域にある場合には燃料を、比較的にゆっくり上昇するピストンの冠面に対して鋭角的に噴射し、エンジンの回転数が高回転域にある場合には燃料を、比較的に素早く上昇するピストンの冠面に対して鈍角的に噴射するようにしており、低回転時には混合気の点火プラグ周りでの滞留を従来よりも長くすることができ、高回転時には混合気の点火プラグへの到達を従来よりも早くすることができる。
【0021】
請求項3記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンは、請求項1又は2記載の筒内直接噴射式エンジンにおいて、前記燃料噴射弁は該燃料噴射弁の中心軸に対して傾斜した方向に燃料を噴射し、前記噴射方向変更手段は該燃料噴射弁を、該燃料噴射弁の中心軸を中心として回転することにより燃料噴射方向を変更するようにしたことを特徴とする。
【0022】
この請求項3記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンによると、燃料噴射弁を回転することにより、燃料噴射方向を変更するものであるから、その構成を極めて簡略にできるとともに、燃料噴射方向の微調整が非常に容易である。
【0025】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンによると、燃料噴射方向を変更することにより、混合気の点火プラグへの到達時間をエンジンの回転数に応じて調整できるようにしたから、低負荷時に成層燃焼を行う場合において、エンジンの回転数の高低に拘わらず、常に最適点火時期に点火を行うことができるようになる。従って、安定した成層希薄燃焼を行うことができ、未燃HCやスモークの発生を防止することができるようになる。これに加えて、低回転時と高回転時の燃料噴射方向を具体的に規定しており、これにより、成層燃焼を行う場合において、最適点火時期に点火を行うことができ、安定した成層希薄燃焼を行うことができ、未燃HCやスモークの発生を確実に防止することができる。
【0026】
請求項3記載の本発明の筒内直接噴射式エンジンによると、燃料噴射方向の変更のための構成を極めて簡略にすることができるとともに、燃料噴射方向の微調整が容易である。従って、例えば、多気筒エンジンの場合に、各気筒についての燃料噴射弁の燃料噴射方向を一括的に且つ正確に変更することが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態の筒内直接噴射式ガソリンエンジンの構成を示す図であり、図1はエンジン低回転時を、図2はエンジン高回転時を示している。
【0029】
同図において、11はシリンダブロックであり、シリンダブロック11内にはピストン12が摺動自在に嵌挿されている。シリンダブロック11の上部にはシリンダヘッド13が取り付けられており、シリンダブロック11の内壁、ピストン12の冠面、およびシリンダヘッド13の下面により、燃焼室が画成される。
【0030】
シリンダヘッド13には、その概略中央部に点火プラグ(着火手段)14が取り付けられている。シリンダヘッド13の点火プラグ14の外側の位置には、それぞれ吸気弁(図示せず)により吸気ポート16a、16bにて燃焼室に選択的に連通される一対の吸気流路17a、17bが配置されているとともに、排気弁により燃焼室に選択的に連通される同じく一対の排気流路(図示せず)が配置されている。吸気流路17a、17bのそれぞれの吸気ポート16a、16bは燃焼室内に直線的に吸気が流入する通常の形状のストレートポートとなっている。
【0031】
シリンダヘッド13の吸気流路17a、17bが配置された位置のさらに外側で、一対の吸気流路17a、17bの間の部分には、燃焼室内に燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁18が取り付けられている。ピストン12の冠面の吸気ポート16a、16b側の一部には凹部12aが形成されている。
【0032】
吸気流路17a、17bには左右非対称の吸気制御用の開閉弁19が設けられており、この開閉弁19はエンジンの負荷状態に応じて吸気流路17a、17bを開閉する。
【0033】
このエンジンにおいては、エンジン低負荷時には成層燃焼が行われるが、図1(b)又は図2(b)に示されているように、開閉弁19は吸気流路17b側が閉じた状態となるように設定される。この状態では、図3に示されているように、吸気流路17b側が閉塞されることにより、吸入空気の大部分は吸気ポート16a側から燃焼室内に流入される。これにより、燃焼室内に図1(b)又は図2(b)で反時計方向に旋回流が生じ、吸気行程の終了後ピストン12が上昇するにつれて燃焼室内にスワール流Sが生成される。低負荷時においては、燃料噴射は圧縮行程にて行われる。
【0034】
燃料噴射弁18の燃料噴射口は、燃料噴射弁18の中心軸Tに対して所定の角度だけ傾斜した方向に燃料を噴射するように形成されている。燃料噴射弁18はその中心軸Tがピストン12の冠面の凹部12aを指向した状態でシリンダヘッド13に回転可能に取り付けられている。
【0035】
燃料噴射弁18は、図4に示されているように、その後端部から燃料が供給され、シリンダヘッド13にメカニカルシール20を介して取り付けられている。メカニカルシール20は、バネ21、回転接触管22、オーリング23、シール部材24等から構成され、燃料供給部において燃料及び筒内圧を密閉する。即ち、回転接触管22に燃圧とバネ21の付勢力が加わることにより燃料と筒内圧のシールを行う。なお、25はシール面である。
【0036】
また、図1及び図2に示されているように、燃料噴射弁18の後端部には、歯車(ピニオン)26が燃料噴射弁18の中心軸を中心として燃料噴射弁18と一体的に回転するように取り付けられており、歯車26に噛合するラック27をスライドさせることにより、燃料噴射弁18を回転し、燃料噴射方向を変更するようになっている。図5には、四気筒のエンジンの場合が示されている。この場合には、それぞれの気筒28についての燃料噴射弁18のそれぞれの歯車26に単一のラック27を噛合させて、各燃料噴射弁18の燃料噴射方向を一括的に変更するようにしている。
【0037】
ラック27のスライド時期及びスライド量は、図示しない制御手段により、エンジンの負荷及び回転数に応じて制御される。この制御手段は、低負荷時において、エンジンの回転数が所定の低回転域(例えば、図10に示した回転数領域A)にある場合には、図1(a)及び(b)に示されているように燃料噴射弁18の燃料噴射方向Dを設定する。即ち、燃料噴射弁18の燃料噴射方向のシリンダの中心軸に直交する平面(水平面)内における方向成分が点火プラグ14の方向となり、且つ、燃料噴射弁18の燃料噴射方向のシリンダの中心軸及び該燃料噴射弁18の燃料噴射点を含む平面(垂直面)内における方向成分が燃料噴射弁18の中心軸Tよりも角度θ1だけピストン12側の方向となるように燃料噴射弁18の燃料噴射方向を設定する。
【0038】
一方、制御手段は、低負荷時において、エンジンの回転数が所定の高回転域(例えば、図10に示した回転数領域C)にある場合には、図2(a)及び(b)に示されているように燃料噴射弁18の燃料噴射方向Dを設定する。即ち、燃料噴射弁18の燃料噴射方向の水平面内における方向成分が点火プラグ14の方向よりも燃焼室内に生成されるスワール流Sの方向に沿う方向(点火プラグ14の方向に対して角度θ2だけスワール流Sの下流側の方向)となり、且つ、燃料噴射弁18の燃料噴射方向の垂直面内における方向成分がエンジンの回転数が低回転域にある場合の燃料噴射方向よりも燃料噴射弁18の中心軸T側の方向(図2(a)では燃料噴射弁18の中心軸Tと一致する方向としている)となるように燃料噴射弁18の燃料噴射方向を設定する。
【0039】
制御手段により上述のように燃料噴射方向を制御した場合の燃料噴霧(混合気)の燃料室内における挙動が、図6及び図7に示されている。図6は低回転時の挙動を、図7は高回転時の挙動を示している。
【0040】
低負荷時において、エンジンの回転数が低い場合には、図6(a)に示されているように、燃料は点火プラグ14側で且つ中心軸Tよりも下向きに噴射される。即ち、燃焼室内に生成される比較的に弱いスワール流Sの進行方向に対してそれを横切るように、且つ、比較的にゆっくり上昇するピストン12の冠面(凹部12aの底面)に対して鋭角的に噴射する。
【0041】
低回転時はスワール流Sの強度が弱いため、燃料噴射弁18から噴射された燃料噴霧Fはほぼ直進し、図6(b)に示されているように、点火プラグ14へ直接向かうことはなく、ピストン12の凹部12aに確実に集められ、凹部12aの内部で気化しながら、図6(c)に示されているように、点火プラグ14へと向かい、次いで、図6(d)に示されているように、点火プラグ14の周囲に達する。
【0042】
点火プラグ14に達した混合気はスワール流Sが弱いため、図8(a)に示されているように、点火プラグ14の付近に滞留する時間が長く、点火時期の自由度が大きく、最適点火時期に点火することができるようになる。なお、図8(a)において、横軸は時間の経過を示し、縦軸は点火プラグ周りにおける空燃費を示しており、従来技術の対応する場合を示す図13(a)と比較して明らかなように、混合気が点火プラグの周囲に存在する時間が長くなっている。従って、未燃HC、スモークの増大を招くことなく、安定した燃焼を行うことができる。
【0043】
低負荷時において、エンジンの回転数が高い場合には、図7(a)に示されているように、燃料はスワール流Sに沿う方向で且つ低回転時よりも上向きに噴射される。即ち、燃焼室内に生成される比較的に強いスワール流Sの進行方向に対してそれに沿うように、且つ、比較的に素早く上昇するピストン12の冠面(凹部12aの底面)に対して鈍角的に噴射する。
【0044】
高回転時は低回転時よりもスワール流Sの強度が強いため、スワール流Sに沿う方向に噴射された燃料噴霧Fはスワール流Sに乗って進行し、図7(b)に示されているように、ピストン12の凹部12aの側壁に沿って進行し、点火プラグ14へと向かう。
【0045】
即ち、図7(c)に示されているように、エンジンの回転数の高回転化に伴うピストン12の上昇速度の上昇に伴って強くなったスワール流Sに乗って混合気が素早く点火プラグ14の周囲に到達し、図8(b)に示されているように、最適なタイミングで点火プラグ14の周囲に適度な混合気濃度分布を配することができる。
【0046】
なお、図8(b)において、横軸は時間の経過を示し、縦軸は点火プラグ周りにおける空燃費を示しており、従来技術の対応する場合を示す図13(c)と比較して明らかなように、混合気が点火プラグの周囲に到達する時間が早くなっている。従って、未燃HC、スモークの増大を招くことなく、安定した燃焼を行うことができる。
【0047】
上述した実施形態によると、燃料噴射方向をエンジンの回転数に応じて変更するようにしたから、低負荷時に圧縮行程において燃料を噴射して、成層燃焼を行う場合に、エンジンの回転の高低に拘わらず、安定した燃焼を行うことができる。
【0048】
また、燃料噴射弁18を回転することにより燃料噴射方向を立体的に変更するようにしたから、燃料噴射方向の変更が簡略な構成で実現できるとともに、燃料噴射方向の変更の微調整が容易である。さらに、多気筒エンジンの各気筒についての燃料噴射弁18を単一のラック27のスライドにより一括的に行うようにしたから、各気筒間での燃料噴射方向の整合も容易であるとともに、構成も簡略である。
【0049】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の低回転時の構成を示す図であり、(a)は横方向から見た断面図、(b)は上方向から見た断面図である。
【図2】本発明の実施形態の高回転時の構成を示す図であり、(a)は横方向から見た断面図、(b)は上方向から見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態の低負荷時の吸気の様子を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の燃料噴射弁の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態の多気筒エンジンの場合の燃料噴射弁の回転の機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である
【図6】本発明の実施形態の低回転時における燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を示すエンジンの断面図である。
【図7】本発明の実施形態の高回転時における燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を示すエンジンの断面図である。
【図8】本発明の実施形態の燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を模式的に示す図であり、(a)は低回転時を、(b)は高回転時を示している。
【図9】従来技術の構成を示す図であり、(a)は横方向から見た断面図、(b)は上方向から見た断面図である。
【図10】エンジンの回転数とトルク(負荷)との関係における均質燃焼領域及び成層燃焼領域を示す図である。
【図11】従来技術の低回転時における燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を示すエンジンの断面図である。
【図12】従来技術の高回転時における燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を示すエンジンの断面図である。
【図13】従来技術の燃料噴霧(混合気)の燃焼室内での挙動を模式的に示す図であり、(a)は低回転時を、(b)は中回転時を、(c)は高回転時を示している。
【符号の説明】
11…シリンダブロック
12…ピストン
12a…凹部
13…シリンダヘッド
14…点火プラグ
16a、16b…吸気ポート
17a、17b…吸気流路
18…燃料噴射弁
19…開閉弁
26…歯車(ピニオン)
27…ラック
D…燃料噴射方向
F…燃料噴霧
S…スワール流
T…燃料噴射弁の中心軸

Claims (3)

  1. シリンダ内に嵌挿されたピストンの冠面と着火手段が取り付けられたシリンダヘッドとの間に画成される燃焼室内に燃料噴射弁により燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式エンジンにおいて、
    前記エンジンの回転数に応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備え、
    前記噴射方向変更手段は、前記エンジンの回転数が所定の低回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸に直交する平面内における方向成分が前記着火手段の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定し、前記エンジンの回転数が所定の高回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸に直交する平面内における方向成分が前記着火手段の方向よりも前記燃焼室内に生成されるスワール流動の方向に沿う方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定することを特徴とする筒内直接噴射式エンジン。
  2. シリンダ内に嵌挿されたピストンの冠面と着火手段が取り付けられたシリンダヘッドとの間に画成される燃焼室内に燃料噴射弁により燃料を直接噴射するようにした筒内直接噴射式エンジンにおいて、
    前記エンジンの回転数に応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向を変更する噴射方向変更手段を備え、
    前記噴射方向変更手段は、前記エンジンの回転数が所定の低回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸及び該燃料噴射弁の燃料噴射点を含む平面内における方向成分が該燃料噴射弁の中心軸よりも前記ピストン側の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定し、前記エンジンの回転数が所定の高回転域にある場合には、前記燃料噴射弁の燃料噴射方向の前記シリンダの中心軸及び該燃料噴射弁の燃料噴射点を含む平面内における方向成分が前記エンジンの回転数が前記低回転域にある場合の燃料噴射方向よりも該燃料噴射弁の中心軸側の方向となるように該燃料噴射弁の燃料噴射方向を設定することを特徴とする筒内直接噴射式エンジン。
  3. 前記燃料噴射弁は該燃料噴射弁の中心軸に対して傾斜した方向に燃料を噴射し、前記噴射方向変更手段は該燃料噴射弁を、該燃料噴射弁の中心軸を中心として回転することにより燃料噴射方向を変更するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内直接噴射式エンジン。
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