JP3601198B2 - ホテルベンダーの販売制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホテルの客室に設置して缶,壜入り飲料などの商品を保冷,販売する冷蔵庫型のホテルベンダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
頭記のホテルベンダーは、客室内に設置した冷蔵庫の庫内に、各コラムごとに商品を1本ずつ収納する販売制御装置付きの複数のコラムを画成し、ここに収納した缶,壜入り商品を客が取り出すと、その販売信号をホテルのフロントマシンにオンラインで伝送し、客がチェックアウトする際に自動清算を行うようにした販売管理機能を備えたものであって、その販売制御装置に関する具体的な構成が例えば実公昭60−37658号公報に開示されて公知である。
【0003】
ここで、前記公報に開示されているホテルベンダーでは、冷蔵庫の庫内に缶,壜商品を1本ずつ倒置姿勢で前後の向きに収納する複数のコラムが上下,左右に並べて画成されており、かつその販売制御装置として、各コラムごとにコラムから取り出した商品の返却を阻止するロック機構を備えており、管理者が冷蔵庫に商品を補充する際には、次記のような釈放操作を行ってロック機構を解除し、空になったコラムに商品を装填するようにしている。すなわち、上下段に並ぶコラムの各列ごとに、ロック機構の相互間を連係してコラムの前面側に共通な釈放ノブを備え、商品補充時には釈放ノブを手前に引いてロック機構を解除するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来のホテルベンダーに組み込んだロック機構の解除方式では、1台のホテルベンダーに対して、上下段に並ぶ各列のコラムごとに釈放ノブの操作を繰り返して行わなければならないため、商品の補充作業が煩雑化して手間が掛かる。
【0005】
また、前記課題とは別に、従来のホテルベンダーでは、実公昭60−37658号公報で見られるように、缶,壜商品がコラムの内方に前後の向きに横置き装填されてために利用客は商品の端面が見えるに過ぎず、缶,壜の胴部に表示されている商品の銘柄などはコラムの仕切壁が邪魔になって読み取れないといった問題がある。しかも、商品はコラムから取り出して品定めをすることができず(商品をコラムから一旦引き抜くと販売されたとして返却が不能となる)、そのために、コラムから引出した商品が客の所望する銘柄と異なると言った販売トラブルがしばしば生じ、客に対するサービス性,ホテル側の販売管理面からも商品展示性の改善策が強く望まれている。
【0006】
そこで、この問題に対処するために、冷蔵庫内のコラムに装填する商品を従来の横置き展示方式から縦置き展示方式に変更した上でそのコラムを前面開放形となし、利用客が商品を品定めする際に、庫内の収納位置で商品の缶,壜に表示されているラベルが自分の目で直接目視確認できるようにしたホテルベンダーの製品開発が進められている。
【0007】
ところで、冷蔵庫内に画成した商品収納コラムを、前記のように商品の横置きから縦置きの展示方式に変更するには、縦置き展示方式に対応した新たな販売制御装置の開発が必要である。すなわち、縦置き展示方式ではコラムの構成,配置上の制約から、商品の返却を阻止するロック機構をコラムの背後に組み込んだ上で、前方からロック解除が行えるようにする必要がある。これに対して先記した実公昭60−37658号公報のロック機構,およびその解除機構は横置き展示方式のコラムに専用の構造であって、そのまま縦置き展示方式のコラムに適用することができない。
【0008】
本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、冷蔵庫の庫内に縦置き展示方式の商品収納コラムを画成したホテルベンダーを対象に、その縦置き方式のコラムに適合した新規で操作性に優れたホテルベンダーの販売制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、冷蔵庫の庫内に画成して商品を1本ずつ縦置き姿勢に収納する複数のコラムに対し、各コラムごとに、コラムから取り出した商品の返却を阻止するロック機構、および該ロック機構の動作に応動する販売検知スイッチを付設したものにおいて、前記ロック機構を、一端を軸支してコラムの背後に配置した揺動式アクチュエータと、該アクチュエータをコラム内に向けて突き出し付勢するばねと、アクチュエータの先端後部に吊り下げた振り子式のラッチ片と、該ラッチ片に対向してその背後に設置したラッチガイドと、前記ラッチガイドを鎖錠,釈放位置に移動する操作ロッドとから構成するものとする。
【0010】
上記の構成において、コラムから商品を取り出すと、いままで商品に押されてコラムの背後に後退位置していたロック機構のアクチュエータがばね付勢を受けてコラム内に突き出すとともに、振り子式のラッチ片がラッチガイドの側面から外れて垂下姿勢となり、ラッチガイドの前端と向かい合うようになる。同時にアクチュエータの後端に取付けたマグネットがリードスイッチに近接し、マグネットの磁界でリードスイッチがON動作する。このスイッチ動作により商品の販売(コラムからの取り出し)が検知され、その信号はオンラインでホテルのフロントマシンに伝送されて記録される。また、この販売後の状態では、商品,あるいはその空き缶,空き壜をコラム内に戻そうとしても、コラム内にはアクチュエータが突き出しており、かつアクチュエータは振り子式ラッチ片がラッチガイドの前端面に突き当たって後退できず、これにより商品の返却が阻止される。
【0011】
また、前記構成のロック機構に対するロック釈放機構として、本発明によれば、冷蔵庫のキャビネット,前面扉別に、左右に並ぶ各コラムごとに付設したロック機構のラッチガイドを共通な操作ロッドの軸上に取付けるとともに、冷蔵庫の前面扉を開放した状態で、前面扉施錠用の扉錠と同じ管理キーで操作可能なロック釈放錠を装備するとともに、該ロック釈放錠の操作で前記操作ロッドを釈放位置に移動操作するよう両者の間をリンク機構を介して連係結合し、商品補充時には冷蔵庫の扉施錠用のキーを使用して各コラムのロック機構を一括して解除できるようにする。
【0012】
さらに本発明によれば、前記販売制御装置の販売検知スイッチとして、ロック機構のアクチュエータに対向してリードスイッチを設置するとともに、該スイッチに接近するようにロック機構のアクチュエータの先端後部にマグネットを取付け、ロック機構の動作に従動して販売検知スイッチをON動作させるように構成する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図3,図4(a) 〜(c) にホテルベンダーの全体構成を示す。各図において、1は断熱筐体として作られたベンダーの本体キャビネット、2はその前面扉、3は電子冷凍式の冷却ユニット、4はヒートパイプ,放熱フィンを組合せてキャビネット1の背後に配置した冷却ユニット3の放熱部、5は冷却ユニット3の除霜水などに対するドレンの蒸発皿であり、キャビネット1の庫内,および扉2の裏面側には、各コラムごとに缶,壜商品6を縦置き姿勢に1本ずつ収納する複数の前面開放形コラム7が上下,左右に配列して画成されており、さらに各コラムごとにその背後には販売制御装置として商品の返却を阻止するロック機構10,および販売検知スイッチ11を装備している。
【0014】
次に、前記のコラム7,およびコラム7の背後に組み込んだ販売制御装置の詳細構造を図1(a),(b) に示す。すなわち、冷蔵庫の扉2の裏面側に画成したコラム7は、各コラムごとに上方から商品6を1本ずつ起立姿勢に差し込むポケット状の仕切カバーで構成されている。一方、キャビネット1の庫内側に画成したコラム7は、その前面を開放した断面が半円形になる凹状のカバー(樹脂成形品)8で左右に並ぶコラムの相互間を仕切っている。なお、前記カバー8の前縁一部には商品掴み出し用の円弧状切欠部8aが形成され、コラム底面の前縁部には商品6の不測な脱落を防止する突起状のストッパ9を備えている。
【0015】
さらに、各コラム7ごとにその背面側には、販売制御装置として、商品6を取出した後にコラム内に突き出して商品の返却を阻止するロック機構10、および該ロック機構10の動作に応動して開閉動作する販売検知スイッチ11が組み込まれている。ここで、ロック機構10は、上端を軸支した揺動式アクチュエータ10aと、該アクチュエータ10aをコラム7に向けて前方へ突き出し付勢するばね(捩じりコイルばね)10bと、アクチュエータの先端後部に吊り下げた左右方向に揺動可能な振り子式のラッチ片10cと、該ラッチ片10cの前後方向の移動経路とその移動経路とが交差するようにラッチ片10cの後部側に設置した断面傾斜形のラッチガイド10dと、該ラッチガイド10dを鎖錠,釈放位置に移動するよう同じ段に並ぶコラム列の背後にまたがって敷設した操作ロッド10eとからなり、該操作ロッド10eが図4(b),(c) に示したロック釈放用のシリンダ錠12にリンク機構(図示せず)を介して連結されている。
【0016】
また、前記の操作ロッド10eは左右に長く、これを共通ロッドとして同じ段で左右に並ぶ複数コラムに対応する各ロック機構のラッチガイド10dが軸上に取付けられている。さらに、上下段の間でも上段の操作ロッドと下段の操作ロッドが互いに連結されており、前記したシリンダ錠12のキー操作により一括して連動して左右に移動するように構成されている。
【0017】
そして、前記のシリンダ錠12は、冷蔵庫の前面扉2を施錠,開錠する扉錠のキー(管理者が保管している)と同じ管理キーで操作可能な錠であり、冷蔵庫の前面扉を開いた状態でシリンダ錠12にキーを差し込んで回すと、これに連動して前記操作ロッド10eが矢印方向にスライドし、ラッチガイド10dを実線の鎖錠位置から鎖線で示す釈放位置に後退させる。また、キーを逆に回わして戻すと、操作ロッド10eが前記と逆方向にスライド移動してラッチガイド10dが実線で示す鎖錠位置に復帰する。図2(a) 〜(c) は前記したラッチ片10c,ラッチガイド10d,操作ロッド10eの相関関係を表した図であり、(a) はロック機構10のアクチュエータ10aを空のコラム7へ突き出した位置に鎖錠している状態(図1(b) の実線位置に対応する)、(b) はコラム7に商品6を装填した待機状態(図1(b) の鎖線位置に対応する)、(c) は操作ロッド10eをロック釈放位置に移動操作した状態(図1(a) でラッチガイド10dの鎖線位置に対応する)を表している。
【0018】
一方、先記した販売検知スイッチ11にはリードスイッチが使用され、該スイッチはロック機構10のアクチュエータ10aの下部先端に向かい合わせてコラムカバー8の背後に設置されている。また、該スイッチ11に対向して前記アクチュエータ10aの先端後部にはスイッチ作動用のマグネット11aが取付けてある。
【0019】
かかる構成で、管理者がホテルベンダーのコラム7に商品6を装填する際に冷蔵庫の扉2を開放した上で、キャビネット本体1の前面,扉2の裏面側に設けたロック釈放用のシリンダ錠12(図4(b),(c) 参照)に管理用のキーを差し込んで回すと、キャビネット側,扉側の各コラムに付設したロック機構10のラッチガイド10dが一括して実線位置からラッチ片10cと干渉しない釈放位置(図2(c) 参照)に後退する。次に、この状態で各コラム7ごとに商品6を1本ずつ縦向きに収納セットすると、ロック機構10のアクチュエータ10aが商品6に押されて実線位置から鎖線位置に後退する(図1(b) 参照) 。なお、この場合にはアクチュエータ10aの後端に吊り下げたラッチ片10cはラッチガイド10eと干渉することはない。そして全てのコラム7に商品6を装填した後に、前記のシリンダ錠12を逆にキーの抜き取り位置に回すと、ラッチガイド10dが実線の鎖錠位置に復帰するとともに、振り子式のラッチ片10cは図2(b) で示すように、ラッチガイド10dの傾斜側面に当たって押され、斜め姿勢となる。また、マグネット11aは後退してリードスイッチ11aはOFFとなる。
【0020】
この商品装填状態で冷蔵庫の扉2を開放すると、コラム7に収納した商品6は全て縦向き姿勢でその缶,壜の胴部が前面に露呈した状態に並んでいるのが見える。したがって、ホテルベンダーの利用客は、商品容器の胴部に表示されているラベルを直接目視して商品の銘柄などを確認して、所望の商品を見間違えなく品定めすることができる。そして、所望の商品6をコラム7から取り出すと、いままで商品6に押されて後退位置に拘束されていたロック機構10のアクチュエータ10aが、ばね10bの付勢を受けて鎖線位置からコラム7内に向けて実線位置に突き出すとともに、振り子式のラッチ片10cがラッチガイド10dの側面から外れて垂下姿勢となり、ラッチガイド10dの前端と向かい合うような姿勢に垂下する。同時にアクチュエータ10aの後端に取付けたマグネット11aがリードスイッチ11に近接し、マグネットの磁界でリードスイッチ11がON動作する。このスイッチ動作により商品の販売(コラムからの取り出し)が検知され、その信号はオンラインでホテルのフロントマシンに伝送されて記録される。なお、このロック状態では一旦取り出した商品6,ないしはその空き缶,空き壜を空のコラム7に戻そうとしても、コラム7にはロック機構10のアクチュエータ10aが前方に突き出しており、かつラッチ片10cがラッチガイド10dの前端に垂下しているのでアクチュエータ10aを後退位置に押し戻すことができず、商品の返却が阻止される。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の構成によれば、ホテルベンダーの冷蔵庫内に画成した縦置き展示方式の商品収納コラムに対して、その背後側に組み込んだ販売制御装置の動作でコラムより取り出した商品の返却阻止,商品の販売検知,並びに商品補充時のロック解除の販売制御が確実に実行できる。さらに、本発明の請求項2の構成を採用することにより、コラムに商品を補充する際には、冷蔵庫の施錠キーと同じ管理キーを使用して、冷蔵庫のキャビネット庫内側,前面扉側に設けた各コラムのロック機構を一括して解除することができ、商品補充の作業性改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるホテルベンダーのコラム,およびその販売制御装置の構成図であり、(a) は横断平面図、(b) は縦断側面図
【図2】図1におけるロック機構のラッチ片,ラッチガイド,操作ロッドの相関関係を表す図であり、(a) はアクチュエータロックの状態図、(b) は販売待機の状態図、(c) はロック開錠の状態図
【図3】本発明の実施例によるホテルベンダーの全体構成を示す縦断断面図
【図4】図3のホテルベンダーにおける冷蔵庫内のコラム配置を示す図で、(a) は横断平面図、(b) は扉の裏面側に画成したコラムの正面図、(c) はキャビネットの庫内に画成したコラムの正面図
【符号の説明】
1 冷蔵庫のキャビネット
2 前面扉
6 商品
7 コラム
10 ロック機構
10a アクチュエータ
10b 付勢ばね
10c ラッチ片
10d ラッチガイド
10e 操作ロッド
11 販売検知スイッチ
11a マグネット
12 ロック釈放用シリンダ錠
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホテルの客室に設置して缶,壜入り飲料などの商品を保冷,販売する冷蔵庫型のホテルベンダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
頭記のホテルベンダーは、客室内に設置した冷蔵庫の庫内に、各コラムごとに商品を1本ずつ収納する販売制御装置付きの複数のコラムを画成し、ここに収納した缶,壜入り商品を客が取り出すと、その販売信号をホテルのフロントマシンにオンラインで伝送し、客がチェックアウトする際に自動清算を行うようにした販売管理機能を備えたものであって、その販売制御装置に関する具体的な構成が例えば実公昭60−37658号公報に開示されて公知である。
【0003】
ここで、前記公報に開示されているホテルベンダーでは、冷蔵庫の庫内に缶,壜商品を1本ずつ倒置姿勢で前後の向きに収納する複数のコラムが上下,左右に並べて画成されており、かつその販売制御装置として、各コラムごとにコラムから取り出した商品の返却を阻止するロック機構を備えており、管理者が冷蔵庫に商品を補充する際には、次記のような釈放操作を行ってロック機構を解除し、空になったコラムに商品を装填するようにしている。すなわち、上下段に並ぶコラムの各列ごとに、ロック機構の相互間を連係してコラムの前面側に共通な釈放ノブを備え、商品補充時には釈放ノブを手前に引いてロック機構を解除するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来のホテルベンダーに組み込んだロック機構の解除方式では、1台のホテルベンダーに対して、上下段に並ぶ各列のコラムごとに釈放ノブの操作を繰り返して行わなければならないため、商品の補充作業が煩雑化して手間が掛かる。
【0005】
また、前記課題とは別に、従来のホテルベンダーでは、実公昭60−37658号公報で見られるように、缶,壜商品がコラムの内方に前後の向きに横置き装填されてために利用客は商品の端面が見えるに過ぎず、缶,壜の胴部に表示されている商品の銘柄などはコラムの仕切壁が邪魔になって読み取れないといった問題がある。しかも、商品はコラムから取り出して品定めをすることができず(商品をコラムから一旦引き抜くと販売されたとして返却が不能となる)、そのために、コラムから引出した商品が客の所望する銘柄と異なると言った販売トラブルがしばしば生じ、客に対するサービス性,ホテル側の販売管理面からも商品展示性の改善策が強く望まれている。
【0006】
そこで、この問題に対処するために、冷蔵庫内のコラムに装填する商品を従来の横置き展示方式から縦置き展示方式に変更した上でそのコラムを前面開放形となし、利用客が商品を品定めする際に、庫内の収納位置で商品の缶,壜に表示されているラベルが自分の目で直接目視確認できるようにしたホテルベンダーの製品開発が進められている。
【0007】
ところで、冷蔵庫内に画成した商品収納コラムを、前記のように商品の横置きから縦置きの展示方式に変更するには、縦置き展示方式に対応した新たな販売制御装置の開発が必要である。すなわち、縦置き展示方式ではコラムの構成,配置上の制約から、商品の返却を阻止するロック機構をコラムの背後に組み込んだ上で、前方からロック解除が行えるようにする必要がある。これに対して先記した実公昭60−37658号公報のロック機構,およびその解除機構は横置き展示方式のコラムに専用の構造であって、そのまま縦置き展示方式のコラムに適用することができない。
【0008】
本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、冷蔵庫の庫内に縦置き展示方式の商品収納コラムを画成したホテルベンダーを対象に、その縦置き方式のコラムに適合した新規で操作性に優れたホテルベンダーの販売制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、冷蔵庫の庫内に画成して商品を1本ずつ縦置き姿勢に収納する複数のコラムに対し、各コラムごとに、コラムから取り出した商品の返却を阻止するロック機構、および該ロック機構の動作に応動する販売検知スイッチを付設したものにおいて、前記ロック機構を、一端を軸支してコラムの背後に配置した揺動式アクチュエータと、該アクチュエータをコラム内に向けて突き出し付勢するばねと、アクチュエータの先端後部に吊り下げた振り子式のラッチ片と、該ラッチ片に対向してその背後に設置したラッチガイドと、前記ラッチガイドを鎖錠,釈放位置に移動する操作ロッドとから構成するものとする。
【0010】
上記の構成において、コラムから商品を取り出すと、いままで商品に押されてコラムの背後に後退位置していたロック機構のアクチュエータがばね付勢を受けてコラム内に突き出すとともに、振り子式のラッチ片がラッチガイドの側面から外れて垂下姿勢となり、ラッチガイドの前端と向かい合うようになる。同時にアクチュエータの後端に取付けたマグネットがリードスイッチに近接し、マグネットの磁界でリードスイッチがON動作する。このスイッチ動作により商品の販売(コラムからの取り出し)が検知され、その信号はオンラインでホテルのフロントマシンに伝送されて記録される。また、この販売後の状態では、商品,あるいはその空き缶,空き壜をコラム内に戻そうとしても、コラム内にはアクチュエータが突き出しており、かつアクチュエータは振り子式ラッチ片がラッチガイドの前端面に突き当たって後退できず、これにより商品の返却が阻止される。
【0011】
また、前記構成のロック機構に対するロック釈放機構として、本発明によれば、冷蔵庫のキャビネット,前面扉別に、左右に並ぶ各コラムごとに付設したロック機構のラッチガイドを共通な操作ロッドの軸上に取付けるとともに、冷蔵庫の前面扉を開放した状態で、前面扉施錠用の扉錠と同じ管理キーで操作可能なロック釈放錠を装備するとともに、該ロック釈放錠の操作で前記操作ロッドを釈放位置に移動操作するよう両者の間をリンク機構を介して連係結合し、商品補充時には冷蔵庫の扉施錠用のキーを使用して各コラムのロック機構を一括して解除できるようにする。
【0012】
さらに本発明によれば、前記販売制御装置の販売検知スイッチとして、ロック機構のアクチュエータに対向してリードスイッチを設置するとともに、該スイッチに接近するようにロック機構のアクチュエータの先端後部にマグネットを取付け、ロック機構の動作に従動して販売検知スイッチをON動作させるように構成する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図3,図4(a) 〜(c) にホテルベンダーの全体構成を示す。各図において、1は断熱筐体として作られたベンダーの本体キャビネット、2はその前面扉、3は電子冷凍式の冷却ユニット、4はヒートパイプ,放熱フィンを組合せてキャビネット1の背後に配置した冷却ユニット3の放熱部、5は冷却ユニット3の除霜水などに対するドレンの蒸発皿であり、キャビネット1の庫内,および扉2の裏面側には、各コラムごとに缶,壜商品6を縦置き姿勢に1本ずつ収納する複数の前面開放形コラム7が上下,左右に配列して画成されており、さらに各コラムごとにその背後には販売制御装置として商品の返却を阻止するロック機構10,および販売検知スイッチ11を装備している。
【0014】
次に、前記のコラム7,およびコラム7の背後に組み込んだ販売制御装置の詳細構造を図1(a),(b) に示す。すなわち、冷蔵庫の扉2の裏面側に画成したコラム7は、各コラムごとに上方から商品6を1本ずつ起立姿勢に差し込むポケット状の仕切カバーで構成されている。一方、キャビネット1の庫内側に画成したコラム7は、その前面を開放した断面が半円形になる凹状のカバー(樹脂成形品)8で左右に並ぶコラムの相互間を仕切っている。なお、前記カバー8の前縁一部には商品掴み出し用の円弧状切欠部8aが形成され、コラム底面の前縁部には商品6の不測な脱落を防止する突起状のストッパ9を備えている。
【0015】
さらに、各コラム7ごとにその背面側には、販売制御装置として、商品6を取出した後にコラム内に突き出して商品の返却を阻止するロック機構10、および該ロック機構10の動作に応動して開閉動作する販売検知スイッチ11が組み込まれている。ここで、ロック機構10は、上端を軸支した揺動式アクチュエータ10aと、該アクチュエータ10aをコラム7に向けて前方へ突き出し付勢するばね(捩じりコイルばね)10bと、アクチュエータの先端後部に吊り下げた左右方向に揺動可能な振り子式のラッチ片10cと、該ラッチ片10cの前後方向の移動経路とその移動経路とが交差するようにラッチ片10cの後部側に設置した断面傾斜形のラッチガイド10dと、該ラッチガイド10dを鎖錠,釈放位置に移動するよう同じ段に並ぶコラム列の背後にまたがって敷設した操作ロッド10eとからなり、該操作ロッド10eが図4(b),(c) に示したロック釈放用のシリンダ錠12にリンク機構(図示せず)を介して連結されている。
【0016】
また、前記の操作ロッド10eは左右に長く、これを共通ロッドとして同じ段で左右に並ぶ複数コラムに対応する各ロック機構のラッチガイド10dが軸上に取付けられている。さらに、上下段の間でも上段の操作ロッドと下段の操作ロッドが互いに連結されており、前記したシリンダ錠12のキー操作により一括して連動して左右に移動するように構成されている。
【0017】
そして、前記のシリンダ錠12は、冷蔵庫の前面扉2を施錠,開錠する扉錠のキー(管理者が保管している)と同じ管理キーで操作可能な錠であり、冷蔵庫の前面扉を開いた状態でシリンダ錠12にキーを差し込んで回すと、これに連動して前記操作ロッド10eが矢印方向にスライドし、ラッチガイド10dを実線の鎖錠位置から鎖線で示す釈放位置に後退させる。また、キーを逆に回わして戻すと、操作ロッド10eが前記と逆方向にスライド移動してラッチガイド10dが実線で示す鎖錠位置に復帰する。図2(a) 〜(c) は前記したラッチ片10c,ラッチガイド10d,操作ロッド10eの相関関係を表した図であり、(a) はロック機構10のアクチュエータ10aを空のコラム7へ突き出した位置に鎖錠している状態(図1(b) の実線位置に対応する)、(b) はコラム7に商品6を装填した待機状態(図1(b) の鎖線位置に対応する)、(c) は操作ロッド10eをロック釈放位置に移動操作した状態(図1(a) でラッチガイド10dの鎖線位置に対応する)を表している。
【0018】
一方、先記した販売検知スイッチ11にはリードスイッチが使用され、該スイッチはロック機構10のアクチュエータ10aの下部先端に向かい合わせてコラムカバー8の背後に設置されている。また、該スイッチ11に対向して前記アクチュエータ10aの先端後部にはスイッチ作動用のマグネット11aが取付けてある。
【0019】
かかる構成で、管理者がホテルベンダーのコラム7に商品6を装填する際に冷蔵庫の扉2を開放した上で、キャビネット本体1の前面,扉2の裏面側に設けたロック釈放用のシリンダ錠12(図4(b),(c) 参照)に管理用のキーを差し込んで回すと、キャビネット側,扉側の各コラムに付設したロック機構10のラッチガイド10dが一括して実線位置からラッチ片10cと干渉しない釈放位置(図2(c) 参照)に後退する。次に、この状態で各コラム7ごとに商品6を1本ずつ縦向きに収納セットすると、ロック機構10のアクチュエータ10aが商品6に押されて実線位置から鎖線位置に後退する(図1(b) 参照) 。なお、この場合にはアクチュエータ10aの後端に吊り下げたラッチ片10cはラッチガイド10eと干渉することはない。そして全てのコラム7に商品6を装填した後に、前記のシリンダ錠12を逆にキーの抜き取り位置に回すと、ラッチガイド10dが実線の鎖錠位置に復帰するとともに、振り子式のラッチ片10cは図2(b) で示すように、ラッチガイド10dの傾斜側面に当たって押され、斜め姿勢となる。また、マグネット11aは後退してリードスイッチ11aはOFFとなる。
【0020】
この商品装填状態で冷蔵庫の扉2を開放すると、コラム7に収納した商品6は全て縦向き姿勢でその缶,壜の胴部が前面に露呈した状態に並んでいるのが見える。したがって、ホテルベンダーの利用客は、商品容器の胴部に表示されているラベルを直接目視して商品の銘柄などを確認して、所望の商品を見間違えなく品定めすることができる。そして、所望の商品6をコラム7から取り出すと、いままで商品6に押されて後退位置に拘束されていたロック機構10のアクチュエータ10aが、ばね10bの付勢を受けて鎖線位置からコラム7内に向けて実線位置に突き出すとともに、振り子式のラッチ片10cがラッチガイド10dの側面から外れて垂下姿勢となり、ラッチガイド10dの前端と向かい合うような姿勢に垂下する。同時にアクチュエータ10aの後端に取付けたマグネット11aがリードスイッチ11に近接し、マグネットの磁界でリードスイッチ11がON動作する。このスイッチ動作により商品の販売(コラムからの取り出し)が検知され、その信号はオンラインでホテルのフロントマシンに伝送されて記録される。なお、このロック状態では一旦取り出した商品6,ないしはその空き缶,空き壜を空のコラム7に戻そうとしても、コラム7にはロック機構10のアクチュエータ10aが前方に突き出しており、かつラッチ片10cがラッチガイド10dの前端に垂下しているのでアクチュエータ10aを後退位置に押し戻すことができず、商品の返却が阻止される。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の構成によれば、ホテルベンダーの冷蔵庫内に画成した縦置き展示方式の商品収納コラムに対して、その背後側に組み込んだ販売制御装置の動作でコラムより取り出した商品の返却阻止,商品の販売検知,並びに商品補充時のロック解除の販売制御が確実に実行できる。さらに、本発明の請求項2の構成を採用することにより、コラムに商品を補充する際には、冷蔵庫の施錠キーと同じ管理キーを使用して、冷蔵庫のキャビネット庫内側,前面扉側に設けた各コラムのロック機構を一括して解除することができ、商品補充の作業性改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるホテルベンダーのコラム,およびその販売制御装置の構成図であり、(a) は横断平面図、(b) は縦断側面図
【図2】図1におけるロック機構のラッチ片,ラッチガイド,操作ロッドの相関関係を表す図であり、(a) はアクチュエータロックの状態図、(b) は販売待機の状態図、(c) はロック開錠の状態図
【図3】本発明の実施例によるホテルベンダーの全体構成を示す縦断断面図
【図4】図3のホテルベンダーにおける冷蔵庫内のコラム配置を示す図で、(a) は横断平面図、(b) は扉の裏面側に画成したコラムの正面図、(c) はキャビネットの庫内に画成したコラムの正面図
【符号の説明】
1 冷蔵庫のキャビネット
2 前面扉
6 商品
7 コラム
10 ロック機構
10a アクチュエータ
10b 付勢ばね
10c ラッチ片
10d ラッチガイド
10e 操作ロッド
11 販売検知スイッチ
11a マグネット
12 ロック釈放用シリンダ錠
Claims (3)
- ホテルの客室に設置して缶,壜入り飲料などの商品を保冷,販売するホテルベンダーの販売制御装置であり、冷蔵庫の庫内に画成して商品を1本ずつ縦置き姿勢に収納する複数のコラムに対し、各コラムごとに、コラムから取り出した商品の返却を阻止するロック機構、および該ロック機構の動作に応動する販売検知スイッチを付設したものにおいて、前記ロック機構を、一端を軸支してコラムの背後に配置した揺動式アクチュエータと、該アクチュエータをコラム内に向けて突き出し付勢するばねと、アクチュエータの先端後部に吊り下げた振り子式のラッチ片と、該ラッチ片に対向してその背後に設置したラッチガイドと、前記ラッチガイドを鎖錠,釈放位置に移動する操作ロッドとから構成したことを特徴とするホテルベンダーの販売制御装置。
- 請求項1記載の販売制御装置において、冷蔵庫のキャビネット本体,および前面扉に分けて設けた複数のコラムに対して、左右に並ぶ各コラムごとに付設したロック機構のラッチガイドを共通な操作ロッドの軸上に取付けるとともに、冷蔵庫の前面扉を開放した状態で、前面扉施錠用の扉錠と同じ管理キーで操作可能なロック釈放錠を装備し、該ロック釈放錠の操作で前記操作ロッドを釈放位置に移動操作するよう両者の間をリンク機構を介して連係結合したことを特徴とするホテルベンダーの販売制御装置。
- 請求項1記載の販売制御装置において、販売検知スイッチがロック機構のアクチュエータに対向配備したリードスイッチであり、かつ該スイッチに接近するようにロック機構のアクチュエータの先端後部にマグネットを取付け、ロック機構の動作に従動して販売検知スイッチをON動作させるようにしたことを特徴とするホテルベンダーの販売制御装置。
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