JP3600363B2 - 表面処理剤及び表面処理方法 - Google Patents

表面処理剤及び表面処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3600363B2
JP3600363B2 JP09593996A JP9593996A JP3600363B2 JP 3600363 B2 JP3600363 B2 JP 3600363B2 JP 09593996 A JP09593996 A JP 09593996A JP 9593996 A JP9593996 A JP 9593996A JP 3600363 B2 JP3600363 B2 JP 3600363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
surface treatment
hydrocarbon group
water
treatment agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09593996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09255940A (ja
Inventor
英二 名越
宏造 北澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP09593996A priority Critical patent/JP3600363B2/ja
Publication of JPH09255940A publication Critical patent/JPH09255940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3600363B2 publication Critical patent/JP3600363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品、金属部品、セラミック部品、精密部品やガラス及びレンズ等の光学部品等の表面を疎水化する表面処理剤及び表面処理剤組成物並びに表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の部品の洗浄には、トリクロロトリフルオロエタン等のフロン系溶剤、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、トリクロルエタン、エチレンクロライド等の塩素系溶剤を主成分とする塩素系洗浄剤が用いられていた。しかしながら、塩素系及びフロン系溶剤は人体に対する毒性、水質や土壌等の環境汚染あるいは地球温暖化やオゾン層破壊等の問題を有しており、これらの溶剤を使用した洗浄方法は次第に水系の洗浄剤による洗浄方法に代替されつつある。この種の部品のうち部材が金属、セラミック、ガラス等で構成されているものは、洗浄後表面が親水性となるために水ですすぐ時に付着水の量が増大し、水シミが発生したり、金属部品では錆が発生したり、乾燥時間が長くなる等の問題点があった。また、導電性接着剤を使用する電子部品では必要ない箇所にそれが濡れ広がるという問題点があった。
【0003】
近年、この問題を解決する為に、種々の方法が提案されている。例えば、水切り剤として2−プロパノール等の溶剤を使うもの、パーフルオロカーボン等のフッ素系溶剤を使うもの、フッ素系の界面活性剤を薄く固体表面に吸着させすすぎ水を弾くもの、ノニオン系界面活性剤を利用したもの等が挙げられる。しかしながら、溶剤を使ったものでは防爆設備が必要になり取扱いや管理が煩雑になり、フッ素系溶剤を使ったものではコストが高くなり、フッ素系界面活性剤を使ったものではコストが高くなること及び表面の疎水化が強過ぎて塗装やワイヤーボンディング等の後工程のあるものでは使用できない場合があり、ノニオン系界面活性剤を使用したものでは添加量が多い場合、残留した界面活性剤がシミとなる場合がある。また、フッ素系界面活性剤を除いては、固体表面を疎水化する効果がないかもしくは極めて弱いため導電性接着剤が濡れ広がるという課題が残る。
【0004】
導電性接着剤の濡れ広がり防止を行う方法としてはシリコーンカップリング剤を用いる方法があるが、コストがかかること及び処理が煩雑になる等の問題点が挙げられる。また、簡易的な方法としてはアルカリ系洗浄剤や食器用洗浄剤を希釈して処理するという方法も行われていたが、どの成分に効果があるのか明確になっておらず、接着剤の種類もエポキシ系からイソシアネート系に移行すると効果が著しく低下するという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述したような従来の水切り剤や表面処理剤の欠点を改良した、安全性に優れ環境汚染がなく、洗浄工程中で使用すると被処理物である各種の部品の表面(以下、固体表面という)が疎水化されて最後の純水置換において部品への付着水の量を減らし、水シミの発生を防止して乾燥時間を短縮し、また、金属部品に対しては防錆効果があり、処理後の部品において、導電性接着剤を使用したときに必要でない箇所への接着剤の濡れ広がりを防止することができる表面処理剤及び表面処理剤組成物を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、当該表面処理剤組成物を用いた表面処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の構造を持つ含窒素化合物を表面処理剤として使用することにより、前記の課題を解決しうる表面処理剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、
【0012】
〕 一般式(1)、(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる含窒素化合物又は該含窒素化合物の中和物、並びに水を含有することを特徴とする、洗浄後の被処理物の固体表面を処理するための表面処理剤組成物、
【0013】
【化10】
Figure 0003600363
【0014】
(式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
【0015】
【化11】
Figure 0003600363
【0016】
(式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。また、BはCl、Br、I、OH、HSO、CHSO、CSO、CHSO、CHSO、CH(CHSO、HPO、ROHPO又は(RO)POを示す。)
【0017】
【化12】
Figure 0003600363
【0018】
(式中、R及びR10は炭素数8〜20の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、m及びnは1〜20の数を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
〕 該表面処理剤を0.001〜10重量%含有することを特徴とする前記〔〕記載の表面処理剤組成物、
〕 一般式(5)で示されるグリコールエーテル化合物をさらに含有することを特徴とする前記〔〕又は〔〕記載の表面処理剤組成物、
11O(A’O)12 (5)
(式中、R11は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、A'は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、pは1〜4の数を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
〕 前記〔〕〜〔〕いずれか記載の表面処理剤組成物を使用して被処理物の固体表面を疎水化処理することを特徴とする表面処理方法に関するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の表面処理剤は、一般式(1)、(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる含窒素化合物からなることを特徴とするものである。
【0020】
【化13】
Figure 0003600363
【0021】
(式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
【0022】
【化14】
Figure 0003600363
【0023】
(式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。また、BはCl、Br、I、OH、HSO、CHSO、CSO、CHSO、CHSO、CH(CHSO、HPO、ROHPO又は(RO)POを示す。)
【0024】
【化15】
Figure 0003600363
【0025】
(式中、R及びR10は炭素数8〜20の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、m及びnは1〜20の数を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
【0026】
一般式(1)において、Rは炭素数8〜20の炭化水素基であるが、炭素数12〜18の炭化水素基であることが好ましい。炭素数が8より小さいと固体表面を疎水化する効果が弱く、水洗等を行った時の耐久性が劣る場合がある。炭素数が20を超えると汎用性に劣り高価になる。Rの炭化水素基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。R及びRで示される炭素数1〜20の炭化水素基もRと同様の基が挙げられる。
【0027】
従って、一般式(1)で表わされる化合物の具体例としては、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、トルイジン、キシリジン、ベンジルアミン、オクチルベンジルアミン、ノニルベンジルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級アミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジミリスチルアミン、ジパルミチルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルアニリン等の2級アミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等の3級アミンが挙げられる。これらのうち、広がり防止効果の点から2級アミン、3級アミンがより好ましく、オクチルベンジルアミン、ノニルベンジルアミン、ジラウリルアミン、ジミリスチルアミン、ジパルミチルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミンが好ましく用いられる。
【0028】
一般式(2)において、Rは炭素数8〜20の炭化水素基であるが、炭素数12〜18の炭化水素基であることが好ましい。炭素数が8より小さいと固体表面を疎水化する効果が弱く、水洗等を行った時の耐久性も劣る場合がある。炭素数が20を超えると汎用性に劣り高価になる。R、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基である。R、R及びRのうち少なくとも何れか1つが炭素数12〜18の炭化水素基の場合、接着剤の濡れ広がり防止効果及び耐久性が優れるので好ましい。R、R、R及びRの炭化水素基の例としてはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。対イオンのBは3級アミンを4級化する時のアルキル化剤や、対イオン交換により規定されるものであり、Cl、Br、I、OH、HSO、CHSO、CSO、CHSO、CHSO、CH(CHSO、HPO、ROHPO又は(RO)POが挙げられる。これらのうち、合成及び入手の容易さから考えてClが好ましく用いられる。
【0029】
一般式(2)で表わされる化合物の具体例としては、一般式(1)に例示する3級アミンをアルキル化剤により4級化したアルキルアンモニウム塩が挙げられる。これらのうち、トリベンジルメチルアンモニウムクロライド等のモノメチルアンモニウムクロライド;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等のトリメチルアンモニウムクロライド;ジベンジルジメチルアンモニウムクロライド、、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルミリスチルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルパルミチルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルオレイルジメチルアンモニウムクロライド等のジメチルアンモニウムクロライドが好ましく用いられる。これらの中でも広がり防止効果の点からジメチルアンモニウムクロライドがより好ましい。
【0030】
一般式(3)、(4)において、R及びR10は炭素数8〜20の炭化水素基であるが、炭素数12〜18の炭化水素基であることが好ましい。炭素数が8より小さいと固体表面を疎水化する効果が弱く、水洗等を行った時の耐久性も劣る場合がある。また、炭素数が20を超えると汎用性に劣り高価になる。Rは炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数12〜18の炭化水素基であることが好ましい。炭素数が20を超えると、汎用性に劣り高価になる。m及びnは1〜20の数を表すが、1〜10であることが好ましい。m及びnが20を超えると、親水性が強くなり固体表面に対する吸着性が弱くなる場合がある。一般式(4)においてm+nは2〜10であるのが好ましい。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示すが、炭素数2のエチレン基が好ましい。Aのアルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。一般式(3)及び(4)で表わされる化合物は、一般式(1)で示される化合物のうち、1級アミン及び2級アミンを苛性アルカリのような触媒存在下、加熱しながら炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)を液状または気体状で加えて反応させることにより得ることができる。この時2種類以上のアルキレンオキシドを混合して反応させるランダム付加重合、またはアルキレンオキシドを順次付加させるブロック付加重合を行い合成してもよい。このようにして得られる一般式(3)及び(4)で表わされる化合物は、精製して未反応物や触媒などを除去して本発明の表面処理剤として使用される。
【0031】
さらに一般式(1)で示される1級から3級のアミンが塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等の無機酸の中和物あるいは蟻酸、酢酸等の有機酸の中和物であってもよい。中和物にすることにより水溶性が付与される。また、化合物自身が中性になり、水等で希釈した時も水溶液が弱酸性を示す程度で取り扱いも容易になる。また、カチオン性が付与されるので固体表面に対する吸着性が向上するので好ましい。これらの中でも合成及び入手の容易さから、塩酸と酢酸の中和物が好ましい。
【0032】
本発明の表面処理剤は、洗浄工程中で使用すると、固体表面が疎水化されて最後の純水置換において固体への付着水の量を減らし、水シミの発生を防止して乾燥時間を短縮できる。また、金属部品に対しては防錆効果がある。さらに処理後の固体において導電性接着剤を使用したときに必要でない箇所への接着剤の濡れ広がりを防止することができる。
【0033】
本発明の表面処理剤組成物は、以上の表面処理剤、さらに好ましくは一般式(5)で示されるグリコールエーテル化合物を含んでなる組成物をいう。表面処理性能からみた場合、表面処理剤である含窒素化合物又は中和物が0.001〜10重量%含有されていることが好ましく、0.005〜5重量%添加されるのがより好ましい。0.001重量%より少ないと固体表面に吸着する量が少なかったり、均一に吸着しにくくなるので、良好な固体表面の疎水化効果を得ることができない場合がある。また、10重量%より多いと、粘度が増加して取り扱いが煩雑になったり、処理後直ちに乾燥した場合は表面にシミが残ることがある。また、10重量%以下でも十分な吸着量が確保できるので高濃度で使用する必要性はない。水とグリコールエーテル化合物は均一に溶解する範囲内において、任意の割合で混合して使用すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは、水は90〜99.9重量%、グリコールエーテル化合物は10〜0.1重量%である。水は市水、蒸留水、イオン交換水等、本発明の表面処理性を低下させないものである限り特に限定されるものではない。しかしながら、洗浄される表面清浄性が望まれる時はできるだけ純度の高い水で希釈されることが望ましい。また、一般式(5)で示されるグリコールエーテル化合物をさらに配合することにより、本発明の表面処理剤を固体表面に均一に吸着させ、処理後すぐに乾燥した場合でも後工程で問題となるようなシミの発生を抑えることができるのでより効果的である。
11O(AO)12 (5)
(式中、R11は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、pは1〜4の数を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
【0034】
一般式(5)において、R11は炭素数1〜8の炭化水素基であるが、特に炭素数3〜6の炭化水素基であることが好ましい。R11の炭素数が8を超えると水に対する溶解性が悪くなったり、粘度も上昇するため作業性が悪くなる場合がある。Aは炭素数2〜4のアルキレン基であることが必要であるが、特に炭素数2〜3のアルキレン基であることが好ましい。pはアルキレンオキシド基の平均付加モル数で1〜4の数である。pが4を超えると粘度が上昇し作業性が悪くなる場合がある。R12は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基であるが、水への溶解性から特に水素原子あるいは炭素数1〜2の炭化水素基であることが好ましい。
【0035】
かかるグリコールエーテル化合物は、炭素数1〜8のアルコールに苛性アルカリのような触媒存在下、加熱しながら炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)を液状または気体状で加えて反応させることにより得ることができる。この時2種類以上のアルキレンオキシドを混合して反応させるランダム付加重合、またはアルキレンオキシドを順次付加させるブロック付加重合を行い合成してもよい。このようにして得られるグリコールエーテル化合物は、精製して未反応物や触媒などを除去して使用される。また、該グリコールエーテル化合物の末端の水酸基をアルキルクロライド等によりメチル化、エチル化またはブチル化等した化合物も含まれる。このうちエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類が好ましく用いられる。また、上記化合物は単独使用または2種以上併用されてもよいし、均一に溶解する範囲において水と任意に混合されてもよい。
【0036】
上記のような表面処理剤組成物を炭化水素系洗浄剤又はアルカリ及び界面活性剤等を含む水系洗浄剤に添加することにより、洗浄中に表面処理を同時に行うことができる。次工程で水等によりすすいでも固体表面の疎水性が低下することはない。ここで洗浄剤としては表面処理剤を均一に溶解できるものであればよい。
【0037】
また、洗浄後のすすぎ工程や最終の純水置換の工程に添加することにより、表面処理を行うこともできる。最終槽にて使用するときも適切な濃度を選択することにより、引上げ後そのまま乾燥しても水シミが発生する事はない。
【0038】
本発明の表面処理剤を含む上記のような組成物は、電子部品、金属部品、セラミック部品、精密部品やガラス及びレンズ等の光学部品等を表面処理するときに使用されるものであり、本発明の表面処理方法において好適に使用される。すなわち、前記のような各種の被処理物の固体表面を疎水化するための用途で使用されてもよいし、洗浄工程中で添加され使用されてもよい。洗浄工程中とは、炭化水素系洗浄剤、アルカリ及び界面活性剤を含む水系洗浄剤を用いて部品を洗浄する工程、市水や純水によりすすぐ工程、純水により置換する工程、最終の仕上げ工程を示す。これらの何れの工程において添加されても十分な表面処理が行え、固体表面に疎水性を付与することができる。
【0039】
本発明の表面処理方法は以上のような表面処理剤組成物を使用して固体表面を処理するものである。具体的な処理操作としては特に限定されないが、例えば本発明の表面処理剤を所定の方法で水などで希釈して部品を浸漬したり、揺動したり、超音波をかけたり、液中スプレーあるいは気中スプレーにより処理する方法が挙げられる。
【0040】
本発明の表面処理剤等は電子部品、電機部品、金属工業部品、精密機械部品及び光学部品等の固体表面の処理に優れた効果を有する。固体表面を疎水化させて、洗浄工程では純水置換した時の付着水の量を減らし、水シミの発生を防止して乾燥時間を短縮できる。また、金属部品に対しては防錆効果がある。処理後の固体表面において導電性接着剤を使用した時に、必要でない箇所への接着剤の濡れ広がりを防止することができる。
【0041】
ここで電子部品とは、例えば電算機及びその周辺機器、家電機器、通信機器、OA機器、その他電子応用機器等に用いられるプリント配線基板、ハイブリッドIC、セラミック及びプラスチックのLSIパッケージ;ICリードフレーム、抵抗器、コンデンサー、リレー等接点部材に用いられる液晶表示器;映像、音声記録/再生部品、その関連部品等に用いられる磁気記録部品;シリコンやセラミックスのウェハ等の半導体材料;水晶振動子等の電歪部品;CD、PD、複写機器、光記録機器等に用いられる光電変換部品等をいう。電機部品とは、例えばブラシ、ロータ、ステータ、ハウジング等の電動機器部品;販売機や各種機器に用いられる発券用部品;販売機やキャッシュディスペンサ等に用いられる貨幣検査用部品等をいう。金属工業部品とは、輸送機器部品、家電部品や金属加工部品をいう。精密機械部品とは、例えば精密機動機器、ビデオレコーダー等に用いられるベアリング;超硬チップ等の加工用部品等をいう。さらに光学部品としては、カメラ、眼鏡、光学機器等に用いられるガラスレンズやプラスチックレンズが例示される。
【0042】
以下、実施例を比較例と共に挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例1、2及び10は参考例である。
【0043】
実施例1〜16及び比較例1〜6
下記の表1〜3に示す組成の表面処理剤組成物をそれぞれ調製し、各表面処理剤組成物について、水切り性、水シミの有無、接着剤の広がり性及び防錆効果を次のように評価した。
【0044】
(1)水切り性
金メッキを施し、清浄に洗浄した5cm角のセラミック部品を、表1〜3の表面処理剤組成物溶液に1分間浸漬した。引き上げて流水にて1分間すすぎ、さらに純水槽に1分間浸漬する。それを引き上げて、30秒間水を切り、重量を測定する。浸漬前の重量との差分(〔浸漬後の重量(g)〕−〔浸漬前の重量(g)〕)から付着水量(g)を算出した。
【0045】
(2)水シミの有無
(1)で水切り性を確認したセラミック部品を100℃で10分間乾燥し、目視にて固体表面の水シミや曇りを確認した。
残留性評価基準
○;水シミや曇りが全くない。
△;やや曇りがある。
×;水シミがある。
【0046】
(3)接着剤の広がり防止効果
(2)で乾燥したセラミック部品を室温で放置後、導電性接着剤を金面と磁器面にディスペンサーにより直径7mmφの大きさで塗布して、濡れ広がり性について検討した。接着剤はエポキシ系接着剤とイソシアネート系接着剤の2種類を用いた。塗布後、室温で30分放置してから、各条件で加熱処理をした。その後接着剤の広がり具合を顕微鏡にて観察し、広がり幅を測定した。
エポキシ系接着剤 : 150℃ 1時間加熱処理
イソシアネート系接着剤: 300℃ 4分間加熱処理
接着剤の広がり性評価基準
◎;接着剤の広がり無し 0 〜0.1 mm
○;接着剤が僅かに広がる 0.1〜0.5 mm
△;接着剤が広がる 0.5〜2.0 mm
×;接着剤がかなり広がる 2.0 mm以上
【0047】
(4)防錆効果
50mLのビーカーに25mLの表1〜3の表面処理剤組成物溶液を入れ、そこに40mm×30mm×1mm(厚さ)の冷間圧延鋼板(JIS G3141)を四塩化炭素にて脱脂した後、鋼板が表面処理剤組成物溶液に半分浸漬するように入れる。それを60℃の恒温槽にて1時間保存し、錆の発生具合を目視にて観察した。
防錆効果評価基準
○;全く錆が発生しない。
△;一部錆が発生した。
×;全面に錆が発生した。
以上の結果を下記の表1〜3に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003600363
【0049】
【表2】
Figure 0003600363
【0050】
【表3】
Figure 0003600363
【0051】
表1〜3から明らかなように、本発明の表面処理剤組成物を使用した実施例1〜16では、水切り性、接着剤の広がり防止効果も優れており、水シミの発生もなく、曇りも全く見られなかった。また、鋼板に対する防錆効果も優れていた。これに対して、炭素数の少ないアミンを用いた比較例1、トリアミンを用いた比較例2、アルカノールアミドを用いた比較例3、ノニオン系界面活性剤を用いた比較例4、アニオン系界面活性剤を用いた比較例5、純水を用いた比較例6はいずれかの効果が不十分であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によると、表面処理剤及び表面処理剤組成物を洗浄工程中または洗浄工程後に使用すると、固体表面が疎水化されて最後の純水置換において固体への付着水の量を減らし、水シミの発生を防止して乾燥時間を短縮できる。また、金属部品に対しては防錆効果がある。さらに処理後の固体表面において各種の接着剤を使用した時に、必要でない箇所への接着剤の濡れ広がりを防止することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)、(2)、(3)及び(4)からなる群より選ばれる含窒素化合物又は該含窒素化合物の中和物、並びに水を含有することを特徴とする、洗浄後の被処理物の固体表面を処理するための表面処理剤組成物。
    Figure 0003600363
    (式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
    Figure 0003600363
    (式中、Rは炭素数8〜20の炭化水素基を示し、R、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。また、BはCl、Br、I、OH、HSO、CHSO、CSO、CHSO、CHSO、CH(CHSO、HPO、ROHPO又は(RO)POを示す。)
    Figure 0003600363
    (式中、R及びR10は炭素数8〜20の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、m及びnは1〜20の数を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
  2. 該表面処理剤を0.001〜10重量%含有することを特徴とする請求項記載の表面処理剤組成物。
  3. 一般式(5)で示されるグリコールエーテル化合物をさらに含有することを特徴とする請求項又は記載の表面処理剤組成物。
    11O(A’O)12 (5)
    (式中、R11は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、A’は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、pは1〜4の数を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
  4. 請求項いずれか記載の表面処理剤組成物を使用して被処理物の固体表面を疎水化処理することを特徴とする表面処理方法。
JP09593996A 1996-03-25 1996-03-25 表面処理剤及び表面処理方法 Expired - Fee Related JP3600363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09593996A JP3600363B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 表面処理剤及び表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09593996A JP3600363B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 表面処理剤及び表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09255940A JPH09255940A (ja) 1997-09-30
JP3600363B2 true JP3600363B2 (ja) 2004-12-15

Family

ID=14151248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09593996A Expired - Fee Related JP3600363B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 表面処理剤及び表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3600363B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4704237B2 (ja) * 2005-02-24 2011-06-15 花王株式会社 鋼帯用リンス剤組成物
KR101241045B1 (ko) * 2005-02-24 2013-03-08 가오 가부시키가이샤 강대용 린스제 조성물
TWI402337B (zh) * 2009-04-30 2013-07-21 Asahi Kasei Chemicals Corp Water removal agents, prewashing agents, water removal methods and water removal devices
JP6348839B2 (ja) * 2013-12-27 2018-06-27 花王株式会社 鋼板用リンス剤組成物
WO2015198467A1 (ja) * 2014-06-27 2015-12-30 花王株式会社 鋼板の製造方法
WO2015198471A1 (ja) * 2014-06-27 2015-12-30 花王株式会社 鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09255940A (ja) 1997-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11286444B2 (en) Cleaning formulation for removing residues on surfaces
KR100355212B1 (ko) 후세척처리방법
US9334470B2 (en) Cleaning liquid composition for electronic device
EP2215203B1 (en) High negative zeta potential polyhedral silsesquioxane composition and method for damage free semiconductor wet clean
US7312186B2 (en) Cleaning solution for semiconductor substrate
JPWO2009072529A1 (ja) 半導体デバイス用基板の洗浄方法及び洗浄液
US20020155964A1 (en) Cleaning agent composition, method for cleaning and use thereof
JP4025953B2 (ja) 洗浄剤組成物
WO2002094462A1 (fr) Procede de nettoyage de la surface d'un substrat
WO2003065433A1 (fr) Detergent liquide pour substrat de dispositif semi-conducteur et procede de nettoyage
KR20150087224A (ko) 유리 기판의 세정 방법
JP2003289060A (ja) 半導体デバイス用基板の洗浄液および洗浄方法
KR20150003217A (ko) 반도체 기판용 세정제 및 반도체 기판 표면의 처리방법
US20190136159A1 (en) Butylpyrrolidone based cleaning agent for removal of contaminates from electronic and semiconductor devices
KR20160022762A (ko) 포토레지스트 제거용 스트리퍼 조성물 및 이를 이용한 포토레지스트의 박리방법
JP3600363B2 (ja) 表面処理剤及び表面処理方法
KR102230865B1 (ko) 구리 함유 기판용 세정액
JP2005060660A (ja) 半導体基板用洗浄液
EP2053465B1 (en) Positive resist processing liquid composition and liquid developer
US6007638A (en) Detergent composition and cleaning method using the same
KR100387153B1 (ko) 녹방지탈수제및이를사용한헹굼방법
US20060027252A1 (en) Methods of processing substrates during semiconductor manufacturing processes
JP3052185B2 (ja) 水切り剤及び水切り方法
JP2000515685A (ja) 半導体基板用の水性洗浄溶液
JP3471140B2 (ja) 水切り剤及び水切り方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees