JP3600618B2 - Vibrio cholerae中の制限酵素断片欠損の単離法およびその調製物 - Google Patents

Vibrio cholerae中の制限酵素断片欠損の単離法およびその調製物 Download PDF

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Description

[発明の背景]
Vibrio choleraecholerae)は、粘膜表面に浸透しない、小腸に非侵入の腸病源である。ゆえに粘膜表面での部分的SigA媒介免疫は、防御機構として付与される。病原性V.cholerae01はタンパク質エンテロトキシン(コレラエンテロトキシン、コレラゲンまたはコレラトキシンとしても知られる)を生成し、これは腸による大量分泌の原因となり、漿液性下痢、臨床的コレラ感染の結果をもたらす。コレラトキシンの起因する遺伝子は、ctx遺伝子(tox遺伝子としても知られる)である。コレラ性下痢は極めて重症であり大量の体内の水および塩類を失うため、緊急の治療なくしては脱水、アシド−シス、ショックおよび死を招く。出願人はFasanoらにより、「ビブリオ コレラは腸密着体に影響する第2エンテロトキシンを生産する(Vibrio cholerae Produces a Second enterotoxin Which Affect Intestinal Tight Junction)」、Nature,(編集中1990)に報告されたように小帯閉鎖トキシンとよばれる第2のエンテロトキシンがV.choleraeにより生産されることを発見した。さらにRS1(反復配列)と呼ばれる2700塩基対配列の多コピーを含有するctx遺伝子を含有する染色体領域がある。Mekalanos,Cell 35,253−263(1983)。
開発されたコレラワクチンは、おおざっぱにふたつの範疇に分類できる;それらは抗毒素免疫の刺激を目的とするものと抗菌性の免疫を誘導することを意図するものである。動物モデルを使用した実験は抗毒素および抗菌性免疫のいずれかまたは両方に関する防御法則を支持する。両方の免疫が調和して働けば、協同作用の効果があることが指摘された。[Holmgren,J.らによるInfec tDis136 同上、S105−S1122(1977);Peterson,J.W.,InfectImmun.26,594(1979);Resnick,I.G.らInfe ct. Immun.13,375(1980);Svennerholm,A.−M.らInfe ct.Immun.13 735(1976)]。しかしヒトにおける防御免疫はそのような協同作用無く付与される抗−毒素免疫かまたは、抗−菌免疫のいずれかであることがわかった[Eubanks,E.R.,らInfect Immun.15,533(1977);Fujita,K.らJ.Infect.Dis.125,647(1972);Holmgren,J.,J.I nfewct.Dis.,同上;Lange,S.らActa Path.Microbiol.Sca nd Sect.C 86,145(1978);Pterson,J.W.,同上(1979);Pierce,N.F.らInfect.Immun.37 687(1982);Pierce,N.F.らInfect.Immun.21,185(1978);Pierce,N.F.らJ.Infect.Dis.135 888(1977);Resnick,I.G.ら、同上;Svennerholm,A.−M.ら同上
死全細胞ワクチン
1.非経口全細胞ワクチン
約一世紀の間、死全V.choleraeが非経口ワクチンとして採用されて来た;これらのワクチンは今もなお市販されている。非経口全細胞ワクチンを使用した実験は最近、Joo,I.により、コレラ(Barua D.およびBurrows W.,により編集)、サンタワース、フィラデルフィア、pp333−355(1974)、中の「コレラワクチン(Cholera Vaccines)」で、およびFeeley,J.D.らにより「コレラお よび関連性下痢(Cholera and Related Diarrheas.)」第43回ノーベルシンポジウム,ストックホルム1978(O.Oucherlong,J.Holmgrenにより編集),カーガー、バーゼルpp204−210(1980)で総説されている。このようなワクチンは、血清死ビブリオ菌抗体の高力値を刺激する。それらはまた、パキスタン人に与えたときV.cholerae体性0抗体に対するSIgA抗体の腸内増加を刺激するが、スウェーデン人には刺激しない[Svennerholm,A.−Mら、Infect.Immun.30.,427(1980);。Svennerholm,A.−Mら、Scan.J.Immun.6,1345(1977)]。ワクチンを接種されたパキスタン人は、事前の接触によりすでに免疫的に初回抗原免疫されているのでこのように反応し、一方非感染地域に住む人々(例えばスウェーデン人)はそうでないと提案された。実地試験では、非経口死全細胞ワクチンが、通常1年以下の期間において相同的V.cholerae血清型に対して有意に予防を示した[Joo,I.同上;Feeley,J.C.,同上;Svennerholm,A.−M.ら、同上(1980);Svennerholm,A.−M.ら、同上(1977):Mosley,W.H.ら、Bull.Wid.Hlth.Org.49,13(1973);フィリッピンコレラ委員会,Bull.Wid.Hlth.Org.49,381(1973)]。非経口全細胞イナバ(Inaba)ワクチンはオガワ(Ogawa)およびイナバコレラに対して良好な短期間の防御を提供する一方、オガワワクチンは、オガワに対してのみ有効であると提案する幾つかの証拠がある。
アジュバントの使用により、非経口ワクチンを使用して、約70%のワクチン効力を1年半維持することが可能になった(例えばSaroso,J.S.らBull.Wid.Hlth.Org.56,619(1978)参照)。しかし、逆の反応が接種部位でアジュバントワクチン(無菌の膿瘍をふくむ)の使用で頻繁に起こりかつ猛烈であり、そのようなアジュバントワクチンの日常的な使用を妨げる。
2.経口全細胞ワクチン
経口的に投与された死全ビブリオは、局部的に腸内で抗ビブリオ抗体の出現を刺激する。[Freter,R.J.Infec t.Dis.111,37(1972);Freter,R.らJ.Immunl.91 724(1963);Ganguly,R.らBull.Wid.Hlth.Org.52,323(1975)]。他の研究者達は実質的なワクチン効力を示したが、多くのワクチンの集合は、病原性ビブリオの連続的な攻撃の後、下痢を引き起こした。[Cash,R.A.らJ.Inf ect.Dis.130,325(1974)]。
トキソイド
抗毒素免疫の刺激手段によるコレラを予防するための免疫試薬には次のものを含む:
1)ホルムアルデヒド−処理コレラトキソイド:
2)グルタルアルデヒド−処理コレラトキソイド:
3)精製Bサブユニット:および
4)プロコレラジェノイド(procholeragenoid)(ホルムアルデヒド未処理または処理)
1.ホルムアルデヒド−処理コレラトキソイド
in vitro精製コレラトキシンのホルムアルデヒドによる処理は、その毒性を消し、生物的毒性活性を示さないが動物の非経口免疫の後に抗毒性抗体を刺激するトキソイドを生成する。しかしこの型の第1トキソイドが非経口ワクチンとしてサル及びヒトに投与された時、トキソイドは、接種部位において受容できない局部的逆反応を引き起こし部分的毒性に復帰した[Northrup,R.S.らJ.I nfect.Dis.125,471(1972)]。アルミニウム−アジュバンド配合コレラトキソイドは、非経口的にバングラデッシュ人の有志者(授乳母を含む)に投与されたが、このワクチンを使用した実地実験はなされていない[Merson,M.H.らLancet I,931(1980)]。配合コレラトキソイドは、グリシンの存在下で調製され、非経口経路でも試験されたがワクチンは効力の証拠を示さなかった[Ohtomo,N.In Proceedings of the 12th Joint Conference on Cholera,米国−日本共同医科学プログラム、札幌(Fukumi H.,Zinnaka Y.編集)pp286−296(1976);Noriki,H.In Proceedings of the 12th Joint Conference on Cholera、米国−日本共同医科学プログラム、札幌(Fukumi H.,Zinnaka Y.編集)pp302−310(1976)]。
2.グルタルアルデヒド−処理コレラトキソイド
本質的に体性抗原の混入が無いグルタルアルデヒド−処理コレラトキソイドの大規模調製法が開発された[Rappaport,E.S.ら、Infect.Immun.14,678(1976)]。この抗原は“純粋”な様式で抗毒性免疫の防御法則を単独で評価するために使用できるであろうと思われた。このトキソイドを非経口ワクチンとして与える大規模な実地試験がバングラディシュで1974年におこなわれた[Curlin,G.ら、In Proceeding of the 11th Joint Conferenc e on Cholera,米国−日本共同医科学プログラムpp 314−329,ニューオーリンズ(1975)]。バングラディシュの被験者において、このトキソイドは循環抗毒素の高力値を刺激した。二つのコレラの波が、E1 Torイナバに引き続きE1 Torオガワがこの地域を襲い、ワクチン効力の公正な評価を可能とした。防御効果は唯一の年齢群において示され、イナバの流感期にのみ限られていたので非経口ワクチンとして単独に与えられたグルタルアルデヒド−処理コレラトキソイドは、防御を与えず、同じ集合に非経口死全細胞ワクチンを使用した同じ実地試験よりも実質的に劣った。
経口ワクチンとしてのグルタルアルデヒド−処理コレラトキソイドの使用は、トキソイドがこの経路で投与されることが腸内の抗毒性の刺激によって、より効果的であるはずであるという仮設に基づき研究された[Levine,M.M.らTrans.Roy.Soc.Trop.Med.Hyg.73,3,(1979)]。2群の有志者は、トキソイド投与量2.0mgを3回か、または8.0mgを3回、直接小腸内腔に(腸チューブで)、月間隔で与えられ免疫された。次にワクチンおよび非免疫対照が、実験的コレラ抗原投与研究に加わった。抗原投与研究では対照と比較した時、このワクチンにおいて、下痢の攻撃速度も激しさも有意に減少しなかった。グルタルアルデヒド−処理コレラトキソイドの効力の欠損は、BサブユニットのGM1ガングリオシドへの結合能力がグルタルアルデヒドによるトキソイド化の結果大幅に消失した事実によると思われる。
3.精製Bサブユニット
コレラエンテロトキシンは、AおよびBと言う二つのサブユニットから成る。Aサブユニットは、体液分泌を引き起こす酵素変化を誘発し、一方非−毒性Bサブユニットは腸内上皮細胞上の毒素(GM1ガングリオシド)用レセプターに結合する免疫部分である[Holomgren,J.Na ture 292,413(1981)]。精製Bサブユニットは、経口的または非経口的のいずれかでにバングラディシュ人に与えられた時に腸内液中のSIgA抗−毒素の出現を刺激し、コレラ−地方病地域での初回免疫という結果をもたらした[Svennerholm,A.−MらLancet I,305(1982)]。
抗−毒素免疫を刺激するBサブユニット経口ワクチンの主な利点は、その完璧な安全性(トキソイドに存在するような毒性への逆反応の可能性が無い)および赤血球上のトキシンレセプターに吸着する能力の保持にある。動物に関する研究で、は抗−毒素刺激において、天然のハロトキシンよりもより可能性が低いことが示唆される[Pierce,N.F.同上(1982)]。
たとえば、抗菌および抗−毒素抗体の両方の刺激を意図して、経口死ビブリオ菌を経口ワクチンとの組み合わせて混合しても、精製Bサブユニットを使用できると理解される。
4.プロコレラジェノイド
プロコレラジェノイドは大分子量(約1,000,000MW)のトキソイドであり、コレラエンテロトキシンを65℃ですくなくとも5分間加熱して生成される[Finkelstein,R.A.ら、J.Immunol.107,1043(0971)]。免疫性であるが、親トキシンの生物毒性活性の5%以下を保持する。より長時間加熱すると(例えば25分間)、より低い生物毒性を産し[Germainier,R.らInfect.Immul.13,1692(1976)]、そして連続的なホルムアルデヒド処理によって残存する生物毒性は完全に消失する。生成したホルムアルデヒド処理プロコレラジェノイドは、ウサギの免疫後の血清抗トキシン刺激において、すくなくとも親トキシンと同等の可能性を有する。スイス人の有志者は、ホルムアルデヒド−処理プロコレラジェノイドを投与量10,30,または100mcgで非経口免疫した後にブリスク(brisk)血清抗トキシン反応の徴候を表した[Germainier,R.らJ.Infect.Dis.135 512(1977)]。注目すべき逆反応は観察されなかった。
経口抗原として、プロコレラジェノイドはホルムアルデヒド−処理未処理形態で与えられた時、より免疫原性である。イヌにおいては、未処理プロコレラジェノイドは経口ワクチンと同様に寛容であり;経口投与量は(NaHCO3とともに)500mcgまで下痢を引き起こさなかった。イヌにおける42日間にわたる5回の500mcg投与は、病原性V.choleraeの経口攻撃に対して有意に防御を刺激した。NaHCO3とともに50mcgおよび200mcgの投与量が、それぞれ6および4人の大人の有志者に与えられ逆反応は誘発されなかった。
プロコレラジェノイドによって誘発される抗毒性免疫が増強されるように、例えば死ビブリオ菌または抗菌免疫を刺激できる関連抗原と混合して、プロコレラジェノイドを使用できると理解されるであろう。
混合ワクチン
非−生存、経口コレラワクチンの主な魅力はその安全性である。抗菌および抗毒性免疫の両方を刺激することを意図する、混合抗原から成る経口ワクチンは、以下の理由から最も成功するであろう:純粋に抗毒性免疫を刺激するトキソイドワクチンが、人をコレラから予防することに有効であるとは示されていないが、動物モデルにおいては予防する。加えて、抗毒性免疫を刺激しない経口または非経口死全細胞ワクチンは、短時間であるが人をコレラから有意に予防することを提供する。さらに、抗毒性および抗菌性の両方を刺激する抗原の混合(例えば粗コレラトキシン、即ちトキシンにリポポリサッカライドを加えたもの)は、協同的防御を与える。
これまでに、たくさんの混合ワクチンでふたつの研究が行われた。第一に、グルタルアルデヒド−処理コレラトキソイド(4週間にわたり2mg/週)に加えて死E1 Torイナバビブリオ(4週間にわたり1010ビブリオを週2回)を接種した9人の有志者は、1カ月後に106の病原性E1 Torイナバビブリオで6人の非免疫対照と一緒に攻撃された。下痢は、9つのワクチンのうち2人にのみ起こり、これに対し6人の対照のうち4人(ワクチン効力67%)であり、ならびに2つの病気ワクチンにおいて病気が明らかに減じた。おそらく9人のうち2人のみの、これに対し6人の対照のうち6人の便からV.choleraeを直接培養できる、という観察がより妥当であろう。これは免疫的機構がビブリオの増殖を妨げたことを示す。
より最近では、3種の投与量のBサブユニット/死全細胞ワクチンがワクチン効力攻撃に参加した大人の有志に与えられた。この混合ワクチンは、0,14,および28日に与えられた。各々3種ワクチンは、0.5mgの精製Bサブユニットおよび2×1011の死V.cholerae(5×1010正統派イナバ、5×1010正統派オガワおよび1011E1 Torイナバ)を含有した。
この混合ワクチンを免疫された11人の有志者の群は、7人の対照有志者と同様に1カ月後に、106の病原性V.c holerae E1 Torイナバで最終攻撃された。下痢は7人の対照のうち7人に起こり、しかし11人のワクチン接種者のうち4人におこった(p=0.01)。4人のワクチン接種者の症状は確かにより緩和された。
このように、経口トキソイド/死全細胞ワクチン混合物を使用した研究の結果は、測定可能な効力の程度を示す。予防ワクチン効力は、しかし、わずかに中程度(55−65%)で、防御を誘発するには、多数回の投与が必要とされる。
弱毒化V.choleraeワクチン
正統的およびE1 Tor臨床的コレラ感染の両方が、北アメリカの有志において、少なくとも3年間、高度の防御免疫を刺激する[Cash,R.A.ら同上(1974);Levine,M.M.ら、同上(1979);Levine,M.M.ら「コレラおよびエンテロトキシン性Escherichia Coliに対するワクチンの開発に関する有志による研究:総説子供における急性腸感染:治療および予防に関する新しい期待」("Volunteers studies in development of vaccines against cholerae and enterotoxigenic Escherichia coli:a review,"in Acute Enteric Infection in ChildrenNew Pro spects for Treatment and Preservation.)(T.Holm,J.Holgrem,M.Merson,およびR.Mollby,編集)Elsevier Amsterdam,pp.443−459(1981);およびLevine,M.M.らJ.Infect.Dis.143,818(1981)]これら有志における観察に基づき、コレラの免疫制御に対する最も有望な方法は、弱毒化非−毒性V.cholerae株を経口ワクチンとして採用することであろう。
1.天然−発生株
インドおよびブラジルの環境から単離された非−毒性V.choleare 01株は、有志により有望なワクチン候補として評価されたが、結果は失敗に終わった。それらはヒトの腸内でコロニーを作れず、最小にも作らなかった;ビブリオの抗体反応は貧弱で、実験的な攻撃研究において防御を提供できなかった[Cash,R.A.らInfect.Immun. 10 762(1974);LevineM.M.らJ.Infect.Dis.145 296(1982)]。放射活性DNAプローブでハイブリダイズにより測定されるようにこれらの株の多くがトキシン遺伝子を欠いていることがわかる[Kaper,J.B.らInfect.Immun.3 2,661(1981)]。
2.変異化弱毒株
正統派イナバ569Bはニトロソグアニド(NTG)で変異させ、微弱毒原性変異株が単離された[Finkelstein,R.A.らJ.Infect.Dis.129,117(1974);Holmes,R.K.らJ.Cl in.Invest.55,551(1975)]。この変異株,M13は有志に与えられた。下痢は起こらなかったが株は貧弱にコロニーを作った。攻撃研究では、多数回の投与で免疫することによりいくらかの防御効力が与えられたことを示した[Woodward,E.らDevelop.Biol.Stand.33,108(1976)]。
E1 Torオガワ3083も、変異させた[Honda,T.らProc.Nat.Acad.Sci.76,2052(1979)]。ブロートホース(brute force)選択および大量のコロニー分析により、ひとつの単離物が免疫原性Bサブユニットを生産し続ける一方、検出できるAサブユニットまたはハロトキシンの生産はしなかった。このひとつの単離物である、Texas Star−SRは、これらの基準を満たす。Texas Star−SRは正常または増大したBサブユニットを生産するが、ハロトキシン活性またはAサブユニット活性については陰性である。
Texas Star−SRは、有志者によって徹底的に評価された(例えばLevine M.M.らのAcute Enteric同上(1981)を参照)。5人の有志の群は1週間おいて2回の109有機体投与を受け、さらに18人以上の有志は1週間おいて2回の2×1010の有機体投与を摂取した。68人のワクチン接種のうち16人(24%)にある程度の下痢が見られた。ただ一人の全便容量が1.0リットル以上(1464ml)であった。典型的に、このワクチン−誘発下痢は、2または3つの少ない、ゆるい便から成り、全量は400ml体積以下であった。ワクチン有機体はワクチン受容者の約1/2の糞便培養から回収した。空腸液を培養した所では(ワクチン有機体108またはそれ以上の投与受容者)、カルチャーは46のワクチンに対して35で陽性であった(76%)。糞便培養および空腸培養から回収した何百ものTexas Starクローンが、Y−1副腎細胞感受性アッセイによりコレラハロトキシンに関し調査された;陽性は無かった。
血清抗トキシンの有意な上昇がわずか29%のワクチン接種で検出された;しかし、血清中のビブリオ死菌抗体および力値の93%の有意な上昇は、病原性V.choleareで感染させた後のそれらと実質的に近かった。有志による実験的攻撃研究で、Texas Star−SRは、EL TorオガワおよびE1 Torイナバビブリオの両方を使用した攻撃に対して有意な防御を付与することが分かった。Texas Star−SR弱毒化経口ワクチンの一回または二回の投与は、E1 Torコレラに対する良好な防御を付与する。
このような弱毒化株の模倣感染は、コレラに対する免疫を引き出すので、弱毒株の使用は固有の利点を有する。しかし、Texas Star−SR株には、特定の欠点がある。始めに、変異原性(例えばニトロソグアニジンで)は多変異を誘発し、それらのすべてがかならずしも認識されない。さらにTexas Star−SRの弱毒に関与すると予想されている正確な遺伝的位置は分かっていない。くわえて、Texas Star−SRはニトロソグアニジンでの任意の病原菌変異体のように毒性に先祖返りするであろう。
本発明の出願人は、有志者に免疫および疾患を生じると知られている毒性株のVibrio choleraeの欠損変異体を新規方法で単離した。欠損は制限エンドヌクレアーゼ断片である。本発明のワクチン株はDNA組み替え技術の使用を通して特別に変更され、免疫に必要な他の成分に影響せずに無毒性とするものである。この弱毒化は、バクテリアのDNAを特別な部位で切断する制限エンドヌクレアーゼを使用して、コレラトキシンに関与する遺伝子(即ちctx遺伝子)を特別に除去する。ctx遺伝子を運ぶプラスミドを制限エンドヌクレアーゼで消化し、ctx遺伝子を削除するがV.cholerae染色体のDNA周辺領域の長さは維持するように構築される。V.choleareへのプラスミドの接合的遺伝子伝達は、染色体外のプラスミドコピーを運ぶ無毒V.choleareを生産する。他のプラスミドを有する細胞の連続的な接合により、選択性プラスミドマーカーの適切な選択の後、ctx領域に欠損を有するV.cho leare株を生産した。このような無毒性の欠損変異体は、つぎに小腸内でコロニーを形成することができ、バクテリア細胞に直接対する局部的な防御免疫を刺激することができる。転移集落の経過の後、ワクチンは、引き続き毒性のトキシジェニックV.choleare株の感染に対して防御的であろう。
V.choleareトキシンの遺伝子は、クローン化された[Pearson,G.D.N.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.79,2976(1982);kaper,J.B.ら、Amer.Soc.Micribiol.Abstr.Annu,Me eting,Atlanta,Georgia,36、(1982);Kaper,J.B.ら、ヒト及び動物の腸内感染に関するシンポジウム:免疫手 順の標準化Symposium on Entric Infections in Man in Animals:Standardization of Immunological Proced ures,ダブリン、アイルランド、アブストラクトNo.2.5(1982)]。V.choleareのトキシン構造遺伝子欠損変異は単離されたが、染色体にそって不規則部位で組込み可能な変異原ビブリオファージの感染によるものだけだった[Mekalanos,J.J.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.79,151,(1982)]。Vibrio choleareでの組み替えは報告されているが、ワクチン化の使用目的でctx遺伝子内の制限断片欠損を単離するためには使用されなかった[Parker,C.ら、J.Bact,112,707(1972);Jonson,S.R.ら、Molec.Ge n.Genet.170,93(1979);Sublett,R.D.ら、Infect.Immu n.32 1132(1981)およびThomson,J.A.ら、J.Bact.148,374(1981)]。
発明の簡単な説明
Vibrio choleareの培養は、無毒性を付与しかつ宿主動物の腸内でコロニー形成する能力を維持する欠損DNAの制限エンドヌクレアーゼ断片を有するVibrio cholear eから成ると記載される。削除されたDNA断片は、V.choleraeトキシンまたはA1サブユニットのようなそれらの部分をコードするであろう。ひとつの単離欠損変異株は、Acc I制限エンドヌクレアーゼ部位として定義されるctx遺伝子内の欠損を包含する。
このようなVibrio choleraeの欠損変異株の単離法も記載し、
(a)ひとつ以上の欠損制限エンドヌクレアーゼ断片、およびそれを含む配列に、該欠損断片と置換または断片の位置に存在するように連結した外来第1選択マーカー遺伝子のVibrio cholerae周辺配列から成る第1プラスミドを構築し、ここでは該配列は検出しうるin vivo組み替えを促進するのに十分な長さである;
(b)Vibrio choleraeの毒性株を第1プラスミドを運ぶ第1微生物と接合させ;
(c)第1選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選別し;
(d)(c)工程の選択産物と第2選択マーカーを有する第2プラスミドと接合させ、該第2プラスミドは第1プラスミドと和合性があり;
(e)第1および第2選択マーカーの両方を発現するVi brio choleraeを選択する;
工程から成る。
Vibrio choleraeの第2カルチャーは、無毒性を付与しかつ宿主動物の腸内でコロニー形成する能力を維持するためにDNAの第1の制限エンドヌクレアーゼ断片が欠損しており、ならびに宿主動物の残存下痢を減少するために小帯閉塞トキシン(zonula occludens toxin:ZOT)をコードするDNAの第2制限エンドヌクレアーゼ断片が欠損しているVibrio choleareから成ると記載される。第1DNA欠損断片はVibrioc holeraeトキシンまたはA1サブユニットのようなそれらの部分をコードするであろう。ひとつの単離欠損変異株は、Acc I制限エンドヌクレアーゼ部位として定義されるctx遺伝子内の欠損,およびZOT遺伝子内の欠損を包含する。もうひとつの単離欠損変異株は、Xba IおよびCla I制限エンドヌクレアーゼ部位として定義されるctx遺伝子内の欠損,およびStu IおよびAcc I制限エンドヌクレアーゼ部位として定義されるZOT遺伝子内の欠損を包含する。
このようなVibrio choleraeの欠損変異株の単離法も記載し、
(a)ひとつ以上の欠損制限エンドヌクレアーゼ断片を含む配列、およびその両端配列に、該欠損断片と置換または断片の位置に存在するように連結した外来第1選択マーカー遺伝子のVibrio cholerae周辺配列から成る第1プラスミドを構築し、ここで該配列は検出しうるin v ivo組み替えを促進するのに十分な長さであり;
(b)Vibrio choleraeの毒性株を第1プラスミトドを運ぶ第1微生物と接合させ;
(c)第1選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選択し;
(d)(c)工程の選択産物と第2選択マーカーを有する第2プラスミドを運ぶ微生物とを接合させ、該第2プラスミドは第1プラスミドと和合性があり;
(e)第1および第2選択マーカーの両方を発現するVi brio choleraeを選択し;
(f)(a)工程に記載した断片と相同的であるが外来遺伝子の選択マーカーが無いひとつ以上の欠損制限エンドヌクレアーゼ断片のVibrio cholerae周辺配列からなる第3プラスミドを構築し;
(g)(e)段階の選択産物と(f)に記載した第3プラスミドを運ぶ第3微生物とを接合させ;そして
(h)既に第1選択マーカーを発現しないVibrio chol eraeを選択する;
工程から成る。
この方法はZOTマイナスのみの株またはすでにコレラトキシン遺伝子を欠いている株のZOTマイナス誘導体を作成するために使用てきる。
Vibrio choleraeの3カルチャーも記載され、コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNA領域に欠損を有するVibrio cholerae株から成る。このようなVibrio choleraeの欠損変異株の単離法も記載され、
(a)コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio cholerae配列、ならびに外来の選択マーカー用遺伝子からなるプラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio cholerae中の染色体外では複製できず;
(b)該プラスミドを運ぶ微生物と、検出できるin viv o組み替えを促進するに十分な長さのRS1要素のような第2配列の両端同一コピー中に挿入された該配列を含むVi brio choleraeの毒性株とを合体させ;
(c)該選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選択し;
(d)(c)の選択産物を選択試薬の非存在下で成長させ;
(e)既に選択マーカーを発現せず、ゆえにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体遺伝子領域に欠損を有するVibrio choleraeを選択する;
工程から成る。
Vibrio choleraeの第4カルチャーは、コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNA領域に欠損を有し、ならびに挿入された水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを有するVibrio choleraeから成ると説明される。このような欠損変異株の単離法も記載され、
(a)コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio cholerae配列、ならびに外来の選択マーカー用遺伝子からなるプラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio cholerae中の染色体外では複製できず;
(b)該プラスミドを運ぶ微生物と、検出できるin viv o組み替えを促進するに十分な長さの第2配列の両端同一コピーを含む間に挿入されたコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする該配列を含有するVibrio c holeraeの毒性株とを接合させ;
(c)該選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選択し;
(d)(c)の選択産物を選択試薬の非存在下で成長させ;
(e)既に選択マーカーを発現せず、ゆえにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体遺伝子が欠損しているVibrio choleraeを選択し;
(f)水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNA、ならびに外来の第2選択マーカー用の遺伝子から成る第2プラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio cholerae中の染色体外では複製できず、ここで検出しうるin vivo組み替えを促進するに十分な長さの配列は、該水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを含み;
(g)該第2プラスミドを運ぶ微生物と、検出できるin vivo組み替えを促進するに十分な長さの該配列に相同的な配列を含有する(e)工程で述べた該Vibrio chole raeとを接合させ;
(h)該第2選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選択し;
(i)(h)工程の選択産物を第2選択試薬の非存在下で成長させ;
(j)既に第2選択マーカーを発現しないVibrio chole raeを選択し;そして
(k)(j)工程で述べたVibrio choleraeで水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを有し、ならびにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体遺伝子が欠損している領域を有するVibrio choleraeに関しスクリーニングする;
工程からなることを記載する。
本発明のVibrio cholerae欠損変異株はコレラに対する予防接種に有効である。
本発明のVibrio choleraeのひとつはCVD101と呼ばれ、同様の血清型株による感染後に、ヒトに実質的に100%近い効力を付与できると期待される。本発明の他のV ibrio choleraeは第2カルチャー表され、CVD109のような第3カルチャーは同様の血清型株による感染後に、ヒトに実質的に100%近い効力を付与し、下痢、吐き気および痙攣といった所望でない副作用を避けるものと期待される。本発明の他のVibrio choleraeはCVD110であるが、第4カルチャーにより表される。
【図面の簡単な説明】
図1. V.cholerae N16961(pJBK55)(Apr
図2. V.cholerae JBK56を構築するための交差、および接合遺伝子伝達法
図3. V.cholerae JBK56
図4. JBK21の構築手順
図5. JBK54の構築手順
図6. V.cholerae JBK56の構築手順
図7. 交差、およびctx遺伝子除去によるin vivo組み替え
図8. pJBK51の構築手順
図9. pCVD14およびpCVD15の構築手順
図10. pJBK108の構築手順
図11. pJBK107の構築手順
図12. (上)Xba IおよびCla I部位のDNA配列、これはオガワ395中のAサブユニットの欠損Xba I−Cla I部位550bp断片の末端を決定し、ならびに(下)CVD101中でこの断片の削除およびXba Iリンカーの挿入後の結合に関する。
図13Aおよび13B. 回腸の短周囲電流(ileal short circuit current:Isc)および組織イオン伝導係数(Gt)に関するcholeraeカルチャー上澄みの影響。値は各時間時の6動物の平均であり;括弧は標準誤差であり,a,cholerae 395上澄みのIsc(実線)およびGt(破線)に対する効果。b,Gtに対するcholerae 395(実線)、CVD101(長い破線)および395N1(点線)上澄みの効果。培地対照(短破線)は、非接菌培養培地から成る。
図14A,14B,14Cおよび14D. 種々のVibrio cholerae株のカルチャー上澄みに晒されたウサギ回腸組織に関する小麦胚芽アグルチニン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(WGA−HRP)透過性アッセイ。a,培地対照、b,cholerae 395;c,cholerae 395N1;d,cholerae CVD101。
図15Aおよび15B. cholerae培養上澄みに晒されたウサギ回腸組織の凍結破損に関する研究。a,結合繊維、M.Microvilli間に多数の交差(矢印)がある完全なZO、b,cholerae 395に晒された回腸組織由来の影響を受けたZO;繊維交差が大幅に減少したことにより網状組織は平に見える、c,カルチャー培地または培地対照に晒された組織に於けるZO錯綜の定量。
図16. V.cholerae 395上澄みにより誘発されたGt多様性の逆転性。V.cholerae(三角)の培養培地は、および非接菌培地(四角)は矢印で示した時に加え、そして除去された。
図17. CVD109の構築手順。zotおよびctx遺伝子は違いにV.cholerae染色体上で隣接し、2700配列の多コピーを含有する配列はRS1(反復配列)と呼ばれる。RS1要素は、毒性V.cholerae株E7946(E1 Tor同遺伝子型固体群,オガワ血清型)中のzotおよびctx遺伝子の両側上にある。zotおよびctx遺伝子は、大きな白抜きの(large poen)または斜線交じり(hash−marked)の矢印で示される。RS1配列は、小さな実線矢印で示される。
図18. 小帯閉塞トキシンに関するzot遺伝子の塩基番号1から1428までのDNA配列。DNA配列の上の文字は、zot遺伝子にコードされる予想されるアミノ酸配列を示す。
図19. プラスミドpCVD621の構築手順。
図20. プラスミドpCVD622.2Bの構築手順。
図21. hlyA遺伝子中に挿入されたctxB遺伝子およびmer遺伝子のDNA配列。
図中、制限エンドヌクレアーゼ部位の省略記号は以下のとおり:.
A=Acc I制限エンドヌクレアーゼ部位
B=Bal I制限エンドヌクレアーゼ部位
C=Cla I制限エンドヌクレアーゼ部位
E=EcoR I制限エンドヌクレアーゼ部位
H=Hind III制限エンドヌクレアーゼ部位
P=Pst I制限エンドヌクレアーゼ部位
S=Sal I制限エンドヌクレアーゼ部位
X=Xba I制限エンドヌクレアーゼ部位
K=Kpn I制限エンドヌクレアーゼ部位
図中およびその他の省略記号は以下のものを含む。
Ap=アンピシリン耐性遺伝子
Apr=アンピシリン耐性フェノタイプ
Aps=アンピシリン感受性フェノタイプ
Chrom=染色体
Cm=クロラムフェニコール耐性遺伝子
CT=コレラトキシン
ctx=コレラトキシン遺伝子
CTA=コレラトキシンのサブユニットAに関する遺伝子
ctxA=コレラトキシンのサブユニットAに関する遺伝子
CTB=コレラトキシンのサブユニットBに関する遺伝子
ctxB=コレラトキシンのサブユニットBに関する遺伝子
hylA=ヘモリシン遺伝子
kb=キロベース
mer=水銀耐性遺伝子
p=プラスミド
Su=スルホンアミド
Sur=スルホンアミド耐性フェノタイプ
Tc=テトラサイクリン
Tcs=テトラサイクリン感受性フェノタイプ
Tp=トリメトプリン
zot=小帯閉塞トキシンに関する遺伝子
発明の詳細な説明
本発明の主題は、免疫に必要とされる他の成分には影響を与える事なく、特別にDNA組み替えの技術を通じて無毒化にしたVibrio choleraeワクチン株の単離にある。この弱毒化は、正しいV.cholerae配列を運ぶプラスミドの制限エンドヌクレアーゼ消化により、特にコレラトキシンまたはその部分を削除して達成される。これら消化プラスミドの接合遺伝子伝達は毒性V.choleraein vivo組み替えの選択手順の後、そのトキシン遺伝子部分を持たない株が生産される。本発明の方法は、毒性V. choleraeの他の欠損変異株の単離、またはV.cholerae細胞に再導入されたこのようなすべての、または一部の欠損配列を有する株の単離に応用できると理解されるであろう。
ワクチンの開始物質は毒原性のVibrio cholerae株N16961であり、これは有志によって典型的な下痢疾患および後の感染に対して強い防御免疫の両方を生じると示された[Levine,M.M.ら、Acute enteric,同上.1981]。コレラトキシンの生産に関連すると見いだされたバクテリアの染色体は、E.Coli熱安定性エンテロトキシン遺伝子プローブでV.choleraeのHid III消化物をスクリーニングした後、プラスミドクローニング伝達物pBR325でクローン化された[Kaperら、Amer.Soc.同上;Kaperら、 ンポジウム同上]。このV.cholerae染色体断片は、トキシン生産に必要なすべての遺伝子を含んでいることが分かった。次にこの染色体領域を分析し、トキシン遺伝子を含有する正確な部位を位置づけた[Kaper,J.B.ら、Lancet.II1162(1981)]。これらの遺伝子を含有するこのDNA断片を切り出すために制限酵素を使用し、選択マーカーをコードするDNA断片(例えばアンピシリン耐性)をライゲーションによって挿入した。このアンピシリン耐性遺伝子および周辺ビブリオDNAを、E.coliからV.choleraeへ伝達できるpRK290の誘導体中にクローン化した。生成したプラスミドは、pJBK55,でE.Coli t K−12からV.cholerae N16961に接合によって転移した。
生成した株、V.cholerae N16961(pJBK55)(Apr)は完全なトキシン遺伝子を有する染色体内の領域、ならびに染色体外にはトキシン遺伝子が欠損しアンピシリン遺伝子に置換されているこの同じ領域を含有するプラスミドを含んでいた。(図1参照)低い頻度で、おそらく106から108に一回、染色体トキシン遺伝子を含む同一領域および染色体外(プラスミド)アンピシリン耐性遺伝子が交換され、”交差”またはin vivo組み替えがおこり、耐性遺伝子を含有するDNAの領域が染色体のトキシン遺伝子と置換されるであろう(図2参照)。このまれな出来事は、宿主にプ不和合性ラスミドの到来を蓄えることができる個々の細胞群に関して、変異体および非変異体細胞の混合物を試験することにより選別される[Ruvkun,G.B.ら、Nature 289,85(1981)]。プラスミドをAからWと呼ばれる群に分類し、その員は互いに安定に共存できない。例えば、不和合性群Pのプラスミドは、同じ細胞中でもう一つの不和合性P(Inc P)と維持されることはできない。このように、R702のようなInc Pプラスミドは特にスルホンアミドに耐性で、PRK 290,pJBK45またはpJBK55のようなもう一つのInc Pプラスミドを有する細胞中では維持されない。ゆえにR702はアンピシリン耐性が染色体に組み替えられているが、Inc Pプラスミド(例えばpJBK55)が染色体外で複製していない株の中で維持されることができる。Inc P 702(スルホンアミド耐性)を含有するE.Coli株と、V.cholerae pJBK55(アンピシリン耐性)を接合させ、ならびにアンピシリンおよびスルホンアミドの両方に耐性であるV.chol eraeを選別することにより、スルホンアミド耐性はp702により染色体外で接合され、ならびにアンピシリン耐性はトキシン遺伝子のかわりに染色体置換を通じて接合された(図3)コロニーを単離する。このような株のひとつ、V.cholerae JBK56が単離され、トキシン生産を試験したとき、無毒性であると判明した。
ワクチン株の最終版であるJBK70,はアンピシリン耐性に置換することにより製造され、治療的に有用な抗生物質で水銀耐性であった。この置換は、水銀耐性に関する遺伝子を直接pJBK55のアンピシリン耐性遺伝子中へクローニングして達成され、これによりアンピシリン耐性を不活性化し、水銀耐性を付与する。生成したプラスミドpJBK66は、R702とは不和合性でありV.cholerae JBK56に伝達される。水銀耐性が染色体中に組み替えられている変異体をInc PプラスミドR702を使用することにより選別し、アンピシリン感受性、水銀耐性かつスルホンアミド耐性であるV.choleraeに関し選択する。R702が回復した自然発生的な誘導体は後に選別された。最終変異体JBK70は、無毒性であり、水銀のみに耐性であった。
ワクチン株V.choleareJBK70は、イナバ血清型のひとつである。他のV.choleraeの主な血清型は、オガワ血清型である。ひとつの血清型から調製されたワクチンは、他の血清型に対して予防するであろうと期待される(34)。結局、実際はそうではなく、生ワクチン株はオガワ血清型及び有志に於ける防御から調製されることができる[Levine M.M.らAcute enteric,同上(1981)]。V.choleraeイナバJBK56株で作られた同一の変異体は、JBK56中のトキシン遺伝子の部分にアンピシリン耐性を含有する染色体領域をE7946中に、P(V.choleraeの性因子)により遺伝子組み替え的に接合させることにより直接伝達し、E7946で再調製された[Parker,C.ら、 ]。このP因子は、Inc Pプラスミドから区別されるものであるが、JBK56中に伝達され、次にE7946のリファンピシン耐性変異体と接合された。アンピシリンおよびリファンピシンの両方に耐性である変異体の選択により、トキシン遺伝子が完全に欠損しているオガワ血清型ワクチン株が単離された。
もし抗菌免疫が防御に不十分であれば、次にコレラトキシンAではなく、Bサブユニットを製造するための遺伝子を加え戻すことによって抗毒性成分を付加できる。これはBサブユニット遺伝子をクローニングベクターpMS9にクローニングして達成される。生成したプラスミドは、pJBK51であるが、高いBサブユニットレベルを生産し、無毒性ワクチン株V.choleraeJBK70中に再び導入され弱毒化ワクチン株JBK70([JBK51)を生成し、これはAサブユニットを生産できない。
本発明のワクチン株は、イナバ血清型を有するV.chol erae N16961からのinter aliaから得られる。他の株または他の遺伝子型固体群および血清型は、N16961を置換してctx遺伝子または遺伝子欠損、もしくはV.cholerae染色体に沿った他の位置に特別な欠損を有するワクチン株を製造して使用できると理解されるであろう。このようなワクチン株を単離する目的は、合併する病原的現象無しに感染過程を模倣し、この応用で記載するように、毒性株の位置−特異的変異がコレラに対する予防ワクチンにおける実質的可能性を生むことである。
例えば、出願人はもうひとつのV.choleraeワクチン株CVD101を製造し,ctx遺伝子の2コピーにおいて大部分のAサブユニット遺伝子を欠損することにより特徴づけた。これは親株395が100%効力を付与するので、CVD101の効力は実質的に100%に近いと期待される。
一般的原理に従ったCVD101の構築は、生成したCVD101は回復に必要な耐性遺伝子をもたないことを除いて同上に概略された、例えばJBK70の構築に従った。第2の単離の最終工程およびin vivo組み替えの発見は、例えばテトラサイクリン感受性といった抗性物質に対する感受性を選択する手順を含み一方親株はCTのA遺伝子の位置に挿入したテトラサイクリン耐性遺伝子を有した。このような抗性物質感受性は、選択マーカーのもう一つの例であると理解できるであろう。
ワクチン株の生産は、さまざまな方法で達成でき、以下のものを含む:Vibrio choleraeは保存カルチャーから脳/−心臓混合アガー(brain/−heart infusion agar:BHIA)中にサブカルチャーされ、37℃で一晩成長させる。同一性が群−および型−特異的血清で試験され、20から30のコロニーがBHIブロースに懸濁される。予めインキュベートされたBHIAプレートにBHI懸濁液が植菌される。5から6時間インキュベートした後、各々のプレートはpH7.2±0.1に緩衝化された5mlの滅菌食塩水で収穫される。収穫した微生物を、冷却中で750g、10分間遠心し、当初の4倍容量で2度再懸濁および洗浄する。懸濁液は分光光度的に標準化され、予防接種に必要なおよその微生物数に希釈される(約106、これは有志による研究に基づき変化する)。接種材料の大きさの確認するために、攻撃(challenge)の前後に接種材料のレプリカ、播種プレート定量カルチャーが作られる。最終的な接種材料は、栄養を与える前にグラム染色および相同的な抗血清に対する凝集で検討される。
本発明のVibrio cholerae株は経口経路で投与できる。2グラムのNaHCO3を蒸留水5オンスに溶解する。有志者は4オンスのNaHCO3/水を飲む;1分後に有志者は残りの1オンスのNaHCO3/水に懸濁したビブリオを摂取する。有志者は、接種前後90分、NPOであった。
安全性に関する主な注意点はワクチン株が毒原性(すなわち、完全なコレラトキシンを生産する)に戻らない事であり、これは疾患を引き起こすであろう。トキシンを試験する二つの主なアッセイはY−1副腎細胞アッセイ[Sack,D.A.らInfect.Immjin.11 334(1975)]および酵素−結合免疫吸着アッセイ(ELISA)[Sack,D.A.らJ.Clin.Micro.11,35(1980)]である。ワクチン株は(JBK70)はこれら二つのアッセイで繰り返し試験され、その度毎に陰性であった。さらにより重要なことは、トキシン遺伝子の存在に関しなされた遺伝子的アッセイである。Southern E.M.J.Mol.Bio.98,503(1975)の方法にしたがって、コレラトキシン遺伝子に関するDNAは放射活性標識され、他の株中のコレラトキシン遺伝子を同定する特別なプローブとして使用できる。この方法により試験された時、本発明に記載されたワクチン株はコレラトキシンを包含できる検出しうる遺伝的物質を有しない。Baselski,VらのInfect.Immun.15,704(1977)にしたがってワクチンはまた幼児マウスにおいても試験された。反復(全部で10回)連続的な経過の後、体液中の蓄積(すなわち疾患の証拠)は検出されなかった。予想どおり,JBK70は幼児マウス腸内にコロニーを形成することが分かった。
ワクチン株の所望でない副作用、たとえば下痢および吐き気、痙攣ならびにその他の症状を避けるために、ワクチン株は、小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードするDNAの第2の制限エンドヌクレアーゼ断片が欠損していてもよい。
Vibrio choleraeの培養は、無毒性を付与し、宿主動物の腸でコロニー形成できるためにDNAの第1制限エンドヌクレアーゼ断片を欠損しており、ならびに宿主動物に残存する下痢を減少するために小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードするDNAの第2の制限エンドヌクレアーゼ断片が欠損しているVibrio cholerae株からなる。欠損されたDNAの第1の制限断片は、Vibrio choleraeトキシンまたはA1サブユニットのようなその部分をコードするであろう。ひとつの単離された欠損変異株は、ctx遺伝子内に、Acc I制限エンドヌクレアーゼ部位で定義されるような欠損、およびzot遺伝子内に欠損を含む。もうひとつの単離された欠損変異体は、xba IおよびCla I制限エンドヌクレアーゼ部位により定められるようなctx遺伝子中の欠損、ならびにStu IおよびAcc I制限エンドヌクレアーゼ部位により定められるようなzot遺伝子中の欠損を含む。
このようなVibrio choleraeの変異株の単離法は、
(a)ひとつ以上の欠損制限エンドヌクレアーゼ断片の配列を含むVibrio cholerae、並びに該配列と置換しかつそこに位置するように結合された外来の選択マーカーに関する遺伝子からなる第1プラスミドを構築し、ここで該配列は検出しうるin vivo組み替えを促進するに十分な長さであり;
(b)Vibrio choleraeの毒性株と第1プラスミドを運ぶ微生物を接合させ;
(c)第1選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選別し;
(d)(c)工程の選択産物と第2選択マーカーを持つ第2プラスミドを運ぶ第2微生物とを接合させ、ここで第2プラスミドは、第1プラスミドとは不和合性であり;
(e)第1および第2選択マーカーの両方を発現するVi brio choleraeを選別し;
(f)ひとつ以上の欠損制限エンドヌクレアーゼ断片であって(a)工程に記載する配列と相同的であるが外来の選択マーカーを持たない配列を含むVibrio choleraeからなる第3プラスミドを構築し;
(g)(e)工程の選択産物と工程(f)に記載された第3プラスミドを運ぶ第3微生物とを接合させ;そして
(h)既に第1選択マーカーを発現しないVibrio choleraeを選別する;
工程から成る。
この方法は、ZOTマイナス株のみまたはコレラトキシン遺伝子をすでに欠いている株のZOTマイナス誘導体の作成に利用されるであろう。
Vibrio choleraeのもうひとつのカルチャーは、コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有するVibrio choleare株から成る。このようなVibrio choleareの欠損変異体の単離法は、
(a)コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードするVibrio cholerae配列の欠損を有しおよび外来の選択マーカーに関する遺伝子からなるプラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio choleare内では染色体外複製が可能であり;
(b)該プラスミドを運ぶ微生物と、検出しうるin viv o組み替えを促進する該配列を含有するVibrio choleraeの毒性株とを接合させ;
(c)該選択マーカー発現するVibrio choleraeを選別し;
(d)(c)工程の産物を選別試薬の非存在下で成長させ;
(e)既に選択マーカーを発現しないVibrio choleraeを選別する;
工程から成り、ゆえにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有する。(b)工程は:(b)該プラスミドを運ぶ微生物と、検出しうるin vivo組み替えを促進するに十分な長さのRS1要素のような第2配列の同一コピーを含む間に挿入された該配列を有するVibrio choleraeの毒性株とを接合させることから成るであろう。
本発明のVibrio cholerae欠損変異株は、コレラに対する予防接種に有効である。
ここでの報告は、Vibrio choleraeによって作られた新規な毒性因子であり、小粘膜の透過性を、細胞内の緻密結合または小帯閉塞(ZO)(イオン輸送のパラセルラー(paracellular)通路)構造に影響を与えることにより増大させる。V.choleraeによるこの因子の生産は、有志での下痢発生性に相互に関連する。パラセルラー通路を介しての小腸への正常な吸引過程の妨害により、この因子は、V.choleraectx欠損変異株により誘発される残存下痢症の原因であり、他の下痢疾患と区別コレラをする重度の下痢の一因であろう。
3株のVibrio choleraeにより誘発される腸機能の変化、ひとつは野生株、2つは弱毒化ワクチン株であるが、を検討した。Vibrio cholerae395株、正統的同遺伝子固体群、オガワ血清型、は高度な毒性株であり、ワクチン開発に関するセンター(Center for Vaccine Development)での有志による研究で徹底的に特徴づけられた。この株は、90%以上の有志が106の微生物を摂取した実験で、平均便容量5.5リットル(0.3から441の範囲)の下痢を誘発した[Levine,M.M.ら、Infect.Immun. 56,161−167(1988)];。[Levine,M.M.,コレラおよ び関連下痢、195−203](karger,Basel,1980)。コレラ性下痢は、原理的には腸粘膜上のCTのAサブユニットの酵素的効果に因るものである。CT Aサブユニットは、ctxによりコードされるが、アデニル酸シュクラーゼを刺激し、体液の正味の分泌を腸内腔にもたらす。Gill,D.M.Adv.Cyclic Nucleotide res.8,85−118(1977)。V.choleraeワクチン株CDV101はCTのA1ペプチドをコードする配列の94%が除去されている395のctx欠損変異株であった。驚くべきことに、CVD101はもはや活性CTを生産せず、この株はこの微生物を摂取した有志の54%に、弱から中程度の下痢を引き起こした(0.3から2.11の範囲で平均便容量0.91)。395の第2誘導体、ワクチン株395N1,はMekalanosら、Nature 306,551−557(1983)により構築され、出願人の計算によれば、A1ペプチドをコードする配列の約77%を欠く。CVD101と比較して、395N1は21人の有志中1人(P=0.002で、これはCVD101の摂取後の24人の有志の13と比較される)にたいへん弱い下痢を誘発した(0.31の便容量)。[Herrington,D.A.ら、J.Exp.Med.168,1487−1492(1982)]。3種の株は腸内にコロニーを形成できる点で共通するので、出願人はCVD101が39N1では弱く、または全く発現しない分泌因子を生成し、その因子がCVD101を摂取した有志にみられるような下痢の原因であると予想する。
これらの株はラビット腸組織をユッシングチャンバー(Ussing chamber)につけて検討した、これは腸組織の輸送過程を研究する典型的技術である。V.cholerae培養上澄みをチャンバーに添加し、電位差(PO)および短周囲電流(short circuit current:Isc)を測定した。PDは組織の粘膜側対漿膜側について測定した電位差で、IscはPDを無効にするに必要な電流である。これらの測定から、測定伝導係数(Gt)がオームの法則を使用して計算される:Isc=PD×Gt.出願人は始めに、野生株395の上澄みの効果をこれらのパラメーターに関し、非植菌培養培地を同一動物の対になった回腸組織に加えたものを陰性対照として使用して検討した。図13Aは得られたI種々のscおよびGtを表す。陰性対照および試料の両方にも生じた、IscおよびPDの初めに得られたピークはおそらく試験試料の培地に存在するNaおよび栄養が共輸送したものであったろう。陰性対照では約1時間後にIscおよびPDがベースライン値に戻り、その後にIsc,PDおよびGtは変化せず留まった。これに対して、395株の上澄みにさらされた組織は、Gtの有意な上昇を示し、インキュベーションの2時間後には最大値に達した。このような試料ではIscはベーラインに戻ることはなく、Iscの安定状態時間は40から60分の間と記録された。IscはPD×Gtに等しく,60分後に観察されたPDは初期値と同じであったので(データーは示さず)、この395−処理組織のその時刻におけるIscの有意な上昇は、Gtの上昇にのみ起因する(図13A時間60分を参照)(12)。60分後、Iscは395−処理組織のPDに伴い再び上昇し始めた。ラビット回腸組織において精製CTは少なくとも40分のラグタイムの後Iscを上昇することから、この第2期は、おそらくイオン流動率に関しコレラトキシンの効果を反映しているのであろう。これらのデータは、V.cholerae395により発現される二つの因子がユッシングチャンバーにおけるイオン輸送を変化できることを示唆する。ひとつの因子は、コレラキシンであるが、培養上澄み添加後約60分のIscおよびPD開始の上昇を誘導し、一方第2因子は培養上澄み添加後20分以内に観察し得る組織伝導率の急激な増加を誘導する。
弱毒化V.cholerae株CVD101および395N1の培養上澄みにより誘導されたGt多様性は、次に研究された。CVD101は、Gtの急激な上昇を誘導し、これは395でみられるものと区別できなかった(図13B)。これに対して、395N1は、Gtにおいて急激な上昇を誘導せず;395N1−処理組織のGt多様性は、陰性ブロース対照と同様であり、約100分間のインキュベーションで395およびCVD101でみられたものより有意に低かった。この期間の後、395、CVD101および395N1に晒された組織のGt修飾は同様であった。これらの結果から395N1はGtのこの上昇に関与するより少ない量の、まはた活性の低い型の因子の生成すると示唆される。
血漿膜抵抗は比較的高いので、トランス上皮の(transepithelial)伝導係数は、細胞内空間を通過する組織透過性の修飾を反映する。ZOはこのパラ細胞性通過における主要な障害を表し、ならびにGtの多様性はZO機能の最も敏感な測定であるので、V.cholerae395、CVD101および392N1上澄みに誘導されたZOの形態学上の修飾が検討された。もし小麦胚芽アグルチニン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(WGA−HPR)のような低分子量電気−密度マーカーが上皮シートの粘膜側に加えられれば、通常はZOを越えて通過しないであろう[Alberts,B.らMolecula r Biology of the Cell 2nd ed(1989)]。WGA−HRPは、395、CVD101,395N1の培養上澄み、または非植菌ブロース対照で60分間処理した腸内組織の粘膜側に加えられた。図14に見られるように、非植菌ブロース培地で処理した組織は、WGA−HRPに透過性ではなく(図14A)、一方395およびCVD101−処理組織はパラ細胞空間まで染色が入ったことを表した(図14bおよび14d)。395N1上澄みに晒された組織は、WGA−HRPの通過を排除するにしっかり十分な空間が残っていても影響を受けなかった(15C)。これらの結果は、凍結−損傷(freeze−fracture)電子顕微鏡を使用して確認および拡張され、ここでZOで平行に存在する多くの繊維は、トランス上皮電気伝導係数に互いに関係する。培養上澄みに晒された組織は、無変化ZO(図15A)および変化ZOの混合で、繊維錯綜の減少(図15B)を示した。ZOの長軸に対して垂直に位置する繊維は好ましくも消失したように見え、繊維交差を減少した。各々の株の上澄みに晒されたZOの錯綜は、繊維交差を測定することにより定量された。図15Cに見られるように、395またはCVD101の培養上澄みで処理された組織は、非植菌ブロースまたは395N1の上澄みで処理した組織と比較する時、繊維数およびZOの網状組織の錯綜において有意な減少を示した。
395およびCVD101に誘発されるZOの形態的変化は、これらの株に誘発される増加した組織伝導係数と匹敵する。腸ZOの機能は、パラ細胞内通過の制御および水溶性分子が細胞内空間から腸管へ逆に拡散することを規制または妨げることである。この拡散は、トランス上皮輸送過程による濃度勾配により引き起こされる。パラ細胞性通過の変化の結果、腸粘膜はより透過性になり、ならびにNa,およびClは腸管に漏れ、下痢を引き起こす。V.cho lerae395およびCVD101により誘発されるパラ細胞性通過の変化は、小腸に特異的であり;ラビット回腸組織の盲腸組織への置換は、395上澄みによるGtの変化をもたらさなかった(データーは示さず)。これは完全な腸組織の密着体を緩めることができる細菌因子の初めての報告であり、細菌性下痢の新しい機構を示すであろう。クロストレジウム ブィフィシル トキシンA,インフルエンザおよび小胞口内炎(VSV)ウイルスは、組織培養単層の密着体を緩めるが完全な組織での活性、および下痢との相互関係は報告されなかった。
このように、V.choleraei 395およびCVD101はV.chole raectx欠損変異株を摂取した有志に見られる下痢の原因と思われる因子を生産する。これらのctx変異株により誘発される下痢はエンテロトキシンE.coliの多くの株でみられるのと同等である。この分泌性因子は、出願人は小帯トキシン閉塞に関するZOTと名づけたが、イオン流動についてのCTの影響とは無関係なIsc及び組織伝導係数の初期の増加を誘発する。このGtの増加は密着体の弛緩に関連し、この効果は上澄みを除去すると迅速に元に戻る(図16)。この効果の迅速な逆転は、長期にわたるCTの効果とは対照的である。これらの結果は、粗であるが精製されていないCT調製物により誘発されたIscにおける急激な上昇に注目したFieldらのJ.Clin.Invest.5 1,796−804(1972)には説明されていない以前の観察の説明とはならないが、マウスにV.choleraeを餌として与えた場合に、遅延したCT−誘導体液蓄積(FA)に無関係の初期FAに注目したNishibuchiらのInfect.Immun.40,1083−1091(1983)の説明となろう。有志に下痢を誘発するCT−陰性V.choleraeがの能力は、同一の親株から得られた二つの弱毒化株によるZOTの生産に相互に関連する:CVD101(下痢発生性)は、ZOTを生産し、一方395N1(非下痢性)はわずかにまたはZOT不活性である。
Vibrio choleraeのもうひとつのカルチャーは、コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有し、ならびに挿入水銀耐性遺伝子およびVibrio choleareのBサブユニットをコードするDNAを有するVibrio choleare株から成る。このようなVibrio choleareの欠損変異体の単離法は、
(a)コレラトキシン、小帯トキシン(ZOT)をコードするVibrio choleare配列および外来の選択マーカーに関する遺伝子からなるプラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio choleare内では染色体外複製が不可能であり;
(b)上記プラスミドを運ぶ微生物と、検出しうるin v ivo組み替えを促進するに十分な長さの第2配列の同一コピーを含む間に挿入されたコレラトキシン、小帯閉塞トキシンをコードする該配列を含有するVibrio cholera eの毒性株とを接合させ;
(c)上記選択マーカー発現するVibrio choleraeを選別し;
(d)(c)工程の選択産物を選択試薬の非存在下で成長させ;
(e)既に選択マーカーを発現しないVibrio choleraeを選別し、ゆえにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有し;
(f)水銀耐性遺伝子ならびにVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAおよび外来の第2選択マーカーに関する遺伝子から成る第2プラスミドを構築し、ここで該プラスミドはVibrio choleare内では染色体外複製が不可能であり、ならびにここで検出しうるin vivo組み替えを促進するために十分な長さの配列は該水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを含み;
(g)上記第2プラスミドを運ぶ微生物と検出しうるin vivo組み替えを促進するために十分な長さの該配列と相同的な配列を含む(e)工程に述べられた該Vibrio c holeraeとを接合させ;
(h)上記第2選択マーカー発現するVibrio choleraeを選別し;
(i)(h)工程の選択産物を第2選択試薬の非存在下で成長させ;
(j)既に第2選択マーカーを発現しないVibrio chole raeを選別し
(k)水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを有し、ならびにコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有するVibrio choleraeに関し(j)工程で述べた該Vibrio choleraeをスクリーニングする;
工程から成る。
コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有し、ならびに挿入水銀耐性遺伝子およびVibrio choleareのBサブユニットをコードするDNAを有するVibrio choleareの欠損変異株の単離法は、(f)工程においてVibrio choleareのコロニー形成能及び免疫性を失わずに破壊されることができる遺伝子からなる十分な長さを含む配列を使用するであろう。例としてヘモリシン遺伝子がある。V.choler aeCVD110はこの方法にしたがって構築され、コレラトキシンのAおよびBサブユニットならびに小帯閉塞トキシン(ZOT)をコードする染色体DNAの領域に欠損を有し、ならびに水銀耐性遺伝子およびヘモリシン遺伝子の位置に挿入されたVibrio choleareトキシンのBサブユニットをコードするDNAを有する。十分な長さの配列の他の例は、his遺伝子(hone,Microbial Pathogenesis 5,pp.407−478(1989))およびnanH遺伝子(Vimr,J.of Bacteriology 170,pp1495−1504(1988))がある。
以下の実施例では、任意の技術、反応及び分離手順が当業者に周知である。すべての酵素は、特に述べないかぎり、ひとつ以上の市販源から入手でき、例えばイングランド ラボ−−ビバリー、マサチューセッツ州;コラボラティブ リサーチ−−ワルタン、マサチューセッツ州;ミルズ ラボラトリー−−エルクハート、インディアナ州;ベーリンガー バイオケミカルス社−−インディアナポリス、インディアナ州;およびベセスダリサーチラボラトリー−−ロットビル、メリーランド州;代表的な数社を述べる。バッファーおよび制限酵素消化の反応条件は他に示さない限り、各々の酵素について製造元により供給された指示に従う。制限酵素での部分消化は、各々の酵素のバッチについてあらかじめ前実験で定めた減少した酵素濃度を使用して行う。他の酵素反応、ゲル電気泳動、およびE.coli形質転換に関する標準的方法は、Method in Enzymology Volume 68,Ray Wu,編集者、Academic Press(1979)に見いだせるであろう。もうひとつの標準的な文献はManiatis,T.ら,Molecular C loning,Cold Spring Harber(1982)である。細菌は、Miller,Experiments in Molecular Genetics,Cold Spring Harber Laboratory(1972)、に一般的に説明されている手順に従って成長させた。Vibrio choleraeは、Lennett,E.A.ら、eds,Mannual Of Clinical Microbiology 3版、Society of Microbiology,American Washington(1980)に一般的に説明されているように増殖させた。E.coliおよびVibrio choleraeはJonson,Steven R.ら、J.Bact.137,531(1979);およびYokota,T.ら、J.Bact. 109,440(1972)に一般的に説明されているように接合させた。
本発明の株は本発明の実施の前にメリーランド州のロックビルに位置するアメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Cluture Collection)に寄託された。寄託された株は、V.cholerae JBK56,V.cholerae JBK70,V.cholerae N16961,V.cholerae JVK70(pJBK51),V.choleraeオガワ395、CVD101,CVD109,V.cholerae E7946およびE.coli SM10ラムダpir pCDV51,V.choleraeCVD110,およびE.coli SY(pCVD622.2B)であり、それぞれATCC寄託番号39,317、39,318、39,315、39,316、39,451、39,540、55,057(1990年6月4日寄託)、55,056(1990年6月4日寄託)、68,335(1990年6月5日寄託)、55,188(1991年6月3日寄託)および68,630(である。
実施例1
トキシン遺伝子と交換するために挿入された選択マーカ ーを有するプラスミドの構築
プラスミドJBK16はトキシン遺伝子の含む染色体の4kbのPst I−Bgl II断片を含有する。トキシン遺伝子はAcc I部位を含み、内部にAcc I部位を有する。JBK16はAcc Iで完全に消化され、このトキシン遺伝子を含むAcc I断片は残りのプラスミドから、分離された。残存する重複すなわち”粘着末端”Acc IE.coliポリメラーゼのクレノーフラグメントで”埋める(filling−in)”することにより平滑末端を作成した(すなわちAcc Iの消化の後に残る一本鎖DNAは平滑末端で二本鎖が作られた)。アンピシリン耐性遺伝子をコードする遺伝子はプラスミドpREG153から精製され(pREG153はpREG151の誘導体であり[Weiss,A.らJ.Bact.152,549−552]、トリメトロプリン耐性の代わりにアンピシリン耐性に変更され、cos配列が付加された)”粘着末端”は上記のごとく”埋め”られた。次にこの断片をAp耐性遺伝子が今削除されたトキシン遺伝子の全く同じ位置に来るようにビブリオDNAに連結し、同じビブリオ配列で両端をつないだ。生成したプラスミドはpJBK21(図4)と命名され欠損トキシン領域およびAp耐性遺伝子をんでいた。
実施例2
周辺相同配列の付加、その後のV.Choleraeへの結合遺伝 子伝達
pJBK21での欠損を染色体に特異的挿入することを確実にするために、約7,000bpの付加DNAがpJBK21からのPst−Bgal IIの各々の末端に付加された。(相同組み替えの起こる可能性は、周辺相同配列の長さの増加に対応して増加する)これを達成するために、N16961の染色体から約18kbの断片がクローン化された。このクローンはpJBK44と呼ばれ、約7kbのDNAを両端に結合させることにより4kbのPst−Bgal tox遺伝子断片を含む(図5)。pJBK21は、唯一のPst部位が切断されるようにPst Iで部分消化され(追加のPst側はアンピシリン耐性遺伝子内に加えられる)、次にBgl IIにより消化され、欠損トキシン遺伝子およびAp耐性領域を含有する4kbのPst−Bgl II断片を単離した。約18kbのビブリオ断片を含有するプラスミドpJBK44は、存在する4つのBgl II部位のうちのひとつが切断されるようにBgl IIで部分消化された。この部分消化の後、Pst Iの完全消化が行われ、生成した断片は0.3%アガロースを通して電気泳動で分離された。分離した断片は次に精製、分析され、Pst−Bgl tox遺伝子を除きひとつの断片が4kbのpJBK44のすべての配列を含有していることが分かった(図5参照)。周辺DNAを表すこの断片は次に、アンピシリン耐性を含むpJBK21由来のPstBgl断片に混合、連結された。生成したプラスミドはpJBK54であるが、欠損トキシン遺伝子に代わりアンピシリン耐性遺伝子をもつ約17kbのビブリオ染色体を含有した。
この修飾された染色体領域は、V.cholerae中ですぐに起動できるプラスミド中にクローンされた。このプラスミドpKR20[Ditta,G.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.77,7347(1980)]は、プラスミド不和合性群Pに属し、pJBK54がクローン化されるときの単一EcoR I R部位を有する(図6)。生成したプラスミドpJBK55はつぎに伝達性プラスミドpRK2013を使用してV.cholerae N16961と接合させ、V.cholerae N16961(pJBK55)(Apr)を生成した。
実施例3
in vivo組み替え
実施例2で説明したように接合遺伝子伝達の後、変異トキシン遺伝子は今V.cholerae株N16961の染色体外に存在した(図1参照)。相同周辺配列塩基対および染色体への交差は極めて低い頻度(おそらく10-6から10-8)であろう(図7参照)。このまれな出来事は、染色体上のctx遺伝子がプラスミド上の欠損トキシン遺伝子に置換する結果おこるであろう。このまれな出来事を選択するために、プラスミド不和合性現象が利用された[Ruvkin,G.B.同上]。プラスミドは不和合性群、AからWと呼ばれる、に分割でき、それは同じ細胞中で安定に保持される能力に基づく。もし二つのプラスミドが同じ細胞中に共に安定に保持されなければ、それらは不和合であり同じ不和合性群に属する、おそらくそれらは細胞中で同じ複製機構を利用するからである。一つのプラスミドにはそんざいするがもう一方には存在しない抗性物質耐性を選択的に利用してどちらの不和合性プラスミドが保持されるかを選別できる。プラスミドはpJBK55はpRK290株由来であるので(Inc P)P群に属する。プラスミドR702もInc Pに属し、かつカナマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミドおよびストレプトマイシン耐性をコードするがアンピシリン耐性ではない。pR702およびpJBK55は不和合性であるので、pR702(SuR)をN16961(pJBK55)中に接合させ、アンピシリンおよびスルホンアミドの両方を含有する培地で選択し、選択はアンピシリン耐性が染色体に合体され、スルホンアミド耐性がプラスミド上に残る細胞について行わた(図2参照)。生成した株JBK56(図3)は、アンピシリン耐性およびY−1副腎細胞およびGm1 ELISAにより試験したとき毒性陰性であった。さらに染色体DNAがクローンコレラトキシン(CT)遺伝子を含有するDNAプローブとハイブリダイズする時、JBK56は陰性であり、トキシン遺伝子が完全に欠損していることを示唆した。R702にコードされる抗生物質耐性は、最終的にプラスミドを欠く回復(cured)誘導体の選択で除去される。
実施例4
実施例1の選択マーカーの除去
アンピシリン耐性を除去するために、Ap遺伝子のPst部位にクローンされているR100由来の水銀(Hg)耐性をコードする遺伝子をもつpJBK55の誘導体が構築され、これにより、アンピシリン耐性は挿入的に不活性化される。この誘導体は次にV.choleraeJBK56中に接合させ、次にpR702そして上記のHgR,Aps V.choleraeとして選別を行った。最終株V.choleareJBK70は試験された全ての抗生物質に感受性で、水銀耐性、かつ現象的にはトキシン陰性であった。その染色体DNAはCT遺伝子を含有するDNAプローブとは検出的にはハイブリダイズしなかった。シークエンシングは別として全染色体のDNAは、JBK70はトキシン遺伝子の欠損ならびに水銀耐性の挿入および不活性アンピシリン耐性遺伝子の他は親株N16961との変更は無いように見える。このような株は毒性を回復できない、なぜならトキシン遺伝子はほとんど変異せず、しかし完全に削除されているからである。
実施例5
抗毒性免疫を付与するための接合遺伝子伝達
もし、協同的に抗菌性免疫および抗毒性免疫の両方を所望するなら、JBK70の誘導体はコレラトキシンのBサブユニットだけを生成するように製造されることができる。この目的を達成するために、Bだけを生成しAの遺伝子を欠くトキシン誘導体がつくられた(図8)。B構造遺伝子を含有するpJBK16からのHpa II断片をファージクローニングベクター、M13mP7に、遺伝子のいずれかの端がBam H IおよびEcoR I部位に位置するようにクローンした(図8)。今Bam H I部位で切られたこの断片を、たいへん強力なtrpプロモーターを含むpMS9中にクローンした。強力な転写プロモーターの制御下に位置するB遺伝子は,B抗原の生産を確実にする。検討したクローンの約50%が抗原を生産しなかった。この発見は、挿入方向に関する二つの可能性、−−ひとつは前進、ひとつは逆向き、を反映する。ひとつの誘導体pJBK51は、Bユニットを生産するがVibrio cholerae JBK70に接合させ、JBK70(pJBK51)を産し、親株N16961より多くのB抗原を製造することが分かった。他のBのみの変異体は異なるプロモーター、PLプロモーを含むが、を使用して創作され任意にin vivo発現の有意差に関する適当なモデルと評価できる。
実施例6
毒性への回復が無いJBK70の幼児マウス腸でのコロニー 形成
受乳マウス(2.0−3.5g)はそれらの母から離され、3から8時間絶食させた。それらの4匹が第1日(day1)に口から胃へ22gの動物接餌針を使用して接種された。接種はをマウスあたり0.05mlから0.1mlの間の容量で約108CFU(コロニー形成単位:colony−forming units)のJBK70であった。接種材料は、本質的にはBaselski,V.ら、同上に記載されたBHIブロースで調製された。接種材料は約0.01%のエバンス青色染色(Evans blue dye)を含有した。胃にこの染料が存在すると腹壁を通って接種の適切な運搬が示され見られる。エンバス青色染料の添加を第1日の後停止し(表I参照)、JBK70の阻害を避けた。
連続的接種はマウス−から−マウス(MXM)また別の方法としてマウス−から−プレート−から−マウス(MXPXM)が採用されたが、第1日の接種に関しBaselskiの方法と比較して異なる調製手順が要求された。
MXM接種材料を調製するために、腸から肛門の消化管は滅菌に注意して切開された。消化管の重さを測り、ガラスホモジナイザーチューブに置き、約0.5mlのBHIブロースが添加された。混合物は組織が水溶化するまでテフロン乳棒で簡単に均一化された。生成した懸濁液を各々の幼児マウスに約10-8CFU接種するために使用した。MEA(肉エキスアガー)プレート上の縞により純度を検定した。エバンス青色染料は加えなかった。
MXPXM接種材料を調製するためには、滅菌ループをMEAプレートからBHIブロースに細胞を移す為に使用した。濃い懸濁液を得るために、約1011CFU/mlが約1mlのBHIブロースに加えられた。混合物をボルテックスで均一にし、各々の幼児マウスに1口あたり0.05−0.1m.(約1010CFU)を接種した。エバンス青色染料は加えなかった。
全ての接種に関しマウスは73−76゜Fの室温でビーカー中に維持された。ビーカーはプラスチックの箱に置かれ、マウスを約78゜Fの周辺温度に静かに維持するように緩やかに密閉された。結果は表Iに示されるように、MEAプレート上の縞で検定されるように次の動物を接種するのに十分な細胞が腸内に存在した。これゆえにVibr io cholerae JBK70は幼児マウスの消化管でコロニー形成した。さらにFA比において実質的な上昇はなかったので体液蓄積レベルは増加しなかった(0.065に等しいかまたはより高いFA比は体液蓄積陽性である)。毒性回復の証拠はは別に示される。
Figure 0003600618
実施例7
Aサブユニットをコードする遺伝子内に制限断片欠損を 有するCVD101V.cholerae株の構築
弱毒化用に選ばれるもうひとつの正統派株は、Vibrio choleraeオガワ395(または"395"と言う)で、N16961のように有志によって徹底的に研究され固体免疫を付与する[levine,M.M.「有志により評価されたコレラに対する免疫」"Immunity to cholerae as evaluated in volunteers"Cholerae and Related Diarrheas:43rd"Nobel Symposium,Stockholm 1978.(O.Ouchterlong & J.Holmgren,eds).Basel:S.Karger,pp195−2−3(1980);Levin,M.M.らAcute Enteric同上(1981)]。395の弱毒化に使用した方法は、N16961に使用した方法と実質的に変わらない(実施例1−5にて記載されているように)。
第1工程は395のふたつのトキシン遺伝子コピーをクローニングおよびマッピングすることであった。サザンブロット分析では、約16および約12kbの長さのふたつのHid III部位の存在を明らかにし、どちらもクローン化コレラトキシン遺伝子とハイブリダイズした。これらの断片は、アガロース電気泳動で精製され、アルカリホスファターゼ処理Hid III消化pBR325中にクローン化された(図9)。生成したトキシン遺伝子を含有する組み替えプラスミドはpCVD14およびpCVD15と命名された。
プラスミドpCVD14およびpCVD15は次に制限エンドヌクレアーゼでマッピングされた。約550bpのXba I−Cla I断片、A1サブユニットの全塩基配列を含むがA1の第10アミノ酸残基のコドンはふくまない、が見いだされた。このXba ICla I断片は、pCVD15に関し図10で表すような連続工程においてpCVD14およびpCVD15の両方からin vit roで削除された。第1にCal Iでの部分消化で直鎖状分子集合を生成し、その中の5つのCla I部位のうち1つを切った。次に直鎖分子の末端をDNAポリメラーゼで埋めて平滑末端を作った。Xba Iリンカーを平滑末端Cla I部位へ連結し、次にXba I酵素を加えてリンカーを処理し、ならびにXba I断片にテトラサイクリン耐性遺伝子を加え連結した分子の蓄積を生成した。E.coli K−12への形質転換及びテトラサイクリンでの選択の後、多くの形質転換体のプラスミド含有量を検討した。ひとつ以上のXba I−Cla I断片が欠損している種々の欠損変異体が見いだされた。A1遺伝子を含有する550bpのXba I−Cla Iのみを欠くいているひとつの欠損変異体を選んだ。この欠損変異体を、pCVD5と呼ぶが精製し、Xba Iで消化しテトラサイクリン遺伝子を削除した。生成したクローンは、PCVD30、Y−1副腎アッセイで測定した時、ホロトキシン陰性であった[Sack,D.A.ら、同上(1975)]、しかしELISAで測定したとき、Bサブユニットの生産については陽性で[Sack,D.A.ら、同上(1980)]、ならびに標識A1を使用したDNAハイブリダイゼーションに表されるようにA1に関する遺伝子を欠いていた。トキシン欠損変異を有するpCVD30のHid III断片は次にpJBK85中にクローンされ、pJBK108のTc感受性、Cm耐性誘導体である。生成したプラスミドをpJBK108と命名した。
pJBK108のトキシン欠損変異における選択マーカーの欠損は、E1 Tor N16961を弱毒化するために使用した以前の方法を変更する必要があった。395からのA1遺伝子の削除を達成するために、pCVD15からのHind III断片をpJBK85にクローンし、pJBK88を生成した(図11)。Xba I断片上のテトラサイクリン耐性遺伝子は、PJBK88のA1遺伝子内のXba部位にクローンされpJBK107を生成した。このテトラサイクリン耐性はつぎに、すでにV.cholerae pJBK56で行ったように395の染色体中に組み替えられた。pJBK107(Tcr,Cmr)を395中に起動させ、第2Inc Pプラスミド、pR751(Tpr)が作られた。Tcr,Tpr,Cmsコロニーの選択はV.cholerae JBK113の中で行われ、これは両方の染色体トキシン遺伝子コピーにもテトラサイクリン耐性遺伝子を含んでいた。欠損変異を有するpJBK108は、V.cholerae JBK113中で起動させた。欠損変異の染色体への相同組み替えは、A1遺伝子配列の喪失をもたらすであろう。これはテトラサイクリン耐性の喪失で検出しうる出来事である。なぜなら大変低い頻度であっても組み替えは起こるのでテトラサイクリン耐性細胞の集合中のテトラサイクリン感受性細胞に関する質の高い方法が採用されたのである。この質の高い方法はテトラサイクリンが細胞安定抗生物質である一方アンピシリンおよびD−シクロ−セリンは殺細菌性である、という事実を利用するものである。ゆえにpJBK108を含有するV.chole raeJBK113の培養は、37℃で7時間、2ミクロg/mlのテトラサイクリン、50ミクロg/mlのアンピシリンおよび50ミクロg/mlのD−シクロセリンを含有するL−ブロース中で成長させた。3時間の終わりにほとんどのテトラサイクリン耐性細胞は死に、テトラサイクリン感受性細胞はL−アガー上に播き、レプリカはテトラサイクリン含有L−アガー上に播いて検出した。テトラサイクリン感受性コロニーはDNAハイブリダイゼーションによってA1の存在を調べた。A1サブユニットの両方のコピーの欠損を有する一つのテトラサイクリン感受性株はV,choleraeCDV101と命名され、ELISAによりBサブユニットの生産を試験された[Sack,同上]。V.choleraeCVD101はBサブユニット抗体を、毒性親株V.cholerae395と実質的に同程度で生産することが分かった。
実施例8
トキシン遺伝子のDNAシークエンシング
V.choleraeイナバ62746トキシン遺伝子の全DNA配列が決定され、その一部はLockman,らJ.Biol.Chem.258,13722(1983)に報告された。このpCVD14およびpCVD15の制限エンドヌクレアーゼマッピングは、62746株に見られる配列が395のトキシン遺伝子にも存在することを示す。550bpのXba I−Cla I断片の削除の後に予想された接合だが、Xba Iリンカ−配列の付加を図12に表す。コレラトキシン配列のXba I部位はA1構造遺伝子のアミノ酸残基10および11にわたる(A1の18アミノ酸リーダー配列は数えない)。配列のCla I部位はA1の最後でA2の最初の残基に位置する。
実施例9
CVD101中に小帯閉塞トキシン欠損を有するV.cholerae株 の構築
ZOT欠損変異V.choleraeを実施例7で説明したCVD101コレラトキシン欠損変異体と同じ方法でを調製した。zo t遺伝子は組み替えプラスミドpBB68中に含まれている。pBB66は、zot遺伝子を含有するV.cholerae S69からのEcoR I染色体DNA断片ならびに550bpのXba I−cla I断片の欠損を有するctx遺伝子から成る。575塩基対のStu I−A cc I制限断片をin vitroでpBB68からの制限酵素StuおよびAccで消化、除去し、分子の両端をDNAポリメラーゼで埋めて平滑末端とする。(これは1199塩基対のzot遺伝子の45%を除去することになるだろう。)この試料の半分をそれ自体に連結し、欠損変異体を作成する。他の半分はテトラサイクリン耐性遺伝子(外来の)に連結し、選択マーカーを与える。
上記のin vitroで構築されたzot欠損変異体は、すでにCVD101のctx欠損変異体を構築するために説明したようにV.cholerae CVD101の染色体に導入された。上記で得られたテトラサイクリン耐性クローンは、Inc PプラスミドpJBk85中にクローニングされた。このプラスミド(Tcr Cmr)はCVD101中で駆動し、Tcrを選択する。第2Inc Pプラスミド、pR751(Tpr)が、導入された。Tcr、Tpr、Cmrコロニーの選択はTcrがzot遺伝子中に組み替えられたV.cholerae株を生成する。
Stu I−Acc I欠損変異を含みむがTcr遺伝子を欠くプラスミドをTcr V.cholerae株中で駆動させる。欠損変異の染色体への相同組み替えがzot遺伝子の配列の喪失をもたらし、Tcrの喪失により検出できる出来事である。Tcsコロニーは選別されzot配列の喪失がStu I−Acc I断片をプローブとしたDNAハイブリダイゼーションでスクリーニングされる。
実施例10
V.choleraeトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードす る配列の制限断片欠損を有するCVD109−a V.choleraeの 構築
弱毒化V.cholerae株CVD109の構造は、選択マーカーをコードする配列と一緒にクローン化Vibrio配列を毒性V. cholerae株の染色体へ導入することを含む。初めの組み替えプラスミドからの相同配列を染色体に、in vivo組み替えすることはこの部位に選択マーカーを提供する。周辺相同配列間の第2in vivo組み替えは、染色体からのプロフィシェント遺伝子の削除を結果し、最終産物は欠損変異体である。
図17はCVD109の構築の表す。zotおよびctx遺伝子はV. cholerae染色体上に互いに隣接している。RS1と呼ばれる2700塩基対のDNA配列のマルチプルコピーは(反復配列に関し)、毒性V.cholerae株E7946(E1 Tor同遺伝子型個体群、オガワ血清型)のzot及びctxの両側にある。図17Aにおいて、zot及びctx配列は、白抜きまたは斜線混合の矢印で示される。RS1配列は、より小さい実線で示す。
組み替えプラスミド、pCVD51(図17A)、は染色体zot /ctx配列(図17Aの斜線混合矢印で示される)と相同であるクローンzot/ctx配列(白抜き矢印)を含有し、ならびに選択マーカー、アンピシリン耐性(Apr)を含有する。Vibrio配列がクローン化されるプラスミドベクターはpGP704(MillerおよびMekalanos J.Bacteril,170,2575−2583(1988))であった。このプラスミドはV.cho lerae中で染色体外複製をすることができず、しかし許容(permissive)E.coli株で複製できる。pCVD51はE.co liからV.choleraeE7946に接合させた。このプラスミドはV.cholerae中で染色体外複製をすることができずAprコロニーの選択で、Aprマーカーを含むプラスミド全体が、zot/ctx配列の部位で染色体に相同組み替えられた。(組み替えの正しい部位がzotまたはctxかは不明である。)この一回の交差の結果(二重交差ではない)この出来事は”共組み込み”構造と呼ばれ図17Bに描写する。
zot/ctx領域を含む十分な長さのRS1配列は、検出可能な組み替えを提供し;相同的なRS1要素間の分子内組み替えは、それらの間のすべての配列の喪失をもたらす。組み込みプラスミドをもつApr V.choleraeをアンピシリンの非存在下で成長させ、Ap耐性(Aps)コロニーを選択した。ctxおよびzotを含むRS1要素の組み替えは、介在するzotおよびctx配列を、Apr含有プラスミドベクターと一緒に喪失する事をもたらした(図17C)。
上記の工程で生成したAps V.choleraeは、zot配列に関しDNAハイブリダイゼーションでスクリーニングされた。DNAプローブはクローン化zot遺伝子から得た575塩基対の制限断片から成った。このプローブとハイブリダイズしなかったコロニーを選別し、ctx遺伝子プローブを使用してDNAハイブリダイゼーションによりctx遺伝子の存在を厳密に調べた。これらのハイブリダイゼーションの結果、zotおよびctx遺伝子の両方の喪失が確認された。ひとつの代表的な株が保存され,CVD109と命名された。第17D図は、zotおよびctx配列を欠損しているがRS1要素のひとつを保持するCVD109の染色体を図解する。(17Dで表されるプラスミドは最終的なAps株には保持されていないが、第2交差の結果を図解するためにのみ描写されている。このプラスミドはV.choleraeの染色体外では複製できないので、この中間的な産物は最終的には喪失する。)
実施例11
V.choleraeトキシンのAおよびBサブユニット、及び小 帯閉塞トキシンをコードする配列の制限断片欠損を有 し、ならびに挿入水銀耐性遺伝子およびV.choleraeトキ シンのA及びBサブユニットをコードするDNAを有するC VD110−a V.cholerae株の構築
CVD110をV.choleraeCVD109から直接構築する、この説明はすでに述べた。V.choleraeCVD109はコレラトキシン(CT)のAおよびBサブユニットの両方と、zotをコードする遺伝子を欠いており、水銀感受性である。CTBサブユニット遺伝子(ctxB)および水銀耐性遺伝子を含有する遺伝子断片がin vitroで構築された。この構造物はつぎにCVD109の染色体に、特にヘモリシン遺伝子に挿入された。このように最終的なワクチン株、VD110、はコレラトキシンのAではなくBサブユニットを生産し、水銀に耐性であり、野生型HlyAタンパク質を生産しない。
CT B構造:ctxBおよビctxプロモーター配列は、プラスミドpCVD30から得、実施例7に記載されている。このプラスミドpCVD30は、ctxA遺伝子の欠損を含む。このct x遺伝子およびctxプロモーターを含有するが、zot遺伝子を含有しない1.4kb断片をpCVD30をHin P1およびHae III酵素で消化して得た。この断片はT4 DNAポリメラーゼで処理してこの断片の末端を平滑末端とし、合成Kpn Iリンカーをこの断片に連結した。この断片をつぎにpCVD315ベクターにクローンし[Galen,ら、Advances in Reseach on Cholerae and Related Diarrheas vol.7(SackらEds.pp143−153(1980)]。pCVD315ベクターにはこの目的に関し、Kpn I部位を有する外に特別な意味をもたない。ctx B遺伝子を含有する生成したプラスミドは、pCVD621と呼ばれた(図19)。
水銀耐性遺伝子:水銀耐性遺伝子源(mer)は、V.cho leraeJBK70で使用したものと同じである。merを含有する4.2kbのNco I−Stu I断片は、元来のpDB7から得た[Barrineau,ら、J.Molecular & Applied Genetics(1984)vol.2,pp601−619]。この断片はDNAポリメラーゼ(クレノー断片)で処理して、この断片の両端を平滑末端とし、合成Kpn Iリンカーをこの断片に連結した。この断片をつぎにpCVD43の誘導体であるプラスミドpCVD43.2(未報告)中にクローンした[Kaper,らAdcances in Resarch on Cholerae and Related Diarrheas vol.6(Ohtomo,らEds.pp161−167(1980)]。pCVD43はV.cho leraeのクローン化ヘモリシン遺伝子(hlyA)を含有するが、400bpのHpa I断片はhlyA内に無い。400bpのHpa I断片の欠損は遺伝子を不活性にする[Kaperら、Advances,等vol.6]。pCVD43の単一Hpa I中に合成Kpn Iリンカーが連結されている以外はpCVD43.2はpCVD43と同一である。mer遺伝子がhlyA遺伝子中に挿入された混合クローンをpCVD43.3と呼ぶ。
ctxBおよびmer遺伝子のCVD109への挿入:これらの遺伝子をCVD109の染色体の中に導入するために、プラスミドベクターpGP704(これは実施例10に説明されているが)を使用した。mer及びhlyAを含有するpCVD43.3からの8.1kbのCla I−Bgl II断片をpGP704中にクローンし、pJMK12を生産した(図19)。pJMK12をKpn Iで部分的に消化し、直線分子でその中の3つのKpnのうちただひとつが切断されている集合を得た。ctxB遺伝子を含有するpCVD621(上記)の1.4kbの断片pJMK12に連結しpCVD622.2Bを生成した。挿入遺伝子の相対位置および方向を図19に示す。
pCVD622.2Bは、E.coli宿主株からの接合によってV.co leraeCVD109中に導入された。実施例10に記載されるように、pGP704はV.cholerae中で染色体外複製はできないが、許容E.coli株中では複製できる。pCVD622.2Bは、V. cholerae中で染色体外複製はできないので、Aprクローンの選択[pGP704はアンピシリン耐性をコードする遺伝子の含む]はAprをもつpCVD622.2Bプラスミド全体が染色体のhlyA遺伝子部位に相同組み替えられた株を生成した。[これはctx又はzot配列中には組み替えられない、なぜならCVD109はこれらの遺伝子を欠くからである。]この一回の交差(二重交差ではない)の結果”共組み込み”構造又は”部分二倍体”(これらは互換性をもって使用される)と呼ばれる出来事は図20Bに描写される。
第2交差は、組み込みpCVD622.2Bを含む相同hlyA配列間で起こることができる。第2交差は自然発生的に起こり、、Aprフェノタイプを欠くコロニーの選択により検出される。組み替えの厳密な部位により、第2交差は、二つの起こり得る結果のひとつを有する。両方の起こりうる結果とも、PGP704プラスミドベクター配列の喪失をもたらし、図20Cおよび20Dに説明される。ひとつの結果は、単なる開始状態の再生、すなわちctxzotおよびme rが欠損するCVD109に同一の株である。第2の結果は、pGP704配列の喪失をもたらすがhlyA配列中に含有されるm erおよびctx配列は保持される。このふたつの起こり得る結果は、放射標識ctx配列をプローブとしたDNAハイブリダイゼーションにより容易に区別される。所望の結果を単離するために、組み込みpCVD622.2Bを含有するCVD109のカルチャーを、抗生物質を添加しないL−ブロースで成長させた。このカルチャーは非選択性のL−アガープレートにプレティングされ、生成したコロニーのレプリカをAp含有L−アガープレートで取った。Apsコロニーを次にctxプローブとハイブリダイズさせ、ctx配列を有するコロニーを単離した。このようなコロニーのひとつをV.cholerae CVD110と名ずけた。この株はDNAハイブリダイゼーションにより、ctx及びmer配列を含むこと、ならびにpGP704配列およびhlyA遺伝子内に400bpのHpa I断片を欠くことも確認された。V.cholerae CVD110は、コレラトキシンのBサブユニットを生産することもELISAにより確認された[Sack,D.A.ら、同上(1980)]。
挿入遺伝子のDNA配列:挿入ctxおよびmer遺伝子の正確なDNA配列は文献で知られている。これらの遺伝子が挿入されたhlyAの正確な部位も周知である。図21はこれら遺伝子の予想されるDNA配列であり、各々の遺伝子の相対位置を表す。種々の遺伝子の開始及び終止位置が示されており;矢印の方向は遺伝子の転写方向を示す。最終構築物に保持されるこれらの配列のみ示す、例えば、ctxBは示されるが、構築物中で削除されたctxAの部分は示されていない。
本発明はその特別な実施例に関連して記載されているが、さらに変更することも可能であり、本発明が任意の変更、使用者または発明に従った応用、一般的には本発明の原理及び本開示からの新たな発展は、本発明が当業者に付与する当業者に既知の観点内であり、以上述べた必須要件に応用できるであろうということを含み、付した請求の範囲の観点に包含される。

Claims (25)

  1. Vibrio choleraeトキシンまたはそのA1サブユニットをコードする第1のDNA断片またはその少なくとも一部が欠損することにより無毒性を付与されており、
    宿主動物の腸でコロニー形成をする能力を保持しており、
    小帯閉塞トキシンをコードする第2のDNA断片またはその少なくとも一部が欠損することにより該宿主動物において下痢を生じる作用が該第2のDNA断片を欠損しない菌株と比べて低減されており、ここで該第2のDNA断片は下記に示す塩基配列で定義される、
    Figure 0003600618
    Figure 0003600618
    オガワ又はイナバ血清型のVibrio cholerae株からなるVibrio choleraeのカルチャー。
  2. 上記第1のDNA断片がVibrio choleraeトキシンの一部をコードする請求項1に記載のVibrio ch oleraeのカルチャー。
  3. 上記第1のDNA断片がctx遺伝子のA1サブユニットから成る請求項1または2に記載のVibrio chol eraeのカルチャー。
  4. 上記カルチャーがコレラに対するワクチン接種に有効な請求項1から3のいずれか1項に記載のVi brio choleraeのカルチャー。
  5. コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNA領域に欠損を有することにより無毒性を付与され、ここで、小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNA領域は請求項1に示す塩基配列で定義され、
    該宿主動物の腸でコロニー形成する能力を保持し、
    該宿主動物において下痢を生じる作用が小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNA領域に欠損を有さない菌株と比べて低減されている、
    オガワ又はイナバ血清型のVibrio cholerae株からなるVibrio choleraeのカルチャー。
  6. コレラトキシンまたはその一部をコードする染色体DNAの領域および小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNAの領域またはその少なくとも一部に欠損を有する、請求項1記載のVibrio choleraeの単離方法であって、ここで小帯閉塞トキシンをコードするVibrio c holeraeDNA配列は請求項1に示す塩基配列で定義され;
    (a)コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio choleraeDNA配列ならびに外来の選択マーカー遺伝子から成るプラスミドを入手し、ここで該プラスミドはVibrio cholerae中では染色体外複製をすることはできず:
    (b) コレラトキシンまたはそのA1サブユニットをコードするプラスミドDNAを削除し、小帯閉塞トキシンをコードするプラスミドDNAまたはその少なくとも一部を削除し、
    (c) 上記プラスミドを運ぶ微生物と、検出可能なin vivo組み換えを促進する周辺配列間に挿入されたコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio choleraeDNA配列を含むVibrio choleraeの毒性株とを接合させ;
    (d) 上記選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選別し;
    (e) (d)工程の選択産物を選択試薬の非存在下で成長させ;そして
    (f) もはや選択マーカーを発現しないVibrio chole raeを選別する;
    ことからなる単離方法。
  7. 上記周辺配列がそれぞれ約2700塩基対の反復配列(RS1)bpからなる請求項6に記載のVibrio chol erae欠損変異体の単離法。
  8. 上記プラスミドがpCVD51(ATCC番号68,335)である請求項6に記載の方法。
  9. 上記毒性株がE7946(ATCC番号55,056)である請求項6に記載の方法。
  10. ctx遺伝子またはその一部の欠損および小帯閉塞トキシンまたはその少なくとも一部をコードする遺伝子中の欠損を有する、請求項1記載のVibrio ch oleraeの単離方法であって、ここで小帯閉塞トキシンをコードする遺伝子は請求項1に示す塩基配列で定義され;
    (a)ctx遺伝子またはその一部および小帯閉塞トキシンをコードする遺伝子またはその少なくとも一部の欠損DNA断片のVibrio cholerae周辺配列と、該欠損DNA断片と置換してその代わりになるために該周辺配列に連結されている外来の選択マーカーの遺伝子とから成る第1プラスミドを入手し、ここで、該周辺配列は検出可能なin vivo組み換えを促進し;
    (b) Vibrio choleraの毒性株を第1プラスミドを運ぶ第1微生物と接合させ;
    (c) 第1選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選別し;
    (d) (c)工程の選択産物を、第2選択マーカーを持つ第2プラスミドを運ぶ第2微生物と接合させ、ここで該第2プラスミドは第1プラスミドとは不和合性であり;
    (e) 第1選択マーカーおよび第2選択マーカーの両方を発現するVibrio choleraeを選別し;
    (f) ctx遺伝子またはその一部の欠損DNA断片および小帯閉塞トキシンをコードする遺伝子またはその少なくとも一部の欠損DNA断片の周辺配列であり(a)工程に記載した周辺配列と相同的であるが、外来選択マーカーが無い点が異なるVibrio cholerae周辺配列から成る第3ブラスミドを入手し;
    (g) (e)工程の選択産物と(f)工程に記載した第3プラスミドを運ぶ第3微生物とを接合させ;そして
    (h) もはや第1選択マーカーを発現しないVibrio c holeraeを選択する;
    ことから成る方法。
  11. 上記ctx遺伝子中の欠損はXba IおよびCI a I制限エンドヌクレアーゼ部位で定義され、ならびに小帯閉塞トキシンをコードする遺伝子中の欠損はStu IおよびAcc I制限エンドヌクレアーゼ部位で定義される請求項6から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 上記第1のDNA断片がVibrio choleraeトキシンのAおよびBサブユニットをコードする請求項1から4のいずれか1項に記載のVibrio choleraeのカルチャー。
  13. 上記Vibrio cholerae株が、Vibrio chol eraeの染色体中に挿入された水銀耐性遺伝子とVibrio c holeraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAとを有する請求項12記載のVibrio choleraeのカルチャー。
  14. 上記水銀耐性遺伝子およびVibrio chole raeトキシンのBサブユニットをコードするDNAがVibrio choleraeの染色体中のヘモリシン遺伝子部位に挿入されている請求項13記載のVibrio choleraeのカルチャー。
  15. 上記カルチャーがVibrio choleraeCVD110(ATCC番号55,188)を含む請求項14に記載のVibrio ch oleraeのカルチャー。
  16. コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNAの領域またはその少なくとも一部に欠損を有しならびに水銀耐性遺伝子およびVibrio c holeraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAが挿入された、請求項1記載のVibrio choleraeの単離方法であって、ここで小帯閉塞トキシンをコードするVibrio choleraeDNA配列は請求項1に示す塩基配列で定義され;
    (a) コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio choleraeDNA配列ならびに外来の選択マーカー遺伝子から成るプラスミドを入手し、ここで該プラスミドはVibrio cholerae中では染色体外複製をすることはできず、
    (b) Vibrio choleraeトキシンまたはそのA1サブユニットをコードするプラスミドDNAを削除し、小帯閉塞トキシンをコードするプラスミドDNAまたはその少なくとも一部を削除し、
    (c) 上記プラスミドを運ぶ微生物と、検出可能なin vivo組み換えを促進する周辺配列間に挿入されたコレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードするVibrio choleraeDNA配列を含むVibrio choleraeの毒性株とを接合させ;
    (d) 上記選択マーカーを発現するVibrio choleraeを選別し;
    (e) (d)工程の選択産物を選択試薬の非存在下で成長させ;
    (f) もはや選択マーカーを発現しないVibrio chole raeを選別し;
    (g) 水銀耐性遺伝子、Vibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAおよび外来の第2選択マーカーに関する遺伝子からなる第2プラスミドを入手し、ここで第2プラスミドはVibrio cholerae中では染色体外複製をすることはできず、検出しうるin vivo組み換えを促進する配列は該水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAに隣接しており;
    (h) 上記第2プラスミドを運ぶ微生物と、(f)工程で述べたVibrio choleraeとを接合させ;
    (i) 上記第2の選択マーカーを発現するVibrio cho leraeを選別し;
    (j) (i)工程の選択産物を第2選択試薬の非存在下で成長させ;
    (k) もはや第2選択マーカーを発現しないVibrio c holeraeを選別し;
    (l) 水銀耐性遺伝子およびVibrio choleraeトキシンのBサブユニットをコードするDNAを有し、コレラトキシンおよび小帯閉塞トキシンをコードする染色体DNA領域またはその少なくとも一部に欠損を有するVibrio c holeraeに関し、(k)工程で述べた上記Vibrio choler aeをスクリーニングする;
    ことから成る単離方法。
  17. 第2プラスミドがpCVD622.2B(ATCC番号68,630)である請求項16に記載の方法。
  18. 周辺配列がヘモリシン遺伝子配列からなる請求項16または17に記載の方法。
  19. (f)工程で述べられているVibrio cho leraeVibrio choleraeCVD109(ATCC番号55,057)である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  20. (k)工程で選別されるVibrio cholera eVibrio choleraeCVD110(ATCC番号55,188)である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 上記選択マーカーおよび第2選択マーカーがアンピシリン耐性である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 上記選択マーカーがアンピシリン耐性であり、および第2選択マーカーがクロラムフェニコール耐性である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  23. Vibrio choleraeトキシンのBサブユニットを生産するがAサブユニットは生産しない、Vibrio choleraeCVD110(ATCC番号55,188)。
  24. Vibrio choleraeトキシンまたはそのA1サブユニットをコードする第1のDNA断片またはその少なくとも一部が欠損することにより無毒性を付与され、
    宿主動物の腸でコロニー形成をする能力を保持し、
    小帯閉塞トキシンをコードする第2のDNA断片またはその少なくとも一部が欠損することにより該宿主動物において下痢を生じる作用が該第2のDNA断片を欠損しない菌株と比べて低減されており、ここで該第2のDNA断片は請求項1に示す塩基配列で定義される、
    オガワ又はイナバ血清型のVibrio cholerae株からなるコレラの症状に対して保護するためのワクチン。
  25. Vibrio choleraeVibrio choleraeCVD(ATCC番号55,188)である、請求項24記載のワクチン。
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