JP3600170B2 - デジタルテレビジョン受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルテレビジョン受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本国内において1995年から放送されているCSデジタル放送、および2000年12月1日に本放送が開始されたBSデジタル放送では、放送局側でデジタル情報として圧縮された映像情報・音声情報、及びそれに加えて放送されている番組に関する情報などをMPEG2システム規格(ISO/IEC13818−1)によって多重化したトランスポートストリーム(Transport Stream:TS)をデジタル変調して送信している。そして、受信機側では受信した信号をデジタル復調して得られたTSから映像・音声その他の情報を分離して再生するようになっており、かかる放送とその受信機が普及しつつある。
【0003】
そのなかで、BSデジタル放送においては、主に映画などのセリフに対する訳を映像に重ねて表示するための字幕や、緊急放送時に映像に重ねて表示する文字スーパー(以下、字幕と文字スーパーとを総称して「字幕」と称す場合もある)に関するデータを、映像・音声とは別のPES(Packetized Elementary Stream)中に格納した上で、TSに多重して送出し、受信機側ではそれをTSから分離・解析することによって適宜、受信機画面に字幕として表示することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、字幕・文字スーパーを表示するために必要な字幕管理データが放送局側から送出される最低送出頻度は、規格(BSデジタル放送データ放送運用規定第3篇7.2.1編成・伝送上の制約(12)参照)上、5.0秒まで許されている為、従来のようにチャンネルを変更してから字幕のPESを取得し、それを解析して最初の字幕管理データを受信して、字幕・文字スーパーを送出できる状態になる為には最大約5秒かかることとなる。これは、例えば、視聴者が外国語映画のチャンネルに変更して映像が表示されても、本来同時に表示されるべき日本語字幕が表示されるまで最大約5秒のタイムラグが生じ、視聴者がその映画の内容を把握できるようになるまでに時間がかかるなどの問題があることを意味している。
【0005】
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであり、現在視聴しているチャンネル以外のチャンネルに字幕情報がある場合に、あらかじめその字幕情報を解析しておくことで、視聴者がその字幕情報のあるチャンネルに切り換えた際に、映像の出力と同時に字幕を出力することで、それにより視聴者が即座に番組内容を把握することができるデジタルテレビジョン受信機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組を受信するデジタルテレビジョン受信機において、前記多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組のうち1つを選局して画面表示している時に前記多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組のうち該選局中の番組以外の字幕情報を解析することを特徴とするデジタルテレビジョン受信機である。
【0007】
請求項2にかかる発明は、選局中の番組以外の番組の字幕情報を解析する前に該番組の字幕情報の有無を判断し、該字幕情報が無い場合は該字幕情報を解析しないことを特徴とするデジタルテレビジョン受信機である。
【0008】
請求項3にかかる発明は、多重化トランスポートストリームに含まれる番組間で画面表示する番組の選局が変更された場合、前記字幕情報の解析による解析結果を利用して字幕を表示することを特徴とするデジタルテレビジョン受信機である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1はBS(Broadcasting via Satellite)デジタル放送ユーザーが視聴できるこの実施形態の放送受信機を示したブロック図である。
【0011】
パラボラアンテナ1は、屋外において放送衛星が位置する所定の方向に向けて配置されており、衛星から送られてくるBSディジタル放送信号を受信する。パラボラアンテナ1は、一般に周波数変換器を備え、受信/周波数変換した信号をチューナ部2に与える。
【0012】
チューナ部2は、映像・音声データを含む高周波デジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。すなわち、デジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つを選択する処理を行う。また、チューナ部2の出力は復調部3に出力されるが、該復調部では逆インタリーブ、誤り訂正、デジタル変調信号の復調などを行ない、トランスポート・ストリームTSを出力する。
【0013】
TS分離部4(デマルチプレクサ(DEMUX))は、復調部3から受け取ったトランスポート・ストリームから、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオトランスポートパケット、オーディオトランスポートパケットに分離するとともに、番組案内情報(EPG情報)、字幕・文字スーパー情報、データ放送の情報などを含む付加情報に分離する。TS分離部4は、ビデオトランスポートパケットを映像デコード部5に、オーディオトランスポートパケットを音声デコード部6に供給する。
【0014】
映像デコード部5は、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御などを行う。デコードにより生成された映像データは、OSD(オンスクリーンディスプレイ)多重処理部8を介して、映像処理回路12に与えられる。映像処理回路12は映像デコード部5からの映像データを受け取ると、D/A変換を行ない、例えばNTSCフォーマットのコンポジット信号に変換し、CRT13にて映像を表示する。
【0015】
音声デコード部6は、入力された符号化信号を復号して音声データを生成し、それを音声処理回路14に供給する。音声処理回路14は音声デコード部6から出力された音声データを受け取り、D/A変換を行ない、右(R)音のアナログ信号および左(L)音のアナログ音声信号を生成し、これにより音声がスピーカ15から出力される。
【0016】
前記TS分離部4は、複数の番組が同一のTSに多重されている場合は、操作部7からの指示によって、視聴する特定の番組に関連する映像、音声、及び付加情報を抽出する処理を行う。
【0017】
前記操作部7は、視聴者がチャンネルを入力したり、EPGやデータ放送の情報を表示させたり操作したりするためのものであって、リモコンおよびテレビジョン受信機の前面パネルに設けられた操作パネルを含む。
【0018】
OSD多重処理部8は、映像デコード部5から得られる映像情報に対して、EPG情報、データ放送の情報、字幕・文字スーパーなどのオンスクリーン画像を重ねて表示する。
【0019】
EPG情報処理部9は、TS分離部4で分離されたEPG情報を解析して、OSD多重表示部8によって画面にEPG情報を表示して、視聴者が操作部7からの入力で番組の選択などを行うようにしている。
【0020】
データ放送処理部9は、TS分離部4で分離されたデータ放送情報を解析してOSD多重処理部8によって種々のデータを画面に表示し、視聴者の操作部7からの入力によって表示内容の変更を可能にならしめる。
【0021】
字幕・文字スーパー処理部11は、TS分離部4により出力された字幕・文字スーパー情報(字幕)を解析してOSD多重処理部8によって字幕・文字スーパーを画面に表示する。
【0022】
次に、図1の受信機のブロック図と、図2のフローチャートを参照しつつ、その動作を説明する。
【0023】
電源投入後、チューナ部2及び復調部3は、規定値として設定されたチャンネルの番組を選局し、TS分離部4へTSを出力する。TS分離部4では、入力されたTSに複数チャンネルが多重されたストリームの場合、入力されたTSから規定値として設定値として設定されたチャンネルに該当するストリームを抽出し、その中から映像、音声、EPG情報、字幕・文字スーパー情報、データ放送に関係するストリームを分離し、それぞれ映像デコード部5、音声デコード部6、EPG情報処理部9、データ放送処理部10、字幕・文字スーパー処理部11に出力する。EPG情報処理部9は、EPG情報を取得しておき、操作部7からの視聴者の操作によって選択された番組を提示するなどの処理を行う。データ放送処理部10では、受信している番組にデータ放送の情報が含まれていればそれを取得・解析することで、操作部7からの視聴者の操作によって、OSD多重処理部8を通してデータ放送画面を表示し、さらに視聴者の操作によって、番組情報表示や天気予報表示など、その時に放送されているデータ放送中に含まれるコンテンツの対話型表示を行うようになっている。
【0024】
字幕・文字スーパー処理部11は、放送中の番組に字幕情報(文字スーパーの情報も含む)が含まれていれば、それを取得、解析し、OSD多重処理部8を通して画面に表示する。
【0025】
図2は、図1に示された受信機が、電源投入後、ある番組を受信開始し、その後、視聴者が他の番組を視聴するために受信チャンネル(CH)を切り替えた場合に、字幕・文字スーパーの出力を高速化するための処理手順を示している。
【0026】
まず、受信機はその字幕・文字スーパー処理部11において、ステップ(S)1の処理、すなわち現在受信中のチャンネル(CH)に字幕(文字スーパーも含む)情報が含まれているかどうかを判断し、含まれている場合はステップ10に進む。ステップ10では字幕情報を解析して、字幕を画面に表示する。
【0027】
一方、ステップ1において、現在受信中のチャンネルに字幕情報が含まれていない場合は、そのままステップ2に進む。
【0028】
ステップ2においては、同一TS上で受信中CH以外のCHに字幕があるかどうかを判断し、あればステップ3に進み同一TS上で受信中CH以外のチャンネルであって字幕のある全てのCHに対してその字幕を解析する。ステップ2で同一TS上で受信中CH以外のCHに字幕がなければステップ3をスキップしてステップ4に進む。ステップ4において、チャンネルの変更があるかどうかの判断を行ない、変更があればステップ5に進む。
【0029】
ステップ5ではステップ4でのチャンネル変更は同一TS上での変更かどうかの判断を行い、同一チャンネルの変更でなければ、ステップ8で他のTS(他のトランスポンダ)上におけるチャンネルの変更する処理を行ない、その後ステップ1に戻る。
【0030】
ステップ5において、同一TS上でCH変更がなされた場合、ステップ6においてその同一TS上にあるチャンネルへのチャンネル変更を行う。
【0031】
次にステップ7において、チャンネル変更先で字幕がないかどうかの判断がなされ、字幕があればステップ9でステップ3における解析結果を利用して字幕を即座に出力し表示する。
【0032】
そして、ステップ7において、変更先CHに字幕がなければステップ3に戻る。
【0033】
尚、上記実施例では、同一TS上における字幕の処理について記載しているが、チューナ部を複数設けることによって、一つのTS上のチャンネルを受信中に他のTS上における字幕の処理も行うように構成することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、現在視聴しているチャンネル以外のチャンネルに字幕情報がある場合に、あらかじめその字幕情報を解析しておくことで、視聴者がその字幕情報のあるチャンネルに切り換えた際に、映像の出力と同時に字幕を出力することで、それにより視聴者が即座に番組内容を把握することができ、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の放送受信機を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態の動作説明フローチャートである。
【符号の説明】
1 パラボラアンテナ
2 チューナ部
3 復調部
4 TS分離部
5 映像デコード部
6 音声デコード部
7 操作部
8 OSD多重処理部
9 EPG情報処理部
10 データ放送処理部
1 字幕・文字スーパー処理部
2 映像出力部
3 CRT
4 音声出力部
5 スピーカ
Claims (3)
- 多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組を受信するデジタルテレビジョン受信機において、
前記多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組のうち1つを選局して画面表示している時に前記多重化トランスポートストリームによって伝送される複数の番組のうち該選局中の番組以外の字幕情報を解析することを特徴とするデジタルテレビジョン受信機。 - 請求項1に記載のデジタルテレビジョン受信機において、
前記選局中の番組以外の番組の字幕情報を解析する前に該番組の字幕情報の有無を判断し、該字幕情報が無い場合は該字幕情報を解析しないことを特徴とするデジタルテレビジョン受信機。 - 請求項1または請求項2に記載のデジタルテレビジョン受信機において、
前記多重化トランスポートストリームに含まれる番組間で画面表示する番組の選局が変更された場合、前記字幕情報の解析による解析結果を利用して字幕を表示することを特徴とするデジタルテレビジョン受信機。
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