JP3600259B2

JP3600259B2 - 真空ポンプの改良

Info

Publication number: JP3600259B2
Application number: JP28521093A
Authority: JP
Inventors: アーネストキネアードホルブルックアレン
Original assignee: ザビーオーシーグループピーエルシー
Priority date: 1992-11-13
Filing date: 1993-11-15
Publication date: 2004-12-15
Anticipated expiration: 2019-12-15
Also published as: US5573387A; JPH06221289A; DE69319847T2; GB9223804D0; EP0597730A1; DE69319847D1; EP0597730B1

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、機械的ロータリー真空ポンプに関し、さらに詳細には、そのようなポンプに対する一般的運転パラメータの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この形式のロータリー真空ポンプは、ステーターボディ内に回転可能に設けられステーターのボアに関してオフセットされているローターを有し、ローター内の直径方向に対向したスロット内に収容されかつ、その中で摺動できる２つのブレードにより、ステーターとローターとの間のスペースに入るガスを圧縮させて、ポンプ出口に排出させる。
【０００３】
公知のボアの典型的な構造が、４つの異なる段階（導入、分離、圧縮、および排出）における４つのポンプ縦断面の形で、図１に概略的に示されている。実質的に円筒状のボアを有するステーターボディ１が示されており、その中に、ローター２がその中心線を中心に回転可能に偏心して取付けられており、即ちステーターボアは、ローター軸線がポンプの主軸線であるように、ローターに関してオフセットされている。
【０００４】
ローターは２つの直径方向に対向したスロットを有し、その中に２つのブレード３、４が置かれ、それらのブレードは、スロット内で半径方向に摺動でき、かつそれぞれブレード３、４の先端６、７が常にステーター壁と接触するように、スプリング５によって外方に押されている。
【０００５】
ステーターボディ１は、ボアへの入口８と、そこからの出口９とを有し、出口９がまた一方向排出弁１０を有している。
【０００６】
その機構は、一般的には油溜りの形で弁体内に入れた油１１によって潤滑され、その少量が、ポンプ内部へポンプで圧送されて、ポンプで圧送したガスと一緒に排出弁１０を通して油溜り内に再び射出される前に、作用構成部品間に薄い油膜を形成する。
【０００７】
そのようなポンプは、典型的には、単一のローターが使用されている１段型として提供されるか、または、第１（高真空）段の後に第２（低真空）段があって、第１段からの排気ガスが、通常一方向弁を経て、第２段に差し向けられる、２段型として提供される。一般的に、高真空段の能力は、たとえば４：１のファクターだけ、低真空段の能力よりも実質的に高い。
【０００８】
１段および２段ポンプが異なる作動特性をもっていることが知られている。たとえば、現在入手可能な１段ポンプは、一般的に高蒸気含有量を有する排気流を処理する能力を有し、かつ高処理量を有していることが知られている。現在入手可能な２段ポンプは、低圧力を達成できるが、一般的に低い蒸気処理特性をもち、かつ全体的に低処理量を有している。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
ポンプ油を汚染することなく、ポンプがある量の蒸気を処理できるよく知られた技法は、問題のポンプのバラスティングである。ガスバラスト設備により、大気空気を（乾きまたは不活性ガスが選択的に使用できる）回転するブレードの圧縮段階中にポンプチャンバーに入れる。これは、ポンプ内の非凝縮ガスの割合を増加し、その結果、ポンプの排気段階において圧送される蒸気の部分的圧力が、その飽和蒸気圧力を超えない、したがって蒸気は凝縮せずに排出される。
【００１０】
公知の２段ポンプは、高真空段のバラスティングが、排出されるシステム内の真空を危なくすることがあるので、低真空段にのみ、バラスすべき設備を有する傾向がある。同様に真空潤滑油の注入もまた、低真空段にのみ供給される。しかしながら、そのようなバラスティングおよび潤滑特徴は、上述の性能特性となる。
【００１１】
ある情況では、１段ポンプと２段ポンプ双方の有益な特性を出来るだけ多く有する２段ポンプを設けるのが望ましい。
【００１２】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、選択的に、異なる運転特性で運転可能であるいくつかの特徴を含む２段ロータリー真空ポンプの提供に関する。
【００１３】
本発明によれば、低真空段（４）と高真空段（３）とを有し、各段がボアを有するステーターボディ（２）と、ステーターボディ（２）とローターとの間にキャビティを形成するためボア内に偏心的に設けられたローターとを含み、各段のローターが、ローター内の直径方向に対向したスロット内に摺動可能に位置決めされ、ポンプ使用の際、ローターの回転中ステーターボディ（２）の内壁と実質的に接触している２つのベーンを有し、各段のステーターボディが、ポンプ使用の際、圧送される流体を回転するベーンによりキャビティ内に流入させたり、キャビティから排出させたりする入口および出口を有し、
ｉ）油を低真空段（４）に注入することができる手段（１１）が設けられ、
ｉｉ）バラストガスを低真空段に導入する手段（１４）が設けられている、ロータリー真空ポンプにおいて、
ゼロを含む油の所定流量を圧力下で別個の油ライン（１２）を経て高真空段（３）に供給するために多数の設定を可能にするスイッチ手段（１３）が設けられ、低真空段（４）へのゼロを含む所定のバラストガス流量に対応する多数の別々の設定量の選択を可能にする弁手段（１５）が設けられ、それによって、各設定量で異なるポンプ作動形式を可能にする、ことを特徴とするロータリー真空ポンプを提供する。
【００１４】
一般的に、高真空段の余分な油は、ガス（ポンプ移送される）の連続高処理量があるとき、汚染ガス（たとえば、固形物を運ぶ）があるとき、あるいは油の急速洗浄をする必要があるときに好ましい。
【００１５】
理想的には、バラストガス流量は、ポンプ容量の少くとも１５％、最も好ましくは少くとも２０％あるいは３０％またはそれ以上。
【００１６】
一般的に、高真空段へのバラスガスの提供は、必要とされず、好ましくない。しかしながら、選択的に高真空段に油を注入する能力を結合した比較的大きなサイズの低真空段により、一連の運転特性を達成することができる。
【００１７】
好ましくは、異なる量のバラストガスを低真空段に導入する設備は、ゼロ流量および所定の流量にすることができる弁手段によって与えられる。最も好ましくは、たとえば、ゼロ、低真空段の排気量（Ｓｗｅｐｔｖｏｌｕｍｅ）の１０％、低真空段の排出量の３０％の特定の３つの流量（ゼロを含む）が与えられる。
【００１８】
【実施例】
本発明をよりよく理解するため、かつどのようにして本発明が実施されるかを示すため、本発明のポンプ内のバラストガスおよび油供給ラインの概略図を示す添付の図２を例示のみとして、参照する。
【００１９】
図２を参照すると、ハウジング１とステーターボディ２とを具備している本発明の２段真空ポンプの概略図が示されている。ステーターボディ２内に、高真空段３と、低真空段４と、油ポンプ５とがあり、そのすべてが、ステーターボディ２内に構成されたチャンバー内で回転することができ、かつ上述の方法でスロット内に摺動自在に収容されたブレードを有するローターを具備している。
【００２０】
ローター、または高真空段３、低真空段４および油ポンプ５の回転は、アダプター８を経て軸７を駆動する単一のモーター６によって行なわれる。高真空段容量と低真空段容量の比は約１．３：１である。
【００２１】
油ポンプ５は、一般的には真空ポンプに、そして詳細には圧力レリーフ弁９および油ライン１０を経て油ボックスに、油を送るためにある。油ポンプからの油はまた、真空ポンプが運転している間、常に、油ライン１１を経て低真空段４に圧力下で供給される。
【００２２】
さらに、かつ本発明によれば、圧力下の油を、油スイッチ１３を経て高真空段３に供給する別箇の油ライン１２が使用可能である。スイッチ１３は、油が直接高真空段３に供給されないように「オフ」にセットすることができ、あるいは高真空段３への油の所定の流量が起るように「オン」にセットすることができる。
【００２３】
また、バラストガス（乾き空気の形で）をバラストライン１４を経て低真空段４に与える手段がハウジング１に設けられいてる。バラストガスは、弁１５を経て供給され、この弁１５は、「ゼロ流量」または、低真空段の排気量（Ｓｗｅｐｔｖｏｌｕｍｅ）の約１０％のバラストガスを与える第１の設定量、あるいは高真空段の排気量の約３０％のバラストガスを与える第２の設定量にセットすることができる。
【００２４】
高真空段への可変油供給の設備、（低真空段への供給に加えて）および低真空段への可変ガスバラスト供給の設備により、かつ高真空容量と低真空容量との比較的低い比率に照して、本発明の真空ポンプは、種々の設定量（例示したポンプでは６）を与えることができ、その各々によって、ポンプは、種々の油供給／バラスト設定量において提供される種々の作動特性に適合できる。本願では、バラスト流量に対する３つの設定量、「オフ」「ロー」（たとえばポンプ容量の５、１０または１５％）および「ハイ」（たとえば、ポンプ容量の１０、２０、または３０％）が示されている、そして各設定量に対して油は低真空段のみに供給されるか、あるいは低および高真空段の双方に供給される。各設定量におけるポンプ作動形式の表示が表に示されている。

【図面の簡単な説明】
【図１】公知のポンプの４つの異なる段階におけるポンプの４つの断面を概略的に示す。
【図２】本発明のポンプ内のバラストラインおよび油供給ラインの概略図を示す。
【符号の説明】
（０１）（１）ハウジング
（０２）（２）ステーターボディ
（０３）（３）高真空段
（０４）（４）低真空段
（０５）（５）スプリング
（０６）（６）モーター
（０７）（７）軸
（０８）（８）アダプター
（０９）（９）圧力レリーフ弁
（１０）（１０）油ライン

Claims

低真空段（４）と高真空段（３）とを有し、各段がボアを有するステーターボディ（２）と、ステーターボディ（２）とローターとの間にキャビティを形成するためボア内に偏心的に設けられたローターとを含み、各段のローターが、ローター内の直径方向に対向したスロット内に摺動可能に位置決めされ、ポンプ使用の際、ローターの回転中ステーターボディ（２）の内壁と実質的に接触している２つのベーンを有し、各段のステーターボディが、ポンプ使用の際、圧送される流体を回転するベーンによりキャビティ内に流入させたり、キャビティから排出させたりする入口および出口を有し、
ｉ）油を低真空段（４）に注入することができる手段（１１）が設けられ、
ｉｉ）バラストガスを低真空段に導入する手段（１４）が設けられている、ロータリー真空ポンプにおいて、
ゼロを含む油の所定流量を圧力下で別個の油ライン（１２）を経て高真空段（３）に供給するための多数の設定を可能にするスイッチ手段（１３）が設けられ、低真空段（４）へのゼロを含む所定のバラストガス流量に対応する多数の別々の設定量の選択を可能にする弁手段（１５）が設けられ、それによって、各設定量で異なるポンプ作動形式を可能にする、ことを特徴とするロータリー真空ポンプ。
ポンプがガスの連続高処理量に計画されているとき、高真空段（３）に対し余分な油が与えられる、請求項１に記載のロータリー真空ポンプ。
ポンプが汚染したガスをポンプ移送するとき、高真空段（３）に対し余分な油が与えられる、請求項１に記載のロータリー真空ポンプ。
ポンプが油の急速な洗浄を有する必要があるとき、高真空段（３）に対し余分の油が与えられる、請求項１に記載のロータリー真空ポンプ。
バラストガス流量が、ポンプ容量の少なくとも１０％である、請求項１〜４のいずれか１つの項に記載のロータリー真空ポンプ。
バラストガス流量が、ポンプ容量の少なくとも１５％である、請求項１〜５のいずれか１つの項に記載のロータリー真空ポンプ。
バラストガス流量が、ポンプ容量の少なくとも２０％である、請求項１〜６のいずれか１つの項に記載のロータリー真空ポンプ。
バラストガス流量が、ポンプ容量の少なくとも３０％である、請求項１〜７のいずれか１つの項に記載のロータリー真空ポンプ。