JP3600446B2 - 壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば家屋などの外壁に好適に使用しうる壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、例えば家屋の外壁の構造としては、図8に示す如く、内装材aに、枠組ないし桟材などの鉄枠からなる下地材bを介して外装材cが添設されたものが一般的である。また前記内装材aの内面には断熱材dが配されるとともに、外装材cから下地材b(熱橋)を介して内装材aへの熱伝導による結露等を防止するべく、前記外装材cは下地材bとの間に別体の断熱部材eを介して取り付けされている。
【0003】
また、図9に示す如く、前記断熱部材eと下地材bとの間に平板状のバリヤ板fを設けたものも提案されている。この構造では、前記外装材cとバリヤ板fとの間でかつ隣り合う断熱部材e、e間に空気通路が形成されることにより、壁内の風通しを良くでき、また室内空調機などへの空気導入用通気路などとして活用しうる。
【0004】
しかしながら、上述のような壁構造では、外装材cと下地材bとを取り付けるに際して、断熱部材eを前記下地材b側に取り付けたり、或いは外装材c側に取り付けるなどの工程が必要となるため、生産性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑み案出なされたもので、壁用の板材を、壁面をなす平板状の板部と、この板部の内面から突出する熱伝導率の小さい複数条の凸部とから形成するとともに、この凸部を介して壁下地材に取り付けることを基本として、生産性に優れた壁構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明において請求項1の発明は、壁下地材に、壁用板材を添設する壁構造であって、前記壁用板材は壁面をなす平板状の板部と、この板部の内面から突出する複数条の凸部とからなり、かつ凸部は板部に比して熱伝導率を小とするとともに、この凸部を介して前記壁下地材に取り付け、しかも前記板部と凸部とは、セメント材を用いて押出し成形、又はキャスティングにより一体に成形されるとともに、前記凸部の空隙率を大とすることにより熱伝導率を小としたことを特徴としている。
【0008】
また請求項2記載の発明は、壁用板材は、該壁用板材が壁下地材に取付られることにより前記凸部間の空間が壁内の通気路を形成することを特徴とする請求項1記載の壁構造である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の壁構造の実施の一形態を、家屋等の外壁に適用したものを例に取り図面に基づき説明する。図1〜3に示す如く、外壁1は、本例では外壁面Wをなす壁用板材2と、例えば家屋内部側に配される内装部材5と、これらの間に介在する壁下地材6とを含むものを例示している。
【0010】
前記壁下地材6は、例えば長辺をなす両側の縦の枠材6A、6Aと、短辺をなす上下の横の枠材6C、6Cとを、溝部を内向きかつ短形に接合した溝形材からなる周囲枠に、前記縦の枠材6A、6Aと平行に複数本の中桟6B、6Bを前記横の枠材6C、6C間に架け渡した枠組9を構成するものを例示している。なお、前記中桟6Bは、本例では断面略I型をなす型鋼材にて構成されるものを示すが、このような枠組の形状、寸法の他、枠材、中桟の配置、形状等は必要に応じて自在に選択できる。
【0011】
さらに本例では、この枠組9は、前記内装部材5に接着剤又は釘、ビス止め等の適宜の固着手段により固着されるとともに、この内装部材5と枠組9とが形成する空所に、枠組2の厚さh(図2に示す)のほぼ50〜70%の厚さで断熱材10を収容配置している。なお断熱材10としては、ガラスウール、ロックウール、フェルトなどの他、ポリスチレンフォームなどの各種の発泡材をも採用でき、またその厚さも、例示以外に種々設計しうるのは言うまでもない。
【0012】
そして本実施形態では、このような枠組9をなす壁下地材6に壁用板材2を添設するものであるが、この壁用板材2が、図4に拡大して示す如く、壁面Wをなす平板状の板部3と、この板部3の内面3iから突出する複数条の凸部4とからなる一体構造を例示している。前記凸部4は、例えば前記縦の枠材6Aに沿ってかつ本例では前記横の枠材6C、6C間を連続してのびるものを例示しており、これにより凸部4がいわゆるリブとして機能し、縦方向の力学的強度を増すこともできる。
【0013】
このような壁用板材2は、例えばセメント板、より詳しくはいわゆるコンクリート板、多孔質の軽量セメント板、各種の補強材を混入した強化セメント板など種々なセメント板材を採用するのが好ましい。また壁用板材2の前記板部3と凸部4とは、例えば押し出し可能なセメント材を用いて押出し成形、又はキャステイングなどにより容易にかつ互いに一体として成形することができ、壁用板材2の生産性を容易としうる。なお押出し成形に際しては、例えば2軸のスクリューを具える2軸式押出機などを用いることにより前記板部3と凸部4とを一つの口金から一体として押し出ししうる。
【0014】
また本実施形態では、前記壁用板材2の凸部4は板部3に比して空隙率を大とすることにより熱伝導率を小とするとともに、壁用板材2をこの凸部4を介して前記壁下地材6に、釘、ビス止め、接着剤などによって取り付けたものを例示している。なお、空隙率とは、見かけの単位体積あたりに含まれる空隙の容積である。
【0015】
このように、壁用板材2に板部3と凸部4とを形成し、かつ凸部4の熱伝導率を板部3のそれよりも小に設定することにより、とりわけこの凸部4が壁下地材6の熱橋を防止し、外壁側からの熱貫流を効果的に減じうるため、内装部材での結露の発生などを効果的に抑制しうる。また、壁用板材2は、このような凸部4を板部3の内面3iに一体に具えることにより、従来必要とされていた断熱部材e(図8、9に示す)などを壁下地材との間に別個に取り付けるといった手間が削減できるから生産性が向上する。
【0016】
なお上述のように、壁用板材2の板部3と凸部4との熱伝導率を異ならせる方法としては、凸部4に独立した気泡ないし空隙をより多く形成したり、又は、コルク、木材チップなどの断熱用混入材をより多く充填するなどにより適宜なしうる。なお好ましくは、壁用板材2は、熱橋防止のために、熱伝導率κ(W/mK)が0.3以下に設定されるのが特に望ましい。
【0017】
さらに、この凸部4の配設ピッチLは、本例では図2に示すように、前記各枠材6A、6B、…の配置ピッチとほぼ等しく設定されたものを例示しており、また凸部4の幅は、壁下地材6の熱橋をより効果的に防止するべく、取り付けられる枠材上面の幅の0.8〜1.5倍程度以下、より好ましくは1.0〜1.2倍程度とするのが望ましい。なお凸部4の厚さは、断熱効果を図るために必要に応じて種々設計しうるが、例えば10〜30mm程度とすることができる。
【0018】
また本実施形態では、前記壁用板材2は、小厚さかつ平板状で前記枠組9の一方の面を閉じるように覆うバリヤ板11を介して前記壁下地材6に取付られるものを例示している。これにより、前記壁用板材2の凸部4、4間に、縦の枠材に沿ってのびる空間が形成され、該空間が壁内の通気路12を形成したものを例示している。
【0019】
このような壁内の通気路12は、壁内の風通しを良くでき、また室内空調機などへの空気導入用通気路などとして有効に活用しうる。また本例のバリヤ板11は、枠材9を内装部材5と協働して枠材内部を密閉に近い状態にしうるため、断熱効果をより高め、内装部材5の結露防止をより確実としうる。
【0020】
このような外壁は、図3に略示するように、外壁下端を布基礎Bに例えば固定金具14を用いて固定され、かつその上端は幕板16などに固定金具15を用いて固定されることにより家屋の外壁1を構成しうる。
【0021】
図5には、本発明の他の実施形態を示している。本例では、木質、木造住宅の壁を例示しており、壁下地材6は木材からなる桟材13からなるものを例示している。このような場合にも壁用板材2を用いることができ、例えば凸部4はスペーサとして役立つ。また、壁用板材2の凸部4の配設ピッチLは、本例では桟材13の配設ピッチの1/2としたものを例示しており、またバリヤ板などは設けていない。
【0022】
図6には、さらに壁用板材2の他の実施形態を例示している。この例では、凸部4は、板部3から突出する基部4aと、この基部4aから板部3の内部に挿入され、かつ板部3に向かって拡幅した係合部4bとから構成されたものを例示している。このような凸部4は、セメントなどにより予め押し出し、又はキャスティングなどにより形成しうるとともに、図7に示すように、押し型17内に凸部4を固定し、その上に板部を形成する未硬化材料Mなどを流し込んで当て板Tなどで押し固めかつ硬化することによって精度良く一体に成形しうる。なおこのような凸部4は、例えばセメント材に限定されることなく木材、樹脂などで構成しても良い。なお、当て板Tには、凸部保持ピン19が設けられ、凸部4の位置ずれを好適に防止しうる。
【0023】
以上本発明の実施形態について詳述したが、例えば前記凸部4は、縦の枠材6Aの方向に適宜途切れても良く、この場合には、隣り合う通気路間で空気の行き来を可能とするため、より通気性が高まり壁内結露を防止できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明では、壁用板材に板部と壁下地材に取り付く凸部とを形成し、かつ凸部の熱伝導率を板部のそれよりも小に設定することにより、凸部が壁下地材の熱橋を防止し、外壁側からの熱貫流を効果的に減じうるため、内装部材での結露の発生などを効果的に抑制しうる。また、壁用板材は、凸部を板部の内面に具えることにより、構造を簡素化でき、しかも従来、壁下地材との間に配されていた断熱部材などを取り付ける手間を削減できるから生産性が向上する。また凸部がリブとして利用することも可能となるため、壁用板材ないし壁全体の剛性向上にも寄与しうる。
【0025】
さらに板部と凸部とは、セメント材を用いて押出し成形、又はキャステイングにより一体に成形されるとともに、前記凸部の空隙率を大とすることにより熱伝導率を小としているため、生産性が良く、かつ一体成形のため剛性が高くかつ安定しうる。
【0026】
さらに請求項2記載の発明では、壁用板材は、該壁用板材が壁下地材に取付られることにより前記凸部間の空間が壁内の通気路を形成するため、簡単な構成で壁内の換気が促進され、壁内結露がより効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の態様を例示する斜視図である。
【図2】その縦方向に沿った断面図である。
【図3】基礎に取り付けた外壁を例示する断面図である。
【図4】壁用板材の構造を例示する斜視図である。
【図5】他の壁構造を例示する断面図である。
【図6】他の壁用板材を例示する断面図である。
【図7】その製造方法を説明する断面図である。
【図8】従来の壁構造を示す部分断面図である。
【図9】従来の壁構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
2 壁用板材
3 板部
3i 板部の内面
4 凸部
5 内装部材
6 壁下地材
12 通気路
Claims (2)
- 壁下地材に、壁用板材を添設する壁構造であって、前記壁用板材は壁面をなす平板状の板部と、この板部の内面から突出する複数条の凸部とからなり、かつ凸部は板部に比して熱伝導率を小とするとともに、この凸部を介して前記壁下地材に取り付け、しかも前記板部と凸部とは、セメント材を用いて押出し成形、又はキャスティングにより一体に成形されるとともに、前記凸部の空隙率を大とすることにより熱伝導率を小としたことを特徴とする壁構造。
- 壁用板材は、該壁用板材が壁下地材に取付られることにより前記凸部間の空間が壁内の通気路を形成することを特徴とする請求項1記載の壁構造。
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1998
- 1998-07-30 JP JP21571398A patent/JP3600446B2/ja not_active Expired - Fee Related
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