JP3600523B2 - 金属射出成形機の制御装置、及びそれを用いた金属射出成形機 - Google Patents

金属射出成形機の制御装置、及びそれを用いた金属射出成形機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属射出成形機に関し、特に、インライン式射出成形機の形態をなし、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置まで後退させたスクリュを射出のための射出位置に向けて前進させ、所定の位置に到達するまでに、ノズルに形成されたコールドプラグを、コールドプラグ抜去力以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズルから金型のキャビティ内に射出する金属射出成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の金属射出成形機の射出前におけるノズルの付近の状態を示す図である。金属射出成形機の典型であるインライン式射出成形機のシリンダバレル101の周囲にはヒータ105およびヒータ105による加熱温度を検出する温度センサ114が配置され、先端にはノズル104が配置されている。ノズル104の周囲には、ノズルヒータ123(あるいは、誘導加熱要素)およびノズル104の温度を検出する温度センサ124が配置されている。図10の場合、射出前なので、ノズル104においては、一旦溶融した成形材料(溶湯)が冷却してコールドプラグ119を形成しており、ノズル104の先端は、固定側型盤120を貫通して、固定側金型130のスプル孔131に当接している。また、固定側金型130の温度は、温度センサ134によって検出される。可動側金型140は、固定側金型130に当接して両者の間にコールドプラグキャッチャ141を含むキャビティを形成している。この場合、コールドプラグキャッチャ141は、可動側金型140に形成された凹部であり、コールドプラグ119は、射出時の最初の大きな射出圧力により射出されるので、コールドプラグキャッチャ141はこれを受け取り保持する。さらに、可動側金型140には、射出成形および型開きの後に、成型品を可動側金型140から分離するためのエジェクタピン144,145が配置されている。
【0003】
上述したように、射出時にノズル104にはコールドプラグ119が形成されているので、シリンダバレル101の中に配置されたスクリュが高速前進して溶湯をノズル104の方に押圧し、ノズル104の先端部分に形成されたコールドプラグ119を金型の中のコールドプラグキャッチャ141まで押し出すとともに、溶湯を金型のキャビティの中に充填する。しかし、ノズル104、特に、その先端の温度にばらつきにより、温度が低いと、コールドプラグ119が硬くなり過ぎて抜けなくなることが発生する。コールドプラグ119が抜けないと、金型の中に溶湯は射出されず、そのサイクルは不良となる。この場合、コールドプラグ119が抜けて射出が良好になされたか否かは、射出工程に続く冷却工程、および計量工程が完了して、金型が開き、成型品取り出しロボットが金型内に入って成型品の取り出し動作を行ったときに、取り出し機に装着された製品検知センサが反応しないことにより、初めて不良状態が検知され、警報の発生や成形サイクルの停止等が行われている。この後にオペレータによる回復処理が行われて成形が再開可能となる。
【0004】
上述の工程の一例を示したのが図11のフローチャートである。すなわち、型閉め(S81)および射出(S82)を行い、コールドプラグ抜けはOKであったかNGであったか判断する(S83)。OKであれば、冷却・計量・チップ供給(S84)、型開き(S85)、製品取り出し(S86)、離型剤噴霧(S87)を順次に行い、成形完了であるか否かを判断し(S88)、完了していれば終了し、完了していなければ、ステップS81に戻る。ステップS83において、コールドプラグ抜けがNGであると判断された場合には、冷却・計量・チップ供給を行わず(S91)、型開き(S92)、製品取り出し(S93)を行い、製品無しを検出するので、警報などを発して待機状態になり(S94)、回復処理が完了したか否かを判断し(S95)、完了したらステップS81に戻る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の金属射出成形機は、コールドプラグが抜けて射出が良好になされたか否かを判断する場合、射出工程に続く冷却工程、および計量工程が完了して、金型が開き、成型品取り出しロボットが金型内に入って成型品の取り出し動作を行ったときに、取り出し機に装着された製品検知センサが反応しないことにより、初めて不良状態が検知されるので、不良発生に対する対応が遅れるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであって、射出成形工程において、コールドプラグが正常に抜けて射出が良好になされたか否かを判断することができ、不良発生に対する対応が速やかに行える金属射出成形機及びその制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明は、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、前記所定の位置(D2)における射出圧力が設定圧力閾値(P22)以上である場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグが抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有する。
【0008】
このような構成によれば、制御部(50)は、射出時にスクリュ(2)がコールドプラグ(19)が抜けているべき所定の位置(D2)に到達しても、射出圧力が設定圧力閾値(P22)以上である場合には、コールドプラグ(19)が正常に抜けていないと判断できる。その場合、後続の工程を実行せずに、コールドプラグが抜けない場合の処理に移行するので、無駄に時間や成形材料を費やすことがない。
【0009】
また、本発明は、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、前記所定の位置(D2)におけるスクリュ(2)の速度が設定速度閾値(V22)以下である場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有する。
【0010】
このような構成によれば、制御部(50)は、射出時にスクリュ(2)がコールドプラグ(19)が抜けているべき所定の位置(D2)に到達しても、スクリュ(2)の速度が設定速度閾値(V22)以下である場合には、コールドプラグ(19)が正常に抜けていないと判断できる。その場合、後続の工程を実行せずに、コールドプラグが抜けない場合の処理に移行するので、無駄に時間や成形材料を費やすことがない。
【0011】
また、本発明は、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、射出位置(0)に向けてスクリュ(2)を前進させた後、規定時間内にスクリュ(2)が射出位置に対する所定の位置に到達していない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有する。
【0012】
また、本発明は、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、射出時に前記ノズル(4)の温度が所定の温度だけ上昇しない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有する。
【0013】
また、本発明は、溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、射出時に前記金型(30,40)内の温度または圧力が正常に上昇しない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有する。
【0014】
また、前記制御部(50)は、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理として、成形材料(18)の新たな供給を停止させる。このことにより、成形材料(18)を無駄に費やすことが無くなる。
【0015】
さらに、本発明において、前記制御部(50)は、前記成形材料(18)の新たな供給の停止とともに、警報の発生、および、ノズルを金型に当接させたままで、射出時に前記コールドプラグ(19)がノズル(4)から抜ける程度にノズル(4)を昇温させるとともに、スクリュ(2)を計量完了位置(DM)に後退させ、射出動作を再度実行させる。したがって、無駄な工程を経ずに、不具合のあった射出工程を直接に正常な状態に回復することができる。
【0016】
また、本発明に係る金属射出成形機は、上述した制御装置を備えてなるものであり、さらに、スクリュのかわりにプランジャを用いて射出し、シリンダへの給湯器を別に備えてなるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の金属射出成形機の典型であるインライン式射出成形機を示す構成図、図2は、図1の金属射出成形機において、溶湯を金型のキャビティに射出する前のノズルの近辺を詳細に示す拡大断面図、図3は、図1の金属射出成形機において溶湯を金型のキャビティに射出した時のノズルの近辺を詳細に示す拡大断面図、図4は、図1のスクリュ駆動装置がスクリュを駆動するための機構およびその動作を説明するための図、図5は、図4の射出ピストンが射出時にスクリュを駆動する際に、コールドプラグが正常に抜けた場合の射出圧力の変化およびスクリュ速度の変化を示すグラフ、図6は、図4の射出ピストンが射出時にスクリュを駆動する際に、コールドプラグが抜けなかった場合の射出圧力の変化およびスクリュ速度の変化を示すグラフ、図7は、射出時にコールドプラグが正常に抜けた場合の各工程におけるノズルの温度の変化を示すグラフ、図8は、射出時にコールドプラグが抜けなかった場合の各工程におけるノズルの温度の変化を示すグラフ、図9は、射出時にコールドプラグが抜けなかった場合の回復処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0018】
図1の金属射出成形機において、金属射出成形機の筒状のシリンダバレル1には、中心軸周りに回転可能、かつ、中心軸方向に移動可能なスクリュ2が収納されている。また、シリンダバレル1の先端部分には、溶融あるいは半溶融状態になった成形材料(以降、溶湯と記載する)をためるための貯蓄室3が形成され、さらに、その先には貯蓄室3に連結されたノズル4が配置されている。ノズル4は、固定側型盤20を貫通して、その先端が固定側金型30のスプル孔31に当接している。固定側金型30の温度は、温度センサ34(例えば、熱電対)によって検出される(金型のキャビティに溶湯が射出された場合などにも温度センサ34によって温度の上昇が検出される)。射出時において、可動側金型40は、図1に示されるように、固定側金型30に当接して、製品の成形のためのキャビティを形成する。
【0019】
シリンダバレル1の周囲にはヒータ5が配置され、シリンダバレル1の後方部分には、成形材料をシリンダバレル1の中のスクリュ2の上に供給するための成形材料供給口8が設けられている。スクリュ2の先端より若干後方には、溶湯が貯蓄室3から後方に逆流するのを防止する逆流防止リング6が取り付けられている。すなわち、通常動作において、逆流防止リング6は、スクリュ2の回転により溶湯の所定量を貯蓄室3に送り込む計量時には、流路を広げて溶湯の貯蓄室3への送り込みを可能とさせ、送り込まれた溶湯を射出する溶湯射出時には、流路を閉じて貯蓄室3からの溶湯の逆流を防止する。
【0020】
成形材料供給口8の上方には、制御指示がある毎に指示された規定量の成形材料(例えば、マグネシウム合金、亜鉛合金、鉛合金等)を計量して成形材料供給口8からシリンダバレル1の中に供給する成形材料供給用の容積式スクリュフィーダ9と、上記の成形材料を収納し、容積式スクリュフィーダ9に供給するホッパ10とが配置されている。スクリュ2の後方には、制御指示に従ってスクリュ2を回転させるモータ11と、スクリュ2に連結され、スクリュ2の位置データを出力するエンコーダ12と、指示に従ってスクリュ2を前進または後退可能にさせるスクリュ駆動装置13とが配置されている。制御部50は、制御プログラムに従って、後述する種々のセンサ類14,24,27,28,34,46,47からデータを読み取り、そのデータに基づいて上述の各部5,9,11,13および可動側金型40の移動や加熱等に関する制御を行う。
【0021】
この例においては、図2に示されるように、ヒータ5に近接して、ヒータ5の加熱温度を検出する温度センサ14が配置されている。ノズル4の周囲には、ノズル4を加熱するノズルヒータ23(あるいは、誘導加熱要素)と、ノズルヒータ23の加熱温度を検出する温度センサ24とが配置されている。固定側金型30には、ノズル4から射出される溶湯をキャビティに導入するためのスプル孔31が設けられるとともに、金型の温度を検出するための温度センサ34が埋め込まれている。可動側金型40においては、固定側金型30のスプル孔31に対向してコールドプラグキャッチャ41が設けられている。コールドプラグキャッチャ41は、可動側金型40に形成された凹部である。ノズル4から溶湯が射出される前に、ノズル4の中において、溶湯がある程度冷却し凝固してコールドプラグ19が形成され、通常、これが射出時の最初の大きな射出圧力により射出されるので、コールドプラグキャッチャ41は、これを受け取り保持する。
【0022】
上述のように溶湯がノズル4から射出されると、図3に示されるように、コールドプラグ19をコールドプラグキャッチャ41に残して、溶湯は、成型品キャビティ42に流れ込み、成型品キャビティ42を充填し、残余はオーバフロー部43に流れ出る。この場合、充填される溶湯の圧力は、エジェクタプレート49に植設されたエジェクタピン44,45の底部に埋め込まれた圧力センサ46,47によって検出される。したがって、溶湯の射出時の保圧やキャビティに射出された溶湯の圧力等は、この圧力センサ46,47のデータを参照して検出される。溶湯がキャビティ内に射出された後に金型の中で凝固すると、可動側金型40は、成型品を保持したままで、固定側金型30から離される。
【0023】
成型品を保持した可動側金型40が固定側金型30から切り離された後に、可動側金型40に設けられたエジェクタピン44,45が成型品を突き出し、成型品を可動側金型40から分離させる。他方、このとき、ノズル4の中には、貯蓄室3から送られた溶湯が金型等に熱を奪われ冷却し、成型品のスプルから分離され、コールドプラグ19として残る。このコールドプラグ19により、金型からの成型品取り出し、および、離型剤噴霧工程等の期間において、シリンダパレル1の貯蓄室3から溶湯がノズル4を通って漏出しないようにしている。したがって、この期間において、溶湯は酸化燃焼を起こさないで貯蓄室3などに保持される。
【0024】
スクリュ駆動装置13は、図4に示されるように、射出シリンダ25、射出ピストン26、射出ピストン26の後方の作動油供給路に配置された射出油圧センサ27、射出ピストン26の前方の作動油供給路に配置された背圧油圧センサ28を有する。したがって、スクリュ2および溶湯に加えられる圧力は、図4に示されるように、射出油圧センサ27と背圧油圧センサ28との差分に関連して検出される。また、スクリュ2の位置は、エンコーダ12の位置データから、スクリュ2の移動速度はエンコーダ12の位置データの変化からそれぞれ検出される。
【0025】
次に、上述の各部の制御に関する制御部50の一連の制御動作について説明する。制御部50は、計量時には図2に示されるように各部を設定する。すなわち、ノズル4は、コールドプラグ19によって閉塞状態にされており、その先端は、固定側金型30のスプル孔31に当接している。制御部50は、ヒータ5、容積式スクリュフィーダ9、モータ11、スクリュ駆動装置13、可動側金型40等を制御し、温度センサ14,24,34、圧力センサ46,47(図3)、エンコーダ12のデータから計量開始の条件が満足されたことを検出すると、貯蓄室3へ所定の量の溶湯を計量するために、エンコーダのデータを参照してスクリュ2の位置を検出しつつ、スクリュ2に連結されたモータ11を回転させる。
【0026】
スクリュ2の回転により、溶湯は、逆流防止リング6を通過して、貯蓄室3に送り込まれる。溶湯は、貯蓄室3に送り込まれ、ノズル4を通過しようとするが、ノズル4がコールドプラグ19によって閉塞されているので、通過できず、また、逆流しようとしても逆流防止リング6に通過を阻止されるので計量送り込み圧力程度では逆流できず、結局、スクリュ2を押し戻すこととなる。制御部50は、スクリュ2が所定の距離だけ押し戻され、計量完了位置に到達したことを検出することで、ノズル4と逆流防止リング6との間に所望の量の溶湯が溜められたことを検知し、計量を完了する。
【0027】
計量が完了すると、制御部50は、エンコーダ12のデータおよび油圧センサ27,28のデータを参照してスクリュ駆動装置13に作動油の供給、すなわち、射出工程の開始を指示する。そこで、スクリュ駆動装置13は、作動油を射出ピストン26(図4)の後方、すなわち、油圧センサ27のある射出側に供給し、ピストン26およびそれに連結されたスクリュ2を矢印DDの方向に移動させる。このとき、油圧センサ28のある背圧側の作動油は、ドレイン装置(不示)に排出される。コールドプラグ19が正常に抜ける場合に、この移動の様子を示すのが図5であって、射出油圧センサ27によって検出される油圧を示すのが油圧曲線PPであり、エンコーダ12のデータによって検出されるスクリュ2の移動速度を示すのが速度曲線SVである。
【0028】
上述の曲線PP,SVから分かるように、計量工程によって図5の原点である最前進位置から距離DMだけ離れた計量完了位置まで後退したスクリュ2がピストン26に押されて、最前進位置から距離D3の位置に近付くと、コールドプラグ19の抵抗を受けて、射出油圧センサ27によって検出される油圧は次第に上昇するとともに、スクリュ2の進行速度SVも次第に上昇してくる。スクリュ2が距離D3にある位置に到達すると、ノズル4の中に形成されていたコールドプラグ19が射出圧力P12(コールドプラグ抜去力)に抗しきれずにノズル4から抜けて、溶湯とともに金型キャビティのコールドプラグキャッチャ41の中に射出される。したがって、射出油圧センサ27によって検出される油圧は急速に下降する一方、スクリュ2の進行速度SVは速度V11から急速度に上昇する。
【0029】
スクリュ2が進んで最前進位置から距離D2の位置に到達すると、射出油圧センサ27によって検出される油圧は安定した低い油圧P11となり、スクリュ2の進行速度SVは安定した高速度V12になる。すなわち、溶湯が高速に金型のキャビティの中に射出されている。このような状態は、スクリュ2が最前進位置から距離D1の位置に到達するまで続く。スクリュ2が最前進位置から距離D1の位置に到達すると、溶湯の金型のキャビティの中への充填が次第に完了に近付くので、射出油圧センサ27によって検出される油圧は徐々に上昇を始め、スクリュ2の進行速度SVは徐々に下降し始める。スクリュ2が最前進位置(原点)に到達すると、キャビティは、溶湯によって完全に充填され、射出油圧センサ27によって検出される油圧PPは、射出時の最大圧力に等しい充填完了圧力P13を示し、スクリュ2の進行速度SVはゼロとなる。
【0030】
図6は、図5とは異なり、コールドプラグ19が正常でない(正常に抜けない)場合のスクリュ2の移動の様子を示している。ノズル4に対する設定温度の不適正やノズル4の先端に離型剤が噴霧されたこと等によりノズル4の先端の温度が異常に低くなってしまったときに、コールドプラグ19が正常に抜けないことが発生する。計量工程によって図6の原点である最前進位置から距離DMだけ離れた計量完了位置まで後退したスクリュ2がピストン26に押されて、最前進位置から距離D3の位置に近付くと、射出油圧センサ27によって検出される油圧は次第に上昇するとともに、スクリュ2の進行速度SVも次第に上昇してくる。スクリュ2が距離D3にある位置に到達しても、ノズル4の中に形成されていたコールドプラグ19が射出圧力P21では抜けないので、スクリュ2を押す射出ピストン26の射出圧力はさらに上昇し、スクリュ2の進行速度SVは上昇しない。
【0031】
スクリュ2がV21以下の低い速度で進んで最前進位置から距離D2の位置に到達するころになると、油圧センサ27によって検出される油圧PPは、射出時の最大圧力にほぼ等しい充填完了圧力P23を示し、スクリュ2の進行速度SVは極めて低い値となる(例えば、通常時2m/sのところ0.1m/s以下になる)。極めて低い速度でスクリュ2が進行するわけは、油圧PPが最大圧力近辺のままであると、圧力に負けて逆流防止リング6から溶湯が漏出し、その分だけスクリュ2の緩やかな進行を可能にしているからである。この動作は、射出開始から予め設定された射出時間(例えば、1秒)が経過すると、ピストン26の射出側への作動油の供給は停止され、スクリュ2の前進動作は停止され、従来であれば、既に述べた後続の工程が行われ、コールドプラグ19が抜けなかったことが検出される。
【0032】
しかし、本発明の実施の形態の制御部50は、図6におけるスクリュ2が最前進位置から距離D2にある位置に到達したら、射出油圧センサ27が検出する油圧をチェックし、油圧がコールドプラグ抜去力(P12)よりも充分に大きい設定圧力閾値P22(例えば、射出時の最大圧力が10MPaの場合、設定圧力閾値は8Mpa。この場合、閾値による判断の安全を考慮すれば大きい方がよいのであるが、D2がD3から充分に離れていれば、設定圧力閾値は、コールドプラグ抜去力(P12)でも実施可能である)を超えている場合には、コールドプラグ19が抜けないと判断し、通常の後続の工程には入らずに、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を自動的に開始する。他の方法としては、図6におけるスクリュ2が最前進位置から距離D3にある位置に到達したら、エンコーダ12の出力データから検出したスクリュ2の前進速度SVが設定速度閾値V22(例えば、0.2m/s)以下の場合には、コールドプラグ19が抜けないと判断し、通常の後続の工程は行わず、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を自動的に開始する。
【0033】
上述の方法以外に、これらの2つの判断が両方とも成立したときに、コールドプラグ19が抜けないと判断し、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を開始してもよい。また、制御部50は、コールドプラグ19が抜けない場合、スクリュ2は、上述のように極めて遅い速度で前進するので、例えば、最前進位置から距離D1にある位置に規定時間内に到達しなかったら、コールドプラグ19が抜けないと判断し、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を開始してもよい。さらに、射出時に、金型に配置された圧力センサ46,47の検出する圧力が正常に上昇しない場合、あるいは、温度センサ34が検出する温度が正常に上昇しない場合にもコールドプラグ19が抜けないと判断し、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を開始してもよい。
【0034】
さらに、上述の処理方法以外に次に述べるような処理方法を行ってもよい。ノズル4の先端には、ノズルヒータ23の加熱を検出するための温度センサ24が配置されているが、射出時を除けば、ノズル4の先端にコールドプラグ19を形成するためにシリンダバレル1よりも低い温度(例えば、成形材料がAZ91Dマグネシウム合金の場合、520℃くらい)になるように設定されている(図7の型閉を参照)。射出工程の前にシリンダバレル1を含む射出ユニットが前進して、その先端のノズル4が固定側金型30(200℃くらいに温度調節されている)のスプル孔31の部分に押圧される。すると、ノズル4の熱が金型に奪われ、ノズル4の温度がやや低下する(図7のユニット前進を参照)。その後、射出のために590℃に設定され、シリンダバレル1の中に保持されている高温の溶湯が、正常な射出時には、ノズル4を通って金型のキャビティの中に射出されて行く。
【0035】
上述のように正常に射出されて行く場合、溶湯の熱がノズル4にも伝わり、温度センサ24で検出される温度も通常10℃(温度センサとノズル4の孔との距離等の条件によっては温度上昇の程度は変わる)くらい上昇する(図7の射出を参照)。しかし、溶湯が射出された後に、溶湯が冷えて凝固していく期間(冷却期間)においては、ノズル4の熱が再び金型に奪われるので、ノズル4の温度は下がって行く(図7の冷却を参照)。冷却期間の後、シリンダバレル1が後退して、その先端のノズル4が固定側金型30から離れ、ノズル4は、ノズルヒータ23によって設定温度なるように制御される。しかし、射出時にコールドプラグ19が抜けない場合には、溶湯がノズル4を通過しないので、射出時に温度センサ24が検出する温度は上昇しないか、金型に温度を奪われて徐々に低下して行く(図8の射出および冷却を参照)。したがって、制御部50は、射出時に、温度センサ24が検出する温度が正常に上昇しない場合には、コールドプラグ19が抜けないと判断し、コールドプラグ19が抜けない場合の処理を開始する。
【0036】
次に、コールドプラグが抜けない場合のシリンダバレルへの成形材料の投入について説明する。成形材料の投入方法については様々な方法があるが、最も一般的なのは、射出後にスクリュ2が回転しながら後退するスクリュ回転時間においてのみ容積式スクリュフィーダ9を駆動することにより、一定の供給速度で成形材料を投入する方法と、スクリュ回転時間とは別に、予め設定されたタイマ時間だけ容積式スクリュフィーダ9を駆動して一定の供給速度で成形材料を投入する方法とである。これらの場合、それぞれ予想される標準的なスクリュ回転時間やタイマ時間により、射出されるべき重量に相当する成形材料がシリンダバレル1の中に供給されるように供給速度が予め設定されている。
【0037】
上述の2つの例の内前者の場合、逆流を伴いながらスクリュ2が前進してしまうと、スクリュ2の回転は行われるので、正常時と同様に、スクリュ2の後退時のスクリュ回転時間において成形材料がシリンダバレル1に供給されてしまう。また、後者の場合、前者と同様にタイマ時間の間に成形材料が供給されてしまう。正常な成形状態においては、シリンダバレル1に供給された成形材料は溶湯となって射出時に常にシリンダバレル1から排出されるので問題ないが、射出時にコールドプラグが抜けない場合には、溶湯が排出されないのに、容積式スクリュフィーダ9が成形材料の供給を停止しないので、シリンダバレル1の中に成形材料が過剰に詰め込まれることとなる。
【0038】
このように、シリンダバレル1の中に成形材料が過剰に詰め込まれる結果、スクリュ2の回転圧が高くなって、スクリュ2が回転できないという事態が発生することがある。さらに、このような事態が継続されると、やがて成形材料投入口8(400℃以上)においてチップ状の成形材料が凝着のために固まってしまい、ブリッジング(架橋現象)を起こしてシリンダバレル1の中への成形材料の供給が不可能になってしまう。上述したようにコールドプラグ19が抜けないことを遅滞なく的確に判断できれば、このような成形材料の過剰供給を速やかに回避することができる。
【0039】
上述の説明において、コールドプラグが抜けないと判断した場合の処理について説明する。最も簡易な方法は、コールドプラグが抜けないと判断したときには、警報を発生したり、成形動作をその時点で停止させ、オペレータによる回復処理を要求することである。このことにより、製品取り出し機の掴みミスを待つことなく、製品取り出し機の取り出し工程やそれに続く離型剤噴霧工程を実行せずに、オペレータは抜けなかったコールドプラグの適切な処理を指示し、次の成形サイクルに移行させることができ、成形材料や工数を有効に利用できる。もちろん、この場合、実行しなかった取り出し工程や離型剤噴霧工程に見合った待機時間をとってやることが好ましく、そうすることで、成形サイクルは、通常時と同じに保たれ、成形停止に伴う成形サイクルのばらつきによる製品品質のばらつきを低減することができる。
【0040】
上述の回復処理を自動的に実行する場合について説明する。この実施の形態の制御部50は、射出工程時、あるいは、射出工程終了時の成形状態からコールドプラグが抜けたか否かを型開き前に判断するので、コールドプラグが抜けなかった場合には速やかに対応することができる。例えば、抜けなかったコールドプラグが抜け易くなるように、ノズル4の設定温度を適宜に上昇させ、抜けやすくなったところで、射出動作を再開する。この場合、コールドプラグが抜けなかったことで、貯蓄室3の中に貯蓄された溶湯の圧力が高く保たれていることがあり、このような状態のまま、射出ユニットが後退させられ、ノズル4が金型から離されると、ノズル4の熱は金型によって奪われなくなるので、ノズル4の温度が上昇し、コールドプラグが柔らかくなり、貯蓄室3の中の溶湯が漏出する恐れがある。
【0041】
上述のような状態によって、貯蓄室3の中の溶湯がノズル4から漏出するのを防ぐために、コールドプラグが抜けなかったことが検出されたときは、射出ユニットは、後退させず、ノズル4の先端を金型に当接させた状態で保持し、ノズル4の温度を適宜に上昇させるとともに、後続の計量工程に関し、スクリュ回転を停止したままで、スクリュ2を後退させるだけの計量動作を行わせ、それに引き続いて射出動作を再度行うことにより、加熱されて柔らかくなったコールドプラグは、金型のコールドプラグキャッチャ41に射出されることとなり、自動的に回復処理がなされる。その後は、通常の成形動作に移行すればよい。もちろん、1回の回復処理で回復しない場合、回復処理は指定された回数だけ繰り返すようにしてもよい。このようにすれば、自動的に回復処理を実行することができ、成形材料や工数を節約できる。
【0042】
上述の内容を考慮して提示している回復処理の一例が図9のフローチャートに示されている。すなわち、型閉め(S11)および射出(S12)を行い、コールドプラグ抜けはOKであったかNGであったか判断する(S13)。OKであれば、冷却・計量・チップ供給(S14)、型開き(S15)、製品取り出し(S16)、離型剤噴霧(S17)を順次行い、成形完了であるか否かを判断し、完了していれば終了し、完了していなければ、ステップS11に戻る。ステップS13において、コールドプラグ抜けがNGであると判断された場合には、チップ状の成形材料の供給無しに、冷却・計量の動作を行った(S21)後に、コールドプラグが抜けるように、ノズルの温度を再調整して(S22)、ステップS12に戻る。なお、上述の方法は、それぞれ個別に行ってもよいが、他のものと組み合わせて行ってもよい。また、コールドプラグ抜けがNGである場合には、警報を出力したり、成形機の動作を停止するようにすることもできることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
本発明の金属射出成形機又はその制御装置は、以上において説明したように構成されているので、射出時にスクリュがコールドプラグの抜けているべき所定の位置に到達しても、射出圧力が設定圧力閾値以上である場合には、制御部は、コールドプラグが正常に抜けていないと判断できることにより、後続の工程を実行せずに、コールドプラグが抜けない場合の処理に移行するので、無駄に時間や成形材料を費やすことがない。また、制御部は、コールドプラグが抜けない場合の処理として、成形材料の新たな供給を停止させることにより、成形材料を無駄に費やすことを無くすとともに、抜けなかったコールドプラグがノズルから抜ける程度にノズルの温度を再調整した後に再度射出を行うので、自動的に回復処理の実行が可能となる。したがって、無駄な工程を経ずに、不具合のあった射出工程を直接的に正常な状態に回復でき、材料と工数との有効利用が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属射出成形機の典型であるインライン式射出成形機を示す構成図である。
【図2】図1の金属射出成形機において、溶湯を金型のキャビティに射出する前のノズルの近辺を詳細に示す拡大断面図である。
【図3】図1の金属射出成形機において溶湯を金型のキャビティに射出した時のノズルの近辺を詳細に示す拡大断面図である。
【図4】図1のスクリュ駆動装置がスクリュを駆動するための機構およびその動作を説明するための図である。
【図5】図4の射出ピストンが射出時にスクリュを駆動する際に、コールドプラグが正常に抜けた場合の射出圧力の変化およびスクリュ速度の変化を示すグラフである。
【図6】図4の射出ピストンが射出時にスクリュを駆動する際に、コールドプラグが抜けなかった場合の射出圧力の変化およびスクリュ速度の変化を示すグラフである。
【図7】射出時にコールドプラグが正常に抜けた場合の各工程におけるノズルの温度の変化を示すグラフであう。
【図8】射出時にコールドプラグが抜けなかった場合の各工程におけるノズルの温度の変化を示すグラフである。
【図9】射出時にコールドプラグが抜けなかった場合の回復処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】従来の金属射出成形機の射出前におけるノズルの付近の状態を示す図である。
【図11】図10の金属射出成形機による成形工程の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シリンダバレル、2 スクリュ、3 貯蓄室、4 ノズル、5 ヒータ、6 逆流防止リング、8 成形材料供給口、9 容積式スクリュフィーダ、10ホッパ、11 モータ、12 エンコーダ、13 スクリュ駆動装置、14,24,34 温度センサ、18 成形材料、19 コールドプラグ、20 固定側型盤、23 ノズルヒータ、25 射出シリンダ、26 射出ピストン、27射出油圧センサ、28 背圧油圧センサ、30 固定側金型、31 スプル孔、40 可動側金型、41 コールドプラグキャッチャ、42 成形品キャビティ、43 オーバフロー室、44,45 エジェクタピン、46,47 圧力センサ、49 エジェクタプレート、50 制御部。

Claims (9)

  1. 溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、
    前記所定の位置(D2)における射出圧力が設定圧力閾値(P22)以上である場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグが抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有することを特徴とする金属射出成形機の制御装置。
  2. 溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、
    前記所定の位置(D2)におけるスクリュ(2)の速度が設定速度閾値(V22)以下である場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有することを特徴とする金属射出成形機の制御装置。
  3. 溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、
    射出位置(0)に向けてスクリュ(2)を前進させた後、規定時間内にスクリュ(2)が射出位置に対する所定の位置に到達していない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有することを特徴とする金属射出成形機の制御装置。
  4. 溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、
    射出時に前記ノズル(4)の温度が所定の温度だけ正常に上昇しない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有することを特徴とする金属射出成形機の制御装置。
  5. 溶融した成形材料の溶湯を計量するために計量完了位置(DM)まで後退させたスクリュ(2)を射出のための射出位置(0)に向けて前進させ、所定の位置(D2)に到達するまでに、ノズル(4)に形成されたコールドプラグ(19)を、コールドプラグ抜去力(P12)以上の射出圧力によって、溶湯とともにノズル(4)から金型(30,40)のキャビティ(41,42,43)内に射出する金属射出成形機の制御装置において、
    射出時に前記金型(30,40)内の温度または圧力が上昇しない場合には、前記コールドプラグ(19)が正常には抜けないものと判断し、後続の工程を実行せずに、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理に移行する制御部(50)を有することを特徴とする金属射出成形機の制御装置。
  6. 前記制御部(50)は、コールドプラグ(19)が抜けない場合の処理として、成形材料(18)の新たな供給を停止させる請求項1ないし5のいずれかに記載の金属射出成形機の制御装置。
  7. 前記制御部(50)は、前記成形材料(18)の新たな供給の停止とともに、警報の発生、および、ノズルを金型に当接させたままで、射出時に前記コールドプラグ(19)がノズル(4)から抜ける程度にノズル(4)を昇温させるとともに、スクリュ(2)を計量完了位置(DM)に後退させ、射出動作を再度実行させる請求項6記載の金属射出成形機の制御装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の金属射出成形機の制御装置を備えてなる金属射出成形機。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の金属射出成形機の制御装置を有し、スクリュのかわりにプランジャを用いて射出し、シリンダへの給湯器を別に備えてなる金属射出成形機。
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